JP3419201B2 - 移動体搭載端末装置並びに移動体 - Google Patents

移動体搭載端末装置並びに移動体

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JP3419201B2
JP3419201B2 JP13487996A JP13487996A JP3419201B2 JP 3419201 B2 JP3419201 B2 JP 3419201B2 JP 13487996 A JP13487996 A JP 13487996A JP 13487996 A JP13487996 A JP 13487996A JP 3419201 B2 JP3419201 B2 JP 3419201B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等の移動体運
行管理システム並びに運行管理端末に関する。なお、以
下本明細書では車両について説明を行うが、船舶・航空
機等の各種移動体に適用可能なことはいうまでもなく、
人が携帯して移動する端末装置等のようなものであって
も本発明は適用可能である。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等の効率的な運行を達成
するために、あるいは車両の乗務員の労務管理のため
に、移動体の運行管理を行っていた。以下、車両を例に
して説明する。従来の車両運行管理方法としては、運行
の内容を日報に記録するなどの方法が取られていた。例
えば、乗客を車両に乗せるような場合、運転手は乗客を
乗せた区間を、その料金等とともに日報に記入し、事務
所帰着後に日報として提出するといった方法がとられて
いた。また荷物の集配などの場合には、運転手(乗務
員)が配送先などに到達するごとに、到着した配送先、
到着時刻等を日報に記入していた。
【0003】また、車両の移動距離を後で確認できるよ
うに車両にタコグラフが取り付けられており、車両が事
務所に帰着した後に日報の作業内容から求めることがで
きる車両の移動距離とタコグラフの記録との突き合わせ
を行い、日報の記載内容が正しいかどうかの検証が行わ
れていた。更に他の方法として、車両毎に車載端末装置
を取り付け、これを用いて車両の運行状況を入力すると
いう方法が取られていた。
【0004】図33は、従来の運行管理を行うための車
載端末装置を示す図面である。図33に示されるよう
に、従来の車載端末装置には情報を入力するための各種
キーが設けられている。各キーには、それぞれの作業内
容に対応した機能が割り当てられており、キーを押下す
ることで作業内容を入力することができる。作業内容と
しては、始業、終業、出発、荷物の積卸し、休憩、待
機、一般道路走行、高速道路(有料道路)走行、車両の
点検、洗車などがある。また、例えば有料道路を通行す
る場合には、どれだけの通行料金がかかったのかを記録
する必要があるので、通行料金を入力するために、車載
端末装置にはテンキーが備えられている。
【0005】このような車載端末装置を用いて情報の入
力を行う場合には、運転手は行った作業に対応する車載
端末装置のキーを操作して、その時点での作業内容を入
力する。例えば、事務所から配送業務に出発する場合に
は、運転手は「出発」のキーを押下する。また、荷物の
配送先で荷物の積卸しを行う場合には、運転手は「積卸
し」のキーを押下する。このように、作業が発生する度
に運転手によって車載端末装置が操作され、作業内容を
示す情報が入力されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、日報に作業内
容・時刻を記入する方法でも、車載端末装置を用いて作
業内容をキー入力する方法でも、その作業が煩雑となる
ために、作業者が日報への記入や車載端末装置への入力
を面倒がって入力しなかったり、記入・入力自体を忘れ
てしまう可能性が非常に高く、この可能性を排除するこ
とが非常に難しい。
【0007】また、作業が発生する度に日報への記入・
車載端末装置のキー操作を必要とするため、特に記入・
キー操作作業を行う者が運転手を兼ねている場合には、
運行記録を取るために運転以外の操作を行う必要があ
り、作業が煩雑となってしまい作業者に余計な負担を強
いることとなる。更に、特に労務管理上問題となる点と
して、作業者が虚偽の作業内容を記入・キー入力してし
まう可能性がある。日報に作業内容を記入する場合を例
にとると、日報の記載内容が正しいかどうかを検証する
方法は基本的には存在しない。タコグラフの記録と日報
の記載内容との併用により、車両の移動距離と日報との
対応関係を確認することはある程度は可能であるが、こ
れは完全な方法ではない。タコグラフの記録からは車両
の移動方向を読み取ることができず、車両の移動経路を
確認することは不可能であるため、日報に記録された経
路を車両が通ったかどうかを後に確認することができな
い。
【0008】そして、車載端末装置から作業内容をキー
入力する場合であっても、本来キー操作を行うべき場合
に作業者が入力をしない、あるいはキー操作をすべきで
はない場合に作業者が虚偽のキー操作を行う可能性があ
り、車載端末装置から入力された情報に基づいた就業情
報の正確な収集はできないという問題がある。
【0009】本発明は、作業者の負担を低減して、より
簡単な方法で、より確実に、より正確な移動体の運行状
況を記録可能な移動体搭載端末装置及び移動体を実現す
ることを目的とする。
【0010】更に、本発明は、車両の状態や作業内容を
自動的に判別するとともに、その結果を自動的に記録す
ることによって、人手による情報入力の手間を省き、入
力忘れやミスを防ぐとともに、不正な作業内容の入力を
防止することを目的とする。
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、移動体に搭載
される移動体搭載端末装置において、移動体に取り付け
られ、取り付けられた場所の状態に応じた信号を出力す
る一乃至複数のセンサが接続される入力部と、前記セン
サの出力信号の状態と搭乗者の作業内容とを対応付けて
記憶する記憶部と、前記センサからの出力信号に基づい
て前記記憶部を参照し、前記記憶部に記憶された内容に
基づいて搭乗者の作業内容を判別する判別部とを備える
ことを特徴とする。
【0013】また、前記移動体搭載端末装置は、移動体
の現在位置を判別する位置判別手段を更に備え、前記判
別部により判別された搭乗者の作業内容を、前記位置判
別手段により判別された現在位置情報とともに記憶する
ことを特徴とする。
【0014】また、前記移動体搭載端末装置は、前記判
別部が、前記センサ出力信号に基づいて移動体の状態を
一義的に判別することができないと判断した場合、搭乗
者に対し、その時点で作業内容の入力を促すメッセージ
を出力する出力部を有することを特徴とする。
【0015】また、移動体において、操作者の操作状態
に応じた信号を出力する一乃至複数のセンサと、前記セ
ンサの出力信号の状態と、操作者の作業内容とを対応付
けて記憶する記憶部と、前記センサからの出力信号に基
づいて前記記憶部を参照し、前記記憶部に記憶された内
容に基づいて操作者の作業内容を判別する判別部とを備
えることを特徴とする。
【0016】また、前記移動体において、当該移動体の
現在位置を判別する現在位置判別部と、前記判別部によ
り判別された操作者の作業内容情報と、前記現在位置判
別部により判別された当該移動体の現在位置情報とを対
応付けて記憶する第二の記憶部とを備えることを特徴と
する。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【実施の形態】図1は、本発明の一実施例による車載端
末装置の構成を示すブロック図である。本実施例による
車載端末装置は、例えば運送業者の事務所に属する各車
両毎に搭載されるものであり、この車載端末装置によっ
て車両の運行管理等を行う。
【0027】図1において、10は車載端末装置を示
す。また、11は入力部であり、運転手毎に与えられた
識別記号や、車両毎に与えられた識別記号等が入力され
るものである。12は記憶部であり、車両(あるいは車
両端末装置)毎に固有に与えられる識別記号を記憶する
ものである。13は照合部であり、記憶部に記憶されて
いる車両識別記号と、入力手段より入力された車両識別
記号とを照合するものである。14は制御部であり、照
合部による照合の結果に応じて、車両のエンジンの始動
・停止等の制御を行うものである。このエンジンの始動
・停止の制御の詳細については、後述する。また、制御
部は車載端末装置自体の動作も制御するものである。
【0028】図2は、車載端末装置のその他の例を示す
ものである。車載端末装置20において、21は入力部
である。入力部は図1のものと同様に各種の識別記号等
が入力されるとともに、その他の車両運行情報等が入力
される。入力部としては、例えばキーボード、ICカー
ドリーダ、無線などの通信制御部等の、よく知られた入
力手段を使用することができる。
【0029】22は記憶部であり、その内部は更に第一
の領域221、第二の領域222の複数の領域に分割さ
れている。第一の領域221には車両固有の識別情報
(ID)が記憶されている。また第二の領域222に
は、入力手段より入力された車両ID情報並びに運転手
ID情報が一時的に記憶される。照合部23は、記憶部
の第一の領域221に記憶されている車両ID情報と、
記憶部の第二の領域222に記憶されている車両ID情
報とを比較・照合し、その照合結果を出力する。
【0030】制御部24は、照合部による車両ID情報
照合の判定結果に基づいて、車両のエンジンの始動・停
止を制御するものである。また、制御部は車載端末装置
の動作も制御するものである。図3は、車載端末装置の
その他の構成の例を示す図面である。車載端末装置30
において、31は入力部である。入力部には、車両各部
に取り付けられたセンサの出力信号32が入力してい
る。各センサは、それぞれセンサが取り付けられた位置
の状態を判別して、その結果に応じて信号を出力するも
のである。
【0031】33は記憶部であり、それぞれ331は第
一の記憶部、332は第二の記憶部である。第一の記憶
部331は、各センサの出力信号の状態とそれに対応す
る車両の状態を示す情報を対応づけて記憶するものであ
る。34は判別部であり、入力部に入力されたそれぞれ
のセンサ出力信号に基づいて第一の記憶部を参照し、こ
れによって車両の現在の状態を判別するものである。こ
の車両状態を示す情報は、例えば車両の運行状況を示す
情報(発進、停止、荷卸等)である。
【0032】第二の記憶部332は、判別部によって判
別された車両の状態に関する情報を記憶するものであ
り、この情報は例えば所定の時間間隔、あるいは指定さ
れた場合などに発生する。この点については,詳細を後
述する。35は位置判別部であり、車両の現在位置を判
別するものである。車両位置判別の方法としては、例え
