JP3425397B2 - サッシ施錠装置の受け具取付構造およびサッシ - Google Patents

サッシ施錠装置の受け具取付構造およびサッシ

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JP3425397B2
JP3425397B2 JP26550299A JP26550299A JP3425397B2 JP 3425397 B2 JP3425397 B2 JP 3425397B2 JP 26550299 A JP26550299 A JP 26550299A JP 26550299 A JP26550299 A JP 26550299A JP 3425397 B2 JP3425397 B2 JP 3425397B2
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義智 木村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開き窓や辷り出し
窓等において、障子を引き寄せたり、施錠するためのサ
ッシ施錠装置の受け具取付構造およびこの施錠装置を有
するサッシに関する。
【0002】
【背景技術】開き窓や辷り出し窓においては、障子に回
動可能に取り付けられたカムラッチハンドルと、窓枠に
取り付けられて前記カムラッチハンドルが係合する受け
具とからなるサッシ施錠装置が用いられている。このよ
うな施錠装置の受け具は、窓枠にビス止めされている
が、障子に風によって正圧あるいは負圧が掛かった場合
に、受け具部分に荷重が集中するため、窓枠において剛
性の高いホロー部(中空部)に取り付けられていた(実
用新案登録第2570477号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の建物
においては、快適な生活空間を形成し、かつ冷暖房に使
用するエネルギーを減少させて省エネルギー化をはかる
ために、外壁や建具等における断熱性能が重視されてい
る。このため、建物の窓を構成するサッシ窓としても、
断熱性能を有する断熱サッシが用いられることが増えて
きている。
【0004】この際、本出願人は、窓枠において障子を
閉めた際に室内側に露出する内周面に、結露を防止する
ために断熱性カバーを配置して、断熱性能や防露性能を
向上させた断熱サッシを開発している。ここで、断熱性
カバーにアルミなどの金属製の窓枠が接触すると、断熱
性能や防露性能が低下するため、断熱性カバーと金属製
窓枠との接触面積を小さくすることが望まれている。こ
のため、受け具が取り付けられるホロー部の室内面を無
くした窓枠を試作した。
【0005】しかしながら、このような窓枠では、受け
具は、窓枠の内周面から突設された取付片にビスなどで
固定されることになる。この際、例えば、室外側に障子
が開く辷り出し窓等においては、障子に正圧が加わった
場合には、障子の全長に渡って当接するシール材(気密
材)を介して窓枠全体でその力を受けるため受け具には
力が加わらないが、負圧が加わった場合には、カムラッ
チハンドルが係合された受け具のみに力が集中し、受け
具が取り付けられた取付片が変形するおそれがあった。
【0006】このような変形を防止するためには、取付
片を肉厚にして剛性を向上させることも考えられるが、
その場合には、受け具が取り付けられる専用の窓枠を製
造しなければならないという問題がある。特に、横辷り
出し窓では、通常、下枠に受け具を取り付けているが、
この下枠は、縦辷り出し窓等の他の開き窓においても兼
用して用いられるため、横辷り出し窓のために、下枠の
取付片を肉厚にすると、肉厚にする必要がない縦辷り出
し窓の下枠の製造コストも高くなってしまうという問題
がある。一方で、横辷り出し窓と縦辷り出し窓とでそれ
ぞれ異なる下枠を製造すると、下枠の種類が多くなり、
生産効率が低下し、製造コストも高くなるという問題が
ある。
【0007】本発明の目的は、断熱性カバーが取り付け
られる場合のように、窓枠のホロー部でない取付片に受
け具を固定する場合でも、取付片を肉厚にする必要がな
