JP3419927B2 - アミノ基含有ポリラクトン類およびその製造方法 - Google Patents
アミノ基含有ポリラクトン類およびその製造方法Info
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Description
基剤への密着性の向上、顔料等の分散性の向上に有用
な、アミノ基を含有するポリラクトン類およびその製造
方法に関する。
ンキ等のバインダー、紫外線または電子線硬化性樹脂、
フォームとして有用で、きわめて広範な用途に多量に使
用されている。この中でも、ポリカプロラクトンの様な
ラクトン類を主骨格に使用したポリウレタン類は優れた
ウレタン物性を有しており、多用されている。このよう
な、ラクトン類を用いたポリウレタン樹脂を水性化し
て、水性のインク、塗料を製造する場合や、コーティン
グ材料、接着剤の分野においては、基剤への密着性を改
良する場合、あるいは磁気テープ等のバインダーとして
用いる場合に、磁性粉等の無機物の樹脂中への分散性を
向上させる目的でアミノ基を導入することが行われてい
る。例えば、特開昭62−218456号公報にはメチ
ルイミノビスエチレンジアミン等のジアミン類、N−メ
チルジエタノールアミン等のアミノアルコールにカプロ
ラクトンを付加することにより、アミノ基を含有するポ
リカプロラクトンの合成およびそのウレタン化について
記載されている。一般にラクトン類は、触媒の存在下1
00℃〜200℃に加熱することにより、ヒドロキシル
基やアミノ基に開環付加重合することが知られており、
アミノ基を含有するラクトン類の製造にはアミノアルコ
ール等へのラクトン付加が行われてきた。
類を上記の反応条件で加熱反応した場合、反応生成物で
あるアミノ基を含有するポリカプロラクトンが着色し、
従って製造されたアミノ基含有ラクトン類も着色するこ
とが避けられなかった。また、100℃以下の低い温度
で反応させることにより、着色は低減されるが、反応時
間がきわめて長くなり工業的には問題があった。このよ
うな着色は、ポリウレタン樹脂を塗料、インキ、紫外線
または電子線硬化性樹脂などとして使用する場合には大
きな問題となり、物性面では良好な場合でも色相上の問
題からアミノ基含有ラクトン類を使用することが出来な
い場合が生じた。また、ジアミンから誘導されたアミノ
基含有ラクトン類はアミド基を有するため凝集力が強
く、特にラクトン鎖が短いと溶剤への溶解性、他樹脂へ
の相溶性が不良である。従って、本発明の目的は、着色
が少なく相溶性、溶剤溶解性に優れ、色材分野において
良好に使用できる、アミノ基含有ポリラクトン類、およ
びその製造方法を提供することである。
鑑み鋭意検討した結果、特定構造のアミノ基含有ポリラ
クトン類がウレタン樹脂の顔料分散性や、基材密着性の
向上に有効であることを見い出し、本発明を完成させ
た。
るアミノ基含有ポリラクトン類を提供するものである。
(メタ)アクリル基を有するポリラクトン類を1級アミ
ノ基または2級アミノ基を有するアミン類にマイケル付
加させることを特徴とする前記のアミノ基含有ポリラク
トン類の製造方法を提供するものである。
プロラクトンに由来する構造;メチルカプロラクトンお
よびε−カプロラクトンとメチルカプロラクトンに由来
するランダム共重合体構造;δ−バレロラクトン、ない
しはβ−メチル−δ−バレロラクトンおよびε−カプロ
ラクトンに由来するランダム共重合体構造を有するこ
と、またはアミン類がピペラジンまたはその誘導体で1
級もしくは2級ジアミンであることを特徴とする前記ア
ミノ基含有ポリラクトンを提供するものである。
る(メタ)アクリル基含有ポリラクトン類はヒドロキシ
ル基含有(メタ)アクリル酸エステルへのラクトン化合
物の付加反応により製造できる。原料となるヒドロキシ
基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、あるいはポリエチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール・プロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコール・ポリテトラメチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコール・ポリテ
トラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(例
えば、日本油脂(株)製ブレンマーPE、ブレンマーP
Pシリーズなど)を使用することができる。
表されるラクトン類を使用することができ、例えばε−
カプロラクトン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ
−バレロラクトン、4−メチルカプロラクトン、2−メ
チルカプロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチ
ロラクトン等が挙げられる。これらは単独であるいは混
合して用いてよい。
で使用し、分子量を大きくすると最終生成物が常温で液
体化できなくなるが、同じ分子量でも側鎖を有するラク
トン化合物を共重合させた場合、通常液体化することが
できる。これにより合成されたポリウレタン樹脂の他樹
脂への相溶性、溶剤溶解性が改善できる。また作業性の
改善も可能である。
シル基含有(メタ)アクリレート、ラクトン類をコンデ
ンサーの接続した反応器に仕込み、反応させることによ
り得られる。反応温度は50℃から150℃、好ましく
は80℃から120℃である。50℃以下では反応がき
わめて遅く、また150℃以上ではヒドロキシル基含有
(メタ)アクリレートの重合が起こり、目的の化合物を
与えない。
ト、テトライソプロピルチタネートなどのチタン系触
媒、塩化第一スズ、オクチル酸スズ、モノブチルスズオ
キサイドなどのスズ系触媒、p−トルエンスルホン酸な
どの酸類等の触媒を用いることができる。触媒の使用量
は0.1PPM〜3,000PPM、好ましくは1PP
M〜100PPMである。触媒量が3,000PPM以
上となると樹脂の着色が激しくなり、製品の安定性に悪
影響を与える。
レートの重合を防ぐため、重合禁止剤の存在下で行うこ
とが望ましい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、
メチルハイドロキノン、フエノチアジン等の既知の重合
禁止剤を利用することができる。またヒドロキシル基含
有(メタ)アクリレート類の重合を防ぐため、少量の酸
素存在下で反応を行うことが望ましい。
タ)アクリル基含有ポリラクトン類とアミン類化合物を
反応させてアミノ基含有ポリラクトン類を合成する。
は2級のアミノ基を有している必要があり、ウレタン原
料とするため2官能のものが望ましい。このようなアミ
ン類として、例えば、エチレンジアミン、N,N’−ジ
メチルエチレンジアミン;ピペラジン;2−メチルピペ
ラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2,3−ジメチ
ルピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピ
ペラジン、N−アミノエチルピペラジン等の1級もしく
は2級アミノ基を2つ以上有するピペラジンの誘導体;
イソホロンジアミン;ポリオキシプロピレンジアミン、
ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタ
ン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、m−キシリレンジアミン、α−
(m−アミノフェニル)エチルアミン、α−(p−アミ
ノフェニル)エチルアミン、メタフェニレンジアミン、
ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ン、ノルボルネンジアミンなどの公知の脂肪族、脂環
式、芳香族のアミン類が好適に使用できる。反応はアミ
ン類と(メタ)アクリル基を片末端に有する(メタ)ア
クリル基含有ポリラクトン類を脱水管、コンデンサーの
接続した反応器に仕込むか、あるいはアミン類、あるい
は(メタ)アクリル基含有ポリラクトン類の一方を反応
器に仕込み、他方を滴下し、反応させることで得られ
る。
ながら速やかに、かつほぼ定量的に進行する。従って、
反応温度は10℃〜130℃で、好ましくは20℃〜1
00℃である。10℃より低温では、反応が緩慢で工業
的に妥当な反応速度を得ることができない。また130
