JP3424282B2 - パルス位相差符号化回路 - Google Patents

パルス位相差符号化回路

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JP3424282B2
JP3424282B2 JP27230193A JP27230193A JP3424282B2 JP 3424282 B2 JP3424282 B2 JP 3424282B2 JP 27230193 A JP27230193 A JP 27230193A JP 27230193 A JP27230193 A JP 27230193A JP 3424282 B2 JP3424282 B2 JP 3424282B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、任意の位相関係にある
2つのパルス信号の位相差の検出を行う回路であって、
特に広範囲にわたる非常に高い精度の検出を可能にする
パルス位相差符号化回路である。
【0002】
【従来の技術】従来、2つのパルス位相差(パルスの時
間差)を符号(数値)に変換するパルス位相差符号化回
路(時間A/D変換回路)が、例えば特開平3−220
814号公報に提案されている。これは、複数の遅延素
子をリング状に連結し、任意のタイミングで入力される
第1のパルスを周回させると共にその周回数をカウント
し、任意の位相差をもって入力される第2のパルスの入
力タイミングに相当する第1のパルスの周回位置を特定
し、その特定位置とカウント数により2つのパルスの位
相差を検出するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のパルス位相差符号化回路では、パルスが周回する回
数をカウントするカウンタにおいて、カウンタの出力が
安定するまでに時間がかかり(以下、この時間を「不定
時間」と呼ぶ)、安定した出力を選択する必要性からカ
ウンタが複数設けるようにしていた。さらに、これら複
数のカウンタは、LSI化の際、一箇所に形成されるも
のではなく、それぞれ異なった場所に形成されるため、
カウンタ出力から次段への配線の引回しや、その他の回
路の配置が複雑となり、回路全体として大面積化を招く
といった問題がある。
【0004】本発明はこうした問題に鑑みなされ、カウ
ンタを1つにすることで、LSI化する際、回路占有面
積を大幅に削減することのできるパルス位相差符号化回
路を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明によるパルス位相差符号化回路は、複数の信号
遅延手段を連結し、第1のパルスを周回時間(TRG)
にて周回させるリング遅延パルス発生手段と、該リング
遅延パルス発生手段を前記第1のパルスが周回する周回
回数をカウントし、不定時間(TF)をもって出力する
カウント手段と、前記リング遅延パルス発生手段を前記
第1のパルスがどの位置を周回しているかを検出する周
回位置検出手段と、前記第1のパルスに対して任意の位
相差を有する第2のパルスが入力されると、前記カウン
ト手段と周回位置検出手段との出力を2進数に符号化
し、複数ビットのディジタル信号を得ることにより、前
記第1のパルスと第2のパルスの位相差を符号化するパ
ルス位相差符号化回路において、前記第2のパルスの入
力により、前記不定時間を外して前記カウント手段の出
力をラッチするタイミングを決定するタイミング決定手
段と、該タイミングにより前記カウント手段の出力をラ
ッチする少なくともつのデータラッチ手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明によると、上記パルス位相差符号化回路
において、前記カウンタの出力の不定時間を外すように
該カウンタ出力を前記データラッチ回路でラッチするタ
イミングを決定しているため、カウンタが一つであって
も安定したカウンタ出力を得ることができる。
【0007】
【実施例】以下に本発明による一実施例を図面と共に説
明する。まず、パルス位相差符号化回路の第1の実施例
の構成を図1に示す。この回路は、パルスPAの立ち上
がり(測定開始)時点からパルスPB1の立ち上がり時
点までの位相差(時間差)を2進数デジタル信号に符号
化(数値化)して出力するものである。ここで位相差と
は、各図に示すタイムチャートの測定時間T1あるいは
T2のことである。これは以下全ての実施例についても
同様である。
【0008】(第1実施例)第一のパルスに相当する 入力パルスPAと第二のパルス
に相当するPB1のパルス位相差を符号化することにお
いて、「パルス位相差符号化回路」(特開平3一220
814号公報)に対し、パルス位相差データ上位ビット
部HBおよび下位ビット部LBの構成は同様であるた
め、HBおよびLBのその後の経過は省略し、ここで
は、リング遅延パルス発生回路1およびパルス位相差デ
ータ下位ビット生成部であるパルスセレクタ6、エンコ
−ダ7およびマルチプレクサ8、そしてパルス位相差デ
ータ上位ビット生成部であるカウンタ2およびデータラ
ッチ回路3,4のみを示す。なお、このパルス位相差符
号化回路は、上位ビット部HBおよび下位ビット部LB
により、上述した位相差を求めるものである。
【0009】まず、前記公報と同様な構成であるパルス
位相差データ下位ビット生成部について簡単に説明す
る。最初にパルスPAを2n 段(例えば64段)の遅延
素子をリング状に連結したリング遅延パルス発生回路1
に入力し周回させる。このリング遅延パルス発生回路1
では、パルスPAの周回数と周回位置とをカウンタ2お
よび周回位置特定手段に相当するパルスセレクタ6に出
力するようにしている。そして、パルスPB1が入力さ
れた時点で、パルスセレクタ6は、その時点での遅延素
子からの入力信号をエンコーダ7に出力する。エンコー
ダ7により2進数信号に変換された信号は、パスルPA
とパルスPB1との位相差を表す下位ビット部LBとな
る。
【0010】次に、本実施例の主要部分であるパルス位
相差データ上位ビット生成部、すなわち特許請求の範囲
に記載のカウント手段、タイミング決定手段およびそれ
により決定されるタイミングによってカウント手段の出
力をラッチするデータラッチ手段について説明する。な
