JP3426491B2 - ピニオンギアの取付構造 - Google Patents

ピニオンギアの取付構造

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JP3426491B2 JP03269398A JP3269398A JP3426491B2 JP 3426491 B2 JP3426491 B2 JP 3426491B2 JP 03269398 A JP03269398 A JP 03269398A JP 3269398 A JP3269398 A JP 3269398A JP 3426491 B2 JP3426491 B2 JP 3426491B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のヒータコ
ントロール装置に適用する温度調節用のボリューム等の
回転部材の一部を構成するピニオンギアの取付構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のピニオンギアの取付構造
は、ベース部材に節度を与えるためのボール部材をスプ
リングを介して配設した状態で、前記ボール部材と係合
する節度溝を有するピニオンギアの先端部をベース部材
に設けた保持部に回動可能に保持させ、この状態で、前
記先端部を支点として後端部を下降させてピニオンギア
をベース部材に組み付けている。そして、操作ノブに突
設したシャフト部材をピニオンギアの後端部から挿入す
ることにより、前記操作ノブを回動させることにより、
シャフトを介してピニオンギアが連動して回動するよう
になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ピ
ニオンギアの取付構造では、ピニオンギアにはボール部
材と係合する節度溝を設けているため、前記操作ノブと
の組付方向性が必要になるが、前記ベース部材に対する
組付方向が不確定であるため、操作ノブを誤装着してし
まうという問題があった。そこで、本発明では、ベース
部材に対するピニオンギアの組付方向を規制し、ピニオ
ンギアに対する操作ノブの誤装着を確実に防止すること
を課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のピニオンギアの取付構造は、ベース部材に
配設されたボール部材と係合する節度溝を備えたピニオ
ンギアの先端部をベース部材に回動可能に係合させ、該
ベース部材に対して回動可能に取り付けるピニオンギア
の取付構造であって、前記ピニオンギアに、ベース部材
への組付方向を規制する規制凸部を設け、該規制凸部を
前記ピニオンギアの回動範囲を規制するストッパとなる
ように構成したものである。
【0005】前記ピニオンギアの取付構造によれば、ピ
ニオンギアにベース部材への組付方向を規制する規制凸
部を設けているため、組付時に所定の組付方向と異なる
場合には前記規制凸部がベース部材に干渉して取り付け
ることができない。よって、ベース部材に対してピニオ
ンギアを組み付けた状態は、常に、一定した方向性に規
制することができ、その結果、後でピニオンギアに操作
ノブを組み付ける際に、該操作ノブを誤装着するのを防
止することができる。また、前記規制凸部を、ベース部
材に対するピニオンギアの回動範囲を規制するためのス
トッパとなるように構成すれば、ピニオンギアの構造が
複雑になるのを防止することができる。
【0006】前記ピニオンギアの取付構造では、前記ピ
ニオンギアの後方に円弧状に切り欠いた切欠部を設ける
とともに、該切欠部と径方向に対向する位置に前記規制
凸部を設け、ベース部材に対するピニオンギアの組付方
向性を確実に規制することができるとともに、組付時の
作業性の向上を図ることができるようにすることが好ま
しい。
【0007】また、前記節度溝を軸方向に沿って隣接す
るように2以上設け、節度溝に係合するボール部材の配
設位置を変更することにより、異なった回動角度で節度
を与えることができるようにし、2以上の箇所に1つの
ピニオンギアを使用できるようにすることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。図1は、本発明のピニオンギアの取
付構造を適用した自動車のヒータコントロール装置1を
示す。このヒータコントロール装置1は、ベース部材2
に対し、温度調節スイッチ3Aおよび風の吹出口を選択
するスイッチ3Bの一部を構成するピニオンギア4を回
転可能に取り付け、該ピニオンギア4を操作ノブ5A,
5Bを介して回転させることによって車室内の温度調節
や、風の吹き出し口の選択をするものである。なお、図
中、符号3Cは、エアコンのオン、オフ、および、風量
を調節するためのファンスイッチである。
【0009】前記ベース部材2は、前記スイッチ3A,
3B,3C、および、前面パネル8を一体に固定するも
