JP3425815B2 - 軟質ポリウレタン発泡体の製造方法 - Google Patents
軟質ポリウレタン発泡体の製造方法Info
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Description
の製造方法に関するものである。詳しくは、自動車用ク
ッション内装材、ヘッドレスト、家具用クッション材等
に広く使用される水発泡軟質ポリウレタン発泡体の製造
方法に関するものである。更に詳しくは、低密度で発泡
体の機械的強度、生産速度を向上し、かつ、発泡体の成
形不良率を低減した水発泡軟質ポリウレタン発泡体の製
造方法に関するものである。
造する際のポリイソシアネート組成物として、トリレン
ジイソシアネートとポリメチレンポリフェニルイソシア
ネートの混合物を使用する方法は、例えば特開昭62−
172011号公報により公知である。しかしながら、
上記公報によるポリメチレンポリフェニルイソシアネー
トを主成分として、これにトリレンジイソシアネートを
数%混合した有機ポリイソシアネート組成物と、発泡剤
として水のみを使用して得られた軟質ポリウレタン発泡
体は、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート単独よ
りなる有機ポリイソシアネート組成物とクロロフルオロ
カーボン類及び補助発泡剤としての水を併用して得られ
る発泡体に比較し、発泡体物性及び生産速度、成形不良
率が劣っていた。
方法にてクロロフルオロカーボン類等の補助発泡剤を使
用しない場合、発泡剤として使用する水量が実質増量す
る。したがって、発泡体中のウレア結合が増加し、樹脂
架橋密度が低下し、さらにはトリレンジイソシアネート
を使用するため、発泡体硬化速度が遅延化していた。し
たがって、クッション材に要求される機械的強度(引張
強度、引裂強度、伸び)が劣っていたし、発泡体の生産
速度が遅かった。本不具合をウレタン化触媒増量にて改
善しようとすれば、発泡体成形用金型内での原液流れ性
が著しく悪化し、成形不良率を増大させる原因となって
いた。また、同様の目的で特開平02−115211、
特開平03−068620、特開平03−014812
記載の、総不飽和度の低いポリオキシアルキレンポリオ
ールを使用し発泡体硬化速度向上を試みた。これらのポ
リオキシアルキレンポリオールは上記公開特許の明細書
中に明記されているように、ジエチル亜鉛、金属ポルフ
ィリン、複金属シアン化物錯体などにより製造される。
しかし本発明者らが試みた結果では、硬化速度、及び発
泡体物性の改善は見られず、セル形状が不均一で不安定
な軟質ポリウレタン発泡体が得られるのみであり、発泡
体の成形不良率も増加した。以上より、コスト削減と安
定生産の目的で、発泡体の低密度化、発泡体物性の維持
向上、生産速度の向上、成形不良率の低減を強く要望さ
れていた。
発泡剤として、軟質ポリウレタン発泡体を得るに際し、
低密度かつ、発泡体物性の維持向上及び、生産速度の短
縮、成形不良率の低減の方法につき鋭意検討した結果、
有機ポリイソシアネート組成物としてトリレンジイソシ
アネートと、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート
を特定の比率で混合使用し、ポリオキシアルキレンポリ
オールとして、水酸基価、モノオール含量及び、ヘッド
−トウ−テイル(Head−to−Tail)結合選択
率が特定の値に制御されたものを使用することで、発泡
体の密度削減、生産速度向上、成形不良率低減に極めて
優れた効果があることを見いだし本発明を完成するに至
った。
ある。 (1)ポリオキシアルキレンポリオール、発泡剤、触
媒、整泡剤その他の助剤の混合物と、有機ポリイソシア
ネート組成物とから軟質ポリウレタン発泡体を製造する
方法において、発泡剤として水を使用し、有機ポリイソ
シアネート組成物として、 (イ)一般式1(化2)で示されるポリメチレンポリフ
ェニルイソシアネートにおいて、2核体(n=0)含有
率が60〜90重量%、3核体(n=1)以上の含有率
が40〜10重量%のもの、及び
アネート、の(イ)/(ロ)=97〜80/3〜20
(重量比)の混合物を使用し、ポリオキシアルキレンポ
リオールとして水酸基価10〜35mgKOH/g、モ
