JP3421438B2 - 熱硬化性樹脂の熱分解方法及び装置 - Google Patents

熱硬化性樹脂の熱分解方法及び装置

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業廃棄物等に含まれ
る熱硬化性樹脂の処理、詳細には、エポキシ樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂等のエーテル結合又はエステル結合
を含む熱硬化性樹脂の処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂などの廃プラスチックの
処理は主として埋め立て処理に依存してきた。しかし、
最近、廃棄物の増加及び廃棄物処理施設の不足により、
廃棄物のリサイクルに対する要望が高まってきている。
【0003】リサイクルの態様は、廃棄物を焼却して放
出される熱エネルギーを回収・再利用するエネルギーリ
サイクル、廃棄物を機械的に破砕して杭等の構造材料と
して用いるマテリアルリサイクル、及び、廃棄物を化学
的処理等により再利用可能な工業原料、例えば、樹脂の
合成原料となる低分子物質等に変換するケミカルリサイ
クルの3つに大別することができる。エネルギーリサイ
クル及びマテリアルリサイクルは、比較的簡易なため、
これまでは、主としてこれらの方法が採用されてきた。
【0004】しかし、エネルギーリサイクルは一度しか
行うことができない再利用度の低い方法である。又、マ
テリアルリサイクルも、エネルギーリサイクルに比べれ
ば再利用度は高いが、リサイクル製品の性能を元の製品
以上に維持することができないためリサイクルを繰り返
すに従って製品のレベルが下がり、数回のリサイクル後
には再利用不可能となり最終的に埋め立て処理に頼らざ
るを得ない。従って、これらのリサイクル方法は完成度
の高い技術とはならないので、ケミカルリサイクルの技
術開発が重要となっている。
【0005】上記のような背景により、廃プラスチック
のケミカルリサイクルの研究が進められ、特に熱分解に
よる回収が有力視されている。例えば、ポリオレフィン
等の熱可塑性樹脂については、熱分解により燃料油とし
て回収することができ、回収物の内容を分解条件によっ
て変えることが可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱硬化性樹脂
については、ポリウレタン等の分解し易い一部のものを
除いては、熱を加えると樹脂が架橋硬化し、熱分解回収
物の大部分がガス状物となることが多い。このため、燃
料油のような、利用価値があり常圧で扱い易い液体状の
回収物に変換することが困難であった。
【0007】本発明は、この様な従来技術の課題を解決
するためになされたもので、熱硬化性樹脂の中でも特に
利用度の高いエポキシ樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂
を熱分解によって収率良くリサイクルに適した液状回収
物に変換することができる方法及び装置を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、エポ
キシ樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂のエーテル結合及
びエステル結合の切断を促進する物質と共に加熱するこ
とにより、液状回収物の収率が向上することを見いだ
し、本発明の熱分解方法及び装置を発明するに至った。
【0009】
【0010】発明の熱分解方法は、エーテル結合又は
エステル結合を含む熱硬化性樹脂を熱分解して分解生成
物を得る熱硬化性樹脂の熱分解方法であって、水酸基の
供給源となる化合物と共に該熱硬化性樹脂を加熱するこ
とを特徴とするものである。
【0011】更に、本発明の熱分解方法は、エポキシ樹
脂を熱分解して分解生成物を得るエポキシ樹脂の熱分解
方法であって、エポキシ樹脂のエーテル結合の切断を促
進することを特徴とするものである。
【0012】又、本発明の熱分解方法は、不飽和ポリエ