お、本実施例は特に請求項3記載のパルス位相差符号化
回路の一実施例に相当する。
【0011】リング遅延パルス発生回路1の最終段に出
力パルスエッジをカウントするカウンタ2を1つ接続
し、そしてこのカウンタ2に、そのカウンタ出力データ
CO(nビット:n=正の整数)を入力する2つのデー
タラッチ回路3、4を並列に接続する。ここで、データ
ラッチ回路3とデータラッチ回路4のデータラッチタイ
ミングを異なるようにするため、ラッチタイミングを決
めるパルスPB1を直接データラッチ回路3に入力し、
またデータラッチ回路4には遅延時間T12を発生させ
る遅延手段に相当する遅延回路5を介して第3のパルス
に相当するパルスPB2としたパルスを入力する。パル
スPB1が入力されたときのデータラッチ回路3の出力
データ、すなわちカウンタ出力データCOを周回数デー
タD1とし、パルスPB2が入力されたときのデータラ
ッチ回路4の出力データを周回数データD2とする。そ
して、周回数データD1および周回数データD2の選択
は、上記公報と同様に入力パルスPAとPB1の関係で
決定される。これは、上述したエンコ−ダ出力のパルス
位相差データ下位ビット部のMSB(最上位ビット)が
0であればタイミング選択手段に相当するマルチプレク
サ8により、周回数データD2を選択する。また、MS
Bが1であればマルチプレクサ8により周回数データD
1を選択し、パルス位相差データの上位ビット部とする
ものである。
【0012】また、リング遅延パルス発生回路1の1構
成例を説明すると、2入力のNAND素子と(2n
1)個のインバータ素子(ここでは63個とする)とが
直列に連結されており、合わせて26 (=64)段にな
っている。各インバータは、次段のインバータとパルス
セレクタ6に出力するように連結され、最終段のインバ
ータ出力は、上記NAND素子に入力される。NAND
素子のもう1つの入力は、パルスPAである。
【0013】次に、上述の図1に示したリング遅延パル
ス発生回路1に対する動作状態を、図2のタイムチャー
ト1に示す。なお、ここでは、パルス位相差データの下
位ビット部は前記公報と同様であるので上位ビット部の
みの動作を示す。はじめに、タイムチャートの時間を明
確にするために、周回数パルスがリング遅延パルス発生
回路1を1周するのにかかる時間、すなわちクロックC
Kが変化して次に変化するまでの時間をTRGとし、クロ
ックCKがカウンタ2に入力されて、カウンタ2の出力
が不定状態である時間をTF とし、カウンタ出力が安定
状態である時間をTA とする。また、周回数パルスがリ
ング遅延パルス発生回路1内を周回する際、NAND素
子から(2n-1 −1)段目のインバータ素子、すなわち
本実施例では31段目のインバータ素子を通過するまで
の時間をTRGH とする。これは、以下の実施例において
も同様である。
【0014】まず、パルスPAの立ち上がりエッジによ
りリング遅延パルス発生回路1の動作が開始されカウン
タ2にクロックCKが入力される。クロックCKが入力
されるとそのエッジ(立ち上がりと立ち下がりの両エッ
ジ)によりカウンタ2の出力データCOが変化する。た
だし、出力データCOはクロックCKのエッジ直後にお
いて不定であり、安定するまでにある程度時間がかか
る。そのため、出力データCOは1つのデータの出力時
において、不定状態となる時間TF と安定状態となる時
間TA の2つの状態が存在する。
【0015】ここで、上述した周回数データD1および
D2の選択方法を考えてみると、まず、エンコーダ出力
のパルス位相差データ下位ビット部というのは、リング
遅延回路1内部の複数個ある遅延素子のどの場所まで周
回数パルスが通過したかを2進数表示するものである。
そしてこのビット部の最上位ビットすなわちMSBは、
周回数パルスが最初に入力されるリング遅延回路1内部
の遅延素子からリング状に連結した31段目のインバー
タ素子を通過すると0から1に変化する。よって、パル
ス位相差データ下位ビット部のMSBが0のときマルチ
プレクサ8により周回数データD2が選択され、MSB
が1のときマルチプレクサ8により周回数データD1が
選択されるというのは、換言すると、パルスPB1の立
ち上がり時点がパルスPAのその周回におけるTRGH
りも早いとデータD2が選択され、TRGH よりも遅いと
データD1が選択されるということである。従って、デ
ータラッチタイミングがその時のカウンタ出力時のT
RGH よりも早いときと遅いときとに分けて考える必要が
ある。
【0016】まず、ケース1として、パルスPB1の立
ち上がり時点がパルスPAのその周回におけるTRGH
りも遅いときは、周回数データD1がマルチプレクサ8
により周回数データとして選択されるため、これが常に
安定した周回数データとなるようにしなければならな
い。よって、これを実現するためにカウンタ出力データ
COの出力不定状態である時間をTF として、まず、こ
のTF をTRGH に比べて小さくなるように設定する。こ
のようにTF を設定すればデータラッチタイミングTR
が、パルスPAのその周回におけるTRGH よりも遅い場
合は、必ずカウンタ出力データCOは安定しているた
め、データラッチ回路3から出力される周回数データD
1も必ず安定したものとなる。
【0017】次に、ケース2として、パルスPB1の立
ち上がり時点がパルスPAのその周回におけるTRGH
りも早い場合は、周回数データD2がマルチプレクサ8
により周回数データとして選択されるため、これが常に
安定した周回数データとなるようにしなければならな
い。この場合では、上記のようにTF をTRGH に比べて
小さくなるように設定しているため、カウンタ出力デー
タCOが不定状態と安定状態のときが存在する。まず、
データラッチタイミングTR が、その時点でのカウンタ
出力データCOの不定状態のとき、すなわち、不定状態
時間TF 内のとき、データラッチ回路4が安定状態のカ
ウンタ出力データCOをラッチするためには、遅延時間
T12が不定時間TF よりも大きく、安定状態時間T
A (=TRG−T F )よりも小さければよい。また、デー
タラッチタイミングTR がその時点でのカウンタ出力デ
ータCOの安定状態のとき、すなわち不定状態から安定
