JP3424126B2 - 切片保存方法 - Google Patents

切片保存方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、凍結した生物試料
(例えば、実験動物試料、植物試料)から生命科学の研
究(例えば、組織学的研究、組織化学的研究、酵素組織
化学的研究、免疫組織化学的研究、遺伝子組織化学的研
究、水溶性物質の体内分布研究)に利用できる薄切片
(例えば、厚さ2〜10μm)を得るのに好適な切片保
存方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】生命科学の研究では、化学薬品により固
定処理、脱灰処理されていない(以後、未固定非脱灰と
呼ぶ)硬組織や大きな生物試料から作製される薄い凍結
切片(厚さ2〜10μm)が必要とされている。しか
し、従来の生物組織凍結薄切方法と生物組織凍結薄切装
置では、小さな軟組織(例えば、薄切面が2cm×2c
mの大きさ)から厚さ5μm程度の凍結切片を作製する
のが限界で、組織の形態が良好に保たれた大きな凍結切
片、あるいは更に薄い凍結切片(例えば、厚さが2μ
m)を作製することは極めて困難であった。また、硬組
織から凍結切片を作製することはできなかった。従っ
て、そのような切片を封入保存するのに適した簡便な方
法がない。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の生物組織凍結薄
切方法、切片保存方法、凍結包埋容器、生物組織凍結薄
切装置には、それぞれ下記に示す問題があり、未固定非
脱灰の硬組織や大きな生物試料(例えば、薄切面が4c
m×5cmの大きさ)から光学顕微鏡観察に利用できる
薄い凍結切片(例えば、厚さが2μm)を作製し、長期
保存することができなかった。 【0004】生物組織凍結薄切方法の問題点 従来の生物組織凍結薄切方法では、体内物質の分布状態
に影響を与えないで、凍結薄切を実施する環境下(例え
ば、−25℃の冷凍庫内)で凍結切片を支持することが
できなかった。そのため、凍結薄切の実施中に凍結切片
が簡単に壊れ、硬組織や大きな生物試料から組織の形態
が良好に保たれた薄い凍結切片を作製することができな
い欠点がある。 【0005】切片保存方法の問題点 従来の方法で作製される小さな凍結切片(例えば、薄切
面が2cm×2cmの大きさ)は、透明なガラス板(例
えば、厚さが1mmのガラス板)と薄いガラス板(例え
ば、厚さが0.1mmのガラス板)の間に封入剤を用い
て長期保存できる。しかし、本方法で作製される粘着剤
を塗布したプラスチックフィルムに貼り付いた大きな切
片は、プラスチックフィルムが封入の妨げとなり、従来
の方法で封入することが困難である。 【0006】凍結包埋容器の問題点 従来の方法では、試料の急速凍結を必要としないために
水溶性包埋剤の急速凍結に適した包埋容器が製作されて
いない。そのため、水溶性包埋剤中に入れた凍結試料が
水溶性包埋剤の凍結中に溶解する欠点がある。 【0007】生物組織凍結薄切装置の問題点 現在、凍結した未固定非脱灰の硬組織や大きな生物試料
を切削できる装置として、全身オートラジオグラフィー
に用いる厚い切片(例えば、厚さが50μm)を作製す
るための装置(以後、大型凍結薄切装置と呼ぶ)があ
る。この大型凍結薄切装置で光学顕微鏡観察に利用でき
る薄い凍結切片(例えば、厚さが2μm)を作製するに
は、次の欠点がある。 ・硬組織から組織構造が良好に保たれた薄い凍結切片を
安定して作製する刃物としては、硬組織を薄切できるタ
