JP3215069B2 - 自動食器洗浄機用乾燥仕上げ剤 - Google Patents
自動食器洗浄機用乾燥仕上げ剤Info
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Description
乾燥仕上げ剤に関するものである。
堂等、大量の食器を扱う厨房では、合理化のために、食
器の自動洗浄および自動乾燥を行う自動食器洗浄機を設
置しているところが多い。そして、上記自動食器洗浄機
では、通常、洗剤による洗浄に引き続き、乾燥仕上げ剤
を含む水によるすすぎが行われるようになっている。な
お、すすぎが複数回繰り返される場合には、最終すすぎ
時に、乾燥仕上げ剤を含む水によるすすぎが行われるよ
うになっている。
燥を促進するとともに、食器に水滴跡(スポット)等が
形成されることのない良好な仕上がりを得るために用い
られるもので、従来から、乳化力,分散力等に優れ、し
かも食器に残留し口に入っても安全な、蔗糖脂肪酸エス
テル,ソルビタン脂肪酸エステル等が、その主成分とし
て用いられている。
ステルを用いることが提案され注目されている。例えば
「HLB3〜13のポリグリセリン脂肪酸エステルを必
須成分とするすすぎ助剤」(特開昭60−53599号
公報)や、「必須成分として炭素原子数6〜18ケの脂
肪酸を脂肪酸残基としてもつポリグリセリン脂肪酸エス
テルを含有するすすぎ助剤」(特開昭59−18709
6号公報)が知られている。
ら広く用いられているポリグリセリン脂肪酸エステルを
構成するポリグリセリンの重合度は、水酸基価より計算
した平均重合度により命名されており、実際には幅広い
重合度分布を有するものである。例えばテトラグリセリ
ン,ヘキサグリセリン,デカグリセリンと区別されては
いるものの、いずれもその重合度は、水酸基価より計算
した平均重合度であり、重合度が1〜10以上のグリセ
リン重合体の混合物である。このため、界面活性特性の
異なる種々のポリグリセリン脂肪酸エステルが混じった
ものを用いざるを得ず、乾燥仕上げ剤として用いるのに
最適なポリグリセリン脂肪酸エステルを選定することが
できず、その効果はいま一つ不充分であった。
エステルの性能向上のために、その純度を上げたもの
(特開昭63−23837号公報,特開平3−8125
2号公報等)や、重合度分布を狭くしたもの(特開平7
−308560号公報,特開平7−100355公報
等)が提案され、起泡性,分散性,乳化性,可溶化性等
の界面活性特性の向上に一定の成果が得られている。
泡性が高いと、逆にスポットの原因となったり、自動食
器洗浄機における給水配管の水圧低下を招くおそれがあ
り、また、好適な親水性の範囲も限られるため、必ずし
も上記界面活性特性に優れていることが即、優れた乾燥
仕上げ効果につながるのではない。したがって、どのよ
うな種類のポリグリセリン脂肪酸エステルを選定すれ
ば、乾燥仕上げ剤に用いるのに優れた特性を発現するの
かについては未だ充分に検討されていないのが実情であ
る。
もので、各種ポリグリセリン脂肪酸エステルのなかで
も、特定のものを用いることにより、優れた乾燥仕上げ
効果を奏する自動食器洗浄機用乾燥仕上げ剤の提供をそ
の目的とするものである。
め、本発明の請求項1にかかる発明は、特定の重合度n
(n=3,4,5のいずれか)である単一ポリグリセリ
ンを50重量%以上含むポリグリセリン類と、炭素数が
(2n)〜(2n+4)の脂肪酸とをエステル化してな
るポリグリセリン脂肪酸エステルが含有されている自動
食器洗浄機用乾燥仕上げ剤である。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、炭素数(2n+
2)の脂肪酸を用いたものである自動食器洗浄機用乾燥
仕上げ剤である。
を高い割合で含む特殊なポリグリセリン脂肪酸エステル
を用いることにより、低泡性と親水性のバランスに優
れ、濡れ性,分散性,可溶化性等にも優れた乾燥仕上げ
剤を得るようにしたものである。そして、上記特殊なポ
リグリセリン脂肪酸エステルのなかでも、特に、単一ポ
リグリセリンの重合度nに対し、炭素数(2n+2)の
脂肪酸を用いたものが、特に優れた効果を奏する。
いて説明する。
テルは、特定の重合度n(n=3,4,5のいずれか)
を示す単一のポリグリセリンを50重量%(以下「%」
と略す)以上含むポリグリセリン類をエステル化したも
のでなければならない。もちろん、ポリグリセリン全体
が、上記単一のポリグリセリンで構成されていても差し
