JP3428212B2 - 多層フィルム - Google Patents
多層フィルムInfo
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
ト強度、防湿性、低温ヒートシール性とを備えた多層フ
ィルムに関する。
は、その化学的性質、物理的性質に優れているため、包
装材料として用いられているが、ダートインパクト強度
に欠点があった。この欠点を克服すべく、エチレン−プ
ロピレンランダム共重合体(以下、EPRということも
ある。)をポリプロピレンにブレンドすることが行われ
ているが、十分な強度や低温ヒートシール性が得られ
ず、フィルムの防湿性も悪く、商品価値を低下させてい
た。
を改良し、ダートインパクト強度、防湿性、低温ヒート
シール性とを備えた多層フィルムの開発を課題とする。
レン1〜95重量%とエチレン含有量10〜90モル%
のエチレン−プロピレンランダム共重合体5〜99重量
%とからなり、非晶部ゴム粒径が10μm以下であるプ
ロピレン系樹脂組成物よりなる外面層と、0.935g
/cm3 以上の密度を有する高密度ポリエチレンよりな
る外層と、0.935g/cm3 以下の密度を有する低
密度ポリエチレンよりなる内層とからなる多層フィルム
により解決することができる。以下、本発明を詳細に説
明する。
いられるプロピレン系樹脂組成物に使用されるポリプロ
ピレンはフィルム用に使用される結晶性ポリプロピレン
であればよく、密度が0.89〜0.92g/cm3 、
JIS K6758により測定されるメルトフローレー
ト(230℃)が0.1〜90g/10分、アイソタク
チック・インデックス(沸騰n−ヘプタン抽出残)が7
5〜98%が好ましい。
合体はエチレン含有量が10〜90モル%であり、30
〜85モル%が好ましい。エチレン含有量が10モル%
未満では低温脆性、低温衝撃強度が悪い。また、90モ
ル%を超えると耐熱性が悪い。
しては、例えば三井石油化学工業(株)製の「タフマー
P−0280」、「タフマーP−0480」等の商品名
で市販されているものが例示できる。
ロピレンランダム共重合体の配合割合は、5〜99重量
%であり、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは
10〜30重量%である。エチレン−プロピレンランダ
ム共重合体の配合量が5重量%未満では低温衝撃強度の
改善が見られず、好ましくない。一方、配合割合が99
重量%を超えると、透明性を著しく阻害するので好まし
くない。
径は10μm以下であることが必要であり、5μm以下
が好ましい。非晶部ゴム粒径が10μmを超えると、多
層フィルムのダートインパクト強度が悪い。
ポリプロピレンとエチレン−プロピレンランダム共重合
体とを溶媒を用いて均一に混合した後、溶媒を除去する
方法が好ましい。
コントロールが可能な混合槽が用いられ、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレンランダム共重合体を溶かすこ
とが可能な溶媒を満たし、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレンランダム共重合体を投入し、溶媒に溶かした
状態で両者を均一に混合する。混合後、溶媒を除去、分
離する。
としては、20〜250℃でポリプロピレンを溶解し、
原料等に対して反応性をもたない不活性な溶媒であれ
ば、特に限定されるものではない。かかる溶媒の具体例
としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素又は
これらをハロゲン化したもの、さらにはヘキサン、ヘプ
タン、デカンなどの飽和脂肪族系炭化水素およびこれら
をハロゲン化したもの、シクロヘキサンなどの脂環式炭
化水素およびこれらのハロゲン化物などが例示できる。
れ、好ましくは50〜220℃の範囲で行われる。ま
た、混合は減圧下にても、加圧下にても行われ、混合圧
力は限定されるものではないが、減圧から100kg/
cm2 にわたってよい。しかし、通常は0〜50kg/
cm2 、好ましくは1〜10kg/m2 の範囲である。
混合時間は混合温度及び圧力等を考慮して適宜に設定さ
れる。
合、プロセスを用いて第1段階においてプロピレンが重
合してポリプロピレンを生成し、溶媒に溶けた状態の溶
液のまま、その後の段階において、プロピレンとエチレ
ン混合物が重合してエチレン−プロピレンランダム共重
合体を生成させるような方法もさしつかえない。
レンランダム共重合体を生成し、溶媒に溶けた状態の溶
液のまま、その後の段階において、プロピレンが重合し
てポリプロピレンを生成させるような方法でもさしつか
えない。
μm以下のプロピレン系樹脂組成物を製造することがで
きる。以上のような製造方法により得られるプロピレン
系樹脂組成物は、ゴム成分の分散性がよいため、本発明
の多層フィルムの中間層に用いると、特に包装材料の強
度の指標となるダートインパクト強度(B法)におい
て、500g(厚み100μmのフィルム)以上の値を
示し、耐ピンホール性においても優れた性能を示す。
用される高密度ポリエチレンとしては、エチレンを単位
として含み密度が0.935g/cm3 以上のものであ
れば多種のものを利用することができる。具体的には、
エチレンからなるホモポリマー、エチレンと他のモノマ
ー(例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1な
ど)からなる共重合体、あるいは2種以上の単量体から
なるプレポリマーとエチレンとからなる共重合体などを
