JP3421532B2 - 乗継精算機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、乗継精算機に係
り、特に、定期券や回数券等の発着駅の固定された乗車
券を精算原券とするとともに、正確に乗継精算料金を算
出して乗継精算券を発行することのできる乗継精算機に
関する。 【０００２】 【従来の技術】近年、利用者の利便を向上させるため
に、定期券のような発着駅の固定された乗車券の乗車区
間の途中において、その途中駅に設けられている乗継精
算券で乗継精算券が発行できるように構成されている。 【０００３】上述の乗継精算機で乗継精算券を求めるに
は、精算原券を乗継精算機の本体（以下、「本体」とい
う）に挿入すると、その精算原券の乗車区間が抽出さ
れ、その乗車区間から本体に設定された降車駅（乗越
駅）までの乗車料金が算出される。そして、その算出さ
れた乗車料金を満たす金銭が本体に投入されると、その
設定された降車駅までに乗車可能な乗継精算券が発行さ
れる。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、乗継精
算券を発行するに当って、単に、精算原券を基に、設定
された降車駅までの乗車料金を求めた場合、正確な乗継
精算料金を算出できないという不具合ががあった。 【０００５】図４の路線図を基にさらに説明すると、自
社線であるａ社線のＡ駅からＢ駅まで有効な定期券を精
算原券としてａ社線のＤ駅まで乗越す乗継精算をａ社線
のＣ駅に設置されている本体で行う場合で、しかも、こ
のＣ駅からＤ駅までは他社線のｂ線が存在していると
き、図４に示される乗車ルートの場合は、通常の乗越
しとして乗継精算を行うことができるので問題ない。し
かし、乗車ルートの場合は、ｂ社線のＣ駅からＢ駅ま
での乗継精算料金の収受が行われない結果になってしま
う不具合が発生する。 【０００６】そこで、本発明は、上記欠点を解決するた
めになされたものであって、その目的は、乗継精算料金
を正確に収受することのできる乗継精算機を提供するこ
とにある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明に係る乗継精算機
は、上記目的を達成するために、本体の設置駅から利用
者によって設定された降車駅までの間に自社線及び他社
線が存在する場合において、発着駅の固定された精算原
券を基に乗継精算を行う乗継精算機であって、本体に挿
入された前記精算原券に記録されている入場駅を抽出す
る入場駅抽出手段と、抽出された入場駅と前記本体の設
置されている駅とから、前記精算原券を用いた乗車方向
を検出する乗車方向検出手段と、検出された乗車方向が
設定された降車駅までの乗車方向と重複しない同一方向
のときは所定の乗継精算料金を算出し、その算出された
乗継精算料金の投入の下に、乗継精算券を発行し、その
検出された乗車方向が設定された降車駅までの乗車方向
と重複する折返し乗車を含むときは乗継精算券の発行を
禁止するか、又はその重複する乗車区間の乗車料金を加
味して所定の乗継精算料金を算出し、その算出された乗
継精算料金の投入の下に乗継精算券を発行する制御手段
と、からなることを特徴としている。 【０００８】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は一実施の形態に係る乗継精
算機の正面図であって、その本体１の接客面２の上部に
は、本体１の稼動状態を示す表示部３と、その表示部３
の下方には、精算の基礎とされる乗車券（精算原券）を
挿入する為の原券挿入口４と、投入金額等を案内表示す
る表示画面５と、精算を硬貨で行うときのコイン投入口
６と、精算を紙幣で行うときの紙幣挿入口７と、精算を
プリペイドカード等のカードで行うときのカード挿入口
８と、降車駅を指定する選択釦群９とが設けられてい
る。また、接客面２の下部には、乗継精算券の発券口１
０と、釣銭の返却口１１とが設けられている。さらに、
図中Ｃは、本体１を統括的に制御し、本発明の各手段を
担うマイクロコンピュータからなる制御器である。 【０００９】図２は、制御器Ｃの電気的構成を示すもの
であって、ＲＯＭ２０に格納されているシステムプログ
ラムとＲＡＭ２１に格納されているワーキングデータと
を用いて演算処理する中央処理部（ＣＰＵ）２２を中心
に構成されている。このＣＰＵ２２には、Ｉ／Ｏユニッ
ト２３を介して原券挿入口４から挿入された精算原券に
記録されているデータを読取り又は新たなデータを書込
むため磁気ヘッド（図示せず）等を備えた原券処理ユニ
ット２４と、発券口１０から発券する乗継乗車券（図示
せず）にデータを書込み、かつ印字して発券する乗継券
発券処理ユニット２５と、本体１中に投入された金銭を
処理する金銭処理ユニット２６とが接続されている。 【００１０】次に、本体１が図４の路線図のＣ駅に設置
され、また、ａ社線のＡ駅からＢ駅までの定期券区間の
定期券を精算原券とする乗継精算券の発券制御動作につ
いて、図３のフローチャートを用いて説明する。なお、
この定期券の利用者は、図４のＤ駅で降車しようとして
いるものとする。 【００１１】今、本体１の原券挿入口４に精算原券（定
期券）が挿入されたとする（ステップ１００肯定。以
下、ステップをＳとする。）。挿入された精算原券は原
券処理ユニット２４により処理され、精算原券に記録さ
