JP3419289B2 - 電縫鋼管の製造方法 - Google Patents

電縫鋼管の製造方法

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、大径厚肉の電縫鋼
製造方法に関し、更に詳しくは、耐溶融亜鉛めっき
割れ性に優れる電縫鋼管製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】送電用鉄塔に使用される鋼管のうち、大
型鉄塔用の大径厚肉鋼管にはUOE鋼管が使用されてい
る。また、その防錆手段としては、鋼管サイズに関係な
く溶融亜鉛めっきが用いられている。溶融亜鉛めっき
は、周知の通り、約450℃の溶融亜鉛中に対象物を浸
漬してめっきを行う方法であり、鉄塔用鋼管の場合は、
フランジを始めとする各種の取り付け部材を鋼管に溶接
した後の溶接鋼構造物に対して、この溶融亜鉛めっきが
実施される。 【0003】溶接鋼構造物に対する溶融亜鉛めっきで
は、主として溶接熱影響部(以下HAZ部と称す)に粒
界割れが発生することがあり、鉄塔用鋼管の場合は取り
付け部材の溶接に伴うHAZ部での割れが問題にされて
いる。この溶融亜鉛めっき割れは、粗粒化したHAZ部
粒界への液体亜鉛の侵入と、溶接部の残留応力や浴浸漬
時に発生する熱応力とが重畳して生じ、一般に高強度材
ほど多く発生する傾向を示し、HAZ部の硬さが260
−270Hvを超えると極めて割れ感受性が高くなる。 【0004】溶接鋼構造物の溶融亜鉛めっき割れについ
ては、その因子である応力と材料については広く研究さ
れ、その防止法として、溶接部の残留応力の低減や、熱
応力の少ない浴浸漬法、構造物の形状などが研究開発さ
れている。また、材料面からも、合金元素量を規定して
耐溶融亜鉛めっき割れ性を高めた鋼材などが提案されて
いる(特公平2−5814号公報)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、鉄塔用の大
径厚肉鋼管については、これまでUOE鋼管が使用され
てきたが、最近になって、UOE鋼管よりも製管コスト
の安い電縫鋼管への転換が一部で進められいる。出願人
は比較的早くこの転換に着手し、それ以来種々研究を続
けているが、その過程で鉄塔用の大径厚肉電縫鋼管には
次のような問題のあることが判明した。 【0006】鉄塔用の大径厚肉電縫鋼管も通常の電縫鋼
管と同様に、熱延鋼帯を素材として造管成形−電縫溶接
−溶接ビード除去加工−溶接部熱処理−サイザーによる
縮管加工の各工程により製造されるが、サイズは通常の
電縫鋼管よりも大径厚肉であり、製造された電縫鋼管に
対しては、種々の取り付け部材の溶接が行われた後、防
錆のための溶融亜鉛めっきが実施される。 【0007】ところが、鉄塔用の大径厚肉電縫鋼管は、
電縫HAZ部を含む電縫溶接部近傍が熱処理により軟化
されているにもかかわらず、溶融亜鉛めっきを行った場
合には、鋼管本体の電縫溶接部近傍にめっき割れを生じ
る危険のあることが判明した。同じ溶接鋼管でもUOE
鋼管の場合は、取り付け部材の溶接に伴うHAZ部に割
れが生じることはあっても、シーム溶接部近傍を含む鋼
管本体の側にめっき割れが生じることはない。また、同
じ鉄塔用電縫鋼管でも、本来の電縫製管サイズである小
中径管の場合は、このめっき割れは問題になっていな
い。 【0008】これらのことから、電縫溶接部近傍に生じ
る溶融亜鉛めっき割れは、大型鉄塔等に使用されるよう
な大径厚肉電縫鋼管に特有の現象と判断される。 【0009】そして、従来考えられているめっき割れ対
策は、取り付け部材の溶接に伴うHAZ部の割れに対し
