JP2020069786A - 耐火性物品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐火性と構造安定性を有する耐火性物品およびその製造方法を提供すること。【解決手段】(1)芯材と、(2)繊維質層と、(3)熱可塑性樹脂層と、(4)耐火層とを芯材側から順に備えた耐火性物品であって、前記耐火層は、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有しかつ前記熱可塑性樹脂層と接着しており、前記繊維質層の坪量は45g/m2未満である、耐火性物品およびその製造方法を提供する。【選択図】図1A
Description
本発明は、耐火性物品およびその製造方法に関する。
平成12年の建築基準法の改正により、一定の耐火性能を満たせば多様な材料や構造方式を採用することができるようになった。従来、耐火構造としては鉄骨造や鉄筋コンクリート造など不燃性の材料からなるものに限定されていたが、所定の耐火性能が確認できれば、木材など可燃性の材料も使用することができる。植林によって再生産が可能な材料である木材は、炭酸ガス削減対策としても地球環境に優しい建築材料であり、特に最近は日本国内での有力な資源でもある国産木材の積極的な用途拡大が望まれている。
建築基準法上の耐火建築物は、火災が終了した後であっても建ち続けることが条件であり、所定の耐火加熱を加えた後であっても、その部材に期待されている耐火性能(荷重支持能力、遮熱性、遮炎性)が失われないことが必要である。具体的な耐火試験方法は、耐火加熱炉を使って、国際標準化機構で定められている標準火災加熱温度曲線(ISO−834)に沿った加熱を行った後に、炉内で加熱時間の3倍時間放置する間の変形や変形速度による判定を行い、耐火試験後に確実に燃え止まることを確認する。これは通常の木製の柱や梁にとっては厳しい条件であり、この条件を満足するのは困難である。
これまで、可燃性である木材で構成される集成材を用いて耐火構造を実現するために種々の構造材が提案されている。例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3は、積層材および集成材などの複合木質構造材を開示されている。すなわち一定の強度をもつ集成材などを芯材として、その外周囲に、石膏ボード、モルタルやセメントなどの無機物や、各種の難燃剤成分、難燃剤処理した木材、あるいは高密度の木材を耐火層として配置させる複合木質構造材である。しかし、それらの構造材を製造するためには、高粘度物を芯材表面に被覆しなければならず、その工程はかなり複雑なものになる。さらに構造材の断面形状を任意のもの(例えば、円形の断面)にすることがより困難であり、それらの構造材を製造するには非常に手間がかかる。
また、特許文献4および特許文献5には、ポリイソシアヌレート樹脂からなる耐火層を有する耐火性物品が開示されている。
しかしながら、木材を使用する構造部材においては、優れた耐火性能と構造物としての高度の安定性を両立することが依然として求められている。
本発明は、優れた耐火性と構造安定性を有する耐火性物品およびその製造方法を提供する。
本発明者らは、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有している耐火層と、芯材との間に特定の基材で構成される複数の層を配置すると、優れた耐火性および高度の構造安定性を有する耐火性物品が得られることを見出した。本開示は、かかる知見に基づくものである。
本発明によれば、以下の[1]〜[15]が提供される。
[1] (1)芯材と、
(2)繊維質層と、
(3)熱可塑性樹脂層と、
(4)耐火層と
を芯材側から順に備えた耐火性物品であって、
前記耐火層は、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有しかつ前記熱可塑性樹脂層と接着しており、
前記繊維質層の坪量は45g/m2未満である、耐火性物品。
[2] ISO-834加熱曲線に準じて前記耐火性物品を燃焼加熱処理した場合、前記芯材における炭化は生じない、[1]に記載の耐火性物品。
[3] 以下の(A)および(B)のうち少なくとも1つを満たす、[1]または[2]に記載の耐火性物品:
(A)日本農林規格(全部改正:平成19年9月25日農林水産省告示第1152号および一部改正:平成24年6月21日農林水産省告示第1587号)に準拠したブロックせん断試験方法により測定される前記耐火性物品のせん断強さが1.0MPa以上である、
(B)前記日本農林規格試験方法に準拠した減圧加圧はく離試験により測定される前記耐火性物品のはく離率(%)が1%未満である。
[4] 前記熱可塑性樹脂層の量が5g/m2以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の耐火性物品。
[5] 前記ポリイソシアヌレート樹脂が、ポリイソシアネートと活性水素含有化合物を構成要素として含有しており、
前記活性水素含有化合物が、水酸基価80〜2000mgKOH/gであり、官能度2〜4であり、分子量50〜2000であり、かつ2つ以上の水酸基を有する1種以上のポリオールである、[1]〜[4]のいずれかに記載の耐火性物品。
[6] 前記ポリイソシアヌレート樹脂の形成に使用されるイソシアヌレート化触媒の量がポリイソシアネート100質量部に対して0.5質量部以上である、[5]に記載の耐火性物品。
[7] 前記耐火層が、水酸化アルミニウム、赤燐またはそれらの組合せを含有している、[1]〜[6]のいずれかに記載の耐火性物品。
[8] 前記芯材の少なくとも一部が木製材料から構成されている、[1]〜[7]のいずれかに記載の耐火性物品。
[9] 前記繊維質層と、熱可塑性樹脂層とが一体的に形成されている、[1]〜[8]のいずれかに記載の耐火性物品。
[10] 前記芯材と、繊維質層とが接着剤を介して接合している、[1]〜[9]のいずれかに記載の耐火性物品。
[11] 前記接着剤がレゾルシノール系接着剤である、[1]〜[10]のいずれかに記載の耐火性物品。
[12] 前記繊維質層が紙基材層である、[1]〜[11]のいずれかに記載の耐火性物品。[13] 前記熱可塑性樹脂層が、少なくともポリエチレンを含む樹脂層である、[1]〜[12]のいずれかに記載の耐火性物品。
[14] 柱、梁、壁、床、桁、筋かいおよび土台からなる群から選択される構造部材である、[1]〜[13]のいずれかに記載の耐火性物品。
[15] [1]〜[14]のいずれかに記載の耐火性物品の製造方法であって、
繊維質層、熱可塑性樹脂層および耐火層を順に備えた耐火性パネルと、芯材とを準備する工程、および
前記耐火性パネルの繊維質層側の片面と、芯材とを接合する工程
を含んでなる、方法。
[1] (1)芯材と、
(2)繊維質層と、
(3)熱可塑性樹脂層と、
(4)耐火層と
を芯材側から順に備えた耐火性物品であって、
前記耐火層は、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有しかつ前記熱可塑性樹脂層と接着しており、
前記繊維質層の坪量は45g/m2未満である、耐火性物品。
[2] ISO-834加熱曲線に準じて前記耐火性物品を燃焼加熱処理した場合、前記芯材における炭化は生じない、[1]に記載の耐火性物品。
[3] 以下の(A)および(B)のうち少なくとも1つを満たす、[1]または[2]に記載の耐火性物品:
(A)日本農林規格(全部改正:平成19年9月25日農林水産省告示第1152号および一部改正:平成24年6月21日農林水産省告示第1587号)に準拠したブロックせん断試験方法により測定される前記耐火性物品のせん断強さが1.0MPa以上である、
(B)前記日本農林規格試験方法に準拠した減圧加圧はく離試験により測定される前記耐火性物品のはく離率(%)が1%未満である。
[4] 前記熱可塑性樹脂層の量が5g/m2以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の耐火性物品。
[5] 前記ポリイソシアヌレート樹脂が、ポリイソシアネートと活性水素含有化合物を構成要素として含有しており、
前記活性水素含有化合物が、水酸基価80〜2000mgKOH/gであり、官能度2〜4であり、分子量50〜2000であり、かつ2つ以上の水酸基を有する1種以上のポリオールである、[1]〜[4]のいずれかに記載の耐火性物品。
[6] 前記ポリイソシアヌレート樹脂の形成に使用されるイソシアヌレート化触媒の量がポリイソシアネート100質量部に対して0.5質量部以上である、[5]に記載の耐火性物品。
[7] 前記耐火層が、水酸化アルミニウム、赤燐またはそれらの組合せを含有している、[1]〜[6]のいずれかに記載の耐火性物品。
[8] 前記芯材の少なくとも一部が木製材料から構成されている、[1]〜[7]のいずれかに記載の耐火性物品。
[9] 前記繊維質層と、熱可塑性樹脂層とが一体的に形成されている、[1]〜[8]のいずれかに記載の耐火性物品。
[10] 前記芯材と、繊維質層とが接着剤を介して接合している、[1]〜[9]のいずれかに記載の耐火性物品。
[11] 前記接着剤がレゾルシノール系接着剤である、[1]〜[10]のいずれかに記載の耐火性物品。