れている入場駅のデータが読取られ（Ｓ１０２、Ｓ１０
４）、その読取られた入場駅と本体１の設置されている
Ｃ駅とから、これまでに乗車してきた乗車方向が検出さ
れる。また、選択釦群９を介して降車駅が設定される
（Ｓ１０６、Ｓ１０８）。 【００１２】検出された乗車方向がそれまで乗車してき
た方向と同方向（図３では順方向）にあるとき（Ｓ１１
０肯定）、すなわち、図４の乗車ルートの場合は、自
社線であるａ社線内の通常の乗継であるので、この場
合、ａ社線のＢ駅からＤ駅までの乗車料金が乗継精算料
金として算出される（Ｓ１１２）。 【００１３】また、検出された乗車方向が上述の乗車方
向と逆向きの折返し乗車と判定されたとき（Ｓ１１０否
定）、すなわち、図４の乗車ルートの場合は、ｂ社線
のＢ駅からＤ駅までの乗車料金を算出すると、他社線で
あるｂ社線のＣ駅からＢ駅までは無賃乗車となるので、
ｂ社線のＣ駅からＤ駅までの乗車料金が乗継精算料金と
して算出される（Ｓ１１４）。なお、このような折返乗
車による乗継精算を認めないときは係員処理とされる。 【００１４】算出された乗継精算料金を満たす金銭が本
体１に投入されると、設定された降車駅（Ｄ駅）までの
乗継精算券が発行される（Ｓ１１６肯定、Ｓ１１８）。 【００１５】以上のように、乗継精算券は、精算原券を
用いた乗車の乗車方向を判定して乗継精算料金を算出す
るようにしているので、正確な乗継精算料金を収受する
ことができる。 【００１６】図５の路線図は、図４の路線図よりも複雑
な場合で、ａ社線の一部とｂ社線との間に発着駅の固定
された乗車券（図示の例では定期券）を精算原券とする
例が示されている。 【００１７】乗車ルートを例に説明すると、この場合
は、入場駅とＣ駅までの乗車方向は、乗車方向と同一で
あり、折返し乗車を含んでいないので、上記図４の乗車
ルートと同様に乗継精算料金が算出される。すなわ
ち、ａ社線のＡ駅からＢ駅までの乗車料金及びＹ駅から
Ｄ駅までの乗車料金の合計が乗継精算料金として算出さ
れる。 【００１８】ただし、上述の算出された料金が、Ａ駅ら
Ｄ駅まで通しで購入した乗車券の料金が安い場合がある
ので、この場合は、安い方の料金が乗継精算料金として
算出される。 【００１９】図５に示される他の乗車ルート，の場
合も、上述と同様にして、すなわち折返し乗車を含むと
きはその分の乗車料金を加味して乗継精算料金が算出さ
れる。また、通しで乗車券を購入したときの料金が安い
ときは、その料金が乗継精算料金として算出される。 【００２０】 【発明の効果】本発明に係る乗継精算機は、本体の設置
駅から利用者によって設定された降車駅までの間に自社
線及び他社線が存在する場合において、発着駅の固定さ
れた精算原券を基に乗継精算を行う乗継精算機であっ
て、本体に挿入された精算原券に記録されている入場駅
を抽出する入場駅抽出手段と、抽出された入場駅と前記
本体の設置されている駅とから、前記精算原券を用いた
乗車方向を検出する乗車方向検出手段と、検出された乗
車方向が設定された降車駅までの乗車方向と重複しない
同一方向のときは所定の乗継精算料金を算出し、その算
出された乗継精算料金の投入の下に、乗継精算券を発行
し、その検出された乗車方向が設定された降車駅までの
乗車方向と重複する折返し乗車を含むときは乗継精算券
の発行を禁止するか、又はその重複する乗車区間の乗車
料金を加味して所定の乗継精算料金を算出し、その算出
された乗継精算料金の投入の下に乗継精算券を発行する
制御手段とからなるので、正確な乗継精算料金を収受す
ることができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の一実施の形態に係る乗継精算機の正面
図である。 【図２】制御器の電気的構成を示すブロック図である。 【図３】制御動作を示すフローチャートである。 【図４】路線図の一例である。 【図５】路線図の一例である。 【符号の説明】 １ 自動精算機の本体（本体） ２ 接客面 ３ 表示部 ４ 原券挿入口 ５ 表示画面 ６ コイン投入口 ７ 紙幣挿入口 ８ カード挿入口 ９ 選択釦群 １０ 発券口 １１ 返却口 Ｃ 制御器

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 乗継精算機の本体の設置駅から利用者に
   よって設定された降車駅までの間に自社線及び他社線が
   存在する場合において、発着駅の固定された精算原券を
   基に乗継精算を行う乗継精算機であって、 前記乗継精算機の本体に挿入された前記精算原券に記録
   されている入場駅を抽出する入場駅抽出手段と、 抽出された入場駅と前記乗継精算機の本体の設置されて
   いる駅とから、前記精算原券を用いた乗車方向を検出す
   る乗車方向検出手段と、 検出された乗車方向が設定された降車駅までの乗車方向
   と重複しない同一方向のときは所定の乗継精算料金を算
   出し、その算出された乗継精算料金の投入の下に、乗継
   精算券を発行し、その検出された乗車方向が設定された
   降車駅までの乗車方向と重複する折返し乗車を含むとき
   は乗継精算券の発行を禁止するか、又はその重複する乗
   車区間の乗車料金を加味して所定の乗継精算料金を算出
   し、その算出された乗継精算料金の投入の下に乗継精算
   券を発行する制御手段と、 を有することを特徴とする乗継精算機。