ングステンカーバイド製の替刃が最適であるが、従来の
大型凍結薄切装置には、その替刃を固定する装置がな
く、替刃を用いることができない。 ・従来の大型凍結薄切装置に取り付けられている試料傾
斜装置は、傾斜範囲が小さく、目的の組織構造を正確に
露出させることができない。 ・従来の大型凍結薄切装置で薄い凍結切片(例えば、厚
さが2μm)を作製するには、大型凍結薄切装置を設置
している冷凍庫の扉を全開して作業をしなければならな
い。そのため、作業中に冷凍庫内の温度が上昇し、組織
構造の良く保存された凍結切片の作製に最適な温度を維
持することができない。 【0008】上記の問題があるために、従来の生物組織
凍結薄切方法と大型凍結薄切装置では、凍結した硬組織
や大きな生物試料から、生命科学の研究に利用できる薄
い凍結切片(例えば、厚さが2μm)を作製することが
できなかった。 【0009】本発明は、上記の問題点を解決するため
に、低温下(例えば、−25℃)でも凍結切片を粘着支
持でき、生命科学の研究に必要な処理(例えば、水やア
ルコールを用いた処理)に耐えることができる粘着剤と
プラスチックフィルム、凍結薄切に適した形状の凍結試
料を作製するための容器、硬組織や大きな生物試料から
薄い凍結切片(例えば、厚さが2μm)を作製すること
ができる凍結薄切装置を用いて、硬組織や大きな生物試
料から生命化学の研究に利用できる薄い凍結切片を効率
良く作製し、その切片を長期保存しようとするものであ
る。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性包埋剤
中に凍結包埋した生物試料(例えば、未固定非脱灰の硬
組織、実験動物の全身)を凍結薄切装置に固定し、その
固定した試料の所定面に粘着剤を塗布した薄いプラスチ
ックフィルム(例えば、厚さが10μmのポリ塩化ビニ
リデンフィルム)(以後、粘着プラスチックフィルムと
呼ぶ)を貼り付け、粘着プラスチックフィルムが貼り付
いた試料を、所定の刃物により粘着プラスチックフィル
ムが貼り付いた状態で、所定の厚さに薄切しようとする
ものである。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の一実施の形態について説明する。 【0012】本例においては、水溶性包埋剤(例えば、
5%カルボキシメチルセルロース)中に凍結包埋した生
物試料を薄切するようにしたものである。まず、水溶性
包埋剤中に生物試料を凍結包埋させる容器について、図
1と図2を参照して説明する。図1に示す凍結包埋容器
の容器部2は、凍結した水溶性包埋剤の取り出しを容易
にするために、次のような構造となっている。 【0013】図1に示すように、凍結包埋容器の容器部
2は箱型で、金属板(例えば、厚さが1.0mmのステ
ンレス板)で作られ、凍結作業を迅速に行うために取っ
手1を容器部2の側面に付けている。この容器部2内で
凍結した水溶性包埋剤の凍結包埋ブロック5を取り出し
やすいように、容器部2の上面が底面より大きくなって
いる。容器部2の上面は、凍結ブロックを取り出すため
に取り除いている。底面は下蓋3として、図2に示すよ
うに容器側面に付けた下蓋固定用L型金具4で固定さ
れ、引き抜くことができる。 【0014】本例においては、凍結包埋容器の容器部2
から取り出した凍結包埋ブロック5(図2参照)は、上
記の生命科学の研究に利用するために、厚さ2〜10μ
mに薄切される。この薄切を実施するために、図3に示
すように、凍結包埋ブロック5を金属製の試料台6に固
定する。この試料台6は、金属板(例えば、厚さが2.
