JP3427389B2 - バリ取り方法及びその装置 - Google Patents

バリ取り方法及びその装置

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JP3427389B2
JP3427389B2 JP18724991A JP18724991A JP3427389B2 JP 3427389 B2 JP3427389 B2 JP 3427389B2 JP 18724991 A JP18724991 A JP 18724991A JP 18724991 A JP18724991 A JP 18724991A JP 3427389 B2 JP3427389 B2 JP 3427389B2
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)
  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はバリ取り等の仕上げ加工
を機械により自動的に行う方法及びこの方法を用いたバ
リ取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の自動仕上げ方法では、特開昭62
−246465号公報に記載されているように、ロボッ
トの手先に付けた面形状センサで溶接ビードの中心位
置、高さを検出し、第1のリニアステップモータで中心
位置に倣わせると同時に、ビードの幅、高さから理想仕
上げ面を求め、そこまで削れるよう工具を移動させてい
る。また、圧力センサで押し付け圧を監視し、これが一
定範囲内に入るように第2のリニアステップモータを移
動させている。これにより、製品の製作精度のばらつき
による位置ずれの吸収、理想仕上げ面に沿った研摩、押
し付け圧を一定範囲に保つことにより無理のない良好な
研摩を実現させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法において
は、面形状センサで得た溶接ビードの高さの情報は理想
仕上げ面を求め、ツールをそこまで移動させることのみ
に使用されており、面形状センサによって得られる溶接
ビードの大きさに基づいて送り速度を変えるといったこ
とはされていなかったので、元々ワークのどの地点にど
のような形状で発生するかまったく予測できないという
特質を持ったバリに対して、特に用意されたツールの能
力以上のバリが発生した場合には、ツールの切り込み量
を変え、形状認識からツールによる研削という一連の作
業を何度も繰り返して行うことによってしか対応できな
いため効率的ではないという問題が有った。
【0004】また、従来の方法では送り方向に1ステッ
プごとに送るため、仕上げ面に条痕が残ってしまい、精
度の良い仕上げ面を確保できないという問題が有った。
【0005】また、バリはワークのどの地点にどれだけ
発生するか予測できないため、バリの発生したワークの
位置により理想仕上げ面の曲率半径が異なる場合がある
が、従来方法は、ツールの押し付け圧の範囲を一度設定
すると理想仕上げ面の曲率半径の変化に対応することな
く研削を行っていたため、ワークのエッジ部では、切り
込みすぎによる不良を発生したり平面部の精度の確保す
ることが困難であった。以上のように、発生地点が予測
できず、かつ多様な大きさを持つ除去対象に対して、従
来の方法では力制御することによって押し付け圧が一定
と成るようにツールの切り込み量を変えることによって
しか対応できなかったため、効率良くしかもワークの精
度を確保する事ができなかった。
【0006】本発明の目的は、ワークのどの地点にどの
ような大きさで発生するか予測のできないバリに対し
て、視覚センサ等によって得た除去対象の大きさの情報
を得ることにより、除去対象が大きい場合には送り速度
を遅くし、除去対象が小さい場合には送り速度を早くし
て、ツールの能力を最大限活用して効率良くバリと除去
するバリ取り方法を提供することにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、仕上げ面に条
痕が残らないよう、連続的にツールを送るようにするバ
リ取り方法を提供することにある。
【0008】また、本発明の他の目的は、2回以上で研
削する必要の有るような大きなバリが発生した場合に
も、2回目以降の研削時のツールの位置合わせは再度形
状認識する事なく設定できるように予めバリ取り計画を
作成した後、研削作業に取りかかるバリ取り方法を提供
することにある。
【0009】また、本発明の他の目的は、エッジ部の切
