JP3148680B2 - 無機有機複合発泡体の製造法 - Google Patents

無機有機複合発泡体の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機有機複合発泡体
の製造法に関する。更に詳しくは、無機質の発泡体構造
を持ち、且つ反応性の弾性ポリマーにより脆性が顕著に
改善された無機有機複合発泡体であって、ウレタンフォ
ームやスチレンフォームのような柔軟性、反発弾性のあ
るフォームと比べても遜色ないものとすることができ、
且つ防火性能を兼備する無機有機複合発泡体の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リン酸類の発泡体が常温常圧条件
下でも発泡体の形成が可能な無機質発泡体として提案さ
れている(例えば、特公昭56−36145号公報)。
この公報記載の発泡体は、リン酸金属塩等のリン酸類
と、多価金属炭酸塩等の発泡剤とを撹拌混合し、発泡硬
化させることにより発泡体を得るというものであって、
次のような特徴を有するため、パネル等の定型材はもち
ろん、開口部を埋めるための不定形充填材にも適用が考
えられる等、従来にない優れた材料として位置付けるこ
とができる。 (1)得られる発泡体は不燃性、耐火性に優れる。 (2)発泡体の作成においては、広範囲での比重コント
ロールを容易に行うことができる。 (3)自己発泡性をもつ。
【0003】しかし、リン酸類の発泡体は、完全な無機
材料であるが故に脆くて、少々の力でも泡が破壊されて
元に戻らない欠点があり、特に、低比重の大型パネルを
作成した場合、触っただけで表層が崩れる、パネル強度
が弱すぎて持ち運びができない等の問題があるため、実
用性にかなう材料といえるものではなかった。このよう
なリン酸類の発泡体の欠点を改善する手段として、SB
R等の樹脂エマルジョンを系内に添加する方法が提案さ
れている(例えば、特開平6−24869号公報)。こ
の方法では、リン酸類の発泡体の特徴である優れた不燃
性、耐熱性を損なわない程度の樹脂エマルジョンを添加
することにより、発泡体の強度を向上し、高発泡倍率の
発泡体でも実用性に優れる材料を得ることができるとし
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リン酸類の発
泡体の強度は樹脂エマルジョン添加により、大きく改善
されたものの、本質的には脆性材料であって、高発泡倍
率の発泡体の脆さについては十分な改質は難かしく、更
にウレタンフォームやスチレンフォームのような柔軟
性、反発弾性のあるフォームを得ることはなおさら困難
であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のリ
ン酸類の発泡体のこれらの問題点を解決すべく鋭意検討
した結果、上記樹脂エマルジョンとは違って反応性を有
し、弾性も有するポリマーである、NCO基を有するウ
レタンプレポリマーを用いた発泡体を得た。又、本発明
者らの検討の結果、このプレポリマーを用いると、高発
泡倍率の発泡体とした場合は、有機無機複合体であるに
もかかわらず、軟質ウレタンフォームと見間違える程の
柔軟性と反発弾性を有する発泡体が得られ、この発泡倍
率は軟質から硬質まで調整でき、且つ軟質、硬質の何れ
の場合も脆性が著しく改善される知見を得た。
【0006】すなわち本発明は、リン酸類(a)、比表
面積が2.5m2/g以下の炭酸カルシウム(b)、N
CO基を有するウレタンプレポリマー(c)、水及び必
要により無機充填材(d)を混合することにより発泡硬
化させる無機有機複合発泡体の製造法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の製造法により得られる無
機有機複合発泡体は、リン酸類(a)と、炭酸カルシウ
ム(b)とが反応して発泡した無機質の発泡体構造を有
し、NCO基を有するウレタンプレポリマー(c)によ
り脆性が改善されたものである。炭酸カルシウム(b)
はリン酸類(a)と反応して無機質の骨格を形成すると
同時に二酸化炭素を発生する。この二酸化炭素により、
発泡が起こる。二酸化炭素の発生速度は炭酸カルシウム
の比表面積によって変動し、比表面積が大きいと速く、
比表面積が小さいと遅くなる。二酸化炭素の発生速度が
速すぎると、無機質の骨格の強度が出ないうちに発泡が
起こるため、発泡体の崩壊が起こる。従って、炭酸カル
シウムの比表面積を限定する必要があり、本発明の製造
法では、2.5m2 /g以下とする。該プレポリマー
(c)は反応性の弾性ポリマーであり、水等の活性水素
を有する化合物との反応性を有するNCO基を有する。
本発明の発泡体製造法は該プレポリマー(c)が反応硬
化して形成される弾性ポリマーにより発泡体の脆性を改
善するものである。また本発明では、リン酸類(a)、
水及び必要により無機充填材(d)の混合物である成分
(A)と、炭酸カルシウム(b)を該プレポリマー
(c)に分散させた成分(B)の2液を混合し、反応さ
せることによって無機有機複合発泡体を得ることが可能
である。2液混合は3成分以上の混合に較べて、混合機
械の簡素化や、混合比率の精度アップなどの優位点があ
り、ウレタン発泡などに用いられる低圧発泡機や、RI
M発泡機などによる混合も容易である。成分(B)の粘
度は該プレポリマー(c)の粘度及び炭酸カルシウム
(b)の比表面積によって変動する。炭酸カルシウム
(b)の比表面積が大きいと成分(B)の粘度は高く、
比表面積が小さいと粘度は低くなる。
