JP3422740B2 - サンドイッチ構造体用ハニカム芯材の製造方法 - Google Patents

サンドイッチ構造体用ハニカム芯材の製造方法

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JP3422740B2
JP3422740B2 JP2000017690A JP2000017690A JP3422740B2 JP 3422740 B2 JP3422740 B2 JP 3422740B2 JP 2000017690 A JP2000017690 A JP 2000017690A JP 2000017690 A JP2000017690 A JP 2000017690A JP 3422740 B2 JP3422740 B2 JP 3422740B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サンドイッチ構造
体用ハニカム芯材の製造方法及び製造されたハニカム芯
材を使用したサンドイッチ構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハニカム芯材を鋼板等の剛性
の表面材でサンドイッチしたサンドイッチ構造体は、軽
量性、剛性、遮音性、断熱性等の特性が良好であること
から、ドアや間仕切り等の建築材料の内装又は外装パネ
ルや航空機、車両等の構造用材料として広く使用されて
いる。これら構造体の諸特性のうち、吸音性や断熱性を
向上させるために、ハニカム体のセル内に樹脂発泡体を
充填したハニカム芯材も特公平3−61581号公報や
特開平8−174731号公報に開示されている
【0003】しかしながら、近年、火災時における安全
確保のため不燃化の要求が高まり、上記樹脂発泡体を充
填したハニカム芯材では、樹脂がフェノール樹脂等の有
機物であるため不燃材料としての用途では使用に限界が
あった。
【0004】また、従来の樹脂発泡体を充填したハニカ
ム芯材では、セル中に充填された樹脂発泡体が硬質でも
ろいため、搬送等によりたわみが生じるとセルから発泡
体が抜け落ちやすく、結果として搬送性や取扱性が劣っ
ていた。又はハニカム芯材のセル全体に樹脂の発泡体が
充填されていない状態では、ハニカム芯材の断熱性が不
均一又は劣るものであった。このため、特開平1−30
1329号公報では、ハニカム芯材のセルの壁の一方向
の端部に切欠部を設けることによって発泡体の抜け落ち
を防止している。しかしながら、この場合、隔壁が連続
でないため機械的強度、特にせん断強度が劣るといった
問題を有していた。
【0005】また、セル中に充填された樹脂発泡体が硬
質性である場合、平板のサンドイッチ構造体を製造する
ときに、発泡体が不均一に充填されたり、硬化収縮を起
こした場合、得られるハニカム芯材は撓んでしまい、均
一な平面にならないので結果として得られるサンドイッ
チ構造体もまた平滑性が劣るものであった。このため、
特開昭60−210429号公報では、撓んだ隙間にス
ペーサーを介したハニカム芯材が開示されている。しか
しながらこの場合、スペーサーを入れるという手間がか
かる上に、ハニカム芯材と表面材が直接接着していない
ので、接着性に劣り、また、得られるサンドイッチ構造
体は、セルが均一に充填されていないために機械的強
度、特にせん断強度が劣るといった問題を有していた。
【0006】更に、従来、曲面を有するサンドイッチ構
造体を得ようとする場合、硬質の樹脂発泡体では製造後
に曲面形状にすることは困難なので、予めハニカム体を
曲面にセットし、発泡体を充填するといった方法を取ら
ざるを得なかった。
【0007】一方、特開平9−157061号公報に
は、常温、常圧条件下の発泡体での成形が可能で、不燃
性、耐火性が優れるものとしてリン酸類の発泡体が開示
されている。しかしながら、かかる発泡体は柔軟で弾力
性があるため、それ自体では剛性を必要とする構造体と
して不十分な場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、難燃性ハニカムにリン酸類とその発泡硬化剤からな
る無機発泡体と、NCO基を有するウレタンプレポリマ
ーからなる有機発泡体との複合発泡体を充填してなるも
ので、従来の樹脂発泡体を充填したハニカム芯材の断熱
性や遮音性を保持しながら、柔軟で弾力性を有するとと
もに、従来の樹脂発泡体では得られない難燃性、不燃性
に優れ、またハニカム体と樹脂発泡体とが大きい接着性
を有するために、搬送性、取扱性が改善され、且つ曲面
形状を有するサンドイッチ構造体の製造にも対応できる
ハニカム芯材及びその製造方法を特願平11−3359
02号として提案した。
【0009】しかしながら、上記提案によるハニカム芯
材は、場合により、各ハニカムセル内における発泡体の
含有量が均一でなく、ハニカムセルによってバラツキが
生じており、このため、かかるハニカム芯材の両面に表
面材が接着されたサンドイッチ構造体は、断熱性や遮音
性や剛性などの点でバラツキがあり、均一な性能が得ら
れ難いという問題を有することが判明した。
【0010】本発明は、上記問題を解決するものであ
り、上記した複合発泡体が充填されたハニカム芯材の有
する優れた特性を保持しながら、各ハニカムセルにおけ
る複合発泡体の含有量が均一でバラツキがなく、従っ
て、該ハニカム芯材から形成されたサンドイッチ構造体
も断熱性や遮音性や剛性などの点でバラツキがなく、均
一な性能を有するハニカム芯材の製造方法を提供するも
のである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者の研究による
と、ハニカム芯材の各ハニカムセルにおいて生じていた
発泡体の含有量のバラツキは、ハニカム芯材の製造過程
において、上記有機及び無機複合発泡体の発泡反応が予
想以上に早いことに基因することが判明した。即ち、ハ
ニカム体のセルに対して、発泡体の原料となる上記各成
分の混合物を充填する過程において、該混合物を全セル
に均一に拡散することは混合物の粘度を小さくするなど
の調節を行っても意外と困難であり、このため発泡体を
形成する混合物をハニカムセル内に均一に充填しにく
く、結果として各セル内の発泡体の含有量にバラツキが
生じ、不均一になることである。
【0012】本発明では、上記発泡体の原料となる混合
物の充填のバラツキをなくし、均一にする容易に充填す
る手段を見出すべく研究を重ねた結果、本発明に到達し
たものである。
【0013】かくして、本発明は、JIS―A6931
に規定されるセルサイズとして、3〜100mm、及び
空隙率として92〜99.5%を有するハニカム体のセ
ルに対し、リン酸類の分散又は水溶液(a)、硬化剤
(b)、NCO基を有するウレタンプレポリマー(c)
及び必要により発泡剤(d)を含む混合物を、−15〜
+15℃に保持して充填し、発泡硬化させることを特徴
とするサンドイッチ構造体用ハニカム芯材の製造方法に
ある。
【0014】かかる本発明によれば、発泡体を形成する
混合物、なかんずく混合物の成分であるリン酸類の分散
又は水溶液(a)の温度を特定の範囲に制御することに
より、該混合物の発泡の立ち上がり時間を制御すること
により、上記混合物を均一に、かつ十分に拡散させてハ
ニカムセルに容易に充填せしめることができるため、本
発明によれば、その各セル内における発泡体の含有量に
バラツキが少ない、均一性の高いハニカム芯材が得られ
ることになる。
【0015】かくして、本発明によるハニカム芯材は、
上記の点に加えて、セルに含有される発泡体は無機と有
機の複合発泡体であることにより、従来の有機発泡体で
は得られない難燃性、不燃性に優れ、且つ従来の無機発
泡体では得られない柔軟で弾力性を有する。さらに、該
発泡体の発泡、膨張力は、本来の大きいウレタンポリマ
ーの接着性と相まってハニカムと充填物との極めて大き
い接着性を与えることから、本発明によるハニカム芯材
は、ハニカム体から発泡体が抜け落ちるなどのことがな
く、搬送、取り扱いが容易であり、また柔軟性を有する
ため製造後の変形が可能であり、平板な表面材の取り付
けが良好で、且つ曲面を有する構造体にも適応すること
が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を更に詳細に説明
する。本発明のハニカム芯材を形成するハニカム体は、
連続する部材からなる隔壁によって仕切られた、六角
形、四角形、三角形等の多角形、円形、不等辺多角形な
どの実質上連続的な幾何学的なセル(貫通孔)を有する