く、取付片の変形を防止できるサッシ施錠装置の受け具
取付構造およびサッシを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、窓枠に対して
開閉可能に取り付けられた障子に回動可能に取り付けら
れたハンドルと、窓枠に固定されかつ前記ハンドルが係
合可能な受け具とで構成されるサッシ施錠装置における
前記受け具取付構造であって、窓枠の内周面に受け具取
付片が突設され、この受け具取付片の室内側または室外
側のいずれか一方に前記受け具が取り付けられるととも
に、これらの受け具取付片および受け具の障子開き方向
側に補強部材が配置され、前記補強部材は、受け具取付
片および受け具の障子開き方向側に配置された補強面部
と、この補強面部の端部から直交配置された係止面部と
を備えて断面L字状に形成されるとともに、前記係止面
部の端縁は前記窓枠に係止されて補強部材の障子開き方
向への回転が防止されていることを特徴とするものであ
る。
【0009】このような受け具取付構造においては、受
け具が取り付けられた部分の障子開き方向側(例えば、
室外側に開く外開き窓では室外側)に補強部材を配置し
たので、ハンドルが係合する受け具のみに風圧が加わる
場合(外開き窓では負圧が加わった場合)にその荷重を
補強部材で支持することができ、受け具取付片の変形を
防止できる。なお、障子が閉まる方向の風圧による荷重
は、気密材を介して障子が窓枠に押しつけられることで
窓枠全体で支持されて分散されるため、補強部材が設け
られていない部分でも変形が生じることがない。
【0010】そして、補強部材を設けることで荷重を支
持しているため、窓枠の受け具取付片を肉厚にする必要
がなく、窓枠を受け具を取り付けないサッシ(例えば、
縦辷り出し窓と横辷り出し窓)とで共通化できる。この
ため、窓枠の種類を少なくできて生産効率を向上でき、
部品管理も容易になるとともに、製造コストを低減で
き、かつ、組立効率も向上できる。さらに、受け具とは
別の補強部材で補強しているため、受け具自体を特別な
構造にする必要がない。このため、受け具も、ホロー部
を有するサッシ用の受け具と共通化でき、製造コストを
より低減できる。
【0011】
【0012】また、補強部材を補強面部および係止面部
を備えた断面L字状に形成し、係止面部の端縁を窓枠に
係止しているので、受け具のみに風圧が加わった際に、
その荷重を窓枠に係止された係止面部から窓枠に伝えて
窓枠で支持することができる。このため、補強部材を窓
枠にビス止めすることが不要になって組立性が向上する
とともに、補強部材のみで荷重を支持する必要がないた
め、補強部材の肉厚なども比較的薄くでき、コストも低
減できる。
【0013】また、本発明のサッシは、上枠、下枠およ
び左右の縦枠を四周枠組みした窓枠と、上框、下框およ
び左右の竪框を四周框組みして面材を組み込んだ障子と
を備えて構成されるサッシであって、前記障子の各框の
うちのいずれかの框に回動可能に取り付けられたハンド
ルと、このハンドルが取り付けられた框に対応する窓枠
の内周面に突設された受け具取付片と、この受け具取付
片の室内側または室外側のいずれか一方に固定されて前
記ハンドルが係合可能な受け具と、これらの受け具取付
片および受け具の障子開き方向側に配置された補強部材
とを備えるとともに、前記補強部材は、受け具取付片お
よび受け具の障子開き方向側に配置された補強面部と、
この補強面部の端部から直交配置された係止面部とを備
えて断面L字状に形成されるとともに、前記係止面部の
端縁は前記窓枠に係止されて補強部材の障子開き方向へ
の回転が防止されていることを特徴とするものである。
【0014】このようなサッシにおいても、ハンドルが
係合する受け具のみに風圧が加わる場合にその荷重を補
強部材で支持することができ、受け具取付片の変形を防
止できる。また、補強部材で荷重を支持しているため、
窓枠の受け具取付片を肉厚にする必要がなく、窓枠を他
のサッシ等と共通化できる。このため、窓枠の種類を少
なくできて生産効率を向上でき、部品管理も容易になる
とともに、製造コストを低減でき、かつ、組立効率も向
