JP3425381B2 - プラスチック食器用乾燥仕上剤 - Google Patents
プラスチック食器用乾燥仕上剤Info
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Description
において、プラスチック製食器の洗浄後、乾燥時間を短
縮し、スポット形成を抑制して美しい仕上がりを得るた
めに用いられるプラスチック食器用乾燥仕上剤に関する
ものである。
食堂等、大量の食器を扱う厨房では、合理化のために、
食器の自動洗浄及び自動乾燥を行う自動食器洗浄機を設
置しているところが多い。また、食器や食材等の搬送用
トレイ等の容器についても、自動食器洗浄機に準ずる洗
浄機を用いることが多い。これらの自動食器洗浄機で
は、通常、洗剤による洗浄に引き続き、乾燥仕上剤を含
む水によるすすぎが行われるようになっている。
するとともに、食器等に水滴跡(ウォータースポット)
等が形成されることのない良好な仕上がりを得るために
用いられるものなので、従来から、湿潤力、乳化力、分
散力等に優れ、しかも食器に残留して口に入っても安全
な、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル等が、その主成分として
用いられている。
ステルを用いることが提案され注目されている。例えば
「HLB3〜13のポリグリセリン脂肪酸エステルを必
須成分とするすすぎ助剤」(特開昭60−53599号
公報)や、「必須成分として炭素原子数6〜18ケの脂
肪酸を脂肪酸残基としてもつポリグリセリン脂肪酸エス
テルを含有するすすぎ助剤」(特開昭59−18709
6号公報)が知られている。
る食器やトレイ等の材質は、ガラス、陶磁器、プラスチ
ック等、各種のものがあげられる。そのうち、プラスチ
ックからなる食器の表面は、ガラスや陶磁器と比較する
と表面自由エネルギーが小さく、親水性に乏しいという
性質を有する。このため、プラスチック表面に水が接触
した場合、水滴が形成されやすく、これがウォータース
ポット(以下、単に「スポット」という)となって美観
を損ねる原因となる。また、プラスチックは、ガラスや
陶磁器と比較すると熱伝導性が低いために、表面温度の
上昇が小さく、水の蒸発速度が遅いという問題もある。
容器を対象とした乾燥仕上剤として、「プラスチック製
食器用すすぎ助剤」(特表平10−505628号公
報)や、「プラスチック製の搬送容器洗浄用すすぎ助
剤」(特開平4−309600号公報)が提案されてい
る。
のすすぎ助剤に使用されている成分は、炭化水素界面活
性剤およびポリエーテルもしくはポリベタインポリシロ
キサンコポリマー界面活性剤、フッ素化炭化水素界面活
性剤、アルキルアミノ酢酸ベタイン型またはイミダゾリ
ニウムベタイン型の両性界面活性剤、第四級アンモニウ
ム塩型のカチオン界面活性剤、またはアルキルベンゼン
スルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のアニオ
ン界面活性剤等であり、食器に残留し口の中に入った場
合を考慮すると、安全性の点で好ましくないものであ
る。
リン脂肪酸エステルを、上記プラスチック食器用乾燥仕
上剤として用いることが検討されている。しかし、上記
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリ
ンの重合度は、水酸基価より算出した平均重合度により
命名されており、実際には幅広い重合度分布を有するも
のである。例えば、テトラグリセリン、ヘキサグリセリ
ン、デカグリセリンと区別されてはいるものの、いずれ
もその重合度は、水酸基価より計算した平均重合度であ
り、重合度が1〜10以上のグリセリン重合体の混合物
である。このため、界面活性特性の異なる種々のポリグ
リセリン脂肪酸エステルが混じったものを用いざるを得
ず、プラスチック食器用乾燥仕上剤として用いるのに最
適なポリグリセリン脂肪酸エステルを選定することがで
きず、そのようなものは実用化されていない。
エステルの性能向上のために、その純度を上げたもの
(特開昭63−23837号公報、特開平3−8125
2号公報等)や、重合度分布を狭くしたもの(特開平7
−308560号公報、特開平7−100355号公報
等)が提案され、起泡性、分散性、乳化性、可溶化性等