ステル樹脂を熱分解して分解生成物を得る不飽和ポリエ
ステル樹脂の熱分解方法であって、エステル結合の切断
を促進することを特徴とするものである。
【0013】本発明の熱分解装置は、エーテル結合又は
エステル結合を含む熱硬化性樹脂に水酸基の供給源とな
る化合物を添加するための添加装置と、該化合物が添加
されたエーテル結合又はエステル結合を含む熱硬化性樹
脂を加熱して該熱硬化性樹脂を熱分解するための加熱装
置とを備えるものである。上記分解生成物は、常圧にお
いて液状の成分を含有する。上記エーテル結合又はエス
テル結合の切断は、水酸基の供給源となる化合物と共に
該熱硬化性樹脂を加熱することによって促進される。上
記水酸基の供給源となる化合物として、金属水酸化物及
び/又は水和物が用いられる。該金属水酸化物は、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム、水酸化バリウム、水酸化リチウムか
らなる塩基性水酸化物、及び、水酸化アルミニウム、水
酸化ジルコニウム、水酸化セリウム等の両性水酸化物か
ら選択され、水和物は、塩化マグネシウム六水和物、塩
化アルミニウム六水和物から選択される。
【0014】以下、本発明をさらに詳細に説明する。熱
可塑性プラスチックの熱分解においては、反応条件に応
じて、ワックス、重油、軽油等の分解生成物を高収率で
得ることが可能であり、雰囲気圧を増すに従って回収さ
れる成分分布が軽質化しする。しかし、熱硬化性プラス
チックの場合は、常圧での分解においてもガス状物質が
生じ易く、熱可塑性プラスチックの場合のように液状回
収物を効率よく得られない傾向がある。これは、加熱に
よって、一方では樹脂内部で架橋による樹脂の硬化が更
に進み、他方では軟化されない樹脂固体の表面でのみ局
所的に熱による反応が起こることにより、過度に分解反
応が進行したり分解し難い高分子化合物を一部で生成す
る等の好ましくない反応を起こし易くなるためと考えら
れる。又、熱硬化性プラスチックには充填剤などの添加
剤が多量に含まれることが多く、これも熱伝導を妨げた
りプラスチックの分解が均一に進行するのを難しくする
要因と考えられる。
【0015】上記から、熱硬化性樹脂の熱分解における
液状生成物の収率を改善するためには、反応が局所的に
進行するのを防ぐ必要があると考えられる。つまり、樹
脂の露出面を増加又は変化・移行し易いようにする必要
がある。これを実現するには、架橋反応の進行による硬
化の進行を防ぐことが重要であると考えられる。本発明
においては、樹脂ポリマーの主鎖の連鎖結合部分を選択
的に切断して主鎖を解離することによって効果の進行を
防ぐことを特徴とする。詳細には、特に、エポキシ樹脂
及び不飽和ポリエステル樹脂のようなエーテル結合又は
エステル結合を有する熱硬化性樹脂の熱分解に関して、
エーテル結合及びエステル結合の切断を促進する化合物
を添加して熱分解反応を行う。
【0016】エポキシ樹脂は、対薬品性が強く、難燃性
で、約370〜390℃で分解する。その主鎖の連鎖結
合であるエーテル結合はかなり安定な結合であるが、熱
分解を行う温度領域においては若干切断され易くなり、
分解生成物にはフェノール類が含まれる。他方、不飽和
ポリエステル樹脂は、可燃性で、346〜399℃に引
火点を有し、主鎖の連鎖結合であるエステル結合は、酸
又はアルカリによって加水分解され易いが、不飽和ポリ
エステル樹脂の熱分解生成物の大半はガス状成分とな
り、常圧で液状の生成物は極めて少ない。
【0017】上記を踏まえ、炭素数が同じ化合物を比較
した場合に飽和炭化水素、不飽和炭化水素、エーテル、
ケトン等よりもアルコールの沸点が一般的に低いことを
考慮すると、エポキシ樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂
のエーテル結合及びエステル結合の加水分解を促進して
アルコールを生成し易くすることによって、液状生成物
の収率改善が可能となる。
【0018】エーテル結合及びエステル結合の加水分解