0mmのステンレス板)で作られている。試料台6に
は、凍結包埋ブロック固定用突起7(図3のA参照)を
複数個設け、図3のBに示すように試料台6に凍結包埋
ブロック5を固定する。この試料台6は、後述する図9
に示すように、試料台固定ネジ28で試料傾斜装置8に
固定される。 【0015】試料台6に固定した凍結包埋ブロック5
は、図4〜図6に示すタングステンカーバイド製替刃用
支持具11(以後、替刃支持具と呼ぶ)に固定したタン
グステンカーバイド製替刃9(以後、替刃と呼ぶ)で薄
切される。替刃支持具11は、金属(例えば、特殊鋼)
で作られ、替刃9を固定する。替刃支持具11の替刃固
定部17は、図5のBの断面図に示すように替刃9の刃
先と一体となるような形状となっている。図5のAは、
替刃9、替刃押さえ金具10、替刃支持具11を分解し
て示す断面図であり、図5のBは組み立てた状態を示す
断面図である。 【0016】替刃9の装着では、刃先の向きが特に重要
である。組織の形態が良好に保たれた切片を作製するた
めに、図5に示すように切削角が最小となるように取り
付ける。替刃押さえ金具固定ネジ16を緩めることによ
り、凍結包埋ブロック5の薄切面との位置関係を保った
状態で新しい替刃に交換できる。 【0017】替刃支持具固定台12は、図6と図7に示
すように、替刃支持具11を保持する。この替刃支持具
固定台12は、金属(例えば、ステンレス)で作られて
いる。替刃支持具固定台12への替刃支持具11の固定
は、替刃支持具固定ネジ18で行う。替刃支持具固定台
12の左右の端部には、図6と図7に示すように、替刃
支持具固定台12を凍結薄切装置に固定する替刃支持具
固定台の取付け金具13に替刃支持具固定台固定ネジ1
9で固定し、この取付け金具13を介して、図4に示す
ように凍結薄切装置に固定する。 【0018】次に、本例の試料である凍結包埋ブロック
5を傾斜させる試料傾斜装置8について、図4、図8,
図9を参照して説明する。試料傾斜装置8は、金属(例
えば、ステンレス)で作られ、直交する2つの軸である
x軸とy軸に独立して傾斜可能としてある。具体的に
は、y方向回転軸20は、y方向回転軸固定金具21に
よりx方向回転軸23に直交して固定されている。試料
台6は、試料台傾斜固定ネジ27を緩めることにより、
y方向回転軸20を中心に±15度以上傾斜できる。ま
た、x方向回転軸固定金具固定ネジ26を緩めることに
より、X方向回転軸23を中心に試料台を±15度以上
傾斜できる。図8には、試料傾斜装置8の構成部品を示
し、図4と図9には、試料台6、試料傾斜装置8、削り
かす容器14を組み立てた斜視図を示している。 【0019】本例の試料傾斜装置8は、金属板(例え
ば、厚さが2.0mmのステンレス板)で作られている
削りかす容器14の底板に固定されている。削りかす容
器14の底板には、削りかすを廃棄する廃棄口15を設
けてある。この削りかす容器14は、大型凍結薄切装置
の試料台25にネジで固定できる構造となっている。 【0020】凍結薄切装置を設置する冷凍庫の上蓋は、
図10と図11に示すように、2重の蓋となるような構
成としている。透明なプラスチック製(例えば、アクリ
ル)固定板31と引戸30を、従来の開き戸式開閉蓋2
9の直下に取り付けている。作業口の大きさは、引戸3
0を開閉することにより調節できる。また、冷気循環用
送風機32を冷凍庫の底部に設置し、矢印33の方向に
冷気を循環させるようにしている。 【0021】次に、凍結試料を薄切する際に、凍結切片
の支持材として用いる粘着プラスチックフィルムの作製
手順について、図12と図13を参照して説明する。ま
ず、図13に示すように、化学薬品に強く、透明で、柔
軟性があり、しかも薄くて伸縮性の小さいプラスチック
フィルム35(例えば、厚さが10μmのポリ塩化ビニ
リデン製フィルム)を、アルコールを塗布した透明なア
クリル板39に密着する。次いで、凍結包埋ブロック5
の薄切面の大きさの粘着プラスチックフィルムを作製す
るために、図12に示すように粘着剤34(例えば、−
25℃で粘着力を保持しているゴム系粘着剤、あるいは
アクリル系粘着剤)を薄切面の長辺の幅と同じ幅(粘着
剤塗布幅38)に塗布する。この粘着剤の塗布を実施す
る時、図12と図13に示すように、プラスチックフィ
ルム上に粘着剤を塗布しない領域(粘着剤未塗布域3
