JPH09328569A - 無機有機複合発泡体及びその製造法 - Google Patents

無機有機複合発泡体及びその製造法

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JPH09328569A
JPH09328569A JP17308996A JP17308996A JPH09328569A JP H09328569 A JPH09328569 A JP H09328569A JP 17308996 A JP17308996 A JP 17308996A JP 17308996 A JP17308996 A JP 17308996A JP H09328569 A JPH09328569 A JP H09328569A
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JP
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foam
inorganic
compound
phosphoric acid
water
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JP17308996A
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English (en)
Inventor
Tomokazu Shimizu
倫和 清水
Kaoru Yamazaki
薫 山崎
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リン酸類の発泡体が本質的には脆性材料であ
るのを、脆さを改善するとともに、柔軟性、反発弾性の
ある発泡体とする。 【解決手段】 リン酸類、重金属炭酸塩系発泡剤、ブロ
ックドウレタン、水及び無機充填材からなる成分を混合
することにより、発泡硬化させて硬質又は半硬質の無機
有機複合発泡体としたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無機有機複合発泡体
及びその製造法に関する。更に詳しくは、無機質の発泡
体構造を持ち、且つ硬化性の有機材料により脆性が顕著
に改善された無機有機複合発泡体であって、ウレタンフ
ォームやスチレンフォームのような柔軟性、反発弾性の
あるフォームと比べても遜色ないものとすることがで
き、且つ防火性能を兼備する無機有機複合発泡体;並び
に、常温常圧条件下でも発泡体の形成が可能な無機有機
複合発泡体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、無機系発泡体の中で、リン酸類の
発泡体が常温常圧条件下でも発泡体の形成が可能な無機
質発泡体として提案されている(例えば、特公昭56−
36145号公報)。この公報記載の発泡体は、リン酸
金属塩等のリン酸類と、多価金属炭酸塩等の発泡剤とを
撹拌混合し、発泡硬化させることにより発泡体を得ると
いうものであって、次のような特徴を有するため、パネ
ル等の定型材はもちろん、開口部を埋めるための不定形
充填材にも適用が考えられる等、従来にない優れた材料
として位置付けることができる。 (1)得られる発泡体は不燃性、耐火性に優れる。 (2)発泡体の作成においては、広範囲での比重コント
ロールを容易に行うことができる。 (3)自己発泡性をもつ。
【0003】しかし、リン酸類の発泡体は、完全な無機
材料であるが故に脆くて、少々の力でも形成した泡が破
壊されて元に戻らない欠点があり、特に、低比重の大型
パネルを作成した場合、触っただけで表層が崩れる、パ
ネル強度が弱すぎて持ち運びができない等の問題がある
ため実用性にかなう材料といえるものではなかった。こ
のようなリン酸類の発泡体の欠点を改善する手段とし
て、SBR等の樹脂エマルジョンを系内に添加する方法
が提案されている(例えば、特開平6−24869号公
報)。この方法では、リン酸類の発泡体の特徴である優
れた不燃性、耐熱性を損なわない程度に樹脂エマルジョ
ンを添加することにより、発泡体の強度を向上し、高発
泡倍率の発泡体でも実用性に優れる材料を得ることがで
きるとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リン酸類の発
泡体の強度は樹脂エマルジョン添加により、大きく改善
されたものの、本質的には脆性材料であって、高発泡倍
率の発泡体の脆さについては十分な改質は難かしく、更
にウレタンフォームやスチレンフォームのような柔軟
性、反発弾性のあるフォームを得ることはなおさら困難
であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のリ
ン酸類の発泡体のこれらの問題点を解決すべく鋭意検討
した結果、上記樹脂エマルジョンとは違って反応性を有
し、弾性も有するウレタンプレポリマー中のNCO基を
ブロックした化合物を用いた発泡体を得た。又、本発明
者らの検討の結果、このNCO基をブロックしたウレタ
ンプレポリマーを用いると、高発泡倍率の発泡体とした
場合は、有機無機複合体であるにもかかわらず、軟質ウ
レタンフォームと見間違える程の柔軟性と反発弾性を有
する発泡体が得られ、この発泡倍率は軟質から硬質まで
調整でき、且つ軟質、硬質の何れの場合も脆性が著しく
改善される知見を得た。
【0006】すなわち本発明は、下記無機有機複合発泡
体<1>、<2>、<3>及び無機有機複合発泡体の製
造法<4>から成る。 <1>リン酸類(a)と、リン酸類の発泡剤(b)とか
らの発泡体構造であり、ウレタンプレポリマー中のNC
O基をブロックした化合物(c)からその場で形成され
る硬化物によって脆性が改善されてなる無機有機複合発
泡体。 <2>硫酸(a’)と、炭酸カルシウムまたは炭酸マグ
ネシウム(b’)と、必要により酸化カルシウム、酸化
マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシ
ウムからなる群から選ばれる化合物(b'')とからの発
泡体構造であり、ウレタンプレポリマー中のNCO基を
ブロックした化合物(c)からその場で形成される硬化
物によって、脆性が改善されてなる無機有機複合発泡
体。 <3>更に無機充填材(d)を含有する、上記<1>ま
たは<2>記載の発泡体。 <4>リン酸類(a)、リン酸類の発泡剤(b)、ウレ
タンプレポリマー中のNCO基をブロックした化合物