ばGPS(GROBAL POSITIONING SYSTEM )などを用いて
判別することが出来るが、位置判別の方法はGPSに限
定されるものではなく、その他の手段を用いても差し支
えない。位置判別部によって判別された車両の現在位置
に関する情報は、例えば第二の記憶部にその時点での車
両状態情報と対応させて記憶することができる。このよ
うな対応関係で情報を記憶することによって、どの地点
でどのような作業が行われたかを後に、例えば車両が事
業所に帰還した後に確認することができる。
【0033】36はカードリーダ/ライタであり、車載
端末装置の外部より装着されるICカード37のような
媒体に情報を書き込んだり、媒体から情報を読みだした
りするためのものである。ICカードは比較的大きな記
憶容量を持つため、このICカードを前述の第二の記憶
部とし、判別部により判別された車両状態に関する情報
をICカードに格納させるようにしてもよい。この場
合、車載端末装置には第二の記憶部を設けなくともよい
が、車載端末装置に第二の記憶部を設けることは何ら差
し支えがない。
【0034】38は出力部である。出力部は、運転手に
対して通知する必要がある各種の情報を出力するもので
ある。車載端末装置30は車両各部に取り付けられたセ
ンサの出力に応じて車両の状態を判別することができる
が、センサ出力のみでは車両の状態を一義的に、正確に
把握することができない場合がある。このような場合、
出力部から運転手に対して、運転手が行った作業の内容
や現時点での車両の状態を示す情報の入力を促すメッセ
ージが出力される。出力部としては、図3の場合はスピ
ーカが使用され、音声によるメッセージが出力される
が、この他にもディスプレイを用いて各種メッセージを
表示させるようにしてもよい。出力手段としては、この
他にも運転手に対してメッセージを伝えることができる
様々な装置を使用することができる。
【0035】図4は、本発明による車両運行管理システ
ムの実施例の構成を示す図面である。この運行管理シス
テムは、例えば事業所に設置された上位装置であるコン
ピュータと、1乃至は複数の車載端末装置とで構成され
ている。図において、41は上位装置であるコンピュー
タ(以下上位装置)、42は車載端末装置を示す。
【0036】上位装置において、411は車両データベ
ースであり、各車両固有の情報(ナンバー、積載量等)
や、車両毎の運行状況に関する情報が記憶されるもので
ある。また、412は運転手データベースであり、事業
所に所属する運転手毎の情報(氏名、運転免許証の種類
等)とともに、運転手毎の作業内容(日時と作業内容な
ど)を記憶するものである。これらのデータベースに記
録された情報は、車両の運行管理や運転手の労務管理な
どに使用される。
【0037】413は作業指示情報作成部であり、車両
(車両に搭乗する運転手)に対して作業の内容を指示す
る作業指示情報を作成するものである。また、414は
作成された作業指示情報を車載端末装置に対して伝達す
る伝達部である。伝達部としては、例えば無線通信制御
装置を用いることができ、この場合には作業指示情報が
無線によって車載端末装置に伝達される。また、伝達部
としてはICカードリーダ/ライタを使用することがで
き、この場合には作業指示情報をICカードに書き込
む。
【0038】また、上位装置にはこれらの各装置を制御
する制御部415が備えられている。更に、各種の情報
を出力するための表示手段や印刷手段などの出力手段、
各種の情報を入力するための入力手段416を持ってい
てもよい。一方、車載端末装置において、421は伝達
手段であり、上位装置から伝達された作業指示情報を受
けるものである。この伝達手段としては、上位装置に備
えられた伝達手段の種類に対応したものを使用すればよ
く、例えば上位装置にICカードリーダ/ライタが備え
られている場合には、車載端末装置にもICカードリー
ダ/ライタを備えればよい。そして、車載端末装置に備
えられたICカードリーダ/ライタにICカードを装着
し、ICカードに書き込まれた作業指示情報を読みだ
す。
【0039】なお、上位装置、車載端末装置それぞれに
備えられた伝達部は、車載端末装置から上位装置に対す
る情報の伝達も行う。また、422は伝達部により上位
装置から伝達された作業指示情報を記憶するための記憶
部である。車載端末装置には、上位装置の場合と同様に
装置全体の動作を制御する制御部423が設けられてい
る。また、必要に応じて作業指示情報等の各種情報を出
力する表示部やスピーカ等の出力部、情報を入力するた
めのキーボード等の入力部424を備えるようにしても
よい。
【0040】図4の車載端末装置には、図1から図3に
示された車載端末装置に備えられた各手段の一部あるい
は全てが追加して備えられていても全く差し支えない。
図1から図4に示された車載端末装置の構成を適宜組み
合わせることによって、車載端末装置に様々な機能を与
えることが可能となる。以上、本発明の実施例の概要を
説明した。詳細については以下に述べる。図5は、本発
明の実施例による車両運行管理システム(以下管理シス
テムともいう)を示す図面である。図5に図示される通
り、この実施例による管理システムは主に、営業所に設
置されるホストコンピュータ(以下コンピュータ、ある
いは営業所コンピュータともいう)51、それぞれの車
両に搭載される車載端末装置(以下端末装置ともいう)
52、各運転手毎に配付され運転手が所有するICカー
ド53より構成される。
【0041】コンピュータには、営業所に所属する運転
手毎のID番号、氏名、運転免許証種類などの情報や、
運転手が行った作業の状況が記憶・管理される運転手デ
ータベース511と、営業所に配備された車両のID番
号、車種、車両ナンバーなどの情報や各車両の運行状況
が記憶・管理される車両データベース512とが備えら
れている。営業所では、これらのデータベースに記憶さ
れた情報を参照することによって、車両の運行状況を把
握することができ、必要に応じて車両の運行計画をたて
たり、車両の保守等を行うべき時期を確認したりでき
る。また、運転手毎の作業状況を確認することができる
ため、運転手の労務管理を行うことも可能となる。
【0042】車載端末装置52は、営業所(コンピュー
タ)から与えられるその日に行われるべき作業内容等を
指示する作業指示情報を受け取るとともに、車両の運行
中に発生する各種の作業報告情報を収集して、収集され
た作業報告情報をコンピュータに送る。コンピュータで
は、車載端末装置から収集した各種の作業報告情報を車
両毎、運転手毎に分類し、分類された情報に基づいて車
両データベース、運転手データベースをそれぞれ更新
し、必要に応じて作業日報等を出力する。
【0043】この実施例の場合には、コンピュータから
車載端末装置に対して作業指示情報を送る、あるいは車
載端末装置から作業報告情報をコンピュータに送る方法
が二通りある。一つ目の方法としては、運転手毎に配付
されたICカードを介して行う方法である。もう一つの
方法は、コンピュータと車載端末装置との間で無線通信
を行う方法である。
【0044】ICカードを用いて情報の伝達を行う場合
には、営業所コンピュータに接続されたICカードリー
ダ/ライタでICカードに作業指示情報を書き込み、車
載端末装置に設けられたICカードリーダ/ライタでI
Cカードに書き込まれた作業指示情報を読みだす。ま
た、車両運行中に発生した作業報告情報を車載端末装置
のICカードリーダ/ライタでICカードに書き込み、
これを営業所に設けられたICカードリーダ/ライタに
装着し、ICカードに書き込まれた作業報告情報を読み
だす。この動作の詳細については、後述する。 なお、
この実施例ではICカードを情報伝達の手段としている
が、可搬式に記憶媒体であればこれ以外の記憶媒体を使
用することができる。記憶媒体の種類としては、例えば
磁気ディスク、磁気カード等があり、記憶媒体の種類は
一切問わない。無線によってコンピュータと車載端末装
置との間の通信を行う場合には、コンピュータと車載端
末装置との間で携帯電話、その他の無線通信手段を用い
る。この場合には、車両にアンテナを設置する必要があ
る。そして、このような無線通信手段を用いて、コンピ
ュータと端末装置との間の作業指示情報や作業報告情報
の通信を行う。
【0045】無線による通信を利用した場合には、作業
指示内容が車両運行途中で変更になった場合に、変更さ
れた作業指示内容を営業所から車両に即時通知すること
ができ、作業指示内容の変更に柔軟に対応することがで
きる。また、各車両で発生した作業報告情報をリアルタ
イムで営業所に通知することができる。そのため、営業
所では各車両の現在位置等の作業内容を即座に把握する
ことができる。そして、例えば道路の混雑時や荷物の配
送順次を変える必要がでた場合に、車両の運行経路・配
送順序の変更等の様々な指示を各車両の運転手に即時に
通知することができる。道路の混雑などの状況は、各車
両から送られてくる運行状況、特に時間毎の車両の位置
を確認することによって推測することができる。
【0046】このように、無線によってコンピュータと
車載端末装置との情報伝達を行うことにより、運転手
は、営業所に帰還することなく作業内容の変更を知るこ
とができる。ここで、ICカードと無線とを併用しても
よく、例えば通常の作業指示情報等はICカードで伝達
し、追加指示が発生した場合などには無線によって通知
を行ってもよい。
【0047】図6は一実施例の車両運行管理システムの
構成を示した図面であり、特に車両運行中の車載端末装
置の動作の概要について説明する図面である。図6に示
されるように、車両60には車載端末装置61が設置さ
れている。車載端末装置は車両に固定されていてもよ
く、また必要に応じて取り外しが可能なようにしてもよ
い。
【0048】車載端末装置には、GPSレシーバ62、
携帯電話等の無線通信手段63、車両の各部に取り付け
られたセンサ類64が接続される。また、車両にはGP
S衛星69から送られる位置情報等を受信するためのG
PSアンテナ621が取り付けられており、受信した信
号に基づいてGPSレシーバが車両の現在位置を判別し
ている。
【0049】更に、車載端末装置には、運転手に対して
作業指示内容を伝えるためのガイダンス情報を表示する
ための表示手段65、運転手が音声によって作業内容等
を入力するためのマイク66が取り付けられている。ま
た、車載端末装置には、運転手が所持するICカード6
7を装着するためのICカードリーダ/ライタ(図示せ
ず)が設けられている。
【0050】車載端末装置61と営業所68との間で
は、携帯電話等の無線通信手段によりデータ通信が行わ
れ、作業指示情報、作業報告情報その他の情報が通信さ
れる。図7は運転手データベースの詳細な内容を説明す
る図面である。営業所に所属するそれぞれの運転手に
は、個別の運転手を識別するためのID番号73が与え
られている。そして、運転手データベース内では、営業
所に所属する各運転手がこのID番号によって管理され