支えはない。すなわち、重合度の異なる複数種類のポリ
グリセリン類に由来する、広範な重合度分布のポリグリ
セリン脂肪酸エステルが混在していては、乾燥仕上げ剤
に要求される、低泡性および適度の親水性を兼ね備えた
ものとならないからである。
は、重合度n=3のトリグリセリン、重合度n=4のテ
トラグリセリン、重合度n=5のペンタグリセリンのい
ずれかである。ただし、上記「重合度」は、従来から広
く用いられている「水酸基価から算出した平均重合度」
ではなく、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマト
グラフィー等により、単一ポリグリセリンそのものの重
合度として求めたものである。上記重合度nを3〜5に
限定したのは、重合度n=1のモノグリセリンや重合度
n=2のジグリセリンを用いて得たエステル化物は、親
水性に劣るため、乾燥仕上げ剤として良好な品質のもの
が得られないからである。また、逆に重合度nが6以上
のポリグリセリンを用いて得たエステル化物は、親水性
は良好であるものの起泡性が高く、自動食器洗浄機に用
いるのに不都合を生じるからである。
セリンを50%以上含むポリグリセリン類を得るには、
通常、重合度分布にばらつきがあり未反応物も含むポリ
グリセリンに対し、例えば分子蒸留、水蒸気をキャリア
ーとする減圧蒸留、液体クロマトグラフィー等を行い、
特定重合度よりも低分子量の反応物を除去もしくは減少
させることによって、特定の重合度のポリグリセリンの
含有割合を高めることが行われる。
リン類を伝熱面上に遠心力,ブラシまたはロールにて薄
膜状に延ばし、蒸発した分子同士が衝突しづらいよう
に、伝熱面とごく近い距離に凝縮面を設置した装置中で
高真空下、高温条件で、物質の蒸気圧の差を利用して低
分子量物質の除去を行うようにしたものである。
アーとし、従来公知の減圧装置、例えば流下薄膜減圧蒸
留装置、強制薄膜減圧蒸留装置等を用いて、高温、高真
空下で蒸留を行うことにより低分子量物質の除去を行う
ようにしたものである。
は、カラムに充填された固体粒子と流出溶媒の2相の間
に原料となるポリグリセリン類を通過させ、その分配係
数の差を利用して低分子量物質の除去を行うようにした
もので、例えばシングルカラム方式のものや、疑似移動
床式のものを用いることができる。
る脂肪酸としては、ポリグリセリン類に50%以上含ま
れる単一ポリグリセリンの重合度nとの関係において、
炭素数が一定の範囲内、すなわち(2n)〜(2n+
4)のものが用いられる。具体的には、上記単一ポリグ
リセリンがトリグリセリン(n=3)の場合は炭素数が
6〜10の脂肪酸を用い、テトラグリセリン(n=4)
の場合は炭素数が8〜12の脂肪酸を用い、ペンタグリ
セリン(n=5)の場合は炭素数が10〜14の脂肪酸
を用いる必要がある。そして、なかでも、単一ポリグリ
セリンの重合度nとの関係において、2n+2の炭素数
を有する脂肪酸を組み合わせることが特に好適である。
これらの脂肪酸としては、飽和モノカルボン酸として、
カプロン酸(ヘキサン酸:C=6)、カプリル酸(オク
タン酸:C=8)、カプリン酸(デカン酸:C=1
0)、ラウリン酸(ドデカン酸:C=12)、ミリスチ
ン酸(テトラデカン酸:C=14)があげられる。
リグリセリンの重合度nとの関係で規定するのは、ポリ
グリセリン脂肪酸エステルの特性が、その親水基鎖長と
疎水基鎖長のバランスに左右されるためで、本発明にお
いては、脂肪酸が飽和脂肪酸である場合に、上記親水基
鎖長(H)/疎水基鎖長(L)が1.3〜2.4の範囲
のものが好ましく、なかでも1.7〜1.8の範囲のも
のが好適だからである。この範囲を満足させるには、上
記脂肪酸の炭素数と単一ポリグリセリンの重合度nとの
関係を、上記のように規定する必要がある。
(L)は、例えばトリグリセリンカプリル酸モノエステ
ルを例にとると、下記のように示すことができる。
は、上記特殊なポリグリセリン類と、それに含まれる単
一ポリグリセリンのグリセリン重合度に応じて選択され
る特定の脂肪酸とを、エステル化反応させることによっ
て得られるポリグリセリン脂肪酸エステルを含有するも
ので、通常、これを水に分散含有させた形態になってい
る。また、保存安定性や乾燥性の点から、水の一部をエ
タノール等の溶剤で置き換えたものも含まれる。
剤として要求される、低泡性と親水性のバランスが非常
に良好で、優れた濡れ性、分散性、可溶化性等を備えて
いる。しかも、低泡性に優れ、泡立ちが少ないため、自
動食器洗浄機においてポンプで送液する際、水圧低下等
