JP3419573B2 - 電子顕微鏡の蛍光電子線装置 - Google Patents

電子顕微鏡の蛍光電子線装置

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JP3419573B2
JP3419573B2 JP30508394A JP30508394A JP3419573B2 JP 3419573 B2 JP3419573 B2 JP 3419573B2 JP 30508394 A JP30508394 A JP 30508394A JP 30508394 A JP30508394 A JP 30508394A JP 3419573 B2 JP3419573 B2 JP 3419573B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、紫外光から可視光、
赤外光に渡る蛍光像を観察分析するための装置であっ
て、試料から発した紫外光、赤外光に基づく蛍光像を、
可視光に基づくRGB像と共に同一画面で認識可能の電
子顕微鏡の蛍光電子線装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、電子顕微鏡には、荷電粒子とし
ての探針を走査させながら試料に照射する照射部と、試
料の荷電粒子が照射された箇所から発生する可視域の蛍
光を受光する受光部と、試料に対する探針の相対位置と
受光部からの受光信号とに基づき、可視域の蛍光像を表
示する表示部とを有するものが知られている。
【0003】この種の電子顕微鏡では、受光部に色分解
用のダイクロイック・ミラ−が設けられている。このダ
イクロイック・ミラ−は、試料の荷電粒子が照射された
箇所から発生する可視域の蛍光以外の蛍光、すなわち可
視外域の蛍光、例えば紫外光、赤外光が混入すると、可
視域の蛍光に基づく蛍光像の色が変化するので、可視外
域の波長の蛍光(紫外光、赤外光)をカットする波長特
性とされている。例えば、通常の可視光用の色分解のダ
イクロイック・ミラ−は青色域として400-470nm、緑色
域として470-570nm、赤色域として570-700nm の3つの
可視域に分離してカラー像を合成している。紫外光、赤
外光の混入は色を変調させるためむしろカットしてい
た。そして、紫外光の蛍光像と赤外光の蛍光像とは、可
視光の蛍光像とは別に独立に白黒の画像として表示して
いる。
【0004】光学顕微鏡には、紫外線励起の蛍光顕微鏡
があるが、このものは可視光の蛍光像のみを表示の対象
にしている。
【0005】蛍光電子顕微鏡には、色分解装置として3
分割楕円ミラ−とフィルターとの組み合わせからなるも
の又はダイクロイック・ミラ−を使用したものがあるが
(例えば特開平5-325863号公報、特開平5-325864号公報
)、可視光のみを受光して表示するか、紫外光を検出
したとしても紫外光の蛍光像を可視域の青と同じ青色で
表示するようにしていた。同様に、赤外光の蛍光像も可
視域の赤と同じく赤色で表示するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、生体高分
子、高分子材料等の物質ではπ電子による発光が多く見
られ、これらの物質の多くは可視外域としての紫外域で
発光する。例えば、ステロイドホルモンは副腎脂質細胞
で合成される。生化学的には細胞内の脂肪滴にステロイ
ドホルモンの素材としてのコレステロールがエステルの
形で貯蔵されていると言われてきた。しかしながら、脂
肪滴を分光すると、コレステロールエステルと最終産物
のホルモンと思われるコルチコステロンの2種類が含ま
れポリマーアロイとなっていることが確認された。ここ
で、コレステロールエステルの発光波長は紫外域の320n
mであり、コルチコステロンの発光波長は430nmである。
また、光合成に関係の細胞やGaAs等では赤外域で蛍
光を発するものがある。
【0007】従って、従来の電子顕微鏡で、受光部に色
分解用のダイクロイック・ミラ−が設けられているもの
にあっては、可視域の発光波長を有するコルチコステロ
ンの蛍光像と紫外域の発光波長を有するコレステロール
エステルの蛍光像とは両方とも青色で表示されるか、あ
るいは紫外域の発光波長を有するコレステロールエステ
ルの蛍光像は除去されて表示されることになる。また、
例えば、高分子材料としてのポリスチレンの発光波長は
紫外域の325nmであり、高分子材料としてのポリエステ
ルの発光波長は可視域の450nmである。このようなポリ
マーアロイの場合にも、両高分子材料の蛍光像が共に青
色で表示されるか、あるいは紫外域の発光波長を有する
高分子材料の蛍光像が除去されて表示されることにな
る。
【0008】このように、紫外域の発光波長を有する物
質の蛍光像がカットされていたり、紫外域の発光波長を
有する物質の蛍光像が可視域でかつ青色に相当する発光
波長を有する物質の蛍光像とが一様に青で表示されてい
ると、物質の区別ができないという不都合が生じる。す
なわち、従来は、紫外域の蛍光像、可視域の蛍光像、赤
外域の蛍光像を同一画面上で識別可能に表示することが
できないという不都合を有していた。
【0009】このようなポリマーアロイの場合、発光ス
ペクトルが異なるときに、その混合の状態を色の違いと