形態を有する。ハニカム体のセルサイズ及び空隙率は、
製造されるハニカム芯材の剛性に関係し、これらは、J
IS− A6931によって規定される。セルサイズ
は、添付した図1の(f)で示され、3〜 100m
m、特には5〜 50mmが適切である。空隙率は、(ハ
ニカム体が占める容積−ハニカム体の隔壁材料の容積)
÷ハニカム体が占める容積 で定義される。本発明で
は、92〜99.5%、特には93〜98%が適切であ
る。
【0017】ハニカム体の空隙率が上記範囲より小さい
場合、充填する際に発泡体がセルの隔壁に付着し易く充
填が難しくなるとともに、ハニカム材が占める割合が大
きくなり、熱を伝え易いハニカム材の量が増えることに
よってハニカム芯材の断熱性が低下する。一方大きい場
合には ハニカム材が占める割合が 小さくなり、ハニ
カム芯材の強度が低下するため不適切である。ハニカム
体の隔壁の肉厚は、この空隙率と反比例の関係を有する
が、好ましくは、0.02〜3mmである。
【0018】ハニカム体の厚みは、図1の(g)で示さ
れ、必要とされる断熱性、遮音性、防火性などにより適
宜選ばれる。例えば、オフィスの間仕切りでは、50m
m以下の薄いものが好ましく、防火、耐火性が必要とさ
れる場合には40mm以上であることが好ましい。ま
た、断熱性が要求される冷凍冷蔵用パネルなどでは20
0〜400mmが好ましい。
【0019】ハニカム体の材質としては、アルミニウ
ム、ステンレス、スチール等の金属ハニカム;クラフト
ペーパー、アラミドペーパー、珪酸マグネシウム若しく
は水酸化アルミニウムを含有するペーパー等のペーパー
ハニカム;塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン
等のプラスチックハニカム;コージェライト、ムライト
等のセラミックスハニカム;アルミナ、アルミナシリカ
繊維等のセラミックスペーパーハニカム等が挙げられ
る。なかでも、耐火性、難燃性、単位重量の軽さ及び価
格などの理由からアルミニウムハニカム、スチールハニ
カム、珪酸マグネシウム若しくは水酸化アルミニウム等
JIS−P8128に規定される試験における灰化残留
物を40重量%以上含有してなる難燃性ペーパーハニカ
ムが好ましい。
【0020】上記アルミニウムハニカムとしては、JI
S−H4000に規定される、5052、5056、2
024、3003、3004等のアルミニウム合金の箔
を使用したものが一般的であり、上記スチールハニカム
としては、比較的低カーボンのスチールの箔を接着剤で
貼り合わせた後、展帳して用いるのが好ましい。更に金
属ハニカムとしては、金属の箔をコルゲート状に成形し
たものを接着して得られたコルゲートハニカムと呼ばれ
るものでもよく、これらの金属ハニカムには必要に応じ
て耐蝕コーティング処理が施される。
【0021】また、水酸化アルミニウム又は珪酸マグネ
シウムを含有する難燃性ペーパーハニカムとしては、水
酸化アルミニウム若しくは珪酸マグネシウムをパルプ等
の有機繊維やガラス繊維等の無機繊維とともにペーパー
状に抄きあげたものを接着剤で貼り合わせた後、展帳し
たものが好ましい。
【0022】本発明でハニカム体に充填される充填物
は、リン酸類の分散又は水溶液(a)、硬化剤(b)及
び必要により発泡剤(d)からなる無機発泡体と、NC
O基を有するウレタンプレポリマー(c)からなる有機
発泡体との複合発泡体からなる。無機発泡体を形成する
硬化剤(b)と発泡剤(d)とは、両者の機能をもつ単
一のものでもよく、またそれぞれ別のものでもよい。か
かる無機発泡体は、難燃性、剛性に優れるが、脆性に危
うい点があるが、本発明の発泡体は、ウレタンプレポリ
マーからなる有機発泡体と複合化することにより脆性は
大幅に改善される。
【0023】複合発泡体における無機発泡体と有機発泡
体の比率は、本発明における充填物の物性、引いては、
ハニカム芯材の特性に関係するが、無機発泡体/有機発
泡体の比率(重量基準)が、好ましくは、3/1 〜5
0/1である。この比率が3/1以上の場合には、難燃
性や防火性が良好であり、一方、50/1以下の場合に
は、脆くならず、接着性や柔軟性が良好である。なかで
も、この比率は、10/1〜50/1がさらに好まし
い。
【0024】本発明のハニカム芯材は、ハニカム体のセ
ルに対し、リン酸類の分散又は水溶液(a)、硬化剤
(b)、NCO基を有するウレタンプレポリマー
(c)、及び必要により発泡剤(d)を含む混合物を、
−15℃〜+15℃に温度調節し、該温度に保持して充
填し、発泡硬化させる。この場合、上記したように上記
混合物の温度を上記の範囲に制御することが重要であ
る。これにより水性混合物の急激な発泡硬化を制御する
ことによって、未発泡状態すなわち流動性を有する時間
が長くなり、例えば、ドクターブレード等による厚みの
均一化が可能となり、結果として、ハニカム体の各セル
内に均一に充填することができる。また、水性混合物が
発泡する前にハニカム体のセル内に充填することが可能
となるため、発泡体の泡をハニカム体が破壊することが
なく、結果として安定した均一な発泡が行われ、ハニカ
ム芯材としての断熱性の向上及び軽量化が可能となる。
【0025】上記混合物の温度が15℃を超えると、混
合物の発泡、及び硬化反応速度が速くなり、流動性が小
さくなり、混合物をハニカムのセル中に均一に拡散さ
せ、バラツキのないように全セルに充填することが困難
となる。一方、上記温度が−15℃より小さいと、リン
酸類の分散又は水溶液や、NCO基を有するウレタンプ
レポリマーの反応性が極端に悪くなるため、硬化までの
時間が長くなるとともに、発泡したセルが硬化までの間
に徐々に崩壊したり、発泡体の沈降を起こす原因とな
る。なかでも、上記混合物の温度は、−5〜+10℃が
適切である。
【0026】上記混合物の温度を制御する場合、含有さ
れる各成分を全て上記の温度に制御してもよく、また混
合中又は混合後速やかに上記の温度範囲に制御してもよ
い。しかしながら、手段の容易性や得られる効果の点か
らして、そこに含まれるリン酸類の分散又は水溶液の温
度の制御を通じて行うのが好ましい。かくして、リン酸
類の分散又は水溶液(a)の温度を、好ましくは、−2
0〜+10℃に制御し、かかる温度に保持されたリン酸
類の分散又は水溶液(a)に他の成分である、硬化剤
(b)、ウレタンプレポリマー(c)、及び必要により
発泡剤(d)を混合することにより、上記の温度範囲の
混合物が得られる。
【0027】上記リン酸類の分散又は水溶液(a)の温
度が−20℃未満であると、リン酸類水溶液のみなら
ず、NCO基を有するウレタンプレポリマーの反応性が
悪くなるため、硬化までの時間が長くなるとともに、発
泡したセルが硬化までの間に徐々に崩壊したり、発泡体
の沈降を起こしたりする原因となる。また、10℃を超
えると発泡及び硬化反応速度が速くなり、前記水性混合
物の流動性が小さくなるため、均一に拡散させハニカム
体に充填することが困難となり好ましくない。上記リン
酸類の分散又は水溶液(a)の温度は、なかでも−10
〜+5℃が特に適切である。
【0028】なお、前記混合物及びリン酸類の分散又は
水溶液(a)の温度の測定方法は、特に限定されず、熱
膨張を利用した水銀温度計、アルコール温度計や、熱電
対、白金抵抗、サーミスターなどを利用した接触式の温
度計、あるいは赤外線を利用した放射温度計等の非接触
式の温度計が挙げられ、特に上記混合物を測定する場合
は、混合物は反応が開始されかつ発泡が開始しているた
め素早く測定する必要があり、混合物を測定する際には
放射温度計を用いることが好ましい。
【0029】本発明における複合発泡体において、リン
酸類の分散又は水溶液(a)を形成するリン酸類として
は、例えば、リン酸、亜リン酸、無水リン酸、縮合リン
酸、これらリン酸の金属塩又はこれらの二種以上の混合
物が挙げられる。ここでいうリン酸の金属塩とは酸性リ
ン酸金属塩を含み、該酸性リン酸金属塩とは、リン原子
に結合した水酸基を少なくとも1個を有するリン酸金属
塩をいう。本発明は前記酸性リン酸金属塩を用いること
で発泡体の耐水、耐湿性を向上させ、結果として発泡体
のセル強度を高くできるため好ましく採用される。上記
金属としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、
カルシウム、アルミニウム、亜鉛、バリウム、鉄等が挙
げられ、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜
