JP2002506521A - マイクロスコピーにおける蛍光共鳴エネルギー伝達の較正 - Google Patents

マイクロスコピーにおける蛍光共鳴エネルギー伝達の較正

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Abstract

(57)【要約】 エピ蛍光顕微鏡(1)内にてドナー分子とアクセプター分子との間で生ずる蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の量を可視化し、定量化するための画像化ハードウエア、ソフトウエア、検量器および方法が提供されている。良く特徴づけられた蛍光ビードを標準として、放射測定的に較正された画像処理技術と関連させて、ドナー、アクセプターおよびFRETスペクトル間のオーバーラップがこのマイクロFRETシステムにより補償されるようになっている。このマイクロFRETシステムは、正確に加工されたエピ蛍光キューブ(4)を提供し、これによりサンプルがドナーおよびアクセプター励起波長で照射されたとき(3)、正しい画像整合が維持されるようになっている。画像を擬似着色に着色し、ドナー(青)、アクセプター(緑)およびFRET(赤)からの放射測定的に修正された蛍光放射を表す画素を表示するアルゴリズムが開示されている。この方法は、ヒスチジン−タグによりNiキレート化ビードの表面に結合されたグリーン蛍光たんぱく質(GFP)の遺伝子的に工作された誘導体間でFRETを示すサンプルについて実証されている。

Description

【発明の詳細な説明】 マイクロスコピーにおける蛍光共鳴エネルギー伝達の較正 連邦政府後援のリサーチに関する声明 本発明は、連邦政府のエネルギー省の資金で少なくとも一部分案出した。連邦 政府は、この発明の一定の権利を有することができる。 優先権の請求 本願は、1977年6月5日出願の米国特許出願第60/048,696号と 、1997年9月4日出願の米国特許出願第60/057,931号とに対する 優先権を米国特許法第119(e)条に基づいて請求するものである。 技術分野 本発明は、一般に、蛍光共鳴エネルギー伝達(FRET)に関し、さらに詳細 には、FRETの較正基準に関する。 背景 蛍光共鳴エネルギー伝達(FRET)は、光子を伴わずに蛍光ドナー分子のエ ネルギーをアクセプター分子に伝達する非放射プロセスである。前記ドナー分子 を励起すると、比較的長い波長のアクセプター分子の蛍光放射(即ち、増感アク セプター放射)が強まる。これに伴ってドナー蛍光放射の量子効率が減少する。 エネルギー伝達の効率は、ドナーとアクセプターの間の距離に対する強い逆依存 性を有するので、FRETはマイクロスコピーの貴重なツールになった。したが って、FRETの外観は、2つの分子の近似性の非常に明確なインジケータであ る。このことが、FRET効率を、分子の距離を測定する「分光定規」として使 用することにつながった。 細胞を観察する通常のFRET実験は、特定の分子を蛍光染料で明確に分類す ること、及び、前記色素を選定励起及び放射波長範囲にわたって検出すること、 を伴う。一般に、当該範囲は、特定の発蛍光団の「チャンネル」と呼ばれる。蛍 光分類は、細胞内分子の場合よりも細胞外分子の場合の方が行い易い。細胞内分 子の場合、染料共役分子を細胞の中に注入して観察する必要があるか、又は、分 類した分子を透過性固定組織の薄肉部位に重置することができるか、どちらかで ある。但し、最近、シフト励起及び放射スペクトルを伴う生の蛍光蛋白質(GF P)突然変異体の可用性によって、GFPタグを細胞内マーカとして使って蛋白 質と蛋白質の間の相互作用を測定することが可能となった。GFPタグ付き蛋白 質キメラは、細胞内で表示され、蛍光になる化学処理を必要としない。また、F RETは、青の放射GPF変体と緑の放射GPF変体の融解物の間に発生するこ ともある。 FRETマイクロスコピーは、当該システムにおいて広域に使用される分析道 具になる可能性を有するが、標準のエピ蛍光・マイクロスコピーによるFRET の正確な定常測定は、以下を含む複数の制約によって阻止されてきた。即ち、 (1) スペクトル・オーバラップに起因するFRETチャンネル中へのドナー( 及び隔離されたアクセプター)蛍光放射のブリードスルー(Bleed− through)又はスピルオーバ(Spillover)。スペクトル ・オーバラップの補償には、修正係数を判定する正確な較正基準の使用が 必要である。 (2) 画像位置合わせ。スペクトル・オーバラップのために画像中の各々のピク セルを修正するには、3つのエピ蛍光キューブ(即ち、ドナー放射、アク セプター放射、及び増感アクセプター放射)の各々で3つの分離画像を撮 る必要がある。3つ全部のエピ蛍光キューブの表面が正確に平行でない場 合には、画像位置合わせが失われ、また、その結果生じた幾何学的歪を修 正する必要がある。画像位置合わせを失うと、修正手続きが非常に煩雑に なり、修正データの精度全体が低下する。 (3) 増感放射によるFRETの算出は、FRET効率が低い場合、大きな不確 実性を有する。 (4) 計測中にドナーを光漂白すると、サンプル中のFRETの評価が異常に低 くなる。 上記制約は、GPF以外に、その他の蛍光FRETペアにも適用する。 細胞生物学者は、最近の「染色体ペインティング」の進歩のため、複数の染料 に関する情報を同時に得るためにマルチバンドパスフィルタを利用するエピ蛍光 顕微鏡に精通するようになってきている。当該機器の一部は、干渉法を採用し、 その他の機器は、特定の励起バンドを選択するために励起経路中のフィルタホイ ールを使用する。いずれの場合も、一定の波長の励起によって次の最も赤い送信 バンドから放射が生じることを前提とする。マルチバンドキューブは、分離可能 な染料の画像位置合わせ問題を解決するのに役立つが、大型又は可変のストーク スシフトを伴う蛍光現象を特定することはできない。FRET放射チャンネルは 、次の(比較的赤い)放射バンドではなく、したがって、ドナーの放射と識別す ることができないので、FRETを検出するためにマルチバンドシステムを使用 することはできない。 したがって、発明者は、近似画像位置合わせに対応するとともに、低いFRE T効率と、光漂白と、スペクトル・オーバラップと、を最小限に押さえたり又は 修正したりする改良型FRETシステムの必要性が存在すると判定した。本発明 は、かかるシステムを提供する。 要約 この発明は、生物学的物質の初期画像であって、各々のピクセルが3つの色空 間座標を有する、1組のピクセルで表示される前記初期画像を処理画像に変換す る方法を提供する。この変換方法は、(a)初期画像中の少なくとも2つの画像 領域であって、各々の画像領域が少なくとも1つのピクセルを含むとともに、前 記2つの画像領域が少なくとも2つの識別可能なスペクトル範疇を限定する、前 記2つの画像領域を選択するステップと、(b)処理画像を生成するために、選 択した画像領域の内の各々の画像領域における各ピクセルの色空間座標に基づい て、初期画像上で色空間変換を実施するステップと、(c)色の改良空間分散の 可視指示に対する処理画像を吟味するステップと、を含む。 さらに、この発明は、生物学的物質の初期FRET画像を修正FRET画像に 色空間変換する定量方法を提供するとともに、他の画像修正を応用することも含 む。 また、この発明は、FRETに対する1組の較正目標を提供する。この1組の 較正目標は、(a)ドナー分子だけに結合する純粋なドナー目標と、(b)アク セプター分子だけに結合する純粋なアクセプター目標と、(c)FRETを呈示 するドナー分子とアクセプター分子の混合物に結合するドナーとアクセプターの 目標と、を含む。特定の実施例において、この1組の較正目標は、ヒスチジン− タグによるNiキレートビードの表面に結合したGreen Fluoresc ent Protein(GFP)の遺伝子工学派生物である。 この発明の1つ以上の実施例の詳細を添付図面と以下の説明とに記載する。こ の発明のその他の特徴や目的及び長所は、以下の説明及び図面から、且つ、特許 請求の範囲から、明白になるであろう。 図面の説明 図1aは、本発明との併用に適合した空間相互位置合わせ電子画像を獲得する FRET画像形成顕微鏡の一実施例を示すブロック図である。 図1bは、エピ蛍光・フィルタ・キューブの線図である。 図2のパネルAは、ヒスチジン−タグを介してキレートセファロースビードに 装着したBFP11(青)とRSGFP4(緑)蛋白質の蛍光励起(細線)と蛍 光放射(太線)スペクトルを図示するものである。パネルBは、キレートビード に結合したBFP11とRSGFP4 FRETペアの蛍光放射(太線)と、次 に来るキレートビードからの脱離(細線)と、の間の比較である。 図3は、MicroFRETグラフィカルユーザインターフェースの出力であ り、表1に記載のドナー、アクセプター、及びFRETのエピ蛍光キューブを使 って撮ったビード混合物の3つの白黒画像を図示するものである。この3つの画 像は、スペクトル・オーバラップによって3つのビードタイプの間で完全に見分 けがつくわけではないRGB画像を生成するために合成した。各ウインドウ:右 下(C1)、左下(C2)、右上(C3)、左上(RGB)。 図4は、赤緑青(RGB)ディスプレイのカラー軸線の直交正規化である。こ のカラー修正アルゴリズムによって、カラー軸線が、従来のRGBディスプレイ (左下)のドットの矢印から正規直交画像(右上)の固形軸線に再限定される。 このプロセスによって、原色(赤、緑、青)が夫々3つのピクセル又はビードタ イプ(FRET、アクセプター、ドナー)に割り当てられる。したがって、図3 に示すRGB素画像の貧弱な区分色(F、A、D)を、直交正規化で純粋な赤( F')、緑(A')、青(D')に変換する。 図5は、ドナーとアクセプターとFRETの各ビードのスペクトル・オーバラ ップ修正と直交正規化を図示するものである。 図6は、水平な黒線で表示したキレートビードの表面を図示するものであり、 GFPドナーとアクセプター(例えば、BFPとRSGFP)を夫々青と緑の垂 直線で図示している。考えうる6種類の相互作用をA〜Fに分類している。この 図面では、隣接する分子だけを効率的なFRET距離の範囲内と見なす。 図7は、GFPの青放射派生物(即ち、BFP11)と、赤シフト励起を伴う 緑放射派生物(即ち、RSGFP4)と、FRETにて効率的なBFP11/R SGFP4融解蛋白質と、を表すBaculovirus感染のSf9細胞を図 示 する1組の空間相互位置合わせカラーコード画像である。ドナーとアクセプター とFRETの各信号は、選択候補D、A、Fのピクセルに基づく定量Micro FRET画像形成システムによって、夫々、青と緑と赤に擬似着色されて分離し たものである。 図8のパネルAは、蛋白質のヒスチジン−タグを介してNi/NTA セファ ロースビードにキレートした青(BFP11)と緑(RSGFP4)のGFP派 生物の蛍光励起(細線)と蛍光放射(太線)の各スペクトルを図示するものであ る。当該スペクトルは、実質的に、溶液中の対応する純化蛋白質のスペクトルと 判別不可能である。パネルBは、ビードに結合したBFP11/RSGFP4 FRETペアの蛍光放射(ドナーの波長370nmで励起を伴う)(太線)と、 イミダゾールを使った処理による次に来る脱離(細線)と、の間の比較である。 