り込みすぎがないように、事前に対象ワークの理想形状
及びワークに要求される精度等の設計情報を得ることに
より、仕上げ部分がエッジ上か平面上かを区別し、押し
付け圧を他の仕上げ加工パラメータと同様に自動的に設
定するバリ取り方法を提供することにある。
【0010】さらに、バリの発生する可能性のある場所
を設計情報を活用することにより抽出できるので、視覚
センサによるバリの形状等の認識をする際のロボットの
軌跡が容易に作成でき、且つ抽出した領域のみを視覚認
識することでバリ取り時間を短縮するバリ取り方法を提
供することにある。以上、本発明の目的は、除去対象の
大きさや発生位置と各種の仕上げパラメータの関係を知
識データベースに蓄え、これに基づいて仕上げ加工パラ
メータを決定することにより、様々な大きさを持ち、任
意な場所で発生する除去対象に対して、最適な仕上げ加
工パラメータを予め設定することができ、高品質の仕上
げ面を短時間でえることができるバリ取り方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】形状認識手段によりワー
クの形状を認識し、バリの発生していないワーク面を基
準面とし、該基準面からはみ出した部分をバリとし、該
バリの断面積を算出し、該バリの断面積が、断面積の算
出が可能な下限断面積より大きく、かつ前記バリ取りツ
ールの単位時間当たりの研削量の上限値を制御可能な送
り速度の下限値である最低速度で割った値である上限断
面積より小さい場合、前記バリの断面積に応じてバリ取
りツールの送り速度を前記バリの断面積と反比例の関係
にして制御することを特徴とする。
【0012】また、前記バリ取り方法において、前記バ
リの断面積が前期下限断面積より小さい場合、前記バリ
取りツールの送り速度を、前記バリ取りツールの単位時
間当たりの研削量の上限値を下限断面積で割った値であ
る最高速度としたことを特徴とする。
【0013】また、前記バリ取り方法において、該バリ
の断面積が前記上限断面積より大きい場合、該バリの断
面積を前記上限断面積で割った値より大きい整数をバリ
取り回数とし、前記バリ取りツールの送り速度を、該バ
リ取り回数で該バリの断面積を割った値と反比例の関係
にして制御することを特徴とする。また、前記バリ取り
方法において、バリ取りを行う場所のワークの曲率半径
が大きい場合、ワークの曲率半径が小さい場合よりバリ
取りツールの押し付け圧を大きくしたことを特徴とす
る。また、前記バリ取り方法において、前記バリの断面
積に応じて、バリ取りツールの送り速度、及びバリ取り
回数を求め、バリ取り作業を開始することを特徴とす
る。
【0014】さらに、対象ワークの形状を認識する認識
手段と、該ワークの形状を認識し、バリの発生していな
いワーク面を基準面とし、該基準面からはみ出した部分
をバリとし、該バリの断面積を算出し、該バリの断面積
が、断面積の算出が可能な下限断面積より大きく、かつ
前記バリ取りツールの単位時間当たりの研削量の上限値
を制御可能な送り速度の下限値である最低速度で割った
値である上限断面積より小さい場合、前記バリの断面積
と反比例の関係になるように前記バリ取りツールの送り
速度を算出する演算手段と、算出された送り速度となる
ように前記バリ取りツールを移動する制御手段とを具備
したことを特徴とする。
【0015】
【作用】ワークのどの地点にどのような大きさで発生す
るか予測できないバリに対して、予め形状認識をしてワ
ークに発生しているバリの断面積を求め、この求めたバ
リの断面積に応じてツールの送り速度を適宜変化させる
ことでツールの能力を最大限生かし、生産性を向上させ
ることができる。
【0016】また、形状認識手段によって認識されたバ
リの大きさばかりでなく、認識手段が認識しているワー
クの位置を、ロボットの現在の位置と上位コンピュータ
の設計情報とを比較して求め、バリの発生している位置
のワークの理想形状を読み出し、バリの発生地点におけ
るワークの形状にあった押し付け圧を適宜変化させて研
削することで、精度良くしかも切り込みすぎによる不良
を防止できるバリ取り作業を行う。
【0017】また、バリ取り作業を行う前に、予め形状
認識してバリの断面積を求め、この求めたバリの断面積
に応じてツールの送り速度を適宜変化させると共に、認
識手段が認識しているワークの位置を、ロボットの現在
の位置と上位コンピュータの設計情報とを比較して求め
ることによって、バリの発生している位置のワークの理
想形状に応じたツールの押し付け圧を適宜設定すること
で精度の良くしかも効率的なバリ取り作業を行え、しか
