JP3425989B2 - 自動試料注入装置 - Google Patents
自動試料注入装置Info
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Description
試料の流路となるチューブの構造の改良に関する。
分析において、特に測定する試料が多数に及ぶ場合に
は、各サンプルビンから試料をカラムへ自動的に送るた
めの自動試料注入装置が用いられている。前記自動試料
注入装置は、所定配列された各サンプルビン内の試料を
順次ニードル(吸引針)から吸引し、カラム等に注入す
るものである。
により順次試料を吸引するために、該ニードルと各サン
プルビンとを相対移動しなければならない。すなわち、
ニードルの位置を固定しておき、各サンプルビンの位置
をニードルの位置に水平移動させるか、あるいは逆に各
サンプルビンの位置を固定しておき、ニードルを各サン
プルビンの位置まで水平移動させなければならない。し
かしながら、ニードルを固定して各サンプルビンを移動
させる方式では、試料の冷却が困難であり、また各サン
プルビンを移動させるために大きなスペースが必要であ
るという欠点がある。
ビンを固定し、ニードルを移動させる方式が現在主流と
なっている。ところで、前記ニードルを移動させる方式
においては、該ニードルに接続されたチューブがニード
ルの移動に対応できる弾性を有していなければならな
い。そして、前記柔軟な動きに対応できるチューブとし
て、従来ポリマーチューブが用いられている。また、前
記ポリマーチューブには、大部分の化学薬品に対して安
定であり、高速液体クロマトグラフィーで使用される
酸、アルカリ、有機溶剤にも侵されない特性を有するテ
フロン製のチューブが汎用されている。
フロン製のチューブは溌水性に富んでいるため、ある種
の化合物が疎水性相互作用によりチューブ内面に吸着す
る現象が生じてしまうことが確認されている。従って、
前記化合物の濃度が低い試料の場合には、該化合物の殆
どがチューブ内面に吸着してカラムに注入されず、試料
の分析測定が不可能であり、また化合物の濃度が高い試
料の場合においても、チューブ内面に吸着する割合が一
定でないため、注入量再現性が悪く高精度の分析測定が
行えないという問題があった。
ば、前記化合物の吸着という問題は生じない。しかし、
ステンレスチューブで前記ニードルの移動に対応させる
ためには、該ステンレスチューブをコイル状に形成する
等の工夫が必要となり、コスト高になってしまう。
に形成しても広範囲に渡るニードルの移動に対応させる
のは困難なため、一度にセットできるサンプルビンの数
が少なくなってしまい効率が悪いという問題もある。本
発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、
その目的はニードルに接続されたチューブが該ニードル
の広範囲に渡る移動に対応でき、かつニードルから吸引
した試料をカラムに再現性良く計量注入できる自動試料
注入装置を提供することにある。
に本発明にかかる液体クロマトグラフィー用自動試料注
入装置は、少なくとも流路の一部でチューブが弾性を有
し、かつ、該弾性を有したチューブ内面部が親水性を有
する耐腐食性物質で形成されたことを特徴とする。ま
た、請求項2記載の液体クロマトグラフィー用自動試料
注入装置は、前記チューブの内面部がヒューズドシリカ
で形成されたことを特徴とする。また、請求項3記載の
液体クロマトグラフィー用自動試料注入装置は、前記チ
ューブの外面部をポリマーチューブで被覆したことを特
徴とする。
ようにチューブの内面部をヒューズドシリカ等の弾性及
び親水性を有する耐腐食性物質で形成している。このた
め、チューブをコイル状に形成する等の工夫を要せずに
ニードル部の広範囲に渡る移動に対応することができ
る。従って、多数配列した各サンプルビンへ容易にニー
ドル部を移動させ、該サンプルビン内の試料をニードル
部から吸引し、カラムへ注入することが可能となる。
面への化合物の吸着が発生せず、ニードル部から吸引し
た試料をカラムへ再現性良く計量注入することができ
る。さらに、請求項3記載の自動試料注入装置は、前記
チューブの外面部をポリマーチューブで被覆しているた
め、傷が付きにくく衝撃等からチューブ内面部を保護す
ることが可能となる。
説明する。図1には、本発明の一実施例にかかる自動試
料注入装置が示されている。同図に示す自動試料注入装
置は、計量シリンジ10と、流路切換え部12と、ニー
ドル(吸引針)14と、を有している。前記計量シリン
ジ10と流路切換え部12はチューブによって接続され
ており、該計量シリンジ10と流路切換え部12の間の