図8に示すスペクトルによって、FRETビードからの蛍光放射がエネルギー伝 達によるものであることが確認されるとともに、2つのGFP変体のスペクトル 特性がNi/NTA セファロースビードとの結合によって変化しなかったとい うことが確認される。 図9は、梗塞を含む心臓組織の薄肉の染色部位のヘマトキシリンとエオシン( H&E)の各スライドを図示するものである。左のパネルは、450nmと55 0nmと650nmのH&E染色組織の3つの分離白黒画像を合成することによ って生成した真カラー画像を図示するものである。右のパネルは、この発明によ る直交正規化後の前記画像を図示するものである。 詳細な説明 概説 この発明は、エピ蛍光・マイクロスコピーに基づくFRET画像形成マイクロ スコピーの新しいシステムを提供する。MicroFRETシステムとして知ら れる好適な実施例では、スペクトル・オーバラップの修正ができるようにするた めに、正確に機械加工したエピ蛍光キューブを使用し、適正な画像位置合わせを 維持する。また、MicroFRETシステムは、高性能のセファロースビード に逆に拘束される蛍光蛋白質基準を利用する。 また、新たに設計したソフトウェアは、ドナーとアクセプターとFRETのピ クセル情報の処理済ピクセル画像をディスプレイすることができる。タグ付きビ ードから得られる較正パラメータは、画像獲得の条件が同一である他の画像に応 用することができる。また、この新しい設計によって一定のピクセル内で比較的 少量のFRETを検出することができるが、この理由は、算術修正が従来可能で あった算術修正よりも非常に簡単(したがって、比較的正確)だからである。 従来のマイクロスコピーを使った増感放射による細胞の定常FRET画像形成 は、従来、空間の精度を保ちながらスペクトル・オーバラップを修正することが できないという痛手を受けた。現在まで、修正値を生成するために使用せねばな らない3つのエピ蛍光キューブ(ドナー、アクセプター、及びFRET)は、厳 密に平行でない光学表面で製造した。この欠点によって、画像を合成した後に画 像に幾何学的歪(即ち、ピクセルの偏移)が発生する。この発明は、正確な公差 に合わせて機械加工したエピ蛍光キューブを利用するので、画面全部に対して空 間相互位置合わせが維持される。また、この発明は、較正基準として有用なビー ドを提供するので、スペクトル・オーバラップを修正することができ、ドナー放 射とアクセプター放射とドナー増感アクセプター放射(FRET)とをディスプ レイする画像内で特徴を認定することができる。引き続き直交正規化アルゴリズ ム(「ピクセル純化」)を適用することによって、純正ドナーと純正アクセプタ ーとFRETの各ビードを夫々、青、緑、赤、に処理する。 この処理は、3つの蛍光構成要素の各々の空間分布を判定しようとする細胞生 物学者にとって有用である。 従来のマイクロスコピーを使った増感放射に係わるもう1つの関心事は、励起 光によってドナーを光漂白する場合があり、これによってFRET信号の見かけ の強度が低下することであった。但し、この発明の増感放射技法は、高感度カメ ラを利用することによって、FRET信号が約5%超の分だけ低下することはな い。 この発明は、共焦顕微鏡等の立体画像形成システムにおける定量FRET技法 を提供する。定量FRETマイクロスコピーの潜在的な用途は、殆ど無数にあり 、細胞生物学の基本の機械的態様から新しい製薬の発見まで生物学における複数 の学科分野にまたがる。 この発明の装置とFRETマイクロスコピーの改良方法によって、タグ付き蛋 白質に係わる細胞生物学の実験(例えば、蛋白質と蛋白質の間の相互作用)が容 易になり、その他に、薬の発見(蛋白質と小分子の間の相互作用)も容易になる が、この場合、2つの分子が相互作用する程度を定量化する必要がある。 この発明は、立体画像形成に適用可能であって、その他に、体積要素を較正す るソフトウェアも適用可能なビード基準を含む。 ここで使用する技術用語と科学用語は、全部、特に定めない限り、本発明が属 する技術の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。ここで記述した方 法と材料に類似又は等価の方法と材料を本発明の実施又はテストに使用すること ができるが、適切な方法と材料を後述する。 ここに述べた公報、特許出願、特許、及びその他の引例は、全部、そっくりそ のまま引例によって含まれる。不一致の場合、限定を含む本願が統括する。また 、ここに記述した材料と方法は、例示にすぎず、これに限定するものではない。 この発明のその他の特徴と長所は、以下の詳細な説明と、図面と、特許請求の範 囲と、から明白になるであろう。 光学計装 この発明の方法は、空間相互位置合わせ電子画像を獲得する光学装置を使用す る。例えば、この光学機器は、顕微鏡とデジタルカメラでよい。この顕微鏡は、 定常波長スキャニング蛍光顕微鏡でよい(即ち、時間解像式システムでもなく、 干渉計を基本とするシステムでもない)。また、この光学機器は、バックグラン ド減算と、スペクトル・オーバラップ修正と、設定した3つのチャンネルから赤 、緑、青の原色で限定した色空間へのデータ変換と、に対応することができる。 このデータ変換によって、FRETとアクセプターとドナーの各ピクセルが比較 的明瞭に区分されて、それに応じて擬似着色された強調画像が生成する。 図1Aは、本発明との併用に適合する空間相互位置合わせ電子画像を獲得する FRET画像形成顕微鏡の一実施例を示すブロック図である。この構造物は、顕 微鏡1と、検出力メラ2と、光源3と、相互交換可能な3個1組のエピ蛍光キュ ーブ4(ドナー、アクセプター、及びFRET)と、画像処理装置5と、画像出 力装置6と、を含む。 特定の実施例では、MicroFRET機器は、Olympus BX60( 直立)又はIX70(倒立)エピ蛍光顕微鏡1を基本とする。検出カメラ2は、 顕微鏡1の三眼鏡ポートに結合したKAIROS Peltier冷却電荷結合 素子(CCD)カメラ(モデルK7、16ビット、解像度760×510、又は モデルK8、16ビット、解像度1340×1037)を使用する。顕微鏡に連 結した検出カメラ2は、Olympus U−PMTVCとOlympus U− SPTのリレーチューブ(2.5倍率の突起アイピースを格納)のCマウントを 介して作られている。この螺刻U−PMTVCマウントは、検出カメラ2を接眼 鏡と同一焦点になるように調節することができる。本研究に使用するその他のハ ードウェアの構成要素には、10倍率/0.40の対物レンズ(Uプランアポ(A po)無限大/0.17)が含まれる。 励起照射の光源3は、顕微鏡1に直接連結した75ワットのクォーツ・タング ステン・ハロゲン(QTH)の光源によって設けることができるが、所要に応じ て他の光源を使うこともできる。露出時間は、検出カメラ2中の電子シャッター が制御する。通常の露出時間は、0.15秒〜2秒である。画像中の低い光線量 の使用は、露出時間と輝度を超感度のCCDカメラで最小限度に抑えることによ って、且つ、広域バンド放射フィルタと狭小バンド励起フィルタでエピ蛍光キュ ーブ4を慎重に選択することによって可能となる。スペクトル解析アルゴリズム によって前記広域バンド放射フィルタが容易に修正される。 図1Bは、エピ蛍光フィルタ・キューブ4の線図である。各々のエピ蛍光キュ ーブ4は、励起フィルタ10と、放射フィルタ11と、ダイクロイックミラー1 2と、を含む。励起フィルタ10は、光源からの短い波長の光だけを通過させる バンドパス又はハイパスフィルタである。放射フィルタ11は、波長が比較的短 い励起光による照射に応じて被写体が放射した波長の長い光だけを通過させるバ ンドパス又はローパスフィルタである。ダイクロイックミラー12は、励起光を 被写体に反射させるとともに、次に、被写体から放射した光を通過させるビーム スピリッタである。一般に、ダイクロイックミラー12の「カットオン」波長は 、簡単な構造において、励起フィルタ10と放射フィルタ11の各伝達バンドの 間にある。 この発明の方法は、正確な公差に合わせて機械加工したエピ蛍光キューブ4を 使用するので、全ての画像に対して空間相互位置合わせが保たれる。また、この 設計によって、一定の画像ピクセル内で比較的少量のFRETを検出することが できるが、その理由は、算術修正が、従来可能であった算術修正よりも非常に簡 単(したがって比較的正確)だからである。エピ蛍光キューブ4は、このエピ蛍 光キューブ中のダイクロイックミラーと放射フィルタの各々の2つの平坦面間の 偏差が5アークセカンド未満なるように正確にフライス削りして製作している。 このダイクロイックミラーと放射フィルタの各々の2つの平坦面間の低い偏差 によって、高度な画像位置合わせが得られる。画像の位置合わせと歪は、ダイク ロイックミラーと放射フィルタの各表面内の正確な表面平行度に非常に左右され るので、3つ全部のキューブのダイクロイックミラーと放射フィルタを、表面平 行度の測定(オートコリメータを使用)と、表面の平坦度の測定(干渉計を使用 )と、を行ったところ、ウェッジ平行度が15アークセカンド以下であり、約1 0ウェーブの平坦度であることが分かった。適切な特性を有するエピ蛍光キュー ブは、2ウェーブ未満の平坦度で5アークセカンド未満のウェッジという仕様に 合わせてChroma INC.(Brattlebore,VT)が製造した。 比較的低品質のエピ蛍光キューブは、ソフトウェアに組み込んだ焦点合わせ/位 置合わせ獲得ループを使って実行時間中に各画像を相互位置合わせするために、 ドナー(D)とアクセプター(A)とFRET(F)の各キューブと併用して光 学センタリング調整(OCA)装置(Olympus製,Huntington ,NY)で修正することができる。目標は、3つ全部のチャンネル中で可視であ るとともにこの3つのチャンネル間の相互位置合わせにおける1つのピクセルに 位置合わせした蛍光ビード(サイズ=ポイントソース)でよい。これは、FRE Tに対する斬新なOCA使用法である。表1に、好適なエピ蛍光キューブの仕様 を記載している。 1チャンネル(任意に青に割り当て)は、ドナー(D)放射を選択的に励起さ せて画像形成するように図るものであり、C2チャンネル(任意に緑に割り当て )は、アクセプター(A)放射を選択的に励起させて画像形成するように図り、 C3チャンネル(任意に赤に割り当て)は、FRET(F)放射を可視化するよ うに図るが、この理由は、励起がドナー励起のときであったからであり、且つ、 励起がアクセプター放射のときに画像形成したからである。 従来のエピ蛍光キューブは、Fluorescence Imaging Mi cro−Spectrophotometer(FIMS)テクノロジーに置換 したり、又は3個1組の固定波長装置を使用しないほかの方法に置換したりする ことができる。FIMSにおいては、放射フィルタは連続的に可変であり、励起 波長をモノクロメータ等の別の装置で選択することができる。FIMSテクノロ ジーの説明は、本発明の譲受人に譲渡された「Optical Instrum ent Having a Variable Optical Filter 」と称する1998年2月10日出願の米国特許出願第08/833,351号 に記載している。 画像処理装置5は、適切にプログラム化したパーソナルコンピュータでよい。 画像出力装置6は、コンピュータモニター(例えば、CRT又はLCDディスプ レイ)又はプリンタでよい。