(c)、水及び必要により無機充填材(d)からなる成
分を混合することにより発泡硬化させる無機有機複合発
泡体の製造法、および硫酸(a’)、炭酸カルシウムま
たは炭酸マグネシウム(b’)、必要により酸化カルシ
ウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸
化マグネシウムからなる群から選ばれる化合物
(b'')、ウレタンプレポリマーのNCO基をブロック
した化合物(c)、水及び必要により無機充填材(d)
からなる成分を混合することにより発泡硬化させる無機
有機複合発泡体の製造法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の無機有機複合発泡体は、
リン酸類(a)と、リン酸類の発泡剤(b)とが反応し
て発泡した無機質の発泡体構造と、あるいは硫酸
(a’)と、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウム
(b’)と、必要により酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムから
なる群から選ばれる化合物(b'')とからの発泡体構造
であり、これにウレタンプレポリマー中のNCO基をブ
ロックした化合物(c){以下これをブロックドウレタ
ンと称す}からその場で形成される硬化物によって、脆
性が改善されてなる無機有機複合発泡体構造を有する。
又、該ブロックドウレタン(c)は通常熱を加えること
によりブロック剤が解離してウレタンプレポリマーとな
り、水等の活性水素を有する化合物との反応性を有す
る。本発明の発泡体は該ブロックドウレタン(c)が解
離して再生したウレタンプレポリマーが反応硬化してそ
の場で形成される弾性ポリマーにより脆性が改善された
ものである。本発明の発泡体は、例えば、リン酸類
(a)、該発泡剤(b)及び該ブロックドウレタン
(c)からなる成分を水性混合物とし加熱することによ
り、発泡硬化して得られるものである。即ち、この水性
混合物の加熱により(a)と(b)との発泡硬化反応及
び(c)のブロック剤の解離と水等の活性水素化合物に
よる硬化反応が進行して、本発明の発泡体が得られる。
また、前記と同様に硫酸(a’)と、炭酸カルシウムま
たは炭酸マグネシウム(b’)と、必要により酸化カル
シウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水
酸化マグネシウムからなる群から選ばれる化合物
(b'')とからの発泡体構造であり、(c)からその場
で形成される硬化物によって、脆性が改善されたものも
含まれる。
【0008】本発明において、リン酸類(a)として
は、例えば、リン酸、亜リン酸、無水リン酸、縮合リン
酸、これらの多価金属塩及びこれらの二種以上の混合物
が挙げられる。このうちリン酸の多価金属塩としては、
第一リン酸多価金属塩、第二リン酸多価金属塩、第三リ
ン酸多価金属塩がある。また、上記多価金属塩を構成す
る金属としては、マグネシウム、カルシウム、アルミニ
ウム、亜鉛、バリウム、鉄等が挙げられる。これら多価
金属成分は、リン酸多価金属塩、亜リン酸多価金属塩等
の形で添加する方法の他に、リン酸、亜リン酸と化学的
に活性な金属化合物、例えば、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム等の多価金属酸化物や、水酸化アルミニウム
ゲル、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の多価
金属水酸化物等をリン酸、亜リン酸等のと別々に系内に
添加し、系内で反応させる方法をとることもできる。リ
ン酸類(a)として例示したもののうち好ましいもの
は、リン酸、第一リン酸マグネシウム、第一リン酸アル
ミニウム、第一リン酸亜鉛およびこれらの二種以上の混
合物であり、特に好ましいものは、リン酸、第一リン酸
マグネシウム、第一リン酸アルミニウムおよびこれらの
2種以上の混合物である。リン酸類のpHは反応性の点
から通常4以下であり、好ましくは3以下、特に好まし
くは2以下である。
【0009】リン酸類(a)の含有量は、本発明の発泡
体を構成する全成分中通常3〜50重量%であり、又、
本発明の発泡体中のリン原子の含有量に換算した好まし
い範囲で言えば、3〜20重量%、特に4〜18重量%
である。リン原子の含有量が3重量%未満では得られる
発泡体の防火性能が低下する。リン原子の含有量が20
重量%を超えると、該ブロックドウレタン(c)の分散
性が低下し、又均一な発泡構造が得られなくなることも
ある。また、硫酸(a’)としては、各種の水希釈によ
り濃度を調整した工業用硫酸が用いられる。
【0010】本発明において、該発泡剤(b)として
は、例えば、下記(b1)及び(b2)が挙げられる。 (b1)炭酸塩化合物 (b2)酸またはアルカリと反応してガスを発生する軽
金属 炭酸塩化合物(b1)の具体例としては、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグ
ネシウム,塩基性炭酸亜鉛等が挙げられ、上記軽金属
(b2)の具体例としては、マグネシウム,アルミニウ
ム,亜鉛等が挙げられる。このほか 本発明の発泡剤
(b)と併用することのできるその他の発泡剤として
は、(c)中に加熱により分解する有機系発泡剤(ジニ
トロソペンタメチレンテトラミンやNN’ジメチルN
N’ジニトロソテレフタールアミドなどのニトロソ系発
泡剤、ベンゼンスルホニルヒドラジドアゾジカルボンア
ミドやpートルエンスルホニルヒドラジドやp、p’ーオ
キシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド3ー3’ジス
ルホヒドラジドジフェニルスルフォンなどのスルホヒド
ラジド系発泡剤、アゾビスイソブチロニトリルやアゾビ
スホルムアミドやジエチルアゾジカルボキシレートなど
のアゾ系発泡剤など)をあらかじめ混合し、本発明の発
泡体を形成後、更に加熱により前記の添加された発泡剤
を二次発泡させる方法もとることができる。該発泡剤
(b)として例示したもののうち好ましいものは、塩基
性炭酸マグネシウムである。該発泡剤(b)の量は、軟
質から硬質迄の幅広い範囲の所望の発泡倍率に応じて決
めればよい。(b)の量は、水性混合物とした際(a)
と(b)がよく混ざる範囲であれば特に制限はないが、