も視覚等の形状認識手段がバリ取り作業中に発生する粉
塵等によって悪影響を及ぼされることなく研削作業を行
え、高精度の仕上げ作業をする。
【0018】また、予めワークの理想形状を記憶してお
き、バリの発生する可能性のある領域を上位コンピュー
タに教示することで、教示された領域情報を理想形状の
情報に組み合わせることができ、これによって、この領
域を検査する動作軌跡を検査する前に予め作成できるの
で、バリの発生位置が予測できなくても、ワーク全体を
形状認識することなく、形状認識する領域を予め絞り込
んだ後に、効率的に視覚認識する。
【0019】また、バリの断面積と送り速度の関係、バ
リの位置するワークの理想形状とツールの押し付け圧の
関係、バリの断面積からバリ取り作業の回数、及びその
時の送り速度との関係を参照して、視覚認識されたバリ
の断面積に応じてバリ取り作業回数をバリ取り作業前に
決定するので、ツールの制御が容易となり、生産性も向
上する。
【0020】
【実施例】以下、本発明をバリ取りに応用した実施例に
ついて説明する。
【0021】装置構成を図1に示す。ロボット1の手先
には、視覚センサ2、力センサ3、バリ取りツール4が
取付けられている。視覚センサからの情報は下位コンピ
ュータ5に送られる。ワーク9の理想形状、材質等の設
計段階に作成される設計情報は上位コンピュータ6内に
蓄えられているが、これもネットワーク7を介して下位
コンピュータに送られる。下位コンピュータ5では、設
計情報のワーク形状と視覚センサからの情報をワーク9
の各点で比較することでバリの形状を算出し、算出され
たバリの形状とワークが要求されている精度、バリの発
生場所等の設計情報から読み出し、これらの情報を元に
バリ取りパラメータ等の作業計画を作成する。このよう
に、作業前に予め作業計画を作成した後、ロボット制御
装置が作業計画に基づいて、ロボット1を駆動すると共
に力センサ3からの値を元に、所定の押し付け圧になる
ように制御しながら、ロボットを動かしてワーク9のバ
リ取りを行う。
【0022】以下、全体の流れを一項目ずつ詳細に説明
する。
【0023】最初に、上位コンピュータ6上で設計情報
を元にバリが発生する可能性のある場所を抽出する。こ
の抽出は、例えば対象ワークが鋳物の場合、上型と下型
との境界、長尺物の切断面をCAD情報である設計情報
に加えるように上位コンピュータに入力装置6′を介し
て教示することによって抽出する。尚、この教示は入力
装置6′に入力し、上位コンピュータ6に直接教示する
ことにより設計情報に加えることができるので、バリの
発生する可能性のある場所の点、線、あるいは面を教示
するだけで良く、ロボット制御装置8に1ステップ毎の
全ての位置を教示する必要はない。こうして得られたバ
リの発生する可能性のある場所をネットワーク7を介し
て下位コンピュータ5に送る。下位コンピュータ5で
は、上位コンピュータに蓄積してあるワークの設計情報
に加えた教示された情報を元に、視覚センサ2によりバ
リ形状認識を行う際の視覚センサの軌跡を生成する。こ
の時、ワークのセット位置を決め、視覚センサがワーク
を見る方向をワーク面に対して法線方向として、算出さ
れた視覚センサの軌跡からロボットの動作軌跡を作成
し、ロボット制御装置8へ送る。ロボット制御装置8で
はこの指令に基づきロボットを駆動して、ワーク上のバ
リの発生する可能性のある場所を視覚センサ2により検
査する。
【0024】ロボットの軌跡は設計情報から生成する以
外に、通常のティーチングにより生成することも可能で
ある。また、本発明におけるロボットは、力センサ3を
有しているたに、通常のティーチングボックスからの
数値指令によりロボットを動かすティーチング方法以外
に、人間がロボットの手先を持ってティーチングを行う
ダイレクトティーチも行うことが可能である。
【0025】視覚センサによるバリ形状認識の方法を図
2に示す。視覚センサとしてはレーザスポットセンサ1
0を使用する。このセンサは三角測量の原理に基づくも
のであり、1カ所にレーザを照射した場合、センサから
ワーク9までの距離を得ることができる。このレーザス
ポット10をバリがつながっている方向に対して垂直方
向に走査し、画像処理装置11に送り込むことで、バリ
の断面画像11′を得ることができる。
【0026】バリの断面形状から理想仕上げ面位置1
2、及びバリ断面積を算出するアルゴリズムを図3によ
り説明する。視覚センサ2によりバリ形状認識を行って
いるのと同時に、ロボット制御装置8からロボット1の
手先位置、姿勢の情報が下位コンピュータ5へ送られて