操作においては、照射サンプルの白黒画像を顕微鏡 1を介して検出カメラ2で撮り、デジタル化したピクセル画像として画像処理装 置5に入力する。次に、各チャンネル(ドナー、アクセプター、及びFRET) からの3個1組の当該画像を3つの空間相互位置合わせ画像として処理したり、 又は、各々のピクセルが白黒の波長に対応する3つの色空間座標を有する単一画 像として処理したりすることができる。 この発明の方法は、エピ蛍光顕微鏡に限定するものではない。マイクロタイタ ・トレイ又はペトリディッシュ(生物学)又はソリッドステートデバイス(物質 科学)等の巨視的視界にわたってFRET検出と定量を得るために、巨視的レン ズを基本とするシステムを顕微鏡の対物レンズの代わりに使用することができる 。 FRET自然科学 FRETを説明する基本的な等式であるフォースター等式は、エネルギー伝達 率定数(κt)の式と、伝達効率(E)の式と、いわゆるフォースター半径又は 臨界距離(Ro、単位cm)の式と、スペクトル・オーバラップ積分(J(λ) )の式と、ドナーの正規化蛍光放射スペクトル(F(λ))の式と、を含む。 rは、ドナーとアクセプターの発色団間の中心から中心までの距離(単位cm )であり、τdは、エネルギー伝達が無い場合のドナーの蛍光寿命であり、κ2は 、双極子から双極子の配向係数であり、QDは、アクセプターが無い場合のドナ ーの蛍光量子収量であり、nは、中間媒体の屈折率であり、FD(λ)は、一定 の波長λ(単位cm)のドナーの蛍光放射輝度であり、∈A(λ)は、アクセプ ター発色団(単位cm-1-1)の消衰係数である。したがって、J(λ)は、ド ナーの正規化蛍光スペクトルを表すとともに、M-1cm3の単位を有する。 距離rの分だけ分離した、無作為に配向した分子の場合、r=Roのとき、エ ネルギー伝達の効率は50%であり、ドナー蛍光の寿命は、2分の1だけ減少す る。Roの値は、約10オングストロームである。FRET効率は、Roで正規化 された距離の6乗に反比例して下がる。ドナー分子とアクセプター分子の間の距 離をRoから2Roに2倍にすると、FRET効率は、6乗に反比例する依存関係 、即ち(0.5)6、のために50%から約1%に減少する。したがって、FRE Tは、2つの分子が近似しているか否かの判定を行う非常に有用なツールである 。このことは、分子の半径が蛍光タグの実Ro値とサイズが類似する相互作用す る巨大分子の場合に特に当てはまる。 ドナー放射がアクセプターによって消光される程度は、FRET効率をフォース ター等式の内の1つの等式にしたがって算出するために使用することができる。 即ち、 ここで、IDとIDAは、夫々、アクセプターが無い場合と、アクセプターが有 る場合と、のドナーの蛍光輝度である。これは、ドナーの総濃度で除算した、F RETを実行するドナーの濃度を求めることに等しい。 大部分の細胞生物学者にとって有用な計測は、カラーコード画像内のEからR までの関係である。この発明は、Eをドナーとアクセプターの間の距離(R)に 変換する簡単なモデルを提供する。 スペクトル・オーバラップの修正 一実施例においては、発明力のある方法によってドナーとアクセプターの各チ ャンネル間のスペクトル・オーバラップを修正する(選択した励起と放射の波長 範囲、上記参照)。このスペクトル・オーバラップ修正の数学原理を以下のよう に述べる。即ち、 (7) ここで、Xは、「D」、「A」、又は「F」に置き換えることができ、ドナー 、アクセプター又はFRETの各チャンネルを夫々介して獲得した白黒蛍光画像 の内の1つの画像から画像ピクセルを表示する。下付き文字「u」は、「d」、 「a」又は「f」に置き換えることができ、画像中のドナー、アクセプター又は FRETビードのいずれかのピクセルを表す。実質的なスペクトル・オーバラッ プがあるので、2つ以上のビードタイプを各々の未処理チャンネル中に見出すこ とができる(図3)。以下の等式(8)と(9)における上付き文字「y」は「 b」に置き換えられ、スペクトル・オーバラップ修正を実施する前に白黒画像を バックグランド減算したことを表示する。 - = 各々の白黒画像上のバックグランド減算後の「純正ドナー」ピクセルの 場合、FRETチャンネル輝度のドナーチャンネル輝度に対する比率。(8)- = 各々の白黒画像上のバックグランド減算後の「純正アクセプター」ピクセ ルの場合、FRETチャンネル輝度のアクセプターチャンネル輝度に対する比。 (9) 上記比率は、夫々、FRETチャンネル中へのドナーとアクセプターの分数「 ブリード」又はスペクトル・オーバラップである。次に、当該比率を、FRET チャンネルピクセル輝度を修正するために使用する。修正したFRETチャンネ ル画像(FC)中の各々のピクセルは、以下の式で表示する。即ち、 バックグランドとスペクトル・オーバラップを修正した白黒画像を各チャンネ ル毎に得た後、3つの画像を合成RGB画像に組み込んで、修正したFRET画 像を生成する。この例示した実施例では、アクセプターブリードの場合、ドナー チャンネルを修正せず、ドナーブリードの場合、アクセプターチャンネルを修正 しないが、その理由はいずれの効果も極小だからである。 スペクトル・オーバラップの修正は、次のように行う。即ち、バックグランド 修正後の「純正ドナー」ピクセルの場合、FRETチャンネル輝度のドナーチャ ンネル輝度に対する比率を求める。また、バックグランド修正後の「純正アクセ プター」ピクセルの場合、FRETチャンネル輝度のアクセプターチャンネル輝 度に対する比率を求める。次に、上記比率を、各ピクセル毎にFRETチャンネ ル値を修正するために使用する。 直交正規化 一実施例において、この方法は、ドナーとアクセプターとFRETの各信号を 固有の色に変換するために直交正規化を使用する。例えば、ドナーとアクセプタ ーとFRETの各信号をB(青)、G(緑)、及びR(赤)に変換する。修正画 像を質的に強調させる直交正規化の手順は、後述する。 上述したスペクトル・オーバラップアルゴリズムに加えて、直交正規化変換に 基づくRGB画像の構築によって更に画像を強調することができる。このプロセ スによって、FRET、アクセプター、及びドナーの各ピクセルが、夫々、赤、 緑、及び青の純粋な原色によって擬似着色される。これを行うために、前回処理 した白黒画像の各々から選択したピクセル値を、A行列と呼ばれる3×3行列を 構築するのに使用することができる。即ち、 [A]の縦列は、前回処理した3つの白黒画像を表し、横列は、選択ピクセル を表す。例えば、A11は、FRETビードの位置に相当するFRET画像中のピ クセル値に等しい。A12とA13は、夫々、この同じ位置におけるアクセプターと ドナーの各画像中のピクセル値に等しい。 直交正規化演算の目標は、A行列を以下の行列に変換することである。即ち、 ここでC11、C22、及びC33は、考え得る最大ピクセル値に設定している。 この変換は、以下のように表記することができる。即ち、 [A][B]=[C] (13) [A]と[C]が分かると、等式(13)の両辺をAの逆行列で乗算すること によってB行列を求めることができる。即ち、 [A]-1[A][B]=[B]=[A]-1[C] (14) A行列は、選択したピクセルが独立軸線を限定することを条件にして反転させ ることができる。一旦、B行列が求められると、各々のRGBピクセル値三つ組 をB行列で乗算し、新しい三つ組を求める。この変換で一部のグレー値がマイナ スになる場合があるので、当該グレー値の絶対値を常用する。また、この変換で グレー値が考え得る最大値を超過する場合もある。したがって、RGB画像中の 最大グレー値が考え得る最大グレー値に等しくなるように新しいグレー値を全部 基準化する。これでこの純化プロセスは完了する。 直交正規化は、プロセスステップの点で以下のように実施することができる。 即ち、 (1) 初期画像中の少なくとも2つの画像領域であって、各々の画像領域が少な くとも1つのピクセルを含むとともに前記少なくとも2つの画像領域が少 なくとも2つの識別可能なスペクトル範疇を区画する、前記少なくとも2 つの画像領域を選択すること。 (2) 処理画像を生成するために、選択した前記画像領域の各々におけるピクセ ルの色空間座標に基づいて前記初期画像上で直交正規化等の色空間変換を 実施すること。(所望により、直交正規化を動的シリーズの初期画像上で 順次実施することができ、又は、一連の収集デジタル画像を全部同時に修 正することができる。) (3) カラー改良空間配分の可視表示のために前記処理画像を評価すること。こ の評価ステップは、既知の標準目標に適正に分離する前記カラー改良空間 配分を基本にしたり、又は、生物学的構造に分離する前記カラー改良空間 配分を基本にしたりすることができる。立体空間情報を観察するためには 、共焦顕微鏡を使用して上記評価を実施することが望ましい。 この直交正規化ステップは、ドナー、アクセプター、及びFRETの代表とし て候補ピクセルを繰り返し選択する場合がある細胞生物学者にとって有用である 。この人的介在は、画像からデータを抽出する際の重要な要素であり、この結果 生じた擬似着色画像の形態によってピクセル選択の質が評価される。例えば、F R ETがスペクトル・オーバラップ修正後に特定の構造内で観察される場合、候補 の「赤」ピクセルを再選択することによってこの構造内の各種ピクセルをテスト することが有利である。 上記アルゴリズム方法(画像形成を伴うか否か)は、フローシステムにおける フロー血球計算(イメージング・イン・フロー法を含む)又は細胞選別に適合で きる。 定量FRET測定 一実施例において、この発明の定量方法は、定量FRET測定と分析を行う。 FRET画像データは、蛍光顕微鏡中の標準フィルタセットで得られる。定量F RETの1組の等式を後述する(等式15A〜等式30)。当該等式は、ここで は引用で含めるGordonらのQuantitative Fluoresc ence Resonance Energy Transfer Measu rements Using Fluorescene Microscopy 、Biophysical Journal、第74巻、1998年5月、27 02:2713に記載のFRET修正等式と類似する又は前記FRET修正等式 から得られるものである。前記等式に使用する2つの文字記号と3つの文字記号 は、以下の意味を有する。即ち、 Aaは、アクセプターフィルタセットによるアクセプターのみの試料からの信 号である。 Ddは、ドナーフィルタセットによるドナーのみの試料からの信号である。 Faは、FRETフィルタセットによるアクセプターのみの試料からの信号で ある。 Fdは、FRETフィルタセットによるドナーのみの試料からの信号である。 Adは、アクセプターフィルタセットによるドナーのみの試料からの信号であ る。 Daは、ドナーフィルタセットによるアクセプターのみの試料からの信号であ る。 Dfは、ドナーフィルタセットによる「アクセプタープラスドナー」試料から の信号である。 Ffは、FRETフィルタセットによる「アクセプタープラスドナー」試料か らの信号である。 Afは、アクセプターフィルタセットによる「アクセプタープラスドナー」試 料からの信号である。 Dfdは、ドナーとアクセプターの両方が存在するときのドナーフィルタセッ トによるドナー信号のみを指す。 Dfaは、ドナーとアクセプターの両方が存在するときのドナーフィルタセッ トによるアクセプター信号のみを指す。 Ffdは、ドナーとアクセプターの両方が存在するときのFRETフィルタセ ットによるドナー信号のみを指す。 