リン酸類(a)100重量部に対して、通常0.1〜2
00重量部、好ましくは1〜100重量部である。ま
た、炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウム(b’)
は、単独で用いても併用してもよく、必要により用いら
れる酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシ
ウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選ばれる
化合物(b'')も1種であっても2種以上であってもよ
いが、(b’)と(b'')の合計量は(a’)100重
量部に対して、通常1〜200重量部、好ましくは5〜
100重量部である。
【0011】本発明において、該ブロックドウレタン
(c)としては、有機ポリイソシアネート化合物(n)
と活性水素含有化合物(h)とNCO基のブロック剤
(i)から誘導され、且つブロックしたNCO基を分子
内に有するものが挙げられる。有機ポリイソシアネート
化合物(n)としては、例えば、下記(n1)〜(n
5)が挙げられる。但し、(n1)〜(n5)における
炭素数は、NCO基中の炭素数を除く値である。 (n1)炭素数2〜12の脂肪族ポリイソシアネート (n2)炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート (n3)炭素数8〜12の芳香脂肪族ポリイソシアネー
ト (n4)炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート (n5)(n1)〜(n4)のポリイソシアネートの変
成物
【0012】脂肪族ポリイソシアネート(n1)の具体
例としては、 ・エチレンジイソシアネート、 ・テトラメチレンジイソシアネート、 ・ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、 ・ドデカメチレンジイソシアネート、 ・2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ
ート、 ・リジンジイソシアネート、 ・1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート が挙げられる。脂環族ポリイソシアネート(n2)の具
体例としては、 ・イソホロンジイソシアネート(IPDI)、 ・ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト(水添MDI)、 ・1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、 ・メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート
(水添TDI)、 ・1,4−ビス(2イソシアネートエチル)シクロヘキ
サン 等が挙げられる。
【0013】芳香脂肪族ポリイソシアネート(n3)の
具体例としては、 ・p−キシリレンジイソシアネート、 ・テトラメチルキシレンジイソシアネート 等が挙げられる。芳香族ポリイソシアネート(n4)の
具体例としては、 ・1,4−フェニレンジイソシアネート、 ・2,4−または2,6−トルエンジイソシアネート
(TDI)、 ・ジフェニルメタン−2,4’−または4、4’−ジイ
ソシアネート(MDI) ・ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、 ・3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジ
イソシアネート、 ・粗製TDI、 ・ポリフェニルメタンポリイソシアネート[通称粗製M
DI:アニリン等の芳香族アミンまたはその混合物と、
ホルムアルデヒドとの縮合物(ジアミノジフェニルメタ
ンと、少量、例えば1〜20重量%の3個以上のアミノ
基を有するポリアミンとの混合物となる)の、フォスゲ
ン化物である。] 等が挙げられる。
【0014】(n1)〜(n4)のポリイソシアネート
の変性物(n5)の具体例としては、(n1)〜(n
4)として上記に例示したポリイソシアネートのイソシ
アネート基の代わりに、カーボンアミド基、ウレチジオ
ン基、ウレトイミン基、ウレア基、ビューレット基、イ
ソシアヌレート基、ウレタン基等を導入した変性物等が
挙げられる。これら有機ポリイソシアネート化合物
(n)の選択には、特に限定はなく、発泡体の物性およ
びコストに合わせ、単独もしくは任意の組み合わせでウ
レタンプレポリマーを誘導するための成分として使用す
ることができる。
【0015】活性水素含有化合物(h)としては、例え
ば、低分子量ポリオール(h1)および高分子量ポリオ
ール(h2)が挙げられる。ここで、(h1)と(h
2)の各分子量の範囲をヒドロキシル基価で示すと、
(h1)のヒドロキシル基価は、通常300〜1000
又はそれ以上、好ましくは350〜800である。又、
(h2)のヒドロキシル基価は、通常300未満、好ま
しくは20〜250、特に50〜200である。又、活
性水素含有化合物(h)の官能基数は(h1)、(h
2)の何れの場合も通常2〜8又はそれ以上である。
【0016】低分子量ポリオール(h1)としては、下
記(h1ー1)〜(h1−6)が挙げられる。 (h1ー1)脂肪族2価アルコール類 (h1ー2)環状基を有する低分子ジオール類 (h1ー3)3価アルコール類 (h1ー4)4官能以上の多価アルコール類 (h1ー5)アルカノールアミン類 (h1−6)(h1ー1)〜(h1ー5)の化合物の、
エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイ
ドの低モル付加物
【0017】一方高分子量ポリオール(h2)としては
下記(h2ー1)〜(h2ー6)が挙げられる。 (h2ー1)ポリオキシアルキレンポリオール (h2ー2)ポリエステルポリオール (h2ー3)ポリオレフィンポリオール (h2ー4)アクリルポリオール (h2ー5)ヒマシ油系ポリオール (h2ー6)重合体ポリオール
【0018】低分子量ポリオール(h1)のうち脂肪族
2価アルコール類(h1ー1)の具体例としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、1、4ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1、6ヘキサンジオー