して可視化できるようにすれば、ポリマーアロイの識別
や物質の品質管理に応用できることになるので好まし
い。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みて為されたもの
で、その目的とするところは、試料から発した紫外光、
赤外光に基づく蛍光像を、可視光に基づくカラー蛍光像
と共に同一画面で認識可能の電子顕微鏡の蛍光電子線装
置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の電子顕微鏡の蛍光電子線装置は、上記課題を解決する
ため、荷電粒子としての探針を走査させながら試料に照
射する照射部と、前記試料の荷電粒子が照射された箇所
から発生する可視域の蛍光と可視外域の蛍光とを受光す
る受光部と、前記試料に対する前記探針の相対位置と前
記受光部からの受光信号とに基づき、同一画面上におい
前記可視域の蛍光像の領域と前記可視外域の蛍光像
領域とを識別可能に表示する表示部とを有する。
【0012】本発明の請求項2に記載の電子顕微鏡の蛍
光電子線装置は、上記課題を解決するため、荷電粒子と
しての探針を走査させながら試料に照射する照射部と、
前記試料の荷電粒子が照射された箇所から発生する可視
域の蛍光と可視外域の蛍光とを受光する受光部と、前記
試料の荷電粒子が照射された箇所から発生する2次電
子、反射電子又は透過電子を検出する電子検出器と、前
記試料に対する前記探針の相対位置と前記受光部からの
受光信号と前記電子検出器からの検出信号とに基づき、
前記可視域の蛍光像の領域と前記可視外域の蛍光像の領
とを同一画面上においてカラー像で識別可能表示する
と共に2次電子像、反射電子像又は透過電子としての形
態画像を無彩色で表示する表示部とを有する。
【0013】
【作用】本発明の請求項1に記載の電子顕微鏡の蛍光電
子線装置によれば、照射部は荷電粒子としての探針を走
査させながら試料に照射する。試料の荷電粒子が照射さ
れた箇所からは二次電子又は反射電子が発生する。ま
た、試料の荷電粒子が照射された箇所からは可視域の蛍
光及び可視外域の蛍光、例えば、紫外域の蛍光、赤外域
の蛍光が発生する。受光部は可視域の蛍光と可視外域の
蛍光とを受光する。表示部は、受光部の受光信号に基づ
き試料の可視域の蛍光の発生箇所と試料の可視外域の蛍
光の発生箇所とを識別可能に表示する。
【0014】本発明の請求項2に記載の電子顕微鏡の蛍
光電子線装置によれば、電子検出器は試料の荷電粒子が
照射された箇所から発生する2次電子、反射電子又は透
過電子を検出する。表示部は受光部からの受光信号と検
出信号とに基づき、可視域の蛍光像と可視外域の蛍光像
とをカラー像で表示すると共に形態画像を無彩色で表示
する。
【0015】
【実施例】
【0016】
【第1実施例】図1は本発明の第1実施例を説明するた
めの構成図である。
【0017】この図1において、1は走査型電子顕微鏡
の照射部を示している。この照射部1は図示を略す公知
の電子銃、集束レンズ、走査コイル、対物レンズを備え
ている。照射部1の下部には試料ステージ2が設けられ
ている。試料ステージ2は照射部1に対して位置調整可
能である。その試料ステージ2には生体高分子、高分子
材料等の物質からなる試料3の切片が載置される。照射
部1と試料ステージ2との間には1個の楕円ミラー4が
設けられている。試料3は楕円ミラー4の1つの焦点位
置の近傍に配置される。この楕円ミラー4は荷電粒子と
しての探針である電子線を透過させるための貫通孔4b
を有する。試料3の切片には探針としての荷電粒子が細
く絞られて照射され、試料3の各箇所が走査される。な
お、荷電粒子を変位させて走査する代わりに、試料3を
電子ビームに対して移動させて走査するようにしてもよ
い。楕円ミラー4は試料3の荷電粒子の照射された箇所
から発生する蛍光を集光する役割を果たす。符号4aは
その楕円ミラー4の反射面である。
【0018】試料3に荷電粒子が照射されると、二次電
子が放出されると共に、荷電粒子としての電子の一部が
反射される。走査型電子顕微鏡には、二次電子を検出す
るタイプと反射電子又は透過電子を検出するタイプとが
あるが、本発明はいずれの場合にも適用できる。二次電
子又は反射電子は電子検出器としての光電子増倍管5に
より検出されて増倍される。二次電子又は反射電子はそ
の試料3の各箇所に対応してその発生量が変わり、その
二次電子はいったん光に変換され、増倍されて再び電子
に変換される。光電子増倍管5は前置増幅器(図示を略
す)を介して信号変換器6に向けて検出信号を出力す
る。信号変換器6は光電子増倍管5の検出信号に基づき
試料3の白黒(無彩色)の形態画像信号(テレビジョン
の輝度信号に相当する信号)を形成する。
【0019】楕円ミラー4により集光された蛍光は受光
部7に導かれる。受光部7はダイクロイックミラーD1
〜D4、全反射ミラーMr1、Mr2、光電子増倍管P
MT1〜PMT5を有する。ダイクロイックミラーD1
は、波長570nm 以下の蛍光を反射、ダイクロイックミラ
ーD2は、波長360nm 以下の蛍光を反射、ダイクロイッ
クミラーD3は波長480nm 以下の蛍光を反射、ダイクロ
イックミラーD4は波長740nm 以下の蛍光を反射する光