【0008】本発明において、リン酸類(a)として
は、例えば、リン酸、亜リン酸、無水リン酸、縮合リン
酸、これらの多価金属塩及びこれらの二種以上の混合物
が挙げられる。このうちリン酸の多価金属塩としては、
第一リン酸多価金属塩、第二リン酸多価金属塩、第三リ
ン酸多価金属塩がある。また、上記多価金属塩を構成す
る金属としては、マグネシウム、カルシウム、アルミニ
ウム、亜鉛、バリウム、鉄等が挙げられる。これら多価
金属成分は、リン酸多価金属塩、亜リン酸多価金属塩等
の形で添加する方法の他に、リン酸、亜リン酸と化学的
に活性な金属化合物、例えば、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム等の多価金属酸化物や、水酸化アルミニウム
ゲル、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の多価
金属水酸化物等をリン酸、亜リン酸等と別々に系内に添
加し、系内で反応させる方法をとることもできる。リン
酸類(a)として例示したもののうち好ましいものは、
リン酸、第一リン酸マグネシウム、第一リン酸アルミニ
ウム、第一リン酸亜鉛およびこれらの二種以上の混合物
であり、特に好ましいものは、リン酸、第一リン酸マグ
ネシウム、第一リン酸アルミニウムおよびこれらの2種
以上の混合物である。
【0009】リン酸類(a)の含有量は、本発明の製造
法により得られる発泡体を構成する全成分中通常3〜5
0重量%であり、又、本発明の発泡体中のリン原子の含
有量に換算した好ましい範囲で言えば、3〜20重量
%、特に4〜18重量%である。リン原子の含有量が3
重量%未満では得られる発泡体の防火性能が低下する。
リン原子の含有量が20重量%を超えると、該プレポリ
マー(c)の分散性が低下し、又均一な発泡構造が得ら
れなくなることもある。
【0010】炭酸カルシウム(b)としては、重質炭酸
カルシウム、軽質炭酸カルシウム他あらゆる種類の炭酸
カルシウムが使用できる。(b)の量は、軟質から硬質
迄の幅広い範囲の所望の発泡倍率に応じて決めればよ
い。(b)の量は、(a)と(b)を混合した際によく
混ざる範囲であれば特に制限はないが、リン酸類(a)
100重量部に対して、通常0.1〜200重量部、好
ましくは1〜100重量部である。炭酸カルシウム
(b)の比表面積は所望の発泡させる速度に応じて決め
ればよいが、比表面積が大きすぎると発泡体の崩壊が起
こるため、通常2.5m2/g以下、好ましくは2.0
2/g以下である。また炭酸カルシウム(b)と併用
して、他の発泡剤を使用してもよい。他の発泡剤として
は、該プレポリマー(c)が系内の水により炭酸ガスが
発生し発泡の一部とすることもできる。また、(c)中
に加熱により分解する有機系発泡剤(ジニトロソペンタ
メチレンテトラミンやNN’ジメチルNN’ジニトロソ
テレフタールアミドなどのニトロソ系発泡剤、ベンゼン
スルホニルヒドラジドアゾジカルボンアミドやp−トル
エンスルホニルヒドラジドやp、p’−オキシビス(ベン
ゼンスルホニルヒドラジド3−3’ジスルホヒドラジド
ジフェニルスルフホンなどのスルホヒドラジド系発泡
剤、アゾビスイソブチロニトリルやアゾビスホルムアミ
ドやジエチルアゾジカルボキシレートなどのアゾ系発泡
剤など)をあらかじめ混合し、加熱により二次発泡させ
る方法もとることができる。また炭酸ナトリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭
酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム,塩基性炭酸亜鉛等の炭酸塩化合物を併用してもよ
い。
【0011】本発明において、該プレポリマー(c)と
しては、有機ポリイソシアネート化合物(n)と活性水
素含有化合物(h)とから誘導され、且つNCOを分子
内に有するものが挙げられる。有機ポリイソシアネート
化合物(n)としては、例えば、下記(n1)〜(n
5)が挙げられる。但し、(n1)〜(n5)における
炭素数は、NCO基中の炭素数を除く値である。 (n1)炭素数2〜12の脂肪族ポリイソシアネート (n2)炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート (n3)炭素数8〜12の芳香脂肪族ポリイソシアネー
ト (n4)炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート (n5)(n1)〜(n4)のポリイソシアネートの変
成物
【0012】脂肪族ポリイソシアネート(n1)の具体
例としては、 ・エチレンジイソシアネート、 ・テトラメチレンジイソシアネート、 ・ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、 ・ドデカメチレンジイソシアネート、 ・2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、 ・リジンジイソシアネート、 ・1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート が挙げられる。脂環族ポリイソシアネート(n2)の具
体例としては、 ・イソホロンジイソシアネート(IPDI)、 ・ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト(水添MDI)、 ・1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、 ・メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート
(水添TDI)、 ・1,4−ビス(2イソシアネートエチル)シクロヘキ
サン 等が挙げられる。
【0013】芳香脂肪族ポリイソシアネート(n3)の
具体例としては、 ・p−キシリレンジイソシアネート、 ・テトラメチルキシレンジイソシアネート 等が挙げられる。芳香族ポリイソシアネート(n4)の
具体例としては、 ・1,4−フェニレンジイソシアネート、 ・2,4−または2,6−トルエンジイソシアネート
(TDI)、 ・ジフェニルメタン−2,4’−または4、4’−ジイ
ソシアネート(MDI) ・ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、 ・3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジ
イソシアネート、 ・粗製TDI、 ・ポリフェニルメタンポリイソシアネート[通称粗製M
DI:アニリン等の芳香族アミンまたはその混合物と、
ホルムアルデヒドとの縮合物(ジアミノジフェニルメタ
ンと、少量、例えば1〜20重量%の3個以上のアミノ
基を有するポリアミンとの混合物となる)の、フォスゲ
ン化物である。] 等が挙げられる。
【0014】(n1)〜(n4)のポリイソシアネート
の変性物(n5)の具体例としては、(n1)〜(n
4)として上記に例示したポリイソシアネートのイソシ
アネート基の代わりに、カーボンアミド基、ウレチジオ
ン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビューレット基、イ
ソシアヌレート基、ウレタン基等を導入した変性物が等
が挙げられる。これら有機ポリイソシアネート化合物
(n)の選択には、特に限定はなく、発泡体の物性およ
びコストに合わせ、単独もしくは任意の組み合わせでウ
レタンプレポリマーを誘導するための成分として使用す
ることができる。
【0015】活性水素含有化合物(h)としては、例え
ば、低分子量ポリオール(h1)および高分子量ポリオ
ール(h2)が挙げられる。ここで、(h1)と(h
2)の各分子量の範囲をヒドロキシル基価で示すと、
(h1)のヒドロキシル基価は、通常300〜1000
又はそれ以上、好ましくは350〜800である。又、
(h2)のヒドロキシル基価は、通常300未満、好ま
しくは20〜250、特に50〜200である。又、活
性水素含有化合物(h)の官能基数は(h1)、(h
2)の何れの場合も通常2〜8又はそれ以上である。
【0016】低分子量ポリオール(h1)としては、下
記(h1−1)〜(h1−6)が挙げられる。 (h1−1)脂肪族2価アルコール類 (h1−2)環状基を有する低分子ジオール類 (h1−3)3価アルコール類 (h1−4)4官能以上の多価アルコール類 (h1−5)アルカノールアミン類 (h1−6)(h1−1)〜(h1−5)の化合物の、
エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイ
ドの低モル付加物
【0017】一方高分子量ポリオール(h2)としては
下記(h2−1)〜(h2−6)が挙げられる。 (h2−1)ポリオキシアルキレンポリオール (h2−2)ポリエステルポリオール (h2−3)ポリオレフィンポリオール (h2−4)アクリルポリオール (h2−5)ヒマシ油系ポリオール (h2−6)重合体ポリオール
【0018】低分子量ポリオール(h1)のうち、脂肪
族2価アルコール類(h1ー1)の具体例としては、エ
チレングリコール、ジエチレングルコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1、4ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1、6ヘキサンジオ
ール、1、8オクタメチレンジオール等が挙げられる。
環状基を有する低分子ジオール類(h1−2)の具体例
としては、1、4ビス(2ヒドロキシエトキシフェニ
ル)プロパンなどが挙げられる。3価アルコール類(h
1−3)の具体例としては、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ヘキサントリオールなどが挙げられる。4
官能以上の多価アルコール類(h1−4)の具体例とし
ては、ソルビトール、シュークローズなどが挙げられ
る。アルカノールアミン類(h1−5)の具体例として
は、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン
等が挙げられる。上記低モル付加物(h1−6)の具体
例としては、これら(h1−1)〜(h1−5)の具体
例として挙げたものに、エチレンオキサイドおよび/ま
たはプロピレンオキサイドをヒドロキシル基価が300
以上となる範囲内の低モル付加させたものが挙げられ
る。
【0019】一方、高分子量ポリオール(h2)のう
ち、ポリオキシアルキレンポリオール(h2−1)とし
ては、低分子量ポリオール(h1)の項で説明した(h
1−1)〜(h1−5)の化合物や、低分子アミン類、
多価フェノール類などにアルキレンオキサイドを付加し
たものが挙げられる。低分子アミン類としては、エチレ
ンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミンなどの低分子ポリアミンや、nブチルアミン、
ステアリルアミン等の低分子モノアミンが挙げられる。