Ffaは、ドナーとアクセプターの両方が存在するときのFRETフィルタセ ットによるアクセプター信号のみを指す。 Afdは、ドナーとアクセプターの両方が存在するときのアクセプターフィル タセットによるドナー信号のみを指す。 Afaは、ドナーとアクセプターの両方が存在するときのアクセプターフィル タセットによるアクセプター信号のみを指す。 合のドナーフィルタセットによるドナー信号を指す。 クセプターフィルタセットによるアクセプター信号を指す。 以下の等式に使用するFRET記号は、次の意味を有する。即ち、 FRET1は、3フィルタセットを使用する方法においてドナーフィルタセッ トによるFRETに起因するドナー信号の損失である。 度である。 fd×Afa)はFRETNに等しい。 FRET4は、2フィルタセットを使用する方法においてドナーフィルタセッ トによるFRETに起因するドナー信号の損失である。 Gは、ドナーフィルタセットにおけるFRETに起因のドナー放射の損失をF RETフィルタセットにおけるFRETに起因のアクセプター放射の利得に関連 付ける係数である。 なお、2フィルタシステムにおいて、以下の代入を行うことができる。即ち、 Dd'は、Ddに類似するが、アクセプター濃度はドナー濃度に比例する。 Fd'は、Fdに類似するが、アクセプター濃度はドナー濃度に比例する。 Ad'は、Adに類似するが、アクセプター濃度はドナー濃度に比例する。 Da'は、Daに類似するが、アクセプター濃度はドナー濃度に比例する。 Fa'は、Faに類似するが、アクセプター濃度はドナー濃度に比例する。 Aa'は、Aaに類似するが、アクセプター濃度はドナー濃度に比例する。 FCの追加修正を以下の等式15A〜30から得ることができるが、ここで、 等式(10)を、等式(15)として上記で定めた条件で書き直す。即ち、 FC=Ff−Df(Fd/Dd)−Af(Fa/Aa) (15 ) 特に、FCは、(1)アクセプター放射チャンネルを介したドナー蛍光の検出 及び/又はドナー放射チャンネルを介したアクセプター蛍光の検出、によって生 じるクロストークの場合に修正することができ(例えば、AdとDaの非ゼロ値 の場合に修正できる)、(2)望ましくは1/Dfの修正を適用することによっ てドナーの濃度に対して正規化することができ、(3)望ましくは1/AFの修 正を適用することによってアクセプターの濃度に対して正規化することができ、 (4)望ましくは1/(Df×Af)の修正を適用することによってドナーとアク セプターの濃度に対して正規化することができ、(5)クロストークの場合に修 正できるとともに正規化することができる。また、初期のFRET画像は、感度 の良いカメラと早い露出時間とを使うことによって光漂白に関して改善される。 較正基準としてのFRETビード この発明は、広域に使用されるFRETペアに適用可能な各種「FRETビー ド」を含む1組の較正目標を提供する。また、この発明は、従来の3チャンネル (即ち、3キューブ)エピ蛍光・マイクロスコープにおけるFRET基準を画像 形成する方法であって、ドナー濃度[D]、アクセプター濃度[A]、及びFR ET効率[E]の各値を未知のサンプル上で求めることができるようにFRET 較正アルゴリズムを適用する方法を提供する。溶液を基本とする技法よりもむし ろFRETカリブラント(Calibrants)のようなビード等の表面を使 用する利点は、ビード等の表面を使用すると、シングレット−シングレット消滅 (singlet−singlet annihilation)等の物理化学に 係わる各種現象による不快な干渉が無くなるということにある。その他の効果は 、励起子が形成されるにつれて表面上のFRETを強調させる場合がある。 この発明は、一実施例において、ドナー分子とアクセプター分子の間、例えば 、青発光(BFP)と緑発光GFPの各派生物間、に効率的なFRETが得られ るくらい高い表面濃度で、Ni/NTA派生(derivatized)セファ ロースビードにヒスチジン−タグ付きGFP派生物付きFRETビードを提供す る。当該FRETビードは、水溶液(摂氏4度で数ヶ月間安定)中に当該ヒスチ ジン−タグ付き蛋白質を非常に堅固に係合(拘束)する表面を提供するが、但し 、イミダゾールを添加することによって直ちに蛋白質を解離させてビードから脱 離させることができる。ビードから脱離すると、ドナー分子とアクセプター分子 のFRET特性が変調する(即ち、FRET効率がゼロになる)。この処理は、 同一蛍光計キュベットにおいて実施することができ、脱離前後に取得したスペク トルの差異は、FRET効率の直接表示である。従来、FRETパラメータを取 得するのは極めて困難であったので、例えば、高濃縮のドナーとアクセプターの 溶液を微小毛細血管に注入する等の代行手順によってアーチファクトを発生させ ることができる。選択的脱離を伴うFRETビードの発明によって上記パラメー タを測定することが取るに足らないものになる。1Mイミダゾールを添加すると いう簡単な手順によって、ドナーとアクセプターの濃度と効率を正確に判定する こと ができ、これによって定量FRETマイクロスコピーにおける較正基準の原理が 備わる。かかる較正ビードは、機器の反応を判定するために使用するとともに、 各種サンプルと併用するエピ蛍光顕微鏡のハードウェアとソフトウェアを標準化 するために使用する。 この発明は、一実施例において、現在、細胞生物学にとって注目されている緑 ・フルオーレスサント・プロテイン(Green Fluorescent P rotein)の派生物を生じる一連のFRETビードを提供する。当該派生物 は、青/緑のペア(380nm励起/510nm励起)と、シアン/「黄」ペア( 450nm励起/530nm励起)を含む。 このGFPの2つの派生物は、スペクトル特性に基づいてFRET標準に使用 する。Lossauらが組合せ突然変異誘発を使って構成した突然変異体BFP 11(Chem.Physics.213:1-16、1996年)は、突然変 異種F64M/Y66Hを含有する。BFP11は、野生型GFP(図2)に対 して青シフト励起及び放射の各最大値を有する。組合せ突然変異誘発で生成した 突然変異体RSGFP4(Delagraveら、Bio/Technolog y、13:151-154、1995年)は、突然変異種F64M/S65G/Q 69Lを含有する。RSGFP4は、Heimらが報告する(Proc.Nat l.Acad.Sci.USA 91:12501-12504、1994年)S 65T突然変異体に類似のスペクトル特性を有する。FRETペア中のアクセプ ターとして、S65TとRSGFP4は、両方とも、RSGFP8(F64L+ S65T)等の他の赤シフト励起突然変異体よりも優れているが、この理由はR SGFP8(F64L+S65T)等の他の赤シフト励起突然変異体が紫中に有 効な励起を有するからである。 同一視界において較正基準を含まないサンプル(即ち、純正ドナー、アクセプ ター、又はFRETビード)の今後の正規化と修正のために較正値をコンピュー タに記憶させることができる。一旦、限定した光学ベンチ内で特定のキューブセ ットに合致する特定の発蛍光団ペアに対して較正すると、当該正規化係数は、安 定し、前記発蛍光団を含む未知のものに適用可能である。 FRETビードは、人がアクセプター蛍光増感の測定輝度を対応する量のドナ ー消光に関連付けることができる媒体を提供する。この較正係数XFは、機器反 応だけでなくFRET量子収量の概念までも具体化する。係数XFによって、F RETを実施するドナーの量の判定が簡素化し、ドナーをフォトディストラクト したり(Photodestruct)又はドナーをアクセプターから物理的に 分離したりする必要がない。また、この較正係数は、吸収断面積、励起強度、及 び検出効率、の差異を補償する。 従来の蛍光測定法の測定値Eで求めたE値と、定量画像形成と、を組み合わせ ることによって、XFがFRET較正ビードから得られる。即ち、 ここで、C1はC1チャンネルの輝度であり、C3'は、後述する等式(38)で スペクトル・オーバラップ修正を行った後のC3FRETチャンネルの輝度であ る。次に、この値を、サンプル未知数におけるFRETパラメータの計算に適用 することができる。Eは、等式(6)から、ドナーの総数で除算した、FRET を実施するドナーの数を求めることに等しい。フォースター等式が単一のドナー とアクセプターのペアに適用するので、FRETを実施するドナーの量を、測定 した増感アクセプター放射に直接関係付けることができる。3キューブ顕微鏡シ ステムでは、FRETサンプルのEは、ビード較正係数(XDとXF)を組み込む とともにC1とC3のチャンネル情報を組み合わせることによって求めることがで きる。即ち、 したがって、FRETビードと併用する等式(34)と等式(35)によって 、消光したドナー放射と互換性のある単位に増感アクセプター放射を変換するこ とが非常に容易になり、FRETを実行するドナーの量と、ドナーの総量と、F RET効率と、を容易に定量する能力が得られる。 図8に示すビードの場合、y軸の値から、ID=0.63でありIDA=0.24 である。エネルギー伝達効率Eは、等式(6)に代入することによって求められ る。即ち、 Eの測定によって、ドナーとアクセプターの間の中間分離距離(R)をフォー スター等式の内の別の等式を使って算出することができる。即ち、 ここで、ROは、エネルギー伝達の効率が50%であるフォースター半径又は 臨界距離である。ROは、準実験的方法と以下(等式(3)を参照)とによって 求めることができる。即ち、 等式(37)中のパラメータは、スペクトル・オーバラップ積分Jを含むとと もに、このスペクトル・オーバラップ積分Jは、図式上、ドナーの蛍光放射スペ クトルとアクセプターのグランド状態吸収スペクトルとの間に占める集約面積に 等しく、両スペクトルとも1つに正規化されている。他のパラメータは、アクセ プターが無い場合のドナーの蛍光量子収量QDと、細胞系の場合、通常(1.3〜 1.4)の屈折率Nと、双極子から双極子の配向係数κ2と、を含む。図8に示す BFP11/RSGFP4ペアのスペクトル・オーバラップを考慮すると、無作 為配向係数ROは、約40Åである。ROとEを等式(36)に代入すると、上述 したFRETビード上のBFP11とRSGFP4の間の分離距離rが37Åに なる。このBFP11からRSGFP4までの距離は、発蛍光団間の考え得る最 小距離がGFP二量体のX線構造で示すように〜25Åであることを考慮すると 合理的である。 また、この発明は、ドナー濃度[D]とアクセプター濃度[A]とFRET効 率[E]とに関する基準を生成するために、単位表面積毎にドナー分子とアクセ プター分子の抑制量で一連のビードを(従来の蛍光測定法によって)特徴づける 方法を提供する。FRETの存在する場合(IDA)と不在の場合(DI)におけ るドナー輝度であって、ドナー濃度に対して正規化した前記ドナー輝度の判定は 、生物学的サンプル上の定量FRETを実施する大きな難関の1つである。イミ ダゾールは、GFP発蛍光団のNi/NTAキレートビードからの脱離を媒介し 、これを実質的に1ステップで達成するようになっている。 スペクトル・オーバラップの存在は、各々の白黒画像が2つ以上のビードタイ プを示すことを観察することによって気がつく。C3チャンネルでは、スペクト ル・オーバラップは、ドナーの放射テールがアクセプター放射バンドにブリード スルーすることによるものである。