ている。
【0051】運転手データベース70には、運転手自身
に関する情報71と、各運転手による作業の状況に関す
る情報72とが互いに対応づけて格納されている。運転
手情報としては、運転手毎のID番号に対応して各運転
手の氏名、各運転手が所持している運転免許証の種別な
どの情報が格納される。運転手が運転できる車両は、そ
の運転手が所持する運転免許証の種類によっては制限を
受けるため、各運転手が運転することができる車両種別
を特定することができるように、運転手データベースに
は各運転手が所持する運転免許証種別が記録されてい
る。この運転免許証種別は、運転免許証に対応しない種
別の車両に運転手を乗務させないようにするための情報
として用いられる。
【0052】作業情報を記憶する欄には、それぞれの運
転手が作業(車両に乗務して行った作業)を行った日
時、作業時に運転手が乗務した車両のID番号等が、各
運転手のID番号に対応して格納されている。図7の場
合には“10月31日”の作業内容のみが格納されてい
るが、作業情報としてはある月度あるいは年度単位に、
あるいは全く任意の期間における各運転手の作業情報を
運転手データベースに記憶させるようにすればよい。作
業情報が記録されるべき期間については特に限定はな
く、運用上必要となる期間について作業情報を記憶すれ
ばよい。
【0053】図7を例にとると、ID番号が“0000
01”である運転手は“星野”という名前であり、“星
野”が所持する運転免許証種別は“大型特殊免許”であ
ることが記憶されている。そして“星野”が10月31
日の午前9時から午後3時にかけて、ID番号が“10
10”の車両に乗務していたことが記録されている。な
お、図7の場合には車両の経路や作業内容と場所・時間
などの情報は記載されていないが、これらの情報も運転
手データベースに記録することによって、更に詳細な作
業情報を得ることができるようになる。
【0054】各運転手の乗務状況を確認するなど、労務
管理を行うために運転手毎の作業状況をしる必要がある
場合には、図7の運転手データベースを検索して、各運
転手毎の作業情報など必要となる情報を出力すればよ
い。図8は、車両データベースの詳細を示す図面であ
る。営業所に配置された各車両には、それぞれID番号
が与えられている。車両データベースでは、各車両はこ
のID番号によって管理されている。
【0055】車両データベース80には、車両毎のID
番号に対応して、車両に搭載される車両コンピュータ
(車載端末装置)の構成を示す情報81、それぞれの車
両自体の情報82、各車両毎の運行状況に関する情報な
どが格納されている。車載端末装置の構成を示す情報が
格納される欄には、それぞれの車両に搭載される車載端
末装置の種別を示す情報が格納されている。例えば、車
両ID番号が“1010”の車両には無線型の車載端末
装置が搭載されており、営業所とは無線により各種情報
の伝達を行うことがわかる。また、車両ID番号が“0
101”の車両にはカード型の車載端末装置が搭載され
ており、コンピュータとの間の情報の伝達はICカード
などの媒体を用いて行う必要があることがわかる。コン
ピュータはこの車載端末装置の種別情報に基づいて、情
報を伝達するための手段を選択する。
【0056】また、車載端末装置の構成を示す情報が格
納される欄には、更に情報の収集指示に関する情報が格
納されている。車載端末装置は、その運行中に車両の移
動距離、その時点での移動速度などに関する情報を収集
する。この情報収集は、予め設定された時間間隔、ある
いは所定距離車両が移動する毎に実施される。車両デー
タベースに格納された“収集指示”は、これらの車両運
行情報(作業情報)を収集するための時間間隔、移動距
離を示したものである。
【0057】例えば車両ID番号が“1010”の車両
の場合には、作業情報の収集を500ミリ秒が経過する
毎に、あるいは車両が1メートル移動する毎に行われる
ことが示されている。ここで、500ミリ秒、1メート
ルという数値は、従来タコメータによって車両の移動距
離などの情報を収集していた情報収集間隔を準用したも
のである。
【0058】また、車両ID番号“0101”の車両の
場合には、情報の収集はそれぞれ10秒経過毎に、ある
いは100メートル車両が移動する毎に行われることが
示されている。車両データベースの車両情報の欄には、
それぞれの車両の車種、車両番号等が格納されている。
また、運行情報の欄には、それぞれの車両が運行した日
時、走行距離その他必要に応じた情報が格納される。そ
の他の情報としては、例えば車両の運行経路、車両の燃
料消費量等の情報を含めることができる。図8の場合に
は、運行情報は10月31日の情報のみが記載されてい
るが、運転手データベースの場合と同様に、情報を記録
する期間は月度、年度、その他の任意の期間に発生した
運行情報を格納するようにしてもよい。
【0059】図8の場合について説明すると、車両ID
番号が“1010”の車両は大型車両でありその車両番
号は“相模−33−は−0579”であること、10月
31日にはその運行中に1300キロメートル走行した
ことが記録されている。その他の車両についても、同様
の情報が記録されている。図8の場合も詳細な車両経路
や作業内容等は図示されていないが、これらの詳細な情
報が車両データベースに記録されていてもよい。
【0060】各車両毎の運行状況を知りたい場合には、
車両データベースを検索し、運行情報など必要となる情
報を収集すればよく、これに基づいて車両の保守点検の
必要の有無を判断することができる。例えば、車両デー
タベースから車両の通算の走行距離を読みだすことによ
り、走行距離に基づいてその車両に整備が必要か否かを
判断することが可能となる。また、車両データベースか
ら各車両の稼働状況を把握することが可能となり、これ
に基づいてより効率的な車両の運用方法を検討すること
ができる。
【0061】また、後述するように、車両データベース
には車両の移動経路・移動に要した時間等も記録される
ため、どの経路を通れば最も所要時間を短縮することが
できるかなど、車両の効率的な運行を実現するための車
両の運行経路等についても検討することが可能となる。
図9は、運転手が所持するICカードの構成例を示す図
面である。図9では、特にメモリ領域の構造が図示され
ている。
【0062】この実施例による車両運行管理システムで
は、各運転手毎にICカードが配付されており、運転手
が車両に乗務する場合にはICカードを車載端末装置の
ICカードリーダ/ライタに装着する。ICカード内に
は、運転手固有のID番号が固定的に記憶されており、
ICカードから運転手ID番号を読みだすことによっ
て、現在車両を使用している運転手がだれであるかを判
別することができる。
【0063】図9に示されるように、ICカード90内
はプログラム領域91とメモリ領域92とに領域が大別
される。プログラム領域には、ICカードを動作させる
ためのプログラムが格納されている。メモリ領域は更
に、システム領域93とファイル領域94とに分けられ
ている。システム領域には、前述の運転手固有の運転手
ID番号95が格納されている。運転手ID番号は、図
9に図示されるように例えば六桁の数字で与えられてい
るが、この桁数は任意である。
【0064】システム領域は更に、ファイルの管理情報
を記憶するファイル管理領域96が設定されている。フ
ァイル管理領域には、それぞれのファイル名、ファイル
が格納されているファイル領域の番地、ファイルの大き
さや、各レコードの長さ・大きさに関する情報が格納さ
れている。また、ファイル領域には、後述する作業指示
情報、車載端末装置で収集される作業・運行に関する情
報が格納される。
【0065】なお、この実施例ではICカードとして、
無線によりカードリーダ/ライタとの間の情報の送受信
を行う非接触型のICカードが用いられている。従来の
接触型ICカードの場合には、カード表面に電極が露出
している。ここで、車両を用いた作業、特に荷物の集配
作業などの場合には、ICカードが屋外で使用されるこ
とも多く、天候などの車両が置かれる環境もあまりよい
ものではない。そのため、このような車両に接触型のI
Cカードを用いると、ほこりなどによるICカードの電
極の汚損、水滴や静電気によるカード自体の破壊などの
不都合が生じる可能性が非常に高く、接触型のICカー
ドを用いることは望ましくない。
【0066】これに対して、非接触型ICカードではカ
ード表面に電極が露出していない。そのために、防塵・
防水性は接触型ICカードよりも勝っており、接触不良
も生じないので、悪環境下での使用が考えられる車両運
行管理システムに利用するICカードは、このような非
接触型ICカードが望ましい。ただし、車載端末装置の
使用環境がそれほど悪くはない場合には、従来の接触型
ICカードを用いても何ら差し支えはない。
【0067】図10は、車載端末装置の内部を示す図面
である。車載端末装置には、既に述べた通り、車両固有
に与えられた車両ID番号が固定的に記憶されている。
車載端末装置(車両コンピュータ)100の内部は、大
きくプログラム領域101とメモリ領域102とに分け
られる。プログラム領域には、車載端末装置を動作させ
るためのプログラムが格納されている。
【0068】メモリ領域は更に、システム領域103と
作業領域104とに分けられる。システム領域には、前
述した車両ID番号が例えば四桁の数字で格納されてい
る。ID番号の桁数などID番号の与え方は全く任意で
ある。また作業領域には作業領域プログラムが記憶され
ている。図11は、車載端末装置の一例を示す外観図で
ある。
【0069】図11に図示される車載端末装置は、IC
カードリーダ/ライタを備えた、カード型端末の一例で
ある。車載端末装置110の前面には、ICカードスロ
ット111が設けられており、前述の運転手が所持する
ICカードがここから車載端末装置に挿入される。ま
た、車載端末装置にはキーパッド112を接続するため
のコネクタ113が設けられている。図11に図示され
るキーパッドには、複数のキー114が設けられてい
る。図示されたキーパッドでは1から0までの数値を入
力する数値キーと、A、B、C3つのキーが設けられて
いる。これらのキーを用いて、必要に応じて各種の数値
や情報を入力することができる。
【0070】キーパッドにはまた、ディスプレイ115
が設けられている。このディスプレイには、必要に応じ
て各種の情報が表示され、運転手に対して作業指示情報
を表示するとともに、運転手に対して作業内容の入力を
促すための表示を行う。また、キーパッドから入力され
た情報を確認するための表示(各キーに割り当てられた
機能の表示等)も行われる。
【0071】キーパッドを用いた作業の詳細について
は、後述する。図12は、車載端末装置の内部構成を示
す図面である。図において、121はCPUであり、車
載端末装置120の動作を制御するものである。CPU
はマイクロプロセッサ等により構成される。122はデ