ては有効であっても、大径厚肉電縫鋼管に特有の電縫溶
接部近傍に生じる溶融亜鉛めっき割れに対しては効力を
有しない。 【0010】本発明の目的は、大径厚肉電縫鋼管に特有
の電縫溶接部近傍の溶融亜鉛めっき割れに対して優れた
耐性を示す、耐溶融亜鉛めっき割れ性に優れる電縫鋼管
製造方法を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは大径厚肉電縫鋼管に特有の電縫溶接部
近傍の溶融亜鉛めっき割れの現象、原因、更には対策に
ついて、調査研究を行った。その結果、以下の知見が得
られた。 【0012】電縫鋼管は、熱延鋼帯を素材として造管成
形−電縫溶接−溶接ビード除去加工−溶接部熱処理−サ
イザーによる縮管加工の各工程により製造される。この
ような電縫鋼管の製造では、電縫溶接でアプセットが行
われるため、図1(a)に示すように、電縫溶接部近傍
が鋼管1の主に外面側に膨らんで溶接ビード2を生じ、
この溶接ビード2は電縫溶接に続く工程でバイト等によ
り切削除去される。ところが、電縫製管ラインを進行す
る鋼管は不可避的に蛇行等を生じている。その結果、実
際の製管では、図1(b)に示すように、溶接ビード2
の削り残しに起因する段差部3が、鋼管長手方向に間欠
的に生じる。 【0013】段差部3が残った鋼管は、最終的にサイザ
ーによる縮管成形加工を受けるが、このとき段差部3の
高さhが大きいと(大きいといっても通常0.5mm以
下、0.2〜0.3mm程度であるが)、図1(b)
(c)に示すように、段差部3による凸部が加工時に冷
間で強く圧下され、段差部3の下部からその下方にかけ
てのハッチング部分4′に応力が集中することから、こ
のハッチング部分4′が加工硬化を起こし、この加工硬
化部4の溶融亜鉛めっき割れ感受性が高くなる。実際、
大径厚肉電縫鋼管に特有の電縫溶接部近傍の溶融亜鉛め
っき割れは、溶接ビード2の両側部分に対応する部分
に、位置的に対応して発生する現象であることが確認さ
れている。 【0014】そして、この割れが電縫鋼管のなかでも大
径厚肉管に特徴的に発生するのは、その鋼管が本来はU
OE製管で製造されるような大径厚肉(外径457mm
以上、肉厚12mm以上)であり、且つ高強度(引張強
度50kgf/mm2 以上)であるため、サイザー成形
時に受ける圧下力が大きいこと、電縫溶接時のアプセッ
ト量が大きく、溶接ビード2及び段差部3の高さが本質
的に大きいこと、電縫鋼管の外径が大きくなるに従って
その蛇行が顕著になり、段差部3の高さが増加する傾向
のあること、こられのために加工硬化が顕著となること
などが原因と考えられる。一方、従来の鉄塔用大径厚肉
鋼管であるUOE鋼管に溶融亜鉛めっき割れが生じない
のは、この種の鋼管がサイザーによる縮管成形加工を受
けないことによる。 【0015】電縫鋼管の引張強度は通常、素材鋼中のC
量により確保され、そのC量が0.12%以上で電縫溶
接部近傍の溶融亜鉛めっき割れが顕著になるが、C量が
0.12%未満の場合でも合金元素の添加により高強
度、特に引張強さ60kgf/mm2 以上が確保されて
いる場合は同様に電縫溶接部近傍の溶融亜鉛めっき割れ
性が高まる。 【0016】サイザー成形での冷間加工による硬化現象
は、溶接鋼構造物として問題になる取り付け部材のHA
Z部の硬化現象や、溶接部熱処理を受ける前の電縫HA
Z部の硬化現象とは全く異なるメカニズムのものである
が、溶融亜鉛めっき割れに及ぼす硬さの定量的な影響に
限って言えば、これらのHAZ部の硬化現象と同様の結
果となり、その硬さが260−270Hvを超えると溶