ノオール最大含有量15mol%であり、更にプロピレ
ンオキシド付加重合によるヘッド−トウ−テイル結合最
低選択率が96mol%であるものを使用することを特
徴とする軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。 (2)有機ポリイソシアネート組成物として、(イ)/
(ロ)=95〜85/5〜15(重量比)の混合物を使
用することを特徴とする(1)記載の軟質ポリウレタン
発泡体の製造方法。 (3)ポリオキシアルキレンポリオールとして、アルカ
リ金属水酸化物触媒の存在下、水酸基数3〜8の活性水
素化合物にアルキレンオキシドを付加重合して得られた
ものを使用することを特徴とする(1)記載の軟質ポリ
ウレタン発泡体の製造方法。 (4)アルカリ金属水酸化物触媒として水酸化セシウム
を用いて得られたポリオキシアルキレンポリオールを使
用することを特徴とする(3)記載の軟質ポリウレタン
発泡体の製造方法。 (5)ポリオキシアルキレンポリオールの一部がエチレ
ン性不飽和単量体の重合により変性されたポリマーポリ
オールであることを特徴とする(1)記載の軟質ポリウ
レタン発泡体の製造方法。 (6)有機ポリイソシアネート組成物をポリオキシアル
キレンポリオールで変性したイソシアネート基末端プレ
ポリマーの形で使用することを特徴とする(1)記載の
軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。
発泡体は水を唯一の発泡剤として使用した場合にも低密
度で強い機械的強度を有し、生産速度が速く、成形不良
率も低く製造可能である。本発明で使用される一般式1
のポリメチレンポリフェニルイソシアネートは2核体を
60〜90重量%、3核体以上を40〜10重量%含有
する。2核体含有量が90重量%を超えると発泡体の低
密度化が困難となり、さらにはセル安定性も著しく悪化
するため、セルの崩壊をもたらす。また、2核体含有量
が60重量%未満では、モールド内での原液流れ性が悪
化するため未充槙部が発生するし、発泡体の機械的強度
も悪化する。2核体(MDI)の異性体比は特に限定さ
れないが、好ましい組成を例示するならば次のようにな
る。 4,4’−MDI 50〜80重量% 2,4’−MDI 0〜39重量% 2,2’−MDI 0〜 1重量% 3核体以上のポリメチレンポリフェニルイソシアネート 10〜40重量%
6−トリレンジイソシアネートの異性体比は特に限定さ
れないが、例えば2,4−体/2,6−体=100/
0、80/20、65/35のものが用いられる。
(イ)/(ロ)の混合比率は97〜80/3〜20の範
囲内が好ましいが、さらに好ましくは95〜85/5〜
15である。(イ)/(ロ)の混合比率が80/20未
満では発泡体硬化速度が遅くなるため、モールドより脱
型後に変形(成形不良)を生じる。(イ)/(ロ)の混
合比率が97/3より大きい場合は発泡体の低密度化が
困難となり、モール内に未充槙部が生じる。
アネート組成物は公知のポリオキシアルキレンポリオー
ルまたは請求項1記載のポリオキシアルキレンポリオー
ルを使用し公知の方法により変性したイソシアネート基
末端プレポリマーを使用することもできる。本発明に使
用されるポリオキシアルキレンポリオールとしては、当
業者に公知の、水酸基数3〜8の活性水素化合物にアル
キレンオキシドを付加重合した構造の化合物及びその混
合物が挙げられる。活性水素化合物を例示するならば、
グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオ
ール、モノー、ジー、トリエタノールアミン、ペンタエ
リスリトール、メチルグリコキシド、ジグリセリン、エ
チレンジアミン、プロピレンジアミン、ソルビトール、
シュークローズ等が挙げられる。上記活性水素化合物は
2種類以上併用してもよい。
レンオキシドとしてはプロピレンオキシドと共にエチレ
ンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド等が
挙げられる。本発明の活性水素化合物の付加重合形式は
特に限定されないが、ポリウレタン発泡体の成形性、生
産速度、機械的強度物性の面より、末端オキシエチレン
基が5重量%以上あることが好ましい。本発明で用いる