状態へ変化する時間TFAよりも遅く、TRGH よりも早い
場合は、遅延時間T12がTRGH よりも小さければよい。
【0018】以上をまとめると、まず、リングパルス遅
延回路のパルス周回時間TRGあるいはカウンタ出力デー
タCOが不定状態である時間TF を制御するようにして
時間TF がTRGH よりも小さくなるようにする。また、
データラッチ回路3とデータラッチ回路4との遅延時間
T12をカウンタ出力データCOが不定状態である時間T
F よりも長くなるようにし、TRGH よりも短くなるよう
にする。以上の2つの関係をまとめると次式のようにな
る。
【0019】
【数1】TF <T12<TRGH このように遅延時間等の時間関係を設定し、回路素子の
性能を考慮して、T12はなるべくTRGH に近い値となる
ようにする。そうすることでラッチパスルPB1がどん
な時に入力されても上述した周回数データD1および周
回数データD2の選択方法に対して、常に安定した正確
な周回数データがマルチプレクサにより選択されるよう
になる。
【0020】従って、従来の周回数カウンタを2つ設け
る構成の代わりに、上記のように周回数カウンタ1つ
と、遅延回路を1つのデータラッチ回路に設けるように
した2つのデータラッチ回路を周回数カウンタのあとに
並列に設けるようにして、数1の条件が満たされたと
き、常に正しい周回数データを得ることができる。 (第2実施例)次に、特に請求項4の発明による一実施
例に相当するパルス位相差符号化回路を図3に示す。
【0021】ここで、パルス位相差データの下位ビット
生成部は前述の構成と同様である。ここにおいては、パ
ルス位相差データ上位ビット生成部の構成を説明する。
リング遅延パルス発生回路1の最終段に出力パルスであ
るクロックCKのエッジをカウントするカウンタ2を1
つ接続し、このカウンタ2に、そのカウンタ出力データ
CO(nビット:n=正の正数)を入力する第1のデー
タラッチ手段に相当するデータラッチ回路14を接続
し、さらにデータラッチ回路14に直列に第2のデータ
ラッチ手段に相当するデータラッチ回路13を接続す
る。ここで、データラッチ回路14の出力データD4を
データラッチ回路13の入力とするとともに周回数デー
タD4とし、データラッチ回路13の出力データD3を
周回数データD3とする。また、データラッチ回路14
および13のデータラッチタイミングを与える第のパ
ルスに相当するパルスPBLは、第4のパルスに相当す
パルスPB1と、PB1を遅延回路9で遅延させ
らせたパルスPBD1との排他的論理和回路10によ
り生成され、データラッチ回路14および13に入力さ
れる。また、パルスPB1は、パルスPBLと同様に
パルスPBと、PBを遅延回路11で遅延させらせ
たパルスPBDとの排他的論理和回路12により生成
される。なお、周回数データD3およびD4の選択は前
述の構成例と同様である。
【0022】次に、図3の回路構成2における動作状態
を図4に示す。本実施例においても上述のようにパルス
位相差データの下位ビット部LBは第1実施例と同様で
あるので上位ビット部HBのみの動作を示す。また、パ
ルスPAに伴うクロックCKおよびカウンタ2の出力デ
ータCOの動作も、上述した実施例と同様である。はじ
めに、図4に示すタイムチャ−ト2の測定時間T3およ
びT4とは、第1実施例と同様にパルスPAの立ち上が
り時点からパルスPB1の立ち上がり時点までの位相
差を表す。
【0023】ここで、本実施例においては、パルスPB
は、遅延回路11と排他的論理和回路12の作用に
よりパルスPB1が立ち上がったのち遅延時間TK後
に立ち下がるという動作をする。また、パルスPBLも
同様に遅延回路9と排他的論理和回路10の作用により
立ち上がったのち遅延時間TW後に立ち下がるという動
作をする。さらに、パルスPBLの場合は、パルスPB
の立ち上がりおよび立ち下がりに応じて立ち上がり
となる。ただし前述した作動を達成するためには、パル
スPB1のパルス幅を決める遅延時間TKがパルスP
BLのパルス幅を決める遅延時間TWよりも大きくなけ
ればならない。また、このパルスPBLはデータラッチ
回路14,13の共通のラッチ信号となる。そのため、
直列接続されたデータラッチ回路14、13はシフトレ
ジスタと同様に動作する。従って、パルスPBLの立ち
上がりがデータラッチタイミングとなるデータラッチ回
路14,13において、データラッチ回路14では、ラ
ッチパルスPB1の立ち上がり、および立ち下がりと
いう一連の動作に対して、カウンタ出力COを2回ラッ
チすることとなり、データラッチ回路13においては、
データラッチ回路14の出力を2回ラッチすることとな
る。すなわち、2回目のデータラッチにおいて、データ
ラッチ回路14から出力される周回数データD4は、新
たにラッチしたカウンタ出力データCOとなるが、デー
タラッチ回路13から出力される周回数データD3は、
1回目のデータラッチ時におけるデータラッチ回路14
から出力される周回数データD4がシフトしたものとな
る。
【0024】ここで、本実施例においても上述のように
周回数データの選択方法は、第1実施例と同様であり、
MSB=0のときは、周回数データD4が選択され、M
SB=1のときは、周回数データD3が選択される。す
なわち、ラッチパルスPB1の入力タイミングである
データラッチタイミングTR1が、その時点でのカウン
タ出力のTRGHと等しいかそれよりも早い場合は、周
回数データD4が選択され、データラッチタイミングT
R1が、その時点でのカウンタ出力のTRGHよりも遅
い場合は、周回数データD3が選択される。従って、本
実施例においてもデータラッチタイミングTR1がパル
スPAのその周回におけるTRGHよりも早いときと遅
いときとに分けて考える必要がある。
【0025】まず、ケース1として、データラッチタイ
ミングTR1が、パルスPAのその周回におけるTRGH
りも遅いときは、周回数データD3がマルチプレクサ8
により周回数データとして選択されるため、これが常に
安定した周回数データとなるようにしなければならな
い。これを実現するためには、1回目のデータラッチタ
イミングTR1においてデータラッチ回路14から出力さ
れる周回数データD4が安定していればよい。そうすれ
ば2回目のデータラッチにおいて、安定している周回数