[12] 前記繊維質層が紙基材層である、[1]〜[11]のいずれかに記載の耐火性物品。[13] 前記熱可塑性樹脂層が、少なくともポリエチレンを含む樹脂層である、[1]〜[12]のいずれかに記載の耐火性物品。
[14] 柱、梁、壁、床、桁、筋かいおよび土台からなる群から選択される構造部材である、[1]〜[13]のいずれかに記載の耐火性物品。
[15] [1]〜[14]のいずれかに記載の耐火性物品の製造方法であって、
繊維質層、熱可塑性樹脂層および耐火層を順に備えた耐火性パネルと、芯材とを準備する工程、および
前記耐火性パネルの繊維質層側の片面と、芯材とを接合する工程
を含んでなる、方法。
本発明によれば、顕著な耐火性および構造安定性を有する耐火性物品を簡便に提供することができる。また、本発明によれば、耐火性物品に優れたせん断強さや耐剥離能を付与することができる。本発明によれば、耐火層をはじめとする各層の厚さ等を調整して耐火性能の容易に調整しうることから、柱、梁、壁、床、桁、筋かい、土台などの広範な用途に有利に利用することができる。本発明は、木材を芯材および表面材として好適に使用できることから、軽量性に優れた耐火性の建物構造部材を提供する上で特に有利である。
<耐火性物品>
本発明の耐火性物品は、
(1)芯材と、
(2)繊維質層と、
(3)熱可塑性樹脂層と、
(4)耐火層と
を芯材側から順に備えた耐火性物品であって、
耐火層は、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有しかつ前記熱可塑性樹脂層と接着しており、
繊維質層の坪量は45g/m2未満であることを特徴としている。
本発明のように、芯材と、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有する耐火層との間に特定の繊維質層と熱可塑性樹脂層とを組み合わせて配置すると、顕著な耐火性能を維持しつつ、構造安定性を著しく向上しうることは意外な事実である。
本発明の耐火性物品は、
(1)芯材と、
(2)繊維質層と、
(3)熱可塑性樹脂層と、
(4)耐火層と
を芯材側から順に備えた耐火性物品であって、
耐火層は、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有しかつ前記熱可塑性樹脂層と接着しており、
繊維質層の坪量は45g/m2未満であることを特徴としている。
本発明のように、芯材と、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有する耐火層との間に特定の繊維質層と熱可塑性樹脂層とを組み合わせて配置すると、顕著な耐火性能を維持しつつ、構造安定性を著しく向上しうることは意外な事実である。
以下、図1〜2を参照して、本発明の耐火性物品における、芯材、耐火層等の配置を具体的に説明する。図面における各要素は、実際の縮尺どおりでないことがある。なお、以下の図面の説明にも記載の通り、本発明において、「含有する」「備える」(comprise)とは、構成要件要素に加え、構成要件要素以外の構成要素も包含してもよいことを意味する。
図1Aは、芯材、繊維質層、熱可塑性樹脂層および耐火層を備えた耐火性物品の一態様の断面図である。耐火性物品10は、正方形の断面を有している四角柱を形成している。そして、耐火性物品10において、繊維質層12が芯材11の外周を囲むように配置されており、熱可塑性樹脂層13が繊維質層12の外周を囲むように配置されており、耐火層14が熱可塑性樹脂層13の外周を囲むように配置されている。また、芯材11と繊維質層12は隣接配置されていてもよいが、芯材11と繊維質層12の間には中間層(図示せず)が存在していてもよい。中間層は、付着性に優れている材料(例えば、接着剤)や耐熱性に優れている材料(例えば、木材、金属、特に鉄)で構成されていてもよい。また、熱可塑性樹脂層13は耐火層14と接着している。熱可塑性樹脂層13と耐火層14とは、親和性および接合性の観点から直接的に接着していることが好ましい。
繊維質層12および熱可塑性樹脂層13の間には中間層を設けていてもよいが、接合性の向上の観点から、一体的にラミネート15を構成していることが好ましい。繊維質層および熱可塑性樹脂層をラミネートとして一体的に提供することは、優れた耐火性を維持しつつ、耐火性物品の構造安定性を付与する上で好ましい。
また、繊維質層12の坪量は45g/m2未満とされる。このような坪量の繊維質層を熱可塑性樹脂層と組み合わせて配置することは、耐火性物品において優れた耐火性を維持しつつ、芯材と耐火層を安定に接合させる上で特に有利である。
また、図1Bは、繊維質層および熱可塑性樹脂層をそれぞれ2つ備えた耐火性物品の一態様の断面図である。すなわち、図1Bの耐火性物品は、図1Aの耐火性物品10の耐火層14の外周に、2番目の熱可塑性樹脂層13’および繊維質層12’をさらに配置したものである。2番目の熱可塑性樹脂層13’および繊維質層12’の量および材質は1番目の熱可塑性樹脂層13および繊維質層12と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、2番目の繊維質層12’および熱可塑性樹脂層13’の間には中間層を設けてもよいが、構造安定性の付与の観点から、繊維質層12’および熱可塑性樹脂層13’は一体的にラミネート15’を構成していることが好ましい。さらに、2番目の熱可塑性樹脂層13’は、耐火層14と接着している。可塑性樹脂層13’と耐火層14とは、親和性および接合性の観点から直接的に接着していることが好ましい。また、図示はしないが、2番目の繊維質層12’の外周に、熱可塑性樹脂層、繊維質層、耐火層14の繰り返し構造(例えば、熱可塑性樹脂層〜耐火層〜熱可塑性樹脂層〜繊維質層など)をさらに配置してもよい。
図1Cは、繊維質層および熱可塑性樹脂層をそれぞれ2つ備え、かつ表面層を備えた耐火性物品の一態様の断面図である。すなわち、図1Cの耐火性物品は、図1Bの耐火性物品10の2番目のラミネート15’の外周に、表面層16をさらに配置したものである。2番目のラミネート15’と表面層16との間には、中間層(図示せず)が存在していてもよい。表面層16は、燃え代層としての機能を有していてよい。かかる表面層16は、火災の際に炭化し、内部への熱伝達と酸素供給を遮断することができる。また、表面層は、装飾としての機能を有していてもよい。なお、図1Cの耐火性物品において2番目のラミネート15’は存在しなくてもよい。
図1A〜1Cのような耐火性物品は、繊維質層、熱可塑性樹脂層および耐火性層を備えた複数の耐火性パネルを芯材の外周に接合して製造することができる。このような耐火性パネルの層構造は、図2Aおよび2Bに記載される通りである。ここで、図2Aは、図1Aの点線で囲まれる部分を構成する耐火性パネル17の層構成を示す。また、図2Bは、図1Bの点線で囲まれる部分を構成する耐火性パネル17’の層構成を示す。図2Aおよび2Bに示される通り、耐火性パネル17は、繊維質層(12、12’)、熱可塑性樹脂層(13、13’)および耐火性層14を備えており、繊維質層および熱可塑性樹脂層はラミネートとして一体的に構成されていることが好ましい。図2Aおよび2Bに示されるような層構成を有する複数の耐火性パネルを組み合わせると芯材の外周を囲むようにデザインすることにより、耐火性物品を簡便に製造することが可能となる。
なお、図1において、耐火性物品が正方形の断面を有する態様を表しているが、耐火性物品の断面は、正方形以外の形状であってよい。他の断面形状として、例えば、長方形(例えば、板状)、四角形以外の多角形、円形、楕円形が挙げられる。
本発明によれば、上述のような層構成を適用して、耐火性物品に優れた耐火性と構造安定性とを付与することができる。したがって、本発明の好ましい態様によれば、耐火性物品は、ISO-834加熱曲線に準じて燃焼加熱処理した場合、芯材における燃焼跡または炭化を生じない。上記燃焼加熱処理の具体的な条件は、後述する試験例3に示される通り、ISO-834加熱曲線に準じて、プロパンガスを大型加熱炉内で燃焼させ、試験体(耐火性物品)を1時間加熱し、燃焼を止めて3時間放置し、さらに24時間放置するものとされる。
また、本発明の好ましい態様によれば、耐火性物品は、以下の(A)および(B)のうち少なくとも1つを満たすものとされる:
(A)日本農林規格(全部改正:平成19年9月25日農林水産省告示第1152号および一部改正:平成24年6月21日農林水産省告示第1587号)に準拠したブロックせん断試験方法により測定される前記耐火性物品のせん断強さが1.0MPa以上である、
(B)上記日本農林規格試験方法に準拠した減圧加圧はく離試験により測定される前記耐火性物品のはく離率(%)が1%未満である。
(A)日本農林規格(全部改正:平成19年9月25日農林水産省告示第1152号および一部改正:平成24年6月21日農林水産省告示第1587号)に準拠したブロックせん断試験方法により測定される前記耐火性物品のせん断強さが1.0MPa以上である、
(B)上記日本農林規格試験方法に準拠した減圧加圧はく離試験により測定される前記耐火性物品のはく離率(%)が1%未満である。
<繊維質層および熱可塑性樹脂層のラミネート>
本発明の耐火性物品は、上述の通り、繊維質層と、熱可塑性樹脂層とを備えている。