多価フェノール類としては、ハイドロキノン、ビスフェ
ノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどが
挙げられる。付加するアルキレンオキサイドとしては、
炭素数2から4のアルキレンオキサイド、例えばエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イドおよびこれらの併用(併用の場合、ブロックでもラ
ンダム付加でもよい)が挙げられる。ポリオキシアルキ
レンポリオール(h2−1)の具体例としては、ポリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリ
オール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリ
コール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリ
オール、ポリオキシプロピレンテトラオール、ポリオキ
シテトラメチレングリコール等が挙げられる。
【0020】ポリエステルポリオール(h2−2)とし
ては、例えば、下記(h2−21)〜(h2−23)が
挙げられる。 (h2−21)2官能以上の多価アルコール類とジカル
ボン酸類とを反応させて得られる縮合ポリエステルポリ
オール (h2−22)ラクトンの開環重合により得られるポリ
ラクトンポリオール (h2−23)エチレンカーボネートと1、6ヘキサン
ジオールの反応により得られるポリカーボネートポリオ
ール
【0021】縮合ポリエステルポリオール(h2−2
1)を構成するジカルボン酸類としては、例えば、 ・脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル
酸など)、 ・芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸
等)、 ・これらジカルボン酸の無水物、低級アルキル(炭素数
1〜4)エステルもしくは酸ハライド(酸クロライドな
ど) およびこれらの2種以上の混合物があげられる。ポリラ
クトンポリオール(h2−22)に用いるラクトンとし
ては、例えば、εカプロラクトンが挙げられる。
【0022】これらのポリエステルポリオール(h2−
2)の具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリ
ブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、
ポリネオペンチルアジペート、ポリエチレンポリプロピ
レンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポ
リブチレンヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレン
アジペート、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジ
ペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンセバケ
ート、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンセバゲー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン
ジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられ
る。
【0023】ポリオレフィンポリオール(h2−3)の
具体例としては、ポリブタジエンポリオール、水添ポリ
ブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等が
挙げられる。アクリルポリオール(h2−4)の具体例
としては、ヒドロキシエチルアクリレートとエチルアク
リレートの共重合物、ヒドロキシエチルアクリレートと
エチルアクリレートとスチレンの共重合物等があげられ
る。ヒマシ油系ポリオール(h2−5)としては、(h
2−51)ヒマシ油;(h2−52)ヒマシ油脂肪酸と
多価アルコールやポリオキシアルキレンポリオールとの
ポリエステルポリオールおよびこれらの2種以上の混合
物があげられる。(h2−52)の具体例としては、ヒ
マシ油脂肪酸とトリメチロールプロパンとのモノ、ジま
たはトリエステル;ヒマシ油脂肪酸とポリオキシプロピ
レングリコールとのモノまたはジエステルなどが挙げら
れる。
【0024】重合体ポリオール(h2−6)としては、
(h2−1)〜(h2−5)として例示した高分子量ポ
リオール中で、アクリロニトリル、スチレン等、米国特
許第3383351号明細書等に記載のエチレン性不飽
和単量体を重合して得られるものが挙げられる。重合体
ポリオール(h2−6)を構成するエチレン性不飽和単
量体単位の含量は、通常0.1〜90重量%、好ましく
は5.0〜80重量%である。重合体ポリオール(h2
−6)の製造法としては、例えば、ポリオール中でエチ
レン性不飽和単量体を重合開始剤(ラジカル発生剤な
ど)の存在下に重合させる方法(例えば、米国特許第3
383351号明細書記載の方法)が挙げられる。
【0025】以上活性水素含有化合物(h)として例示
したもののうち特に好ましいものは、ポリオキシアルキ
レンポリオール(h2−1)のうちのエチレンオキサイ
ド付加物であり、エチレンオキサイド付加物を単独、も
しくは活性水素含有化合物(h)の一部として使用する