の界面活性特性の向上に一定の成果が得られている。
乾燥仕上剤に適用しようとした場合、起泡性が高いと、
逆にスポットの原因となったり、自動食器洗浄機におけ
る洗浄ポンプ圧の低下を招くおそれがあり、必ずしも上
記界面活性特性に優れていることが即、優れた乾燥仕上
げ効果につながるのではない。したがって、どのような
ポリグリセリン脂肪酸エステルを選定すれば、プラスチ
ック食器用乾燥仕上剤として用いるのに優れた特性を発
現するのか、さらにソルビタン脂肪酸エステル等他の構
造成分と併用することにより、どのような特性を発現す
るのかについては、未だ充分に検討されていないのが実
情である。
もので、各種ポリグリセリン脂肪酸エステルの中でも特
定のものを用い、特定の構造を持つソルビタン脂肪酸エ
ステルと併用することにより、プラスチック表面に対し
優れた乾燥仕上げ効果を奏するプラスチック食器用乾燥
仕上剤の提供をその目的とするものである。
め、本発明は、特定の重合度n(n=3,4,5のいず
れか)である単一ポリグリセリンを50重量%以上含む
ポリグリセリン類と炭素数が(2n)〜(2n+4)の
脂肪酸とをエステル化してなるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルと、ソルビタン,ソルビトールおよびソルビット
からなる群から選択された少なくとも一つのソルビタン
類と炭素数8〜12の脂肪酸とをエステル化してなるソ
ルビタン脂肪酸エステルとを含有し、上記ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルおよび上記ソルビタン脂肪酸エステル
以外の脂肪酸エステル類を含有しないプラスチック食器
用乾燥仕上剤を第1の要旨とする。
のなかでも、特に、上記ポリグリセリン脂肪酸エステル
10〜20重量%、上記ソルビタン脂肪酸エステル10
〜20重量%、プロピレングリコール10〜20重量
%、エタノール10〜35重量%および水を含有するプ
ラスチック食器用乾燥仕上剤を第2の要旨とする。
を高い割合で含む特殊なポリグリセリン脂肪酸エステル
と、特定のソルビタン脂肪酸エステルとを組み合わせる
ことにより、プラスチック表面に対し優れた効果を奏
し、しかも低泡性と親水性のバランスに優れ、濡れ性,
分散性,可溶化性等にも優れたプラスチック食器用乾燥
仕上剤を得るようにしたものである。そして、上記プラ
スチック食器用乾燥仕上剤のなかでも、特に、溶剤とし
てプロピレングリコールとエタノールと水を組み合わ
せ、所定の配合割合で液体として調製したものは、チュ
ーブポンプ等からなる液体供給装置による供給が容易で
あり、また、液の透明性、分離,沈殿等の配合系の安定
性が良好で、特に優れた効果を奏する。
仕上剤の態様は、特に限定されるものではなく、固形
状、塊状、ゲル状、液状等、どのような態様であっても
差し支えない。また、上記「プラスチック食器」として
は、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン、AS樹脂(アクリロニトリル
−スチレン共重合樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)、メタクリル樹
脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリヤ樹脂等から
なる茶碗、吸い物椀、皿、コップ、フォーク、スプー
ン、トレイ、ざる、おけ、密封式食品保存容器等の食
器、器具類があげられる。本発明では、これらを総称し
て「食器」という。
いて説明する。
テルは、特定の重合度n(n=3,4,5のいずれか)
を示す単一のポリグリセリンを50重量%(以下「%」
と略す)以上含むポリグリセリン類をエステル化したも
のでなければならない。もちろん、ポリグリセリン全体
が、上記単一のポリグリセリンで構成されていても差し
支えはない。すなわち、重合度の異なる複数種類のポリ
グリセリン類に由来する、広範の重合度分布のポリグリ
セリン脂肪酸エステルが混在していては、乾燥仕上剤に
要求される低泡性及び適度の親水性・疎水性を兼ね備え
たものとならないからである。
は、重合度n=3のトリグリセリン、重合度n=4のテ
トラグリセリン、重合度n=5のペンタグリセリンのい
ずれかである。ただし、上記「重合度」は、従来から広
く用いられている「水酸基価から算出した平均重合度」