上できる。さらに、受け具とは別の補強部材で補強して
いるため、受け具自体を特別な構造にする必要がない。
このため、受け具も、ホロー部を有するサッシ用の受け
具と共通化でき、製造コストをより低減できる。
【0015】
【0016】また、受け具のみに風圧が加わった際に、
その荷重を窓枠に係止された係止面部から窓枠に伝えて
窓枠で支持することができ、補強部材を窓枠にビス止め
することが不要になって組立性が向上するとともに、補
強部材のみで荷重を支持する必要がないため、補強部材
の肉厚なども比較的薄くでき、コストも低減できる。
【0017】また、前記受け具は、受け具本体と、この
受け具本体から延出された固定部とを備えて構成され、
前記受け具が固定された窓枠において障子を閉めた際に
室内側に露出する露出面部は断熱性カバーで被覆され、
前記受け具の固定部は、この断熱性カバーに形成された
開口に挿入されて前記受け具取付片に取り付けられてい
ることが好ましい。
【0018】窓枠の露出面部を断熱性カバーで被覆すれ
ば、窓枠での結露を抑えることができ、窓枠における断
熱性能や防露性能をより高めることができる。また、受
け具の固定部を断熱性カバーの開口から挿入すること
で、断熱性カバーの表面には受け具本体のみが露出し、
受け具の固定部や補強部材などを隠すことができるの
で、意匠性も向上できる。その上、受け具に風圧が加わ
った際に、その力は補強部材で支持されるため、断熱性
カバーに開口を形成して受け具を挿入した場合でも、断
熱性カバーに大きな応力が加わることがなく、断熱性カ
バーの破損を防止できる。
【0019】さらに、前記受け具が取り付けられた窓枠
は、非鉄金属製の室内部材および室外部材と、この室内
外部材を連結する断熱部材とから構成され、前記受け具
取付片は、室内部材に形成されていることが好ましい。
【0020】このような窓枠を用いれば、室内外部材間
に断熱部材が介在されていることで、室内外の熱伝達を
少なくでき、断熱性能や防露性能を向上できる。また、
受け具への室外側からの熱伝達が少なくできるので、受
け具部分での結露発生も抑えることができる。
【0021】また、前記受け具取付片は、室内部材の断
熱部材側端縁から室内側に離れた位置から障子側に突設
された立ち上がり部と、この立ち上がり部から断熱部材
側に延長された延出部と、この延出部から障子側に延長
された取付部とを備えて形成されていることが好まし
い。
【0022】室内外部材間に配置される断熱部材として
は、断熱性の樹脂などを予め帯板状に形成し、この帯板
状の断熱部材を各室内外部材でかしめて固定するものの
ほかに、室内外部材間の空間(断熱材注入ポケット)に
樹脂を注入して固化させることで形成される樹脂注入タ
イプの断熱部材がある。この際、この樹脂注入ポケット
に沿って前記受け具取付片が形成されていると、図4に
示すように、樹脂100を注入した際に、樹脂100が
受け具取付片101に沿って盛り上がってしまい、樹脂
固化後に盛り上がり部102を切削して仕上げなければ
ならず、生産効率が低下してしまう。
【0023】これに対し、本発明のように、受け具取付
片をクランク状に折曲して立ち上がり部を樹脂注入ポケ
ットから離して設ければ、樹脂注入時に盛り上がりが形
成されることがなく、後での仕上げ加工が不要になって
生産効率を向上できる。また、受け具取付片の立ち上が
り部および延出部で形成される凹部を、例えば、断熱性
カバーの係止部として利用すれば、断熱性カバーの取付
作業を容易にできる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。なお、各図面においては図面を
見やすくするために、窓枠や障子等の主要な構成部材に
は断面を示すハッチングを省略して記載している。図1
には、本発明の一実施形態に係るサッシ窓である横辷り
出し窓1の縦断面図が示されている。横辷り出し窓1
は、アルミ形材断熱窓枠2と、室外側に開かれるアルミ
樹脂複合障子3とを組み合わせて形成されている。
【0025】アルミ形材断熱窓枠2は、上枠10、下枠
20と、図示しない左右両端の縦枠とを四角枠状に接合