7)を残す。粘着剤34の乾燥後、粘着プラスチックフ
ィルムを薄切面の短辺の幅に合わせて回転式カッターを
用いて切断する。図12に、その切断個所36を示して
いる。 【0022】次に、上記で説明した替刃支持具11と試
料傾斜装置8を取り付けた大型凍結薄切装置と粘着プラ
スチックフィルムを用いて、生物試料から凍結切片を作
製する生物組織凍結薄切方法について順に説明する。 【0023】i)凍結試料と水溶性包埋剤を、図1に示
す凍結包埋容器の容器部2に入れる。 ii)凍結包埋容器の取っ手1を持って、容器部2を冷
媒中(例えば、−94℃のヘキサン)に入れて凍結す
る。 iii)凍結後、図2に示すように、凍結包埋容器の容
器部2の下蓋3を抜き取り、凍結包埋ブロック5を下か
ら押し出す。 iv)取り出した凍結包埋ブロック5を、図3に示すよ
うに試料台6に固定し、図4、図8,図9に示す試料傾
斜装置8に試料台固定ネジ28で固定する。 v)上記の手順で作製した粘着プラスチックフィルム
を、図14に示すように凍結包埋ブロック5の薄切面に
貼り付ける。 vi)この状態で、替刃支持具11に固定した替刃9で
薄切を実施することにより、凍結切片40が粘着プラス
チックフィルムに貼り付いた状態で採れる。 vii)粘着プラスチックフィルムに貼り付いた状態の
切片を、研究目的に応じて染色する。 【0024】次に、上記で作製した切片を保存するため
の切片保存方法について、順に説明する。 i)図16に示すように、透明なガラス板43に水溶性
封入剤42(例えば、純水で希釈した30%グリセリ
ン)を塗布する。 ii)図17に示すように、粘着プラスチックフィルム
に貼り付いた染色した切片41を、水溶性封入剤42を
塗布した透明なガラス板43に向けて置く。 iii)余剰の水溶性封入剤42を、紙(例えば、ろ
紙)で吸い取る。 iv)一日以上放置し、水溶性封入剤中の水分を蒸発さ
せ、粘着プラスチックフィルムを透明なガラス板43に
粘着させる。 v)粘着後、粘着プラスチックフィルムの粘着剤未塗布
域37を切り取り、図18に示すように、染色した切片
41を粘着プラスチックフィルムと透明なガラス板43
の間に保存する。 【0025】上記の手順により、凍結した試料(例え
ば、未固定非脱灰の硬組織、実験動物の全身)から、組
織構造が良好に保たれた厚さ2〜10μmの凍結切片を
簡単に、しかも確実に作製することができ、その切片を
長期保存することができる。 【0026】 【発明の効果】本発明によると、化学薬品により脱灰処
理や固定処理されてない硬組織、大きな生物試料(例え
ば、薄切面が4cm×5cmの大きさ)から、厚さ2〜
10μmの凍結切片を簡単に、しかも確実に作製するこ
とができ、その切片を長期保存することができるように
なった。この生物組織凍結薄切方法で作製した切片は、
多くの生命科学の研究(例えば、組織学的研究、組織化
学的研究、酵素組織化学的研究、免疫組織化学的研究、
遺伝子組織化学的研究、水溶性物質の体内分布研究、微
小領域の生化学的分析)に利用することができた。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態による生物試料を凍結包
埋する凍結包埋容器の斜視図である。 【図2】本発明の一実施の形態による凍結包埋容器と、
包埋容器から取り出した凍結包埋ブロックの斜視図であ
る。 【図3】本発明の一実施の形態による試料台と、凍結包
埋ブロックを固定した試料台の斜視図である。 【図4】本発明の一実施の形態による試料傾斜装置、試
料台、削りかす容器、タングステンカーバイド製替刃用
支持具、替刃支持具固定台を凍結薄切装置に取付けた状
態を示す斜視図である。 【図5】本発明の一実施の形態によるタングステンカー
バイド製替刃、タングステンカーバイド製替刃用支持
具、替刃押さえ金具を分解した状態と組み立てた状態を
示す断面図である。 【図6】本発明の一実施の形態によるタングステンカー
バイド製替刃用支持具、替刃支持具固定台、替刃支持具
固定台取付け金具を示す斜視図である。 【図7】本発明の一実施の形態によるタングステンカー
バイド製替刃用支持具、替刃支持具固定台、替刃支持具
固定台取付け金具を組立てた状態を示す斜視図である。 【図8】本発明の一実施の形態による試料台、試料傾斜
装置、削りかす容器の分解斜視図である。 【図9】本発明の一実施の形態による試料台、試料傾斜