融亜鉛めっき割れ感受性が顕著に高くなる。 【0017】このように、大径厚肉電縫鋼管において
は、サイザーでの段差部の圧下が加工硬化を招き、引い
ては溶融亜鉛めっき割れ感受性を高めるので、サイザー
成形に先立って段差部が除去されたものは、耐溶融亜鉛
めっき割れ性に優れるものとなる。また、段差部が除去
されずにサイザー成形を受けたものであっても、サイザ
ー成形で生じた加工硬化部が除去されたものは、耐溶融
亜鉛めっき割れ性に優れるものとなる。更に、製管工程
における対策としては、サイザー成形に先立って段差部
を除去すること、及びサイザー成形の後にそのサイザー
成形で生じた加工硬化部を除去することが有効となる。 【0018】本発明は上記知見を基礎として完成された
ものであり、以下の電縫鋼管製造方法を要旨とする。 【0019】鋼中C量が重量比で0.12%未満である
熱延鋼帯を素材として造管成形−電縫溶接−溶接ビード
除去−溶接部熱処理−サイザーによる縮管加工の各工程
により大径厚肉の電縫鋼管を製造する方法において、サ
イザーによる縮管加工を行った後の段階で、少なくとも
電縫溶接ビード除去加工部近傍の表面を0.1mm以上
の深さに切削又は研削し、その後に溶融亜鉛めっきを行
ことを特徴とする電縫鋼管の製造方法。 【0020】本発明は大径厚肉の電縫鋼管を対象とする
が、より具体的には、溶融亜鉛めっき割れが問題化する
外径457mm以上、肉厚12mm以上の大径厚肉電縫
鋼管に対して有効であり、外径500mm以上、肉厚1
4mm以上の大径厚肉電縫鋼管に特に有効である。ま
た、母材強度の面から言えば引張強度が60kgf/m
2 以上の高強度電縫鋼管に特に有効である。 【0021】 【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を説明す
る。 【0022】電縫製管ラインにおいて、鋼中C量が0.
12%未満である厚肉広幅の熱延鋼帯を所定の幅に切断
した後、連続的に円管状に成形しつつ、突き合わせエッ
ジ部を電縫溶接して大径厚肉の鋼管となす。このとき電
縫溶接部の近傍に溶接ビードが発生する〔図1(a)参
照〕。 【0023】電縫溶接を終えた鋼管を引き続きビード除
去装置に送り、ここで溶接ビードをバイト等により切削
除去する。このとき、鋼管の蛇行等に起因して、溶接ビ
ードの削り残しが発生し、これによる段差部が、ビード
除去加工部の近傍、具体的には溶接ビードの両側部分に
対応する部分に、鋼管長手方向に間欠的に生じる〔図1
(b)参照〕。 【0024】ビード除去加工を受けた鋼管は、溶接部熱
処理及びサイザーによる縮管成形加工を経て大径厚肉の
電縫鋼管とされるが、ビード除去加工後の鋼管をそのま
まサイザーに送ったのでは、サイザー成形で段差部が圧
下され、これに起因する加工硬化部が溶融亜鉛めっき割
れ感受性を高める原因となる。 【0025】そこで、本発明ではサイザー成形後に段
差部の圧下によって生じた冷間加工硬化部を除去する
この硬化部除去は機械的に行う。 【0026】機械的方法としては、バイトによる表面切
削やベルダ(グラインダ)による表面研削がある。この
表面切削又は研削は、全表面に対して行う必要はなく、
少なくとも加工硬化部に対して行えばよい。また、段差
部がサイザー成形されて、めっき割れ上問題となる加工
硬化(260Hv以上)を生じる範囲は、表面からの肉
厚方向の深さdでほぼ0.1mmであることが確かめら
れているので、表面の削り代は0.1mm以上を必要と
する。しかし、過度の削り込みは鋼管の肉厚減少及び効
果の飽和を招く。また、後述するように、深層の硬化部
はめっき割れの原因にならない。望ましい削り代は0.