また、アクセプターの直接励起が一定の波長 (例えば、370nm)で発生する場合があるが、これは、当該波長での少量の アクセプター吸収に起因する。C3チャンネルのスペクトル修正は、以下のよう に等式(10)を書き直すことによって行うことができる。即ち、 ここで、- =各白黒画像上のバックグラウンド減算後の「純正ドナー」ピク セルの場合、FRETチャンネル輝度のドナーチャンネル輝度に対する比率であ り、- =各白黒画像上のバックグラウンド減算後の「純正アクセプター」ピク セルの場合、FRETチャンネル輝度のアクセプターチャンネル輝度に対する比 率である。溶液測定から発蛍光団の表面濃度を得たので(等式(40)を参照) 、ドナー表面濃度を、以下の等式を介して純正ドナービードのC1画像中のドナ ー放射輝度に関連付けることができる。即ち、 (39) ここでXDは、ドナー較正係数として定義され、単位面積毎に各分子毎のグレ ー値の単位を有する。同様に、アクセプター較正係数XAは、C2チャンネルを介 して画像形成された純正アクセプタービードから求めることができる。立体発蛍 光団コートビードを平方画像形成面上に投影させるので、輝度(グレースケール )測定に使用するピクセルを選択する際は、慎重に行う必要がある。前記ビード のサイズと光学濃度を考慮すると、各ビードの中心ピクセル上の輝度に基づくと ともに2の係数で除算することは合理的である。この理由は、顕微鏡中のビード を見下ろすと、立体から平面への投影のためにビード表面の底と頂部の両方から 蛍光(等方性である)が見えるからである。XAとXDを求める際に、蛍光量子収 量と機器反応修正は、全て、この較正係数の範囲内で具体化されることに留意す ることが重要である。一連のビードを特徴づけながら構築することによってこの 関係の線形又は線形範囲の限界が求められる。 例えば、発色団間の分離(r)、配向係数(κ2)、及びFRET効率(E) 等、FRET輝度を左右する他の要素は、機器を較正することによって実験的に 求めることができる。当該較正によって、ユーザは、上記係数の大きさと空間配 分をディスプレイした画像を生成することができる。例えば、ドナーとアクセプ ターの間の吸収断面積の差異の修正と、励起強度と検出器効率の差異の修正と、 を加えることによって、最初の2つの変数の値を求めることができる。κ2の値 は、固定した配向で発色団を含有する較正基準を使って求めることができる。 較正とテストサンプル 通常の分析においては、純正ドナーと純正アクセプターとFRETビードの混 合物を生じる較正スライドの場合、C1、C2、及びC3を使った3つの画像が得 られる。蛍光ビードを顕微鏡のスライドの表面上で空気乾燥させて画像形成する 。記録された画像は、全て、ライトマイナスダーク減算を使用し、ダークカウン トのペディスタル(Pedestal)を修正する。次に、前記較正スライドを 、バックグランド減算スペクトル・オーバラップ修正比の他にXA、XD、及びXF も得るために使用する。このスライドは、当該測定を行った後に取り除いてテス トサンプルと交換し、このテストサンプルから3つの追加画像が同一実験条件下 で得られる。当該白黒画像を、各々、バックグランド減算するとともにオーバラ ップ修正を適用する。画像基本型の顕微鏡システムは、場面におけるあらゆるピ クセルの分析を大量に平行に実施する。これは、解像度1000×1000の画 像の場合、106同時シングルスポット測定と同等である。等式(35)による エネルギー伝達効率と、等式(36)による距離配分画像と、を生成するために 、各々のピクセルを、ROが既知であることを条件にして処理することができる 。[A]画像は、C2チャンネルのXAに対する比率から求めることができ、また 、[D]画像も得ることができる。 一旦、顕微鏡を特定のFRETペアに対して較正すると、このシステムは、か かるタイプの発蛍光団を格納する他のサンプル全部に対して、較正された状態の ままである。顕微鏡のハードウェアを変更する(例えば、エピキューブを変える )場合に限って、又は異なるFRETペアを研究する場合に、再較正が必要であ る。 FRET信号の定量化は、ビード又はその他の目標に基づいてMicroFR ET装置中で行う測定を、蛍光計中で行う従来の測定と相関関係化することによ って達成することができる。例えば、実例2に記載のようにドナーとアクセプタ ーの全体を定量化するために、キュベット内のビードからの発蛍光団のイミダゾ ール脱離を使用することができる。 コンピュータ履行: マイクロFRETシステムはデジタル画像化分光(DIS)ソフトウェアを備 え、これは、ドナーエミッションのブリード・スルーをアクセプターチャンネル に修正するため、ドナー励起波長でのアクセプターの励起を修正するため、更に ドナー、アクセプターおよびFRET画素を強調する新規なRGB軸セットを生 じさせるための画像の代数的操作をサポートする。このシステムは更に、16ビ ットモノクローム画像および24ビットRGB画像の双方のための画像処理およ びディスプレイを提供するものである。 スペクトル重複のための修正は以下のように行われた。FRETチャンネル強 度のドナーチャンネル強度に対する割合は、バックグラウンドの修正の後、“純 粋ドナー”画素について決定される。FRETチャンネル強度のアクセプターチ ャンネル強度に対する割合も、バックグラウンドの修正の後、“純粋アクセプタ ー”画素について決定される。これらの割合は、ついで各画素について、式(1 0)を用いてFRETチャンネル値を修正するのに用いられる。この3つのチャ ンネルの夫々についてグレー値画像を得た後、この3つの測定が複合RGB画像 へと再組立てされる。しかし、スペクトル重複のための修正ファクターがこの3 つのチャンネルのそれぞれについて計算されたとしても、種々のドナー、アクセ プターおよびFRETビードは必ずしも純粋な青、緑、赤として現れない。なぜ ならば、最初のRGB画像に表示されるカラーは未だに直交正規化されていない からである。マイクロFRETはユーザーがこの問題を修正することを可能にす る。すなわち、ユーザーがオーバーラップ修正画像から最高の赤、緑および青を 含む画素を選択することができるようになっている。このプログラムはこの画像 を、選択された画素についての赤、緑および青のグレー値により赤、緑および青 軸が規制されたカラーシステムに数学的に変換させる(図4)。 より具体的に述べると、マイクロFRETにおいて使用されたアルゴリズムに より、赤、緑および青のカラーシステムからのRGB画像が、3つのユーザー規 制のRGBトライアッドに規制されたカラーシステムに変換される。複合RGB 画像がすでに図3に記載されており、図5にパネルAとして再生されている。図 5のパネルは拡大されていて、図3の画像の上方四分円のみが示されている。ブ リード修正および図5(パネルA−F)に示す未修正RGB画像の直交正規化に おける工程は、以下のようにして行なわれる。 パネル5A−RGB:図3からのモノクローム画像が、青、緑および赤チャン ネルの夫々についてのウインドーD1,A1およびF1に示される画像を用いて 、組合わされてパネル5Aを発生させる。この3つの全てのカラーチャンネルに ついての色濃度範囲はこの組合わされた3画像セットの最小および最大画素値に 基づいている。 パネル5B−スケーリング修正:この3つのチャンネル間における蛍光信号 強度は、ドナーとアクセプターとの間の量子収量および減衰率の差により変化し 得る。信号強度も、光源の照明強度や異なる波長での検出器感度などの機器のパ ラメータに左右される。もし、画素値の範囲がチャンネル間でかなり異なるとき は、最大の画素値読出しを有するチャンネルのカラーを、より低い画素値読出し を有するチャンネルのカラーに対し優先させることができる。パネル5Bは、こ の3つのチャンネルのそれぞれのカラー強度を個々、その最小および最大画素値 に再スケーリングした後の擬似着色画像を示している。 パネル5C−バックグラウンド修正:パネル5Cは各画素がバックグラウンド 信号のために修正された後の擬似着色画像を示している。マイクロFRETソフ トウエアは、画像をクリックすることにより5つのバックグラウンド画素の位置 を選択するようユーザーを促する。これらの画素値は平均化され、自動的に減じ られる。この減じられた値のあるものがマイナスのときは、それはゼロに設定さ れる。 パネル5D−スペクトル・オーバラップ修正:図3に表されたデータはエピ蛍 光画像間でかなりのスペクトル・オーバラップがあることを示している。しかし 、マイクロFRET機器におけるエピ蛍光キューブが正確な画像整合を維持して いるので、FRET画像(および他の画像)に対する汚染寄与を全ての画素から 減ずることができる。FRETチャンネルについて、この修正はFRETチャン ネルにおけるドナーおよびアクセプタービード画素値を小さくする式(10)に 従って行われ、従ってこれらの値はゼロに近付く。FRETを行うビードからの 画素のみがこの修正後もこのチャンネル(赤)においてかなりの信号強度を維持 する。パネル5Dはこのオーバラップ修正後の擬似着色画像を示している。純粋 なドナーおよび純粋なアクセプタービードからの“赤色寄与”は除去される。こ のドナービードは今や紫でなく青を示し、アクセプタービードは緑を示す。 パネル5E−強調FRET:スペクトル・オーバラップを更に実証するため、 緑および青色チャンネルを、ブリード修正画像において止める。これによりFR ETが行われている“赤色”画素の識別が簡素化される。この方法は、簡単なタ ブ付きダイアログボックスを用い実時間で容易に行うことができ、この場合、こ の各タブはユーザーが特定のチャンネルを選択的に高コントラスト化することを 可能にする。パネル5Eに示すように、FRETに相当する赤色ビードのみが観 察される。 パネル5F−直交正規化:ドナー、アクセプター又はFRETエミッションを 含むサンプルにおける領域の識別を可能にするため、上記ソフトウエアによりユ ーザー規制基準に基づいて画像を擬似着色化することができる。パネル5dにお いてビードの3つの型(すなわち、ドナー、アクセプター又はFRET)のそれ ぞれを表す画素上にコンピュータマウスをクリックすることにより、ユーザーは カラー指定をリセットし、純粋な青に修正されたドナーからのエミッション、純 粋な緑に修正されたアクセプターからのエミッション、および赤に修正されたF RETからのエミッションを表示することができる(パネル5F)。 本発明の態様を示すこのコンピュータ履行は以下のように要約することができ る。 1.ドナー、アクセプターおよびFRETチャンネルについて最適化された3 つのエピ蛍光キューブを選択する。 2.キューブを1画素解像内に光学的に整合させる;もし、OCA装置を使用 する場合は、ランタイム(実行時間)ソフトウエア捕捉ループを3つのチャンネ ルの全てに見える蛍光ビードに適用して整合を行う。 3.上記3つのキューブを介して得た画像を組合せて1つのRGB画像にする 。 4.工程9にスキップするか、工程5−8を行う。 5.ドナー、アクセプターおよびFRET画素を表す画素を選択することによ り、上記RGB画像を直交正規化する。 6.候補の画素の選択が、生物学的形態又は標準にとって色描写が劣るもので あるときは、工程5を繰返す。 7.適宜、直交正規化テンプレートを後の画像への適用のために記憶させる。 8.