ル、1、8オクタメチレンジオール等が挙げられる。環
状基を有する低分子ジオール類(h1ー2)の具体例と
しては、1、4ビス(2ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパンなどが挙げられる。3価アルコール類(h1ー
3)の具体例としては、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、ヘキサントリオールなどが挙げられる。4官能
以上の多価アルコール類(h1ー4)の具体例として
は、ソルビトール、シュークローズなどが挙げられる。
アルカノールアミン類(h1ー5)の具体例としては、
トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン等が
挙げられる。上記低モル付加物(h1−6)の具体例と
しては、これら(h1ー1)〜(h1ー5)の具体例と
して挙げたものに、エチレンオキサイドおよび/または
プロピレンオキサイドをヒドロキシル基価が300以上
となる範囲内の低モル付加させたものが挙げられる。
【0019】一方、高分子量ポリオール(h2)のう
ち、ポリオキシアルキレンポリオール(h2ー1)とし
ては、低分子量ポリオール(h1)の項で説明した、低
分子アミン類、多価フェノール類などにアルキレンオキ
サイドを付加したものが挙げられる。低分子アミン類と
しては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミンなどの低分子ポリアミンや、n
ブチルアミン、ステアリルアミン等の低分子モノアミン
が挙げられる。多価フェノール類としては、ハイドロキ
ノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェ
ノールSなどが挙げられる。付加するアルキレンオキサ
イドとしては、炭素数2から4のアルキレンオキサイ
ド、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドおよびこれらの併用(併用の場
合、ブロックでもランダム付加でもよい)が挙げられ
る。ポリオキシアルキレンポリオール(h2ー1)の具
体例としては、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ
オキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンテ
トラオール、ポリオキシテトラメチレングリコール等が
挙げられる。
【0020】ポリエステルポリオール(h2ー2)とし
ては、例えば、下記(h2ー21)〜(h2ー23)が
挙げられる。 (h2ー21)2官能以上の多価アルコール類とジカル
ルボン酸類とを反応させて得られる縮合ポリエステルポ
リオール (h2ー22)ラクトンの開環重合により得られるポリ
ラクトンポリオール (h2ー23)エチレンカーボネートと1、6ヘキサン
ジオールの反応により得られるポリカーボネートポリオ
ール
【0021】縮合ポリエステルポリオール(h2ー2
1)を構成するジカルボン酸類としては、例えば、 ・脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル
酸など)、 ・芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸
等)、 ・これらジカルボン酸の無水物、低級アルキル(炭素数
1〜4)エステルもしくは酸ハライド(酸クロライドな
ど) およびこれらの2種以上の混合物があげられる。ポリラ
クトンポリオール(h2ー22)に用いるラクトンとし
ては、例えば、εカプロラクトンが挙げられる。
【0022】これらのポリエステルポリオール(h2ー
2)の具体例としては、ポリエチレンアジペート、ポリ
ブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、
ポリネオペンチルアジペート、ポリエチレンポリプロピ
レンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポ
リブチレンヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレン
アジペート、ポリ(ポリテトラメチレネーテル)アジペ
ート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンセバテー
ト、ポリブチレンアゼレート、ポリブチレンセバテー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリカプロラクトン
ジオール、ポリカーボネートジオールなどが挙げられ
る。
【0023】ポリオレフィンポリオール(h2ー3)の
具体例としては、ポリブタジエンポリオール、水添ポリ
ブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等が
挙げられる。アクリルポリオール(h2ー4)の具体例
としては、ヒドロキシエチルアクリレートとエチルアク
リレートの共重合物、ヒドロキシエチルアクリレートと
エチルアクリレートとスチレンの共重合物等があげられ
る。ヒマシ油系ポリオール(h2ー5)としては、(h
2ー51)ヒマシ油;(h2ー52)ヒマシ油脂肪酸と
多価アルコールやポリオキシアルキレンポリオールとの
ポリエステルポリオールおよびこれらの2種以上の混合
物があげられる。(h2ー52)の具体例としては、ヒ
マシ油脂肪酸とトリメチロールプロパンとのモノ、ジま
たはトリエステル;ヒマシ油脂肪酸とポリオキシプロピ
レングリコールとのモノまたはジエステルなどが挙げら
れる。
【0024】重合体ポリオール(h2ー6)としては、
(h2ー1)〜(h2ー5)として例示した高分子量ポ
リオール中で、アクリロニトリル、スチレン等、米国特
許第3383351号明細書等に記載のエチレン性不飽
和単量体を重合して得られるものが挙げられる。重合体
ポリオール(h2ー6)を構成するエチレン性不飽和単
量体単位の含量は、通常0.1〜90重量%、好ましく
は5.0〜80重量%である。重合体ポリオール(h2
ー6)の製造法としては、例えば、ポリオール中でエチ
レン性不飽和単量体を重合開始剤(ラジカル発生剤な
ど)の存在下に重合させる方法(例えば米国特許第33
83351号明細書記載の方法)が挙げられる。