くる。このロボット制御装置8から下位コンピュータ5
へ送られてくる情報と、視覚センサ2により得られる視
覚センサから下位コンピュータ5へ送られてくるワーク
までの距離の情報とから、その時に視覚センサ2が見て
いるワーク1上の位置が得られる。下位コンピュータで
は、設計情報のワーク形状と視覚認識により得られたワ
ークの形状とを各認識点毎に比較し、バリの発生しない
場所を理想仕上げ面位置算出基準12とする。このよう
にして求めた理想仕上げ面位置算出基準12を2点選択
し、これらの平均値より理想仕上げ面位置を得る。次
に、バリの発生する可能性のあるバリ認識範囲において
理想仕上げ面からはみ出した部分をバリとして認識す
る。これにより、バリの高さ、バリの断面積等が得られ
る。
【0027】このアルゴリズムにより得られる情報を図
4に示す。
【0028】視覚センサ2により得られる情報は、視覚
センサからワークの理想仕上げ面までの距離L、バリ幅
W、バリ高さH、バリ断面積Aである。
【0029】視覚センサとしてはレーザスポットセンサ
以外に図5に示すようにスリット光13をワーク9に照
射し、TVカメラ14で撮像する光切断法によるものも
利用可能である。
【0030】また、バリ形状認識を行なう視覚センサ
は、実際にバリ取りを行うロボットの手先に常時付けて
いても良いし、事前に形状認識を行なった後、これをツ
ールと交換しても良い。また、図6のようにバリ取りロ
ボットとは別なカメラコントロール装置15に付けて形
状認識を行うことも可能である。
【0031】さらに、レーザスポットセンサでは、図7
に示すように光の当らない影の部分16ができてしまう
が、複数の視覚センサを用いることにより、この問題を
解決することができる。
【0032】また、発生しているバリの量を得る方法と
しては、視覚センサ以外にも、実際にツールをワークに
倣わせながら力センサの値により知ることも可能であ
る。これは、各点における押し付け圧を、ロボット制御
装置より下位コンピュータに吸い上げることにより容易
に行われる。
【0033】上述したように、ロボット制御装置8から
得られるロボット1の手先位置の情報と視覚センサとワ
ークとの相対位置との関係とから、視覚センサが見てい
るワークの位置がわかると、その位置に対応したワーク
の設計情報を上位コンピュータ6からネットワーク7を
介して下位コンピュータ5に取り込むことによって、バ
リの発生している場所のワークの曲率半径を知ることが
できる。
【0034】また、バリの発生している場所の理想仕上
げ面の曲率とバリの断面積を求めるための他の実施例を
述べる。
【0035】上位コンピュータ6より読み出したワーク
の理想形状から同一平面上にない基準点をバリの発生す
る可能性のない領域より3点選択する。視覚センサによ
り認識された実際のワークの形状において、理想形状の
基準点に相当する場所を認識基準点として教示し、認識
された形状の位置及び姿勢を補正することで基準点と認
識基準点を一致させて理想形状と認識形状とを比較し、
一致しない部分をバリとして認識する。これにより、バ
リの発生しているワークの理想形状の曲率半径、及びバ
リの断面積を算出することもできる。
【0036】以上により、下位コンピュータ5の内部で
は、ワーク上のある位置におけるバリの断面積、及びそ
の位置のワークの理想仕上げ面の曲率半径の情報を作成
する。
【0037】以下、図8に示すように理想仕上げ面の曲
率半径が0のエッジ部と∞の平面部の2通りについて説
明する。図9に下位コンピュータが上述した方法により
作成した情報であるグラフを示す。
【0038】一方、下位コンピュータ5の内部には、今
までで得た情報とは別に、バリを削る際の最適なワーク
の理想仕上げ面の曲率半径によって定まる最適の押し付
け圧、バリの断面積の違いによるツールの送り速度等の
バリ取りパラメータ情報、及び要求される精度と、生産
性との兼ね合いから力制御の方向をワーク理想仕上げ面
に対して接線方向にするか法線方向にするかを選択する
力制御方法情報、1回で削れる最大量等の対応関係情報
を蓄積している知識データベースを持っておく。その具
体的な内容を図10及び図11に示す。
【0039】まず、バリがエッジ上にある場合と平面上
にある場合とでは、エッジ上にある場合の方が、理想仕
上げ面より深く削り込んだ場合の研削力が、平面上にあ
る場合よりも小さいため、最適な押し付け圧も小さくな
る。これをあらかじめ実際により求めて、エッジ上のバ
リの最適押し付け圧は15N、平面上のバリの最適押し
付け圧は20Nといった情報としてデータベースに蓄え