本発明の耐火性物品は、上述の通り、繊維質層と、熱可塑性樹脂層とを備えている。
[繊維質層]
本発明に使用される繊維質層としては、通常、紙基材として用いられるものを使用することができる。紙基材は、木製の芯材との整合を安定的に行う上で有利である。また、繊維質層には、必要に応じて難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等が含まれていてもよい。紙基材として好適な例としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙などが使用できる。これらの紙基材は、紙基材の繊維間ないしは他層と紙基材との層間強度を強化したり、ケバ立ち防止のため、これら紙基材に、さらに、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでもよい。例えば、紙間強化紙、樹脂含浸紙などである。なお、本発明に使用される繊維質層には、分類上、不織布に該当しているものも包含される。
本発明に使用される繊維質層としては、通常、紙基材として用いられるものを使用することができる。紙基材は、木製の芯材との整合を安定的に行う上で有利である。また、繊維質層には、必要に応じて難燃剤、無機質剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色剤、サイズ剤、定着剤等が含まれていてもよい。紙基材として好適な例としては、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙などが使用できる。これらの紙基材は、紙基材の繊維間ないしは他層と紙基材との層間強度を強化したり、ケバ立ち防止のため、これら紙基材に、さらに、アクリル樹脂、スチレンブタジエンゴム、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を添加(抄造後樹脂含浸、又は抄造時に内填)させたものでもよい。例えば、紙間強化紙、樹脂含浸紙などである。なお、本発明に使用される繊維質層には、分類上、不織布に該当しているものも包含される。
また、繊維質層の坪量については、構造安定性の観点からは坪量は45g/m2未満とされ、好ましくは40g/m2以下、より好ましくは5〜40g/m2、さらに好ましくは10〜40g/m2、さらに好ましくは10〜30g/m2、さらに好ましくは10〜25g/m2、さらに好ましくは12〜23g/m2である。
繊維質層の厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは5〜200μmであり、より好ましくは10〜100μmである。
[熱可塑性樹脂層]
熱可塑性樹脂層は、繊維質層の片面に設けられ、少なくとも熱可塑性樹脂を含む層である。
熱可塑性樹脂層は、繊維質層の片面に設けられ、少なくとも熱可塑性樹脂を含む層である。
熱可塑性樹脂層の坪量は、特に限定されず、20g/m2以下でとすることができるが、好ましくは15g/m2未満、より好ましくは14g/m2以下であり、さらに好ましくは2〜14g/m2であり、さらに好ましくは5〜14g/m2であり、さらに好ましくは8〜14g/m2である。
また、熱可塑性樹脂層の厚さは、特に限定されるものではないが、5〜200μmが好ましい。さらに好ましくは10〜100μmである。
熱可塑性樹脂の融点は、特に限定されないが、製造の簡便性を考慮すれば、好ましくは120℃以下であり、より好ましくは110℃以下であり、さらに好ましくは100℃以下である。
熱可塑性樹脂の融点は以下の方法で測定することができる。
示差走査熱量計(DSC分析器、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 DSC6220)を用い以下の条件で測定する。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持する。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持する。
(iii)次いで、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。このときに融解ピークが観察される温度を融点とする。
示差走査熱量計(DSC分析器、エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製 DSC6220)を用い以下の条件で測定する。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持する。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持する。
(iii)次いで、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。このときに融解ピークが観察される温度を融点とする。
熱可塑性樹脂層における樹脂としては、特に制限されないが、耐火層との安定な結合を形成する観点からは、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリオレフィン、アクリレート、およびこれらの混合樹脂あるいは共重合樹脂が挙げられ、ポリエチレンが好ましい。したがって、本発明の熱可塑性樹脂層は、好ましくはポリエチレン樹脂層である。
熱可塑性樹脂層において使用されるポリエチレンとしては、エチレンの単独重合体であってもよく、またエチレンとαオレフィンの共重合体であってもよい。当該共重合体のコモノマーとして使用されるαオレフィンとしては、例えば、炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜8の直鎖状又は分岐状のαオレフィンが挙げられる。
上記エチレン共重体を構成するαオレフィン以外のモノマー(コモノマー)としては、例えば、カルボン酸ビニル、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル等が挙げられる。カルボン酸ビニルとしては、具体的には、酢酸ビニル等が挙げられる。不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸エステルとしては、具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等が挙げられる。
これらのコモノマーの中でも、耐火性および耐火層との接合性の付与という観点から、好ましくはカルボン酸ビニル、さらに好ましくは酢酸ビニルが挙げられる。
熱可塑性樹脂層の樹脂成分として使用されるエチレン共重体としては、エチレン−カルボン酸ビニル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体等が挙げられる。より具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(EMAA)等が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。これらのエチレン共重合体は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、エチレン共重合体において、エチレンとコモノマーの比率については、特に制限されないが、例えば、エチレン共重合体の総質量当たり、コモノマーの含有量として、通常5〜42質量%、好ましくは5〜35質量%が挙げられる。
熱可塑性樹脂層における樹脂成分の含有量については、使用する樹脂成分の種類や組み合わせを考慮して適宜設定されるが、前述する耐火性および耐火層との接着性の付与のバランスを保つという観点から、熱可塑性樹脂層の総質量に対して、樹脂成分が総量で通常50〜100質量%、好ましくは50〜90質量%、より好ましくは55〜85質量%が挙げられる。
熱可塑性樹脂層は発泡剤を使用して製造してもよい。かかる発泡剤としては、特に制限されず、公知の発泡剤から選択することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジド系等の有機系熱分解型発泡剤;マイクロカプセル型発泡剤;重曹等の無機系発泡剤等が挙げられる。これらの発泡剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
発泡剤の含有量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡剤は、例えば、樹脂成分100質量部に対して1〜20質量部程度とすればよい。
熱可塑性樹脂層には、発泡剤の発泡効果を向上させるために、必要に応じて発泡助剤が含まれていてもよい。発泡助剤としては、特に制限されないが、例えば、金属酸化物、脂肪酸金属塩等が挙げられる。より具体的には、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの発泡助剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの発泡助剤の含有量は、発泡助剤の種類、発泡剤の種類や含有量等に応じて適宜設定されるが、例えば、樹脂成分100質量部に対して、0.3〜10質量部程度、好ましくは1〜5質量部程度が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂層には、難燃性の付与、目透き抑制、表面特性向上等のために、必要に応じて難燃性付与剤(無機充填剤)が含まれていてもよい。無機充填剤としては、特に制限されないが、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。これらの無機充填剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