して形成されている。上枠10および左右両端の縦枠
は、非鉄金属であるアルミを押出成形によって一体成形
したアルミ形材で構成されている。また、下枠20は、
非鉄金属であるアルミ製の室外部材21と、アルミ製の
室内部材22と、これらの室外部材21および室内部材
22を連結するウレタン樹脂製の断熱部材23とで構成
されている。
【0026】室内部材22は、図2にも示されるよう
に、断熱部材23を支持する室内本体31と、この室内
本体31の室外側端縁近傍から突設されている第1突出
片32と、室内本体31の室内側に突設されている断面
略L字形状の第2突出片33とを備えて構成されてい
る。第1突出片32は、室内本体31の断熱部材23側
の端縁から室内側に所定寸法離れた位置に配置され、こ
の位置から上方(障子3側)に突設された立ち上がり部
32Aと、この立ち上がり部32Aから室外側(断熱部
材23側)に延長された延出部32Bと、この延出部3
2Bから上方(障子3側)に延長された取付部32Cと
を備えてクランク状に形成されている。第2突出片33
は、室内本体31の室内側端縁から上方に突設された立
ち上がり部33Aと、この立ち上がり部33Aの先端か
ら室内側に延長された支持部33Bとを備えて形成され
ている。この第2突出片33の室外側の面には、前述の
延出部32Bと同じ高さ位置に、室外側に延出された係
止部33Cが形成されている。
【0027】なお、断熱部材23は、樹脂注入方式で製
造されている。すなわち、前記室外部材21および室内
部材22は、それぞれアルミの押出成形によって一体成
形されており、この一体成形された室外部材21および
室内部材22間の凹状のウレタン注入ポケットにウレタ
ン樹脂を注入して硬化させた後、前記室外部材21およ
び室内部材22の連結部をカッター等で切断して分離す
ることで断熱部材23を製造している。なお、下枠20
としては、合成樹脂製の帯板状の断熱部材を、各室内外
部材21、22間に1枚以上配置してかしめて連結した
ものを用いてもよい。
【0028】上枠10の下面の室内側部分には、断熱性
カバー11が取り付けられている。断熱性カバー11
は、障子3の内周面から少なくとも上枠10の室内側端
縁まで延長され、上枠10において障子3を閉めた際に
室内側に露出する露出面部を被覆している。この断熱性
カバー11には、アルミ樹脂複合障子3が当接される室
内側戸当たり部13が一体に形成されている。そして、
この室内側戸当たり部13には、アルミ樹脂複合障子3
の室内面に当接し、かつ、四周連続するシール材(気密
材)15が取り付けられている。
【0029】同様に、下枠20の室内部材22の上面に
も、断熱性カバー26が取り付けられている。断熱性カ
バー26は、前述の第1突出片32の室外側表面を覆う
被覆部26Aと、この被覆部26Aの上端から室内側に
延長され、室内部材22の上側開口を塞ぐ第1水平部2
6Bと、この第1水平部26Bの端部からさらに室内側
に延長され、第2突出片33の支持部33Bで支持され
ている第2水平部26Cとを備えて形成されている。こ
れにより、断熱性カバー26は、当該断熱性カバー26
の第2水平部26Cが障子3の内周面から少なくとも下
枠20の室内側端縁(支持部33Bの端縁)まで延長さ
れていることから、下枠20において障子3を閉めた際
に室内側に露出する露出面部を被覆している。ここで、
被覆部26Aの先端には、室内側に延出された係止部2
6Dが形成されており、この係止部26Dは、第1突出
片32の延出部32Bに係止されている。
【0030】さらに、断熱性カバー11と同様に、断熱
性カバー26の被覆部26Aの上縁には、アルミ樹脂複
合障子3が当接される室内側戸当たり部27が一体に形
成されている。そして、この室内側戸当たり部27に
は、アルミ樹脂複合障子3の室内面に当接し、かつ、四
周連続するシール材(気密材)15が取り付けられてい
る。なお、図示略すが、縦枠の室内面にも断熱性カバー
が取り付けられており、この断熱性カバーに戸当たり部
が形成されてシール材が取り付けられている。
【0031】また、各枠10、20の室外側近傍には、
アルミ樹脂複合障子3が当接する室外側戸当たり部1