学特性を有する。
【0020】紫外光は物質を透過する際に吸収されやす
く、波長が短くなるほどこの傾向が強くなるため、紫外
光の波長域の検出感度を高める目的で、短波長の光をP
MT1に導くときに、紫外光の最短波長域の光路をダイ
クロイック・ミラ−D1、D2の反射のみによる組み合
わせとした。
【0021】可視外域の蛍光を分離するダイクロイック
ミラーD1、D2、D3は、各波長域で適当な中心波長
λ0 を選択し、下記の構成とする。
【0022】すなわち、ダイクロイックミラーD1、D
2、D3は、基本的にns /(H/2L H/2)n /n0 の
膜構成を有する。ここで、各記号は以下の意味を有す
る。
【0023】ns …基板の屈折率 n0 …空気の屈折率 H…高屈折率物質層[nH dH =(λ0 /4)] L…低屈折率物質層[nL dL =(λ0 /4)] 但し、nH ,dH …高屈折率物質の屈折率、物理的膜厚 nL ,dL …低屈折率物質の屈折率、物理的膜厚 λ0 …中心波長 紫外域のダイクロイックミラD2の膜の構成は例えば以
下の通りである。
【0024】高屈折率物質には、酸化アルミニウム(A
l2 O3 )酸化イットリウム(Y2O3 )、酸化スカンジ
ウム(Sc2 O3 )、酸化ハフニウム(HfO3 )を用
い、低屈折率物質には、フッ化マグネシウム(MgF2
)、二酸化硅素(SiO2)、クリオライト(Na3 A
lF6 )を用いる。
【0025】赤外域のダイクロイックミラーD4の膜の
構成は例えば以下の通りである。
【0026】高屈折率物質には、硫化カドニウム(Cd
s),酸化チタン(TiO2 )を用い、低屈折率物質に
は、フッ化カルシウム(CaF2 )、クリオライト(N
a3AlF6 )、二酸化硅素(SiO2 )を用いる。
【0027】光電子増倍管PMT1、2、3は、可視域
の蛍光のうちのR光、G光、B光をそれぞれ受光し、光
電子増倍管PMT4は紫外域の蛍光を受光し、光電子増
倍管PMT5は赤外域の蛍光を受光する。
【0028】光電子増倍管の検出感度は一般に波長依存
性を有し、その波長特性は、短波長側は窓材に依存し、
長波長側の光電子増倍管の光電面の材料に依存してい
る。検出波長域による検出感度の差は、最大約1000 で
ある。この検出波長域による検出感度の差を小さくして
波長特性のばらつきを低減するために、短波長側の光電
子増倍管にはMgF2 、合成石英等を窓材として使用す
ると共に、ゲインの高いマルチアルカリやCs- Te系
の材料を光電面の材料として使用する。
【0029】長波長側の光電子増倍管には、BK7等の
一般的な光学ガラスを窓材として使用し、セシウムを含
んだガリウム・砒素「GaAs(Cs)」,Ag−O−
Csを光電面の材料として使用できる。
【0030】また、光電子増倍管は赤色から赤外域にお
いて、光電面の分光感度が急激に低くなる傾向があり、
ダイクロイックミラ−を用いても、赤色の蛍光に対して
緑色の蛍光を100 %除去できるわけではなく、緑色の蛍
光のうち約10%の緑色の蛍光が赤色の蛍光に混入して赤
色の蛍光を検出する光電子増倍管PMT1にに入射す
る。従って、例えば同じ発光強度を有する緑色の蛍光材
と赤色の蛍光材とがあり、赤色の蛍光を検出する光電子
増倍管が赤色の波長域の検出感度よりも緑色の波長域の
検出感度が10倍以上高いとすると、緑色の蛍光を赤色の
蛍光と誤表示する問題が発生する。この場合、赤色の蛍
光を検出する光電子増倍管が緑色の波長域の検出感度よ
りも赤色の波長域の検出感度が高ければ、この問題は避
けられることになり、従って、各波長域に適した検出感
度を有する光電子増倍管を用いる。
【0031】光電子増倍管PMT1〜PMT3はR光、
G光、B光の受光強度に応じた受光信号(R信号、G信
号、B信号)を出力し、その受光信号はピクセルサイズ
変更部8に入力される。試料からの蛍光は微弱であるの
で、1ピクセル程度の大きさの蛍光をそのまま形態画像
信号に重ねて表示することにすると、形態画像信号にそ
の1ピクセル程度の大きさの蛍光像が埋もれることとな
り、ピクセルサイズ変更部8は蛍光箇所のピクセルサイ
ズを数倍に拡大する。このピクセルサイズの拡大は各受
光信号(R信号、G信号、B信号)毎に行う。
【0032】光電子増倍管PMT4、PMT5の受光信
号は記号変換部9に入力される。
【0033】ここでは、光電子増倍管PMT4、PMT
5の受光信号の強度に応じて、ピクセルサイズの拡大倍
率を変更している。紫外域、赤外域の蛍光の発生領域
は、可視域の蛍光の発生領域と区別できるように文字又
は記号とされている。
【0034】また、例えば、記号変換部9は、紫外域、
赤外域の蛍光の発生領域を符号又は記号
【表1】 等、文字A、B、C等により表現するために、受光信号
に応じてこれらの符号又は記号を生成するための変換信
号を出力する。また、例えば、記号変換部9は、紫外
域、赤外域の蛍光の発生領域を二重四角、二重丸等の特
殊な符号又は記号を用い、内側を塗りつぶしてその箇所
を着色し、これにより紫外光、赤外光の発光領域を表示
するために、これらの特殊な符号又は記号を生成する変
換信号を出力する構成とすることも考えられる。
【0035】例えば、記号変換部9は、ピクセルを拡大
してこの拡大されたピクセルを市松模様等により修飾し