ておく。また、最適押し付け圧の決定は、要求される精
度が高い場合には、曲率半径の違いによる最適押し付け
圧を予め実験等により求めておき、曲率半径の違いによ
りキメ細かい押し付け圧の設定をすることによって対応
できる。
【0040】また、図11に示すようにツールの単位時
間当りの研削量には上限が存在するが、バリ取り時間を
短縮するためには、常にこの値で削る方が良い。単位時
間当りの研削量は、バリ断面積と送り速度の積であるの
で、上限値を維持するためには、バリ断面積に応じて送
り速度を変化させる必要がある。基本的には、バリ断面
積が大きくなるにつれて送り速度を遅くするのである。
この関係を図11の送り速度を求める式として表わす。
【0041】微小なバリについては正確にその断面積を
得ることは困難なので、微小な値の範囲では断面積に拘
らず送り速度を一定とした方が良い。これが図11にお
ける最高速度であり、断面積が微小であるかどうかのし
きい値が下限断面積である。
【0042】逆に断面積が大きい場合に、送り速度を限
り無く0に近づけると正確にその速度に制御することが
困難であるので、仕上げ面にむらが生じてしまう。この
ような場合、仕上げ精度を確保するために、送り速度に
は下限を設定する必要がある。これが図11に示した最
低速度である。そして、最低速度で削れる限界の断面積
が上限断面積である。
【0043】バリが大きくなり、研削量が多くなると、
ツールの負荷が大きくなって良好な仕上げ面が得られな
くなる。そこで、1回の研削で良好な仕上げ面が得られ
ないと考えられる部分は2回以上で研削するようにバリ
取りの計画を変更する必要がある。このような場合、バ
リの断面積がこの上限断面積を超える場合にはバリの断
面積を整数nで割り、その解Aが、下限断面積から上限
断面積の間になるように整数nを選択する。この場合、
ツール4の送り速度は解Aを断面積とした場合の送り速
度とする。また、切削回数はn回となる。
【0044】ツールの出力が大きくなると、単位時間当
りの研削量が増えるので、このグラフも右斜め上にシフ
トする。
【0045】また、バリ取りを行う際には力制御により
ロボットを動かしているが、そのやり方にもいくつかの
方法がある。これを図12に示す。要求されている仕上
げ面の精度が高い場合には、ロボットの軌跡誤差を吸収
させるために、面に垂直な方向に一定の押し付け圧で押
し付けるよう力制御を行い、面の接線方向には位置制御
を行う。しかし、理想仕上げ面の位置が正確に求められ
ている場合、あるいは、要求される仕上げ面の精度が高
くない場合には、逆に面に垂直な方向に位置制御を行
い、面の接線方向に力制御を行うことにより、削る量に
応じた送り速度で削ることが可能となり、バリ取り時間
を短縮することができる。
【0046】さらに、力制御の一方法として仮想コンプ
ライアンス制御があるが、この方法を用いてバリ取りを
行うことも可能である。この方法は、単純な力制御では
なく、位置の偏差に応じて力を発生させる位置と力のハ
イブリッド制御である。仮想コンプライアンス制御を行
う場合には図13に示すようなパラメータを各点ごとに
実時間で変えることができる。ロボットハンドとツール
の間の粘性抵抗係数C、弾性定数K、ツール送り速度
V、ツール回転角速度ω、砥石の種類などである。
【0047】以上により、視覚センサから得られるバリ
の断面積の情報からはバリ取りツールの送り速度及び研
削回数等が決定され、設計情報とロボットの制御装置か
らの情報により得られるバリの発生位置がエッジ上か平
面上かの情報とワークの材質情報からは押し付け圧が決
定され、さらに仕上げ面に要求される精度からは力制御
方法が決定されて、一つのワークに対するバリ取り計画
が作成される。その例を図14に示す。
【0048】バリ取り計画は、下位コンピュータ内部で
作成されるので、これをロボット制御装置に送る。ロボ
ット制御装置では、この計画に基づいて力センサからの
値をフィードバックして力制御を行いながら、バリ取り
を行う。
【0049】次に本発明の別な実施例について述べる。
【0050】先の実施例では1つのワーク全体のバリ形
状認識を行った後、バリ取り計画を立てバリを取ってい
た。しかし、ロボットの手先にツールと視覚センサを両
方取付け、一方でバリを取りながら同時に、視覚センサ
によりその先のバリの形状認識を行い、バリ取り知識デ
ータベースから最適な研削パラメータを導き出してバリ
取りを行う方法もある。この場合も形状認識は先行して
行われるため、バリの大きさが急激に変化してもこれに
追従することが可能である。