データD4がデータラッチ回路13にシフトするため、
データラッチ回路13から出力される周回数データD3
は必ず安定したものとなる。従って、前実施例と同様に
カウンタ出力データCOが不定状態である時間TF をT
RGH よりも小さくなるようにすればよい。
【0026】次に、ケ−ス2として、データラッチタイ
ミングTR1がパルスPAのその周回におけるTRGH
よりも早いときは、周回数データD4がマルチプレクサ
8により周回数データとして選択されるため、これが常
に安定した周回数データとなるようにしなければならな
い。この場合は、カウンタ出力データCOが直接、マル
チプレクサ8により選択される周回数データD4となる
ため、2回目のデータラッチタイミングTR2が、カウ
ンタ出力データCOが安定状態のときとなるようにしな
ければならない。そのためには2回目のラッチパルスP
BLの立ち上がり、すなわち、ラッチパルスPB1
立ち下がりが、カウンタ出力データCOの安定状態のと
きであればよい。従って、今回の場合でもデータラッチ
タイミングTR1が、カウンタ出力データCOの不定状
態のときと安定状態のときとが存在するが、前実施例と
同様にラッチパルスPB1の立ち下がりを決定する遅
延回路11の遅延時間TKを不定状態時間TFよりも長
く、また周回数パルスの周回時間の半分の時間TRGH
よりも短くなるようにすればよい。
【0027】以上をまとめると、まずラッチパルスPB
Lのパルス幅を決める遅延時間TWがラッチパルスPB
のパルス幅を決める遅延時間TKよりも小さくなる
ようにする。そしてリング遅延パルス発生回路のパルス
周回時間TRGあるいはカウンタ出力データCOが不定
状態である時間TFを制御するようにして時間TFがT
RGHよりも小さくなるようにする。また、ラッチパル
スPB1のパルス幅を決める遅延時間TKを、カウン
タ出力データCOの不定状態時間TFよりも長く,かつ
パルス周回時間の半分の時間TRGHよりも短くなるよ
うにする。以上の3つの関係をまとめると次の2式のよ
うになる。
【0028】
【数2】TW <TK
【0029】
【数3】TF<TK<TRGH このように遅延時間等の時間関係を設定し、素子の安定
性を考慮してTWがTK/2と等しい値となるようにす
る。そうすることで、ラッチパスルPB1がどんな時
に入力されても上述した周回数データD3および周回数
データD4の選択方法に対して、常に安定した正確な周
回数データがマルチプレクサにより選択されるようにな
る。
【0030】従って、上記のように本実施例において
は、周回数カウンタを2つ設ける代わりに、周回数カウ
ンタ1つと、測定時間を測定するためのラッチパルスを
遅延回路、および排他的論理和回路により新たに生成し
たラッチパルスを入力するようにした2つのデータラッ
チ回路を、周回数カウンタのあとに直列に設けるように
することで、数2および数3を満足すれば、どのような
場合でも安定した正確な周回数データを得ることができ
る。
【0031】(第3実施例) 次に、特に本発明の請求項6記載に相当する一実施例を
図面と共に説明する。本実施例の特徴は、データラッチ
回路16がカウンタ2の出力をラッチするためのデータ
ラッチタイミングを決定するパルスPB3の出力部にあ
る。前記実施例同様、リング遅延パルス発生回路15お
よびパルス位相差データ下位ビット生成部であるパルス
セレクタ7およびエンコ−ダ8の動作説明は省略する。
ここでは、図5に示すリング遅延パルス発生回路15、
のパルス出力手段に相当する遅延回路17、カウン
タ2、データラッチ16、第のパルス出力手段に相当
する整時回路18について、構成および作動を説明をす
る。
【0032】リング遅延パルス発生回路15は、例えば
図5に示すように、NAND素子1つとインバータ素子
が63個直列に連結され、インバータの最終段からNA
ND素子へ戻るように結線してあり、NAND素子には
パルスPAが入力されるようになっている。また、整時
回路18はDフリップフロップ(以下、DFFとする)
回路から形成され、パルスPB1と、リング遅延パルス
発生回路15の最終段のインバータの出力、すなわちリ
ング遅延パルス発生回路15の出力パルスRLとが入力
となっている。この整時回路18はパルスPB1が入力
された後、パルスPAがインバータの最終段を通過する
と、第7のパルスに相当するパルスPB3を出力するも
のである。このパルスPB3は、以下に示すデータラッ
チ回路16のデータラッチタイミングとなる。また、遅
延回路17は、リング遅延パルス発生回路15の出力パ
ルスRLが入力され、遅延時間TDをもってクロックパ
ルスCKを出力する。そして、カウンタ2においては、
第6のパルスに相当するクロックパルスCKが入力され
ると、その立ち上がりエッジによりカウンタ出力COが
変化する。ただし、出力データCOはクロックパルスC
Kのエッジ直後において不定であり、安定するまでにあ
る程度時間がかかる。そのため、出力データCOは、安
定状態の時と、不安定状態の時の2つの状態が存在す
る。そして、データラッチ回路16は、このカウンタ出
力COを、上述のパルスPB3の入力により、ラッチし
出力する。
【0033】上述のように、本構成においては、カウン
タ出力COのデータラッチタイミングとなるPB3はP
B1が入力された後、パルスPAがインバータの最終段
を通過した時、すなわち、実際に検出すべき周回数より
も1周分増えた状態のときに出力されるものである。従
って、このタイミングの時のカウンタ出力COが常に、
実際の周回数となっていなければならない。遅延回路1
7はそのためのものである。この遅延回路17により、
PB3のデータラッチタイミングにおいて、カウンタ出
力は常に検出すべき実際の周回数となる。また、図6を
見ても分かるように、PB3はリング遅延パルス発生回
路1の出力パルスRLの立ち上がりエッジにより立ち上
がる。そのため、この時、カウンタ出力COが常に安定
した出力となるためには、遅延時間TD がパルスPAが
リング遅延パルス発生回路1を一周する時間TRGからカ
ウンタ出力COが不定状態である時間TF を引いた時間
よりも小さければよい。また、リング遅延パルス発生回
路15の出力パルスRLが変化してからPB3が変化す
るまでの遅延時間TP よりも大きければよい。