ことが好ましい。この場合、活性水素含有化合物(h)
中のオキシエチレン単位の含有量で言うと、10〜95
重量%、特に50〜90重量%とするのが好ましい。エ
チレンオキサイド付加物を使用することにより、水性混
合物とする際の該プレポリマー(c)の分散性が向上す
る。
【0026】低分子量ポリオール(h1)と高分子量ポ
リオール(h2)は、それぞれ単独で用いても併用して
もよく、(h1)と(h2)との使用比率は特に制限は
なく、例えば、発泡体の脆性の改善効果をより高度とす
る為や、可とう性の付与効果をより高くするには、重量
比で、(h1):(h2)=(0〜50):(50〜1
00)となるよう、(h2)の使用比率を多くするとよ
い。他方、発泡体の剛性をより高くするには、重量比
で、(h1):(h2)=(50〜100):(0〜5
0)となるよう、(h1)の使用比率を多くするとよ
い。
【0027】又、該プレポリマー(c)の分子量、粘度
の調整等のため、(h)成分として必要によりモノオー
ル(h3)を併用してもよい。モノオール(h3)とし
ては、 ・メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノ
ール、ペンタノール、2−エチルヘキサノール、ドデカ
ノール等の脂肪族1価アルコール類、 ・アルキルフェノール(オクチルフェノール、ノニルフ
ェノール、ドデシルフェノール等)のアルキレンオキサ
イド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)
付加物 等が挙げられる。モノオール(h3)の分子量は、通常
(h1)又は(h2)と同じ範囲である。活性水素化合
物(h)中の必要により用いるモノオール(h3)の割
合は、(h)の平均官能基数が通常2以上、好ましくは
2.5以上となる範囲内である。
【0028】該プレポリマー(c)中のNCO含量は、
好ましくは、0.5〜30重量%である。また、ウレタ
ンプレポリマー(c)の性状については、特に限定はな
いが、常温で液状であり、且つ、ある程度の分子量、分
子組成であることが好ましく、(c)の分子量は好まし
くは1,000〜50,000である。該プレポリマー
(c)の製法を例示すると、例えば、反応缶に有機ポリ
イソシアネート(n)と活性水素含有化合物(h)を仕
込み、反応温度50〜120℃で反応すれば製造でき
る。本発明により得られる発泡体中の該ウレタンプレポ
リマー(c)単位の含有量、即ち、発泡体製造時におけ
る全固形分に対する(c)の含有量は、5〜30重量
%、特に10〜25重量%であることが好ましい。含有
量が5重量%未満では発泡体の脆性改善効果が低下し、
30重量%より多いと防火性能が低下する。
【0029】本発明において、物性やコストを考慮して
必要により無機充填材(d)を使用しても良い。無機充
填材(d)としては、例えば下記(d1)〜(d5)が
挙げられる。 (d1)セメント:ポルトラントセメント、シリカセメ
ント、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシ
ュセメント、白色セメント等 (d2)粘土鉱物:モリロナイト、ベントナイト、雲
母、セリサイト、カオリン、タルク、フィライト、ゼオ
ライト等 (d3)無機質軽量骨材:パーライト、シラスバルーン
等 (d4)無機繊維:カーボン繊維、アスベスト、ロック
ウール、ガラス繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、スチール繊維等 (d5)その他非水溶性の無機粉末材料:フライアッシ
ュ、シリカフューム、珪石粉、セラミック粉、水酸化ア
ルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸等 但し、2成分混合による発泡体成形をおこなう場合は、
(d1)等のリン酸との反応性を有する物質の使用は好
ましくない。
【0030】以上(d)として例示したものの選択には
特に限定はなく、発泡体の物性、コスト等の要求に合わ
せて単独もしくは任意の組み合わせで添加すればよい。
例えば、セメント(d1)の添加により発泡体の硬度が
向上する。セメント(d1)の内では、アルミナセメン
トが、セメントの内でもアルカリ性が低いため、該リン
酸類(a)との反応性が低い点で好ましい。無機繊維
(d4)の添加により、発泡体の引張強度、曲げ強度等
の向上や発泡体中の有機物が仮に燃えてしまった後の形
状保持性を向上させる。又、(d5)のうちの水酸化ア
ルミニウムや炭酸カルシウムは、添加することにより防
火性能を向上させる。その他(d)として例示したもの
は、主としてコスト・ダウンのための増量材的な用い方
ができる。(d)の添加量は特に制限はなく、通常、リ
ン酸類(a)100重量部に対して、1800重量部以
下、好ましくは500重量部以下である。上記無機繊維
(d4)に代えるか併用して、有機繊維の使用も可能で
あり、有機繊維も発泡体の引張強度、曲げ強度等の向上
効果がある。有機繊維としては、ビニロン繊維、ポリア
ミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリプロ
ピレン繊維、セルロース繊維等が挙げられる。但し、有
機繊維の使用量は、発泡体の防火性能の要求レベルを考
慮して支障のない範囲とする必要がある。
【0031】本発明の製造法によって得られる発泡体
は、(c)の含有量を前記好ましい範囲とすれば、かな
り高い防火性を有しているが、更に高い防火性を付与す
るため、難燃剤を成分に加えて発泡硬化させることもで