チューブには第1ループ部16が形成されている。
2もチューブによって接続されている。さらに、前記流
路切換え部12には、第2ループ部18が形成されたチ
ューブの両端、及びポンプ20、カラム22にそれぞれ
一端が接続されたチューブの他端が接続されている。そ
して、前記流路切換え部12を操作することにより、該
流路切換え部12に接続されたそれぞれのチューブの配
管接続の切換えが可能となる。前記自動試料注入装置で
試料注入する場合、まず図1に示すように計量シリンジ
10が第1ループ部16を介してニードル14と接続す
る位置に流路切換え部12が設定される。
サンプルビン24の一つに入れた状態において、計量シ
リンジ10内を減圧することにより該ニードル14から
サンプルビン24内の試料が吸引される。さらに、前記
吸引された試料は第1ループ部16に一時保持される。
次に、前記流路切換え部12を操作して図2に示すよう
にそれぞれのチューブの配管接続を切換える。すなわ
ち、前記計量シリンジ10を第1ループ部16を介して
第2ループ部18と接続させる。そして、計量シリンジ
10内を加圧して前記第1ループ部16に保持されてい
る試料を第2ループ部18に注入する。
前記図1の接続状態に戻し、前記第2ループ部18をポ
ンプ20及びカラム22と接続させる。そして、前記第
2ループ部18内の試料がポンプ20によってカラム2
2に送られると共に、前記ニードル14は次のサンプル
ビン24に移動し、該サンプルビン内の試料を再び吸引
するのである。このように前記図1及び図2の接続を交
互に行い、ニードル14から順次サンプルビン24内の
試料を吸引してカラム22に自動注入するのである。
数配列された各サンプルビン24から順次試料を吸引す
るために、該ニードルを配列された各サンプルビン24
に移動させなければならない。また、ニードル14から
吸引した試料を再現性良くカラム22に注入するために
試料の流路となるチューブに該試料が吸着するのを防止
しなければならない。
置は、前記ニードル14に接続されたチューブ26、及
び常に試料に接液する第1ループ部16のチューブを断
面が図3に示すように構成している。すなわち、チュー
ブの内面部をヒューズドシリカチューブ28により、ま
た外面部をポリマーチューブ30により形成している。
なお、前記ヒューズドシリカチューブ28は、溶融石英
管にポリイミドを外面にコーティングしたものである。
また、ヒューズドシリカチューブ28は傷や衝撃に対し
て弱いため、外面部をポリマーチューブ30により被覆
し強度を増している。
8及びポリマーチューブ30は弾性を有しているため、
前記チューブ26は柔軟な動きに対応できニードル14
の広範囲な移動を可能とする。従って、配列させたサン
プルビン24を一度に多数セットすることができ、効率
良く試料の自動注入による分析を行うことができる。
成するヒューズドシリカチューブ28は大部分の化学薬
品に対して安定であり、高速液体クロマトグラフィーで
使用される酸、アルカリ、有機溶剤にも侵されない特性
を持っていると共に親水性の性質を有しているため、試
料内に含まれる化合物が疎水性相互作用等により吸着す
る畏れがない。従って、前記ニードル14から計量シリ
ンジ10により計量吸引され、第1ループ部16に保持
された試料を再現性良くカラム22に注入することが可
能となる。
は、実験によっても良好であることが確認された。実験
は、前記チューブ26及び第1ループ部16に本実施例
にかかるヒューズドシリカチューブ28を用いた自動試
料注入装置と、従来のテフロン製チューブを用いた自動
試料注入装置とでカラム22への注入量再現性を比較し
た。
チルエステル100.8mg、プロピルエステル100.8mg、n−
ブチルエステル101.6mgを混合したパラヒドロキシ安息
香酸エステル(PHBA-Es)をメタノール100mlで溶解した
ものを原液とし、これを10mlメスフラスコに100μlとり
メタノールを400μl入れ、最後に水で10mlにメスアップ
し、メタノール含有量5%となったPHBA-Esを用いた。
また、移動相は、CH3CH/H2O=40/60とし、
流量は1.0ml/minとした。洗浄液は試料を調整するのに
用いたメタノールを使用した。分離カラムとしては、Cr
estPak C18S(商品名、日本分光製)を用い、検出器と
してはUV検出器を用い、検出波長は250nmとした。注
入量は10μl、洗浄回数は1回である。ヒューズドシ
リカチューブ(GLサイエンス社製)は外径0.66mm、内
径0.53mmのものを用い、テフロン製チューブも同一内径
のものを使用した。
チューブを用いた場合と、テフロン製チューブを用いた