例示することができる。
g/cm3 以上であることが必要である。密度が0.9
35g/cm3 未満では得られるフィルムが高密度ポリ
エチレンフィルムとしての優れた性質、例えば腰の強さ
(ヤング率)やガスバリヤー性(防湿性)などが損なわ
れる。
レート(190℃)が1.0g/10分以下であること
が望ましい。メルトフローレートが大きくなると、フィ
ルムの強度が低下する傾向がある。
により、中間層の防湿性を補い、透湿度が8g/m2 ・
24時間(厚み100μmのフィルム)以下の値が得ら
れ、湿気をコントロールする必要を有する内容物に対す
る包材として優れた多層フィルムを与える。
用される低密度ポリエチレンは、密度が0.935g/
cm3 以下であり、0.900〜0.930g/cm3
のものが好ましい。密度が0.900g/cm3 未満で
は耐衝撃性、耐クリープ性が低下し、0.930g/c
m3 を超えると十分な低温ヒートシール性(120℃以
下)が得られない。
成物、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンには、
通常用いられる他の添加剤、例えば抗酸化剤、帯電防止
剤、紫外線吸収剤、着色剤(顔料)等を添加することが
できる。
感光物質用包材に使用する場合は、遮光性を有すること
が必要である。このためには、高密度ポリエチレン、プ
ロピレン系樹脂組成物、低密度ポリエチレンより構成さ
れる各層のいずれか一層以上に0.1〜30重量%の遮
光性物質を含有させてもよいし、遮光層、例えば着色
紙、又はアルミ箔や亜鉛メッキした薄層鋼板等の厚さ5
μm以上、50μm以下の金属箔又は100〜1200
Åの金属蒸着層をもつ紙(例アルミ蒸着紙)や金属蒸着
フィルム(例アルミ蒸着フィルム)などの遮光性を持っ
た他の層を積層させるか、印刷により遮光性を付加する
などの方法を用いてもよい。
は、共押出法を好適に採用することができ、例えば多層
インフレーション成形法、多層キャスト成形法等によっ
て製造することができる。
中間層と内表面層との間に第三の層を介在させてもよい
が表面層は多層フィルムの最外面及び最内面に存在する
ことが必要である。第三の層としては、中間層と外層と
をより強固に結合するために接着性樹脂層を用いること
が好ましい。
の厚さはその使い易さの点から一般に10〜400μm
であり、20〜200μmであることが好ましい。
厚みが、全層の厚みの30〜99%、特に40〜80%
であることが好ましい。中間層の厚みが30%未満で
は、低温衝撃強度が不良となり、99%を超えると多層
フィルムのフィルム外部ヘイズが不良となる。
体的に示すが、本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。以下の実施例、比較例において、各物性は次の
方法によって測定した。 ダートインパクト強度‥‥‥JIS Z1702の衝撃
強度に準拠。 透湿度‥‥‥JIS Z0208−1976に準拠。 ヒートシール性‥‥‥まず、フィルムを幅15mmのた
んざく状に切り取り、これをシール圧力2kg/cm
2 、シール時間1秒の条件下で温度を変えてヒートシー
ルし、この試験片を300mm/分の速度で剥離して剥
離強度を調べる。その結果、この剥離強度が1kgを示
した試験片のシール温度をもってヒートシール性を表し
た。 非晶部ゴム粒径‥‥‥‥‥電子顕微鏡(SEM)にて測
定を行った。ゴム成分を見やすくする為に、RuO4 水
溶液にてフィルムをあらかじめ染色した。
クス96%、メルトフローレート(230℃)1.5g
/10分のプロピレン単独重合体160kgと、エチレ
ン含有量30モル%のエチレン−プロピレンランダム共
重合体40kgを、1000リットルのキシレン溶媒
中、1kg/cm2 G、140℃で2時間撹拌し、溶液
状態で均一に混合後、溶媒を除去し、組成物を減圧
(0.5Torr以下、60℃)で48時間乾燥後粉砕し、
ペレタイズした。得られたポリプロピレン系樹脂組成物
を中間層に用い、高密度ポリエチレンとして、密度が
0.950g/cm3 、メルトフローレート(190
℃)が0.8g/10分のものを外面層に用い、低密度
ポリエチレンとして、密度が0.920g/cm3 、メ
ルトフローレート(190℃)が1.0g/10分のも
のを内面層に用いて、空冷式インフレーション成形によ
り多層フィルムの製造を行った。この場合、インフレー
ション成形は、40mmφ成形機3台による3層成形機
を用い、ダイス100mmφ、吐出量30kg/H、成
形温度230℃の条件で行った。フィルムの全厚みは1
00μm、両表面層、中間層の厚み比を、1:2:1で
行った。ブロー比は2であった。得られたフィルムの物
性を表1に示す。表1の結果から、本発明の多層フィル
ムは、中間層のゴム成分の分散性が良く、優れたダート
インパクト強度を有するものであることが確認できた。
一方、高密度ポリエチレンを外面層、低密度ポリエチレ
ンを内面層に使用した効果が十分に発揮され、多層フィ
ルムとしても透湿度が小さく優れた防湿性、ヒートシー
ル性を有するものであることが確認できた。
ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合
体につき、実施例1と同様の条件(スケール、温度、圧
力、時間等)にてプロピレン系樹脂組成物を作成し、又
種々の高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを使用
し、実施例1と同様の条件でフィルム成形を行った。得
られたフィルム物性を表1に示す。
クス96%、メルトフローレート1.5g/10分のプ