2、24が一体に形成されている。そして、これらの室
外側戸当たり部12、24にも、四周連続するシール材
(気密材)14が取り付けられている。
【0032】一方、断熱窓枠2内に配置されるアルミ樹
脂複合障子3は、上框51、下框52、および図示しな
い左右の竪框を四周框状に組んで構成されている。そし
て、各框51、52の内周面には、面材である複層ガラ
ス54が複層ガスケット55を介して嵌合されている。
各框51、52は、それぞれアルミ製の室外部材51
A、52Aと、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂等で形
成されて断熱性を有する室内部材51B、52Bとを接
合して構成されている。そして、これらの各框51、5
2において、室外部材51A、52Aがそれぞれ室外側
戸当たり部12、24のシール材14に当接され、室内
部材51B、52Bが室内側戸当たり部13、27のシ
ール材15に当接するように構成されている。室外部材
51A、52Aの内面には、断面L字形状の金属製の脱
落防止具56が設けられ、火災時に各室内部材51B、
52Bが燃えてしまっても、複層ガラス54が外れて室
内側に落下しないようになっている。
【0033】アルミ樹脂複合障子3の複層ガラス54の
室内側には、図示しない面格子が取り付けられていても
よい。また、窓枠2の室内側には、図示しない網戸が取
り付けられていてもよい。この網戸は、四周枠組みされ
て縦枠の断熱性カバーにビス等で固定された網戸枠と、
この網戸枠に対して室内側に開閉可能に設けられた網戸
本体とで構成される。
【0034】このアルミ樹脂複合障子3は、各縦枠と竪
框との間にそれぞれ配置されて取り付けられたステンレ
ス製の辷り出しアーム(4バーヒンジ等)により、窓枠
2に対して開閉可能に取り付けられている。このような
横辷り出し窓1においては、図2に示されるように、障
子3に回動可能に取り付けられたカムラッチハンドル7
1と、窓枠2に固定され、当該カムラッチハンドル71
が係合可能な受け具72とからなるサッシ施錠装置70
が設けられている。
【0035】詳しくは、カムラッチハンドル71は、下
框52の室内部材52Bの室内側表面に取り付けられる
取付台座71Aと、この取付台座71Aに回動自在に取
り付けられた棒状のレバー部71Bと、このレバー部7
1Bの端部から突出し、受け具72に係合される係合部
(カムラッチ)71Cとを備えて形成されている。
【0036】受け具72は、図3にも示されるように、
カムラッチハンドル71の係合部71Cが係合される直
方体状の受け具本体72Aと、この受け具本体72Aに
埋め込まれ、当該受け具本体72Aから下方に延出され
た板状の固定部72Bとを備えて構成されている。固定
部72Bには、室外側にナット72Cが固設された2つ
の挿通孔72Dが形成されている。この受け具72の固
定部72Bは、断熱性カバー26に形成された開口26
Eに挿入され、内部の第1突出片32の取付部32Cの
室内側表面に取り付けられている。つまり、第1突出片
32は、窓枠2の内周面に突設され、受け具72を取り
付けるための受け具取付片となっている。
【0037】この固定部72Bが取り付けられている取
付部32Cの室外側表面は、この部分に対応した被覆部
26Aの一部が切り欠かれて外部に露出している。そし
て、この被覆部26Aの切り欠かれた部分、言い換える
と、第1突出片32および受け具72が設けられた部分
において、障子3の開く方向側(室外側)の部分には、
補強部材80が配置されている。
【0038】補強部材80は、第1突出片32および受
け具72の、障子3の開く方向側(室外側)に配置さ
れ、取付部32Cの室外側表面に当接される補強面部8
1と、この補強面部81の端部(下端)から直交配置さ
れ、第2突出片33に向かって延出される係止面部82
とを備えて断面L字形状に形成されている。なお、補強
面部81の肉厚は、被覆部26Aの肉厚と略同一とされ
ている。また、係止面部82の端縁は、補強面部81を
取付部32Cに当接させた際に、室内本体31の上面と