場合とそれぞれ3回づつ注入を行い注入量を測定した。
測定結果を表1及び表2に示す。
ドシリカチューブの平均値を100とした場合のテフロ
ン製チューブの平均値の割合を表3に示す。
ューズドシリカチューブを使用した場合の注入量を10
0とすると、テフロン製チューブを使用した場合は、PH
BA-Methylで22%、PHBA-Ethylで27%、PHBA-Propyl
で29%、PHBA-nButylで40%程度それぞれチューブ
に吸着していることが理解される。
ヒューズドシリカチューブを使用した場合と比較し、テ
フロン製チューブを使用した場合の方が吸着量が一定し
ていないことが理解され、注入量の再現性もヒューズド
シリカチューブを使用した場合と比較し、テフロン製チ
ューブを使用した場合の方が約3倍のバラツキが発生し
てしまう。
試料注入装置は、試料が接液するチューブの内面部をヒ
ューズドシリカチューブで形成することにより、試料の
吸着を防ぎ再現性良くサンプルビン内からカラム等へ試
料を自動注入することが可能となる。なお、本実施例に
おいては、チューブ内面部がヒューズドシリカにより形
成されたものを用いたが、該ヒューズドシリカの代わり
に無機ガラス、あるいはセラミックス等からなるチュー
ブを用いることも可能である。
試料注入装置によれば、ニードル部から吸引した試料が
接液するチューブ内面部を弾性及び親水性の性質を有す
るヒューズドシリカで形成しているため、該チューブに
接続されたニードル部を広範囲に渡って移動させること
ができ、またニードル部から吸引した試料のチューブ内
面部への吸着を防止することが可能となる。さらに、チ
ューブ外面部をポリマーチューブで被覆しているため、
強度が増し衝撃等からチューブ内面部を保護することが
可能となる。
概略構成の説明図である。
状態の説明図である。
用いられるチューブの構成断面の説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 所定配列された各サンプルビン内の試料
を吸引するために該配列に沿って移動可能に設けられた
ニードル部と、 前記ニードル部に接続され、該ニードル部により吸引さ
れた試料の流路となるチューブと、を有する自動試料注
入装置において、 少なくとも前記流路の一部で該チューブが弾性を有し、
かつ前記弾性を有したチューブ内面部が親水性を有する
耐腐食性物質で形成されたことを特徴とする液体クロマ
トグラフィー用自動試料注入装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の液体クロマトグラフィー
用自動試料注入装置において、 前記チューブの内面部がヒューズドシリカで形成された
ことを特徴とする液体クロマトグラフィー用自動試料注
入装置。 - 【請求項3】 請求項1及び請求項2記載の液体クロマ
トグラフィー用自動試料注入装置において、 前記チューブの外面部をポリマーチューブで被覆したこ
とを特徴とする液体クロマトグラフィー用自動試料注入
装置。
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---|---|---|---|
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP04567993A JP3425989B2 (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 自動試料注入装置 |
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JPH06235722A JPH06235722A (ja) | 1994-08-23 |
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ID=12726083
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JP04567993A Expired - Fee Related JP3425989B2 (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 自動試料注入装置 |
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- 1993-02-10 JP JP04567993A patent/JP3425989B2/ja not_active Expired - Fee Related
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