鉛、バリウム、鉄等の多価金属塩が発泡体の耐水性及び
セル強度をより向上させる点で好ましい。これらリン酸
金属塩、亜リン酸金属塩等の形で添加する方法の他に、
リン酸、亜リン酸と化学的に活性な金属化合物、例え
ば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の多価金属酸
化物や、水酸化アルミニウムゲル、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウム等の多価金属水酸化物等をリン
酸、亜リン酸等のリン酸類水溶液と別々に系内に添加
し、系内で反応させる方法をとることもできる。
【0030】なかでも、リン酸類の分散又は水溶液
(a)としては、リン酸、第一リン酸マグネシウム、第
一リン酸アルミニウム、第一リン酸亜鉛又はこれら二種
以上の混合物の使用が特に好ましい。その理由は、耐水
性、耐湿性や発泡体のセル強度などが高いためである。
なお、ここでいうリン酸類水溶液とは、第一リン酸金属
塩、リン酸、亜リン酸等の水溶性リン酸類を、水を溶媒
として溶液にするもので、50〜90重量%に調整され
たリン酸水溶液やリン酸金属塩水溶液を用いることが貯
蔵安定性や取扱性を向上させるので好ましく使用され
る。また、リン酸類水分散液とは、第二リン酸金属塩等
のような比較的水に対する溶解性が低いものを用いる場
合の分散液をいい、このリン酸類水溶液とリン酸類水分
散液は、単独で使用することもできるし、また、これら
を併用し必要により水分を調整して使用することができ
る。
【0031】また、リン酸類の分散又は水溶液(a)と
して、酸性リン酸金属塩、特にその多価金属塩水溶液を
使用し、これと、水溶性アミン類とを併用することが好
ましく使用できる。水溶性アミン類としては、ジエチル
アミン、ジイソプロピルアミン、ジアリルアミン、トリ
エチルアミン、トリアリルアミン等の2級又は3級のア
ルキルアミン類;ピリジン、ピペリジン、N-メチルピ
ペリジン、モルホリン、N-メチルモルホリン、N-エチ
ルモルホリン、ルチジン等の複素環式アミン類;モノエ
タノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、
N,N-ジエチルエタノールアミン等のアミノアルコール
類;尿素等の常温〜200℃程度に沸点をもつ水溶性ア
ミンが好ましい。これらは水に対して、1重量%以上溶
解するものが好ましく採用される。
【0032】本発明の発泡体におけるリン酸類の分散又
は水溶液(a)の含有量は、本発明の発泡体中のリンの
原子の含有量に換算した値において、3〜20重量%が
好ましく、特には4〜18重量%が適切である。この含
有量が3重量%未満では得られる発泡体の防火性能が低
下することがある。一方この含有量が20重量%を超え
ると、該プレポリマー(c)の分散性が低下し、又均一
な発泡構造が得られなくなることもある。
【0033】本発明の発泡体における、前記硬化剤
(b)としては、金属炭酸塩(b1)、金属酸化物及び
/又は金属水酸化物(b2)、又は酸又はアルカリと反
応してガスを発生する軽金属(b3)が使用される。
【0034】金属炭酸塩(b1)(炭酸アンモニウムを
含む)の好ましい例としては、炭酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸
カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム,
塩基性炭酸亜鉛等が挙げられる。なかでも、好ましいも
のは、塩基性炭酸マグネシウム等の多価金属炭酸塩であ
る。
【0035】金属酸化物(b2)の好ましい例として
は、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、
酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、
酸化亜鉛が挙げられ、金属水酸化物(b2)は水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化
バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、
水酸化亜鉛が挙げられる。なかでも、酸化マグネシウ
ム、酸化カルシウム、酸化バリウム等のアルカリ土類金
属酸化物、又は水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物は反
応時間の短縮と、ハニカムセル中の発泡体の含有量が均
一になるため、硬化剤(b)として前記アルカリ土類金属
酸化物やアルカリ土類金属水酸化物が少なくとも1種類
含有されることが好ましい。これらアルカリ土類金属酸
化物やアルカリ土類金属水酸化物は前記リン酸類の分散
又は水溶液との反応性に富むため自己発熱を促しやす
く、低温状態で反応していた前記混合物の硬化をより効
果的に促進し易くするとともに発泡セルの崩壊を防ぐも
のと考えられる。
【0036】上記軽金属(b3)の好ましい例として
は、マグネシウム,アルミニウム,亜鉛等が挙げられ
る。
【0037】上記硬化剤(b)の使用量は、リン酸類の
分散又は水溶液(a)中のリン酸類100重量部に対し
て、好ましくは、0.1〜200重量部であり、硬化剤
(b1)の場合には、発泡剤の機能も有しているので発
泡と硬化の度合いの好ましい範囲を考慮すると、特には
1〜150重量部が適切である。
【0038】本発明の発泡体における発泡剤(d)は、
上記硬化剤(b)の種類によっては,それ自体が発泡剤
の役割をするため、特に発泡剤(d)と称するものを使
わなくともよい。即ち、(b1)及び(b3)の場合、
(b1)及び(b3)が発泡剤(d)の機能も有してお
り、一方、(b2)は、硬化剤の機能しかないので発泡
剤(d)が使用される。かかる発泡剤(d)としては、
揮発性の低沸点有機溶剤又は熱分解によりガスを発生さ
せる有機化合物が挙げられる。
【0039】上記揮発性の低沸点(沸点120℃以下)
有機溶剤としては、エーテル類、ケトン類、炭化水素
類、フロン類 が挙げられ、なかでも、沸点が0〜10
0℃のハロゲン化炭化水素類及びケトン類が好ましく、
特に常温で液体のハロゲン化炭化水素類及びアセトンが
好ましい。これら発泡剤は、単独であるいは二種以上の
混合物として使用することができる。
【0040】上記エーテル類の好ましい例は、ジエチル
エーテル、ジプロピルエーテル等であり、上記ケトン類
の好ましい例は、アセトン、メチルエチルケトン等であ
り、上記炭化水素類の好ましい例は、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等であ
る。上記ハロゲン化炭化水素類の好ましい例は、塩化メ
チレン、トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素類や
2,2−ジクロロ−1,1,1,1−リフルオロエタン(H
CFC123)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
(HCFC141b)等の塩素化フッ素化炭化水素類、
及び1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HF
C236ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロ
パン(HFC245fa)等のフッ素化炭化水素類等で
ある。
【0041】上記熱分解によりガスを発生させる有機化
合物の好ましい例は、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾジカルボンアミド、アゾビスホルムアルデヒド等のア
ゾ系化合物;ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ジ
ニトロソテレフタールアミド等のニトロソ化合物;P-
トルエンスルホニルヒドラジド、P,P'-オキシビス
(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、等のスルホニルヒ
ドラジド化合物;メチルエチルケトンパーオキサイド、
過酸化ベンゾイル、クメンパーオキサイド等の有機過酸
化物;ヒドラゾジカルボンアミド、ヒドラゾジカルボン
酸イソプロピルトリルヒドラジノトリアミン、P-トルエ
ンスルホニルセミカルバジド等のヒドラゾ系化合物が好