ィスプレイ制御部であり、ディスプレイ122a(図1
1の場合にはキーパッド上に設けられたディスプレイ1
15)を駆動制御するものである。
【0072】バーコードリーダ制御部123は、車載端
末装置の外部にバーコードリーダ123aが接続される
場合に、このバーコードリーダの動作を制御するもので
ある。124は音声制御部であり、車載端末装置に設け
られているスピーカ124a、あるいはマイク124b
の動作を制御するためのものである。車載端末装置に取
り付けられているスピーカは、車載端末装置より運転手
に対して音声でガイダンスなどの情報を通知する必要が
ある場合に使用される。また、マイクは運転手が音声に
より車載端末装置に対して指示を入力する場合などに使
用される。
【0073】125はGPSドライバ(レシーバ)であ
り、GPSアンテナ125aが接続される。GPSドラ
イバは、衛星から受信した信号に基づいて車両の緯度、
経度などの現在位置や現在時刻を収集するものである。
GPSを用いた動作の詳細については、後述する。RO
M126には、車載端末装置を制御するプログラムや車
両ID番号が格納される。 127はカードリーダライ
タ部であり、前述したICカードが装着され、ICカー
ドに格納された情報を読み取るとともに、車載端末装置
で発生した情報をICカードに書き込むためのものであ
る。
【0074】128は回線制御部であり、例えば携帯電
話、MCA無線等が接続される。車載端末装置は、これ
らの手段を用いて、営業所のコンピュータ等との間で情
報の交信を行う。また、129はセンサ入出力部であ
る。センサ入出力部には、車両の鍵のオン/オフ状態を
検出するための鍵オン信号、エンジンの回転状態を検出
するためのエンジン回転センサからの出力信号等、各種
センサからの信号が入力する。
【0075】CPUはセンサ入出力部を介して受信した
各センサからの信号に基づいて、車両各部の状況を判断
する。センサ出力に基づく車両状況の詳細については、
後述する。図13は、ICカードのファイル管理方法の
一例を説明する図面である。既に述べた通り、実施例に
よるICカードは、そのメモリ領域135がシステム領
域135aとファイル領域135bとに分割されてい
る。図13はこのようなカードのメモリ管理について説
明するものである。
【0076】実施例のICカード130は無線式(非接
触式)のカードが使用されている。そのため、営業所の
コンピュータや車載端末装置などの上位装置131とI
Cカードとの間の情報の交信は、それぞれに設けられた
無線通信機構132、133を介して行われる。無線通
信機構は、微弱電波を用いてデータの送受信を行うもの
である。
【0077】上位装置のファイルアクセス部134は、
ICカードのシステム領域135aに記録された情報に
基づいて、ICカードのファイル領域135bをレコー
ド単位にアクセスし、データの読み書きを行う機能を備
えている。ファイルアクセス部134は、アプリケーシ
ョンプログラム136の指示に基づいて、ICカードの
メモリ領域135をアクセスする。
【0078】ICカードには、メモリアクセス部137
が備えられている。メモリアクセス部は、カード内のメ
モリ領域を物理番地の単位で読み書きする機能を備え
る。メモリ領域は図13に図示される通り、システム領
域とファイル領域とに分割されている。システム領域は
複数のファイルに更に分割されており、それぞれのファ
イル名、ファイルが格納される番地、ファイルの大きさ
とともに、各レコードの長さと大きさに関する情報が記
録されている。
【0079】ファイル領域には、システム領域に示され
るそれぞれのファイルに対応して領域が分割されてお
り、各ファイルは複数のレコードに更に分割され、ここ
にデータが格納される。 メモリ領域をアクセスする場
合には、初めにシステム領域をアクセスして、システム
領域に対応するファイル領域をアクセスし、次いでファ
イル領域をレコード単位でアクセスする。
【0080】次に、このような車両運行管理システムを
用いた車両の運行管理の方法について説明する。図14
は、営業所を車両が出発する前に必要となる手順につい
て説明した図面である。図14の場合は特に、ICカー
ドを用いた車載端末装置の場合について説明している。
【0081】車両が営業所を出発する前に、それぞれの
運転手は自分のICカード141を営業所コンピュータ
142のカードリーダライタに装着する(1)。コンピ
ュータは、装着されたICカードに記録された運転手I
D番号を読み取り(2)、読み取られた運転手ID番号
に基づいて運転手データベースを検索、よみとられた運
転手ID番号に対応する運転免許証種別を読みだす
(3)。次いで、コンピュータは運転手がその日に乗務
する車両の車両IDに基づいて車両データベースを検索
して当該車両の車種を読み出し、さきに検索された運転
手の運転免許証種別と照合して運転手の資格チェックを
行う。
【0082】資格チェックの結果、車両種別と運転免許
証種別とが対応せず異常であると判定された場合には、
エラーであることを示す通知をした後、ICカードを排
出する(4)。これによって、運転資格がない車両に運
転手が乗務することを防止できる。一方、資格チェック
の結果車両種別と運転免許証種別とが対応して正常であ
ると判定された場合には、コンピュータは読み取られた
運転手ID番号に対応する作業指示情報をICカードに
書き込んだ後、ICカードを排出する。
【0083】その日の運転手毎の作業指示情報は、予め
営業所コンピュータに登録されており、運転手ID番号
に基づいて運転手毎の作業指示情報を読みだすことがで
きる。営業所のコンピュータから排出されたICカード
は、運転手により車載端末装置(図では車両コンピュー
タ)143に挿入される(5)。ICカードが挿入され
ると、車載端末装置はICカードから運転手ID番号と
車両ID番号とを読み取り(6)、カードから読み取ら
れた車両ID番号と車載端末装置に記憶されている車両
ID番号とを比較する(7)。この比較結果が一致した
場合、車載端末装置は車両のエンジン始動を開始する。
一方、前述の比較結果が一致しなかった場合、車載端末
装置は挿入されたICカードを所持する運転手がその車
両に搭乗する予定のものではないと判断し、エラー通知
する。いずれの場合も、比較結果が得られた後、車載端
末装置はICカードを排出する(8)。
【0084】なお、運転手の免許証種別と車両の種別と
が対応しているかどうかのチェックは、後述するように
ICカードが車載端末装置のカードリーダライタに装着
され、車両のエンジンが起動される時にも行うことがで
きるため、ICカードへの作業指示情報の書き込み時に
は運転手と車両との資格チェックを行わなくともよい。
この場合には、ICカードがコンピュータのカードリー
ダライタに装着された時にICカードから運転手ID番
号を読み出し、読みだされた運転手IDに対応する作業
指示情報をICカードに書き込んだ後ICカードを排出
するようにしてもよい。
【0085】図15は、ICカードに記録された作業指
示情報を説明する図面である。ICカードのファイル領
域150には、車両IDファイル151と作業指示ファ
イル152、作業報告ファイル153とが設定されてい
る。車両IDファイルには、運転手が乗務する車両のI
D番号がコンピュータによって書き込まれている。ま
た,作業指示ファイルには、コンピュータによってその
運転手が行うその日の作業内容が書き込まれる。作業指
示情報としては、例えば“○月○日 ○時○分よりA地
からB地に荷物を配送する”という内容の指示が与えら
れる。ICカードに格納される作業指示情報は1つであ
る必要はなく、運転手が一回の乗務で複数の作業を行う
必要がある場合には、必要とされる作業指示情報の全て
が作業指示ファイルに書き込まれる。
【0086】作業報告ファイルは、詳細は後述するが、
作業を行った結果得られた走行距離、運行経路、所要時
間等の情報が記録されるものである。また、作業報告フ
ァイルには、上記の情報を収集する時間間隔などを指示
する収集指示データも格納されている。収集指示データ
は、作業指示情報とともに、コンピュータによってIC
カードに書き込まれる。
【0087】また、一人の運転手が同じ日に複数の車両
を乗り換える場合がある。このような場合に対応するた
めに、図16に示されるように車両IDファイル161
に複数の車両ID番号を記憶可能とするとともに、各車
両に対応する作業指示ファイル名162、作業報告ファ
イル名163をそれぞれの車両ID番号164に対応さ
せて格納することができる。
【0088】運転手は、コンピュータから排出されたI
Cカードを乗務する車両の車載端末装置(車載端末装置
に接続されたカードリーダライタ)に装着する。この実
施例では、車両のエンジンの始動・停止などの制御を、
各運転手が所持するICカードによって行う。以下にエ
ンジン始動時の動作を説明する。図17は、車両のエン
ジン始動・停止の動作の概要を説明する図面である。
【0089】エンジンを始動する前には、営業所(コン
ピュータ)171より車載端末装置172に対して、I
Cカード173を介して、あるいは無線の指示174に
より、作業指示情報が車両ID番号とともに送られる。
そして、ICカードの挿入によってエンジンの始動・停
止が制御される。ここでまず、ICカードを用いた場合
について説明する。
【0090】コンピュータにより作業指示情報の一部と
して車両ID番号が書き込まれたICカードが車載端末
装置に挿入されると、図14に示されるような手順によ
り、車両170aに搭載された車載端末装置172aが
ICカードに記録された運転手ID番号と車両ID番号
とを読み取る。図16のように一人の運転手が複数の車
両を乗り換える必要がある場合には、ICカードに複数
車両に対応する車両ID番号と作業指示情報が格納され
ているが、この時には車載端末装置はそれぞれの車両I
D番号を参照し、自身の車両ID番号と一致する車両I
D番号がICカード内に存在するか否かを確認する。
【0091】次いで、ICカードから読み取られた車両
ID番号と自信の車両ID番号とを照合し、その結果が
不一致であった場合、あるいはICカード内に複数記録
された車両ID番号の中に自信の車両ID番号と一致す
るものがなかった場合、車載端末装置はそのICカード
を所持する運転手は本来当該車両を運転する予定はない
ものと判断し、エラー通知を行った後ICカードを排出
する。この場合には、エンジンの始動は不可能となる。
【0092】一方、ICカードに格納された車両ID番
号が自信の車両ID番号と一致した場合には、車載端末
装置は車両のエンジンの始動を開始する。ここで、車両
IDが一致すると判定された時点で、車載端末装置から
ICカードを排出するようにしてもよい。また、エンジ
ンの始動と併せて、車載端末装置はICカードに書き込
まれた作業指示情報と収集指示データとを読み出し、作
業指示情報を車載端末装置の作業指示ファイルに書き込