【0051】また、バリ取りと形状認識を同時に行う
と、バリ取りによって発生する粉塵、火花が形状認識の
妨げとなるが、これは、エア等で除去可能である。
【0052】最後にバリ取りを行う際のフローチャート
を図15に示す。
【0053】まず、設計情報を元にバリが発生する可能
性のある場所を抽出する(ステップ102)。そして、
ワークのセット位置の教示を行って(103)、形状認
識時のロボットの動作軌跡を生成する(104)。次
に、生成された軌跡に沿ってロボットを動かし(10
5)、視覚センサによりバリ形状認識を行う(10
6)。これによって、バリ位置、バリ断面積のデータを
生成する(107)。これと、設計情報等から知識デー
タベースに基づき、ツールの送り速度、押し付け圧、作
業回数等を決定し、作業計画を作成する(108)。こ
れをロボット制御装置に送る(109)。
【0054】実際のバリ取りを行う際には、研削力の検
出を行い(110)、リアルタイムでフィードバックし
ながら、押し付け圧が一定となるようにロボットの制御
を行う(111)。終了点に到達した場合には(11
2)、次のワークに対する作業を行うかどうか判断し
(113)、行なわない場合にはすべての作業を終了す
る(114)。また、次のワークに対する作業を行う場
合にはワークの種類に変更があるかどうか調べ(11
5)、同じ場合には、新たなワークに対して、先程生成
した形状認識時の動作軌跡に沿ってロボットを動かし、
形状認識、作業計画作成、バリ取りを行う。ワークの種
類に変更が有った場合には、新たな種類のワークの設計
情報を上位コンピュータより読み出し、最初の手順によ
り行う。
【0055】
【発明の効果】本発明は、設計段階に作成されるワーク
の理想形状等の設計情報を活用することにより、バリの
発生するワークの領域のみを視覚認識することができる
ので、視覚認識のための時間を大幅に短縮することがで
きる。また、この時、バリの発生する可能性のある領域
の教示は、設計情報にマウス等によって領域指定するこ
とで容易に付け加えることができ、視覚センサ等の軌跡
の全てを教示する必要がなく効率的である。
【0056】また、本発明は、視覚センサ等の形状認識
手段により対象ワークの形状を認識し、予め記憶させて
おいた対象ワークの設計情報とを比較することで、バリ
の断面積情報と、及びバリの発生している位置からその
地点のワークの理想形状情報と、バリの発生している位
置のワークの材質情報及び要求される精度を設計情報か
ら得ることにより、事前に最適な押し付け圧、送り速
度、力制御方法、仕上げ作業回数等を決定することがで
きる。これにより、発生場所及び大きさが対象ワーク毎
に異なるワークに対して、バリの大きさ、発生場所に応
じた最適なツールの送り速度及びツールの押し付け圧、
力制御方法により、仕上げを行うことが可能となり、仕
上げ作業時間の短縮、良好な仕上げ面の実現が可能とな
る。
【0057】また、対象ワーク毎に予め作業計画を作成
した後、バリ取り作業に取りかかれるので、視覚センサ
等の形状認識手段が粉塵、火花等の悪影響を及ぼされる
ことなく作業をする事ができるので、仕上げ精度を向上
させることができる。
【0058】また、事前に仕上げ作業計画を立てること
により、1回だけの研削では十分に取りきれないような
大量の除去対象に対しても、ここを2回以上で削るよう
に設定することが可能となり、高品質な仕上げ面を得る
ことができる。また、2回以上で削る場合、ツールの位
置制御を新たに行う必要がなく、作業計画に基づいて自
動で研削するので、研削時間を大幅に短縮することがで
きる。
【0059】さらに、今までは人手に頼っていた仕上げ
作業を自動化することにより、騒音、粉塵等の劣悪な作
業環境が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動バリ取り装置の構成を示す図である。
【図2】視覚によるバリ形状認識方法を示す図である。
【図3】バリ形状認識アルゴリズムを示す図である。
【図4】視覚センサにより得られる情報を示す図であ
る。
【図5】TVカメラを用いた光切断法を示す図である。
【図6】視覚センサをロボットの手先以外に付けた例を
示す図である。
【図7】レーザスポットセンサで生じる影を示す図であ
る。
【図8】バリ発生場所の違いを示す図である。
【図9】バリの発生場所におけるワークの形状とバリの
大きさを示す図である。
【図10】知識データベースの例1を示す図である。
【図11】知識データベースの例2を示す図である。
【図12】力制御の適用方向を示す図である。