直交正規化されたRGB画像において、R,G,Bのコントラストを向上 させる。終了。 9.バックグラウンドのため、RGB画像を修正する。 10.F°に関する式に従ってスペクトル・オーバラップのための修正を更に 行う。 11.修正されたRGB画像において、R,G,Bのコントラストを向上させ る。 12.適宜、工程5,6,7,8を行う。 本発明のこれら態様は、ハードウエア、ソフトウエア、あるいはこれらの組合 せで履行することができる。しかし、好ましくは、本発明のアルゴリズムおよび プロセスを、プログラム組込み可能なコンピュータを用い1又はそれ以上のコン ピュータプログラムで履行する。この場合、各コンピュータは、少なくとも1個 のプロセッサーと、少なくとも1個のデータ記憶システム(揮発性又は不揮発性 メモリーおよび/又は記憶素子を含む)と、少なくとも1個の入力装置と、少な くとも1個の出力装置とを具備してなる。プログラムコードが入力データに適用 されて本明細書に記載された機能が実行され、出力情報が発生する。この出力情 報は1又はそれ以上の出力装置に対し公知の方法で適用される。 各プログラムは、コンピュータシステムとの通信のための所望のコンピュータ 言語(マシン、アセンブリ、高レベル手続又はオブジェクト指向プログラミング 言語)により実装することができる。いずれの場合も、言語はコンパイル言語で もインタープリタ言語でもよい。 このようなコンピュータプログラムの夫々は、好ましくは、プログラム組込み 可能な汎用又は専用コンピュータにより読出し可能な記憶媒体又は装置(例えば 、ROM、CD−ROM、テープ、磁気ディスケット)に記憶させ、そこに記載 された手法を実行するためコンピュータにより記憶媒体又は装置を読取らせてコ ンピュータを構成させたり、操作させたりする。本発明のシステムは、コンピュ ータプログラムにより構成されたコンピュータ読取り可能な記憶媒体として履行 させることも考えられる。この場合、コンピュータが特定の予め決められた方式 で操作され、かつ、そこに記載された機能を実行するよう、この記憶媒体を構成 させることができる。 実施例: このマイクロFRETの性能は、2つの広く使用された蛍光タンパクタグの一 対を用いることにより、実施例で実証されている。シフトした励起および放射ス ペクトルを有する多くのGFP変異体が作られることから、細胞生物研究におけ るこの機器のより広い範囲の適用が可能である。GFP誘導体以外の他の蛍光分 子および蛍光団も、エピ蛍光キューブの適当なセットを単に選択することにより 、この機器により分析することができる。この場合、ドナー、アクセプターおよ びFRETキューブは励起および放射スペクトルに基づいて信号を分別するよう になっている。更に、このシステムは、有機染料又はランタニド金属のような非 タンパク発色団又はこれらの組合せの全てを用いて使用することもできる。 この特定の蛍光団対ビード結合技術は、アガロースビード、ヒス−タッギング (His−tagging)、ニッケル誘導体化、又は蛍光タンパクに頼らない 他の化学分野をも包含するよう拡張することができる。すなわち、これらビード はFRETペア(例えば、フルオレセインおよびローダミン)として作用すると 共に、蛍光団を溶液中に選択的に解放させる機能を維持する2つの有機分子を持 たせることができる。 従って、以下の実施例は、単に説明のためのもので、本発明の範囲を制限する ことを意図したものではない。 実施例1 (蛍光タンパクおよびビード) この実施例はFRET較正基準(標準)を作る手法のアウトラインを説明する ものである。これにはビードの3つの型の合成が含まれる。すなわち、純粋なド ナー、純粋なアクセプター、およびドナーおよびアクセプター分子の双方を担持 するFRETビードである。各ビードの型は一連のものとして合成され、ここで [D]、[A]およびEの値は変化する。これら一連のビードを作るため、Ni /NTA競合バインダー(スペーサーについて“S”)(ヒス−タグ(His-tagg ed)され,上記ドナーおよびアクセプターと同じ大きさ、形状を有する)が用い られる。GFP誘導体の場合、数個の非蛍光変異体が工作され、これは“無益” の蛍光表現型を表すが、それにも拘らず、発色団が不足した大量のタンパク質を 発現する(例えば、点変異R96M)。このようなヒス−タグ誘導体は、他のス ペクトル的に活性なGFP誘導体の中でも、Ni/NTAビードの表面上での良 好なスペーサとなる。このビードに、D,A,Sがシステム的に変化させたタン パク質溶液を担持させることができる。 以下に説明する手法によりGFP吸着ビード・標準が作られた。たんぱく質の 精製および後のNi−セファロースビードへの付着を容易にするため、BFP1 1,RSGFP4およびR96M変異体を工作して、これらのアミノ末端にHi s6タグを含めるようにした。組換え突然変異誘発を用いて作られたBFP11 は突然変異体F64M/Y66H(Lossauら、Chem.Physics.213:1-16,1996 )を含み、Heimら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:12501-12504,1994)の変 異体に似ている。これは野生型GFPに対し青シフトされた励起およびエミッシ ョン最大を有している(図2および下記表2)。Delagraveらにより組換え突然 変異誘発を用いて発生させた変異体RSGFP4(Bio/Technology,13:151-154 ,1995)は変異体F64M/S65G/Q69Lを含んデータ。このRSGFP 4はHeimらにより報告されたS65T変異体(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91: 12501-12504,1994)に類似するスペクトル特性を有する。FRETペア(対) におけるアクセプターとして、S65TおよびRSGFP4の双方は、RSGF P8(F64L+S65T)のような他の赤シフトされた励起変異体より優れて いる。なぜならば、後者の変異体は紫においてかなりの励起を示す。 これらたんぱく質が大腸菌菌株BL21(DE3)中に発現され、24時間成 育され、フレンチプレス内で破断され、Novagen HisBind精製カラムに適用し、 1Mイミダゾール内で溶出させ、透析を行った。最終たんぱく質濃度はブラッド フォードアッセイ(Bio−Rad)により判定した。SDS−PAGEゲルを 用い、透析された分画の純度および大きさを確認した(データは示されていない) 。蛍光励起および放射スペクトルは、フォトン・テクノロジーQM−1蛍光計上 に記録させた。 ハイトラップ金属キレート化セファロースビードは、製造メーカー(Pharmacia Biotech)の指示書に従ってビードを50mMのNiSO4で洗浄することにより 洗浄することにより充填した。このビードはついで50mMのトリス−HCl( pH=8.0)でよく洗浄し、錯合されなかったニッケルイオンの痕跡を除去 去した。ついで50mMのトリス−HCl緩衝液に、精製たんぱく質を約0.4 mg/mLの全タンパク濃度となるようにして溶し、溶液を作った。この希釈濃 度の液を用いて、溶液中にGFPダイマーが形成するのを回避した。この混合物 の1.5mLを50μLのビードスラリーに添加し、しばしば撹拌しながら氷上 で1時間、培養した。 過剰のたんぱく質は、ビードが十分に担持されるのを確実にする。非特異的に 結合されたたんぱく質(もし、あれば)を除去するため、懸濁液を、5mMイミ ダゾール、0.5M NaClおよび20mM トリス−HClを含む緩衝液で 2回洗浄し、続いて50mM トリス−HClで1回洗浄した。この洗浄の全て はビードを1,000×Gで30秒間、マイクロ遠心機中で遠心分離し、更に適 当な緩衝液中にペレットを再懸濁することにより行われた。このビードの平均粒 径は約34ミクロンであった。 図6は、水平黒色ラインで表されたキレート化ビードの表面を示している。こ の場合、GFPドナーおよびアクセプター(例えば、BFPおよびRSGFP) は青および緑の垂直線でそれぞれ示されている。可能な6種の異なる相互作用の 型がA−Fでラベルされている。この図において、近傍の分子のみが効率的FR ET距離内にあるものと考えられる。 最も著しく担持されたビードが光学密度が0.1未満となるようにして作られ た(飽和条件下で)。従って、光子媒介の自明なエネルギー転移又は再吸収は考 慮する必要はない。更に、ビードの寸法は十分に大きいため、表面共鳴効果を無 視することができる。 実施例2 (GFPラベル付きFRETビードに対する従来の蛍光測定) FRETビードからの蛍光放射が実際にFRETであることを確認するため、 並びに2つのGFP変異体のスペクトル特性がセファロースビードへの結合によ っても変化しないことを確認するため、ビードの各型のサンプルをたんぱく質を 解放させるイミダゾールで処理した。FRETビードについての蛍光放射スペク トルが図2および8に示されている。Bパネルの太い線は、370nmで励起さ れたFRETビード懸濁液の放射スペクトルを示している。また、Bパネルの細 い線は、イミダゾールでの処理によりRSGFP8およびBFP−11の双方が ビードから解放された後の同一のビードからの放射スペクトルを示している。ド ナーにおける放射の減少およびアクセプターにおける放射の増大はFRETを特 徴づけるものである。この効果はこの2つのたんぱく質がビードから解放された ときは逆転する。 一連の各ビードについて[D]および[A]を判定するため、イミダゾールで の処理により解放させた後の溶液中のドナーおよびアクセプターの濃度を最初に 測定した。これは最も好ましくは公知の標準でなく公知の吸光係数を用い、分光 学的に行うことができる。なぜならば、単純なたんぱく質分析ではD,Aおよび Sを区別することができないからである。Sの表面濃度は重要でない。なぜなら ば、それが単にスペーサーとして使用されていて、可視吸収又は蛍光についての スペクトル特性を有しないからである。イミダゾールの添加に原因する容積の増 大(一般に、5M溶液の1/4容量添加の後、1.25の係数を掛ける)につい ての修正を行ったのち、純粋なドナービード上のドナー分子の表面濃度が以下の ようにして求められる。 ここで、dは製造メーカーにより与えられたビードの直径、又はステージマイ クロメータおよび既知の倍率を用いて測定されたビードの直径である。mL当た りの粒子単位のビード濃度([B])は細胞分別機を用いて非常に正確に判定する ことができる。これは飽和蛍光団の条件下で、既に3つのビードスラリーについ て行われた。蛍光団の濃度の測定は、式(40)に類似する式を用い、純粋なア クセプターおよびFRETビードについて行うことができる。FRETビードの 場合、総ドナー濃度および総アクセプター濃度は解放処理後に判定することがで きる。 実施例3 (GFPラベル付きビードについてのデータ取得) 図3はラベル付きセファデックスビードの混合物について得たモノクローム画 像の1セットを示している。個々のビードが、(1)BFP−11のみ(ドナー ビード)、(2)RSGFP8のみ(アクセプタービード)又は(3)ドナーお よびアクセプターの2:1混合物(FRETビード)で塗布された。図3の右下 方には、ドナーの励起スペクトルに相当する光により励起されたときの、ドナー 放射チャンネル中での全てのビードにより放射された蛍光強度が示されている。 