ではなく、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマト
グラフィー等により、単一ポリグリセリンそのものの重
合度として求めたものである。上記重合度nを3〜5に
限定したのは、重合度n=1のモノグリセリンや重合度
n=2のジグリセリンを用いて得たエステル化物は、親
水性に劣るため、乾燥仕上剤として良好な品質のものが
得られないからである。また、逆に重合度nが6以上の
ポリグリセリンを用いて得たエステル化物は、親水性は
良好であるものの起泡性が高く、自動食器洗浄機に用い
るのに不都合を生じるからである。
セリンを50%以上含むポリグリセリン類を得るために
は、通常、重合度分布のばらつきがあり未反応物を含む
ポリグリセリンに対し、例えば分子蒸留、水蒸気をキャ
リアーとする減圧蒸留、液体クロマトグラフィー等を行
い、特定重合度より低分子量の反応物を除去もしくは減
少させることによって、特定の重合度のポリグリセリン
の含有割合を高めることが行われる。
リン類を伝熱面上に遠心力、ブラシまたはロールにて薄
膜状に延ばし、蒸発した分子同士が衝突しづらいよう
に、伝熱面とごく近い距離に凝縮面を設置した装置中で
高真空下、高温条件で、物質の蒸気圧の差を利用して低
分子量物質の除去を行うようにしたものである。
アーとし、従来公知の減圧装置、例えば流下薄膜減圧蒸
留装置、強制薄膜減圧蒸留装置等を用いて、高温、高真
空下で蒸留を行うことにより低分子量物質の除去を行う
ようにしたものである。
は、カラムに充填された固体粒子と流出溶媒の2相の間
に原料となるポリグリセリン類を通過させ、その分配係
数の差を利用して低分子量物質の除去を行うようにした
もので、例えばシングルカラム方式のものや、疑似移動
床式のものを用いることができる。
る脂肪酸としては、ポリグリセリン類に50%以上含ま
れる単一ポリグリセリンの重合度nとの関係において、
炭素数が一定の範囲内、すなわち(2n)〜(2n+
4)のものが用いられる。具体的には、上記単一ポリグ
リセリンがトリグリセリン(n=3)の場合は炭素数が
6〜10の脂肪酸を用い、テトラグリセリン(n=4)
の場合は炭素数が8〜12の脂肪酸を用い、ペンタグリ
セリン(n=5)の場合は炭素数が10〜14の脂肪酸
を用いる必要がある。そして、なかでも単一ポリグリセ
リンの重合度nとの関係において、2n+2の炭素数を
有する脂肪酸を組み合わせることが特に好適である。こ
れらの脂肪酸としては、飽和モノカルボン酸として、カ
プロン酸(ヘキサン酸:C=6)、カプリル酸(オクタ
ン酸:C=8)、カプリン酸(デカン酸:C=10)、
ラウリン酸(ドデカン酸:C=12)、ミリスチン酸
(テトラデカン酸:C=14)があげられる。
リグリセリンの重合度nとの関係で規定するのは、ポリ
グリセリン脂肪酸エステルの特性が、その親水基鎖長と
疎水基鎖長のバランスに左右されるためであり、本発明
においては、脂肪酸が飽和脂肪酸である場合に、上記親
水基鎖長(H)/疎水基鎖長(L)が1.3〜2.4の
範囲のものが好ましく、なかでも1.7〜1.8の範囲
のものが好適だからである。この範囲を満足させるため
には、上記脂肪酸の炭素数と単一ポリグリセリンの重合
度nとの関係を、上記のように規定する必要がある。
(L)は、例えばトリグリセリンカプリル酸モノエステ
ルを例にとると、下記のように示すことができる。
ン脂肪酸エステルとともに用いられるソルビタン脂肪酸
エステルは、炭素数8〜12の脂肪酸とソルビタン類と
をエステル化したものでなければならない。脂肪酸の炭
素数を8〜12に限定したのは、炭素数が8未満の低分
子量の脂肪酸では、親水性が向上するために起泡性が増
すとともにプラスチック表面への吸着が起こりにくく、
自動食器洗浄機に用いるのに不都合が生じ、乾燥仕上剤
として良好な品質のものを得られないからである。ま
た、逆に、炭素数が12を超える高分子量の脂肪酸で
は、疎水性が高くなりすぎるため、水溶解性が悪くな
り、その結果、配合安定性および拡張性、スポット抑制
能の悪化が起こるからである。
ン、ソルビトール、ソルビットの3つをいい、これらは
単独で用いても2種以上を併用してもよい。
は、上記特殊なポリグリセリン脂肪酸エステル(A)
と、上記ソルビタン脂肪酸エステル(B)とを任意の割