【0034】以上をまとめると、本実施例の構成におい
て、遅延時間TD 、パルスPAの周回時間TRGおよびカ
ウンタ出力COの不定時間TF との関係が、
【0035】
【数4】TP <TD <TRG−TF となるようにすればよい。こうすることにより、カウン
タが1つであっても常に安定したカウンタ出力COを得
ることができ、正しい周回数データを得ることができ
る。
【0036】(第4実施例)次に、特に本発明の請求項
7に相当する一実施例について、図7、8をもとに説明
する。本実施例は、第3実施例を改良したものであり、
本実施例では、整時回路を2つ用意し、その整時回路の
出力を論理合成する論理和回路を設け、この論理和回路
により、データラッチタイミングを決めるパルスを出力
するようにしたものである。この点について簡単に説明
する。
【0037】例えば、前記実施例と同様にリング遅延パ
ルス回路15は、NAND素子1つと、( n −1)個
のインバータ素子(ここでは63個とする)が直列に連
結され、インバータの最終段からNAND素子へ戻るよ
うに結線してあり、NAND素子には、パルスPAが入
力されるようになっている。また、第7のパルス出力手
段に相当する整時回路18および第8のパルス出力手段
に相当する整時回路19は、DFF回路から形成されて
いる。整時回路19は、パルスPB1と、リング遅延パ
ルス発生回路1の中間段、すなわち、31段目のインバ
ータの出力パルスRMとが入力となっており、パルスP
B1が入力された後、パルスPAが31段目のインバー
タを通過すると、第8のパルスに相当するパルスPB2
2を出力するものである。また、整時回路18は前記実
施例と同様にパルスPB1とリング遅延パルス発生回路
1の出力パルスRLとが入力となっており、パルスPB
1が入力された後、パルスPAがインバータの最終段を
通過すると、第7のパルスに相当するパルスPB3を出
力するものである。従って、パルスRMとパルスRLと
は、位相が反転している。
【0038】上述の図7に示したリング遅延パルス発生
回路15に対する動作状態を図8のタイムチャ−ト
示す。なお、ここでは、パルス位相差データの下位ビッ
ト部は先願と同様であるので上位ビット部のみの動作を
示す。まず、パルスPAの立ち上がりエッジによりリン
グ遅延パルス発生回路15の動作が開始され、整時回路
19にパルスRMが、整時回路18および遅延回路17
にパルスRLが入力される。そして、カウンタ2に第5
のパルス出力手段に相当する遅延回路17によりパルス
RLに対し任意の遅延時間TDだけ位相差を持つ第6の
パルスに相当するパルスCKが入力される。パルスCK
が入力されるとその立ち上がりエッジによりカウンタ8
の出力データCOが変化する。ただし出力データCOは
パルスCKのエッジ直後において不定であり、安定する
までにある程度時間がかかる。そのため、出力データC
Oは、安定状態の時と、不安定状態の時の2つの状態が
存在する。また、整時回路19でパルスRMによってパ
ルスPB1を整時したパルスPB2が出力される。ま
た、整時回路18でパルスRLによってパルスPB1を
整時したパルスPB3が出力される。そして、パルスP
B2およびパルスPB3が論理和回路20によって論理
合成され遅延時間TOだけ位相差を持った第9のパルス
に相当するパルスCLを出力する。そしてラッチタイミ
ングを決めるパルスCLによって、データラッチ回路1
6は周回数データをカウンタ2よりラッチし、出力す
る。
【0039】ここで、ラッチタイミングを決めるパルス
CLについて考えてみると、パルスCLはパルスPB2
2とパルスPB3のORをとる論理和であるため、パル
スPB22とパルスPB3の両方がLOW状態の時、パ
ルスCLはLOW状態となり、パルスPB22とパルス
PB3のどちらか一方でもHIGH状態の時HIGH状
態となる。上述したようにパルスPB22およびPB3
は、パルスPAがNAND素子を通過し、( n-1
1)段目の遅延素子すなわち本実施例において31段目
のインバータを通過する時間TRGHだけずれたものであ
る。このことは、換言すると、データラッチタイミング
がパルスPAのその周回におけるTRGHと同じあるいは
それよりも早いとパルスPB22が選択され、遅いとパ
ルスPB3が選択される。従って、データラッチタイミ
ングが、パルスPAのその周回において、TRGH よ
りも早いときとそれよりも遅いときに分けて考える必要
がある。
【0040】まず、ケ−ス1として、パルスPB1の立
ち上がりが、パルスPAのその周回においてTRGHよ
りも早い場合は、パルスPB2の立ち上がりによりパ
ルスCLが立ち上がるため、この時、常に周回数カウン
タ出力データCOが安定し、かつ正確なデータでなくて
はならない。上述のように、データラッチタイミングと
なるパルスCLは、パルスPB1が立ち上がった後のパ
ルスRMの立ち上がりとともに立ち上がるパルスPB2
により、遅延時間TOをもって立ち上がる。従って、
パルスCLは、必ずパルスRMの立ち上がりより遅延時
間TOだけ遅れて立ち上がる。また、カウンタ出力デー
タCOは、パルスRLの立ち上がりにより、遅延時間T
Dをもって変化し、不定時間TFをもって出力されるも
のである。さらに、パルスRMとパルスRLとは、TR
GHだけの位相差がある。従って、上記目的を達成する
ためには、カウンタ出力COの不定状態が、パルスCL
の立ち上がりタイミングに重ならないようにする必要が
ある。図8のタイムチャ−トを参考にすると、パルスR
Lの立ち上がり時を基準として、遅延時間TDと不定時
間TFとの和が、パルスRLとパルスRMとの位相差T
RGHと遅延時間TOとの和よりも小さくなるようにす
ればよい。そうすれば、このケ−ス1において、安定し
たカウンタ出力COを得ることができ、かつ正確な周回
数データを得ることができる。
【0041】さらに、素子特性の誤差を考慮して、遅延
時間TD と不定時間TF との和を単に、パルスRLとパ
ルスRMとの位相差TRGH よりも小さくなるようにすれ
ば、確実に安定したカウンタ出力COを得ることがで
き、正確な周回数データを得ることができる。次に、ケ
ース2として、パルスPB1の立ち上がりが、パルスP
Aのその周回におけるTRGH よりも遅い場合は、パルス