さらに、熱可塑性樹脂層には、要に応じて、酸化防止剤、架橋剤、架橋助剤、表面処理剤等の添加剤を含んでいてもよい。
上述のような繊維質層と、熱可塑性樹脂層との質量比(繊維質層:熱可塑性樹脂層)は、特に限定されるものではないが、例えば、1:0.45〜1:3とすることができるが、好ましくは1:0.45〜1:1であり、より好ましくは1:0.45〜1:0.9であり、さらに好ましくは1:0.45〜1:0.8である。
また、耐火性物品において、繊維質層および熱可塑性樹脂層が一体的に成型されてラミネート構造をとることが好ましい。
繊維質層と熱可塑性樹脂層とのラミネートの厚さは、特に限定されるものではないが、好ましくは10〜300μmであり、より好ましくは20〜200μmであり、さらに好ましくは30〜150μmである。
上記ラミネートは市販品を使用することができる。かかる市販品としては、薄葉紙14g/PE10g(坪量:紙14g/m2/ポリエチレン10g/m2、コシハラ製)、薄葉紙20g/PE13.8g(坪量:紙20g/m2/ポリエチレン13.8g/m2、コシハラ製)、薄葉紙21g/PE10g(坪量:紙21g/m2/ポリエチレン10g/m2、大昭和製紙製)等が挙げられる。
<耐火層>
本発明の耐火層は、上述の通り、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有している。ここで、「主成分として含有する」とは、耐火層全成分の合計質量に対して50質量%以上含有することをいい、好ましくは70質量%以上、より好ましくは50質量%〜100質量%、さらに好ましくは70質量%〜95質量%、さらに好ましくは75質量%〜90質量%である。
本発明の耐火層は、上述の通り、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有している。ここで、「主成分として含有する」とは、耐火層全成分の合計質量に対して50質量%以上含有することをいい、好ましくは70質量%以上、より好ましくは50質量%〜100質量%、さらに好ましくは70質量%〜95質量%、さらに好ましくは75質量%〜90質量%である。
ポリイソシアヌレート樹脂は、ポリイソシアネートの三量化によって得られるイソシアヌレート環構造を含有する樹脂である。通常、イソシアヌレート化(三量化)触媒などの存在下で、ポリイソシアネートを反応させることにより得ることができる。本発明では、イソシアネート反応性活性水素を有する化合物(例えばポリオール)の存在下で、ポリイソシアネートをイソシアヌレート化することが好ましい。ポリイソシアヌレート樹脂は、好ましくは常温(20℃)で固体である。また、ポリイソシアヌレート樹脂は、非発泡材料であることが好ましい。
本発明において、ポリイソシアネートの一部分は、イソシアネート反応性活性水素を有する化合物と反応する(ウレタン反応)。ウレタン化とイソシアヌレート化は、前後して(別個に)行ってよく、あるいは同時に行ってよい。イソシアヌレート化するイソシアネート基とウレタン化するイソシアネート基のモル比は、1.0:0.018〜0.59、好ましくは1.0:0.02〜0.50 であってよい。
本発明において、ポリイソシアネートの一部分は、イソシアネート反応性活性水素を有する化合物と反応する(ウレタン反応)。ウレタン化とイソシアヌレート化は、前後して(別個に)行ってよく、あるいは同時に行ってよい。イソシアヌレート化するイソシアネート基とウレタン化するイソシアネート基のモル比は、1.0:0.018〜0.59、好ましくは1.0:0.02〜0.50 であってよい。
ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に通常使用されているものが用いられる。このようなイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、これらの変性物(例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、イソシヌアレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリメリックTDI(粗製TDIあるいはクルードTDIともいう。)、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(粗製MDIあるいはポリメリックMDIともいう。)、ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、炭素数2〜18の脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどが挙げられる。脂環式ポリイソシアネートとしては、炭素数4〜16の脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
ポリイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート、例えば、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(ポリメリックMDI)であることが好ましい。
上述のようなポリイソシアネートは、所望の形状の耐火性物品を簡便に製造する観点からは、常温域(20〜25℃)で液状であることが好ましい。かかるポリイソシアネートの粘度は、例えば、常温域で1〜5000mPa・s程度である。
一般に、イソシアヌレート環の生成を促進するために、触媒(イソシアヌレート化触媒)を使用する。イソシアヌレート化触媒として、例えば、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の芳香族化合物、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム、オクチル酸カリウム等のカルボン酸アルカリ金属塩、カルボン酸の4級アンモニウム塩等を使用できる。イソシアヌレート化触媒の量は、ポリイソシアネート100質量部に対して、0.01〜10質量部であってよい。
本発明では、イソシアネート反応性活性水素を有する化合物を含有することが必須である。イソシアネート反応性活性水素を有する化合物は、1分子中に2つ以上の水酸基を有するポリオールであることが好ましい。
前記のポリオールにおける水酸基の数(官能度)は1分子中に2〜4である。水酸基価は80〜2000mgKOH/g、例えば100〜1500mgKOH/gである。また分子量(数平均分子量)は、50〜2000、例えば60〜1500である。低分子量の化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール類があげられる。
また炭化水素の水素原子を水酸基またはアミノ基によって置換した化合物、あるいはこの置換化合物にポリオキシアルキレン基が付加している化合物、すなわちポリエーテルポリオールであってもよい。オキシアルキレンの炭素数は2〜5であることが好ましく、プロピレンオキシドやエチレンオキシドなどがあげられる。
本発明ではポリオールとしてポリエステルポリオールであってもよい。ポリエステルポリオールの組成は限定されず、芳香族系でも脂肪族系でもよい。
ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールをそれぞれ単独に、あるいは複数を混合して使用してもよい。
ポリオールの粘度は、ポリイソシアヌレート樹脂を形成するために他の成分と混合することを考えると、低粘度であることが好ましい。ポリオールの粘度は、例えば100〜3000mPa・s/25℃である。
また炭化水素の水素原子を水酸基またはアミノ基によって置換した化合物、あるいはこの置換化合物にポリオキシアルキレン基が付加している化合物、すなわちポリエーテルポリオールであってもよい。オキシアルキレンの炭素数は2〜5であることが好ましく、プロピレンオキシドやエチレンオキシドなどがあげられる。
本発明ではポリオールとしてポリエステルポリオールであってもよい。ポリエステルポリオールの組成は限定されず、芳香族系でも脂肪族系でもよい。
ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールをそれぞれ単独に、あるいは複数を混合して使用してもよい。
ポリオールの粘度は、ポリイソシアヌレート樹脂を形成するために他の成分と混合することを考えると、低粘度であることが好ましい。ポリオールの粘度は、例えば100〜3000mPa・s/25℃である。