てもよい。
【0036】信号変換器6から出力される形態画像信号
とピクセルサイズ変更部8から出力される拡大処理済み
信号と記号変換部9から出力される変換信号とは信号合
成部10に入力される。信号合成部10は可視域の蛍光
像を形成するためのの拡大処理済み信号と可視外域(紫
外光に基づく蛍光像、赤外光に基づく蛍光像)の蛍光像
を表示するための変換信号と形態画像信号とを合成する
役割を果たす。その信号合成部10の出力は画像信号形
成部11に入力される。画像信号形成部11は、照射部
1の電子走査に応じて走査信号を形成し、この走査信号
に基づいて、重ね合わせられた画像信号を形成し、カラ
ーモニター12に蛍光像が形態画像と共に表示される。
【0037】図2(a)は、本発明に係わる蛍光電子線
装置により信号処理を行わない場合の可視域の蛍光像の
発生箇所Vf及び可視外域の蛍光像の発生箇所Viを示
し、図2(b)は本発明に係わる蛍光電子線装置により
信号処理した後の表示の一例を示し、ここで、□は可視
域の拡大された蛍光像の箇所を示し、△は紫外域の蛍光
像の箇所を示し、○は赤外域の蛍光像の箇所を示す。各
箇所の面積(ピクセルの大きさ)は、受光信号の強度に
応じて変更されている。
【0038】なお、符号13は、カラーモニター19に
表示された重ね合わせ画像を撮影するためのカメラであ
る。
【0039】
【第2実施例】図3は本発明の第2実施例を説明するた
めの構成図である。
【0040】この実施例は、赤外域、紫外域等の可視外
域の蛍光を可視域の蛍光像に変換して表示する余地を作
るため、試料3から発生した可視域の蛍光の波長域又は
色彩域を圧縮する圧縮部14と、可視外域の受光信号を
可視域内の色信号でかつ可視域の蛍光の圧縮波長域又は
圧縮色彩域と重ならない領域の色信号に変換する色信号
形成部15とを設けることにしたものである。その他の
構成は実施例1と大略同一であるので異なる同一構成要
素については、その詳細な説明を省略し、異なる部分に
ついてのみ説明する。
【0041】この実施例では、試料3から生じた可視域
の蛍光の色彩範囲の内、青色、紫、赤紫、赤色にかけて
の色彩範囲を、その中間色を中心にそれぞれ、青色より
又は赤色よりに圧縮し、これによって余剰となった色、
例えば赤みがかった紫色で赤外光の蛍光像を、紫色の色
信号として赤外光の蛍光像を表示させる。
【0042】一例として、可視域の受光信号(R信号、
G信号、B信号)に対する色彩の圧縮演算は以下の通り
に行なう。
【0043】ここでは、青色から赤色にかけての色彩領
域を、青色から赤みがかった紫色にかけての第1色彩領
域と、赤紫色から赤色にかけての第2色彩領域とに2分
する。そして、青色から赤みがかった紫色にかけての第
1色彩領域を青色から紫色の第3色彩領域に圧縮し、ま
た赤紫色から赤色にかけての第2色彩領域を紫がかった
赤の第4色彩領域に圧縮する。
【0044】光電子増倍管PTM1〜PTM3から得ら
れる、それぞれ赤色、緑色、青色成分の信号強度を
R,iG,iBとしたときに、これを正規化した信号
R,IG,IBを、IR=iR/(iR+iG+iB) IG=iG/(iR+iG+iB) IB=iB/(iR+iG+iB) として求める。
【0045】赤色、緑色、青色成分の色度座標を、それ
ぞれ(xR,yR)(xG,yG)(xB,yB)とする。こ
の場合、表示される合成色の色度座標を(xo,yo)
とすると、その色度座標は次式によって求められる。
【0046】(xo,yo)=(IR×xR+IG×xG
B×xB,IR×yR+IG×yG+IB×yB) ここで、緑色成分の信号強度IGが、(IR,IG,IB
/3よりも充分小さい場合に(例えば、合成した色が白
よりも赤み又は青みがかっているとき、又は赤色及び青
色成分が多いとき)、以下に示す式によって色彩領域圧
縮演算を行なう。従って、以下の処理においては、緑色
成分を省略して説明を行なう。
【0047】赤色、青色成分の色度座標の中間の色彩の
色度座標を(xm,ym)とし、青色から赤みがかった紫
色にかけての第1色彩領域と、赤紫色から赤色にかけて
の第2色彩領域とに2分する。
【0048】次に、圧縮後の第3領域の赤色側の色度座
標を(xbm,ybm)と、圧縮後の第4領域の青色側の色
度座標を(xrm,yrm)とする。色度座標は、x,yと
も同様の処理で圧縮処理が行えるので、以下は色度座標
xについてのみ説明を行なう。
【0049】分割中心となる色彩の色度座標xmは、次
式で表される。
【0050】xm=(xR−xB)/2 また、合成色の色度座標xoは、緑成分を省略して考え
ると、次式で表される。 xo=IR×xR+IB×xB この合成色の色度座標xoが中間の色度座標xmより青
色側にあるときは、IRの信号強度をm倍する(m<
1)。
【0051】また、合成色の色度座標xoが中間の色度
座標xmより赤色側にあるときは、IBの信号強度を1/
n倍する(n<1)。
【0052】これにより、図4に示すように、第1色彩
領域を第3色彩領域に圧縮する圧縮比は、1:mとな
り、第2色彩領域を第4色彩領域に圧縮する圧縮比j
は、1:nとなり圧縮処理が行なわれる。
【0053】なお、本実施例では、圧縮の比率を第5色
彩領域と第6色彩領域で異なる比率に設定しているが、