PB3が立ち上がることによりパルスCLが立ち上がる
ため、この時、常に周回数カウンタ出力データCOが安
定していなくてはならない。この場合は、前記第3実施
例の場合と同様であり、遅延時間TD がパルスPAの周
回時間TRGから不定時間TF を引いた時間よりも小さく
なればよい。さらに、図8をみても分かるように、ラッ
チパルスCLの立ち上がりが、リング遅延パルス発生回
路15の出力パルスRLの立ち上がりに比べて、TO
け遅れるため、あまりにも遅延時間TD が短くなると、
ラッチタイミングとなるパルスCLの立ち上がりが、次
のカウンタ出力データCOの不定状態の時になる場合が
ある。これを避けるためには、遅延時間TO が、TD
長くなるように設定すればよい。このようにTD を設定
すれば、データラッチタイミングT R が、パルスPAの
その周回におけるTRGH よりも遅い場合は、必ず周回数
カウンタ出力データCOは安定したものとなる。
【0042】以上をまとめると、まず、遅延回路7によ
って遅延時間TD を制御するようにして、遅延時間TD
をTRGH からTF を引いたものよりも短くなるように
し、論理和回路20による遅延時間TO よりも長くなる
ようにする。以上の関係をまとめると次式のようにな
る。
【0043】
【数5】TO <TD ,TD +TF <TRGH +TO とする。また、数5式の第2式の右辺のTO を省略した
場合に、数1式を1つに纏めると、
【0044】
【数6】TO <TD <TRGH −TF となる。また、遅延素子の性能を考慮して、TD はなる
べくTO とTRGH −TFの中間に近い値となるようにす
る。そうすることでラッチパルスPB1がどんな時に入
力されても周回数データは、常に安定した正確な周回数
データを得ることができる。なお、本実施例において
は、第3実施例の構成に、整時回路を1つ増やして2つ
とし、データラッチタイミングを決めるパルスの選択方
法を、パルスPBが立ち上がった時のパルスPAの周回
位置、すなわち、パルスPAが複数直列接続された遅延
素子の前半に位置するか、後半に位置するかにより決定
している。このような構成にすることで、例えばパルス
PAの一回の入力に対して、何度もパルスPB1を入力
する場合、データラッチタイミングを決定するパルス
を、パルスPAがリング遅延パルス発生回路を一周する
間に2回出力するようにしているため、サンプリング時
間を第3実施例のものよりも短くすることができる。
【0045】(第5実施例)次に、特に本発明の請求項
8に相当する一実施例を図9に示す。本実施例は、第1
および第2実施例と同様に出力選択手段に相当するマル
チプレクサを用いるが、前記実施例と異なる点は、前記
実施例ではカウンタ出力を2つのデータラッチ回路によ
りラッチし、この2つのデータラッチ回路の出力をマル
チプレクサにより選択するものであったが、本実施例で
は、データラッチ回路のデータラッチタイミングを決め
るパルスを2つ用意し、この2つのパルスをマルチプレ
クサにより選択するものである。
【0046】前記実施例同様、ここでは、パルス位相差
データ上位ビット生成部の構成およびその作動を説明す
る。リング遅延パルス発生回路15の後に、この出力パ
ルスに対し任意の遅延時間TDだけ位相差を持つパルス
を出力する第のパルス出力手段に相当する遅延回路1
7を接続し、そしてこの遅延回路17に、出力パルスエ
ッジをカウントするカウンタ2を接続する。そしてこの
カウンタ2にカウンタ出力データCOを入力とするデー
タラッチ回路16を接続する。そして、本来のラッチタ
イミングを決めるパルスPB1を、遅延時間TBを発生
させる第11のパルス出力手段に相当する遅延回路21
およびマルチプレクサ8に入力する。また、遅延回路2
1の出力である第11のパルスに相当するパルスPB4
をマルチプレクサ8に入力する。ここで、マルチプレク
サ8でのパルスPB1およびパルスPB4の選択方法で
あるが、これはパルスセレクタ6の出力によって決定さ
れる。即ち、パルスセレクタ6の出力パルスPOがLO
W状態であればパルスPB1を選択し、パルスPOがH
IGH状態であればパルスPB4を選択する。このよう
に決定したマルチプレクサ8の第12のパルスに相当す
出力パルスPB5を、データラッチタイミングを決め
るパルスとしてデータラッチ回路16に入力する。そし
て、データラッチ回路16の出力データを、パルス位相
差データの上位ビット部とする。
【0047】また、パルスPOを出力するパルスセレク
タについて、図11を用いて詳述する。まず始めはパル
スPB1はLOW状態であり、この時sw1はつながっ
ており、sw2は切れた状態である。図を見ても分かる
ように、インバータを介してパルスPOが出力されるた
め、パルスPOは、パルスRLに対し、遅延時間TS
持つパルスとなる。そしてパルスPB1がLOW状態か
らHIGH状態に変化するとsw1は切れた状態にな
り、sw2はつながった状態となる。この結果、パルス
POはパルスPB1が変化したときの状態で不変にな
る。そしてこのパルスPOがLOW状態の時、マルチプ
レクサ8によりパルスPB1がパルスPB5として出力
され、パルスPOがHIGH状態の時、マルチプレクサ
8によりパルスPB4がパルスPB5として出力され
る。また、パルスPOは遅延時間TS をもったリング遅
延パルス発生回路の出力パルスRLと考えることができ
るため、タイムチャートをみても分かるように、パルス
PAのその周回におけるTRGH よりも早いときは、HI
GH状態となり、TRGH よりも大きい状態のときは、L
OW状態となる。
【0048】上述の図9に示したリング遅延パルス発生
回路15に対する動作状態を図10のタイムチャ−ト
に示す。なお、ここでは、パルス位相差データの下位ビ
ット部は先願と同様であるので上位ビット部のみの動作
を示す。まず、パルスPAの立ち上がりエッジによりリ
ング遅延パルス発生回路15の動作が開始され、遅延回
路17にパルスRLが入力される。そして、カウンタ2
に遅延回路17によりパルスRLに対し任意の遅延時間
TDだけ位相差を持つパルスCKが入力される。第6の
パルスに相当するパルスCKが入力されるとそのエッジ
によりカウンタ2の出力データCOが変化する。ただ
し、出力データCOはパルスCKのエッジ直後において
