JP3422850B2 - 多翼回転体 - Google Patents

多翼回転体

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  • Air-Conditioning Room Units, And Self-Contained Units In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数の翼を有するファ
ン、ブロア、水車、ポンプや圧縮機等の多翼回転体に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、多数の翼を有するファンやブロア
等の多翼回転体は翼ピッチ角が一般に等配に形成されて
おり、これら翼ピッチ角が等配のものでは(回転数×翼
枚数)を基本周波数とする周期的な騒音が発生し、この
騒音は羽根切り音と呼ばれ問題となることがあった。そ
して羽根切り音は翼の周囲の流路に局部的に流れを絞る
舌部などがある場合は大きくなって聴感上好ましくなく
なり、その対策が必要とされていた。
【0003】例えば多翼回転体である横流ファンが設け
られた空気調和機の室内機においては、横流ファンによ
って作り出された空気の流れが入口側に戻らないように
横流ファンの回りに設けられたケースに舌部が設けられ
ている。このような舌部があることによって、この舌部
に生じている渦を翼が周期的に横切り羽根切り音を大き
くすると一般に言われている。このため、舌部を翼から
離すようにすることで羽根切り音を小さくすることがで
きるが、入口側に戻る空気の流れが多くなり、横流ファ
ンの送風効率が低下するという問題があった。
【0004】これに対し舌部を翼が周期的に通過するこ
とによって羽根切り音が起こるのであるから、翼ピッチ
角を等配からずらし、翼が非周期的に舌部を通過するよ
うにする手法が従来から用いられている。これによって
形成された翼はランダムピッチ翼と呼ばれ、そのランダ
ムピッチ翼の設計方法は、先ず翼ピッチ角の等配からの
最大ずれ量を決めておき、続いてその最大ずれ量の範囲
内で乱数を用いて各翼におけるずれ量を計算するように
している。
【0005】しかしながら上記の従来技術においては、
乱数を用いて翼ピッチ角のずれ量をそれぞれの翼毎に設
定するようにしているために、次のような2つの問題が
主に生じていた。すなわち1つは製造上の問題で、乱数
を用いているので各翼における翼ピッチ角は全て異な
り、設計図面の製図や翼の加工、ファンの製造上におい
ても煩雑なものとなり、製作までに時間がかかると共
に、乱数の計算を用いることは設計を簡単に行う上では
手間がかかりすぎるものとなっていた。
【0006】他の1つは評価の問題で、設計した翼ピッ
チ角のパターンの現れ方は乱数に依存するので、同じフ
ァンの設計でも計算する度に異なる値となる。そして計
算する都度何通りもの翼ピッチ角のパターンが得られる
が、どれが最も良いのか評価することが難しい。そのた
め、幾つものパターンを計算して試作あるいはシミュレ
ーションで最も良いと思われるものを選び出すことにな
り、このための時間と労力もまた追加して必要となって
いた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような状況に鑑
みて本発明はなされたもので、その目的とするところは
翼ピッチ角の設定や製作、評価が簡単に行えながら、周
期的な騒音を低減することができる多翼回転体を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の多翼回転体は、
多数の翼を有する多翼回転体において、翼の全枚数が奇
数であり、該翼の翼ピッチ角が互いに所定のずれ角を持
つよう設定された2つのピッチ角でなると共に、各翼ピ
ッチ角を0、1もしくは−1、1の2値に対応させてな
る該翼ピッチ角の配列パターンが回転周期ごとに自己相
関関数が略デルタ関数となる翼の全枚数を周期とした周
期的疑似ランダム系列をなすものであることを特徴とす
るものであり、さらに、翼の全枚数が(2n −1)枚
(ただしnは正の整数)であり、翼ピッチ角の配列パタ
ーンがM系列をなすものであることを特徴とするもので
あり、さらに、翼の全枚数が(4p−1)の素数(ただ
しnは正の整数)であり、翼ピッチ角の配列パターンが
平方剰余系列をなすものであることを特徴とするもので
あり、さらに、翼の全枚数をnとするとp、(p+2)
をともに素数(ただしnは正の整数)としてn=p(p