この圧縮の比率を第5色彩領域と第6色彩領域で等しく
設定することも可能である。
【0054】色信号形成部15は、可視域の蛍光像のカ
ラー信号に、この圧縮処理により、紫外光の発光領域
を、第1色彩領域から第3色彩領域を除いた第5色彩領
域である赤みがかった紫色の色信号として、赤外光の発
光領域を第2色彩領域から第4色彩領域を除いた第6色
彩領域である赤紫色の色信号として、この3つの色信号
を合成し一つの色信号に変換する。
【0055】信号合成部10は、可視域の蛍光像の圧縮
されたカラー信号、紫外域の蛍光像を可視像と表示する
ための色信号、赤外域の蛍光像を可視像と表示するため
の色信号、形態画像信号の4者を合成する。
【0056】従って、紫外光の発光領域及び赤外光の発
光領域共に、可視光の発光領域とを色彩により区別可能
に表示が行える。
【0057】この圧縮の変形例として、上述の第2実施
例においてはダイクロイックミラーによって蛍光をR光
G光B光に分離して検出を行なっているが、偏角プリズ
ム又は回折格子及び凹面鏡を組み合わせた分光器で分光
し、その検出光の波長が分かる構成とした場合には、以
下の方法によって可視域の受光信号(R信号G信号B信
号)に対する圧縮処理が行える。
【0058】図3のブロック図中、この変形例に合わせ
変更する部分を、図5に示す。
【0059】試料3から生じた蛍光は、楕円ミラー4で
集光され、ダイクロイックミラー及び光電子増倍管5か
らなる受光部の代わりである分光器20で受光する。
【0060】分光器20は、偏角プリズム又は回折格子
及び凹面鏡を組み合わせて構成される。
【0061】分光器20の出力は、受光した光の波長を
示す信号である。
【0062】この分光器20の出力は、波長圧縮を行な
う波長圧縮部21に入力され、以下に詳細に示す波長圧
縮処理が行なわれる。
【0063】RGB信号形成部22は、波長圧縮部21
で、圧縮された波長に応じたRGB信号を形成し、色信
号形成部15に送られ、その後は、図3に示すブロック
図の処理に従う。
【0064】この実施例では、試料3から生じた可視域
の蛍光の波長範囲を360nm〜760nmとした場合、この可視
域の蛍光の波長範囲を400nm〜700nm に圧縮し、この圧
縮により余剰となった可視域の波長範囲360nm〜400nmを
用いて紫外域の蛍光像を表示させ、可視域の波長範囲70
0nm〜760nmを用いて赤外域の蛍光像を表示させる。
【0065】すなわち、波長圧縮部21は圧縮中心の波
長を550nm とし、波長360nmを波長400nmに、波長740nm
を波長700nmに圧縮する圧縮演算特性を有する。
【0066】可視域の蛍光の波長範囲をa1nm〜c1nmと
し、この波長範囲の中心波長をbnmとする。但し、a1n
m<c1nmとする。
【0067】ここで、可視域の蛍光の波長範囲をa1nm
〜c1nmからこれよりも狭いa2nm〜c2nmの範囲に圧縮
する(但し、a1nm<a2nm、c2nm<c1nmである。)。
【0068】そして、その圧縮によって余剰となった波
長域(a1nm-a2nm、c2nm-c1nm)にそれぞれ紫外域の蛍光
の表示波長範囲、赤外域の蛍光の表示波長範囲を割り当
てるものとする。
【0069】この場合、波長X1nmの可視外域の蛍光は次
式で求められる圧縮波長Xnmの色彩として表示すること
となる。
【0070】(1)圧縮範囲が短波長側と長波長側で異
なる場合 Xnm<bnmのときは、 Xnm=bnm−(bnm−X1nm)*(bnm−a2 nm)/(bnm−a1nm)…(1) で求める。
【0071】Xnm>bnmのときは、 Xnm=bnm+(X1 nm−bnm)*(c2nm−bnm)/(c1nm−bnm)…(2) で求める。
【0072】なお、符号*はかけ算を意味し、符号/は
割り算を意味する。
【0073】一例として、可視光の波長範囲a1nm〜c1
nmを波長360nm〜760nmとすると、中心の波長bnmは550n
mとなる。圧縮後の波長範囲a2nm〜c2nmを波長400nm〜
700nmとする。この場合、例えば、可視域の波長450nm
(=X1nm)の蛍光は、上式(1)で求められ、Xnm=471nmの
波長の色彩として表示される。
【0074】紫外域又は赤外域である蛍光も、それぞれ
(1)式で求めることができる。
【0075】紫外域である波長320nmの蛍光は、X
nm=368nmの可視域の波長として、赤外域である
波長800nmの蛍光は、Xnm=729nmの可視域
の波長として表示できる。
【0076】また、この紫外域又は赤外域の蛍光の波長
を、十分に圧縮して可視域の波長に対応させることもで
きる。
【0077】(2)圧縮範囲が短波長側と長波長側とで
同じ場合 波長X1 nmの可視外域の蛍光の圧縮波長Xnmは下記式によ
り求められる。
【0078】 Xnm=bnm−(bnm−X1nm)*(c2nm−a2nm)/(c1nm−a1nm)…(3) 上述の例によれば、色信号形成部15は、紫外域の蛍光
を、この波長圧縮処理により開いた範囲である(余剰と
なった)360nm〜400nmの範囲の色彩の信号と
して形成し、赤外域の蛍光を700nm〜760nmの
範囲の色彩の信号として形成する。