係止部33Cとの間に挿入されて、当該係止部33Cで
係止されている。これにより、補強部材80の障子3の
開く方向への回転が防止されるようになっている。そし
て、補強部材80の補強面部81および取付部32Cに
は、前述の固定部72Bに形成されている挿通孔72D
に対応した位置に挿通孔81A、32Dが形成されてい
る。これらの挿通孔81A、32D、72Dに、補強面
部81側からボルト83が挿通され、当該ボルト83が
ナット72Cに螺合されることで、補強部材80、第1
突出片32、固定部72Bが相互に連結されている。
【0039】このような横辷り出し窓1においては、障
子3に負圧の風圧が加わると、カムラッチハンドル71
が係合する受け具本体72Aに荷重が集中する。受け具
本体72Aに荷重が集中すると、この力によって固定部
72B、さらには、取付部32Cが、図2において、反
時計回りに回転・変形しようとするが、これらは補強部
材80にボルト83、ナット72Cで連結されているた
め、当該補強部材80でその荷重を支持することが可能
となっている。また、補強部材80も、係止面部82が
係止部33Cに係止されているので、過大な荷重が加わ
っても、回転することがなく、これにより、固定部72
Bの変形を防止できるようになっている。
【0040】このような本実施形態によれば、次のよう
な効果がある。すなわち、受け具72の固定部72Bが
取り付けられる取付部32Cの室外側に補強部材80を
配置したので、カムラッチハンドル71が係合する受け
具72のみに負圧の風圧が加わっても、当該受け具72
の荷重を補強部材80で支持することができ、第1突出
片32の変形を防止できる。
【0041】また、補強部材80を設けることで受け具
72の荷重を支持しているため、窓枠2の第1突出片3
2を肉厚にする必要がなく、窓枠2を他のサッシと共通
化できる。このため、窓枠2の種類を少なくできて生産
効率を向上でき、部品管理も容易になるとともに、製造
コストを低減でき、かつ、組立効率も向上できる。さら
に、受け具72を、当該受け具72とは別の補強部材8
0で補強しているため、受け具72自体を特別な構造に
する必要がない。このため、受け具72も、ホロー部を
有するサッシ用の受け具と共通化でき、製造コストをよ
り低減できる。
【0042】さらに、補強部材80を、補強面部81と
係止面部82とを備えて断面L字状に形成し、係止面部
82の端縁を、係止部33Cで係止して補強部材80の
障子開き方向への回転を防止するようにしたので、受け
具72のみに負圧の風圧が加わった際に、その荷重を係
止面部82の端縁から室内部材22に伝えて当該室内部
材22で支持することができる。このため、補強部材8
0を室内部材22にビス止めすることが不要になって組
立性が向上するとともに、補強部材80のみで荷重を支
持する必要がないため、補強部材80の肉厚なども比較
的薄くでき、コストも低減できる。
【0043】また、受け具72が固定された室内部材2
2において障子3を閉めた際に室内側に露出する露出面
部を、断熱性カバー26で被覆したので、窓枠2での結
露を抑えることができ、窓枠2における断熱性能や防露
性能をより高めることができる。
【0044】さらに、受け具72の固定部72Bを、断
熱性カバー26に形成された開口26Eに挿入して第1
突出片32に取り付けたので、断熱性カバー26の表面
には受け具本体72Aのみが露出し、受け具72の固定
部72Bや補強部材80などを隠すことができるので、
意匠性も向上できる。その上、受け具72に負圧の風圧
が加わった際に、その力は補強部材80で支持されるた
め、断熱性カバー26に開口26Eを形成して受け具7
2を挿入しても、断熱性カバー26に大きな応力が加わ
ることがなく、当該断熱性カバー26の破損を防止でき
る。
【0045】また、受け具72の固定部72Bを取り付
ける受け具取付片を、室内部材22に形成したので、室
内外部材21、22間に断熱部材23が介在しているこ
とから、室内外の熱伝達を少なくでき、断熱性能や防露
性能を向上できる。また、受け具72への室外側からの
熱伝達が少なくできるので、受け具72部分での結露発