むとともに、収集指示データを作業報告ファイルの所定
の領域に格納する。車載端末装置はこの後、作業報告フ
ァイルに格納された収集指示データを参照して、そこで
指示された間隔で各種の情報を収集する。
【0093】このように、正しい情報が記録されたIC
カードが装着されることによって(運転手が正しい人
物)エンジンを始動可能な状態とする構成によって、例
えば本来は乗務予定のない運転手による営業所保有の車
両の不正利用や、外部の者による車両の盗難を防止する
ことができる。そして、車両の管理をより確実に行うこ
とができる。
【0094】一方、無線式車載端末装置172bを搭載
した車両170bの場合には、ICカードで車載端末装
置に渡されていた車両ID番号が、無線による作業指示
情報に含まれてコンピュータから送信される。この場合
には、車載端末装置は自身の車両ID番号と同じ車両I
D番号を持つ情報を選択的に受信する。なお、無線式車
載端末装置を用いる場合にも、車載端末装置にICカー
ドを挿入するようにしている。
【0095】また、作業指示情報や収集指示データを、
ICカードを介してコンピュータから車載端末装置に送
ることができる。図18は、無線式車載端末装置を用い
た場合の、エンジン始動を含む車両の営業所出発前の処
理の手順を示す図面である。この場合には、車載端末装
置とコンピュータとは無線によって情報の交信を行う。
なお、運転手のセキュリティチェックを行う理由から、
図18の例ではもエンジンを始動する際に、車載端末装
置に運転手が所持するICカードを装着するようにして
いる。
【0096】以下、図18により説明する。なお、カッ
コ内の数字は図18の数字に対応している。 エンジン
を始動する場合には、運転手は自身の運転手ID番号が
格納されたICカード180を、車載端末装置181の
カードリーダライタに挿入する(1)。すると、車載端
末装置では装着されたICカードから運転手ID番号を
読み出し(2)、ICカードを排出する(3)。続い
て、車載端末装置では、読み取られた運転手ID番号と
自身の車両ID番号とに基づいて、その日の作業指示情
報の入力をコンピュータ182に依頼するために、コン
ピュータに対して入力依頼信号を、運転手ID番号、車
両ID番号とともに、無線により送信する(4、5)。
【0097】入力依頼信号の一例が図18bに図示され
る。入力依頼信号は、“機能”情報183と運転手ID
番号184、車両ID番号185とから構成される。入
力依頼信号の場合には、“機能”情報の欄にこの信号が
入力依頼信号であることが書き込まれ、無線によりコン
ピュータに送信される。また、運転手ID番号はICカ
ードから読み取られたものを、車両ID番号は自身に与
えられたものを送信する。
【0098】営業所に設置されたコンピュータは、車載
端末装置から送信された入力依頼信号の“機能”欄を参
照し、これが作業指示情報の入力依頼信号であることを
判別する。そして、送信された運転手ID番号と車両I
D番号とに基づいて、運転手データベース並びに車両デ
ータベースを検索する(6)。コンピュータは、運転手
データベースから送信されたID番号を持つ運転手の運
転免許証種別を読み出し、車両データベースからは送信
された車両ID番号に対応する車種情報を読みだす。そ
して、コンピュータは、読みだされた運転免許証種別と
車種種別情報とに基づいて、ICカードを車載端末装置
に装着した運転手の運転資格チェックを行う。
【0099】運転手の運転免許証種別と車種種別とが対
応しない場合には、コンピュータはチェック結果がエラ
ーであると判断し、コンピュータから車載端末装置に対
してエラー通知がなされる。一方、運転手の運転免許証
種別と車種種別とが対応する場合には、コンピュータは
運転資格チェック結果が正常であると判断する。この場
合には、コンピュータは車載端末装置に対して、送信さ
れた運転手ID番号に対応する作業指示情報を無線によ
り送信する(7)。なお、作業指示情報は予めコンピュ
ータに入力されている。
【0100】作業指示情報の一例は、図18cに図示さ
れる(図示応答)。コンピュータから車載端末装置に送
信される情報は、“機能”情報186と運転手ID番号
187、車両ID番号188、作業指示情報189から
構成される。この場合には、“機能”欄にこの信号が作
業指示情報を含むものであることが書き込まれている。
また、“機能”欄には作業指示情報に加えて、収集指示
情報を送るようにしてもよい。
【0101】車載端末装置では、コンピュータから作業
指示情報を受信して、メモリの所定領域に格納した後、
エンジンを始動する(8)。エンジン始動の手順は、図
14で説明したものと同様である。ここで、車載端末装
置が、コンピュータから返信された運転手ID番号、車
両ID番号と、自身が記憶している運転手ID番号、車
両ID番号とを照合し、両者が一致するか否かによりコ
ンピュータから受信した応答信号が自分に対するもので
あるかどうかを判別するようにしてもよい。
【0102】また、作業指示情報が加えられたコンピュ
ータから車載端末装置への送信情報に収集指示データが
付加されていない場合には、車載端末装置はエンジンの
始動前に、コンピュータに対して収集指示データを送信
するように依頼する。この場合、コンピュータからは図
18cに対応した形式の情報が送信されるが、“機能”
欄には付加された情報が収集指示データであることを示
す情報が書き込まれ、作業指示情報の代わりに収集指示
データが送信される。
【0103】図19は、エンジンを停止する場合の処理
手順を図示したものである。この実施例の場合には、エ
ンジン停止の処理手順はカード型端末装置の場合も、無
線式端末装置の場合も、基本的には変わりがない。以下
図19を用いて処理の手順を説明する。なお、かっこ内
の数字は図19の数字に対応している。
【0104】エンジンを停止する場合には、運転手は自
身のICカード191を車載端末装置192に装着する
(1)。すると、車載端末装置はICカードから運転手
ID番号を読み取る(2)。続いて、車載端末装置はエ
ンジンの始動時に読み取られた運転手ID番号と、今読
み取られた運転手ID番号との照合を行う(3)。始動
時に読み取られた運転手ID番号は車載端末装置に記録
されており、これによって読み取られた運転手ID番号
との照合を行うことができる。
【0105】2つの運転手ID番号が一致する場合に
は、車載端末装置ではエンジンを停止するためにICカ
ードを装着した運転手は正当な運転手であると判断し、
続いてエンジン停止の制御を開始する。一方、2つの運
転手ID番号が一致しない場合には、エンジン始動時の
運転手とエンジンを停止しようとしている運転手とは異
なる人物である可能性が非常に高い。そのため、この場
合には車載端末装置はエンジンを停止させないようにす
る。
【0106】また、車載端末装置は、2つの運転手ID
番号の照合の後、ICカードを排出する(4)。このよ
うな制御を行うことによって、正当な車両の所有者(運
転手)のみが車両のエンジンを停止させることができ
る。そして、車両を運行している途中(特にエンジンが
起動している状態で)に車両が盗難された場合には、エ
ンジンを停止させることができなくなるため、車両盗難
に対する対策をとることができるようになる。
【0107】なお、エンジンを停止させるときに、既に
車載端末装置に記録されている、車両運行中に発生した
作業報告情報をICカードに記録することも可能であ
る。次に、車両の運行中に発生する各種の作業報告情報
などの運行情報の収集について説明する。
【0108】車両の運行が開始されると、車載端末装置
によって各種の運行情報が収集され、これを基に作業報
告情報が作成される。車載端末装置によって収集される
運行情報としては、作業開始/終了時刻、車両走行(移
動)距離、車両速度、走行ルートなどがあげられる。図
20は、収集指示データと、収集された運行情報の形式
を模式的に示した図面である。作業報告情報は図示され
る収集データ202により構成され、収集データは収集
指示データ201により指示される条件に基づいてセン
サ200により収集される。
【0109】図20の場合を例にとると、収集指示デー
タは車両速度、走行距離(以下単に距離)、車両の現在
位置(以下単に位置)の情報収集を行う時間間隔を指示
している。ここでは、車両速度は10分経過毎に収集さ
れ、同様に距離は15分経過毎に、位置は20分経過毎
に収集されることが示されている。なお、この時間間隔
は任意に設定することができる。もっときめ細かな情報
収集が必要な場合には時間間隔を図20の例よりも短く
すればよく、大まかな情報収集でもよい場合には情報収
集の時間間隔をもっと大きくしてもよい。従来より使用
されているタコメータの場合には、車両速度などの情報
を500ミリ秒毎に収集している。そのため、収集指示
データにより指示される情報収集の時間間隔をタコメー
タにあわせて500ミリ秒とすることによって、従来タ
コメータにより収集されてきた運行情報との整合性をと
ることができる。
【0110】図21は、収集指示データを格納する作業
報告ファイル210の構成を示す図面である。収集指示
データ211は、車載端末装置のメモリ領域に設定され
た作業報告ファイル内に格納される。図21の場合、収
集指示データとしては、緯度・経度情報212と、車両
速度、距離、位置などの運行情報を収集する時間間隔2
13が記録されている。このうち、緯度・経度情報につ
いては後述する。また、収集指示データには、図8に図
示される車両データベースに示されるように、収集時間
間隔と収集距離とが設定される。情報収集はここに示さ
れる時間間隔に基づいて行ってもよく、移動距離に基づ
いて行ってもよい。また、時間間隔と移動距離とを併用
して情報を収集してもよい。図21の場合は、時間間隔
のみに基づいて情報を収集する例である。
【0111】時間間隔と移動距離とを情報収集に併用す
る場合には、一方の条件、例えば時間間隔に基づく情報
収集を優先し、他方、例えば移動距離に基づく情報収集
を二次的な条件として考える。例えば道路の混雑等によ
り車両の移動距離が時間の経過に対して非常に小さいよ
うな場合には、指示された時間間隔で情報を収集しても
あまり意味がない場合がある。そのため、所定時間が経
過しても収集指示データで指定された距離を車両が移動
していないような場合には、収集指示データで指定され
る所定距離車両が移動したときに情報を収集する。
【0112】収集データの格納領域の欄には、収集指示
データに基づいて収集された各種運行情報が、情報が収
集された時刻とともに記録されている。図20の場合を
例にとると、8時40分に作業が開始された後、それか
ら10分が経過した8時50分に車両速度が収集され、
この場合“時速30キロメートル”であることが記録さ
れる。また、作業開始から15分が経過した8時55分
には車両の移動距離が収集され、“12キロメートル”
移動したことが時刻とともに記録される。このように、
収集指示データによって指示された時間間隔で収集され