図3の左下方には、アクセプターの吸収スペクトルに相当する光により励起され たときの、アクセプターチャンネル中での同一のビードにより放射された蛍光強 度が示されている。図3の右上方には(FRETチャンネル)、ドナーの励起ス ペクトルに相当する光により励起されたときの、アクセプターチャンネル中で放 射された蛍光強度が示されている。これらのモノクローム画像からの結果は擬似 着色画像で一緒に表示され、ここで、ドナーチャンネルからの蛍光信号は青色が 指定され、アクセプターチャンネルからの蛍光信号は緑色が指定され、FRET チャンネルからの信号は赤色が指定される(図3の左上方)。この画像中、3つ のチャンネルのそれぞれにおける色強度は、最も高いグレー値を有する画素(こ の3つのチャンネルのいずれかからの画素)に比例させる(DEFAULTセッ ティング)。このFRETビードは、そのビードが3つのチャンネルの全てにお いて蛍光寄与しているため、金色に見える。純粋なドナービードは、そのビード がドナー(青)およびFRET(赤)チャンネルからの蛍光寄与を有するため、 紫(青−赤)に見える。純粋なアクセプタービードは、そのビードがアクセプタ ー(緑)およびFRET(赤)チャンネルからの蛍光寄与を有するため、僅かに 赤味を有するほぼ緑に見える。これらの画像から、ドナーおよびアクセプター放 射のFRETチャンネルへのかなりのブリード・スルーがあることは明らかであ る。 実施例4 (GFPラベル付きビードについての画像取得) 3つのエピ蛍光キューブのセットを用いて3つのモノクローム画像が得られ( 表1参照)、これにより蛍光ビードの3つの異なる型の混合体を画像化された (表2参照)。これらエピ蛍光キューブおよびビード型は、ドナー、アクセプタ ーおよびFRETとラベルし、これらキューブおよびビードがスペクトル的に合 致していることを強調した。このドナービードは、長波UVに最大励起を有し、 青の放射を有するGFP誘導体(BFP11)を担持している。アクセプタービ ードは、シアンで最大に励起され、緑の蛍光を有するRSGFP4を担持してい る。これらの励起および放射波長はドナーおよびアクセプターキューブに適合し ている。FRETビードは、この青および緑の双方のGFP誘導体を担持してお り、対応するFRETキューブは、エネルギー転移が発生した後、青色ドナーを 励起し、緑色アクセプターを画像化するよう最適化されている。ドナー、アクセ プターおよびFRETキューブを用いて得た画像は、それぞれD1、A1および F1画像として表されている。 ドナー、アクセプターおよびFRETビード間のスペクトルの混合は、図3の 空間的に位置合せしたモノクロームおよびRGB画像に見ることができる。D1 画像において、ドナービードは最も明るいが、ディマーFRETビードも観察す ることができる。A1画像において、アクセプタービードは最も明るいが、ディ マーFRETビードも観察することができる。F1画像において、FRETビー ドは最も明るいが、ディマードナービードも観察することができる。これは図2 に示す蛍光スペクトルおよび表2に示すパラメータと符合するものである。図3 の擬似着色の左上画像(RGB1)は、これらモノクローム画像のそれぞれの画 素値を、この画像の赤、緑および青成分のそれぞれについての強度(値)に符号 化した結果を示すものである。F1は赤色チャンネルにロードされ、A1は緑色 チャンネルにロードされ、D1は青色チャンネルにロードされている。スペクト ルの重複のため、種々のビード型がこのRGB画像でははっきり見えず、あるい は明確に画成されていない。 ドナーおよびアクセプターの放射スペクトルを注意深く観察すると、この2つ の蛍光団の分離が可能な波長は見当たらない。例えば、550nmでの非常に狭 い帯域放射フィルターの使用は、この2つの蛍光団の放射を分離することができ ないだけでなく、顕微鏡の集光能力の殆どを失わせることになる。この損失を補 償するためより高い強度の照射を使用することも、光漂白をもたらすことになる 。これと対照的に、本発明では広い帯域放射フィルターと比較的低い強度の励起 源を使用している。 実施例5 (バキュロウイルス感染Sf9細胞のカラーコード化画像) BFP11、RSGFP4、およびBFP11/RSGFP4融合たんぱく質 を発現するバキュロウイルス感染Sf9細胞を試験した(図7に示すように)。 FRETビードを用いたこのシステムの正しい較正後において、[D]値はRS GFP4感染細胞においてゼロに等しく、[A]値はBFP11感染細胞におい てゼロに等しいものであった。BFP11/RSGFP4融合たんぱく質感染細 胞におけるFRET効率は、たんぱく質分解の程度に左右されるが、溶液で測定 された単離融合たんぱく質についての効率と等しいか、あるいはそれよりも小さ いものであった。光漂白および光異性体化の程度は、先に同様のキューブ、光源 およびCCDカメラを用いて、マイクロFRETシステムについて測定したよう に5%未満であった。 実施例6 (ドナー光漂白の測定) 従来の顕微鏡を用いた増感放射による細胞の定常状態のFRET画像化は、空 間的整合を維持しつつスペクトル重複を修正できないという問題があった。現在 まで、修正値を発生させるのに使用されなければならなかった3つのエピ蛍光キ ューブ(ドナー、アクセプターおよびFRET)は、厳密には平行でない光学的 表面により作られてきた。この欠点が、画像組合せ後の像の幾何学的歪み(すな わち、画素のずれ)を生じさせた。マイクロFRET機器は正確な公差に加工さ れたエピ蛍光キューブを使用し、従って、空間的整合が全ての画像について維持 される。このような設計により、或る画素内における比較的小さな量のFRET を検知することが可能となる。なぜならば、その数学的修正が以前の場合よりも 著しく簡単になる(従って、より正確になる)からである。 これらの修正の有効性が、BFP11、RSGFP4又はこの2つの一定の混 合物(FRETを発生させることが知られている)で担持させたセファロースビ ードの画像を得ることにより実証された。これらのビードを較正基準として使用 することにより、スペクトル重複が修正され、ドナー放射、アクセプター放射お よびドナー増感アクセプター放射(FRET)を表示している画像内で特徴が識 別された。後に、直交正規化アルゴリズム(画素浄化)を適用することにより、 純粋なドナー、純粋なアクセプターおよびFRETビードがそれぞれ、青、緑お よび赤として擬似着色化された。 この増感放射技術を使用する他の関心事は、この励起光がドナーを光漂白し、 それによりFRET信号の見掛け強度が減少することである。しかし、本発明の 方法を用いることにより、この増感放射技術によるFRET信号の減少は高々5 %である。光漂白は主たる問題ではない。なぜならば、K7カメラの高感度によ って長い時間の露出を必要としなくなるからである。例えば、この実験での蛍光 信号のグレースケール強度は、カメラの動的範囲の約1/3(最大=65535 ビット)を使用した。 それにも拘らず、これらの露出条件下で、ドナー信号の5%未満が光漂白され た。露出時間は容易に10分の1に減少させることができるが、依然として信号 を検知することが可能である。 FRET測定の間のBFP−11の光漂白の最大限度は、励起光に対し30秒 間繰返して露光させたドナービードのサンプルからの蛍光放射の強度をモニター することにより判定された。平均グレースケール値は多数回の露光後の10個の ランダムに選択された画素について判定された。ついで、これらの値が最初の3 0秒間の露光後の同じビードについての値と比較された。励起光に対する繰返し 露光後の蛍光放射の測定強度は初 期レベルの95%を超えるものであった。 実施例7 (定量的FRET顕微鏡検査) この実施例の目的は、顕微鏡視野において、全ての画素についてドナー濃度、 アクセプター濃度、エネルギー転移効率およびドナー分子とアクセプター分子と の間の距離パラメータを判定することにより定量的FRET顕微鏡検査を行うこ とが可能であることを示すことである。 定量的画像化は、GFP誘導体の励起および放射スペクトルに適合させた3つ のキューブを備えたオリンパスAX70エピ蛍光顕微鏡を用いて行った(表3)。 これらのキューブは単一画素精度に空間的に位置合せさせた。各キューブで得ら れた画像は3つのチャンネルの入力を形成するもので、これらは後の画像処理の ために使用された。ここで、C1チャンネルはドナー放射を選択的に励起し、画 像化するようになっており、C2チャンネルはアクセプター放射を選択的に励起 し、画像化するようになっており、C3チャンネルはFRETを可視化するよう になっている。なぜならば、励起はドナー励起でのものであり、アクセプター放 射で画像化されるからである。 実施例8 (発色性染料の直交正規化) 色空間変形アルゴリズムは、非常に微妙な又は重複する色差を有する画像にお いて、画素のグループ又は特徴を急速に識別、顕著化するのに有用である。例え ば、図9は梗塞を含む心臓組織の染色薄片のヘマトキシリンおよびエオシン(H &E)スライドを示している。左側パネルは、H&E染色組織の450nm、5 50nmおよび650nmでの3つの別々のモノクローム画像を組合せることに より形成された真カラー画像を示している。右側パネルは、直交正規化後のこの 画像を示している。この特別の場合、直交正規化のための候補画素は、核、薄い 着色のエオシンおよび濃い着色のエオシンの領域から、それぞれR、GおよびB として取上げられた。得られた画像は親エオシン組織の2つの異なる型を示して いる。このようなエオシンによる染色の分化は非向上化画像においては見ること が困難である。エオシンにおける微妙な色の差は、組織内のコラーゲンの存在な ど種々の症状と相関するものと思われる。この向上した画像は各別々のR、Gお よびBカラーチャンネルのコントラスト向上により更に向上させることができる 。 実施例9 (タイムコース・イメージの修正) 洗練された画像の色空間座標を計算するために用いられる候補画素又は特徴は 、例えば事象の時系列を含む一連の空間的に位置合せされた画像から選択するこ とができる。この態様において、一連の画像は、“停止”、“開始”、“進む” および“時間遅延”パラメータを有するウインドウ内に表示される。この一連の 画像は非常に早いタイムコース(ビデオ速度;1フレーム当り数ミリ秒)に亘っ て得たとしても、プレイヤーにより最終ユーザーが可視化プロセスを十分に遅く して、色空間変形のためのベースとして候補画素を取上げることが可能である。 これらの特定の変形に対する係数を画像列中の全てのフレームに適用することが できる。すなわち、ユーザー希望形態の自己発見によりグラフィック・ユーザー ・インターフェースを利用して候補画素が好ましい選択であったか否かを評価す ることもできる。この方法は生きた細胞のレイショ−メトリック(ratio− metric)動的画像化において非常に重要であり、この場合、たんぱく質、 イオン、他の細胞成分の動きが蛍光発光およびFRETを介して報告される。候 補 画素が正しい選択であったか否かを判定する他の評価基準として、色を既知の標 準ターゲットへ分別するようにしてもよい。 既知の基準を含む画像を利用して未処理画像から処理画像へ変換する間に決定 された数学的係数を記憶させ、基準を含まない画像へ適用することもできる。基 準化テンプレートを呼び戻し、係数を用いて、照明、光学的濾過および記録につ いて同様の条件下で得た後の画像を修正することもできる。 