ましい。また5−フェニルテトラゾール、炭酸アンモニ
ウム、重炭酸アンモニウム、尿素等の化合物も使用でき
る。
【0042】本発明における発泡剤(d)の量はリン酸
類の分散又は水溶液(a)中のリン酸類100重量部に
対して、好ましくは、0.5〜50重量部、特には、5
〜45重量部が適切である。硬化剤として、(b2)を
用いた場合、発泡剤を別に用いるために硬化剤に対し発
泡剤を適宜選択することで、硬化反応に対する発泡時間
を適宜調整することが可能となり、ハニカム材への発泡
体の充填が十分となる。また硬化剤と発泡剤の量をそれ
ぞれ調整することが可能なため、所望の軟質から硬質迄
の幅広い範囲であり、かつ発泡倍率に応じて決めること
が容易となる。
【0043】本発明において、NCO基を有するウレタ
ンプレポリマー(c)としては、有機ポリイソシアネー
ト化合物と活性水素含有化合物(h)とから誘導され、
且つNCO基を分子内に有するものが挙げられる。有機
ポリイソシアネート化合物の好ましい例は、炭素数2〜
12(NCO基中の炭素を除く、以下のイソシアネート
についても同様)の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数
4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜12
の芳香脂肪族ポリイソシアネート、炭素数6〜20の芳
香族ポリイソシアネート、又はこれらのポリイソシアネ
ートの変性物が挙げられる。これらの好ましい具体例と
しては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、
イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘ
キシルメタン−4,4'−ジイソシアネート(水添MD
I)、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネー
ト(水添TDI)、2,4−又は2,6−トルエンジイ
ソシアネート(TDI)、又は4、4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)である。
【0044】上記活性水素含有化合物(h)としては、
例えば、低分子量ポリオール(h1)及び高分子量ポリ
オール(h2)が挙げられる。ここで、(h1)と(h
2)の各分子量の範囲をヒドロキシル基価で示すと、
(h1)のヒドロキシル基価は、通常300〜1000
又はそれ以上、好ましくは350〜800である。又、
(h2)のヒドロキシル基価は、通常300未満、好ま
しくは20〜250、特に40〜200である。又、活
性水素含有化合物(h)の官能基数は(h1)、(h
2)の何れの場合も通常2〜8又はそれ以上である。
【0045】低分子量ポリオール(h1)としては、下
記(h1ー1)〜(h1−6)が挙げられる。 (h1ー1)脂肪族2価アルコール類、 (h1ー2)環状基を有する低分子ジオール類、 (h1ー3)3価アルコール類、 (h1ー4)4官能以上の多価アルコール類、 (h1ー5)アルカノールアミン類、 (h1−6)(h1ー1)〜(h1ー5)の化合物の、
エチレンオキサイドおよび/又はプロピレンオキサイド
の低モル付加物。
【0046】一方高分子量ポリオール(h2)としては
下記(h2ー1)〜(h2ー6)が挙げられる。 (h2ー1)ポリオキシアルキレンポリオール、 (h2ー2)ポリエステルポリオール、 (h2ー3)ポリオレフィンポリオール、 (h2ー4)アクリルポリオール、 (h2ー5)ヒマシ油系ポリオール、 (h2ー6)重合体ポリオール。
【0047】低分子量ポリオール(h1)のうち、脂肪
族2価アルコール類(h1ー1)の具体例としては、エ
チレングリコール、ジエチレングルコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1、4ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1、6ヘキサンジオ
ール、1、8オクタメチレンジオール等が挙げられる。
【0048】環状基を有する低分子ジオール類(h1ー
2)の具体例としては、1、4ビス(2ヒドロキシエト
キシフェニル)プロパン等が挙げられる。3価アルコー
ル類(h1ー3)の具体例としては、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、ヘキサントリオール等が挙げられ
る。4官能以上の多価アルコール類(h1ー4)の具体
例としては、ソルビトール、シュークローズ等が挙げら
れる。アルカノールアミン類(h1ー5)の具体例とし
ては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン等が挙げられる。上記低モル付加物(h1−6)の具
体例としては、これら(h1ー1)〜(h1ー5)の具
体例として挙げたものに、エチレンオキサイド及び/又
はプロピレンオキサイドをヒドロキシル基価が300以
上となる範囲内の低モル付加させたものが挙げられる。
【0049】一方、高分子量ポリオール(h2)のう
ち、ポリオキシアルキレンポリオール(h2ー1)とし
ては、低分子量ポリオール(h1)の項で説明した(h
1ー1)〜(h1ー5)の化合物や低分子アミン類、多
価フェノール類等にアルキレンオキサイドを付加したも
のが挙げられる。低分子アミン類としては、エチレンジ
アミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン等の低分子ポリアミンや、nブチルアミン、ステア
リルアミン等の低分子モノアミンが挙げられる。多価フ
ェノール類としては、ハイドロキノン、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられ
る。
【0050】上記付加されるアルキレンオキサイドとし
ては、炭素数2から4のアルキレンオキサイド、例えば
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド及びこれらの併用(併用の場合、ブロックで
もランダム付加でもよい)が挙げられる。ポリオキシア
ルキレンポリオール(h2ー1)の具体例としては、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン
トリオール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
グリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
トリオール、ポリオキシプロピレンテトラオール、ポリ
オキシテトラメチレングリコール等が挙げられる
【0051】。ポリエステルポリオール(h2ー2)と
しては、例えば、下記(h2ー21)〜(h2ー23)
が挙げられる。 (h2ー21)2官能以上の多価アルコール類とジカル
ルボン酸類とを反応させて得られる縮合ポリエステルポ
リオール(h2ー22)ラクトンの開環重合により得ら
れるポリラクトンポリオール(h2ー23)エチレンカ
ーボネートと1、6ヘキサンジオールの反応により得ら
れるポリカーボネートポリオール、縮合ポリエステルポ
リオール(h2ー21)を構成するジカルボン酸類とし
ては、例えば、・脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレ
イン酸、フマル酸等)、・芳香族ジカルボン酸(テレフ
タル酸、イソフタル酸等)、・これらジカルボン酸の無
水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステルもしくは
酸ハライド(酸クロライド等)、及びこれらの2種以上
の混合物があげられる。ポリラクトンポリオール(h2
ー22)に用いるラクトンとしては、例えば、εカプロ
ラクトンが挙げられる。
【0052】これらのポリエステルポリオール(h2ー
2)の具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリ
ブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、
ポリネオペンチルアジペート、ポリエチレンポリプロピ
レンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポ
リブチレンヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレン
アジペート、ポリ(ポリテトラメチレネーテル)アジペ
ート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンセバケー
ト、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンセバゲー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン
ジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
【0053】ポリオレフィンポリオール(h2ー3)の
具体例としては、ポリブタジエンポリオール、水添ポリ
ブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等が
挙げられる。アクリルポリオール(h2ー4)の具体例
としては、ヒドロキシエチルアクリレートとエチルアク
リレートの共重合物、ヒドロキシエチルアクリレートと
エチルアクリレートとスチレンの共重合物等があげられ
る。ヒマシ油系ポリオール(h2ー5)としては、(h
2ー51)ヒマシ油;(h2ー52)ヒマシ油脂肪酸と
多価アルコールやポリオキシアルキレンポリオールとの
ポリエステルポリオール及びこれらの2種以上の混合物
があげられる。(h2ー52)の具体例としては、ヒマ
シ油脂肪酸とトリメチロールプロパンとのモノ、ジ又は
トリエステル;ヒマシ油脂肪酸とポリオキシプロピレン
グリコールとのモノ又はジエステル等が挙げられる。
【0054】重合体ポリオール(h2ー6)としては、
(h2ー1)〜(h2ー5)として例示した高分子量ポ
リオール中で、アクリロニトリル、スチレン等、米国特
許第3383351号明細書等に記載のエチレン性不飽
和単量体を重合して得られるものが挙げられる。重合体
ポリオール(h2ー6)を構成するエチレン性不飽和単
量体単位の含量は、通常0.1〜90重量%、好ましく
は5.0〜80重量%である。重合体ポリオール(h2
ー6)の製造法としては、例えば、ポリオール中でエチ
レン性不飽和単量体を重合開始剤(ラジカル発生剤等)
の存在下に重合させる方法(例えば、米国特許第338
3351号明細書記載の方法)が挙げられる。
【0055】以上活性水素含有化合物(h)として例示
したもののうち特に好ましいものは、ポリオキシアルキ
レンポリオール(h2ー1)のうちのエチレンオキサイ
ド付加物であり、エチレンオキサイド付加物を単独、も
しくは活性水素含有化合物(h)の一部として使用する
ことが好ましい。この場合、活性水素含有化合物(h)
中のオキシエチレン単位の含有量で言うと、10〜95
重量%、特に50〜90重量%とするのが好ましい。エ
チレンオキサイド付加物を使用することにより、水性混
合物とする際の該プレポリマー(c)の分散性が向上す
る。
【0056】低分子量ポリオール(h1)と高分子量ポ
リオール(h2)は、それぞれ単独で用いても併用して
もよく、低分子量ポリオール(h1)と高分子量ポリオ
ール(h2)との使用比率は特に制限はなく、例えば、
発泡体の脆性の改善効果をより高度とする為や、可とう
性の付与効果をより高くするには、重量比で、(h
1):(h2)=(0〜50):(50〜100)とな
るよう、(h2)の使用比率を多くするとよい。他方、
発泡体の剛性をより高くするには、重量比で、(h
1):(h2)=(50〜100):(0〜50)とな
るように(h1)の使用比率を多くするとよい。
【0057】また、該プレポリマー(c)の分子量、粘
度の調整等のため、(h)成分として必要によりモノオ
ール(h3)を併用してもよい。モノオール(h3)と
しては、・メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−
ル、ブタノ−ル、ペンタノ−ル、2−エチルヘキサノ−
ル、ドデカノール等の脂肪族1価アルコール類、・アル
キルフェノ−ル(オクチルフェノール、ノニルフェノー
ル、ドデシルフェノール等)のアルキレンオキサイド
(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)付加
物等が挙げられる。モノオール(h3)の分子量は、通
常(h1)又は(h2)と同じ範囲である。活性水素化
合物(h)中の必要により用いるモノオール(h3)の
割合は、(h)の平均官能基数が通常2以上、好ましく
は2.5以上となる範囲内である。
【0058】上記ウレタンプレポリマー(c)中のNC
O含量は、好ましくは、0.5〜30重量%である。ま
た、ウレタンプレポリマー(c)の性状は、好ましく
は、常温で液状であり、且つ、ある程度の分子量、分子
組成であることが好ましい。その分子量は、好ましくは
1,000〜50,000である。
【0059】ウレタンプレポリマー(c)は、例えば、
反応缶に有機ポリイソシアネートと活性水素含有化合物
を仕込み、温度50〜120℃にて反応することにより
製造できる。本発明における発泡体中のウレタンプレポ
リマー(c)単位の含有量、即ち、発泡体製造時におけ
る全固形分に対する(c)の含有量は、3〜30重量
%、特に5〜25重量%であることが好ましい。
【0060】本発明の発泡体には、物性やコストを考慮
して必要により無機充填材を含有させても良い。無機充
填材としては、セメント、粘土鉱物、無機質軽量骨材、
無機繊維、フライアッシュ、シリカフューム、珪石粉、
セラミック粉、水酸化アルミニウム、アルミナ、硫酸カ
ルシウム等の他非水溶性の無機粉末材料が挙げられる。
更に、発泡体の引張強度、曲げ強度等の 向上のため有
機繊維の含有も可能である。これらの添加量は、特に制
限はなく、通常、リン酸類の分散又は水溶液(a)中の
リン酸の100重量部に対して、1800重量部以下、
好ましくは500重量部以下が適切である。
【0061】本発明の発泡体は、更に高い防火性を付与
するため、難燃剤を加えて発泡硬化させることもでき
る。難燃剤の好ましい例としては、非ハロゲン燐酸エス
テル、ハロゲン含有燐酸エステル、活性水素含有難燃
剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化亜鉛等
が挙げられる。これらは、二種以上併用できる。難燃剤
の使用量はウレタンプレポリマーの100重量部に対し
て、好ましくは40重量部以下、特には0.1〜30重
量部が適切である。
【0062】本発明において、上記リン酸類の分散又は
水溶液(a)、硬化剤(b)、プレポリマー(c)、及
び必要により発泡剤(d)を含む水性混合物中の水の量
は、スラリー化が可能な範囲であれば、必要以上には水
を加える必要はなく、水が多い程発泡硬化したものの乾
燥に時間や手間がかかる。水の量は、混合物中の固形分
の濃度が50〜90重量%程度が好ましい。
【0063】本発明において、有機発泡体を形成するプ
レポリマー(c)の硬化速度を制御するために、例え
ば、触媒を使用することができる。触媒の好ましい例と
しては、ジブチルチンジラウレート、アルキルチタン酸
塩、有機珪素チタン酸塩、スタナスオクトエート、オク
チル酸鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス、ジブ
チル錫ジオルソフェニルフェノキサイト、錫オキサイド
とエステル化合物(ジオクチルフタレート等)の反応生
成物等の金属系触媒、モノアミン類(トリエチルアミン
等)、ジアミン類(N,N,N',N'−テトラメチルエ
チレンジアミン等)、トリアミン類(N,N,N',
N",N"−ペンタメチルジエチレントリアミン等)、環
状アミン類(トリエチレンジアミン等)等のアミン系触
媒等が挙げられる。触媒の量は、プレポリマー(c)の
100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量
部である。
【0064】また、本発明では、形成される発泡体のセ
ル構造を制御するためには、整泡剤を使用することがで
きる。整泡剤の好ましい例としては、シリコン系界面活
性剤が挙げられ、例えば、トーレ・シリコ−ン社製の"
SH−192"、"SH−193"、"SH−194"、東
芝シリコーン社製の"TFA−4200"、・日本ユニカ
ー社製の"L−5320"、"L−5340"、"L−53
50"、信越シリコン社製の"F−121"、"F−12
2"が挙げられる。整泡剤の添加量は、ウレタンプレポ
リマーの100重量部に対して、好ましくは0.001