た各情報が、作業報告ファイルの収集データ格納領域に
記録される。
【0113】次に、各情報の収集の仕方について説明す
る。車両速度と車両の移動距離については、車両速度を
計測するセンサにより収集される。車両には車両速度を
計測するセンサが取り付けられている。車両速度センサ
は一回転する毎に所定数のパルスを発生、出力する。ま
た、JISでは、車両速度センサは時速60キロメート
ルの時に637rpmの回転軸に取り付けられることが
定められている。車両速度と車両の移動速度とは、これ
を利用して算出される。
【0114】移動距離は、 走行距離(km)=総パルス数/(637×パルス数) ・・・(1) によって算出される。ここで、“パルス数”とは、車両
速度センサが一回転したときに発生するパルス数を示
す。一方車両速度は、 車両速度(km/h) =1秒あたりのパルス数×3600/(637×パルス数)・・・(2) により算出される。このようにして算出された車両速度
・移動距離は、収集データの記憶領域に情報が収集され
た時刻とともに記録される。
【0115】一方、車両の現在位置はGPS(GROBAL PO
SITIONING SYSTEM) を利用して求められる。 既に述べ
たとおり、車載端末装置にはGPSドライバが設けられ
ており、GPSの衛星からの信号を受信することができ
る。GPSシステムは、3つの衛星から発せられた信号
を受信し、これらの受信信号に基づいて緯度・経度を求
めるものである。この実施例の車載端末装置では、この
ようなGPSシステムを利用して、車両の現在位置を把
握・確認するようにしている。
【0116】また、各種の運行情報はそれらが収集され
た時刻とともに記録されている。ここで、車両端末装置
にタイマを設け、このタイマによって現在時刻を収集す
ることも可能であり、構成が一番簡単になる。しかし、
個々の車載端末装置に搭載されたタイマ間で誤差が生じ
る可能性が高いため、同一時刻でも各タイマは違った時
刻表示をしてしまう可能性がある。そのため相互の車載
端末間での時刻情報の整合性がとれなくなり、正確な時
刻情報を収集することができなくなってしまう。特に、
始業時間・終業時間は就業時間を計算するための根拠と
なっている。ここで、始業時間は例えば営業所を出発す
る時間、終業時間は営業所に帰着した時間と考えてよ
い。これら始業時間・終業時間を正しく収集することが
できないと、集計される就業情報が不正確なものとなっ
てしまい、給与の計算や労務管理を行う上で様々な問題
を生じる可能性がでてくる。
【0117】この実施例による車載端末装置では、上記
の問題点の発生を防止するために、時刻情報の収集にも
GPSシステムを利用する。GPS信号には時刻情報が
含まれているため、GPS信号から時刻情報を収集する
ことによって車載端末装置に搭載されたタイマに頼るこ
となく、正確な時刻を収集することができる。そして、
このように収集された時刻情報を運行情報と対にして記
録することにより、各車両で収集された運行情報を、統
一された時刻により管理することができる。
【0118】このように収集された運行情報は、車載端
末装置のメモリ領域内に設定された作業報告ファイル内
に格納される。図22は、車載端末からコンピュータへ
の収集指示データのダウンロード手順を示す図面であ
り、この場合にはICカード221を用いて収集指示デ
ータをコンピュータ220から車載端末装置(車両コン
ピュータ)222にダウンロードする。
【0119】営業所コンピュータに設定された車両デー
タベース223には、それぞれの車両ID番号ととも
に、収集指示データが格納されている。収集指示データ
としては、図22に図示されるように、また既に述べた
とおり、車両速度収集時間間隔、移動距離収集時間間
隔、位置情報収集時間間隔等が設定されている。また図
22において、パルス数とは(1)式、あるいは(2)
式にて示された“パルス数”と同一のものである。
【0120】これらの車両データベースに記録された収
集指示データは、営業所を運転手が出発する前にコンピ
ュータに挿入されたICカードにカード出力機構224
により書き込まれる(1)。そして、運転手が出発前に
ICカードを車載端末装置に装着したときに、車載端末
装置のカード入力機構225はICカードから収集指示
データを読み取り、収集指示データを作業報告ファイル
226に格納する(2)。
【0121】以降、車載端末装置は作業報告ファイルに
格納された収集指示データ226aに基づいて、例えば
車両速度を車速センサ228により収集して運行情報を
収集し(3)、その結果を収集データとして時刻情報と
ともに収集データ記憶領域227に格納する(4)。図
23は、無線式車載端末装置における、コンピュータ2
30から車載端末装置231への収集指示データのダウ
ンロード手順を示す図面である。
【0122】この場合には、営業所コンピュータには無
線出力部232が備えられており、これを用いて車載端
末装置(車両コンピュータ)の無線入力部に対して情報
が送信される。コンピュータからは、図23bに図示さ
れるメッセージが送信される。コンピュータから送信さ
れるメッセージは、“機能”情報233と収集指示デー
タ234とから構成される。また、収集指示データとし
ては、“緯度/経度”情報234aと、車両速度・移動
距離・現在位置収集時間間隔234bとからなる。
【0123】車載端末装置は自装置あてのメッセージを
無線入力機構235から受信し、収集指示データ236
aを作業報告ファイルの収集機構236にセットする。
以降、セットされた収集指示データに示された条件によ
り、各種運行情報の収集を例えば車速センサ237など
を用いて行い、収集データを作業報告ファイル238に
格納する。運行情報の収集手順自体は、図22に示され
たものと同様である。
【0124】ここで、既に述べた通り、収集指示データ
には収集時間間隔等とともに、緯度・経度情報が記録さ
れている。また、車両の運行中は所定時間・所定距離移
動毎などに車載端末装置がGPSを用いて自身の緯度・
経度を認識している。この実施例では、収集された緯度
・経度情報を利用して、車両位置が収集指示データによ
り指示された緯度・経度と一致するか、あるいはその地
点からある範囲内に車両が位置する場合に、収集指示デ
ータを入れ換えるものである。ここで、所定範囲内に車
両が位置した場合を考慮するのは、GPSの精度の問題
から車両位置の検出に誤差が生じ、正しい位置(点)を
車両が通過してもその点を通過したことを車載端末装置
が認識できない場合などがあるからである。
【0125】図21の場合について説明する。例えば営
業所の緯度がxx、経度がyyであったとする。図21
の場合には、営業所を出発した後は、緯度・経度“x
x、yy”と組となった収集指示データ211a、即ち
車両速度は10分間隔、移動距離は15分間隔、車両位
置は20分間隔で収集するように、収集指示データが車
載端末装置に設定される。
【0126】ここで、車両が緯度aa、経度bbの位置
に到達した(あるいはその近辺に達した)場合、車載端
末装置は収集指示の時間間隔を緯度・経度“aa、b
b”と対となって格納されている収集指示データ211
b、図21の場合には車両速度20分間隔、移動距離2
0分間隔、車両位置20分間隔での収集を指示するもの
を、それまで収集部に格納されていた収集指示データと
入れ換える。
【0127】図24は、通過位置により収集指示データ
(収集時間間隔)を切り替える理由を説明する図面であ
る。図24aは日にちによって収集時間間隔を変更する
例を示すものであり、図24bは到達位置に応じて収集
時間を変更する場合をそれぞれ説明したものである。上
記の収集指示データ切替えは、図24bのものに対応し
ているが、日にちにより収集時間間隔を変更するもの
も、基本的な考え方は同じである。
【0128】図24aの場合、○月○日には車両速度の
収集時間間隔を500ミリ秒としているが、×月×日に
は車両速度を1000ミリ秒(1秒)毎に収集するよう
にしている。両者を比較すると、○月○日の方がより運
行情報を細かく収集することができる。しかし、道路が
混雑しているような場合には、車両の発進・停止の頻度
が高くなるため、車両速度等は小まめに変化するため、
あるい程度細かい時間間隔で情報を収集する必要がある
かもしれない。また、道路が空いているような場合には
車両速度の変化の度合いは小さいと見込まれるため、収
集時間間隔を比較的長くとることができる。収集時間間
隔を長くとれば、その分収集される情報量を減らすこと
もできる。
【0129】道路の混雑具合は統計を取ることによって
予想できるため、例えば道路の混雑が予想されるような
日には、情報の収集時間間隔を短くするとともに、道路
が空いていると見込まれる日には情報収集時間間隔を長
くとり、情報収集処理の負担を軽減するとともに、記録
すべき情報量を減らしている。このような日にち毎に収
集時間間隔を変更する場合には、車両の出発前にコンピ
ュータ240により運転手のICカード241に書き込
まれる収集指示データを所望の値とすればよい。また、
車両データベースに記録される収集指示データを日にち
毎に設定しておき、その日にちに対応する収集指示デー
タを読みだすようにしてもよい。
【0130】一方、図24bの場合には、高速道路を走
行している場合には車両速度を60秒毎に収集し、一般
の道路を走行している場合には車両速度を1000ミリ
秒(1秒)毎に収集している例を示している。同じ日に
道路を走行していても、高速道路を走行している間は車
両速度は比較的安定しているため、車両速度の収集時間
間隔は比較的長くしても全く問題はない。それに対し
て、一般の道路を走行している場合には、車両の停止・
発進の頻度が高くなり、車両速度・移動距離などの変化
の度合いが大きくなる。そのため、一般道路を走行して
いる場合には車両速度情報等をこまめに収集する必要が
ある。
【0131】このように、車両が走行している場所に応
じて、あるいは車両の運行状況に応じて、運行情報の収
集間隔を変更することが望ましい。例えば荷物の配送の
ような場合には、その日に車両の運行予定は予め決まっ
ているために、車両の運行経路も予め判っている。その
ため、高速道路の利用区間なども予め知ることができ
る。
【0132】そこで、この実施例では収集指示データ
に、予め判っている収集指示データを切り替えるべき位
置情報(例えば高速道路の出口、入口等)を設定してお
く。そして、車両がその位置(あるいは近辺)を通過し
たことがGPSシステム等を用いて判別された場合に
は、その時点で収集指示データの入替えを行う。図21
の場合を例にとると、緯度aa、経度bbに高速道路の
料金所などの位置情報を設定しておくことで、高速道路
走行時と一般道路走行時とを区別して、それぞれの条件
に対応した収集条件により情報を収集することができ
る。
【0133】ところで、高速道路の料金所には数メート
ルから数10メートルの幅がある。そのため、車両は特