【0079】信号合成部10は、圧縮された色による可
視域の蛍光像、可視域の短波長側の色による紫外域の蛍
光像、可視域の長波長側の色による赤外域の蛍光像を示
すRGB信号と、形態画像信号とを合成する。従って、
紫外光の発光領域及び赤外光の発光領域共に、可視光の
発光領域とを色彩により区別可能に表示が行える。
【0080】図6は波長の圧縮の一例を示すグラフで、
図6(a)は波長圧縮前の可視域の蛍光像の蛍光強度分
布、可視外域の蛍光像の蛍光強度分布を示し、図6
(b)は、波長圧縮後の可視域の蛍光像の蛍光強度分
布、可視外域の蛍光像の蛍光強度分布を示し、この圧縮
により余剰となった可視域の波長範囲360nm〜400nmを用
いて紫外域の蛍光像がカラー表示され、可視域の波長範
囲700nm〜760nmを用いて赤外域の蛍光像がカラー表示さ
れる。
【0081】
【第3実施例】図7は本発明の第3実施例を説明するた
めの構成図である。
【0082】この実施例は、電子線による蛍光色が発生
しにくい色により試料の可視外域の蛍光の発生箇所を表
示するものである。電子線等による蛍光は一般に微弱で
あり、光電子像倍管PMT1〜PMT3に入射する蛍光
は更に微弱である。言い換えれば、蛍光像として寄与す
る信号量は少なく、カラー像に変換しても三原色が主体
で、中間色の蛍光色は得られにくいという傾向がある。
そこで、この実施例では、可視域の蛍光の色表示には
赤、青、緑の三原色又はその一次の混合色である紫、青
緑、黄色を用い、試料の紫外域、赤外域の蛍光発生箇所
には、可視域の蛍光色が得られにくい三原色の高次(二
次)の混合色(青紫、青味緑、黄緑、橙、赤紫等の10-1
2色)を用い、可視域の蛍光の発生箇所と可視外域の蛍
光の発生箇所とを区別可能に色表示させるものであり、
その他の構成は実施例1と大略同一であるので異なる同
一構成要素については、その詳細な説明を省略し、異な
る部分についてのみ説明する。ここで、三原色の一次混
合色とは、赤、青、緑のうちの2色を混合して形成され
る色をいい、三原色の2次混合色とは、赤、青、緑の3
色を混合して形成される色をいう。
【0083】この実施例では、ダイクロイックミラーD
1aは波長460nm以下の光を反射し、ダイクロイックミラ
ーD2aは波長180nm-300nmの光を反射し、ダイクロイッ
クミラーD3aは波長360nm以下の光を反射し、ダイクロ
イックミラーD4aは波長570nm以下の光を反射する特性
を有し、極短波長の場合、反射によって光電子増倍管P
MTに試料3から発生した蛍光をを導く構成とする。
【0084】色信号形成部15には光電子増倍管PMT
1−PMT3から出力された可視域の受光信号と光電子
増倍管PMT6、PMT7から出力された可視外域(バ
イオレット)の受光信号V1、V2が入力される。この
二種の紫外域の蛍光の発生箇所には、三原色の2次混合
色である青紫、青味緑、黄緑、橙、赤紫等の10-12色を
割り当てる。赤外光についても同様に二次以上の混合色
を割り当てることが可能である。
【0085】この色彩の選択を図8に示す色度座標上で
説明する。
【0086】試料3から発生する蛍光は基本的には線ス
ペクトルであるので、色度図上では周縁部に相当する。
そこで、可視外域の蛍光をこれと区別可能な色として表
示するには、この周縁部から離れて中央の白の領域に近
づけた色を使用すればよい。
【0087】信号強度はアナログ的に積算されるので、
信号量が強く通常のPMTが使える場合、一例として、
白、紫、青紫、青、青緑、緑、竹、黄、橙、赤、茶、焦
茶に分けると、12色の区別が得られる。また、虹の7色
を圧縮して紫外域から赤外域までに対応させてもよい
し、パ−ソナルコンピュ−タ−で表現できる色に紫外域
から赤外域までを一対一に対応させることも考えられ
る。
【0088】ホトンカウンティング法でカソードルミネ
ッセンスCLのピクセルサイズを拡大するときは白でも
黒でも使える。この場合、例えば、黒、白、紫、青紫、
青、青緑、緑、竹、黄、橙、赤、茶、焦茶の13色が使用
でき、基本的にこれだけの色を準備すれば実用的に充分
である。
【0089】
【応用例1】以上実施例では、可視域及び可視外域の蛍
光の分離にダイクロイックミラーを使用したが、ダイク
ロイックミラーの代わりに、例えば偏角プリズム(又は
回折格子)と凹面鏡とを組み合わせた分光器を用いて分
離する構成とすることもできる。例えば、紫外域の蛍光
を分光分析した場合、実施例2の色信号形成部15は可
視外域の蛍光の波長を、以下のようにして表示する。
【0090】例えば、試料3から発生した可視外域の蛍
光の波長範囲を、d1nm〜d2nmとし、可視域の蛍光を波長
圧縮した結果、余剰となった波長域d3nm〜d4nmの色を用
いて表示する場合、波長X1nmの蛍光(d1nm≦X1nm≦d2n
m)は、以下の式により求まる波長X2nmの蛍光の色とし
て表示する。
【0091】 X2nm=d3nm+(X1nm−d1nm)*(d4nm−d3nm)/(d2nm−d1nm)…(3) 従って、この場合、色信号形成部15は、試料3から発
生した可視外域の蛍光を、可視域の蛍光を波長圧縮した
結果、波長域360nm〜400nmの色により紫外域の蛍光の発
生箇所を表示すると共に、波長域700nm〜760nmの色によ