のである。このベース部材2には、図2(A),(B)
に示すように、前記ピニオンギア4の取付位置に支持台
部9が設けられるとともに、ピニオンギア4の先端を回
動可能に保持する鈎状の保持部10が設けられている。
この支持台部9は、上面をピニオンギア4の外周部に沿
うように湾曲させた形状をなし、後述する規制凸部26
の回転範囲を規制する回り止め役割をなすように幅Wが
設定されている。また、この支持台部9の略中央には、
節度を与えるためのボール部材11およびスプリング1
2を配設するための収容部13が設けられている。
【0010】また、前記ベース部材2は、前記前面パネ
ル8を固定する側の前部に立上部14を備えている。こ
の立上部14には、前記支持台部9の延長線上に嵌合孔
15が設けられている。この嵌合孔15の周縁には、前
記操作ノブ5A,5Bを取り付ける際のガイド筒部16
が設けられている。
【0011】前記ピニオンギア4は、略円錐形状のギア
部17と、該ギア部17の連続した略円柱形状の節度付
与部18とからなり、その全長は、前記ベース部材2の
嵌合孔15と保持部10との間隔と略同一になるように
設定されている。また、このピニオンギア4には、軸方
向に延びる断面略D形状のシャフト取付穴19が設けら
れている。
【0012】前記ギア部17には、ワイヤ20A,20
Bと接続した回動部材21,21に弧状に連設されたラ
ック22,22と噛合するようになっている。前記節度
付与部18の外周部には、前記ボール部材11が係合す
る節度溝24が軸方向に延びるように設けられている。
また、この節度付与部18の後端部には、図2(B)に
示すように、円弧状に切り欠いた切欠部25が設けられ
るとともに、この切欠部25と径方向に対向する位置に
外方に突出する規制凸部26が設けられている。前記切
欠部25は、前記ギア部17の先端を支点として回動さ
せ、ピニオンギア4をベース部材2に取り付ける際に、
ベース部材2に干渉することなく前記支持台部9上に配
設できる曲率とされている。前記規制凸部26は、支持
台部9の側部に当接する突出長さとされている。
【0013】前記操作ノブ5は、使用者が把持するノブ
部27と、前記ベース部材2の嵌合孔15内に回動可能
に位置する筒状の挿通部28と、該挿通部28の中央よ
り突出する取付部29とからなり、該取付部29に前記
ピニオンギア4のシャフト取付穴19に嵌挿固定するシ
ャフト30を取り付けるものである。
【0014】次に、前記ピニオンギアの取付構造を適用
したヒータコントロール装置1の組立動作について説明
する。図3(A)に示すように、まず、ベース部材2の
収容部13にスプリング12を介してボール部材11を
収容させる。
【0015】ついで、切欠部25が下方に位置するよう
にピニオンギア4の節度付与部18を把持し、該ピニオ
ンギア4の先端部をベース部材2の保持部10に挿入す
る。
【0016】そして、ピニオンギア4を、保持部10に
挿入した先端部を支点として、後端部を下向きに回動さ
せる。これにより、ピニオンギア4に形成した切欠部2
5によって、該ピニオンギア4とベース部材2とが干渉
することなく、図3(B)に示すように、ピニオンギア
4をベース部材2に組み付けることができる。
【0017】ここで、ピニオンギア4を、ベース部材2
に対して切欠部25が下方に位置しない方向で配置した
場合には、ピニオンギア4の節度付与部18の縁がベー
ス部材2に干渉するため、ベース部材2に対してピニオ
ンギア4を取り付けることはできない。即ち、ピニオン
ギア4は、ベース部材2に組み付けると、常に、図3
(B)に示すように、切欠部25が下方、規制凸部26
が上方に位置する。
【0018】その後、予めシャフト30を取り付けた操
作ノブ5を、シャフト30側よりベース部材2の嵌合孔
15内に挿入し、図2(B)に示すように、シャフト3
0とピニオンギア4のシャフト取付穴19とを係合させ
る。この時、ピニオンギア4は、ベース部材2に組み付
けた状態では、常に、図3(B)に示す状態であるた
め、操作ノブ5のノブ部27の挿入方向も常に同じ方向
でよく、その結果、組付作業性の向上を図ることができ
る。
【0019】そして、従来と同様に、ベース部材2に対
してファンスイッチ3Cを組み付けるとともに、前面パ
ネル8を組み付けることにより、ヒータコントロール装
置1の組み付けが完了する。
【0020】前記ヒータコントロール装置1によれば、
操作ノブ5A,5Bを回動させると、シャフト30を介
してピニオンギア4が連動して回動することにより、回
動部材21を一緒に回動させてワイヤ20を動作させ、
温度調節、または、風の吹出口を選択、変更することが
できる。また、所定角度回動させると、ピニオンギア4
に設けた規制凸部26がベース部材2の支持台部9の側
部に当接することにより、回動が抑止される。
【0021】このように、前記ピニオンギアの取付構造
では、ベース部材2に対する組付時にはピニオンギア4