〜1重量部である。
【0065】本発明において、上記水性混合物を作成
し、これをハニカムのセル内で発泡硬化させる好ましい
具体的方法は次のようである。水性混合物は、好ましく
は、−20℃〜10℃に温度調節されたリン酸類の分散
又は水溶液(a)、硬化剤(b)、プレポリマー
(c)、及び必要により使用される発泡剤(d)、無機
充填材を一括に混合して作成してもよい。また、前記温
度に調節されたリン酸類の分散又は水溶液(a)とプレ
ポリマー(c)を混合した後、硬化剤(b)、及び必要
により使用される発泡剤(d)、無機充填材をそれぞれ
別個に又はこれらを予め混合しスラリー化したものを混
合して作成してもよい。上記各成分の混合においては、
通常ホモミキサー等のバッチ式攪拌混合機の他、スタテ
ィックミキサーやミキシングヘッドを用いた連続式混合
機が用いられるが、混合時間の安定性、定量供給性、攪
拌効率等の点から後述するスパイラルピンミキサーのよ
うな連続式高速攪拌機を用いることが特に好ましい。
【0066】かくして得られた発泡体を形成するスラリ
ー状の水性混合物の温度は、上記のように−15℃〜1
5℃の範囲にせしめられる。かかる混合物をハニカム体
のセル中に充填する方法としては、特に限定はなく、上
記混合物をベルト、紙、不織布又はフィルム上に平面状
に拡散させ、スラリー状混合物を塗布せしめた後、ハニ
カム材を上方から押し付けて充填する方法や、ハニカム
体のセル中にスラリー状の水性混合物を流し込む方法や
吹き付けによる充填方法等が採用される。
【0067】これらの方法では、いずれの場合も、上記
混合物をハニカム体へ充填する際には、混合物が十分な
流動性を有していることが好ましく、本発明においては
上記混合物の温度を上記範囲に制御して発泡速度を制御
したことにより、該混合物を均一に充填することが可能
となる。
【0068】特に上記混合物を平面状に拡散させた後、
ハニカム材を上方から押し付けて充填する方法では、好
ましくは、ドクターブレード等の厚み均一化設備を用い
ることにより、一層均一に拡散、充填させることができ
る。また水性混合物を充填した後、充填したハニカム材
の面に平滑な面材を当接させて十分に固定することが好
ましい。これにより発泡体がハニカム材のセルの外に膨
張することを防止することができる。また、上記混合物
は、全部のセル又はセル全体に充填する必要はない。こ
のようにしてハニカム体の厚み方向に沿ってセルの一部
に発泡体が均一に充填されたハニカム芯材を製造するこ
とができる
【0069】上記混合物は、ハニカム体のセル内に充填
後、好ましくは、常温常圧条件下において、数秒〜数十
分の内に発泡し、次いで硬化が終了して発泡体が形成さ
れる。但し、冬期、気温が低い場合や、工程上発泡硬化
時間を短縮したい場合は、上記混合物がハニカム体のセ
ル内に充填された後、30℃〜80℃程度に加熱しても
よい。その後、必要により80℃〜100℃に加熱して
余剰水を逸散させてもよい。
【0070】このようにして製造される本発明のハニカ
ム芯材は、上記したように優れた特性を有するが、上記
水性混合物に含まれる、特に金属炭酸塩(b1)、軽金
属(b3)又は、発泡剤(d)の添加量を制御すること
により、その比重を0.01〜1.5の広い範囲に調整
できる。特に、本発明の複合発泡体では、比重0.1以
下の低い場合に、発泡体の柔軟性が強く発現し、得られ
るハニカム芯材は優れた柔軟性を有する。
【0071】かくして、本発明では、硬質から軟質のも
のまで、幅広い材質の複合発泡体を有するハニカム芯材
を得ることができる。また、本発明では、得られたハニ
カム芯材の断熱性能もハニカム材の材質の選定及び上記
水性混合物の組成を制御し、特に比重の制御により、例
えば、0.04kcal/m・hr・℃以下の低い熱伝
導率を付与することが可能な上、防火性も不燃材から準
不燃材相当のレベルのものが得られる。
【0072】本発明におけるハニカム芯材の表面材とし
ては、金属板、FRP板、合板、プラスチック板、天然
石板及びその他の無機質板等が挙げられる。なかでも耐
火性、難燃性、強度等の点で、鋼板、アルミニウム合金
板、チタニウム合金板等の金属板、珪酸カルシウム板、
スレート板、石膏板、強化セラッミクス板等の無機質
板、及び、大理石、御影石、ライムストーン、トラバー
チン等の天然石板が好ましい。尚、これらの面材には必
要に応じて塗装、メッキ、プライマー、防錆、抗菌、抗
カビ処理が施される。
【0073】なお、ハニカム芯材と表面材との接合の場
合には、接着剤、ろう材を用いたり、拡散接合等の方法
を用いたりすることができる。なかでも接着剤を使用す
る方法が一般的である。接着剤にはエポキシ系やビニル
フェノリック系等の熱硬化系の接着剤と、合成ゴム系や
酢酸ビニル系等の熱可塑性の接着剤とがあり、その形態
としては、溶液状、ペースト状、固形状、フィルム状等
の形態をなしている。これら、接着剤の選定としては、
表面材及びハニカム材の材質、接着力、硬化条件、接着
設備、耐久性、価額等によって適宜選択される。また、
その接着方法としては、ターンバック法、ピンチローラ
ー法、ホットプレス法、バキュームバック法、オートク
レーブ法等があり、これらの方法は単独又は組み合わせ
て行うことができる。
【0074】
【実施例】以下に、本発明について実施例をあげて更に
具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例によって
制限されるものでないことはもちろんである。 実施例1 タンクAに入れた、液温を0℃に温度調節した第一リン
酸マグネシウムの50重量%水溶液(a−1)、空気中の
水分と反応しないように窒素で置換してタンクCに入れ
た室温のTDIプレポリマー(c−1)、及びタンクB
に入れた塩基性炭酸マグネシウム(b−1)、酸化マグ
ネシウム(b−2)、水酸化アルミニウム(b−3)と
を(b−1)/(b−2)/(b−3)が2/1/3と
なるように混合した粉体混合物を準備した。上記それぞ
れのタンクから、先ず、(a−1)と(c−1)とを
(a−1)/(c−1)が50重量部/5重量部になる
ように取り出し、スパイラルピンミキサー(大平洋機工
社製)で混合攪拌した直後に、上記粉体混合物を振動フ
ィーダーにて30重量部添加してさらに混合することに
よりスラリー状の混合物を得た。
【0075】スパイラルピンミキサーの吐出口から、上
記スラリー状の混合物を、移動するベルトコンベア上の
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に吐
出させながら、ドクターブレードを用いて十分に拡散、
厚みを均一にした。なお、スパイラルピンミキサーの吐
出口での上記混合物の温度は5℃であり、PETフィル
ム上の混合物の塗布量は2.5kg/m2であった。こ
の時上記スラリー状混合物は、上記第一リン酸マグネシ
ウム水溶液を通じて温度調節されていたため、発泡速度
が遅くなり、スラリー上の混合物の厚さを均一化する際
にも十分な流動性を有しているため、ドクターブレード
を用いて部分的な液量のバラツキがほとんどない状態に
拡散、均一化することが可能であった。
【0076】更に、別途に準備した、セルサイズ20m
m、空隙率95.3%、厚さ40mmの珪酸マグネシウ
ムを含有する、JIS―8128に規定される試験にお
いて灰化残留物が77重量%である難燃性ペーパーハニ
カム体を前記水性混合物の上方より載せ、更にその上方
より透明のアクリル板を載せ押圧した状態で室温で滞留
させた。ここで上記水性混合物が5℃という低温である
にもかかわらず、硬化終了までの時間を遅らせることな
く発泡体を形成することが可能となった。形成された発
泡体はハニカム体の厚みの約90%を占めており、各ハ
ニカムセル中の発泡体の含有量(充填量)が均一であ
り、かつ発泡体のセル(泡)も均一で整ったものであっ
た。その後、90℃で2時間加熱乾燥することにより、
余浄水分を揮散させた。得られたハニカム芯材の重量は
3.9kg/m2であった。
【0077】なお、本実施例1及び下記する実施例で使
用したTDIプレポリマー(c−1)とは、以下のもの
を表す。TDI−80(日本ポリウレタン(株)製、商
品名:コロネートT−80)100重量部に対して、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(分
子量2188、エチレンオキサイド60重量%とプロピ
レンオキサイド40重量%とのブロックコポリマー)4