不定であり、安定するまでにある程度時間がかかる。そ
のため、出力データCOは、安定状態の時と、不安定状
態の時の2つの状態が存在する。
【0049】ここで、上述したパルスPB1とパルスP
B4の選択方法を考えてみると、まず、パルスセレクタ
6の出力パルスPOというのは、リング遅延パルス発生
回路1の最終段の出力に対し、遅延時間TS を持つパル
スである。そして、パルスPB1が入力されると、パル
スPOはそのときの状態で不変になるという特徴を持
つ。従って、パルスPB1が立ち上がった時、パルスP
OがLOW状態の時と、HIGH状態の時に分けて考え
る必要がある。
【0050】まず、ケース1として、パルスPB1が立
ち上がった時、パルスPOがHIGH状態の場合は、マ
ルチプレクサ8によりパルスPB4がパルスPB5とし
て出力されるため、この時常に周回数カウンタが安定し
ていなくてはならない。遅延回路21の遅延時間をTB
とした場合、このTB が短くなるとラッチタイミングが
カウンタ出力データCOが不定状態の時になる場合があ
る。このような状態を回避するため、パルスRLが変化
してから遅延回路17によってパルスCKが変化するま
での遅延時間をTD とし、周回数カウンタ出力データC
Oの出力不定状態である時間をTF とした時、遅延時間
B はTD にTF を加えたものに対して長くなるように
設定すればよい。また、TB があまりにも長くなるとカ
ウンタ出力データCOが本来の値とは異なった値になる
場合がある。このような状態を回避するため、周回数パ
ルスPAが(2n-1 −1)段目の遅延素子を通過するま
での時間TRGH よりもTB が短くなるように設定する。
このようにTB を設定すればパルスPB1が立ち上がっ
た時、パルスPOがHIGH状態の場合は、必ず周回数
カウンタ出力データは安定しているため、データラッチ
回路16から出力される周回数データも必ず安定したも
のとなる。
【0051】次に、ケース2として、データラッチタイ
ミングTR が入力された時、パルスPOがLOW状態の
場合は、マルチプレクサ8によりパルスPB1がパルス
PB5として出力されるため、この時常に周回数カウン
タが安定していなくてはならない。パルスセレクタ6に
よる遅延時間TS が大きくなるとカウンタ出力データC
Oが本来の値とは異なった値になる場合がある。このよ
うな状態を回避するため、遅延時間TS に対し、遅延回
路17による遅延時間TD を長くなるように設定する。
このようにTD を設定すればデータラッチタイミングT
R が入力された時、パルスPOがLOW状態の場合は、
必ず周回数カウンタ出力データは安定しているため、デ
ータラッチ回路16から出力される周回数データも必ず
安定したものとなる。
【0052】以上をまとめると、まず、遅延回路21に
よって遅延時間TB を制御するようにして、遅延時間T
B をTF にTD を加えたものよりも長くなるようにし、
RG H よりも短くなるように設定する。また、遅延回路
17によって遅延時間TD を制御するようにして、遅延
時間TD を遅延時間TS に対し短くなるように設定す
る。以上の2つの関係をまとめると次式のようになる。
【0053】
【数7】TD +TF <TB <TRGH
【0054】
【数8】TS <TD このように遅延時間等の時間関係を設定し、素子の安定
性を考慮してTB をT RGH とほぼ等しい値となるように
する。そうすることで、ラッチパルスPB1がどんな時
に入力されても周回数データは、常に安定した正確な値
となる。
【0055】
【0056】
【0057】以上のように、上記多数の実施例による
と、従来2つ以上必要であったカウンタを1つにするこ
とができる。そのため、パルス位相差符号化回路として
LSI化する際、回路占有面積を20%〜30%削減す
ることができるという優れた効果がある。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明の構成により、リン
グ遅延パルス発生手段を周回時間TRGをもって周回する
第1のパルスの周回回数をカウントするカウント手段を
1つにすることができる。そのため、パルス位相差符号
化回路をLSI化する際、回路占有面積を大幅に削減す
ることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のパルス位相差符号化回路を示す構
成図である。
【図2】第1実施例における動作状態を示すタイムチャ
ートである。
【図3】第2実施例のパルス位相差符号化回路を示す構
成図である。
【図4】第2実施例における動作状態を示すタイムチャ
ートである。
【図5】第3実施例のパルス位相差符号化回路を示す構
成図である。
【図6】第3実施例における動作状態を示すタイムチャ
ートである。
【図7】第4実施例のパルス位相差符号化回路を示す構
成図である。
【図8】第4実施例における動作状態を示すタイムチャ
ートである。
【図9】第5実施例のパルス位相差符号化回路を示す構
成図である。
【図10】第5実施例における動作状態を示すタイムチ
ャートである。
【図11】パルスセレクタの構成図である。
【符号の説明】
1 リング遅延パルス発生回路 2 カウンタ 3 データラッチ回路 4 データラッチ回路 5 遅延回路 8 マルチプレクサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−220814(JP,A) 特開 平1−164118(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03K 5/26

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の信号遅延手段を連結し、第1のパ
    ルスを周回時間(TRG)にて周回させるリング遅延パ
    ルス発生手段と、 該リング遅延パルス発生手段を前記第1のパルスが周回
    する周回回数をカウントし、不定時間(TF)をもって
    出力するカウント手段と、 前記リング遅延パルス発生手段を前記第1のパルスがど
    の位置を周回しているかを検出する周回位置検出手段
    と、 前記第1のパルスに対して任意の位相差を有する第2の