生も抑えることができる。
【0046】さらに、第1突出片32を、クランク状に
折曲して立ち上がり部32Aを断熱部材23の端縁から
離して設けたので、当該断熱部材23を形成する際の樹
脂注入時に盛り上がりが形成されることがなく、後での
仕上げ加工が不要になって生産効率を向上できる。ま
た、第1突出部32の立ち上がり部32Aおよび延出部
32Bで形成される凹部で、断熱性カバー26の係止部
26Dを係止するようにしたので、当該断熱性カバー2
6の取付作業を容易にできる。
【0047】また、被覆部26Aの一部を切り欠いたの
で、補強部材80を配置した際に、被覆部26Aと補強
面部81との位置を揃えてフラットな面とすることがで
き、これにより、横辷り出し窓1の意匠性を向上するこ
とができる。
【0048】なお、本発明は、前述の実施形態に限定さ
れない。例えば、前記実施形態では、第1突出片32
を、クランク状に折曲して立ち上がり部32Aを断熱部
材23の端縁から離して設けていたが、これに限らず、
例えば、断熱部材23の端縁あるいは端縁から離れた位
置から直線状に突設させてもよい。但し、クランク状に
折曲して立ち上がり部32Aを断熱部材23の端縁から
離して設けた方が、当該断熱部材23を形成する際の樹
脂注入時に盛り上がりが形成されることがなく、後での
仕上げ加工が不要になって生産効率を向上できる点で好
ましい。
【0049】さらに、前記実施形態では、受け具72の
固定部72Bを断熱性カバー26の開口26Eに挿入し
ていたが、これに限らず、例えば、取付部32Cと固定
部72Bとの取付部分に対応した断熱性カバー26の一
部分だけを予め切り欠いておき、取付部32Cと固定部
72Bとを取り付けた後、この部分を塞ぐ断熱性カバー
を取り付けるようにしてもよい。
【0050】
【0051】さらに、受け具72としては、第1突出片
32の室内側に取り付けるものに限らず、例えば、室外
側に取り付けてもよい。
【0052】また、窓枠としては、アルミ製の一般的な
窓枠を用いてもよいし、アルミ樹脂複合窓枠やアルミ木
複合窓枠のように、非鉄金属製の室外部材と合成樹脂製
あるいは木製の室内部材とで構成された窓枠等を用いて
もよい。さらに、障子としても、アルミ製の一般的な窓
枠を用いてもよいし、非鉄金属製の室外部材、室内部材
と、これらを連結する断熱部材とで構成された断熱障子
を用いてもよい。また、非鉄金属製の室外部材と木製の
室内部材とを接合して構成された框材を組み合わせた断
熱障子を用いてもよい。なお、断熱性カバー11,26
や、室内部材51B,52Bを形成する合成樹脂として
は、適宜な顔料を入れて着色してもよいし、木粉を混入
して木質感を出したものを利用してもよい。
【0053】さらに、前記実施形態では、横辷り出し窓
として用いられるサッシ窓について説明したが、本発明
は、横辷り出し窓以外の縦辷り出し窓、内開き窓、外開
き窓等の窓枠と障子とを有する各種サッシ窓に適用する
ことができる。
【0054】また、ハンドルとしては、カムラッチハン
ドルに限らず、例えば、グレモンハンドルやトップラッ
チ等にも適用することができる。
【0055】
【発明の効果】このような本発明のサッシ施錠装置の受
け具取付構造およびサッシによれば、断熱性カバーが取
り付けられる場合のように、窓枠のホロー部でない取付
片に受け具を固定する場合でも、取付片を肉厚にする必
要がなく、取付片の変形を防止できるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるサッシ窓を示す縦断面図であ
る。
【図2】前記実施形態における要部を示す断面図であ
る。
【図3】前記実施形態における受け具の取付構造を示す
斜視図である。
【図4】本発明の樹脂注入タイプの断熱部材における比
較例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
2…アルミ形材断熱窓枠、3…アルミ樹脂複合障子、1
0…上枠、20…下枠、21…室外部材、22…室内部
材、23…断熱部材、26…断熱性カバー、26E…開
口、32…第1突出片、32A…立ち上がり部、32B