ポリオキシアルキレンポリオール中のモノオール最大含
有量は15mol%であり、更にプロピレンオキシドの
付加重合によるヘッド−トウ−テイル結合最低選択率は
96mol%である。
ノオール含有率が15mol%を越える場合には発泡体
硬化速度が低下し、機械的強度も悪化する。一方プロピ
レンオキシドの付加重合によるヘッド−トウ−テイル結
合選択率が96mol%未満の場合には得られる発泡体
の通気性が低下するのみならず、セル形状も著しく不均
一となるため成形不良(セル崩壊)が増大する。本発明
で用いるポリオキシアルキレンポリオールの水酸基価は
10〜35mgKOH/g、好ましくは20〜30mg
KOH/gである。水酸基価が10mgKOH/g未満
ではポリオキシアルキレンポリオール及びこれをマトリ
ックスとしたポリマーポリオールの粘度が著しく増加し
軟質高弾性ポリウレタン発泡体用途には実用的に用いる
ことが出来ず、水酸基価が35mgKOH/gを越える
場合には反発弾性が低下し、機械強度、発泡体の成形性
等にも悪影響を示すために好ましくない。
ポリオールは、合成触媒としてアルカリ金属水酸化物を
使用する。該アルカリ金属水酸化物としては水酸化カリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等があげられ
るが、好ましくは水酸化セシウムを用いて合成される。
該触媒は通常純度90重量%以上のものが使用される。
触媒使用量は活性水素化合物1molに対して0.05
〜0.5mol使用し、反応温度60〜98℃、反応圧
力4kg/cm2以下の条件下でプロピレンオキシドを
付加重合し、また必要に応じて他のアルキレンオキシド
を付加重合することによって合成される。該触媒は反応
終了後、塩酸、燐酸等による中和法、吸着剤による吸着
除去法、水を用いた水洗法、あるいはイオン交換樹脂に
よるイオン交換法等により除去される。
オールの少なくとも一部を、ポリオキシアルキレンポリ
オール中でエチレン性不飽和単量体の重合により変性し
たポリマーポリオール(商品名)で置き換えることが出
来る。上記ポリマーポリオールを一部併用することによ
り発泡体の硬化速度、成形不良率、機械的強度を悪化さ
せることなく、発泡体の通気性向上、硬度アップ等を計
ることが出来る。エチレン性不飽和単量体は特に限定さ
れないが、アクリロニトリル、スチレン、メタクリル酸
メチル、塩化ビニリデン等であり、これらの重合体は通
常直径0.1〜10μの微粒子状で分散される。
用する。クロロフルオロカーボン類の使用はオゾン層破
壊といった地球環境保護の見地から好ましくない。触
媒、整泡剤、難燃剤、減粘剤、架橋剤、老化防止剤、そ
の他の助剤としては公知のものがすべて使用できる。例
えば、触媒としては、トリエチレンジアミン、ジメチル
エタノールアミン等が、整泡剤としては東レ・ダウコー
ニング社製のSRX−274C、日本ユニカ社製のL−
5309等が、架橋剤としてはトリエタノールアミン、
ジエタノールアミン等があげられる。
が、本発明はこれらの実施例により制限されない。実施
例、比較例中の部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を
表わす。
成例−1 ポリオキシアルキレンポリオールA:グリセリン1mo
lに対して水酸化セシウム0.23molを加え、10
0℃で6時間減圧脱水後プロピレンオキシドを反応温度
80℃、最大反応圧力3.5kg/cm2で付加重合
し、次いでエチレンオキシドを反応温度97℃で付加重
合して水酸基価24mgKOH/gのポリオキシアルキ
レンポリオールを得た。末端オキシエチレン基含量は1
5wt%であった。
本分光製液体クロマトグラフ装置により液体クロマトグ
ラムをとり、トリオールとモノオールの面積比からモノ
オール含有量を測定した。モノオール含有量は8.0m
ol%であった。更に日本電子製400MHz C13ー核
磁気共鳴(NMR)装置を用い、重クロロホルムを溶媒
として使用し、このポリオキシアルキレンポリオールの
C13ーNMRスペクトルをとり、ヘッド−トウ−テイル
結合のオキシプロピレンセグメントのメチル基のシグナ
ル(16.9〜17.4ppm)とヘッド−トウ−ヘッ
ド(Head−to−Head)結合のオキシプロピレ
ンセグメントのメチル基のシグナル(17.7〜18.