の支障を生じることがなく、また、起泡により食器の仕
上がりを劣化させることもない。
から、従来、比較的水に溶けにくいとしてエタノール等
の溶剤とともに配合されることのあるソルビタン脂肪酸
エステル等を、溶剤を配合することなく、もしくは溶剤
量を少なくして、有効な量を配合することができる。ま
た、難溶性であるため充分な効果を奏する程度の量を配
合することができなかったポリリジン等の殺菌剤や消臭
剤を、従来よりも多量に配合することができるため、優
れた殺菌作用または消臭機能を付与することができる。
けるポリグリセリン脂肪酸エステルの含有量は、全量に
対し10〜50%に設定することが好適である。すなわ
ち、50%を超えると、乾燥後に食器に残留する乾燥仕
上げ剤の量が多くなり、それ自体が汚れのよう跡を生じ
やすくなるからであり、逆に10%未満では、充分な仕
上げ効果を得ることができにくい。そして、実際の使用
に際しては、すすぎ水中に含まれるポリグリセリン脂肪
酸エステルの量は7.5〜150mg/リットルである
ことが好適である。
用乾燥仕上げ剤は、ポリグリセリンの重合度と脂肪酸の
炭素数とが特定の関係を有する、特殊なポリグリセリン
脂肪酸エステルを含有するものである。したがって、自
動食器洗浄機用乾燥仕上げ剤として要求される、低泡性
と親水性のバランスが非常に良好で、優れた濡れ性、分
散性、可溶化性等を備えている。しかも、低泡性に優
れ、泡立ちが少ないため、自動食器洗浄機においてポン
プで送液する際、水圧低下等の支障を生じることもな
い。そして、優れた可溶化性を備えていることから、従
来、溶剤とともに配合していた難溶性添加物や、配合が
困難と思われていた難溶性の殺菌剤や消臭剤等を、溶剤
を用いないか溶剤量を低減した状態で、充分に効果が得
られる程度に配合することができるため、脱溶剤化を図
りながら乾燥仕上げ剤の付加価値を高めることができ
る。
明する。
す組成(重量基準、以下同じ)の乾燥仕上げ剤を調製し
た。そして、各乾燥仕上げ剤の低泡性、乾燥性および食
器の透明感について、下記の方法により評価した。これ
らの結果を後記の表1〜表3に併せて示す。
に濃度1%、60℃に調整した試料を50ml入れ、2
0回上下逆さに振とうしたのち静置し、生起した泡の量
を測定した。そして、下記の基準で評価した。 ◎:20ml以下 ○:20mlを超え60ml以下 △:60mlを超え100ml以下 ×:100mlを超える
0.005%、温度80℃)200mlに、板状のガラ
ステストピース(50mm×100mm×厚み2mm)
を30秒間浸漬したのち、ゆっくり引き上げて室温にて
静置し、水滴および水膜が消失するまでに要する時間を
測定した。そして、下記の基準で評価した。 ◎:1分以下 ○:1分を超え2分以内 △:2分を超え3分以内 ×:3分を超える
D−6、IHI社製)を用い、170ml容量の強化ガ
ラスコップ(HSタンブラー、佐々木硝子社製)10個
をラック中央にセットし、洗浄,すすぎ,乾燥を行っ
た。洗浄は、自動食器洗浄機用洗浄剤(デターシェルス
ーパー、ティーポール社製)の標準使用濃度(0.12
%)溶液を、60℃で45秒間スプレーすることにより
行った。すすぎは、上記乾燥仕上げ剤(濃度0.005
%)溶液を、80℃で12秒間すすぐことにより行っ
た。なお、洗浄とすすぎの間には、休止3秒間がおかれ
ている。そして、すすぎ後、コップを室温で10分間自
然乾燥したのち、蛍光灯にかざし、表面の状態を観察し
た。評価基準は下記のとおりである。 ◎:スポットがなく、透明感に優れ均一な仕上がりであ
る ○:数滴スポットがあるが、透明感はある △:部分的(表面の半分以上)にスポットがあり、白く
曇っている ×:表面全体にスポットがあり、白く曇っている
ポリグリセリンを60%含むポリグリセリンと炭素数
(2n)〜(2n+4)、なかでも(2n+2)の脂肪
酸とのエステル化物を用いた実施例品が優れた特定を備
えていることがわかる。そして、エステル化度は、トリ
エステルよりもモノエステルおよびジエステルの方が良
好であることがわかる。
示すように、単一ポリグリセリンの含量の異なるポリグ
リセリン脂肪酸エステルを用いて乾燥仕上げ剤を調製し
た。そして、各乾燥仕上げ剤の低泡性等について、上記
と同様にして評価した。これらの結果を下記の表4,表
5に併せて示す。なお、前出の実施例5についても参照
のため併せて示す。
ステルに含まれる単一ポリグリセリンの含量は、50%
以上でなければ、乾燥仕上げ剤として優れた効果が得ら