は、水酸基の供給源となる化合物によって促進すること
ができ、アルコール、アルコキシド、フェノール等に選
択的に分解される。このような化合物として、金属水酸
化物、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バ
リウム、水酸化リチウムのような塩基性水酸化物、水酸
化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化セリウム
等の両性水酸化物が挙げられる。又、塩化マグネシウム
六水和物、塩化アルミニウム六水和物のような水和物も
用いることができる。上記化合物は、単独あるいは組み
合わせて用いることができる。加水分解反応には水が必
要であり、適量の水を添加するのが好ましいが、水の添
加は必ずしも必須ではない。例えば、水和物や金属水酸
化物を用いた場合、水和水や水酸化物から脱水した水に
より加水分解を行うことが可能である。従って、実際に
エーテル結合及びエステル結合の加水分解を促進できる
ものが用いられば良い。但し、水の添加は、水酸基の供
給源となる化合物が水溶性である場合に該化合物と樹脂
との接触を容易にし、不溶性である場合においても該化
合物と樹脂とを均一に混合し易いという利点もある。
【0019】水酸基の供給源となる化合物の添加量は、
樹脂中のエーテル結合及びエステル結合のモル数に対
し、(水酸基換算で)約1.0〜10.0倍モル量が好
ましい。更に、樹脂中のエーテル結合及びエステル結合
のモル数に対し、約1.0〜5.0倍モル量の水を添加
するのが好ましい。樹脂の熱分解は、樹脂が約340〜
900℃の温度範囲内、特に350〜450℃前後とな
るように加熱するのが好ましい。酸素を含む雰囲気内で
エポキシ樹脂を加熱すると、約370〜390℃で分解
するが、510〜540℃で燃焼反応が起こるので、酸
素を含む雰囲気内で熱分解を行う場合には、加熱温度を
500℃以下にするのが望ましい。反応雰囲気は必要に
応じて加圧してもよい。特に、水を添加して分解する場
合には水と樹脂との接触を良くするために加圧するのが
望ましい。加圧を行う場合は、ゲージ圧で約1〜10kg
f/cm2 が好ましい。圧力を高くすると生成物の軽質化が
進むので、必要に応じて適宜設定する。
【0020】又、均一に反応を進行させるために、加熱
に先立って樹脂を細かく粉砕しておくのが好ましい。加
熱中に攪拌するのも好ましい。
【0021】熱硬化性樹脂を用いた製品は、充填剤等の
添加剤を含有することが多く、例えば、繊維強化プラス
チック(FRP)には補強剤としてガラス繊維が多量に
含まれている。水酸基を供給する化合物として水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の強塩基性化合物を用いる
と、樹脂に含まれるガラス繊維が侵食されて樹脂の外界
との接触面積が増大するので、反応面積の増大による反
応の促進及び均一化に効果的である。
【0022】上述のエーテル結合又はエステル結合を有
する熱硬化性樹脂の熱分解は、図1に示される熱分解装
置を用いて実施することができる。この熱分解装置1
は、分解槽3を備え、分解槽3には添加剤槽7が弁9を
介して接続され、添加剤槽7は水酸化物、水等を収容す
る。分解槽3には更に配送管11が圧力制御弁13を介
して接続され、配送管11は容器15に連結されてい
る。更に、配送管11には恒温部17、温度制御装置1
9が取り付けられている。温度制御装置19は、恒温部
17に所定温度の媒体を送り、恒温部の温度を一定に維
持する。媒体は、エア、水、液体化合物等、通常使用さ
れるものを用いることができる。
【0023】上記装置において、分別や粉砕等の前処理
を適宜行った樹脂は、配送管5から分解槽3へ供給さ
れ、水酸化物、水等の添加剤が添加剤槽7から樹脂に添
加される。添加剤の量は弁9によって適宜調節すること
ができる。樹脂は、分解槽3内で加熱され、熱分解が行
われ、気体状の分解生成物で分解槽3が充満される。分
解槽内の圧力は圧力制御弁13によって規制され、所定