5ppm)の比から求めたヘッド−トウ−テイル結合選
択率は96.3mol%であった。
lecules 19、1337ー1343(198
6)、F.C.Schiling,A.E.Tonel
liの報文に記載された値を参考にした。以下、同様の
合成方法によりポリオキシアルキレンポリオールB〜D
を得た。表−1にポリオキシアルキレンポリオールA〜
Dの構造及び分析値を示す。表中で水酸基数3はグリセ
リンを、水酸基数4はペンタエリスリトールを開始剤と
して使用した。
成例−2 ポリオキシアルキレンポリオールE:グリセリン1モル
に対して亜鉛・コバルトシアン化物と塩化亜鉛、水、ジ
メトキシエタノールからなる、いわゆる複合金属触媒シ
アノ化触媒を6.93g加え、プロピレンオキシドを反
応温度90℃、反応圧力4.0kg/cm2で付加重合
し水酸基価33mgKOH/gのポリオキシプロピレン
ポリオールを得た。上記複合金属シアノ化錯体触媒をア
ンモニア水により抽出し、水洗によりポリオキシプロピ
レンポリオールを精製後、水酸化カリウムをグリセリン
1molに対して0.23molとなるように加え、1
00℃で6時間、減圧脱水を行った。次いでエチレンオ
キシドを100℃で付加重合して水酸基価28mgKO
H/gのポリオキシアルキレンポリオールを得た。末端
オキシエチレン基含量は15wt%であった。このポリ
オキシアルキレンポリオールを前記のポリオキシアルキ
レンポリオール合成例−1と同様の手法でモノオール含
有量及びヘッド−トウ−テイル結合選択率を測定した。
モノオール含有量は9.6mol%、ヘッド−トウ−テ
イル結合選択率は85.4mol%であった。表−2に
ポリオキシアルキレンポリオールEの構造及び分析値を
示す。
成例−3 ポリオキシアルキレンポリオールF:グリセリン1mo
lに対して水酸化カリウム0.37molを加え、10
0℃で6時間、減圧脱水後プロピレンオキシドを反応温
度115℃、反応圧力5.0kg/cm2で付加重合
し、次いでエチレンオキシドを反応温度115℃で付加
重合して水酸基価28mgKOH/gのポリオキシアル
キレンポリオールを得た。末端オキシエチレン基含量は
15wt%であった。 このポリオキシアルキレンポリ
オールを前記のポリオキシアルキレンポリオール合成例
−1と同様の手法でモノオール含有量及びヘッド−トウ
−テイル結合選択率を測定した。モノオール含有量は2
9.3mol%、ヘッド−トウ−テイル結合選択率は9
6.3mol%であった。表−2にポリオキシアルキレ
ンポリオールFの構造及び分析値を示す。
ールA(水酸化セシウム触媒使用)100部に対してア
クリロニトリルを20部グラフト重合して得た水酸基価
19.5mgKOH/gのポリマーポリオール。 (ポリマーポリオールe)ポリオキシアルキレンポリオ
ールE(複合金属シアノ化錯体触媒使用)100部に対
してアクリロニトリルを20部グラフト重合して得た水
酸基価22.8mgKOH/gのポリマーポリオール。 (ポリマーポリオールf)ポリオキシアルキレンポリオ
ールF(水酸化カリウム触媒使用)100部に対してア
クリロニトリルを20部グラフト重合して得た水酸基価
22.8mgKOH/gのポリマーポリオール。
製 2核体81.0重量%、3核体以上19.0重量%を含
有するポリメチレンポリフェニルイソシアネート95.
0部に、トリレンジイソシアネート(2,4−体/2,
6−体が80/20)5.0部を加え1時間攪拌混合
後、ポリオキシアルキレンポリオールA(プレポリマー
用ポリオキシアルキレンポリオールとして使用)11.
0部を加え80℃で2時間攪拌反応させ、有機ポリイソ
シアネート組成物(A)を得た。NCO含有率は29.
4%であった。
イソシアネートとトリレンジイソシアネートを攪拌混合
後、ポリオキシアルキレンポリオールBでプレポリマー
化し、有機ポリイソシアネート組成物(B、F、H、
J)を得た。2核体76.8重量%、3核体以上23.
2重量%を含有するポリメチレンポリフェニルイソシア
ネートを90部、トリレンジイソシアネート(2,4−
体/2,6−体=80/20)10.0部を加え2時間
攪拌混合し、有機ポリイソシアネート組成物(C)を得
た。同様の手法で、ポリメチレンポリフェニルイソシア
ネートと、トリレンジイソシアネート(2,4−体/
2,6−体=80/20)を2時間攪拌混合し、有機ポ
リイソシアネート組成物(D、E、G、I)を得た。以
上をまとめて表3〜4に示す。
レミックスとを所定の割合(NCOインデックス)で混
合し、下記のモールドに注入して発泡体評価用モールド
成形品を作成し、発泡体物性、成形不良を評価した。 モールド : 400×400×100mmアルミ
製テストモールド モールド温度 : 58±2℃ 脱型時間 : 3分 モールド成形品は注入して3分経過後、ただちに取り出
され、クラシングロールにより圧縮(圧縮率80%、3
回)した。この時、発泡体硬化速度が遅い場合には、圧
縮歪が残留し成形不良(クラシングによる変形)とな
る。また、発泡体のセル安定性が劣るため発生するセル