本発明では、前記ポリオールを使用することにより、イソシアヌレート化反応がスムースに促進されたり、製造されるポリイソシアヌレート樹脂の脆さが改善され、難燃性能向上に大きく寄与することが判明した。またこれらの化合物は比較的低粘度であるため、後述する各種添加剤やポリイソシアネートとの混合等のハンドリングが容易となる効果もある。
ポリオールの使用量は、ポリイソシアネート100質量部に対し、5〜30質量部、好ましくは6〜25質量部である。ポリオールの使用量が30質量部以下とする場合には、生成される樹脂中のウレタン結合基率が低いので、耐熱性を高くする上で有利である。
ポリオールの使用量は、ポリイソシアネート100質量部に対し、5〜30質量部、好ましくは6〜25質量部である。ポリオールの使用量が30質量部以下とする場合には、生成される樹脂中のウレタン結合基率が低いので、耐熱性を高くする上で有利である。
必要に応じて、添加剤、例えば、可塑剤、難燃性付与剤、無機充填材、強化材、界面活性剤、有機及び無機顔料、着色剤、UV及び熱安定剤、又は制カビもしくは制菌効果をもつ物質を使用する。
添加剤は、ポリイソシアネートのイソシアネート基と反応してもよいが、イソシアネート基と反応しないことが好ましい。したがって、添加剤は、イソシアネート基と反応する活性水素を有しないことが好ましい。
添加剤は、ポリイソシアネートのイソシアネート基と反応してもよいが、イソシアネート基と反応しないことが好ましい。したがって、添加剤は、イソシアネート基と反応する活性水素を有しないことが好ましい。
可塑剤の例は、カルボン酸エステル(例えば、アルカンジカルボン酸エステル、アリールカルボン酸エステル)、およびリン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステル(例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(β-クロロプロピル)ホスフェート)などである。可塑剤の具体例は、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、リン酸トリクレジルなどである。可塑剤を添加することにより、ポリイソシアヌレート樹脂の脆さが改善される。
難燃性付与剤の例は、金属酸化物(例えば、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリウム)、金属水酸化物(例えば、水酸化アルミニウム)、臭素系化合物(例えば、臭素化ジフェニルエーテル、臭素化ジフェニルアルカン、臭素化フタルイミド)、リン系化合物(例えば、赤リン、リン酸エステル、リン酸エステル塩、リン酸アミド、有機フォスフィンオキサイド)、窒素系化合物(例えば、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼン、トリアジン、メラミンシアヌレート)である。これら難燃性付与剤を単独使用してもよいし、複数の種類を併用してもよい。
本発明では、前述のポリオールとこれら難燃性付与剤を合わせて使用することにより難燃性をさらに向上できる。その際の難燃性付与剤の選択については、特に、水酸化アルミニウムと赤リンの組合せが効果的である。
本発明では、特に難燃性能向上に効果的な、水酸化アルミニウムと赤リンの組合せの詳細は以下の通りである。すなわち、難燃性付与剤が、水酸化アルミニウムおよび赤燐を含有し、ポリイソシアヌレート樹脂の原料ポリイソシアネート100質量部に対し、水酸化アルミニウムの量が10〜20質量部であり、赤燐の量が5〜10質量部であり、水酸化アルミニウムと赤燐の質量比が1〜4:1である場合に、難燃性付与剤がこの範囲内であれば、難燃性の向上が顕著である。
本発明に使用する赤燐に限定はなく、各種市販品を選択して使用することができる。市販品とは例えば、燐化学工業社製のノーバレッド120、120UF、120UFA、ノーバエクセル140、140Fである。本発明に使用する水酸化アルミニウムに限定はなく、各種市販品を選択して使用することができる。市販品とは例えば、住友化学社製のC−12、C−31、C−F−1である。ただし難燃性付与剤の選択においては、ポリオールやポリイソシアネートと撹拌混合の必要性を考慮し、混合を阻害するような形状(例えば固形ペレット状)や粘度を上昇させるような形状(例えば繊維状)の難燃性付与剤は好ましくない。これらの選択は使用実態にあわせて適宜なされるべきである。難燃性付与剤の形状は、例えば、粉末、液体などであってよい。
無機充填材および強化材の例は、硫酸バリウム、多孔質珪藻土、ホワイチング、雲母、タルク、特にガラス繊維、ガラスフレーク、ガラス球、アラミド繊維又は炭素繊維などである。
添加剤の量は、ポリイソシアネート100質量部に対して0〜100質量部、例えば1〜50質量部であってよい。
添加剤の量は、ポリイソシアネート100質量部に対して0〜100質量部、例えば1〜50質量部であってよい。
本発明におけるポリイソシアヌレート樹脂は、イソシアヌレート化(三量化)触媒を使用し、ポリイソシアネートの三量化によって得られるイソシアヌレート環構造を含有する樹脂である。
上記触媒の使用量は、特に限定されるものではないが、ポリイソシアネート100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上であり、より好ましくは0.5〜1.5質量部であり、さらに好ましくは0.5〜1.0質量部であり、さらに好ましくは0.6〜1.0質量部である。
本発明においてはポリオール化合物とポリイソシアネートとが反応するが、その際のイソシアネートインデックス(NCO Index)は、好ましくは170〜5600であり、より好ましくは200〜5000であり、さらに好ましくは500〜2000であり、さらに好ましくは800〜1800であり、さらに好ましくは1000〜1500である。
本発明においてイソシアネートインデックスとは、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数を、ポリ(モノ)オールの水酸基やアミノ基のイソシアネート基と反応する活性水素の総数で除した値を100倍した数値である。即ち、イソシアネート基と反応する活性水素数とポリイソシアネート中のイソシアネート基が化学量論的に等しい場合に、そのイソシアネートインデックスは100となる。
イソシアヌレート環構造は、優れた耐熱性を有するために本発明の用途に特に好ましいが、生成する樹脂の耐熱性を大きく低下させないことを条件に、他の組成を導入することも可能である。本発明では既述したような特定のポリオールを併用してウレタン結合基を部分的に導入する。本発明ではこれらの適度なウレタン結合基を導入することにより、イソシアヌレート環構造の脆さを補う効果が生まれ、燃焼試験時の試験片の割れを押さえることにより、耐火性(難燃性)を向上させていると推測される。(燃焼試験時に試験片が割れると、その隙間から炎や熱が素早く伝わるために耐火性(難燃性)が低下する傾向にある)また、他種の結合基、例えばビウレット基、アロファネート基、カルボジイミド基などを、耐火性能を大きく低下させない程度に導入してもよい。
耐火層の厚さは、特に限定されず、所望の耐火性および物品の用途等に応じて適宜調節してよいが、例えば、1〜200mmであり、好ましくは2〜50mmであり、より好ましくは5〜45mmである。耐火層の厚みは、耐火性物品において部分的に耐火性能に違いが生じることを回避する観点から、一つの耐火性物品においてはほぼ一定とすることが好ましい。
耐火層の製造の際には、上述のような各種原料を型に入れて混合し重合反応させる。かかる反応時の混合液の温度(好ましくは最高到達温度)は、特に限定されるものではないが、好ましくは85℃以上であり、より好ましくは85〜150℃であり、より好ましくは90〜120℃であり、さらに好ましくは95〜115℃である。
<芯材>
芯材は、構造部材に適用可能な材料であれば特に限定されるものではないが、少なくとも一部が木製材料から構成されることが好ましい。一般木材、無垢の木材、集成材、CLT(Cross Laminated Timber)などから構成することができる。芯材の大きさは、特に限定されず、耐火性物品の用途に応じて種々に調節してもよい。また、芯材の形状は、特に限定されず、所望の耐火性物品の形状に応じて適宜設定することができる。
芯材は、構造部材に適用可能な材料であれば特に限定されるものではないが、少なくとも一部が木製材料から構成されることが好ましい。一般木材、無垢の木材、集成材、CLT(Cross Laminated Timber)などから構成することができる。芯材の大きさは、特に限定されず、耐火性物品の用途に応じて種々に調節してもよい。また、芯材の形状は、特に限定されず、所望の耐火性物品の形状に応じて適宜設定することができる。
<表面層>
本発明の耐火性物品は、図1Cに示される通り、装飾性または燃え代層付与の観点から、表面層を備えていてもよい。表面層を構成する材料は、特に限定されず、例えば、木材、紙、プラスチックなどが挙げられるが、木材であることが好ましい。
本発明の耐火性物品は、図1Cに示される通り、装飾性または燃え代層付与の観点から、表面層を備えていてもよい。表面層を構成する材料は、特に限定されず、例えば、木材、紙、プラスチックなどが挙げられるが、木材であることが好ましい。