    パルスが入力されると、前記カウント手段と周回位置検
    出手段との出力を2進数に符号化し、複数ビットのディ
    ジタル信号を得ることにより、前記第1のパルスと第2
    のパルスの位相差を符号化するパルス位相差符号化回路
    において、 前記第2のパルスの入力により、前記不定時間を外して
    前記カウント手段の出力をラッチするタイミングを決定
    するタイミング決定手段と、 該タイミングにより前記カウント手段の出力をラッチす
    る少なくとも2つのデータラッチ手段とを備えたことを
    特徴とするパルス位相差符号化回路。
  2. 【請求項2】 前記タイミング決定手段は、前記第2の
    パルスが入力されて出力される前記周回位置検出手段の
    出力により、前記タイミングを選択するタイミング選択
    手段を有することを特徴とする請求項1記載のパルス位
    相差符号化回路。
  3. 【請求項3】 前記複数の信号遅延手段を n 段連結す
    るとともに、前記タイミング決定手段は、前記第2のパ
    ルスに対し遅延時間(T12)だけ位相差をもつ第3の
    パルスを出力する遅延手段を有し、 前記タイミング選択手段は、前記第2のパルスの立ち上
    がった時の前記第1のパルスの周回において、該第1の
    パルスが前記 n-1 段目の前記信号遅延素子を通過する
    前は、前記第3のパルスを選択し、前記第1のパルスが
    前記 n-1 段目の前記信号遅延素子を通過した後は、前
    記第2のパルスを選択することを特徴とする請求項2記
    載のパルス位相差符号化回路。
  4. 【請求項4】 前記複数の信号遅延手段を n 段連結す
    るとともに、前記タイミング決定手段は、前記第1のパ
    ルスに対して任意の位相差を持つ第2のパルスの立ち上
    がりに応じて立ち上がり、第1の遅延時間(TK)を経
    て立ち下がる第4のパルスを出力する第4のパルス発生
    手段と、該第4のパルスの立ち上がりおよび立ち下がり
    に応じて立ち上がり、第2の遅延時間(TW)を経て立
    ち下がる第5のパルスを出力する第5のパルス発生手段
    とを有し、 前記タイミング選択手段は、前記第2のパルスの立ち上
    がった時の前記第1のパルスの周回において、該第1の
    パルスが前記 n-1 段目の前記信号遅延素子を通過する
    前は、前記第4のパルスを選択し、前記第1のパルスが
    前記 n-1 段目の前記信号遅延素子を通過した後は、前
    記第4のパルスの立ち下がりに応じて立ち上がる第5の
    パルスを選択するようにし、 さらに前記データラッチ手段は、前記第5のパルスが入
    力されるとともに直接前記カウンタの出力をラッチする
    第1のデータラッチ手段と、前記第5のパルスが入力さ
    れるとともに該第1のデータラッチ手段を介して前記カ
    ウンタの出力をラッチする第2のデータラッチ手段とを
    有することを特徴とする請求項2記載のパルス位相差符
    号化回路。
  5. 【請求項5】 前記タイミング決定手段は、前記リング
    遅延パルス発生手段の出力パルスに対し、遅延時間(T
    D)だけ位相差を持つ第6のパルスを前記カウンタに出
    力する第6のパルス発生手段を有し、 前記第2のパルスと前記第6のパルスを用いて前記タイ
    ミングを決定することを特徴とする請求項1記載のパル
    ス位相差符号化回路。
  6. 【請求項6】 前記複数の信号遅延手段を n 段連結す
    るとともに、前記タイミング決定手段は、第1のパルス
    と任意の位相差を有する第2のパルスが入力された後、
    前記リング遅延パルス発生手段の最終出力段の出力パル
    スが入力されると、第7のパルスを出力する第7のパル
    ス出力手段を有し、 前記リング遅延パルス発生手段の出力パルスに対し、遅
    延時間(TD)だけ位相差を持つ第6のパルスと前記第
    7のパルスにより前記タイミングを決定することを特徴
    とする請求項5記載のパルス位相差符号化回路。
  7. 【請求項7】 前記複数の信号遅延手段を n 段連結す
    るとともに、前記タイミング決定手段は、前記第1のパ
    ルスに対し任意の位相差を有する第2のパルスが入力さ
    れた後、前記リング遅延パルス発生手段の任意の出力段
    の出力パルスが入力されると、第8のパルスを出力する
    第8のパルス出力手段と、 前記第2のパルスが入力された後、前記リング遅延パル
    ス発生手段の最終出力段の出力パルスが入力されると、
    第7のパルスを出力する第7のパルス出力手段と、 前記第7および第8のパルス出力手段からの出力を論理
    合成し、遅延時間(TO)だけ位相差を持つ第9のパル
    スを出力する第9のパルス出力手段とを有し、前記リン
    グ遅延パルス発生手段の出力パルスに対し、遅延時間
    (TD)だけ持つ第6のパルスと前記第9のパルスによ
    り前記タイミングを決定することを特徴とする請求項5
    記載のパルス位相差符号化回路。
  8. 【請求項8】 前記複数の信号遅延手段を n 段連結す
    るとともに、前記周回位置検出手段において、前記リン
    グ遅延パルス発生手段の最終段の出力パルスに対し、遅
    延時間(TS)だけ位相差を持つ第10のパルスを出力
    するようにし、 前記タイミング決定手段は、前記第1のパルスと任意の
    位相差を有する第2のパルスが入力されると、該第2の
    パルスに対し遅延時間(TB)だけ位相差を持つ第11
    のパルスを出力する第11のパルス出力手段と、 前記第2および第11のパルスを前記第10のパルスに
    より選択し第12のパルスを出力する出力選択手段とを
    有し、 前記リング遅延パルス発生手段の出力パルスに対し、遅
    延時間(TD)だけ持つ第6のパルスと前記第12のパ
    ルスにより前記タイミングを決定することを特徴とする
    請求項5記載のパルス位相差符号化回路。
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