定の緯度・経度を持つ一点を通過するわけではない。ま
た、車両が特定位置を通過すると仮定しても、車両の走
行の仕方やGPSの精度に基づいて生じる誤差の影響か
ら、車載端末装置により検出された車両の通過位置に誤
差を生じることを防ぐことが困難である。
【0134】そこで、収集指示データとして与えられる
緯度・経度情報にある程度の幅を持たせ、その範囲内を
車両が通過したことを検出した場合に特定の一点を車両
が通過したとみなすことによって、収集指示データの入
替えをより確実に行うことができる。例えば高速道路の
料金所の場合には、料金所の中心点の緯度・経度を収集
指示データとして設定するとともに、料金所の中心から
半径10メートルの位置を通過する円周を示す点の緯度
・経度を設定し、車両がこの円の範囲内を通過した場合
車両が料金所を通過したとみなすことができる。この場
合、円の半径は任意に設定できる。また、円周位置を示
す緯度・経度情報は、車載端末装置内の位置判別処理が
煩雑にならない程度の数とすればよい。更に、この実施
例では車両の円内の通過を見ているが、特定の方形内、
あるいは直線上を車両が通過した場合に、ある一点を通
過したものと見なしてもよい。
【0135】なお、収集指示データの切替えは上記のよ
うな高速道路と一般道路との切替えのみに限定される必
要はなく、混雑する道路と比較的空いている場所とで収
集指示データを切り替えたりすることも可能である。収
集指示データを切り替える基準は任意に選ぶことができ
る。また、収集指示データは無線通信によって適宜営業
所から車載端末装置に送信することができるため、収集
指示データの入替えを行うべき地点を、車両の状況から
判断して営業所からの指示に基づき車載端津装置に設定
してもよい。
【0136】図25は、情報収集の切替えが行われた場
合の、車載端末装置の収集データファイル250を説明
する図面であり、特に収集データファイルに格納される
情報の形式を示している。図25に図示されるとおり、
車載端末装置は衛星251からの信号を受信して、位置
検知機構によって自身の現在位置を把握する(3)。ま
た、車両速度センサ252に基づいて収集機構により車
両速度や車両の移動速度などの情報を収集する(1)。
【0137】収集データファイル253の前半には、緯
度xx、経度yyの地点を8時40分に出発してからの
車両速度、移動距離、車両位置253aが記録される
(2)。図25の前半の場合には、車両速度は10分毎
に、移動距離は15分毎に、車両位置は20分毎に収集
される。ここで、9時ちょうどに緯度aa、経度bbの
地点を通過した場合、図21に示されるような形式の収
集指示データ254を収集指示データ254と入替え、
車両速度は10分毎に、移動距離は20分毎に、車両位
置は16分毎に収集するようにする。。
【0138】このように、車載端末装置内では、収集指
示データの入替えに応じて、新たに設定された収集指示
データに基づく運行情報の収集を行い(5)、収集され
た作業報告情報が作成され、9時以降のデータについて
は車両速度、移動距離、車両位置253bが記録されて
いく(6)。車両が営業所に帰着した場合に、運転手が
ICカードを営業所のコンピュータに装着する。コンピ
ュータはICカードの作業報告ファイルにアクセスし、
記録されている収集データを読みだす。読みだされた収
集データに基づいて、コンピュータは運転手データベー
ス、車両データベースに記録されている作業内容をそれ
ぞれ更新し、当日の作業内容が各データベースに反映さ
れるようにする。
【0139】また、無線式車載端末装置の場合には、収
集データが発生する毎に、所定時間毎に、あるいは必要
に応じて運行中の車載端末装置から収集データを営業所
に送信してもよい。図26は、収集指示データに基づく
運行情報の収集手順を説明するフローチャートである。
【0140】車両が営業所を出発すると、車載端末装置
は作業報告ファイルの位置情報を参照するとともに(S
1)、GPSを用いて車両の現在位置を求め、車両が位
置情報に示された位置に到達、あるいは通過したか否か
を判定する(S2)。複数の位置情報が作業報告ファイ
ルに設定されている場合には、それぞれの位置情報と車
両の現在位置とを照合する。
【0141】車両が位置情報により示された位置に到達
していると判定された場合には、車載端末装置はこの位
置情報と対になって格納されている収集指示データを、
この先の収集指示データとして、それまでの収集指示デ
ータと入れ換える(S2’)。続いてS2において車両
が位置情報により示された位置に到達していないと判断
された場合、あるいはS2’において収集指示データの
入替えが行われた後、車載端末装置は作業報告ファイル
の収集指示データを参照し、前回の情報収集から収集指
示データにより指示された時間が経過したか否かを判別
する(S3)。複数項目の情報収集が指示されている場
合には、それぞれの項目について、前回の情報収集から
の時間経過を判別する。
【0142】S3において、指示された時間が経過して
いない場合には再びS1に戻る。一方、S3にて指示さ
れた時間が経過したと判断された場合には、更に収集指
示データとして指示された距離を越えて車両が移動した
か否かが判定される(S4)。S4にて指示された距離
を越えて車両が移動したと判定された場合には、収集指
示データで指示された時間間隔に対応する項目の運行情
報を収集する(S5)。一方、S4にて指示された距離
を移動していないと判断された場合には、収集指示デー
タで指示された距離を移動した後に、指定項目の運行情
報を収集する(S5’)。
【0143】続いて、情報を収集した時点の車両の現在
位置と現在時刻とを、GPSを利用して収集する(S
6)。続いて、収集された運行情報を、S6で収集され
た車両の現在位置並びに現在時刻とともに、メモリ領域
に記憶する。この処理を繰り返すことによって、車両運
行中に発生する各種の運行情報を自動的に収集すること
ができる。
【0144】図27は、一日の勤務中に同じ運転手が車
両を乗り換える場合について説明した図面である。ここ
では、車両ID番号が1010の車両と0101の車両
が利用される場合を説明している。ICカード内には、
既に述べた通り車両ID番号1010の車両と0101
の車両とのそれぞれに対応した作業指示情報が、それぞ
れの車両ID番号と対応して格納されている。それぞれ
の車載端末装置は、ICカードが装着されたときに、I
Cカードに書き込まれた車両ID番号を読み取り、自身
の車両IDと一致する車両ID番号がICカードに書き
込まれているかどうかを判定する。自身の車両ID番号
と一致する車両ID番号がICカードに書き込まれてい
た場合には、一致した車両ID番号とともにICカード
に格納されている作業指示情報をICカードのメモリ領
域から読み出し、作業指示ファイルに格納する。
【0145】一方、作業報告ファイルはそれぞれの車両
ID番号毎に設定されており、車両ID番号1010の
車両による作業報告情報と、車両ID番号0101の車
両による作業報告情報とは、それぞれの車両ID番号に
対応付けられてICカードの作業報告ファイルに格納さ
れる。営業所に車両が帰着したときには、運転手がIC
カードをコンピュータに装着したときに、コンピュータ
はそれぞれの車両ID番号に対応する作業報告情報をI
Cカードから読み出し、車両データベースのそれぞれの
車両ID番号に対応する欄の作業内容を更新する。
【0146】図28は、本発明の作業内容判断の基準例
を示した図面である。この例では、車両の各部にセンサ
が取り付けられており、これらのセンサから出力される
信号に基づいて車両各部の状態を車載端末装置が認識
し、更に現在どのような作業が行われているかを車載端
末装置が判定する。図28のテーブルは、各センサ出力
のオン/オフ状態に応じた車両の状態に関する情報を記
憶するものである。また、備考欄に記載されているもの
は、その状態であると判別するための条件、あるいは更
に入力する必要がある情報種別等が記載されている。な
お、図28のテーブルで横線(−)が引かれている部分
は、センサ出力のオン/オフが判断には使用されないこ
とを示す。
【0147】鍵オン信号は、車両のエンジンキーが装着
されているか否かを判定するために利用される。この実
施例の場合には、運転手が所持するICカードに基づい
てエンジンの始動・停止が制御されているため、実質的
にICカードがエンジンキーの役割を担っている。その
ため、ここではICカードが車載端末装置に装着されて
いるか否かによって、鍵オン/オフの状態を判別するよ
うにしてもよい。
【0148】エンジン回転センサは、エンジンの回転数
等を判定するためのセンサである。車載端末装置は、エ
ンジン回転センサからの信号に基づいてエンジンが起動
されているか、あるいは停止状態にあるのかを判断して
いる。また、前述の通り車両速度センサが車両に取り付
けられているため、これによって車両の移動速度と移動
距離とを求めることができる。
【0149】車両の乗降用扉と、荷室扉とには、それぞ
れ扉の開閉状態を検出するためのセンサが取り付けられ
ている。また、シートベルトの装着状態を検出するため
のシートベルトセンサが、シートベルトに取り付けられ
ている。これらセンサからの出力信号に基づいて、車載
端末装置はどのような作業が現在行われているのかを、
総合的に判断する。
【0150】以下、作業内容の判定の仕方について説明
する。図29は、“始業”から“終業”までの作業内容
判定と、その記録の仕方について説明した図面である。
初期化されたICカードが車載端末装置に装着されたと
きには、車載端末装置はこれに基づいて車両が“始業”
の状態にあると判断し、作業報告情報として判断がなさ
れた時刻とともに“始業”であることを記録する。
【0151】次に、エンジンセンサによりエンジンが起
動されたか否かを判定し、更に車両速度センサによって
車両が所定距離、例えば100メートル走行したと判定
された場合には、車載端末装置は車両が“出発”状態に
あると判定する。この場合、車載端末装置はGPSを用
いて車両の現在の緯度・経度を認識し、収集された緯度
・経度と現在時刻とともに、“出発”したことを示す情
報を作業報告情報として記録する。
【0152】エンジンセンサによってエンジンが停止し
たことが検出された場合には、車載端末装置は車両が
“停車”状態にあると判定する。また、同時にシートベ
ルトが外されたことがシートベルトセンサにより検出さ
れ、更に乗降用扉が開いたことが扉に取り付けられたセ
ンサにより検出さた場合、車載端末装置は車両がいずれ
かの場所に“到着”したものと判定する。
【0153】この場合には、車載端末装置は車両が目的
地に到着したのか、あるいは運転手が休憩をとるために
車両を停止させたのかを判断しなくてはならない。停車
したのが、目的地に到着したためであるかどうかは、G
PSにより位置情報を収集することができるため、予め
目的地の緯度・経度情報を車載端末装置に設定しておく
ことによって判断できる。しかし、目的地に到着して作