+2)枚であり、翼ピッチ角の配列パターンが双子素数
系列をなすものであることを特徴とするものであり、ま
た、多数の翼を有する多翼回転体において、翼の翼ピッ
チ角が互いに所定のずれ角を持つよう設定された2つの
ピッチ角でなると共に、各翼ピッチ角を0、1もしくは
−1、1の2値に対応させてなる該翼の翼ピッチ角の配
列パターンが、翼の全枚数に近い周期を有する周期的疑
似ランダム系列の2値による配列に翼の全枚数と同数と
なるよう該2値を加えもしくは減らして形成したパター
ンとなっていることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】上記のように構成された多翼回転体は、翼の翼
ピッチ角が互いに所定のずれ角を持つよう設定された2
つのピッチ角でなり、各翼ピッチ角が周期的疑似ランダ
ム系列もしくは周期的疑似ランダム系列を含む配列パタ
ーンとなっているので、等配の翼ピッチ角での周波数で
ある羽根切り音の周波数スペクトルがランダムノイズに
近い信号による位相変調を受けてスペクトルが拡散し、
スペクトルのピーク値が低減し、簡単な翼ピッチ角の設
定や製作、評価のもとに周期的な騒音の低減を実現する
ことができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。先ず、具体的な実施例の説明に先立って本発明の
基本となる考え方について図1及び図2により説明す
る。図1は周期的疑似ランダム系列の配列パターンを示
す図であり、図2は自己相関関数を示す図である。
【0011】本発明では、翼ピッチ角が等配のファンで
は翼が周期的に流れを通過するために周期的な騒音の羽
根切り音が発生することから、翼ピッチ角をランダムに
ずらし周期性をなくすために、周期的疑似ランダム系列
を用いて翼ピッチ角の設定を行うことを基本としてい
る。
【0012】このような翼ピッチ角の設定をスペクトル
的に考えると、翼ピッチ角をランダムにずらした時に
は、翼ピッチ角を等配にした時の周波数、すなわち羽根
切り音の周波数スペクトルが位相変調を受けることにな
ってスペクトルが拡散し、スペクトルのピーク値が低減
したものになる。この点からは位相変調を行う周波数は
なるべく広い周波数に分布し、ランダムノイズに近い方
が有利である。
【0013】しかし、ランダムノイズと言っても、ファ
ンは回転体なので1回転すると必ずもとの状態に戻るか
ら、位相変調を行う周波数も回転の周期を基本周期とす
る周波数になる。このことから、位相変調を行うには、
周期性を持ちながら、ランダム信号に近い性質を持つ系
列、すなわち周期的疑似ランダム系列を用いるのが最も
良いことになる。
【0014】このような周期的疑似ランダム系列として
は、M系列、平方剰余系列(L系列)、双子素数系列
(TP系列)が知られている。この作り方については、
例えば東京大学出版会から著者が磯部隆で1968年2
月初版発行、1971年1月第2刷が発行された「相関
関数とスペクトル −その測定と応用−」の170頁〜
175頁に記載されている。そして、周期的疑似ランダ
ム系列の配列パターンは周期が40以下のものでは図1
に示す通りとなっている。
【0015】次に、このような周期的疑似ランダム系列
を用いた翼の設計方法のやり方を疑似ランダム系列の一
つであるM系列での例によって説明する。
【0016】M系列は普通、2n −1の周期を持つ0と
1の2値の数列であって、1つの周期の中の数列の数は
奇数で、0の数と1の数の差が1となっている。例えば
n=3で周期7の数列では図1に示されるように、0、
1、0、1、1、0、1となり、0の数が3つであり1
の数が4つであり両者の差が1である。そして対象とす
る翼枚数に一致する周期の配列パターンを選定する。
【0017】なお、0と1とを1と−1に対応させ、t
0 毎にその値を保持した時間関数を考えると自己相関関
数は図2に示すようにデルタ関数の繰り返しに近くな
る。そしてM系列に繰り返し周期以外の周期性が残って
いる場合には自己相関関数にその周期性が現れるが、そ
れがないことから繰り返し周期以外はランダムな性質を
M系列が持っていることがわかる。
【0018】ここでM系列が0と1の2値の数列なの
で、0の時は翼ピッチ角が小さく、1の時は翼ピッチ角
が大きくなるように設計するものとする。そして、それ
ぞれの角度をθ1 、θ2 とし、 θ2 =(1+Δ)θ1 ……(1) とおく。ただし、Δは適当な正の値で、等配からのずれ
の大きさを表すものである。