【0025】以上活性水素含有化合物(h)として例示
したもののうち特に好ましいものは、ポリオキシアルキ
レンポリオール(h2ー1)のうちのエチレンオキサイ
ド付加物であり、エチレンオキサイド付加物を単独、も
しくは活性水素含有化合物(h)の一部として使用する
ことが好ましい。活性水素含有化合物(h)中のオキシ
エチレン単位の含有量で言うと、10〜95重量%、特
に50〜90重量%とするのが好ましい。エチレンオキ
サイド付加物を使用することにより、水性混合物とする
際の該ブロックドウレタン(c)の分散性が向上する。
【0026】低分子量ポリオール(h1)と高分子量ポ
リオール(h2)との使用比率は特に制限はなく、例え
ば、発泡体の脆性の改善効果をより高度とする為や、可
とう性の付与効果をより高くするには、重量比で、(h
1):(h2)=(0〜50):(50〜100)とな
るよう、(h2)の使用比率を多くするとよい。他方発
泡体の剛性をより高くするには、重量比で、(h1):
(h2)=(50〜100):(0〜50)となるよ
う、(h1)の使用比率を多くするとよい。
【0027】また、NCO基のブロック剤(i)として
は、低温で解離するブロック剤がよく、具体的には重亜
硫酸ナトリウム、オキシム類、フェノール類、カプロラ
クタム類であり、好ましくは重亜硫酸ナトリウム、メチ
ルエチルケトンオキシム、ε−カプロラクタムである。
【0028】このほか、該ブロックドウレタン(c)の
分子量、粘度の調整等のため、(h)成分として必要に
よりモノオール(h3)を併用してもよい。モノオール
(h3)としては、 ・メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル、ブタノ
−ル、ペンタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル、ドデカ
ノール等の脂肪族1価アルコール類、 ・アルキルフェノ−ル(オクチルフェノール、ノニルフ
ェノール、ドデシルフェノール等)のアルキレンオキサ
イド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)
付加物等が挙げられる。モノオール(h3)の分子量
は、通常(h1)又は(h2)と同じ範囲である。活性
水素化合物(h)中の必要により用いるモノオール(h
3)の割合は、(h)の平均官能基数が通常2以上、好
ましくは2.5以上となる範囲内である。
【0029】ブロック剤と反応させる前のウレタンプレ
ポリマー中のNCO含量は、好ましくは、0.5〜30
重量%である。また、ブロックドウレタン(c)の性状
については、特に限定はないが、常温で液状であり、且
つ、ある程度の分子量、分子組成であることが好まし
く、(c)の分子量は好ましくは1,000〜50,0
00である。該ブロックドウレタン(c)の製法を例示
すると、 <1>反応缶に有機ポリイソシアネート(n)と活性水
素含有化合物(h)を仕込み、反応温度50〜120℃
で反応したあと、ブロック剤(i)を加え0〜80℃で
反応させる方法。 <2>(n)と(h)と(i)とを同時に仕込み0〜1
20℃の温度で反応する方法。 <3>(n)と(i)とを反応後に(h)を仕込み反応
する方法 等であり、NCO基を完全にブロックすれば製造でき
る。本発明の発泡体中の該ブロックドウレタン(c)単
位の含有量、即ち、発泡体製造時における全固形分に対
する(c)の含有量は、5〜30重量%、特に10〜2
5重量%であることが好ましい。含有量が5%未満では
発泡体の脆性改善効果が低下し、30%より多いと防火
性能が低下する。
【0030】本発明の発泡体には、物性やコストを考慮
して必要により無機充填材(d)を含有させても良い。
無機充填材(d)としては、例えば下記(d1)〜(d
5)が挙げられる。 (d1)セメント:ポルトラントセメント、シリカセメ
ント、アルミナセメント、高炉セメント、フライアッシ
ュセメント、白色セメント等 (d2)粘土鉱物:モリロナイト、ベントナイト、雲
母、セリサイト、カオリン、タルク、フィライト、ゼオ
ライト等 (d3)無機質軽量骨材:パ−ライト、シラスバル−ン
等 (d4)無機繊維:カーボン繊維、アスベスト、ロック
ウール、ガラス繊維、セラミック繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、スチール繊維等 (d5)その他非水溶性の無機粉末材料:フライアッシ
ュ、シリカフューム、珪石粉、セラミック粉、水酸化ア
ルミニウム、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム等
【0031】以上(d)として例示したものの選択には
特に限定はなく、発泡体の物性、コスト等の要求に合わ
せて単独もしくは任意の組み合わせで添加すればよい。
例えば、セメント(d1)の添加により発泡体の硬度が
向上する。セメント(d1)の内では、アルミナセメン
トが、セメントの内でもアルカリ性が低いため、該リン
酸類(a)との反応性が低い点で好ましい。無機繊維
(d4)の添加により、発泡体の引張強度、曲げ強度等
の向上や発泡体中の有機物が仮に燃えてしまった後の形
状保持性を向上させる。又、(d5)のうちの水酸化ア
ルミニウムや炭酸カルシウムは、添加することにより防
火性能を向上させる。その他(d)として例示したもの
は、主としてコスト・ダウンのための増量材的な用い方
ができる。(d)の添加量は特に制限はなく、通常、リ
ン酸類(a)100重量部に対して、1800重量部以
下、好ましくは500重量部以下である。上記無機繊維
(d4)に代えるか併用して、有機繊維の使用も可能で
あり、有機繊維も発泡体の引張強度、曲げ強度等の向上
効果がある。有機繊維としては、ビニロン繊維、ポリア
ミド繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリプロ
ピレン繊維、セルロース繊維等が挙げられる。但し、有
機繊維の使用量は、発泡体の防火性能の要求レベルを考
慮して支障のない範囲とする必要がある。
【0032】本発明の発泡体は、(c)の含有量を前記
好ましい範囲とすれば、かなり高い防火性を有している
が、更に高い防火性を付与するため、難燃剤を成分に加
えて発泡硬化させることもできる。難燃剤としては、非
ハロゲン燐酸エステル(トリフェニルフォスフェート、
クレジルジフェニルフォスフェート、アンモニウムポリ