本発明の表面層の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜100mmであり、好ましくは0.2〜50mmであり、より好ましくは1〜30mmである。
<耐火性パネル/耐火性物品の製造方法>
本発明においては、図2Aおよび図2Bに示される通り、繊維質層、熱可塑性樹脂層および耐火層を積層して耐火性パネルとし、芯材と接合して耐火性物品の製造に使用することができる。
本発明においては、図2Aおよび図2Bに示される通り、繊維質層、熱可塑性樹脂層および耐火層を積層して耐火性パネルとし、芯材と接合して耐火性物品の製造に使用することができる。
より具体的には、耐火性パネルは、例えば、以下の方法により製造することができる。1.繊維質層および熱可塑性樹脂層のラミネート(樹脂ラミネート紙)を、繊維質層側(紙側)が、型の表面に面するように設置する。
2.耐火層製造のための各種原料を撹拌混合し、上記型に投入する。
3.型内で所定時間静置させ、型の表面温度を上昇させる。
4.反応終了後、型からラミネートにより被覆された耐火層を取り出す。
2.耐火層製造のための各種原料を撹拌混合し、上記型に投入する。
3.型内で所定時間静置させ、型の表面温度を上昇させる。
4.反応終了後、型からラミネートにより被覆された耐火層を取り出す。
また、耐火性物品の製造方法は、特に限定されるものではないが、効率的な製造の観点から、図1に示される配置となるように、芯材と耐火性パネルの繊維質層側の片面を接合することにより簡便に製造することができる。したがって、好ましい態様によれば、耐火性物品の製造方法は、繊維質層、熱可塑性樹脂層および耐火層を順に備えた耐火性パネルと、芯材とを準備する工程、および耐火性パネルの繊維質層側の片面と、芯材とを接合する工程を含んでなる。
芯材と繊維質層側の片面の接合には、接着剤を使用してもよい。接着剤の種類は、特に限定されないが、木質材の接着の観点からは、好ましくは、レゾルシノール系接着剤、ウレタン系接着剤、水性高分子イソシアネート系接着剤、ユリア系接着剤、メラミン系接着剤、フェノール系接着剤、酢酸ビニル系接着剤などであり、より好ましくはレゾルシノール系接着剤である。かかる接着剤は、芯材と繊維質層との間で中間層を形成していてもよい。
<用途>
耐火性物品は、耐火性が要求される用途に使用できる。耐火性物品は、芯材として必要とされる強度を有する材料を選択すれば、構造部材として使用できる。構造部材の例は、建物の構造部材、例えば、柱、梁、壁、床、桁、筋かい、土台が挙げられる。
耐火性物品は、耐火性が要求される用途に使用できる。耐火性物品は、芯材として必要とされる強度を有する材料を選択すれば、構造部材として使用できる。構造部材の例は、建物の構造部材、例えば、柱、梁、壁、床、桁、筋かい、土台が挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
なお、特段の記載のない限り、本発明の単位および測定方法は、日本工業規格(JIS)の規定に従う。また、特段の記載のない限り、「部」、「%」はそれぞれ、「質量部」、「質量%」を意味し、温度は摂氏を意味する。
なお、特段の記載のない限り、本発明の単位および測定方法は、日本工業規格(JIS)の規定に従う。また、特段の記載のない限り、「部」、「%」はそれぞれ、「質量部」、「質量%」を意味し、温度は摂氏を意味する。
<原材料およびその準備>
本実施例で用いた原材料は、以下の通りであった。
[ポリイソシアヌレート樹脂原料]
ポリイソシアネート1:スミジュール44V20L(住化コベストロウレタン(株)製;NCO含有率31.5%、粘度180mPa・s/25℃、ポリメリックMDI)
ポリオール1:SBUポリオール0497(住化コベストロウレタン(株)製;水酸基価500mgKOH/g、官能基数2、分子量220、粘度約50mPa・s/25℃のプロピレンオキシド付加タイプのポリエーテルポリオール)
ポリオール2:マキシモールRLK-085(川崎化成工業(株)製;水酸基価200mgKOH/g、官能基数2、分子量560、粘度約900 mPa・s/25℃のポリエステルポリオール)
難燃性付与剤1:水酸化アルミニウムC-31(住友化学社製)
難燃性付与剤2:ノーバレッド120UFA(赤燐)(燐化学工業社製)
触媒:カオーライザーNo.14(花王社製;イソシアヌレート化触媒;N,N',N''-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-s-トリアジン)
本実施例で用いた原材料は、以下の通りであった。
[ポリイソシアヌレート樹脂原料]
ポリイソシアネート1:スミジュール44V20L(住化コベストロウレタン(株)製;NCO含有率31.5%、粘度180mPa・s/25℃、ポリメリックMDI)
ポリオール1:SBUポリオール0497(住化コベストロウレタン(株)製;水酸基価500mgKOH/g、官能基数2、分子量220、粘度約50mPa・s/25℃のプロピレンオキシド付加タイプのポリエーテルポリオール)
ポリオール2:マキシモールRLK-085(川崎化成工業(株)製;水酸基価200mgKOH/g、官能基数2、分子量560、粘度約900 mPa・s/25℃のポリエステルポリオール)
難燃性付与剤1:水酸化アルミニウムC-31(住友化学社製)
難燃性付与剤2:ノーバレッド120UFA(赤燐)(燐化学工業社製)
触媒:カオーライザーNo.14(花王社製;イソシアヌレート化触媒;N,N',N''-トリス(3-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-s-トリアジン)
[芯材]
試験例2:スギ材を120mm×120mm×1200mmに採寸して使用した。
試験例3:JAS規格に適合した、強度等級E105-F300のオウシュウアカマツ集成材(銘建工業(株)社製)を120mm×120mm×1200mmに採寸して使用した。
試験例2:スギ材を120mm×120mm×1200mmに採寸して使用した。
試験例3:JAS規格に適合した、強度等級E105-F300のオウシュウアカマツ集成材(銘建工業(株)社製)を120mm×120mm×1200mmに採寸して使用した。
[接着剤]
ディアノールD−300(レゾルシノール系)(株式会社オーシカ製)
ディアノールD−300(レゾルシノール系)(株式会社オーシカ製)
[ポリイソシアヌレート樹脂原液AおよびB]
以下の手順に従い、ポリイソシアヌレート樹脂原液AおよびBを調製した。
1)ポリイソシアネート1を10kg、難燃剤1を1500g、難燃剤2を750g、それぞれ計量し、20Lの容器に投入した。次に容器中の内容物をハンドミキサーで300rpmx3分の条件で十分に撹拌混合した。
2)所定量のポリオール1およびポリオール2と、触媒180gとを、3Lの容器に投入した。次に、容器中の内容物をハンドミキサーで300rpmx3分の条件で十分に撹拌混合した。
3)上記2で得られた混合物を、上記1の混合物を収容した容器に投入し、ハンドミキサーで400rpmx20秒の条件で十分に撹拌混合した。
4)上記3で得られた混合物を、ポリイソシアヌレート樹脂原液として使用し、後述する耐火パネルの成形型に注入した。なお、上記1)と2)の材料を混合するとイソシアヌレート化反応およびウレタン化反応が始まるため、3)の混合はポリイソシアヌレート樹脂を形成する直前に行った。
以下の手順に従い、ポリイソシアヌレート樹脂原液AおよびBを調製した。
1)ポリイソシアネート1を10kg、難燃剤1を1500g、難燃剤2を750g、それぞれ計量し、20Lの容器に投入した。次に容器中の内容物をハンドミキサーで300rpmx3分の条件で十分に撹拌混合した。
2)所定量のポリオール1およびポリオール2と、触媒180gとを、3Lの容器に投入した。次に、容器中の内容物をハンドミキサーで300rpmx3分の条件で十分に撹拌混合した。
3)上記2で得られた混合物を、上記1の混合物を収容した容器に投入し、ハンドミキサーで400rpmx20秒の条件で十分に撹拌混合した。
4)上記3で得られた混合物を、ポリイソシアヌレート樹脂原液として使用し、後述する耐火パネルの成形型に注入した。なお、上記1)と2)の材料を混合するとイソシアヌレート化反応およびウレタン化反応が始まるため、3)の混合はポリイソシアヌレート樹脂を形成する直前に行った。
ポリイソシアヌレート樹脂原液AおよびBの組成はそれぞれ以下の通りである。
[樹脂ラミネート紙]
以下の実験で使用した樹脂ラミネート紙は表2に示される通りである。
以下の実験で使用した樹脂ラミネート紙は表2に示される通りである。
<試験例1:ポリイソシアヌレート樹脂と樹脂ラミネート紙の接着性評価>
<耐火性パネルの製造>
[試験区1]
1)以下のサイズのアルミニウム製の型を用意し、40℃に加温した。
サイズ:1500(長さ)x50(幅)x200(高さ)mm
2)両面テープを用い、型の縦面(1500(長さ)x200(高さ)mm)の両内側に被覆素材1の紙層を配置した。
3)上記[ポリイソシアヌレート樹脂配合の準備]で用意したポリイソシアヌレート樹脂原液Aを上記2)の型に投入した(イソシアネートインデックス1300、密度1.15として計算し、17.25kgを投入量した)。