【0019】M系列では1となる個数は0の個数より1
つ多いから、θ2 の個数は2n-1 、θ1 の個数は2n-1
−1である。したがって 2n-1 θ2 +(2n-1 −1)θ1 =360(度) ……(2) 式(1)と式(2)から θ1 =360/{(2n −1)+2n-1 Δ}(度) …(3−1) と簡単に求められる。θ2 の方は式(2)から求められ
る。
【0020】この後、M系列の0と1の配列パターン、
すなわち、周期7のものでは、0、1、0、1、1、
0、1にしたがってθ1 とθ2 を順次配列し翼ピッチを
設定していく。なお、ここで0と1とを入れ替えても構
わないので、角度の大きなものと小さいものとを交換し
ても良い。
【0021】もし、0のときをピッチ角が大きく、1の
ときをピッチ角が小さくなるように設定し、それぞれθ
2 とθ1 とすると、その場合は θ1 =360/{(2n −1)+(2n-1 −1)Δ}(度) …(3−2) となる。
【0022】上述のM系列の場合には周期は2n −1だ
から翼枚数も2n −1に限定される。M系列とほぼ同じ
性質を持つ周期疑似ランダム信号として平方剰余系列と
双子素数系列が知られている。どちらも相関関数はM系
列と同じ形をしているので、それらを利用すればM系列
とは異なる多くの翼枚数でランダムな翼のずらし方をす
ることができる。
【0023】平方剰余系列は、pを p=4t−1 ……(4) となる素数とし、ルジャンドルの記号
【数1】 としてxi を並べた数列である。
【0024】ここで、mod.pは整数論における合同
に現れる記号で、a−bがpで割り
【外1】 く。
【0025】
【外2】 うなaのことを法pの平方剰余ともいう。上の式(5)
で、iが平方剰余となる
【外3】
【外4】 例えば、p=19とし、0から18までの数について調
べてみると、平方剰余は1、4、5、6、7、9、1
1、16、17であるから、数列xi は−1、1、−
1、−1、1、1、1、1、−1、1、−1、1、−
1、−1、−1、−1、1、1、−1となる。ここで、
−1を1に、1を0に対応させればM系列と同様にして
翼ピッチ角を決めていくことができる。
【0026】また、双子素数系列とは、pとp+2が共
に素数として、周期nがn=p(p+2)である数列x
i において、
【数2】 となる数列である。
【0027】ここで、[i/n]はヤコビの記号で、n
をn=p1 2 ・・・ps の様に素数の積に分けた時、 [i/n]=(i/p1 )(i/p2 )・・・(i/ps ) ……(7) である。また(i/p1 )はルジャンドルの記号であ
る。
【0028】例えば、n=3×5=15のとき、0から
14までの数列を調べると、ヤコビの記号に従って、x
1 =x2 =x4 =x8 =1、x7 =x11=x13=x14
−1、また0、5、10はmod.5で0と合同だから
0 =x5 =x10=1、x3=x6 =x9 =x12=−1
である。従って数列xi は1、1、1、−1、1、1、
−1、−1、1、−1、1、−1、−1、−1、−1と
なる。
【0029】一方、実際に翼ピッチ角の設計を広範の多
翼回転体で行おうとした場合、本来の周期的疑似ランダ
ム系列の周期は奇数の値を取り、多翼回転体の翼枚数が
偶数の場合には対応できなくなる。また翼枚数が奇数の
場合においても全ての値に対応しているわけではない。
【0030】そこで翼枚数に対応する周期が周期的疑似
ランダム系列に無い場合、あるいはある場合でも疑似ラ
ンダム系列の他の系列を用いようとする場合には、その
翼枚数をNとしたとき、Nの値に近い周期の所望の疑似
ランダム系列を選択し、その疑似ランダム系列の周期が
Nより小さいときにはその差の数だけ0と1(あるいは
1と−1)のパターンを配列パターに追加し、Nより大
きいときにはその差の数だけ0と1(あるいは1と−
1)を配列パターンから切り捨てることにする。
【0031】次に上記の基本となる考え方に基づいた本
発明の第1の実施例を図3乃至図6を参照して説明す
る。図3は空気調和機の室内機の概略構成を示す縦断面
図であり、図4は翼ピッチ角設定方法の説明図で、図4
(a)はフローチャート、図4(b)は翼ピッチ角の配
列パターン図であり、図5は実施例における周波数スペ
クトル図であり、図6は従来技術における周波数スペク
トル図である。
【0032】図3乃至図6において、空気調和機の室内
機1は本体ケース2の前面上部に室内空気の取込み口3
が設けられ、前面下部に調和された空気の吹出し口4が
設けられている。また本体ケース2内には取込み口3か