フォスフェートなど)、ハロゲン含有燐酸エステル(ト
リスクロロエチルフォスフォネート、トリスジクロロプ
ロピルフォスフェート、トリス(トリブロモフェニル)
フォスフェート、トリスジブロモプロピルフォスフェー
トなど)、活性水素含有難燃剤(ジ(イソプロピル)
N、Nビス(2ヒドロキシエチル)アミノメチルフォス
フェート、臭素化ビスフェノールAのアルキレンオキサ
イド付加物など)、三酸化アンチモン、五酸化アンチモ
ン、酸化亜鉛、等があげられる。以上例示したものは、
一種または二種以上でもよい。難燃剤の使用量は通常、
(c)100重量部に対して、40重量部以下、好まし
くは、0.1〜30重量部である。
【0033】本発明の方法によって、リン酸類(a)、
該発泡剤(b)、該ブロックドウレタン(c)、水及び
必要により無機充填材(d)からなる成分を混合して水
性混合物とすることにより発泡硬化させると、本発明の
発泡体が得られる。この水性混合物中の水の量は混合水
スラリー化が可能な範囲であれば、必要以上には水を加
える必要はなく、水が多い程発泡硬化したものの乾燥に
時間や手間がかかる。水の量は特に制限はないが、通常
水性混合物の濃度が50〜90重量%程度となる量であ
る。
【0034】本発明の方法において、該ブロックドウレ
タン(c)のブロック剤の解離及び再生したウレタンプ
レポリマーの反応硬化速度をコントロールするために
は、触媒を添加する方法とアミン系の活性水素化合物を
添加する方法がある。触媒としては、ジブチル錫ジラウ
レート、アルキルチタン酸塩、有機珪素チタン酸塩、ス
タナスオクトエート、オクチル酸鉛、オクチル酸亜鉛、
オクチル酸ビスマス、ジブチル錫ジオルソフェニルフェ
ノキサイト、錫オキサイドとエステル化合物(ジオクチ
ルフタレート等)の反応生成物等の金属系触媒およびモ
ノアミン類(トリエチルアミン等)、ジアミン類(N,
N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等)、
トリアミン類(N,N,N’,N”,N”−ペンタメチ
ルジエチレントリアミン等)、環状アミン類(トリエチ
レンジアミン等)等のアミン系触媒等が挙げられる。触
媒は、金属系およびアミン系単独または金属系およびア
ミン系を併用して使用してもよい。触媒の配合量は、通
常ブロックドウレタン(c)100重量部に対して10
部以下、好ましくは0.001〜5部である。アミン系
活性水素化合物としては、ポリアルキレンポリアミン類
(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジ
プロピレントリアミン、ジヘキサメチレントリアミン
等)、アルキレンジアミン類(エチレンジアミン、プロ
ピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン等)、キシリレンジアミン、水添キシリレンジア
ミン、イソホロンジアミン、および芳香族ホリアミン類
(ジアミノジフェニールメタン、メタフェニレンジアミ
ン等)等である。
【0035】本発明の方法において、発泡体のセル構造
をコントロールするためには、整泡剤を添加すればよ
い。整泡剤としては、従来公知のシリコン系活性剤が挙
げられ、例えば、 ・トーレ・シリコ−ン社製のSH−192、SH−19
3、SH−194等、 ・東芝シリコーン社製のTFA−4200等、 ・日本ユニカー社製のL−5320、L−5340、L
−5350等、 ・信越シリコン社製のF−121、F−122等 等が挙げられる。整泡剤の添加量は、ブロックドウレタ
ン(c)100重量部に対して通常は3部以下、好まし
くは0.001〜1部である。
【0036】本発明の方法において、各成分を混合する
ことにより発泡硬化させる方式としては、下記の[1]
から[4]に例示するような種々の方式がある。 [1]リン酸類(a)、該発泡剤(b)、該ブロックド
ウレタン(c)、水、必要により無機充填材(d)およ
び他の添加剤を一括に投入混合し、常温〜90℃で発泡
硬化させる方式。 [2]リン酸類(a)、該ブロックドウレタン(c)、
水および必要により他の添加剤を混合した後、該発泡剤
(b)および必要により無機充填材(d)を併せて投入
し混合、常温〜90℃で発泡硬化させる方式。 [3]リン酸類(a)と該ブロックドウレタン(c)を
混合した後、あらかじめ、該発泡剤(b)、水、必要に
より無機充填材(d)および他の添加剤を混合してスラ
リー化したものを投入混合し、常温〜90℃で発泡硬化
させる方式。 [4]リン酸類(a)、該ブロックドウレタン(c)お
よび必要により他の添加剤と水の一部を混合した後、あ
らかじめ該発泡剤(b)および必要により無機充填材
(d)と水の残りとを混合してスラリー化したものを投
入混合し、常温〜90℃で発泡硬化させる方式。 これらの内、好ましいのは、[1]、[2]および
[4]の方式であり、特に好ましいのは[2]の方式で
ある。また、(a’)、(b’)、(b'')と(c)の
場合も上記と同様である。
【0037】本発明の発泡体は、本発明の方法により常
温から90℃で常圧条件下、上記方式に基づき各成分を
混合し発泡硬化させるが、その後更に、50〜120℃
で加熱して硬化を完全にすることもできる。
【0038】本発明の方法により、 型枠中に混合物を流し込んで成形した本発明の発泡体
とすることもでき、 壁面等の任意の基材へ塗布したり、任意の空隙へ充填
した本発明の発泡体とすることもできる。成型体の場合
は、任意の形状の型枠等(例えば、大型パネルの型枠
等)を用いて上記に例示した方式で発泡体とすればよ
い。塗布する場合は、上記の方式で混合したものを吹き
付けやこて塗等で、発泡体とすればよい。
【0039】本発明の発泡体は、該発泡剤(b)、ある
いは(b’)と(b'')の添加量を加減することによ
り、その比重を広範囲に調整できる。また、得られる発
泡体は比重0.1以下の低比重時においても、発泡表面
に脆さはなく、組成および配合上の調整から、硬質から
軟質ものまで幅広い材質の発泡体を得ることができる。
又発泡体の断熱性能も比重のコントロールにより、例え
ば、0.03kcal/m・hr・℃以下の低い熱伝導
率を付与することが可能な上、防火性も不燃材から準不
燃材相当のレベルである等、グラスウール、硬質ウレタ
ンフォームといった既存の断熱材と比較しても、優れた
特性を持つ材料と位置づけられる。したがって、本発明
の発泡体は、大型外壁パネルや内壁パネルの断熱材,防