℃以上では、マイケル付加しうる官能基同士の反応や、
反応生成物の着色といった問題を生じ易い。
いることも可能である。このような塗料溶剤と溶剤とし
て、キシレン、トルエン、ソルベッソ等の芳香族溶剤、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等のケトン類、ブタノール、イソプロパノール等のア
ルコール類、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、
グルタル酸ジメチル等のエステル類等を用いうる。反応
に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取
り除くか、あるいはそのまま製品の一部として使用する
こともできる。こうして得られたアミノ基含有ポリラク
トン類は前記一般式(1)で表されるもので、アミン化
合物に由来する炭化水素残基Rを有しており、色相が良
好で、本化合物から誘導されるウレタン類は色材用途に
等に好適に使用できる。また、本化合物から誘導される
ポリウレタンは、柔軟なラクトン骨格中にアミノ基が存
在しているため、アミノ基の挙動が束縛されておらず、
短鎖のアミノアルコール等を用いて合成したアミノ基含
有ポリウレタンより基材密着性、顔料分散性等が良好で
ある。
実施例によって説明するが、これらによって本発明は限
定されるものではない。なお、例中の部はいずれも重量
部を示す。
温度計、および空気導入管を取り付けた2リットルのガ
ラス製反応フラスコの中に、ヒドロキシエチルアクリレ
ート(HEA)232部、ε−カプロラクトン684
部、塩化第一スズ0.009部、メチルハイドロキノン
1部をとり、100℃に加熱し、残存するラクトンモノ
マーが1%以下になるまで反応させた。ついで、生成物
の温度を50℃に下げ、攪拌しながらピペラジン86部
を加え反応させた。1H−NMRにより、アクリル基が
消失し、下記表−1に示す構造のアミノ基含有ポリラク
トンが生成したことを確認し反応を終了した。なお、表
中に示した化学式においてピペラジンのN原子に結合し
た一般式(2)に該当する置換基は片方のみ示す。以下
の表においても同様である。反応生成物は水酸基価11
2mgKOH/gの液体で、色相はAPHAで80であ
った。1H−NMR分析の結果を表−1に示す。
温度計、および空気導入管を取り付けた2リットルのガ
ラス製反応フラスコの中に、ヒドロキシブチルアクリレ
ート288部、ε−カプロラクトン1,140部、モノ
ブチルスズオキシド0.01部、メチルハイドロキノン
1部をとり、100℃に加熱し、残存するラクトンモノ
マーが1%以下になるまで反応させた。ついで、生成物
の温度を50℃に下げ、攪拌しながらピペラジン86部
を加え反応させた。1H−NMRにより、アクリル基が
消失し下記表−2で示す構造のアミノ基含有ポリラクト
ンが生成したことを確認し反応を終了した。 反応生成
物は水酸基価75mgKOH/gの粘調な液体で、色相
はAPHAで110であった。1H−NMR分析の結果
を表−2に示す。
温度計、および空気導入管を取り付けた2リットルのガ
ラス製反応フラスコの中に、ヒドロキシエチルアクリレ
ート232部、ε−カプロラクトン684部、塩化第一
スズ0.02部、メチルハイドロキノン2部をとり、1
00℃に加熱し、残存するラクトンモノマーが1%以下
になるまで反応させた。ついで、生成物の温度を50℃
に下げ、攪拌しながら2−メチルピペリジン100部を
加え反応させた。1H−NMRにより、アクリル基が消
失し下記表−3に示す構造のアミノ基含有ポリラクトン
が生成したことを確認し反応を終了した。反応生成物は
水酸基価109mgKOH/gの粘度の高い液体で、色
相はAPHAで90であった。1H−NMR分析の結果
を表−3に示す。
温度計、および空気導入管を取り付けた5リットルのガ
ラス製反応フラスコの中に、ヒドロキシエチルアクリレ
ート232部、ε−カプロラクトン1140部、塩化第
一スズ0.02部、メチルハイドロキノン2部をとり、
100℃に加熱し、残存するラクトンモノマーが1%以
下になるまで反応させた。ついで、生成物の温度を50
℃に下げ、攪拌しながらN,N’−ジメチルエチレンジ
アミン(CH3−NH−CH2CH2−NH−CH3)88