圧を越えると気体状の分解生成物が配送管11に放出さ
れる。従って、所定温度での加熱を続けることにより、
反応系が所定圧に保たれつつほぼ一定に分解が進行した
後、分解生成物が放出される。放出された分解生成物
は、恒温部17によって冷却、凝縮されて、容器15に
燃料油等の液状物として蓄積される。分解槽3内の分解
残渣は分解槽3の底部から排出される。
【0024】上記熱分解装置1は、更に、配送管11に
ポンプ21が設けられ、容器15に圧力制御弁23が取
り付けられている。これらは、熱分解を2工程に分けて
行う際に使用される。この場合、圧力制御弁13は開放
し、容器15は、分解槽3と同様の操作が可能なように
加熱手段が備え付けられる。
【0025】2工程にわたる熱分解操作は、以下のよう
にして行われる。まず、分解槽3内での熱分解は、ポン
プ21を作動することによって、常圧以下で行われる。
これにより、加圧下で行うより重質な一次分解生成物が
配送管11に放出される。一次分解生成物は、ポンプ2
1によって容器15へ送られて再度熱分解される。この
時、容器15内の圧力は圧力制御弁23によって調節さ
れる。容器15内で生成し放出される二次分解生成物
は、適宜、冷却凝縮される。
【0026】上記のように分解操作を複数段階にする
と、各段階の目的及びそれを達成するための反応条件を
変えて個別に設定することが可能になる。例えば、上記
における一次分解生成物は、ワックス様のものを含み得
る比較的重質なものとなり、二次分解によって軽質の液
状物に転換される。このようにすることによって、生成
物の組成の制御が行い易くなり、より高品質な生成物を
得ることが可能となる。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明をさ
らに詳細に説明する。尚、以下の実施例及び比較例にお
ける単位「部」、「%」は、すべて重量に基づいて示さ
れる。
【0028】(実施例1)100部のエポキシ樹脂(組
成:ビスフェノール型エポキシ樹脂 17%、変性酸無
水物(硬化剤) 14%、シリカ粉末(充填材) 68
%)を、0.5mmメッシュのフルイを通過するように粉
砕し、圧力制御弁付き加熱容器に入れた。これに、5.
6部の水(エポキシ樹脂のエーテル結合に対し2.5倍
モル)及び9.5部の苛性ソーダ(エポキシ樹脂のエー
テル結合に対し1.9倍モル)を添加した。
【0029】上記の加熱容器を圧力制御弁を介して空冷
凝縮器とを接続させ、圧力制御弁をゲージ圧で3.5kg
f/cm2 に設定した。ヒーターを用いて加熱容器の温度を
10℃/分の速度で500℃迄上昇させ、その後500
℃に1時間保持した。加熱中、容器内部の圧力が3.5
kgf/cm2 を越える度に加熱容器からガスが放出された。
ガスの放出は500℃での保持を30分経過した後少な
くなり、1時間経る頃には全く放出されなくなった。放
出されたガスは、空冷凝縮器内で室温まで冷却されて凝
縮し、計16.7部の液化物が得られた。液化物の組成
は以下のようであった。
【0030】(比較例1−1)実施例1と同様の粉砕し
たエポキシ樹脂100部を加熱容器に入れた。
【0031】上記の加熱容器を空冷凝縮器とを接続さ
せ、ヒーターを用いて加熱容器の温度を15℃/分の速
度で500℃迄上昇させ、その後500℃に1時間保持
した。加熱中、加熱容器からガスが放出された。ガスの
放出は500℃での保持を1時間経る頃には全く放出さ
れなくなった。放出されたガスは、空冷凝縮器内で凝縮
され、合計13.6部の液化物が得られた。液化物の組
成は以下のようであった。
【0032】(比較例1−2)水及び苛性ソーダを使用
しなかった点を除いて実施例1と同様の熱分解操作を行
ったが、液化物は得られず、0.7部のガス状生成物を
得た。
【0033】(実施例2)100部の繊維強化不飽和ポ
リエステル樹脂(組成:ポリエステル樹脂 17%、低
収縮剤 5%、炭酸カルシウム 72%、その他 6
%)を、1.0mmメッシュのフルイを通過するように粉
砕し、圧力制御弁付き加熱容器に入れた。これに、5.