崩壊部の体積、発泡体の発泡高さ不足及びモールド内で
の原液流れ性不足により発生する未充槙体積を測定し、
成形不良を定量した。セル崩壊体積が著しく大きい場合
にはクラシングによる硬化速度(生産速度)評価及び、
発泡体物性評価は実施不可能であった。結果を表5〜6
に示す。
成形不良値を示す。一方、比較例1〜3の発泡体は、使
用したレジンプレミックス中のポリオキシアルキレンポ
リオール、ポリマーポリオールが本請求の範囲内である
が、比較例1の発泡体では有機ポリイソシアネート組成
物Gの2核体が多すぎるため、セル崩壊が発生し、もは
や発泡体物性測定は不可能であった。比較例2の発泡体
では有機ポリイソシアネート組成物H中の2核体が少な
く、原液流れ性不足が原因で、未充槙部が発生し、機械
的強度も悪化した。また比較例3の発泡体では有機ポリ
イソシアネート組成物Iにトリレンジイソシアネートを
含んでないため発泡高さが不足し、成形不良が発生し、
その発泡体物性も劣っていた。
ミックス中のポリオキシアルキレンポリオール、ポリマ
ーポリオールのヘッド−トウ−テイル結合選択率が低い
ため、実施例より得られたフォームに比較し非常に独立
気泡性が強く、フォームのセルも粗大であり、セル崩壊
体積が最も大きな値を示したため、もはや発泡体物性は
測定不可能であった。比較例5の発泡体では、使用した
レジンプレミックス中のポリオキシアルキレンポリオー
ル、ポリマーポリオールのモノオール含有量が多すぎる
ため発泡体硬化速度が遅く、クラシングにより変形が残
留し、その発泡体物性も劣っていた。比較例6の発泡体
では使用した有機ポリイソシアネート組成物J中のトリ
レンジイソシアネートが多すぎるため、比較例5と同様
の理由から成形不良が発生した。
の製造において有機ポリイソシアネート組成物として、
2核体含有率が60〜90重量%、3核体以上の含有率
が40〜10重量%であるポリメチレンポリフェニルイ
ソシアネートとトリレンジイソシアネートの97〜80
と3〜20各重量部混合物を使用し、ポリオキシアルキ
レンポリオールとして水酸基価10〜35mgKOH/
g、モノオール最大含有量15mol%であり、更にプ
ロピレンオキシド付加重合によるヘッド−トウ−テイル
結合最低選択率が96mol%のものを使用することに
より、水を唯一の発泡剤として使用した場合に生じる問
題点、すなわち、低密度化の困難さ、機械的強度の低
下、生産速度の低下、成形不良率の増大を解決すること
が可能となった。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリオキシアルキレンポリオール、発泡
剤、触媒、整泡剤その他の助剤の混合物と、有機ポリイ
ソシアネート組成物とから軟質ポリウレタン発泡体を製
造する方法において、発泡剤として水を使用し、有機ポ
リイソシアネート組成物として、 (イ)一般式1(化1)で示されるポリメチレンポリフ
ェニルイソシアネートにおいて、2核体(n=0)含有
率が60〜90重量%、3核体(n=1)以上の含有率
が40〜10重量%のもの、及び 【化1】 (式中n=0、1、2、3・・・・) (ロ)2,4−及び/または2,6−トリレンジイソシ
アネート、の(イ)/(ロ)=97〜80/3〜20
(重量比)の混合物を使用し、ポリオキシアルキレンポ
リオールとして水酸基価10〜35mgKOH/g、モ
ノオール最大含有量15mol%であり、更にプロピレ
ンオキシド付加重合によるヘッド−トウ−テイル(He
ad−to−Tail)結合最低選択率が96mol%
であるものを使用することを特徴とする軟質ポリウレタ
ン発泡体の製造方法。 - 【請求項2】有機ポリイソシアネート組成物として、
(イ)/(ロ)=95〜85/5〜15(重量比)の混
合物を使用することを特徴とする請求項1記載の軟質ポ
リウレタン発泡体の製造方法。 - 【請求項3】ポリオキシアルキレンポリオールとして、
アルカリ金属水酸化物触媒の存在下、水酸基数3〜8の
活性水素化合物にアルキレンオキシドを付加重合して得
られたものを使用することを特徴とする請求項1記載の
軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。 - 【請求項4】アルカリ金属水酸化物触媒として水酸化セ
シウムを用いて得られたポリオキシアルキレンポリオー
ルを使用することを特徴とする請求項3記載の軟質ポリ
ウレタン発泡体の製造方法。 - 【請求項5】ポリオキシアルキレンポリオールの一部が
エチレン性不飽和単量体の重合により変性されたポリマ
ーポリオールであることを特徴とする請求項1記載の軟
質ポリウレタン発泡体の製造方法。 - 【請求項6】有機ポリイソシアネート組成物をポリオキ
シアルキレンポリオールで変性したイソシアネート基末
端プレポリマーの形で使用することを特徴とする請求項
1記載の軟質ポリウレタン発泡体の製造方法。
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