15〜0.3mmである。 【0027】このような硬化部除去加工をサイザー成形
後に行うことにより、大径厚肉の電縫鋼管での溶融亜鉛
めっき割れの原因となる加工硬化部が除去され、その割
れ感受性が低下する。この加工のプロセスを含む電縫鋼
管製造方法が本発明製造方法である。 【0028】そして、このような硬化部除去を鋼管の全
長に実施し、電縫溶接ビードの両側部分に対応する部分
のミクロ硬度を、少なくとも外表面から肉厚方向に0.
2mmの範囲において、当該鋼管の実質全長にわたり2
60Hv以下とすることにより、電縫溶接部近傍の耐溶
融亜鉛めっき割れは完全なものとなる。 【0029】ミクロ硬度が260Hvを超える部分が存
在すると、この部分が溶融亜鉛めっき割れの起点となる
可能性がある。また、耐溶融亜鉛めっき割れ性の指標と
なる浴中伸び(図2にて定義)がこの部分で2%以下と
なる。望ましいミクロ硬度は250Hv以下である。な
お、この硬度はビッカース硬度計を用いて、荷重100
〜500g程度で測定した値である。 【0030】鋼管全体の平均硬さは強度レベルにもよる
が、55キロ級で200〜220Hv、60キロ級でせ
いぜい230Hv程度までであり、電縫HAZ部の硬さ
も軟化熱処理を受けることによりこの程度の硬さに管理
されている。従来の大径厚肉電縫鋼管では、溶接部近傍
に軟化熱処理が施されているにもかかわらず、溶接ビー
ドの両側部分に対応する部分に、ビード部の削り残しに
伴う段差部に起因する260Hv超の局部的な加工硬化
部が形成され、これが溶融亜鉛めっき割れの原因となっ
ていた。 【0031】また、大径厚肉の電縫鋼管における溶融亜
鉛めっき割れの発生は、鋼管の外表面に限定される。そ
れは外表面側において、電縫鋼管の残留応力並びに溶融
亜鉛めっき時の熱応力が引張応力となり、割れの発生と
伝播を加速するからである。また、この割れは、溶融亜
鉛が鋼管表面から粒界へ侵入することによって引き起こ
されることにもよる。 【0032】これらのことから、溶融亜鉛に触れる外表
面を除けば、その影響が及ぶのは肉厚方向の深さでせい
ぜい0.2mmまでであり、外表面からの肉厚方向の深
さが0.2mmの範囲でミクロ硬さが260Hv以下で
あれば、耐溶融亜鉛めっき割れ性の観点からは十分であ
る。言い換えれば、外表面から0.2mmを超える内表
面側で260Hvを超える硬さとなっても、耐溶融亜鉛
めっき割れ性は損なわれない。従って、ミクロ硬さを2
60Hv以下に規定する範囲は、少なくとも外表面から
肉厚方向に0.2mmの範囲とした。 【0033】 【実施例】次に本発明の実施例を示し、比較例と対比す
ることにより、本発明の効果を明らかにする。 【0034】表1に示す組成の熱延鋼帯を素材とし、造
管成形−電縫溶接−溶接ビード除去−溶接部熱処理−サ
イザーによる縮管の各工程により、表2に示す仕様の大
径厚肉電縫鋼管を製造した。素材鋼はいずれも鋼中C量
が0.12%未満であり、且つ引張強度が60kgf/
mm2 以上である。 【0035】このとき、溶接ビード切削用のビード位置
を単位長さずつ段階的に変化させ、意図的に削り残し部
分を発生させることにより、種々の高さの段差部を形成
し、単位長での段差部の最大高さを段差高さとした
イザー成形後の鋼管を単位長ずつ切断してグループ分け
した。 【0036】あるグループは切断まま溶接部付近から瓦
状の試片を切り出し、溶接部近傍の外表面に圧下がかか
らないように展開してから、外表面をそのまま残して、
図3に示す引張試験片を採取した。そして、引張試験片
において外表面の最高ミクロ硬度を測定すると共に、試
験片を蒸留亜鉛浴中引張試験に供して、図3に定義され
る浴中伸びを調査し、これが2%以上あるものを耐溶融
亜鉛めっき割れ性が良好とした。 【0037】別のグループについては、サイザー成形
後、ベルダにより溶接部両側の外表面をそれぞれ約20