ロピレン単独重合体160kgと、エチレン含有量30
モル%、エチレン−プロピレンランダム共重合体40k
gを、ヘンシェルミキサーで5分間混合し、L/D=2
4の40mmφ押出機により220で溶融混練ペレタイ
ズを行った。又実施例1と同じ高密度ポリエチレンと低
密度ポリエチレンを使用し、実施例1と同様の条件でフ
ィルム成形を行った。得られたフィルム物性を表1に示
す。
と同様の方法にて溶融混練ペレタイズを行い、フィルム
成形を行った。実施例3と同じポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレンランダム共重合体を実施例3と同量使用
し、比較例1と同様の方法でプロピレン系樹脂組成物を
得た。実施例3と同じ高密度ポリエチレンと低密度ポリ
エチレンを使用して多層フィルムを得た。得られたフィ
ルム物性を表1に示す。
レン系樹脂組成物を中間層及び両表面層に用いて、実施
例1と同様にフィルム成形を行った。得られたフィルム
物性を表1に示す。
レン系樹脂組成物を中間層及び内面層に用いて、実施例
1と同じ高密度ポリエチレンを外面層に用いて、実施例
1と同様にフィルム成形を行った。得られたフィルム物
性を表1に示す。
レン系樹脂組成物を中間層及び外面層に用いて、実施例
1と同じ低密度ポリエチレンを外面層に用いて、実施例
1と同様にフィルム成形を行った。得られたフィルム物
性を表1に示す。
ルムは、柔軟性を有し、且つゴム成分の分散性に優れて
いるため、ダートインパクト強度に優れている。又、透
湿度が小さく防湿性、低温ヒートシール性もかねそなえ
ている。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリプロピレン1〜95重量%とエチレ
ン含有量10〜90モル%のエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体5〜99重量%とからなり、非晶部ゴム粒
径が10μm以下であるプロピレン系樹脂組成物よりな
る中間層と、0.935g/cm3 以上の密度を有する
高密度ポリエチレンよりなる外層と、0.935g/c
m3 以下の密度を有する低密度ポリエチレンよりなる内
層とからなる多層フィルム。 - 【請求項2】 ダートインパクト強度(B法)が500
g以上であり、透湿度が8g/m2 ・24時間以下であ
り、内層間のヒートシール温度が120℃以下であるこ
とを特徴とする請求項1記載の多層フィルム。 - 【請求項3】 中間層に用いられるプロピレン系樹脂組
成物中のポリプロピレンの密度が0.89〜0.92g
/cm3 、メルトフローレート(230℃)が0.1〜
90g/10分、アイソタクチック・インデックス(沸
騰n−ヘプタン抽出残)が75〜98%であることを特
徴とする請求項1または請求項2に記載の多層フィル
ム。 - 【請求項4】 中間層の厚みが、全層の厚みの30〜9
9%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
項に記載の多層フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04741095A JP3428212B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 多層フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04741095A JP3428212B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 多層フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08238732A JPH08238732A (ja) | 1996-09-17 |
JP3428212B2 true JP3428212B2 (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=12774367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04741095A Expired - Lifetime JP3428212B2 (ja) | 1995-03-07 | 1995-03-07 | 多層フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3428212B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101909888B (zh) * | 2008-02-08 | 2014-02-12 | 三井化学株式会社 | 加热杀菌包装用膜 |
CN115991907A (zh) * | 2021-10-20 | 2023-04-21 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种低雾度高抗冲热封聚丙烯复合薄膜及其制备方法和应用 |
-
1995
- 1995-03-07 JP JP04741095A patent/JP3428212B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08238732A (ja) | 1996-09-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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