の組付方向が規制されるため、常に、特定の組付状態と
することができる。その結果、後工程で、操作ノブ5を
組み付ける時に、該操作ノブ5の組付方向も常に同じ方
向でよくなり、誤装着するのを確実に防止することがで
きるとともに、組付作業性の向上を図ることができる。
また、前記規制凸部26を、従来から必要とされていた
ストッパの役割をなすように構成しているため、従来と
比較してピニオンギア4自体の構造が複雑になることは
ない。
【0022】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではない。例えば、前記ピニオンギア4は、図4
(A),(B)に示すように、節度溝24を軸方向に沿
って隣接するように2以上(図示では2種24A,24
B)設けてもよい。このようにすれば、節度溝24A,
24Bに係合するボール部材11の配設位置を変更する
ことにより、異なった回動角度で節度を与えることがで
きるため、異なる2以上の箇所に1つのピニオンギアを
使用することができる。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のピニオンギアの取付構造では、ピニオンギアにベース
部材への組付方向を規制する規制凸部を設け、ベース部
材に対してピニオンギアを組み付けた状態は、常に、一
定した方向性に規制することができ、その結果、後でピ
ニオンギアに操作ノブを組み付ける際に、該操作ノブを
誤装着するのを防止することができる。その結果、組付
時の作業性の向上を図ることができる。また、前記規制
凸部は、従来から必要なベース部材に対するピニオンギ
アの回動範囲を規制するためのストッパとなるように構
成しているため、ピニオンギアの構造が複雑になるのを
防止することができる。さらに、ピニオンギアに節度溝
を軸方向に沿って隣接するように2以上設け、節度溝に
係合するボール部材の配設位置を変更することにより、
異なった回動角度で節度を与えれるようにし、2以上の
箇所に1つのピニオンギアを使用できるようにしている
ため、部品点数の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のピニオンギアの取付構造を適用した
ヒータコントロール装置を示し、(A)は一部を破断し
た平面図、(B)は正面図である。
【図2】 図1の要部を示し、(A)は背面側から見た
断面図、(B)は側方から見た断面図である。
【図3】 (A),(B)はピニオンギアの取付工程を
示す断面図である。
【図4】 (A),(B)はピニオンギアの変形例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1…ヒータコントロール装置、2…ベース部材、3A,
3B,3C…スイッチ、4…ピニオンギア、5A,5B
…操作ノブ、9…支持台部、10…保持部、11…ボー
ル部材、12…スプリング、17…ギア部、18…節度
付与部、24…節度溝、25…切欠部、26…規制凸
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05G 1/08 B60H 1/00 103 G05G 5/03

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース部材に配設されたボール部材と係
    合する節度溝を備えたピニオンギアの先端部を前記ベー
    ス部材に回動可能に係合させ、該ベース部材に対して回
    動可能に取り付けるピニオンギアの取付構造であって、
    前記ピニオンギアに、ベース部材への組付方向を規制す
    る規制凸部を設け、該規制凸部を前記ピニオンギアの回
    動範囲を規制するストッパとなるように構成したことを
    特徴とするピニオンギアの取付構造。
  2. 【請求項2】 前記ピニオンギアの後方に円弧状に切り
    欠いた切欠部を設けるとともに、該切欠部と径方向に対
    向する位置に前記規制凸部を設けたことを特徴とする請
    求項1に記載のピニオンギアの取付構造。
  3. 【請求項3】 前記節度溝を軸方向に沿って隣接するよ
    うに2以上設けたことを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載のピニオンギアの取付構造。
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JP4734622B2 (ja) * 2001-09-04 2011-07-27 株式会社ヴァレオジャパン 車両用空調装置
JP4884328B2 (ja) * 2007-07-27 2012-02-29 株式会社ユーシン 車両用空調コントロール操作装置

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