合で含有し、これら以外の脂肪酸エステルを含有しない
ものである。
上剤を液体として調製する場合、上記ポリグリセリン脂
肪酸エステル(A)は、本発明の乾燥仕上剤中に、10
〜20%配合することが好適である。すなわち、10%
未満では、プラスチック表面の界面活性能の向上に充分
な効果を発揮せず、逆に20%を超えると、粘性が増し
て汎用なポンプ等による供給が困難になるからである。
(B)は、本発明の乾燥仕上剤中に、10〜20%配合
することが好適である。すなわち、10%未満では、配
合系の安定性が悪化するとともに起泡性の増加を生じて
自動食器洗浄機に用いるのに不都合を生じ、逆に20%
を超えると、乾燥後の食器の透明感が劣り、それ自体が
汚れのような跡を生じやすくなってしまうからである。
ル(A)とソルビタン脂肪酸エステル(B)は、必ず両
者を併用する必要がある。すなわち、両者のいずれか一
方を単独で用いた場合、良好な乾燥仕上げ効果が得られ
ず、また配合系の安定性も不充分となるからである。
する本発明のプラスチック食器用乾燥仕上剤は、プラス
チック表面と水の界面活性に非常に良好で、優れた低泡
性、分散性、可溶化性等を備えている。よって、自動食
器洗浄機等において、乾燥仕上剤をポンプで送液する
際、水圧低下等の支障を生じることなく、また、食器の
仕上がり表面を起泡により汚損することもない。
上剤には、一定の流動性確保、特にポンプ等による供給
の容易性、そして、配合系の安定性向上のために、プロ
ピレングリコールおよびエタノールを配合することが好
ましい。すなわち、上記ポリグリセリン脂肪酸エステル
(A)とソルビタン脂肪酸エステル(B)とを水(湯)
に溶解してすすぎに用いた場合、乾燥仕上剤として必要
な界面活性能は得られるものの、固形状、塊状、ゲル状
等の態様を示すため、それに応じた供給装置や供給方法
を用いることが必要となる。従来、殆どの乾燥仕上剤の
態様は液状であり、従来既存のチューブポンプ等による
供給装置をそのまま用いる上では、乾燥仕上剤が液状で
あることが好ましい。したがって、上記プロピレングリ
コールとエタノールを配合して良好な流動性を確保する
ことが好ましいのである。ただし、プロピレングリコー
ル、エタノールのどちらか一方の配合のみでは、配合安
定性や拡張性、スポット抑制能の低下を引き起こしやす
いため、両者を併用することが望ましい。
る場合は、本発明の乾燥仕上剤中に、10〜20%配合
することが好適である。すなわち、10%未満では配合
安定性が悪くなる傾向がみられるとともに、分離,白濁
を引き起こしやすいからである。逆に、20%を超えた
場合には、それ以上の性能向上効果が得られず、しかも
スポット抑制能、配合安定性の悪化を引き起こしやすい
からである。
発明の乾燥仕上剤中に、10〜35%配合することが好
ましい。すなわち、10%未満では安定した配合系が得
られず、35%を超えた場合には、良好な乾燥仕上げ効
果が得られにくくなるからである。
上剤には、染料,香料,殺菌剤,粘度調製剤等の任意成
分を、必要に応じて適宜の割合で配合することができ
る。
は、すすぎ配管に注入され、乾燥仕上剤の有効成分濃度
にもよるが、通常、1/5,000〜1/20,000
の乾燥仕上剤希釈液としてすすぎに供される。このと
き、上記ポリグリセリン脂肪酸エステル(A)とソルビ
タン脂肪酸エステル(B)を合わせた界面活性剤濃度が
20〜80mg/リットルとなるよう希釈して用いるこ
とが好適である。
器用乾燥仕上剤は、ポリグリセリンの重合度と脂肪酸の
炭素数とが特定の関係を有する特殊なポリグリセリン脂
肪酸エステルと、脂肪酸の炭素数が限定された特殊なソ
ルビタン脂肪酸エステルとを含有し、これら以外の脂肪
酸エステルを含有しないものである。したがって、プラ
スチック食器用乾燥仕上剤として要求される、親水性と
疎水性のバランスが非常に良好で、優れた拡張性、分散
性、可溶化性等を備えている。しかも、低泡性に優れ、
泡立ちが少ないため、自動食器洗浄機等に置いてポンプ
で送液する際、水圧低下等の支障を生じることもない。
上剤において、プロピレングリコールおよびエタノール
を特定の割合で含有させたものは、配合安定性に優れ、
流動性も良好であるため、より優れた拡張性、分散性等
を有し、乾燥時間を短縮することができる。
明する。
す組成(重量基準、以下同じ)の乾燥仕上剤を調整し
た。そして、各乾燥仕上剤のプラスチック表面に対する