れないことがわかる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量の異なる乾燥仕
上げ剤を調製した。そして、各乾燥仕上げ剤の低泡性等
について、上記と同様にして評価した。これらの結果を
下記の表6〜表8に併せて示す。なお、前出の実施例5
についても参照のため併せて示す。
0%含むポリグリセリン脂肪酸エステルは、乾燥仕上げ
剤全体に対し10〜50%、なかでも30%以上配合す
ることが好適であることがわかる。
グリセリンの含量が低いポリグリセリン脂肪酸エステル
を用いて乾燥仕上げ剤を調製した。そして、各乾燥仕上
げ剤の低泡性等について、上記と同様にして評価した。
これらの結果を下記の表9に併せて示す。なお、前出の
実施例5についても参照のため併せて示す。
いポリグリセリン脂肪酸エステルを用いた乾燥仕上げ剤
は、実施例5品に比べて、低泡性,乾燥性,透明性のい
ずれかにおいて性能が劣っていることがわかる。
ように、ソルビタンカプリル酸モノエステルを含む組成
の乾燥仕上げ剤を調製した。そして、各乾燥仕上げ剤の
低泡性等について、上記と同様にして評価した。これら
の結果を下記の表10に併せて示す。
ビタン脂肪酸エステルを、エタノールを配合することな
く併用した場合、実施例19品の方が優れた性能が得ら
れることがわかる。
の希釈倍率を下記の表11に示すように変えた。そし
て、実際に乾燥仕上げ剤としてすすぎ液に使用した場合
の性能(低泡性等)を、上記と同様にした評価した。こ
れらの結果を下記の表11に併せて示す。
すすぎ液として使用する場合には、ポリグリセリン脂肪
酸エステル(界面活性剤)濃度が20〜80mg/リッ
トルとなるよう希釈して用いることが好適であることが
わかる。
Claims (2)
- 【請求項1】 特定の重合度n(n=3,4,5のいず
れか)である単一ポリグリセリンを50重量%以上含む
ポリグリセリン類と、炭素数が(2n)〜(2n+4)
の脂肪酸とをエステル化してなるポリグリセリン脂肪酸
エステルが含有されていることを特徴とする自動食器洗
浄機用乾燥仕上げ剤。 - 【請求項2】 上記ポリグリセリン脂肪酸エステルが、
炭素数(2n+2)の脂肪酸を用いたものである請求項
1記載の自動食器洗浄機用乾燥仕上げ剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13247597A JP3215069B2 (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | 自動食器洗浄機用乾燥仕上げ剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13247597A JP3215069B2 (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | 自動食器洗浄機用乾燥仕上げ剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10317000A JPH10317000A (ja) | 1998-12-02 |
JP3215069B2 true JP3215069B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=15082249
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13247597A Expired - Lifetime JP3215069B2 (ja) | 1997-05-22 | 1997-05-22 | 自動食器洗浄機用乾燥仕上げ剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3215069B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102124092B (zh) | 2008-08-15 | 2014-06-18 | 宝洁公司 | 包含聚甘油酯的有益组合物 |
-
1997
- 1997-05-22 JP JP13247597A patent/JP3215069B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10317000A (ja) | 1998-12-02 |
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