部を加え反応させた。1H−NMRにより、アクリル基
が消失し下記表−4に示す構造のアミノ基含有ポリラク
トンが生成したことを確認し反応を終了した。 反応生
成物は水酸基価77mgKOH/gの粘度の高い液体
で、色相はAPHAで130であった。1H−NMR分
析の結果を表−4に示す。
温度計、および空気導入管を取り付けた2リットルのガ
ラス製反応フラスコの中に、ヒドロキシエチルアクリレ
ート232部、ε−カプロラクトン1140部、塩化第
一スズ0.02部、メチルハイドロキノン2部をとり、
100℃に加熱し、残存するラクトンモノマーが1%以
下になるまで反応させた。ついで、生成物の温度を50
℃に下げ、攪拌しながら1,4−ビス(3−アミノプロ
ピル)ピペラジン200部を加え反応させた。1H−N
MRにより、アクリル基が消失し下記表−5に示す構造
のアミノ基含有ポリラクトンが生成したことを確認し反
応を終了した。生成物は粘調な液体で、色相はAPHA
で120であった。1H−NMR分析の結果を表−5に
示す。
温度計、および窒素導入管を取り付けた2リットルのガ
ラス製反応フラスコの中に、ε−カプロラクトン114
0部、塩化第一スズ0.02部、1,4−ビス(3−ア
ミノプロピル)ピペラジン200部をとり150℃に加
熱し、残存するラクトンモノマーが1%以下になるまで
反応させた。生成物は粘調な液体からワックス状で、色
相はAPHAで500以上で褐色を呈していた。
温度計、および窒素導入管を取り付けた2リットルのガ
ラス製反応フラスコの中に、ε−カプロラクトン114
0部、塩化第一スズ0.02部、N−メチルジエタノー
ルアミン119部をとり、150℃に加熱し、残存する
ラクトンモノマーが1%以下になるまで反応させた。生
成物は粘調な液体で、色相はAPHAで500以上で褐
色を呈していた。
は、ウレタン樹脂の水性化、OPP等の基材への密着性
の向上、顔料等の分散性の向上に極めて効果的であり、
かつ着色が極めて少ない特徴を有するため、塗料、イン
キ、紫外線または電子線硬化性樹脂等へ広く応用可能で
ある。また本発明のアミノ基含有ポリラクトンの製造方
法によれば、極めてマイルドな条件下で、短時間で着色
の少ない製品を製造でき、工業的にも有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(1)で表されるアミノ基含有ポ
リラクトン類。 【化1】 - 【請求項2】 ラクトン鎖がε−カプロラクトンに由来
する構造を有する請求項1に記載のアミノ基含有ポリラ
クトン類。 - 【請求項3】 ラクトン鎖がメチルカプロラクトンに由
来する構造を有するか、あるいはε−カプロラクトンと
メチルカプロラクトンに由来するランダム共重合体構造
を有する請求項1記載のアミノ基含有ポリラクトン類。 - 【請求項4】 ラクトン鎖がδ−バレロラクトンに由来
するか、あるいはβ−メチル−δ−バレロラクトンとε
−カプロラクトンに由来するランダム共重合体構造を有
する請求項1記載のアミノ基含有ポリラクトン類。 - 【請求項5】 アミノ基がピペラジンに由来するもので
あるか、あるいは1級もしくは2級アミノ基を2つ以上
有するピペラジンの誘導体に由来するものである請求項
1または2記載のアミノ基含有ポリラクトン類。 - 【請求項6】 一般式(3)で表される(メタ)アクリ
ル基を有するポリラクトン類を1級アミノ基または2級
アミノ基を有するアミン類にマイケル付加させることを
特徴とする請求項1記載のアミノ基含有ポリラクトン類
の製造方法。 【化2】
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ES95402635T ES2197911T3 (es) | 1994-11-22 | 1995-11-22 | Poliactona con grupos amino, procedimiento para su preparacion; compuesto con grupos amino, composicion de revestimientos, composicion para tintas de imprimir. |
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