音材,防耐火材、耐火被覆材、軽量骨材、耐火金庫用の
断熱材等として用いることが出来る。
【0040】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明するが、
本発明はこれに限定される物ではない。製造例、実施例
及び比較例中の部は重量部である。 製造例1 [該ブロックドウレタン(c)の製造] 4口セパラブルコルベンに必要な原材料成分を仕込み、
90℃で5時間反応させたあとブロック剤を加え常温〜
80℃で反応させ、下記のブロックNCO基を有するブ
ロックドウレタンc−1〜c−3を得た。
【0041】c−1:TDI[日本ポリウレタン(株)
製、商品名:コロネートT−80]100重量部に対し
て、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコー
ル[分子量2188、エチレンオキサイド20重量%と
プロピレンオキサイド80重量%とのブロックコポリマ
ー、三洋化成工業(株)製、商品名:ニュ−ポールPE
−62]420重量部を反応させプレポリマーとした
後、メチルエチルケトンオキシムを加えて、プレポリマ
ー中のNCO含量の6.2%のすべてをブロック化し
た。数平均分子量1435で、常温で粘調な樹脂溶液。 c−2:粗製MDI(日本ポリウレタン(株)製、商品
名「ミリオネートMR−100)100重量部に対し
て、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリオー
ル(分子量3000、グリセリンプロピレンオキサイド
付加物にエチレンオキサイドを付加したもの、三洋化成
工業(株)製、商品名サンニックスGL−3000)1
50重量部を反応させプレポリマー(プレポリマーのN
CO含量は10.0%、数平均分子量1276であっ
た)としたあと、更に重亜硫酸ナトリウム50%水溶液
中にを加えて反応し70%濃度のブロックドウレタンを
作成した。 c−3:MDI(BASF製:商品名ルプラネートM
I)100重量部に対して、エチレンブチレンアジペー
ト[分子量1000、三洋化成工業(株)製、商品名:
サンエスターNo.22)133重量部とポリエチレン
グリコール[分子量400、三洋化成工業(株)製、商
品名:PEG400]26重量部を反応させプレポリマ
ー(プレポリマーのNCO含量は6.5%、数平均分子
量1300であった)したあと、更にε−カプロラクタ
ムを加えてブロックドウレタンを得た。
【0042】製造例2 [実施例1〜4、比較例1〜4
の発泡体の製造] 実施例1〜4、比較例1〜4各々下記表1の組成に基づ
き、リン酸類(a)、該ブロックドウレタン(c)、触
媒(ジブチル錫ジラウレート:DTD)および水道水を
ホモミキサ−で均一に攪拌した。得られた攪拌混合物に
更に、実施例1、2、比較例1〜3は該発泡剤(b)を
添加し、一方実施例3、4、比較例4は該発泡剤(b)
及び無機充填材(d)を添加して、各々攪拌混合した
後、型枠(50×30×3cm)に流し込み、自由発泡さ
せて、その後90℃で2時間乾燥した後硬化させて実施
例1〜4及び比較例1〜4の成形した発泡体を得た。
【0043】
【表1】
【0044】注1)略記号で示す化合物は次のとおり。 (a)リン酸類 a−1:第一リン酸アルミニウム a−2:リン酸 a−3:第一リン酸マグネシウム (b)発泡剤 b−1:塩基性炭酸マグネシウム (c )該ブロックドウレタン c−1、c−2、c−3:製造例1で得られたブロック
ドウレタン (d)無機充填材 d−1:水酸化アルミニウム d−2:アルミナセメント d−3:シラスバル−ン[サンキ工業(株),商品名:
サンキライトYo.2] 2)比較例2については、難燃剤として日本油脂(株)
製、ハロゲン含有リン酸エステル(商品名;アランフラ
ーム70)を添加するものであり、この難燃剤は、予め
該ブロックドウレタン(c)に均一撹拌して用いた。
【0045】試験例1 [実施例1〜4、比較例1〜4
の発泡体の評価] 製造例2で得た実施例1〜4及び比較例1〜4の発泡体
を、通気のよい室内に1カ月放置し、次いで40℃の乾
燥機中で120時間乾燥させた後、デシケータ中に24
時間放置したものを、下記試験方法による試験に供し
た。 [発泡体の物性等の試験方法] (1)圧縮強度 JIS K−7220(硬質発泡プラスチックの圧縮試
験方法) (2)熱伝導率 JIS A−1412(保温板の熱伝導率測定方法) (3)発泡体の柔軟性 JIS Z1536(ポリスチレンフォーム包装用緩衝
材)に規定される柔軟性試験に準拠。試験片を40mm
円筒の円周に沿って巻き付けた時の状態観察から判定し
た。 (4)不燃・準不燃・難燃性(以下防火性と総称する) 建設省公示第1231号(準不燃材料及び難燃材料の試
験方法)、建設省公示第1828号(不燃性材料の試験
方法)にそれぞれ規定される表面試験方法に準拠して測
定した。
【0046】[試験結果]各発泡体の物性試験および外
観観察の結果を表2にまとめる。又、(4)項の不燃・
準不燃・難燃性の試験の具体的内容と結果の内訳につい
ては、代表例として、下記防火性の試験結果の補足デー
タ(4−1)、(4−2)を特掲する。
【0047】
【表2】 注)単位:密度はkg/m3、熱伝導率はkcal/mhr℃、圧縮
強度はkPa。
【0048】[試験結果の補足説明] 実施例1〜4の本発明の発泡体のうち、実施例1〜3
の発泡体は、反発性があり、柔軟性も大きな軟質発泡体
であり、実施例4の発泡体は、反発性、柔軟性の少ない
硬質発泡体であった。 実施例1〜4の発泡体の表面状態は、手で擦っても粉
分等が剥離することはなく、脱型した成形体も大型パネ
ルとして運用するに十分な強度性能を兼ね備えるもので
あった。また、防火性のレベルも不燃材から準不燃材相
当のかなり高いものであった。 比較例1〜4の発泡体の内、比較例2については、防
火性のレベルが難燃材相当と低く、また、比較例3につ
いても、難燃剤を添加したものの、比較例2同様、難燃
材相当であった。 比較例1,4については防火性のレベルが不燃材相当
とかなり高いものであったものの、発泡体が非常に脆
く、表面の剥離等が認められる上、比較例4にいたって
は脱型時に成形体に割が発生する等、パネルとして使用
するほどの強度性能を持つものといえるものではなかっ
た。
【0049】
【発明の効果】本発明の無機有機複合発泡体及びその製
造法は、以下の効果を奏する。 (1)本発明の発泡体は、従来のリン酸類の発泡体の問