【図13】仮想コンプライアンス制御のパラメータを示
す図である。
【図14】バリ取り計画の例を示す図である。
【図15】バリ取りのフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
1…ロボット、 2…視覚センサ、 3…力センサ、 4…バリ取りツール、 5…下位コンピュータ、 6…上位コンピュータ、 7…ネットワーク、 8…ロボット制御装置、 9…ワーク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 源治 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所習志野工場内 (72)発明者 前田 健次 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所習志野工場内 (56)参考文献 特開 平3−3706(JP,A) 特開 昭60−71145(JP,A) 特公 昭51−6396(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 9/00 B23Q 15/00 B24B 27/00 B24B 49/10 B24B 49/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形状認識手段によりワークの形状を認識
    し、バリの発生していないワーク面を基準面とし、該基
    準面からはみ出した部分をバリとし、該バリの断面積を
    算出し、 該バリの断面積が、断面積の算出が可能な下限断面積よ
    り大きく、かつ前記バリ取りツールの単位時間当たりの
    研削量の上限値を制御可能な送り速度の下限値である最
    低速度で割った値である上限断面積より小さい場合、 前記バリの断面積に応じてバリ取りツールの送り速度
    を、前記バリの断面積と反比例の関係にして制御するこ
    とを特徴とするバリ取り方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のバリ取り方法において、 前記バリの断面積が前記下限断面積より小さい場合、前
    記バリ取りツールの送り速度を、前記バリ取りツールの
    単位時間当たりの研削量の上限値を下限断面積で割った
    値である最高速度としたことを特徴とするバリ取り方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のバリ取り方法において、 該バリの断面積が前記上限断面積より大きい場合、該バ
    リの断面積を前記上限断面積で割った値より大きい整数
    をバリ取り回数とし、前記バリ取りツールの送り速度
    を、該バリ取り回数で該バリの断面積を割った値と反比
    例の関係にして制御することを特徴とするバリ取り方
    法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3記載のうちのいずれかの
    リ取り方法において、 バリ取りを行う場所のワークの曲率半径が大きい場合、
    ワークの曲率半径が小さい場合よりバリ取りツールの押
    し付け圧を大きくしたことを特徴とするバリ取り方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3記載のうちのいずれかの
    リ取り方法において、 前記バリの断面積に応じて、バリ取りツールの送り速
    度、及びバリ取り回数を求め、バリ取り作業を開始する
    ことを特徴とするバリ取り方法。
  6. 【請求項6】対象ワークの形状を認識する認識手段と、 該ワークの形状を認識し、バリの発生していないワーク
    面を基準面とし、該基準面からはみ出した部分をバリと
    し、該バリの断面積を算出し、該バリの断面積が、断面
    積の算出が可能な下限断面積より大きく、かつ前記バリ
    取りツールの単位時間当たりの研削量の上限値を制御可
    能な送り速度の下限値である最低速度で割った値である
    上限断面積より小さい場合、前記バリの断面積と反比例
    の関係になるように前記バリ取りツールの送り速度を算
    出する演算手段と、 算出された送り速度となるように前記バリ取りツールを
    移動する制御手段と、を具備したことを特徴とするバリ
    取り装置。
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