きる。難燃剤としては、非ハロゲン燐酸エステル(トリ
フェニルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフ
ェート、アンモニウムポリフォスフェートなど)、ハロ
ゲン含有燐酸エステル(トリスクロロエチルフォスフォ
ネート、トリスジクロロプロピルフォスフェート、トリ
ス(トリブロモフェニル)フォスフェート、トリスジブ
ロモプロピルフォスフェートなど)、活性水素含有難燃
剤(ジ(イソプロピル)N、Nビス(2ヒドロキシエチ
ル)アミノメチルフォスフェート、臭素化ビスフェノー
ルAのアルキレンオキサイド付加物など)、三酸化アン
チモン、五酸化アンチモン、酸化亜鉛等があげられる。
以上例示したものは、一種または二種以上使用してもよ
い。難燃剤の使用量は通常ウレタンプレポリマー100
重量部に対して、40重量部以下、好ましくは、0.1
〜30重量部である。
【0032】本発明において使用する水の量は、リン酸
類(a)、炭酸カルシウム(b)、該プレポリマー
(c)、水及び必要により無機充填材(d)からなる成
分を混合する際に、水スラリー化が可能な範囲であれ
ば、必要以上には水を加える必要はなく、水が多い程発
泡硬化したものの乾燥に時間や手間がかかる。水の量は
特に制限はないが、通常混合物の濃度が50〜90重量
%程度となる量である。
【0033】本発明の方法において、該プレポリマー
(c)の硬化速度をコントロールするためには、例え
ば、触媒を添加すればよい。触媒としては、 ・ジブチルチンジラウレート、アルキルチタン酸塩、有
機珪素チタン酸塩、スタナスオクトエート、オクチル酸
鉛、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス、ジブチル錫
ジオルソフェニルフェノキサイト、錫オキサイドとエス
テル化合物(ジオクチルフタレート等)の反応生成物等
の金属系触媒、 ・モノアミン類(トリエチルアミン等)、ジアミン類
(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
等)、トリアミン類(N,N,N’,N”,N”−ペン
タメチルジエチレントリアミン等)、環状アミン類(ト
リエチレンジアミン等)等のアミン系触媒等が挙げられ
る。触媒は、金属系およびアミン系単独または金属系お
よびアミン系を併用して使用してもよい。触媒の配合量
は、通常プレポリマー(c)100重量部に対して10
重量部以下、好ましくは0.001〜5重量部である。
【0034】本発明の方法において、発泡体のセル構造
をコントロールするためには、整泡剤を添加すればよ
い。整泡剤としては、従来公知のシリコン系活性剤が挙
げられ、例えば、 ・トーレ・シリコーン社製のSH−192、SH−19
3、SH−194等、 ・東芝シリコーン社製のTFA−4200等、 ・日本ユニカー社製のL−5320、L−5340、L
−5350等、 ・信越化学社製のF−121、F−122等 等が挙げられる。整泡剤の添加量は、ウレタンプレポリ
マー100重量部に対して、通常3重量部以下、好まし
くは0.001〜1重量部である。
【0035】本発明の方法において、各成分を混合する
ことにより発泡硬化させる方式としては、下記の[1]
から[5]に例示するような種々の方式がある。 [1]リン酸類(a)、炭酸カルシウム(b)、該プレ
ポリマー(c)、水及び必要により無機充填材(d)を
一括に投入混合し、発泡硬化させる方式。 [2]リン酸類(a)、該プレポリマー(c)および水
を混合した後、炭酸カルシウム(b)および必要により
無機充填材(d)を併せて投入し混合、発泡硬化させる
方式。 [3]リン酸類(a)と該プレポリマー(c)を混合し
た後、あらかじめ、炭酸カルシウム(b)、水および必
要により無機充填材(d)を混合してスラリー化したも
のを投入混合し、発泡硬化させる方式。 [4]リン酸類(a)、該プレポリマー(c)と水の一
部を混合した後、あらかじめ炭酸カルシウム(b)およ
び必要により無機充填材(d)と水の残りとを混合して
スラリー化したものを投入混合し、発泡硬化させる方
式。 [5]リン酸類(a)、水及び必要により無機充填材
(d)の混合物である成分(A)と、炭酸カルシウム
(b)を該プレポリマー(c)に分散させた成分(B)
の2液を混合し、発泡硬化させる方式。 これらの内、好ましいのは、[1]、[2]、[4]お
よび[5]の方式であり、特に好ましいのは[5]の方
式である。
【0036】本発明の方法により常温常圧条件下、上記
方式に基づき各成分を混合後、静置することにより無機
有機複合発泡体が得られる。混合溶液(スラリー)は、
静置後、数分〜数十分の内に発泡し、次いで硬化が終了
し、発泡体を形成する。但し、冬期、気温が低いケース
や、工程上発泡硬化時間を短縮したいケースについて
は、静置中、50℃程度に加熱してもよい。
【0037】本発明の方法により、 型枠中に混合物を流し込んで成形した本発明の発泡体
とすることもでき、 壁面等の任意の基材へ塗布したり、任意の空隙へ充填
した本発明の発泡体とすることもできる。成型体の場合
は、任意の形状の型枠等(例えば、大型パネルの型枠
等)を用いて上記に例示した方式で発泡体とすればよ
い。塗布する場合は、上記の方式で混合したものを吹き
付けやこて塗等で、発泡体とすればよい。
【0038】本発明の製造法において、炭酸カルシウム
(b)の使用量を加減することにより、得られる発泡体
の比重を広範囲に調整できる。また、得られる発泡体は
比重0.1以下の低比重時においても、発泡表面に脆さ