4)型を30分間40℃に保つことでポリイソシアヌレート樹脂原液の反応を促進させた。このとき混合された樹脂原液におけるイソシアヌレート化およびウレタン化反応により、生成するポリイソシアヌレート樹脂の表面温度は最高温度105℃に達していた。
5)60分後、型を解体することにより、ポリイソシアヌレート樹脂の二面に樹脂ラミネート紙が被覆された耐火性パネルを得た。
[試験区1]
1)以下のサイズのアルミニウム製の型を用意し、40℃に加温した。
サイズ:1500(長さ)x50(幅)x200(高さ)mm
2)両面テープを用い、型の縦面(1500(長さ)x200(高さ)mm)の両内側に被覆素材1の紙層を配置した。
3)上記[ポリイソシアヌレート樹脂配合の準備]で用意したポリイソシアヌレート樹脂原液Aを上記2)の型に投入した(イソシアネートインデックス1300、密度1.15として計算し、17.25kgを投入量した)。
4)型を30分間40℃に保つことでポリイソシアヌレート樹脂原液の反応を促進させた。このとき混合された樹脂原液におけるイソシアヌレート化およびウレタン化反応により、生成するポリイソシアヌレート樹脂の表面温度は最高温度105℃に達していた。
5)60分後、型を解体することにより、ポリイソシアヌレート樹脂の二面に樹脂ラミネート紙が被覆された耐火性パネルを得た。
[試験区2〜5]
被覆素材1を被覆素材2〜5に代える以外は、試験区1と同様の手順で耐火性パネルを製造した。
被覆素材1を被覆素材2〜5に代える以外は、試験区1と同様の手順で耐火性パネルを製造した。
[試験区6〜8]
被覆素材1を被覆素材6〜8に代え、 [試験区1]の製造工程2)において型の縦面(1500(横)x200(高さ)mm)の両内側に被覆素材6〜8のポリエチレン層を配置した。それ以外は試験区1と同様の手順で耐火性パネルを製造した。
被覆素材1を被覆素材6〜8に代え、 [試験区1]の製造工程2)において型の縦面(1500(横)x200(高さ)mm)の両内側に被覆素材6〜8のポリエチレン層を配置した。それ以外は試験区1と同様の手順で耐火性パネルを製造した。
[試験区9〜11]
被覆素材1を被覆素材6〜8に代え、 [試験区1]の製造工程2)において型の縦面(1500(横)x200(高さ)mm)の両内側に被覆素材6〜8の紙層を配置した。それ以外は試験区1と同様の手順で耐火性パネルを製造した。
被覆素材1を被覆素材6〜8に代え、 [試験区1]の製造工程2)において型の縦面(1500(横)x200(高さ)mm)の両内側に被覆素材6〜8の紙層を配置した。それ以外は試験区1と同様の手順で耐火性パネルを製造した。
[試験区12〜14]
被覆素材1を被覆素材9〜11に代え、 [試験区1]の製造工程2)において型の縦面(1500(横)x200(高さ)mm)の両内側に被覆素材9〜11のポリエチレン層を配置した。それ以外は試験区1と同様の手順で耐火性パネルを製造した。
被覆素材1を被覆素材9〜11に代え、 [試験区1]の製造工程2)において型の縦面(1500(横)x200(高さ)mm)の両内側に被覆素材9〜11のポリエチレン層を配置した。それ以外は試験区1と同様の手順で耐火性パネルを製造した。
[試験区15〜17]
被覆素材1を被覆素材9〜11に代え、 [試験区1]の製造工程2)において型の縦面(1500(横)x200(高さ)mm)の両内側に被覆素材9〜11の紙層を配置した。それ以外は試験区1と同様の手順で耐火性パネルを製造した。
被覆素材1を被覆素材9〜11に代え、 [試験区1]の製造工程2)において型の縦面(1500(横)x200(高さ)mm)の両内側に被覆素材9〜11の紙層を配置した。それ以外は試験区1と同様の手順で耐火性パネルを製造した。
[試験区18〜20]
試験区6〜8において、ポリイソシアヌレート樹脂原液Bを使用する以外は、同様の手順で耐火性パネルを製造した。
試験区6〜8において、ポリイソシアヌレート樹脂原液Bを使用する以外は、同様の手順で耐火性パネルを製造した。
[接着性評価]
試験区1〜20の耐火性パネルを温度25℃、湿度50%RHの部屋で24時間整置させた後、JIS K 5600 5-6:1999 付着性(クロスカット法)に準拠してポリイソシアヌレート樹脂と樹脂ラミネート紙の接着性評価を実施した。
判定は以下の評価基準に従った。
どの格子の目にもはがれがない場合:付着性良好(○)
いずれかの格子の目がはがれた場合:付着性不良(×)
試験区1〜20の耐火性パネルを温度25℃、湿度50%RHの部屋で24時間整置させた後、JIS K 5600 5-6:1999 付着性(クロスカット法)に準拠してポリイソシアヌレート樹脂と樹脂ラミネート紙の接着性評価を実施した。
判定は以下の評価基準に従った。
どの格子の目にもはがれがない場合:付着性良好(○)
いずれかの格子の目がはがれた場合:付着性不良(×)
結果は表3に示される通りであった。
表3において、ポリイソシアヌレ−ト樹脂との接着面における被覆素材の材質が紙の場合は、接着性が不良であった(試験区1〜5、9〜11、15〜17)。一方で、ポリイソシアヌレ−ト樹脂との接着面における被覆素材の材質がポリエチレンの場合、ポリイソシアヌレ−ト樹脂原液A(製造時の最高到達温度が105℃)を用いると接着性が良好であった(試験区6〜8、12〜14)。しかしながら、ポリイソシアヌレ−ト樹脂原液B(製造時の最高到達温度が80℃)を用いると接着性が不良であった(試験区18〜20)。
<試験例2:耐火性パネルと芯材の接着性評価>
以下に示される試験方法に従い、試験区6〜9および試験区12〜14で製造した耐火性パネルと芯材の接着性を評価した。
以下に示される試験方法に従い、試験区6〜9および試験区12〜14で製造した耐火性パネルと芯材の接着性を評価した。
[ブロックせん断試験]
集成材の日本農林規格(JAS)(全部改正:平成19年9月25日農林水産省告示第1152号および一部改正:平成24年6月21日農林水産省告示第1587号)に記載の、構造用集成材のブロックせん断試験方法に準拠して、耐火パネルと芯材の接着性を評価した。
試験材(集成材)は、耐火性パネルと芯材(120mm×120mm×1200mmのスギ材)を組み合わせて、所定の接着剤を用いて貼りあわせることにより製造した。製造後3日間養生し測定を実施した。
判定は以下の評価基準に従った。
せん断強さ1.0MPa以上:合格(○)
せん断強さ1.0MPa未満:不合格(×)
集成材の日本農林規格(JAS)(全部改正:平成19年9月25日農林水産省告示第1152号および一部改正:平成24年6月21日農林水産省告示第1587号)に記載の、構造用集成材のブロックせん断試験方法に準拠して、耐火パネルと芯材の接着性を評価した。
試験材(集成材)は、耐火性パネルと芯材(120mm×120mm×1200mmのスギ材)を組み合わせて、所定の接着剤を用いて貼りあわせることにより製造した。製造後3日間養生し測定を実施した。
判定は以下の評価基準に従った。
せん断強さ1.0MPa以上:合格(○)
せん断強さ1.0MPa未満:不合格(×)
[減圧加圧はく離試験]
集成材の日本農林規格(JAS)(全部改正:平成19年9月25日農林水産省告示第1152号および一部改正:平成24年6月21日農林水産省告示第1587号)に記載の、構造用集成材の減圧加圧はく離試験方法に準拠して、耐火性パネルと芯材の接着性を評価した。
試験材(集成材)は、耐火性パネルと芯材を組み合わせて、所定の接着剤を用いて貼りあわせることにより製造した。製造後3日間養生し測定を実施した。
判定は以下の評価基準に従った。
はく離率(%)1%未満:合格(○)
はく離率(%)1%以上:不合格(×)
集成材の日本農林規格(JAS)(全部改正:平成19年9月25日農林水産省告示第1152号および一部改正:平成24年6月21日農林水産省告示第1587号)に記載の、構造用集成材の減圧加圧はく離試験方法に準拠して、耐火性パネルと芯材の接着性を評価した。
試験材(集成材)は、耐火性パネルと芯材を組み合わせて、所定の接着剤を用いて貼りあわせることにより製造した。製造後3日間養生し測定を実施した。
判定は以下の評価基準に従った。
はく離率(%)1%未満:合格(○)
はく離率(%)1%以上:不合格(×)
結果は表4に示される通りであった。
試験区21〜23では、ブロックせん断試験と減圧加圧はく離試験が共に良好であった。
試験区24〜26(紙の坪量45〜50g/m2の樹脂ラミネート紙を使用)では、ブロックせん断試験 と減圧加圧はく離試験が共に不良であった。
試験区27(被覆素材を使用していないポリイソシアヌレート樹脂からなる耐火性パネルを使用)では、ブロックせん断試験は良好であったが、減圧加圧はく離試験が不良であった。
試験区24〜26(紙の坪量45〜50g/m2の樹脂ラミネート紙を使用)では、ブロックせん断試験 と減圧加圧はく離試験が共に不良であった。
試験区27(被覆素材を使用していないポリイソシアヌレート樹脂からなる耐火性パネルを使用)では、ブロックせん断試験は良好であったが、減圧加圧はく離試験が不良であった。
<試験例3:耐火性試験>
[耐火性物品の製造]
以下の手順に従い、耐火性物品を製造した。なお、耐火性パネルは試験区6によるものを使用した(すなわち、イソシアヌレート樹脂原液はA液、樹脂ラミネート紙は薄葉紙14g/PE10gを使用し、厚さ50mmのパネルを製造した)。
[耐火性物品の製造]