20重量部を反応させてプレポリマーとしたもの。プレ
ポリマーのNCO含量は6.2重量%、数平均分子量1
355で、常温で粘調な樹脂溶液。
【0078】実施例2 タンクAに入れた第一リン酸マグネシウムの50重量%水
溶液(a−1)の液温を−10℃に温度調節し、かつ粉
体混合物中の酸化マグネシウムの代わりに酸化カルシウ
ムを同じ比率で使用した他は、実施例1と全く同様にし
てスラリー状混合物を製造した。
【0079】スパイラルピンミキサーの吐出口から、実
施例1と同様にして、上記スラリー状混合物をドクター
ブレードを用いて十分に拡散、厚みを均一にした。この
時のスパイラルピンミキサーの吐出口での上記混合物の
温度は−2℃であり、PETフィルム上の混合物の塗布
量は2.7kg/m2であった。この際も実施例1と同
様に第一リン酸マグネシウム水溶液を温度調節すること
により、発泡速度が遅くなり、液厚さを十分に均一化す
ることが可能であった。
【0080】更に、別途に準備した、実施例1と同様の
ペーパー状ハニカム体を水性混合物の上方より載せ、更
にその上方より透明のアクリル板を載せ押圧した状態で
室温で滞留させた。この際も前記水性混合物が−2℃と
いう低温であるにもかかわらず、硬化終了までの時間を
遅らせることなく発泡体を形成することが可能となっ
た。
【0081】形成された発泡体は、ハニカム体の厚みの
約90%を占めており、各ハニカムセル中の発泡体の含
有量(充填量)が均一であり、かつ発泡体のセル(泡)
も均一で整ったものであった。その後90℃で2時間加
熱乾燥することにより、余浄水分を揮散させた。得られ
たハニカム芯材の重量は4.0kg/m2であった。
【0082】実施例3 タンクAに入れた、液温を0℃に温度調節した第一リン
酸マグネシウムの50重量%水溶液とモノエタノールア
ミンとを重量比で30:1の割合で混合しリン酸類の一
部を錯体化させたリン酸類混合物(a−2)、空気中の
水分と反応しないように窒素で置換してタンクCに入れ
た室温のTDIプレポリマー(c−1)及びタンクBに
入れた塩基性炭酸マグネシウム(b−1)、酸化マグネ
シウム(b−2)、水酸化アルミニウム(b−3)とを
(b−1)/(b−2)/(b−3)が2/1/3とな
るように混合した粉体混合物を準備した。実施例1と同
様にして、上記それぞれのタンクから、先ず、(a−
2)と(c−1)とを(a−2)/(c−1)が50重
量部/5重量部になるように取り出し、スパイラルピン
ミキサーで混合攪拌した直後に、上記粉体混合物を振動
フィーダーにて30重量部添加してさらに混合すること
により、スラリー状の混合物を得た。
【0083】スパイラルピンミキサーの吐出口から、前
記スラリー状の水性混合物を実施例1と同様にしてドク
ターブレードを用いて十分に拡散、厚みを均一にした。
この時のスパイラルピンミキサーの吐出口での水性混合
物の温度は4℃であり、PETフィルム上のスラリー状
混合物の塗布量は2.6kg/m2であった。この際、
第一リン酸マグネシウム水溶液の温度調節及び水溶性ア
ミンの添加により、混合物の発泡速度が更に遅くなり、
液厚さを十分に均一化することが可能であった。更に、
別途に準備した、実施例1と同様のペーパー状ハニカム
体を水性混合物の上方より載せ、更にその上方より透明
のアクリル板を載せ押圧した状態で室温で滞留させた。
この際も前記水性混合物は、4℃という低温、及び水溶
性アミンの添加にもかかわらず、硬化終了までの時間を
さほど遅らせることなく発泡体を形成することが可能と
なった。形成された発泡体は、ハニカムの厚みの約80
%を占めており、各ハニカムセル中の発泡体の含有量
(充填量)が均一であり、かつ発泡体のセル(泡)も均
一で整ったものであった。その後90℃で2時間加熱乾
燥することにより、余浄水分を揮散させた。得られたハ
ニカム芯材の重量は4.0kg/m2であった。
【0084】実施例4 タンクAに入れた、液温を0℃に温度調節した第一リン
酸マグネシウムの50重量%水溶液(a−1)、空気中
の水分と反応しないように窒素で置換してタンクCに入
れた室温のTDIプレポリマー(c−1)、及びタンク
Bに入れた塩基性炭酸マグネシウム(b−1)、水酸化
アルミニウム(b−3)とを(b−1)/(b−3)が
1/2となるように混合した粉体混合物を準備した。実
施例1と同様にして、上記それぞれのタンクから、先
ず、(a−1)と(c−1)とを(a−1)/(c−
1)が50重量部/5重量部になるように取り出し、ス
パイラルピンミキサーで混合攪拌した直後に、上記粉体
混合物を振動フィーダーにて30重量部添加してさらに
混合することにより、スラリー状混合物を得た。
【0085】スパイラルピンミキサーの吐出口から、前
記スラリー状の混合物を実施例1と同様にしてドクター
ブレードを用いて十分に拡散し、厚みを均一にした。こ
の時のスパイラルピンミキサーの吐出口での水性混合物
の温度は5℃であり、塗布量は2.7kg/m2であっ
た。この際も実施例1と同様に第一リン酸マグネシウム
水溶液を通じて混合物は温度調節されており、発泡速度
が遅くなり、液厚さを十分に均一化することが可能であ
った。更に、別途に準備した、実施例1と同様のペーパ
ー状ハニカム体を水性混合物の上方より載せ、更にその
上方より透明のアクリル板を載せ押圧した状態で室温で
滞留させた。形成された発泡体は、ハニカムの厚みの約
80%を占めており、各ハニカムセル中に充填された発
泡体のセル(泡)が実施例1〜3に比べて若干大きいも
のであった。その後90℃で2時間加熱乾燥することに
より、余浄水分を揮散させた。得られたハニカム芯材の
重量は4.1kg/m2であった。
【0086】比較例1 実施例1において第一リン酸マグネシウムの50重量%
水溶液(a−1)を15℃に温度調節した以外は実施例
1と同様にしてスラリー状混合物をスパイラルピンミキ
サーの吐出口から、移動するベルトコンベア上のPET
フィルム上に厚みができるだけ平滑になるように傾斜板
上を流動させながら吐出させた。この時のスパイラルピ
ンミキサーの吐出口での水性混合物の温度は24℃であ
り、PETフィルム上のスラリー状混合物の塗布量は
2.50kg/m2であった。この際、吐出された水性
混合物はすでに発泡が始まっており、流動性が小さいた
め、ドクターブレードを用いて液厚さを十分に均一化す
ることは極めて困難であった。
【0087】更に、実施例1と同様のペーパー状ハニカ
ム体を水性混合物の上方より載せ、更にその上方より透
明のアクリル板を載せ押圧した状態で室温で滞留させ
た。ここで、ハニカム体を載せる際、すでに水性混合物
の発泡が始まっているため、ハニカムにより発泡途中の
セルの一部を壊すことになった。形成された発泡体は、
ハニカムの厚みの約80%を占めていたが、その充填量
には若干のバラツキがあった。その後90℃で2時間加
熱乾燥することにより、余浄水分を揮散させた。得られ
たハニカム芯材の重量は4.0kg/m2であった。
【0088】比較例2 実施例4において第一リン酸マグネシウムの50重量%
水溶液(a−1)を15℃に温度調節した以外は実施例
4と同様にしてスラリー状混合物をスパイラルピンミキ
サーの吐出口から、移動するベルトコンベア上のPET
フィルム上に厚みができるだけ平滑になるように傾斜板
上を流動させながら吐出させた。この時のスパイラルピ
ンミキサーの吐出口での水性混合物の温度は22℃であ
り、塗布量は2.6kg/m2であった。この際、吐出
された水性混合物はすでに発泡が始まっており、流動性
が小さいため、ドクターブレードを用いて液厚さを十分
に均一化することは極めて困難であった。
【0089】更に、実施例1と同様のペーパー状ハニカ
ム体を水性混合物の上方より載せ、更にその上方より透
明のアクリル板を載せ押圧した状態で室温で滞留させ
た。ここで、ハニカム体を載せる際、すでに水性混合物
の発泡が始まっているため、ハニカムにより発泡途中の
セルの一部を壊すことになった。形成された発泡体は、
ハニカムの厚みの約80%を占めていたが、その充填量
には若干のバラツキがあった。その後90℃で2時間加
熱乾燥することにより、余浄水分を揮散させた。得られ
たハニカム芯材の重量は4.0kg/m2であった。
【0090】比較例3 実施例4において第一リン酸マグネシウムの50重量%
水溶液(a−1)を−25℃に温度調節した以外は実施
例1と同様にしてスラリー状混合物をスパイラルピンミ
キサーの吐出口から、移動するベルトコンベア上のPE
Tフィルム上に吐出させながら、ドクターブレードを用