はなく、組成および配合上の調整から、硬質から軟質も
のまで、幅広い材質の発泡体を得ることができる。又発
泡体の断熱性能も比重のコントロールにより、例えば、
0.03kcal/m・hr・℃以下の低い熱伝導率を
付与することが可能な上、防火性も不燃材から準不燃材
相当のレベルである等、グラスウール、硬質ウレタンフ
ォームといった既存の断熱材と比較しても、優れた特性
を持つ材料と位置づけられる。したがって、本発明の発
泡体は、大型外壁パネルや内壁パネルの断熱材,防音
材,防耐火材、耐火被覆材、軽量骨材、耐火金庫用の断
熱材等として用いることが出来る。
【0039】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが、
本発明はこれに限定される物ではない。製造例、実施例
及び比較例中の部は重量部である。 製造例1 [該プレポリマー(c)の製造] 4口セパラブルコルベンに必要な原材料成分を仕込み、
90度で5時間反応させる方法により、下記のNCO基
を有するウレタンプレポリマーc−1〜c−3を得た。
【0040】c−1:TDI[日本ポリウレタン(株)
製、商品名:コロネートT−80]100重量部に対し
て、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコー
ル[分子量2188、エチレンオキサイド20重量%と
プロピレンオキサイド80重量%とのブロックコポリマ
ー、三洋化成工業(株)製、商品名:ニュ−ポールPE
−62]420重量部を反応させプレポリマーとしたも
の。プレポリマーのNCO含量は6.2%、数平均分子
量1355で、常温で粘調な樹脂溶液。 c−2:粗製MDI(日本ポリウレタン(株)製、商品
名「ミリオネートMR−100)100重量部に対し
て、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオー
ル(分子量3000、グリセリンプロピレンオキサイド
付加物にエチレンオキサイドを付加したもの、三洋化成
工業(株)製、商品名サンニックスGL−3000)1
50重量部を反応させプレポリマーとしたもの。プレポ
リマーのNCO含量は10.0%、数平均分子量127
6で、常温で粘調な樹脂溶液。 c−3:MDI(BASF製:商品名ルプラネートM
I)100重量部に対して、エチレンブチレンアジペー
ト[分子量1000、三洋化成工業(株)製、商品名:
サンエスターNo.22)133重量部とポリエチレン
グリコール[分子量400、三洋化成工業(株)製、商
品名:PEG400]26重量部を反応させプレポリマ
ーとしたもの。プレポリマーのNCO含量は6.5%、
数平均分子量1300で、常温で粘調な樹脂溶液。
【0041】実施例1〜2、比較例1〜2 実施例1〜2、比較例1〜2各々下記表1の組成に基づ
き、リン酸類(a)、該プレポリマー(c)および水道
水をホモミキサーで均一に攪拌した。得られた攪拌混合
物に更に、実施例1〜2は炭酸カルシウム(b)を添加
し、比較例1は難燃剤、比較例2は炭酸カルシウム
(b)及び無機充填材(d)を添加して、各々攪拌混合
した後、型枠(50×30×3cm)に流し込み、自由発
泡させて実施例1〜2、比較例1〜2の成形した発泡体
を得た。
【0042】実施例3〜4 実施例3〜4各々下記表2の組成に基づき、リン酸類
(a)、水道水および必要により無機充填材(d)をホ
モミキサーで均一に攪拌し、成分(A)を作成した。つ
いで下記表2の組成に基づき、炭酸カルシウム(b)、
該プレポリマー(c)及び必要により難燃剤を万能混合
機にて均一に混合し、成分(B)を作成した。得られた
成分(A)と成分(B)とを、ホモミキサーで攪拌混合
した後、型枠(50×30×3cm)に流し込み、自由発
泡させて実施例3〜4の成形した発泡体を得た。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】注1)略記号で示す化合物は次のとおり。 (a)リン酸類 a−1:第一リン酸アルミニウム a−2:リン酸 a−3:第一リン酸マグネシウム (b)炭酸カルシウム b−1:「R重炭」:丸尾カルシウム(株)製炭酸カル
シウム;比表面積0.3m2/g b−2:「重質炭酸カルシウム」:丸尾カルシウム
(株)製炭酸カルシウム;比表面積0.7m2/g b−3:「スーパーSS」:丸尾カルシウム(株)製炭
酸カルシウム;比表面積1.0m2/g b−4:「エスカロン#2000」:三共製粉(株)製
炭酸カルシウム;比表面積2.0m2/g (c )該プレポリマー c−1、c−2、c−3:製造例1で得られたプレポリ
マー (d)無機充填材 d−1:水酸化アルミニウム d−2:アルミナセメント d−3:シラスバルーン[サンキ工業(株),商品名:
サンキライトYo.2] 2)比較例2については、難燃剤として日本油脂(株)
製、ハロゲン含有リン酸エステル(商品名;3PC−
R)を予め該プレポリマー(c)に添加するして均一撹
拌して用いた。 3)表1中の(C)(%)は、発泡体製造時における全
固形分に対する該プレポリマー(c)の量(重量%)で
あり、P(%)は、得られる発泡体中のリン原子の含量
(重量%)の計算値である。
【0046】試験例1 [実施例1〜4、比較例1〜2
の発泡体の評価] 製造例2、3で得た実施例1〜4及び比較例1〜2の発
泡体を、通気のよい室内に1カ月放置し、次いで40℃
の乾燥機中で120時間乾燥させた後、デシケータ中に
24時間放置したものを、下記試験方法による試験に供