題点であった脆性を大幅に改善するものであり、 高発泡倍率の発泡体とした場合は、有機無機複合体で
あるにも拘らず、軟質ウレタンフォームと見間違える程
の柔軟性と反発弾性を有する発泡体であり、 この発泡倍率は軟質から硬質まで調整でき、且つ 軟質・硬質の何れの場合も脆性が改善されている。 (2)低比重、高発泡倍率の発泡体でも、運用上全く問
題ない程度の強度を有するため、断熱性に優れる軽量の
パネル等が作製できる。 (3)常温常圧下での条件でも製造することができるた
め、オ−トクレ−ブ養生等の特殊な反応装置を必要とし
ない。 (4)所望の形状の型枠中で容易に多孔化でき、硬化さ
せることができる。また、壁面にこて塗りや吹き付け等
を行い、硬化させることも可能である。 (5)外観および性能上は、既存のウレタンフォーム、
スチレンフォームとほぼ同等のレベルにあるものの、材
料の防火性は、これら既存の有機系断熱材以上の不燃材
〜準不燃材に相当するレベルの材料であり、防災上、安
全性の高い材料を市場に供給することができる。
【0050】以上の効果を奏することから、本発明の発
泡体は、その防火性能、断熱性、弾性、柔軟性、強度、
低密度等を兼備する特性を生かし、例えば、以下のよう
な用途に使用するのに好適である。 列車、自動車、住宅、ビル等防火性能が要求される用
途において、従来ALC、珪酸カルシウム板、無機繊維
板等の無機質発泡体が用いられていたものの代替;例え
ば、鉄骨被覆材、耐火レンガ、台所や厨房を含めた内壁
パネル、防火性を有する外装パネル、ボイラー等の燃焼
機械の熱遮蔽材、自動車等のシートクッション材や排気
ラインの熱遮蔽材、船舶等の内装パネルや空隙充填材、
耐火金庫の充填剤。 住宅、ビル、列車、航空機、船舶等の断熱性能が要求
される用途において、従来ウレタンフォーム、スチレン
フォーム等の有機質発泡体が用いられていたものの代
替;例えば、天井、壁、床、屋根等の住宅・ビル等の内
外装断熱ボードやパネル、畳心材、ドア等の空隙充填
材、屋根瓦や屋根材の断熱裏材、自動車や列車・航空機
・船舶等の屋根内張り材、エンジン周囲の内装材、ハニ
カム使用部分の代替材、冷蔵庫・エアコン・冷凍庫・空
調設備や空調ラインの断熱材、LNG等の天然ガスのタ
ンクやパイプラインの断熱被覆材、工場でのユーテイリ
テイラインの断熱材、冷凍品等の輸送用断熱パッキング
材。 低密度が要求される用途;例えば、合成木材およびそ
の心材、軽量骨材、包装用のパッキング材。 連通気泡である発泡体より、表面積が大であることを
要求される用途;例えば、サンドドレン工法用サンドの
代替、排ガス燃焼触媒の担体、消臭剤や芳香剤用の担
体。 吸音を要求する用途;住宅用の吸音パネル、トンネル
内の防音内壁材、列車軌道の防音高欄被覆材、エンジン
や機械類の防音内張り材やハウジング内張り材。 発泡体で有機系にない難生分解性や有機系に比べて低
い環境汚染性を有することから要求される用途;軽量盛
土の代替、トンネルの裏込め材、植生用ブロック、生け
花用剣山、園芸用バーミキュライト等の代替。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多塩基酸と多価金属塩から形成される水
    不溶性の発泡体構造であり、発泡体が形成されるその場
    で、水不溶性の高分子硬化物が形成される反応により、
    発泡体構造にこの硬化物が密着または被覆することによ
    って脆性が改善されてなる無機有機複合発泡体。
  2. 【請求項2】 多塩基酸、多価金属塩および水不溶性の
    高分子硬化物を形成する材料が水溶性または水分散性で
    ある請求項1記載の発泡体。
  3. 【請求項3】 リン酸類(a)とリン酸類の発泡剤
    (b)とからの発泡体構造であり、ウレタンプレポリマ
    ー中のNCO基をブロックした化合物(c)からその場
    で形成される硬化物によって脆性が改善されてなる無機
    有機複合発泡体。
  4. 【請求項4】 (a)、(b)および(c)からなる水
    性混合物が発泡硬化してなる請求項3記載の発泡体。
  5. 【請求項5】 該発泡剤(b)が、炭酸塩化合物である
    請求項3または4記載の発泡体。
  6. 【請求項6】 硫酸(a’)と、炭酸カルシウムまたは
    炭酸マグネシウム(b’)と、必要により酸化カルシウ
    ム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化
    マグネシウムからなる群から選ばれる化合物(b'')と
    からの発泡体構造であり、ウレタンプレポリマー中のN
    CO基をブロックした化合物(c)からその場で形成さ
    れる硬化物によって、脆性が改善されてなる無機有機複
    合発泡体。
  7. 【請求項7】 (a’)、(b’)、(c)および必要
    により(b'')からなる水性混合物が発泡硬化してなる
    請求項6記載の発泡体。
  8. 【請求項8】 該水性混合物中の(c)の固形分換算含
    有量が5〜30重量%である請求項4、5及び7のいづ
    れか記載の発泡体。
  9. 【請求項9】 (c)のNCO基のブロック剤が重亜硫
    酸ナトリウム、メチルエチルケトンオキシムまたはεー
    カプロラクタムである請求項3〜8のいずれか記載の発
    泡体。
  10. 【請求項10】 更に無機充填材(d)を含有する請求
    項3〜9のいずれか記載の発泡体。
  11. 【請求項11】 リン酸類(a)、リン酸類の発泡剤
    (b)、ウレタンプレポリマー中のNCO基をブロック
    した化合物(c)、水及び必要により無機充填材(d)
    からなる成分を混合することにより発泡硬化させる無機
    有機複合発泡体の製造法。
  12. 【請求項12】 硫酸(a’)、炭酸カルシウムまたは
    炭酸マグネシウム(b’)、必要により酸化カルシウ
    ム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウムおよび水酸化
    マグネシウムからなる群から選ばれる化合物(b'')、
    ウレタンプレポリマーのNCO基をブロックした化合物
    (c)、水及び必要により無機充填材(d)からなる成
    分を混合することにより発泡硬化させる無機有機複合発
    泡体の製造法。
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