り赤外域の蛍光の発生箇所を表示するための色信号を形
成する。例えば、波長域180nm-300nmの紫外域の蛍光
を、波長360nm〜400nm の色により表示する場合、波長2
50nmの紫外域の蛍光は、(3)式によりから、波長387nmの
色で表示される。
【0092】
【応用例2】2次電子又は反射電子の無彩色の形態画像
を表示せず、カソードルミネセンスのみを表示する場
合、白・灰色等の無彩色を可視外域の蛍光の発生箇所の
表示に利用できる。
【0093】
【実施例の効果】例えば、ステロイドホルモンの場合、
コレステロールは波長350nm、プレグネノロンは波長380
nm、コレステロールエステルは波長470nm、プロゲステ
ロンは波長420nmの蛍光を発生する。一方、高分子材料
の場合、ポリスチレンは波長325nm、ポリエステルは波
長450nmの蛍光を発生する。このような場合、紫外域の
蛍光がカットされていたり、紫外域の蛍光の像と可視域
の青色に相当する波長の蛍光の像とが一様に青色として
表示されていると、物質の区別ができない。特に、ステ
ロイドホルモンの場合、細胞内のミトコンドリアと脂肪
滴等の小器官とでは異なるホルモンが貯蔵されている可
能性がある。紫外域の蛍光発生箇所を可視域の蛍光発生
箇所と分離して表示できるので、細胞内の小器官から発
生した蛍光を識別でき、どのようなホルモンがどこに存
在するかが一目で認識できる。これにより細胞内のホル
モンの製造過程をカラー像として観察できる。
【0094】ポリマーアロイの場合、発光スペクトルが
異なる場合、その混合状態を色の相違として可視化でき
るので、ポリマーアロイそれ自体の識別、ポリマーアロ
イの品質管理が容易となる。
【0095】SiO2 膜は電子デバイスの絶縁膜に多用
されている。プラズマCVDで制作した酸化膜は波長30
0nmと波長450nmに線スペクトルがある。テストの結果、
波長300nmの蛍光を発するSiO2の絶縁膜としての性能
はよいが、波長450nmの蛍光を発するSiO2は絶縁膜
としての性能が良くないことが分かった。この実施例で
は、紫外域を識別して表示できるので、色の違いを観察
することにより電子デバイスの酸化膜の品質管理にも利
用できる。
【0096】レジスト、高分子材料も紫外域で蛍光を発
生するものが多い。半導体、液晶の製造工程では、レジ
ストの残渣、微小なゴミの問題が製品の歩留まりに重要
な影響を与える。このゴミの問題を解決するためには、
ゴミの発生原因を探ることが必要であるが、この実施例
では、紫外域の蛍光発生箇所を識別して表示できるの
で、どの製造工程のどの装置のどの箇所からゴミが発生
しているかを知ることができ、分析工程を大幅に短縮で
きる。
【0097】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の蛍光電子線装
置によれば、電子線を照射した照射箇所から発生した可
視域及び可視外域の蛍光の発生箇所を表示部の画面上に
識別可能に表示できる。
【0098】本発明の請求項2に記載の蛍光電子線装置
によれば、電子線を照射した照射箇所から発生した可視
域及び可視外域の蛍光の発生箇所を、照射箇所から発生
した2次電子又は反射電子に基づく形態画像に重ねてか
つ識別可能に、表示部の画面上に表示できる。
【0099】本発明の請求項3に記載の蛍光電子線装置
によれば、電子線を照射した照射箇所から発生した可視
外域の蛍光の発生箇所に所定の記号を表示することにし
たので、可視域の蛍光の発生箇所と可視外域の蛍光の発
生箇所とを区別して表示できる。
【0100】本発明の請求項4、5に記載の蛍光電子線
装置によれば、可視域の蛍光の波長を圧縮し、圧縮によ
って余剰となった波長域に、可視外域の蛍光の表示波長
範囲、赤外域の蛍光の表示波長範囲を割り当てたので、
可視外域の蛍光の発生箇所と可視域の蛍光の発生箇所と
を識別可能に表示できる。
【0101】本発明の請求項7に記載の蛍光電子線装置
によれば、電子線を照射した照射箇所から発生した可視
域及び可視外域の蛍光が微弱であっても、ピクセルサイ
ズを拡大できるので、試料の蛍光発生箇所を明確に認識
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる電子顕微鏡の蛍光電子線装置
の第1実施例の構成図である。
【図2】 第1実施例の蛍光像の表示状態の説明図で、
(a)は試料から発生する蛍光の発生箇所を示し、
(b)はその蛍光発生箇所に相当する蛍光像を示す。
【図3】 本発明に係わる電子顕微鏡の蛍光電子線装置
の第2実施例の構成図である。
【図4】 第2実施例を説明するための図であって、第
1実施例の一部の構成を変更して示した図である。
【図5】 第2実施例を説明するための図であって、色
彩範囲を示した図である。
【図6】 第2実施例を説明するための蛍光強度分布図
で、(a)は波長圧縮前の蛍光像の蛍光強度分布を示
し、(b)は波長圧縮後の蛍光像の蛍光強度分布を示
す。
【図7】 本発明に係わる電子顕微鏡の蛍光電子線装置
の第3実施例の構成図である。
【図8】 第3実施例を説明するための色度座標図であ
る。
【符号の説明】 1…照射部 3…試料 7…受光部 8…ピクセルサイズ変更部 12…カラーモニター