ら吹出し口4に至る流通路5が設けられていて、この流
通路5を横断するように上流部には室内熱交換器6が配
置されており、下流部には翼枚数が31枚の横流ファン
7が配置され、横流ファン7の近傍には流通路5の舌部
8が設けられている。なお、9は吹出し口4に設けられ
調和空気の吹き出し方向を変えるための偏向板である。
【0033】そして横流ファン7は、その翼ピッチ角が
次のように設定されている。すなわち、図4(a)のフ
ローチャートの第1のステップS1 で横流ファン7の翼
枚数N=31枚が決定される。
【0034】続いて第2のステップS2 で等配からのず
れΔが適当な正の値として0.5に決定される。
【0035】第3のステップS3 で、翼枚数N=31と
ずれΔ=0.5の値により2種類の翼ピッチ角θ1 、θ
2 が式(3−1)を一般化した次式により算出される。
すなわち、 θ1 =360/{N+(N±1)Δ/2} (度) ……(8) ここで式中における±の符号の意味は、ピッチ角の広い
方の角度θ2 が狭い方の角度θ1 より1つ多く設定した
場合が+、1つ少なく設定した場合が−となる。今、+
の符号をとった場合、 θ1 =9.23(度) また、θ2 は式(1)によって θ2 =(1+Δ)θ1 =13.85(度) が得られる。
【0036】一方、第4のステップS4 で翼枚数Nが3
1枚であることから、これに対応して疑似ランダム系列
から周期31のM系列の配列パターン、0、0、0、
0、1、0、1、0、1、1、・・・・・、1が選定さ
れる。
【0037】そして、第5のステップS5 で図4(b)
の翼ピッチ角の配列パターン図に示されるように、同一
円周上に配列された配列パターンに沿ってθ1 =9.2
3(度)、θ2 =13.85(度)のピッチ角で翼を配
列する。
【0038】このように構成された室内機1では、室内
熱交換器6に冷媒を流すと共に横流ファン7を回転させ
ることによって取込み口3から室内空気を取り込み、室
内熱交換器6を通過する間に熱交換を行わせて吹出し口
4から室内に吹き出させるように運転が行われる。この
運転において横流ファン7の周期的な騒音である羽根切
り音は低減された。
【0039】因みに、翼枚数N=31枚で翼ピッチ角を
上述の実施例のようにθ1 =9.23度、θ2 =13.
85度に設定して配列した本発明と、翼ピッチ角を等配
のθ=11.61度に設定して配列した従来例とについ
てシミュレーションした結果は図5及び図6の羽根切り
音の周波数スペクトル図の通りとなった。それによる
と、図6に示されている純音のピークが図5の本発明で
はなくなり、スペクトルはランダムノイズに近くなり、
耳障りな音が消えていることがわかる。同様の効果は、
他の平方剰余系列や双子素数系列の場合でも得られる。
【0040】また、疑似ランダム系列の配列パターンそ
のものを求める方法は簡単ではないが、予め算出してお
くか、また算出され一覧になっているものを利用するこ
とで簡単に翼ピッチ角を設定することができ、製作や評
価も簡単に行えることとなって低騒音化された翼の設計
が容易となる。
【0041】次に同じく空気調和機の室内機に設けられ
た横流ファンの第2の実施例を図4により説明する。本
実施例は第1の実施例とは横流ファンの翼枚数のみが異
なるもので、横流ファンの翼枚数N=35で疑似ランダ
ム系列の双子素数系列(TP系列)に周期が一致するも
があるが、一致する周期のないM系列を流用することに
よって翼ピッチ角の設定が行われている。
【0042】そして横流ファンの翼ピッチ角が次のよう
に設定されている。すなわち、図4(a)のフローチャ
ートの第1のステップS1 で横流ファンの翼枚数N=3
5枚が先ず決定される。
【0043】続いて第2のステップS2 で等配からのず
れΔが適当な正の値として0.3に決定される。
【0044】第3のステップS3 で、翼枚数N=35と
ずれΔ=0.3の値により2種類の翼ピッチ角θ1 、θ
2 が式(3−1)を一般化した次式により算出される。
すなわち、 θ1 =360/{N+(N−1)Δ/2} (度) ……(8) =8.98(度) また、θ2 は式(1)によって θ2 =(1+Δ)θ1 =11.67(度) が得られる。ここでは翼ピッチ角θ1 の数がθ2 の数よ
り1つ多く設定してある。
【0045】一方、第4のステップS4 で翼枚数Nが3
5枚であることから、これに近い周期の周期31のM系
列の配列パターン、0、0、0、0、1、0、1、0、
1、1、・・・・・、1が疑似ランダム系列から選定さ