mmの幅で管長方向に全長研削することにより、サイザ
ー成形で段差部が圧下されて形成された加工硬化部を機
械的に除去し、同様の調査を行った。 【0038】ちなみに、溶接ビード幅w(図1参照)
は、鋼Aで平均6mm、鋼Bで平均8mmであった。 【0039】調査結果を表3に示す。なお、鋼管仕様を
示す表2において、YS,TS,Hv(5kg)は、鋼
管に形成した後の母材部で試験した値である。また、H
v(5kg)は、荷重5kgにて測定した値であり、外
表面の冷間加工による硬化は、この荷重5kgでは測定
されない。 【0040】 【表1】 【0041】 【表2】【0042】 【表3】 【0043】試番1,2,21,22はサイザー前の段
差が0.1mmを超え、且つ、この段差を放置したもの
である。結果として、サイザー後の表面硬度が260H
vを超え、耐溶融亜鉛めっき性は不芳(浴中伸びが2%
未満)となった。 【0044】試番6,26は、試番1,2,21,22
と同様、サイザー前の段差が0.1mmを超え、且つ、
この段差を放置したものである。サイザー後の表面硬度
は260Hvを超え、耐溶融亜鉛めっき性は不芳となっ
た。 【0045】試番7,27はサイザー前の段差が0.1
mmを超えたので、サイザー後に表面をベルダ研削した
が、研削量が0.1mmに達しなかったものである。段
差による表面硬化層が十分に除去されず、結果として表
面硬度が260Hvを超える部分が残り、耐溶融亜鉛め
っき性は不芳となった。 【0046】試番8〜10,28〜30はサイザー前の
段差が0.1mmを超えるも、サイザー後に表面を0.
1mm以上研削したものである。段差による表面硬化層
が除去され、サイザー後の表面硬度は260Hvを超え
ず、耐溶融亜鉛めっき性は良好となった。 【0047】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電縫鋼管製造方法は、大型鉄塔等に使用されるよう
な大径厚肉電縫鋼管の溶接部近傍に特徴的に生じる溶融
亜鉛めっき割れを防止することができる。その結果、大
型鉄塔を始めとする各種建造物に安価な大径厚肉電縫鋼
管を適用できるようになり、各種建造物の建造コスト低
減が可能になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】溶融亜鉛めっき割れの原因となる段差部及びこ
れに起因する硬化部の発生メカニズムを示す概念図であ
る。 【図2】耐溶融亜鉛めっき割れ性の指標となる浴中伸び
の説明図である。 【図3】浴中伸びを調査するための試験片の寸法図であ
る。 【符号の説明】 1 鋼管 2 溶接ビード 3 段差部 4 硬化部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−209711(JP,A) 特開 平8−144008(JP,A) 特開 平6−136481(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 37/30 B23K 31/00 C23C 2/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】【請求項1】 鋼中C量が重量比で0.12%未満であ
    る熱延鋼帯を素材として造管成形−電縫溶接−溶接ビー
    ド除去加工−溶接部熱処理−サイザーによる縮管加工の
    各工程により大径厚肉の電縫鋼管を製造する方法におい
    て、サイザーによる縮管加工を行った後の段階で、少な
    くとも電縫溶接ビード除去加工部近傍の表面を0.1m
    m以上の深さに切削又は研削し、その後に溶融亜鉛めっ
    きを行うことを特徴とする電縫鋼管の製造方法。
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