以下の手順に従い、耐火性物品を製造した。なお、耐火性パネルは試験区6によるものを使用した(すなわち、イソシアヌレート樹脂原液はA液、樹脂ラミネート紙は薄葉紙14g/PE10gを使用し、厚さ50mmのパネルを製造した)。
120mm×120mm×1200mmの芯材(オウシュウアカマツ集成材)の周囲に、上記で用意した耐火性パネルを張り付けることにより、一定の厚さで切れ目のない耐火層(芯材の周囲に)を構成するように設計した。すなわち柱状の耐火性物品を製造することを想定し、所定の長さの耐火性パネルを準備した。具体的には、上記で用意した耐火性パネルを接着剤により芯材に接着させ、耐火性物品を得た。
耐火性試験にあたっては、上記で製造した耐火性物品の上下面からの燃焼を止める必要がある。そのため、吉野石膏社製;不燃GB-F(V)、タイプZ;606mm×1820mm×21mm(t))を280x280mmに採寸したボードを耐火性物品の上下面にそれぞれ接着させ、耐火性試験用の柱状試験体を製造した。
次に、一般財団法人・日本建築総合試験所「防耐火性能試験・評価業務方法書」の耐火性能試験方法に準じて、柱状試験体を使用して耐火性試験を行った。
具体的には、まず、ISO-834加熱曲線に準じて、プロパンガスを大型加熱炉内で燃焼させ、柱状試験体を1時間加熱した。次に、上記燃焼を止めて3時間放置した。さらに24時間放置し、柱状試験体の芯材の状態をチェックした。なお、加熱時の炉内温度測定ではISO-834加熱曲線と同様な温度上昇を示し、燃焼停止後は試験体の燃焼もすぐに止まることを確認した。
具体的には、まず、ISO-834加熱曲線に準じて、プロパンガスを大型加熱炉内で燃焼させ、柱状試験体を1時間加熱した。次に、上記燃焼を止めて3時間放置した。さらに24時間放置し、柱状試験体の芯材の状態をチェックした。なお、加熱時の炉内温度測定ではISO-834加熱曲線と同様な温度上昇を示し、燃焼停止後は試験体の燃焼もすぐに止まることを確認した。
芯材の状態(耐火性能判定)は、訓練された専門パネル(n=10)により以下の判定基準にて目視にて評価した。
○:芯材に燃焼跡または炭化が見られない
×:芯材に一部でも燃焼跡または炭化が見られる
注)1名でも×と判定する場合には、×と判定する。
○:芯材に燃焼跡または炭化が見られない
×:芯材に一部でも燃焼跡または炭化が見られる
注)1名でも×と判定する場合には、×と判定する。
その結果、柱状耐火性物品の耐火性試験の耐火性能判定結果は良好(○)であった。
すなわち、試験区6のようにポリイソシアヌレート樹脂を樹脂ラミネート紙により被覆した耐火性パネルを構造用耐火性物品に使用すると、芯材との接着性に優れ、耐火性能も良好であることが確認された。
すなわち、試験区6のようにポリイソシアヌレート樹脂を樹脂ラミネート紙により被覆した耐火性パネルを構造用耐火性物品に使用すると、芯材との接着性に優れ、耐火性能も良好であることが確認された。
本発明によれば、顕著な耐火性および構造安定性を有する耐火性物品を簡便に提供することができる。また、本発明によれば、耐火性物品に優れたせん断強さや耐剥離能を付与することができる。本発明によれば、耐火層をはじめとする各層の厚さ等を調整して耐火性能の容易に調整しうることから、柱、梁、壁、床、桁、筋かい、土台などの広範な用途に有利に利用することができる。本発明は、木材を芯材および表面材として好適に使用できることから、軽量性に優れた耐火性の建物構造部材を提供する上で特に有利である。
10 耐火性物品
11 芯材
12,12’ 繊維質層
13,13’ 熱可塑性樹脂層
14 耐火層
15,15’ ラミネート
16 表面層
17,17’耐火性パネル
11 芯材
12,12’ 繊維質層
13,13’ 熱可塑性樹脂層
14 耐火層
15,15’ ラミネート
16 表面層
17,17’耐火性パネル
Claims (15)
- (1)芯材と、
(2)繊維質層と、
(3)熱可塑性樹脂層と、
(4)耐火層と
を芯材側から順に備えた耐火性物品であって、
前記耐火層は、ポリイソシアヌレート樹脂を主成分として含有しかつ前記熱可塑性樹脂層と接着しており、
前記繊維質層の坪量は45g/m2未満である、耐火性物品。 - ISO-834加熱曲線に準じて前記耐火性物品を燃焼加熱処理した場合、前記芯材における炭化は生じない、請求項1に記載の耐火性物品。
- 以下の(A)および(B)のうち少なくとも1つを満たす、請求項1または2に記載の耐火性物品:
(A)日本農林規格(全部改正:平成19年9月25日農林水産省告示第1152号および一部改正:平成24年6月21日農林水産省告示第1587号)に準拠したブロックせん断試験方法により測定される前記耐火性物品のせん断強さが1.0MPa以上である、
(B)前記日本農林規格試験方法に準拠した減圧加圧はく離試験により測定される前記耐火性物品のはく離率(%)が1%未満である。 - 前記熱可塑性樹脂層の量が5g/m2以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐火性物品。
- 前記ポリイソシアヌレート樹脂が、ポリイソシアネートと活性水素含有化合物を構成要素として含有しており、
前記活性水素含有化合物が、水酸基価80〜2000mgKOH/gであり、官能度2〜4であり、分子量50〜2000であり、かつ2つ以上の水酸基を有する1種以上のポリオールである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐火性物品。 - 前記ポリイソシアヌレート樹脂の形成に使用されるイソシアヌレート化触媒の量がポリイソシアネート100質量部に対して0.5質量部以上である、請求項5に記載の耐火性物品。
- 前記耐火層が、水酸化アルミニウム、赤燐またはそれらの組合せを含有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の耐火性物品。
- 前記芯材の少なくとも一部が木製材料から構成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の耐火性物品。
- 前記繊維質層と、熱可塑性樹脂層とが一体的に形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の耐火性物品。
- 前記芯材と、繊維質層とが接着剤を介して接合している、請求項1〜9のいずれか一項に記載の耐火性物品。
- 前記接着剤がレゾルシノール系接着剤である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の耐火性物品。
- 前記繊維質層が紙基材層である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の耐火性物品。
- 前記熱可塑性樹脂層が、少なくともポリエチレンを含む樹脂層である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の耐火性物品。
- 柱、梁、壁、床、桁、筋かいおよび土台からなる群から選択される構造部材である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の耐火性物品。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載の耐火性物品の製造方法であって、
繊維質層、熱可塑性樹脂層および耐火層を順に備えた耐火性パネルと、芯材とを準備する工程、および
前記耐火性パネルの繊維質層側の片面と、芯材とを接合する工程
を含んでなる、方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018204148 | 2018-10-30 | ||
JP2018204148 | 2018-10-30 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020069786A true JP2020069786A (ja) | 2020-05-07 |
Family
ID=70549085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019092430A Pending JP2020069786A (ja) | 2018-10-30 | 2019-05-15 | 耐火性物品およびその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020069786A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111962796A (zh) * | 2020-08-24 | 2020-11-20 | 杭州潘达科技有限公司 | 一种阻燃耐火的多重复合铝塑板 |
-
2019
- 2019-05-15 JP JP2019092430A patent/JP2020069786A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111962796A (zh) * | 2020-08-24 | 2020-11-20 | 杭州潘达科技有限公司 | 一种阻燃耐火的多重复合铝塑板 |
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