…延出部、32C…取付部、51…上框、52…下框、
70…サッシ施錠装置、71…カムラッチハンドル、7
2…受け具、72A…受け具本体、72B…固定部、8
0…補強部材、81…補強面部、82…係止面部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−146725(JP,A) 実開 平7−16876(JP,U) 実開 昭54−199(JP,U) 実開 昭60−164587(JP,U) 実開 昭55−51946(JP,U) 実公 平4−25913(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E05C 3/04 E06B 3/984 E06B 5/00 E05B 15/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窓枠に対して開閉可能に取り付けられた
    障子に回動可能に取り付けられたハンドルと、窓枠に固
    定されかつ前記ハンドルが係合可能な受け具とで構成さ
    れるサッシ施錠装置における前記受け具取付構造であっ
    て、 窓枠の内周面に受け具取付片が突設され、この受け具取
    付片の室内側または室外側のいずれか一方に前記受け具
    が取り付けられるとともに、これらの受け具取付片およ
    び受け具の障子開き方向側に補強部材が配置され 前記補強部材は、受け具取付片および受け具の障子開き
    方向側に配置された補強面部と、この補強面部の端部か
    ら直交配置された係止面部とを備えて断面L字状に形成
    されるとともに、前記係止面部の端縁は前記窓枠に係止
    されて補強部材の障子開き方向への回転が防止され てい
    ることを特徴とするサッシ施錠装置の受け具取付構造。
  2. 【請求項2】 上枠、下枠および左右の縦枠を四周枠組
    みした窓枠と、上框、下框および左右の竪框を四周框組
    みして面材を組み込んだ障子とを備えて構成されるサッ
    シであって、 前記障子の各框のうちのいずれかの框に回動可能に取り
    付けられたハンドルと、このハンドルが取り付けられた
    框に対応する窓枠の内周面に突設された受け具取付片
    と、この受け具取付片の室内側または室外側のいずれか
    一方に固定されて前記ハンドルが係合可能な受け具と、
    これらの受け具取付片および受け具の障子開き方向側に
    配置された補強部材とを備えるとともに、 前記補強部材は、受け具取付片および受け具の障子開き
    方向側に配置された補強面部と、この補強面部の端部か
    ら直交配置された係止面部とを備えて断面L字状に形成
    されるとともに、前記係止面部の端縁は前記窓枠に係止
    されて補強部材の障子開き方向への回転が防止されてい
    ことを特徴とするサッシ。
  3. 【請求項3】 前記受け具は、受け具本体と、この受け
    具本体から延出された固定部とを備えて構成され、 前記受け具が固定された窓枠において障子を閉めた際に
    室内側に露出する露出面部は断熱性カバーで被覆され、 前記受け具の固定部は、この断熱性カバーに形成された
    開口に挿入されて前記受け具取付片に取り付けられてい
    る請求項に記載のサッシ。
  4. 【請求項4】 前記受け具が取り付けられた窓枠は、非
    鉄金属製の室内部材および室外部材と、この室内外部材
    を連結する断熱部材とから構成され、前記受け具取付片
    は、室内部材に形成されている請求項2または請求項3
    に記載のサッシ。
  5. 【請求項5】 前記受け具取付片は、室内部材の断熱部
    材側端縁から室内側に所定寸法離れた位置から突設され
    た立ち上がり部と、この立ち上がり部から断熱部材側に
    延長された延出部と、この延出部から障子側に延長され
    た取付部とを備えて形成されている請求項に記載のサ
    ッシ。
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