本発明の多くの態様について説明したが、その他、本発明の趣旨を逸脱しない 範囲で種々の変形例も可能であろう。例えば、本発明の上記記載のものは、特定 のビードについてのGFP誘導体のFRET分析に限定されるものでなく、これ らの実験は、FRETを検知できる画像化分光光度計および方法の実行に応用で きることを実証するものである。従って、その他の態様も下記請求の範囲に含ま れるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),CA,JP (72)発明者 ビリナ,エドワード,ジェイ. アメリカ合衆国 95148 カリフォルニア 州,サンホセ,ボン ボン ドライブ 2629 (72)発明者 コールマン,ウィリアム,ジェイ. アメリカ合衆国 94043 カリフォルニア 州,マウンテン ビュー,ショアライン ブルーバード 750 エヌ.,アパートメ ント 10 (72)発明者 ディルワース,マイケル,アール. アメリカ合衆国 95062 カリフォルニア 州,サンタクラツ,32エヌディー ドライ ブ 220 (72)発明者 ヤン,マリー,エム. アメリカ合衆国 95136 カリフォルニア 州,サンホセ,コビントン コート 176 【要約の続き】 て実証されている。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.各々が3つの色空間座標を有する画素のセットで表された生物学的物質の初 期画像を、処理された画像に変形するための方法であって、その方法が以下の工 程を含むことを特徴とするもの: (a)初期画像において少なくとも2つの画像領域を選択する工程であって、 各画像領域が少なくとも1つの画素を含み、該画像領域が少なくとも2つの区別 可能なスペクトルカテゴリーを規定するものと; (b)選択された画像領域の夫々の画素の色空間座標に基づいて、該初期画像 に対し色空間変形を行い、処理された画像を発生させる工程と; (c)この処理された画像を、改良された色の空間分布の可視指標について評 価する工程と; を具備してなる方法。 2.上記色空間変形が直交正規化であり、選択された画素のグレー値が下記行列 を作るための使用され、 これが下記行列に変換される ことを特徴とする請求の範囲1記載の方法。 3.上記色空間変形が空間的重複修正である請求の範囲1記載の方法。 4.上記色空間変形が以下の式のスペクトル重複修正である請求の範囲1記載の 方法。 5.上記画像領域が光を吸収する物質を含む請求の範囲1記載の方法。 6.上記画像領域が蛍光物質を含む請求の範囲1記載の方法。 7.少なくとも1つの画像領域がFRETを表す物質を含む請求の範囲1記載の 方法。 8.該評価する工程が、既知の標準ターゲットに正しく分別する改良された色の 空間的分布に基づくものである請求の範囲1記載の方法。 9.該評価する工程が、生物学的構造に分別する改良された色の空間的分布に基 づくものである請求の範囲1記載の方法。 10.該画像変形方法が、初期画像の動的連続の使用を含むものである請求の範 囲1記載の方法。 11.該評価する工程が、共焦顕微鏡の使用を含むものである請求の範囲1記載 の方法。 12.該画像が、全て同時に修正された一連の画像内にある請求の範囲1記載の 方法。 13.該評価する工程が、較正ターゲットの1セットの使用を含むものである請 求の範囲1記載の方法。 14.該画像が、組織の染色された薄片のものである請求の範囲1記載の方法。 15.ドナーおよびアクセプター分子を担持すると共に、光学的機器を較正して FRET測定を行わせるのに使用される既知のFRET特性を備えたFRET標 準。 16.該FRET特性が効率Eである請求の範囲15記載のFRET標準。 17.該FRET標準が、アクセプター蛍光増感の測定強度を、下記式に従って 消光するドナーの相当量へ関連づけるものである請求の範囲15記載のFRET 標準。 18.該FRET特性が、ドナーおよびアクセプター分子の結合および解離によ り変調されるものである請求の範囲15記載のFRET標準。 19.該標準のFRET特性が、ドナーおよびアクセプター分子の結合および解 離を変調することにより判定されるものである請求の範囲15記載のFRET標 準。 20.該標準のFRET効率が、ドナーおよびアクセプター分子の結合および解 離を変調することにより判定されるものである請求の範囲15記載のFRET標 準。 21.FRET較正ターゲットのセットへのドナーおよびアクセプター分子の結 合が可逆的である請求の範囲15記載のFRET標準。 22.該ドナーおよびアクセプター分子が蛍光たんぱく質である請求の範囲15 記載のFRET標準。 23.該FRET標準が、顕微鏡ビードに結合された少なくとも1つの蛍光物質 を含む請求の範囲15記載のFRET標準。 24.各々が3つの色空間座標を有する画素のセットで表された初期FRET画 像を、処理されたFRET画像に変形するための方法であって、その方法が以下 の工程を含むことを特徴とするもの: (a)修正されたFRETチャンネル画像FCを得るため、下記変形式を適用 することによりスペルトル重複を修正することにより初期画像から修正されたF RET画像を発生させる工程と; (b)修正されたFRET画像において少なくとも2つの画像領域を選択する 工程であって、各画像領域が少なくとも1つの画素を含み、該画像領域が少なく とも2つの区別可能なスペクトルカテゴリーを規定するものと; (c)選択された画像領域の夫々の画素の色空間座標に基づいて、該修正画像 に対し色空間変形を行い、処理された画像を発生させる工程と; (d)この処理された画像を、改良された色の空間分布の可視指標について評 価する工程と; を具備してなる方法。 25.修正されたFRET画像を更に、アクセプター放射チャンネルを介しての ドナー蛍光の検知から生じるクロストークについて、およびドナー放射チャンネ ルを介してのアクセプター蛍光の検知から生じるクロストークについて修正する 工程を含む請求の範囲24記載の方法。 26.修正されたFRET画像を更に、アクセプターフィルターセットを使用す るドナーのみの試料からの信号であるAdの非ゼロ値、およびドナーフィルター セットを使用するアクセプターのみの試料からの信号であるDaの非ゼロ値につ いて修正する工程を含む請求の範囲24記載の方法。 27.修正されたFRETチャンネル画像FCを更に、ドナーの濃度について正 規化することにより修正する工程を含む請求の範囲24記載の方法。 28.修正されたFRETチャンネル画像FCを更に、1/Df(ここで、Df は生物学的物質中にドナーおよびアクセプターの双方が存在するときドナーフィ ルターセットを介して発生する信号である)の修正を適用することによりドナー の濃度がほぼ正規化されるように修正する工程を含む請求の範囲24記載の方法 。 29.修正されたFRETチャンネル画像FCを更に、アクセプターの濃度につ いて正規化することにより修正する工程を含む請求の範囲24記載の方法。 30.修正されたFRETチャンネル画像FCを更に、1/Af(ここで、Af は生物学的物質中にドナーおよびアクセプターの双方が存在するときアクセプタ ーフィルターセットを介して発生する信号である)の修正を適用することにより アクセプターの濃度がほぼ正規化されるように修正する工程を含む請求の範囲2 4記載の方法。 31.修正されたFRETチャンネル画像FCを更に、ドナーおよびアクセプタ ーの双方の濃度について正規化することにより修正する工程を含む請求の範囲2 4記載の方法。 32.修正されたFRETチャンネル画像FCを更に、1/(Df×Af)(こ こで、Dfはドナーおよびアクセプターの双方が存在するときドナーフィルター セットを介して発生する信号であり、Afはドナーおよびアクセプターの双方が 存在するときアクセプターフィルターセットを介して発生する信号である)の修 正を適用することによりドナーおよびアクセプターの双方の濃度がほぼ正規化さ れるように修正する工程を含む請求の範囲24記載の方法。 33.修正されたFRET画像を更に、アクセプター放射チャンネルを介しての ドナー蛍光の検知から生じるクロストークについて、およびドナー放射チャンネ ルを介してのアクセプター蛍光の検知から生じるクロストークについて修正する ことにより、およびドナーおよびアクセプターの双方の濃度を正規化することに より修正する工程を含む請求の範囲24記載の方法。 34.初期FRET画像が約5%未満の光漂白を有する請求の範囲24記載の方 法。 35.FRETを測定するための光学機器であって、ドナー分子およびアクセプ ター分子を有するFRET標準で較正され、アクセプター分子蛍光増感の測定強 度を、消光するドナー分子の相当量へ関連づけるようにした光学機器。 36.既知のFRET特性を有するドナー分子およびアクセプター分子を担持す るFRET標準を使用して、光学機器を較正し、FRET測定を行えるようにし た請求の範囲35記載の光学機器。 37.該FRET測定を、FRET効率Eが生じるよう処理できるようにした請 求の範囲35記載の光学機器。 38.該FRET測定を、ドナー分子およびアクセプター分子を分離する距離r が生じるよう更に処理できるようにした請求の範囲35記載の光学機器。 39.エピ蛍光キューブ内のフィルターを、ウエッジ・パラレリズムが15アー ク秒以下で、ウエーブ平面度が10以下の光学表面に基づいて、選択した請求の 範囲35記載の光学機器。 40.各々が3つの色空間座標を有する画素のセットで表された生物学的物質の 初期画像を、処理された画像に変形するための、コンピュータ読取り可能な媒体 に依存するコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムが、以 下の工程をコンピュータに行わせることを特徴とするもの: (a)初期画像において少なくとも2つの画像領域を選択する工程であって、 各画像領域が少なくとも1つの画素を含み、該画像領域が少なくとも2つの区別 可能なスペクトルカテゴリーを規定するもの; (b)選択された画像領域の夫々の画素の色空間座標に基づいて、該初期画像 に対し色空間変形を行い、処理された画像を発生させる工程;および (c)この処理された画像を、改良された色の空間分布の可視指標について評 価する工程。 41.各々が3つの色空間座標を有する画素のセットで表された初期FRET画 像を、処理されたFRET画像に変形するための、コンピュータ読取り可能な媒 体に依存するコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムが、 以下の工程をコンピュータに行わせることを特徴とするもの: (a)修正されたFRETチャンネル画像FCを得るため、下記変形式を適用 することによりスペルトル重複を修正することにより初期画像から修正されたF RET画像を発生させる工程; (b)修正されたFRET画像において少なくとも2つの画像領域を選択する 工程であって、各画像領域が少なくとも1つの画素を含み、該画像領域が少なく とも2つの区別可能なスペクトルカテゴリーを規定するものと; (c)選択された画像領域の夫々の画素の色空間座標に基づいて、該修正画像 に対し色空間変形を行い、処理された画像を発生させる工程;および (d)この処理された画像を、改良された色の空間分布の可視指標について評 価する工程。
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