8部の水(ポリエステル樹脂のエステル結合に対し2倍
モル)及び12.8部の苛性ソーダ(エポキシ樹脂のエ
ステル結合に対し2倍モル)を添加した。
【0034】上記の加熱容器を圧力制御弁を介して空冷
凝縮器とを接続させ、圧力制御弁をゲージ圧で4.0kg
f/cm2 に設定した。ヒーターを用いて加熱容器の温度を
8℃/分の速度で500℃迄上昇させ、その後500℃
に1時間保持した。加熱中、容器内部の圧力が4.0kg
f/cm2 を越える度に加熱容器からガスが放出された。ガ
スの放出は500℃での保持を30分経過した後少なく
なり、1時間経る頃には全く放出されなくなった。放出
されたガスは、空冷凝縮器内で凝縮され、計3.4部の
液化物が得られた。液化物の組成は以下のようであっ
た。
【0035】(比較例2−1)実施例2と同様の粉砕し
たポリエステル樹脂100部を加熱容器に入れた。
【0036】上記の加熱容器を空冷凝縮器とを接続さ
せ、ヒーターを用いて加熱容器の温度を10℃/分の速
度で500℃迄上昇させ、その後500℃に1時間保持
した。加熱中、加熱容器からガスが放出された。ガスの
放出は500℃での保持を1時間経る頃には全く放出さ
れなくなった。放出されたガスは、空冷凝縮器内で凝縮
され、合計2.6部の液化物が得られた。液化物の組成
は以下のようであった。
【0037】(比較例2−2)水及び苛性ソーダを使用
しなかった点を除いて、実施例2と同様の熱分解操作を
行ったが、液化物は得られなかった。
【0038】上記実施例及び比較例の結果から理解され
るように、エーテル結合及びエステル結合の加水分解を
促進するように、アルカリ及び水を加えた場合に、分解
生成物の収量が増加する。組成成分においても、アルコ
ール系の生成物の割合が増加し、成分分布の範囲も狭く
なる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱分解方
法及び装置は、エーテル結合又はエステル結合を含む熱
硬化性樹脂の熱分解における液状生成物の収率を改善す
ることができるものであり、化学的原料、燃料を再生さ
せる手段として、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱分解方法を実施する熱分解装置の一
例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 熱分解装置 3 分解槽 7 添加剤槽 15 容器 17 恒温部 19 温度制御装置 21 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前沢 幸繁 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 早田 輝信 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 加納 二朗 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 東芝リサーチコンサルディング株式会社 内 (56)参考文献 特開 平6−126744(JP,A) 特開 昭50−60578(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 11/00 - 11/28 B29B 17/00 - 17/02 B09B 3/00 - 5/00 C10G 1/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エーテル結合又はエステル結合を含む熱
    硬化性樹脂を熱分解して分解生成物を得る熱硬化性樹脂
    の熱分解方法であって、水酸基の供給源となる化合物と
    共に該熱硬化性樹脂を加熱することを特徴とする熱硬化
    性樹脂の熱分解方法。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂又は
    不飽和ポリエステル樹脂である請求項1記載の熱硬化性
    樹脂の熱分解方法。
  3. 【請求項3】 前記水酸基の供給源となる化合物とし
    て、金属水酸化物及び/又は水和物が用いられることを
    特徴とする請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂の熱分解
    方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱は、加圧下で行うことを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂の熱
    分解方法。
  5. 【請求項5】 エーテル結合又はエステル結合を含む熱
    硬化性樹脂に水酸基の供給源となる化合物を添加するた
    めの添加装置と、該化合物が添加されたエーテル結合又
    はエステル結合を含む熱硬化性樹脂を加熱して該熱硬化
    性樹脂を熱分解するための加熱装置とを備えることを特
    徴とする熱硬化性樹脂の熱分解装置。
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