拡張性、乾燥速度、スポット抑制能、低泡性および配合
安定性について、下記の方法により評価した。これらの
結果を後記の表1〜表3に併せて示す。
面科学社製)を用い、濃度0.02%の乾燥仕上剤溶液
と板状ポリカーボネート製テストピースとの接触角を測
定した。そして、下記の基準で評価した。 ◎:接触直後の角度が75°未満 ○:接触直後の角度が75°以上80°未満 △:接触直後の角度が80°以上、3秒後の角度が75
°未満 ×:接触直後の角度が80°以上、3秒後の角度が75
°以上
溶液(濃度0.02%、温度80℃)200mlに、板
状ポリカーボネートテストピース(10mm×100m
m×厚み3mm)を30秒間浸漬したのち、ゆっくり引
き上げて室温にて静置し、水滴および水膜が消失するま
でに要する時間を測定した。そして、下記の基準で評価
した。 乾燥速度 ◎:1分以下 ○:1分を超え2分以内 △:2分を超え3分以内 ×:3分を超える スポット抑制能 ◎:スポットなし ○:スポットはないが、薄い斑状の跡が残留 △:5個以下のスポットが残留 ×:5個以上のスポットが残留
に濃度1%、60℃に調製した試料を50ml入れ、2
0回上下逆さに振とうしたのち静置し、生起した泡の量
を測定した。そして、下記の基準で評価した。 ◎:20ml以下 ○:20mlを超え60ml以下 △:60mlを超え100ml以下 ×:100mlを超える
配合し、液の透明性、分離、沈殿の有無を目視で評価し
た。そして、下記の基準で評価した。 ○:透明であり、分離・沈殿のない均一な溶液 △:不透明だが、分離・沈殿は認められず均一な溶液 ×:不透明であり、なおかつ分離または沈殿が認められ
る溶液
ポリグリセリンを60%含むポリグリセリンと炭素数
(2n)〜(2n+4)、なかでも(2n+2)の脂肪
酸とのエステル化物を用いた実施例品が優れた特性を備
えていることがわかる。そして、エステル化度はトリエ
ステルよりもモノエステルおよびジエステルの方が良好
であることがわかる。
示すように、単一のポリグリセリンの含量の異なるポリ
グリセリン脂肪酸エステルを用いて乾燥仕上剤を調製し
た。そして、各乾燥仕上剤の拡張性、低泡性等につい
て、上記と同様にして評価した。これらの結果を下記の
表4,表5に併せて示す。なお、前出の実施例5につい
ても参照のため併せて示す。
ステルに含まれる単一ポリグリセリン含量は、50%以
上でなければ、プラスチック食器用乾燥仕上剤としての
優れた効果が得られないことがわかる。
ように、脂肪酸炭素数の異なるソルビタン脂肪酸エステ
ルを用いて乾燥仕上剤を調製した。そして、各乾燥仕上
剤の拡張性、低泡性等について、上記と同様に評価し
た。これらの結果を下記の表6に併せて示す。なお、前
出の実施例5についても参照のため併せて示す。
とソルビタンとをエステル化してなるソルビタン脂肪酸
エステルを用いた実施例品が優れた特性を備えているこ
とがわかる。なかでも特に炭素数8のソルビタン脂肪酸
エステルが好ましいことがわかる。
表8に示すように、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよ
びソルビタン脂肪酸エステルの配合量の異なる乾燥仕上
剤を調製した。そして、各乾燥仕上剤の拡張性、低泡性
等について、上記と同様にして評価した。これらの結果
を表7,表8に併せて示す。なお、前出の実施例5につ
いても参照のため併せて示す。
ステル、ソルビタン脂肪酸エステルのどちらか一方のみ
を含有するものは、安定した均一溶液が得られないこと
がわかる。また、両者を含有する場合、ポリグリセリン
脂肪酸エステルも、ソルビタン脂肪酸エステルも、とも
に10〜20%含有されていることが好ましく、特にポ
リグリセリン脂肪酸エステル15%、ソルビタン脂肪酸
エステル15%の割合で含有されていることが好適であ
ることがわかる。
溶剤類、すなわち水、エタノール、プロピレングリコー
ルの配合量の異なる乾燥仕上剤を調製した。そして、各
乾燥仕上剤の拡張性、低泡性等について、上記と同様に
評価した。これらの結果を表9〜表15に併せて示す。
エタノールどちらか一方のみを含有するものは、安定し
た均一溶液が得られないため、乾燥仕上剤の性能に悪影
響を及ぼすことがわかる。また、プロピレングリコール
およびエタノールを含有する場合、プロピレングリコー