れる。そして、これに翼枚数Nの35と周期31の差の
数4だけの0、1の配列を加え、0、0、0、0、1、
0、1、0、1、1、・・・・・、1、0、1、0、0
を翼の配列パターンとする。
【0046】続いて、第5のステップS5 で図4(b)
の翼ピッチ角の配列パターン図に示されるように、同一
円周上に配列された配列パターンに沿ってθ1 =8.9
8(度)、θ2 =11.67(度)のピッチ角で翼を配
列する。
【0047】このように構成され室内機に設けられた横
流ファンでも、運転に際して発生する周期的な騒音であ
る羽根切り音は低減された。この場合には疑似ランダム
系列からは若干ずれたものであるが、翼ピッチ角が
θ1 、θ2 の2種類からなり、かつ自己相関関数も略デ
ルタ関数に近い特徴を持つようにすることができるの
で、疑似ランダム系列の優れた特徴を生かし、翼ピッチ
角の設定や製作、評価を簡単に行うことができる。
【0048】なお、第2の実施例で横流ファンの翼枚数
N=35に対し疑似ランダム系列の双子素数系列(TP
系列)を用いなかったが、この双子素数系列を用いたも
のにおいてもずれΔを適正に設定することによって第1
の実施例と同様の効果が得られる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、翼の翼ピッチ角が互いに所定のずれ角を持つよう設
定された2つのピッチ角でなり、各翼ピッチ角が周期的
疑似ランダム系列もしくは周期的疑似ランダム系列を含
む配列パターンとなるように構成したことにより、簡単
に翼ピッチ角の設定や製作、評価が行え、且つ周期的な
騒音を低減することができる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る周期的疑似ランダム系列の配列パ
ターンを示す図である。
【図2】本発明に係る自己相関関数を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る空気調和機の室内
機の概略構成を示す縦断面図である。
【図4】本発明に係る翼ピッチ角設定方法の説明図で、
図4(a)はフローチャート、図4(b)は翼ピッチ角
の配列パターン図である。
【図5】本発明の第1の実施例における周波数スペクト
ル図である。
【図6】従来技術における周波数スペクトル図である。
【符号の説明】
1…室内機 5…流通路 6…室内熱交換器 7…横流ファン 8…舌部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の翼を有する多翼回転体において、
    前記翼の全枚数が奇数であり、該翼の翼ピッチ角が互い
    に所定のずれ角を持つよう設定された2つのピッチ角で
    なると共に、前記各翼ピッチ角を0、1もしくは−1、
    1の2値に対応させてなる該翼ピッチ角の配列パターン
    が回転周期ごとに自己相関関数が略デルタ関数となる前
    記翼の全枚数を周期とした周期的疑似ランダム系列をな
    すものであることを特徴とする多翼回転体。
  2. 【請求項2】 翼の全枚数が(2n −1)枚であり、翼
    ピッチ角の配列パターンがM系列をなすものであること
    を特徴とする請求項1記載の多翼回転体。
  3. 【請求項3】 翼の全枚数が(4p−1)の素数であ
    り、翼ピッチ角の配列パターンが平方剰余系列をなすも
    のであることを特徴とする請求項1記載の多翼回転体。
  4. 【請求項4】 翼の全枚数をnとするとp、(p+2)
    をともに素数としてn=p(p+2)枚であり、翼ピッ
    チ角の配列パターンが双子素数系列をなすものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の多翼回転体。
  5. 【請求項5】 多数の翼を有する多翼回転体において、
    前記翼の翼ピッチ角が互いに所定のずれ角を持つよう設
    定された2つのピッチ角でなると共に、前記各翼ピッチ
    角を0、1もしくは−1、1の2値に対応させてなる該
    翼の翼ピッチ角の配列パターンが、前記翼の全枚数に近
    い周期を有する周期的疑似ランダム系列の前記2値によ
    る配列に前記翼の全枚数と同数となるよう該2値を加え
    もしくは減らして形成したパターンとなっていることを
    特徴とする多翼回転体。
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