した。 [発泡体の物性等の試験方法] (1)圧縮強度 JIS K−7220(硬質発泡プラスチックの圧縮試
験方法) (2)熱伝導率 JIS A−1412(保温板の熱伝導率測定方法) (3)発泡体の柔軟性 JIS Z−1536(ポリスチレンフォーム包装用緩
衝材)に規定される柔軟性試験に準拠。試験片を40m
m円筒の円周に沿って巻き付けた時の状態観察から判定
した。 (4)不燃・準不燃・難燃性(以下防火性と総称する) 建設省公示第1231号(準不燃材料及び難燃材料の試
験方法)、建設省公示第1828号(不燃性材料の試験
方法)にそれぞれ規定される表面試験方法に準拠して測
定した。
【0047】[試験結果]各発泡体の物性試験および外
観観察の結果を表3にまとめる。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明の無機有機複合発泡体及びその製
造法は、以下の効果を奏する。 (1)本発明の発泡体は、従来のリン酸類の発泡体の問
題点であった脆性を大幅に改善するものであり、 高発泡倍率の発泡体とした場合は、有機無機複合体で
あるにも拘らず、軟質ウレタンフォームと見間違える程
の柔軟性と反発弾性を有する発泡体であり、 この発泡倍率は軟質から硬質まで調整でき、且つ 軟質・硬質の何れの場合も脆性が改善されている。 (2)低比重、高発泡倍率の発泡体でも、運用上全く問
題ない程度の強度を有するため、断熱性に優れる軽量の
パネル等が作製できる。 (3)常温常圧下での条件でも製造することができるた
め、オートクレーブ養生等の特殊な反応装置を必要とし
ない。 (4)所望の形状の型枠中で容易に多孔化でき、硬化さ
せることができる。また、壁面にこて塗りや吹き付け等
を行い、硬化させることも可能である。 (5)外観および性能上は、既存のウレタンフォーム、
スチレンフォームとほぼ同等のレベルにあるものの、材
料の防火性は、これら既存の有機系断熱材以上の不燃材
〜準不燃材に相当するレベルの材料であり、防災上、安
全性の高い材料を市場に供給することができる。
【0050】以上の効果を奏することから、本発明の発
泡体は、その防火性能、断熱性、弾性、柔軟性、強度、
低密度等を兼備する特性を生かし、例えば、以下のよう
な用途に使用するのに好適である。 列車、自動車、住宅、ビル等防火性能が要求される用
途において、従来ALC、珪酸カルシュウム板、無機繊
維板等の無機質発泡体が用いられていたものの代替;
例えば、鉄骨被覆材、耐火レンガ、台所や厨房を含めた
内壁パネル、防火性を有する外装パネル、ボイラー等の
燃焼機械の熱遮蔽材、自動車等のシートクッション材や
排気ラインの熱遮蔽材、船舶等の内装パネルや空隙充填
材、耐火金庫の充填剤。 住宅、ビル、列車、航空機、船舶等の断熱性能が要求
される用途において、従来ウレタンフォーム、スチレン
フォーム等の有機質発泡体が用いられていたものの代
替;例えば、天井、壁、床、屋根等の住宅・ビル等の内
外装断熱ボードやパネル、畳心材、ドア等の空隙充填
材、屋根瓦や屋根材の断熱裏材、自動車や列車・航空機
・船舶等の屋根内張り材、エンジン周囲の内装材、ハニ
カム使用部分の代替材、冷蔵庫・エアコン・冷凍庫・空
調設備や空調ラインの断熱材、LNG等の天然ガスのタ
ンクやパイプラインの断熱被覆材、工場でのユーテイリ
テイラインの断熱材、冷凍品等の輸送用断熱パッキング
材。 低密度が要求される用途;例えば、合成木材およびそ
の心材、軽量骨材、包装用のパッキング材。 連通気泡である発泡体より、表面積が大であることを
要求される用途;例えば、サンドドレン工法用サンドの
代替、排ガス燃焼触媒の担体、消臭剤や芳香剤用の担
体。 吸音を要求する用途;住宅用の吸音パネル、トンネル
内の防音内壁材、列車軌道の防音高欄被覆材、エンジン
や機械類の防音内張り材やハウジング内張り材。 発泡体で有機系にない難生分解性や有機系に比べて低
い環境汚染性から要求される用途;軽量盛土の代替、ト
ンネルの裏込め材、植生用ブロック、生け花用剣山、園
芸用バーミキュライト等の代替。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−176259(JP,A) 特開 昭61−138616(JP,A) 特開 平2−150433(JP,A) 特開 平8−176261(JP,A) 特開 平8−176260(JP,A) 特開 平9−111114(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42 C08G 18/00 - 18/87

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸類(a)、比表面積が2.5m2
    /g以下の炭酸カルシウム(b)、NCO基を有するウ
    レタンプレポリマー(c)、水及び必要により無機充填
    材(d)を混合することにより発泡硬化させる無機有機
    複合発泡体の製造法。
  2. 【請求項2】 (a)、水及び必要により(d)からな
    る成分(A)と、(b)及び(c)からなる成分(B)
    とを混合する請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 リン酸類(a)が、(無水)リン酸、亜
    リン酸、縮合リン酸及びこれらの多価金属塩からなる群
    より選ばれる1種以上の化合物である請求項1または2
    記載の製造法。
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