ルの含有量を10〜20%に設定し、エタノールの含有
量を10〜35%に設定することが好ましく、特にプロ
ピレングリコールの含有量よりもエタノールの含有量を
多くする(例えばプロピレングリコール10%に対しエ
タノール30%にする)ことが好適であることがわか
る。
8,表19に示すように、溶剤類、すなわち水、エタノ
ール、プロピレングリコールの配合量の異なる乾燥仕上
剤を調製した。そして、各乾燥仕上剤の拡張性、低泡性
等について、上記と同様に評価した。さらに、拡張性、
乾燥速度、スポット抑制能については、ガラステストピ
ースについても評価した。なお、上記ガラステストピー
スとしては、ソーダガラス板(15mm×80mm×厚
さ2mm)を使用し、これに対する拡張性は、下記の基
準で評価した。これらの結果を表18,表19に併せて
示す。
組成物、従来のポリグリセリン脂肪酸エステルによる配
合組成物は、ガラスに対する乾燥仕上げ効果は良好であ
るが、プラスチックに対しては良好な効果が得られない
ことがわかる。また、本発明の実施例品である、特定の
ポリグリセリン脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エス
テル、エタノール、プロピレングリコールを特定割合で
含有する乾燥仕上剤は、プラスチックに対して非常に良
好な乾燥仕上げ効果を発揮することがわかる。
グリセリン脂肪酸エステル、、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、溶剤類(水、エタノール、プロピレングリコール)
を所定割合で配合した乾燥仕上剤を調製し、それぞれの
希釈倍率を変えた。そして、各乾燥仕上剤の拡張性等に
ついて、上記と同様にして評価した。これらの結果を表
20に併せて示す。
すぎ液として使用する場合には、ポリグリセリン脂肪酸
エステルとソルビタン脂肪酸エステルとを合わせた総濃
度(界面活性剤濃度)が20〜80mg/リットルとな
るよう希釈して用いることが好適であることがわかる。
Claims (2)
- 【請求項1】 特定の重合度n(n=3,4,5のいず
れか)である単一ポリグリセリンを50重量%以上含む
ポリグリセリン類と炭素数が(2n)〜(2n+4)の
脂肪酸とをエステル化してなるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルと、ソルビタン,ソルビトールおよびソルビット
からなる群から選択された少なくとも一つのソルビタン
類と炭素数8〜12の脂肪酸とをエステル化してなるソ
ルビタン脂肪酸エステルとを含有し、上記ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルおよび上記ソルビタン脂肪酸エステル
以外の脂肪酸エステル類を含有しないことを特徴とする
プラスチック食器用乾燥仕上剤。 - 【請求項2】 請求項1記載のポリグリセリン脂肪酸エ
ステル10〜20重量%、請求項1記載のソルビタン脂
肪酸エステル10〜20重量%、プロピレングリコール
10〜20重量%、エタノール10〜35重量%および
水を含有する請求項1記載のプラスチック食器用乾燥仕
上剤。
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---|---|---|---|
JP33326398A JP3425381B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | プラスチック食器用乾燥仕上剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33326398A JP3425381B2 (ja) | 1998-11-24 | 1998-11-24 | プラスチック食器用乾燥仕上剤 |
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---|---|
JP2000160195A JP2000160195A (ja) | 2000-06-13 |
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Cited By (1)
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