いて十分に拡散、圧みを均一にした。この時のスパイラ
ルピンミキサーの吐出口での水性混合物の温度は−17
℃であり、塗布量は2.6kg/m2であった。この
際、吐出された水性混合物は、第一リン酸マグネシウム
水溶液を通じて温度調節されていたため、発泡速度が遅
くなり、液厚さを十分に均一化することが可能であっ
た。
【0091】更に、実施例1と同様のペーパー状ハニカ
ム体を水性混合物の上方より載せ、更にその上方より透
明のアクリル板を載せ押圧した状態で室温で滞留させ
た。この際、水性混合物の発泡は遅延したものの、硬化
反応に時間がかかるとともに、できつつある発泡セルが
徐々に壊れ、最終的に硬化が完了したときには発泡体の
沈降が起こっていた。形成された発泡体は、ハニカムの
厚みの約60%を占めており、発泡体のセルは不均一な
ものであった。その後90℃で2時間加熱乾燥すること
により、余浄水を揮散させた。得られたハニカム芯材の
重量は4.0kg/m2であった。
【0092】比較例4 タンクAに入れた、液温を0℃に温度調節した第一リン
酸マグネシウムの50重量%水溶液(a−1)、タンクC
に入れた塩基性炭酸マグネシウム(b−1)、酸化カル
シウム(b−2)、水酸化アルミニウム(b−3)とを
(b−1)/(b−2)/(b−3)が2/1/3とな
るように混合した粉体混合物を準備した。上記それぞれ
のタンクから、(a−1)50重量部に、上記粉体混合
物を振動フィーダーにて30重量部添加して混合するこ
とにより、スラリー状混合物を得た。
【0093】スパイラルピンミキサーの吐出口から、前
記スラリー状混合物を実施例1と同様にしてドクターブ
レードを用いて十分に拡散、厚みを均一にした。この時
のスパイラルピンミキサーの吐出口での水性混合物の温
度は5℃であり、塗布量は2.7kg/m2であった。
この際も実施例1と同様に第一リン酸マグネシウム水溶
液を温度調節することにより、スラリー状混合物の発泡
速度が遅くなり、液厚さを十分に均一化することが可能
であった。更に、別途に準備した、実施例1と同様のペ
ーパー状ハニカム体を水性混合物の上方より載せ、更に
その上方より透明のアクリル板を載せ押圧した状態で室
温で滞留させた。
【0094】形成された発泡体は、ハニカムの厚みの約
50%を占めており、発泡体のセルは崩壊と沈降により
不均一なものであった。その後90℃で2時間加熱乾燥
することにより、余浄水分を揮散させた。得られたハニ
カム芯材の重量は4.0kg/m2であった
【0095】上記実施例及び比較例で得られたハニカム
芯材について、(1)発泡終了時間、(2)硬化終了時
間、(3)流動性、(4)充填均一性、(5)断熱性、
(6)発泡体の抜け落ち性、(7)不燃性を評価した。
その結果を表1に示す。なお、上記項目の評価法は以下
のとおりである。
【0096】(1)発泡混合物の発泡が終了するまでの
時間。 発泡混合物がスパイラルピンミキサーから吐出してから
徐々に立ち上がり、厚み方向の上限に達するまでの時間
を目視により測定した。 (2)発泡混合物の硬化が終了するまでの時間。 発泡混合物がスパイラルピンミキサーから吐出してから
発泡体表面がタックフリーとなるまでの時間を触感によ
り測定した。
【0097】(3)ドクターブレードの使用の可否。 スパイラルピンミキサーから吐出したスラリー状混合物
が流動性をもち、ドクター ブレードによって厚みを均
一化することが可能か否かを目視により判断した。
【0098】(4)ハニカムへの充填均一性。 充填後のハニカム500mm×500mmの各セル毎に
おける充填量(充填高さ)のバラツキをCV値(標準偏
差/平均値 ×100)で評価した。 (5)ハニカム芯材の熱伝導率。 JIS― A1412により測定した。
【0099】(6)発泡体のハニカム体からの抜け落ち
性。 スパン500mmで2点支持した600mm×300m
mの大きさのハニカム芯材を、振幅10mm、100H
zで3分間振動させた後、発泡体の抜け落ち、及びズレ
を目視評価した。 (7)ハニカム芯材の不燃性。 建設省告示第1828号に規定される不燃材料の試験方
法により不燃材料としての合否を評価した。
【0100】
【表1】
【0101】
【発明の効果】本発明による製造方法では、そのハニカ
ムセルへの充填物が、上記無機と有機の複合発泡体であ
ることにより、従来の有機発泡体では得られない難燃
性、不燃性に優れ、かつ従来の無機発泡体では選られな
い柔軟で弾力性を有し、かつ各ハニカムセルにおける複
合発泡体の含有量が均一でバラツキがなく、従って、該
ハニカム芯材から形成されたサンドイッチ構造体も断熱
性や遮音性や剛性などの点でバラツキがなく、均一な性
能を有するハニカム芯材が得られる。
【0102】加えて、ハニカムと充填物との極めて大き
い接着性を有するために、ハニカム体から充填物が抜け
落ちるなどのことがなく、搬送、取り扱いが容易であ
る。また発泡体が柔軟性を有するため製造後の変形が可
能であるため、平板な表面材の取り付けが良好で、且つ
曲面を有する構造体にも適するハニカム芯材が提供され
る。
【0103】更に、ハニカム体のセル内にて、リン酸類
の分散又は水溶液、硬化剤発泡剤及びNCO基を有する
ウレタンポリマーを含む水性混合物を実質的に同時に発
泡硬化させて上記無機発泡体と有機発泡体との複合発泡
体を同時に形成し、かつ上記水性混合物のハニカム体の
セルへの充填における発泡硬化を抑制し、ハニカム体の
各セル内における発泡体の含有量にバラツキが無く、均
一に形成されるハニカム芯材の製造方法が提供される。
【0104】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハニカム芯材に使用されるハニカム体
の幾つかの代表例の斜視図を示す。これらは、それぞれ
セルが以下の形状を有する。(1):六角形状、
(2):円形状、(3):段ボール形状、(4):リブ
形状、(5):折り紙形状。
【符号の説明】
f セルサイズ g 厚み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−231568(JP,A) 特開 平11−277550(JP,A) 国際公開01/38081(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 E04C 2/00 - 2/54 C08J 9/00 - 9/42

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】JIS−A6931に規定されるセルサイ
    ズとして、3〜100mm、及び空隙率として、92〜
    99.5%を有するハニカム体のセルに対し、リン酸類
    の分散又は水溶液(a)、硬化剤(b)、NCO基を有
    するウレタンプレポリマー(c)及び必要により発泡剤
    (d)を含む混合物を、−15〜+15℃に保持して充
    填し、発泡硬化させることを特徴とするサンドイッチ構
    造体用ハニカム芯材の製造方法。
  2. 【請求項2】前記リン酸類の分散又は水溶液(a)を−
    20〜+10℃に保持し、これに対して、硬化剤
    (b)、NCO基を有するウレタンプレポリマー
    (c)、及び必要により発泡剤(d)を混合せしめて前
    記混合物を得る請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】前記ハニカム体の材質が、金属又はJIS
    -P8128に規定される試験において灰化残留物が4
    0%以上の難燃紙である請求項1又は2に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】前記硬化剤(b)が、少なくともアルカリ土
    類金属酸化物及び/又はアルカリ土類金属水酸化物を含
    有している請求項1、2又は3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】前記リン酸類の分散又は水溶液(a)が、
    酸性リン酸塩と水溶性アミン類からなる混合水溶液であ
    る請求項1〜4のいずれか一つに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5記載のいずれかの1つの方法
    で製造されたハニカム芯材の両面に表面材がサンドイッ
    チされたサンドイッチ構造体。
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