装置、削りかす容器を組み立てた状態を示す斜視図であ
る。 【図10】本発明の一実施の形態による冷凍庫に引戸式
の作業口を、従来の開き戸式開閉蓋の直下に取り付けた
斜視図である。 【図11】図10のI−I線に沿う断面図である。 【図12】本発明の一実施の形態による粘着剤を塗布す
る領域と、プラスチックフィルムの切断個所を示す面図
である。 【図13】図12のII−II線に沿う断面図である。 【図14】本発明の一実施の形態による凍結包埋ブロッ
クの所定面に粘着プラスチックフィルムを貼り付けた状
態の断面図である。 【図15】本発明の一実施の形態による薄切を実施中の
凍結切片と粘着プラスチックフィルムの関係を示す断面
図である。 【図16】本発明の一実施の形態による粘着プラスチッ
クフィルムに貼り付いた染色された切片と、透明なガラ
ス板に水溶性封入剤を塗布した状態を示す断面図であ
る。 【図17】本発明の一実施の形態による粘着プラスチッ
クフィルムに貼り付いた切片を、水溶性封入剤を塗布し
た透明なガラス板上に置いた状態を示す断面図である。 【図18】本発明の一実施の形態による粘着プラスチッ
クフィルムと透明なガラス板の間に切片を封入した状態
を示す断面図である。 【符号の説明】 1…取っ手、2…容器部、3…下蓋、4…下蓋固定用L
型金具、5…凍結包埋ブロック、6…試料台、7…凍結
包埋ブロック固定用突起、8…試料傾斜装置、9…タン
グステンカーバイド製替刃、10…替刃押さえ金具、1
1…タングステンカーバイド製替刃用支持具、12…替
刃支持具固定台、13…替刃支持具固定台の取付け金
具、14…削りかす容器、15…廃棄口、16…替刃押
さえ金具固定ネジ、17…替刃固定部、18…替刃支持
具固定ネジ、19…替刃支持具固定台固定ネジ、20…
Y方向回転軸、21…Y方向回転軸固定金具、22…試
料台固定金具、23…X方向回転軸、24…X方向回転
軸固定金具、25…大型凍結薄切装置の試料台、26…
X方向回転軸固定金具固定ネジ、27…試料台傾斜固定
ネジ、28…試料台固定ネジ、29…開き戸式開閉蓋、
30…透明プラスチック製引戸、31…透明プラスチッ
ク製固定板、32…冷気循環用送風機、33…冷気の循
環方向、34…粘着剤、35…プラスチックフィルム、
36…粘着プラスチックフィルムの切断個所、37…粘
着剤未塗布域、38…粘着剤塗布幅、39…アクリル
板、40…粘着プラスチックフィルムに貼り付いた凍結
切片、41…染色あるいは化学処理された切片、42…
水溶性封入剤、43…ガラス板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 1/00 - 1/44 G01N 33/48 - 33/98 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 水溶性包埋剤で凍結包埋した生物試料を
    生物組織凍結薄切装置の試料台に固定し、凍結切片支持
    材として試料の所定面に粘着剤を塗布した粘着プラスチ
    ックフィルムを貼り付け、粘着プラスチックフィルムが
    貼り付いた試料を所定の刃物により、粘着プラスチック
    フィルムが貼り付いた状態で、所定の厚さに薄切して得
    た切片を、染色処理後、透明なガラス板とプラスチック
    フィルムの間に保存する切片保存方法であって、 前記粘着プラスチックフィルムとして、前記試料の所定
    面の幅と同じ幅に、低温下でも強い粘着力を有するゴム
    系粘着剤またはアクリル系粘着剤を、薄くて透明なプラ
    スチックフィルム上に塗布し、その塗布した領域に続い
    た粘着剤未塗布領域を残した低温下でも強い粘着力を有
    し、しかも柔軟性のある薄くて透明な粘着プラスチック
    フィルムとし、 前記薄切で得た切片を、前記粘着プラスチックフィルム
    が貼り付いた状態で染色を行った後、切片が貼り付いた
    粘着プラスチックフィルムを、水溶性封入剤を塗布した
    透明なガラス板上に切片側をガラス板に向けて置き、粘
    着プラスチックフィルムとガラス板の間にプラスチック
    フィルムに塗布した粘着剤の粘着力を利用して染色され
    た切片を封入保存する 切片保存方法。
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