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−127096(JP,A) 特開 平6−312027(JP,A) 特開 平5−325863(JP,A) 特開 平3−291843(JP,A) 特開 平7−73840(JP,A) 特開 平5−325864(JP,A) 特開 平7−307137(JP,A) 特開 平7−248217(JP,A) 特開 平2−158046(JP,A) 特開 昭58−46564(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 37/244 G01J 3/51 H01J 37/22 502

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子としての探針を走査させながら
    試料に照射する照射部と、前記試料の荷電粒子が照射さ
    れた箇所から発生する可視域の蛍光と可視外域の蛍光と
    を受光する受光部と、前記試料に対する前記探針の相対
    位置と前記受光部からの受光信号とに基づき、同一画面
    上において前記可視域の蛍光像の領域と前記可視外域の
    蛍光像の領域とを識別可能に表示する表示部とを有する
    ことを特徴とする電子顕微鏡の蛍光電子線装置。
  2. 【請求項2】 荷電粒子としての探針を走査させながら
    試料に照射する照射部と、前記試料の荷電粒子が照射さ
    れた箇所から発生する可視域の蛍光と可視外域の蛍光と
    を受光する受光部と、前記試料の荷電粒子が照射された
    箇所から発生する2次電子、反射電子又は透過電子を検
    出する電子検出器と、前記試料に対する前記探針の相対
    位置と前記受光部からの受光信号と前記電子検出器から
    の検出信号とに基づき、前記可視域の蛍光像の領域と前
    記可視外域の蛍光像の領域とを同一画面上においてカラ
    ー像で識別可能表示すると共に2次電子像、反射電子像
    又は透過電子としての形態画像を無彩色で表示する表示
    部とを有することを特徴とする電子顕微鏡の蛍光電子線
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の電子顕微鏡の蛍光
    電子線装置において、 前記可視外域の受光信号が入力され、前記試料の前記可
    視外域の発光箇所に相当する蛍光像の箇所に所定の記号
    を表示する信号を形成するための記号変換部が設けら
    れ、前記表示部は可視外域の蛍光像の箇所に所定の記号
    を表示し、可視域の蛍光像の箇所と識別可能に表示する
    ことを特徴とする電子顕微鏡の蛍光電子線装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の電子顕微
    鏡の蛍光電子線装置において、 前記可視域の受光信号が入力され、前記可視域の蛍光の
    波長を演算により圧縮し、圧縮された波長の信号を出力
    する圧縮部と、 前記試料の蛍光発生箇所のうち可視外域の蛍光発生箇所
    から発生した蛍光を、可視域内の色信号でかつ可視域の
    蛍光の圧縮波長域と重ならない領域の色信号に変換する
    色信号変換部とが設けられている電子顕微鏡の蛍光電子
    線装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2に記載の電子顕微
    鏡の蛍光電子線装置において、 前記可視域の受光信号が入力され、前記可視域の蛍光の
    色彩を演算により圧縮し圧縮された色彩の信号を出力す
    る圧縮部と、 前記試料の蛍光発生箇所のうち可視域外の蛍光の圧縮色
    彩域と重ならない色彩の色信号に変換する色信号変換部
    とが設けられている電子顕微鏡の蛍光電子線装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5に記載の電子顕微
    鏡の蛍光電子線装置において、 前記試料の前記荷電粒子の照射箇所から発生した蛍光
    を、可視外域として紫外蛍光又は赤外蛍光と可視域の蛍
    光とに分解するダイクロイックミラーと、 該可視域の蛍光をR、G、B光に分解するダイクロイッ
    クミラーとが設けられ、前記受光部は、分離された紫外
    光又は赤外光及び分解されたRGBの可視光をそれぞれ
    受光する光に応じた分光特性を有するフォトマルチプラ
    イヤーから構成されていることを特徴とする電子顕微鏡
    の蛍光電子線装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6に記載の電子顕
    微鏡の蛍光電子線装置において、前記受光部からの受光
    信号が入力されて蛍光像のピクセルサイズを変更するピ
    クセルサイズ変更部が設けられ、前記表示部は前記ピク
    セルサイズ変更部から出力された信号に基づき可視域の
    蛍光像と可視外域の蛍光像とを表示することを特徴とす
    る電子顕微鏡の蛍光電子線装置。
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