業を行ったのち、同じ場所に車両を停車させたままで運
転手が休憩を取る場合もあり、このような場合にはGP
Sによる位置情報の収集だけでは不十分で、作業の終了
や休憩開始の時刻を知る必要がでてくる。
【0154】そこで、この実施例の場合には、以下のよ
うにして作業内容の判別を行う。荷室扉が所定時間以
上、例えば1分以上開いていたことが荷室扉センサによ
り検出された場合には、車載端末装置が荷室扉が荷物の
“積卸し”のために開かれたものであると判断する。こ
の場合、車載端末装置は現在の緯度・経度情報をGPS
により取得し、現在時刻と緯度・経度情報とともに作業
報告情報として“積卸し”を示す情報を記録する。
【0155】また、車載端末装置は、車両が停止した場
合に音声、あるいは画面表示によって停車理由を車載端
末装置に入力することを促す。例えば運転手が休憩をと
る場合には、その旨運転手が入力を行う。情報の入力と
しては、例えばキーパッドを用いて入力してもよく、そ
の他に音声入力によって停止理由を入力させてもよい。
【0156】前述した通り、車載端末装置には音声入力
を受け付けるためのマイクが設けられている。また、車
載端末装置、あるいは運転手が所持するICカードに
は、予め停車理由を示す情報を音声情報として登録して
おく。車両が停止した場合、運転手がマイクより停止理
由を音声入力する。例えば休憩をとる場合には、運転手
が一言“休憩”と発する。
【0157】車載端末装置では、運転手が音声入力した
情報と、予め登録されている音声情報とを照合し、それ
に基づいて運転手が入力した停止理由を判定し、GPS
から収集された緯度・経度情報とともに停止理由を作業
報告情報として記録する。この他にも、停止する理由と
しては車両の点検、給油、洗車など様々な理由があり、
これらの停止理由をそれぞれ音声あるいはキーパッド等
から入力することによって、車両が停止した理由を後か
ら確認することができる。
【0158】キーパッドを用いて停止理由を入力する場
合には、図11に示されるように複数の画面とこれに対
応するキーとが設けられている。そこで、車載端末装置
では、“休憩”、“点検”、“給油”等の項目を画面上
に表示する。運転手は画面に表示された項目を参照し、
自分が入力しようとする項目が表示された画面に対応す
るキーを操作する。これにより、音声入力によらずと
も、車両の停止理由を車載端末装置に入力することがで
きる。
【0159】また、高速道路等の有料道路を通行した場
合、道路の通行料がいくらかかったか、あるいはどの区
間を利用したのかを記録する必要がある。そのため、車
載端末装置には、予めそれぞれの高速道路等の料金所の
緯度・経度情報が記録されている。また、必要に応じて
道路名や料金所名を記録することもできる。GPSによ
る車両位置の判定結果に基づいて、車両が有料道路の料
金所のゲートを通過したか否かを判定することができ
る。
【0160】このようにして、車両が高速道路の入口ゲ
ートを通過した時には、通過した入口ゲート名を現在時
刻とともに作業報告情報の一部として記録する。また、
車載端末装置には、高速道路の各ゲート間の通行料金が
記録された高速道路料金ファイルが備えられている。車
載端末装置は、通過した高速道路の入口・出口ゲートに
基づいて高速道路料金ファイルを参照することにより、
高速道路の通行料金を算出して、作業報告情報として記
録する。
【0161】始めて通行するような区間の場合には、高
速道路料金ファイルには通行料が記録されていないこと
もある。このような場合には、車載端末装置が高速道路
料金ファイルを検察しても高速道路料金を算出すること
ができない。そこで、車載端末装置では、音声あるいは
画面表示により、高速道路の通行料金を手動入力するこ
とを運転手に対して要求する。これに応じて運転手が入
力した通行料金は、作業報告指示ファイルに高速道路の
通行区間とともに格納される。同時に、通行した入口・
出口ゲートと入力された通行料金とに基づいて、車載端
末装置は高速道路料金ファイルに新たな通行料金を追加
して高速道路料金ファイルを更新し、次回以降の高速道
路通行に対処できるようにする。また、この光束道路料
金ファイルの更新結果は、作業報告情報とともに営業所
のコンピュータにも送られるため、他の車載端末装置の
高速道路料金ファイルにもこの結果を反映させることが
できる。
【0162】ここで、車両を運行する場合には、運転手
に対して制限速度を遵守させる必要がある。そこで、車
両速度を検出してその時点の車両速度が制限速度を越え
ている場合には、運転手に対してアラームを上げる。し
かし、制限速度は道路の種別(高速道路、一般道路等)
により異なっており、同一の道路上でも場所に応じて制
限速度が異なっていることが多い。
【0163】図30に図示される車載端末装置は、この
ような状況に対処するための構成を示した図面である。
車載端末装置の基本的な構成は図12のものと大差な
い。図30の車載端末装置300では、電子的に地図情
報が格納された電子地図部301が接続されている。電
子地図情報は、例えばCD−ROM、ICカード等に記
録される。
【0164】また、電子地図格納部に格納された地図情
報を読みだすための地図情報読取部301aも備えられ
ている。地図情報読取部は、例えばCD−ROMプレー
ヤー、ICカードリーダ等とすることができ、地図情報
が格納されている媒体に応じて選択される。ここで、走
行の制限速度は道路の種別や場所によって異なっている
ことが多い。そこで、図30の車載端末装置では、地図
情報とともにそれぞれの道路における制限速度を記録し
ておく。また、付加的な情報として、地図情報の中に高
速道路の入口・出口ゲートの位置情報や、荷物の配送時
などには目的地の位置情報を地図情報に記録しておく。
【0165】また既に述べたとおり、車載端末装置は走
行中にその時点の車両速度と車両位置を収集している。
そこで、図30の車載端末ではこれらの情報を利用して
車両が制限速度以下で走行しているのか否かを判定す
る。制御部302は、図31に示されるようには制御部
1(302a)、制御部2(302b)、制御部3(3
02c)を備える。
【0166】制限速度と車両速度との対応付けは、制御
部1により行われる。各センサから車両速度、車両位置
が出力される毎に、地図情報から道路毎の制限速度情
報、高速道路のゲート情報、立ち寄り先(目的地)情報
等が読みだされる。読みだされるべき情報は、車両の現
在位置に基づいて最も近い位置に対応する情報を読みだ
すようにすればよい。地図情報から読みだされた各情報
は、切りわけ部により切りわけられ、各制御部に送られ
る。
【0167】制限速度情報は制御部1に送られる。制御
部1にはまた、車両速度情報が送られる。制御部1で
は、車両の現在位置に基づいて、車両が走行している道
路の制限速度を求める。つづいて、制御部1は求められ
た制限速度と、現在の車両速度とを比較する。図30の
場合には、車両が走行している道路は制限速度が80k
m/hであることを認識する。そして、車両速度センサ
の出力により、車両が現在90km/hで走行している
ことを認識する。両者の比較の結果、制御部1は車両が
制限速度を越えて走行しており危険であると判断する。
【0168】そこで、制御部1は表示部に図30に図示
されるような速度を抑えるように運転手に注意を促す表
示を行うとともに、スピーカから例えば“スピードオー
バーです”というような音声メッセージを発する。これ
によって、車両が制限速度を越えて走行しないように運
転手に対して注意を促すことができ、よりきめ細かな安
全管理を行うことが可能となる。
【0169】高速道路のゲート情報は、制御部2に送ら
れる。GPSにより求められた車両の現在位置に基づい
て、制御部は車両が高速道路のゲートを通過したか否か
を判定する。車両が高速道路のゲートを通過したと判定
された場合、制御部2は通過した高速道路のゲート名を
記録する。図30の場合には、制御部2に東名高速道路
の“東名川崎”ゲートと“東名厚木”ゲートを車両が通
過したことが記録されている。“東名川崎”ゲートから
東名高速道路に入った場合には、制御部2はその旨記憶
するとともに、表示部に図示される“東名高速道路 東
名川崎 入”という表示を行う。また“東名厚木”ゲー
トを通過したときに、制御部2は車両が“東名厚木”ゲ
ートから出たことを認識し、表示部に“東名高速道路
厚木 出”という内容の表示を行う。
【0170】同時に、制御部2は通過した2つのゲート
から、高速道路の通行料金を計算する。通行料金は、既
にのべたとおり各ゲート間の通行料金が記録されたテー
ブルを参照することにより算出できる。そして、制御部
2は表示部に“料金 1300円”と通行料金を表示す
るとともに、メモリ領域に高速道路に入ったゲート名、
高速道路からでたゲート名、通行料金を対にしたデータ
を書き込む。
【0171】これによって、運転手が車載端末装置に通
過したゲートの場所や通行料金に関する情報を手動で入
力する必要がなくなり、入力ミスがなくなる。また、車
載端末装置が通行料金を算出して記録するので、後に運
転手が通行していない高速道路の通行料金を不正に請求
することを防止できる。制御部3は、立ち寄り先情報に
基づいた処理を行うものである。
【0172】制御部3は、GPSにより得られた車両位
置に基づいて、車両の現在位置に最も近い立ち寄り先ポ
イントと配達すべき荷物を記録した配達リストを検索す
る。そして、制御部31はその結果を表示部に表示し、
運転手に立ち寄るべき顧客名と配達すべき荷物の名前、
個数等を表示する。これによって、目的地に車両が到着
したときに、運転手が車載端末装置に目的地名を入力す
る必要がなくなる。また、荷物に関する情報が予め車載
端末装置に記録されているため、車両が目的地に近づい
たことによって、車載端末装置が自動的に目的地と配送
すべき荷物をマッチングさせて表示し、運転手が配送先
を間違えたりしないようにしている。
【0173】エンジンを停止動作した後、車載端末装置
からICカードか抜かれた場合には、車載端末装置はセ
ンサ出力によりこれを検出し、またGPSにより車両が
営業所に到着している場合には車両が“終業”の状態に
あるものと判断する。“終業”の後に車載端末装置から
排出されたICカードには、車両運行時に車載端末装置
から収集された作業報告情報が格納されている。この情
報が営業所コンピュータに送られ、コンピュータはこの
送られてきた情報に基づいて車両データベース、運転手
データベースの内容を更新する。
【0174】なお、それぞれの作業報告情報は、車両の
運行中は車載端末装置内部に一時的に記憶しておき、エ
ンジンの停止処理のために運転手がICカードを再び車
載端末装置に装着したときに、車載端末装置が記憶して
いる作業報告情報をICカードにダウンロードするよう
にしてもよい。図32は、運転手個人別および車両別に
作成した業務日報の一例を示す図面である。ここで、図
32aは個人別日報、図32bは車両別日報をそれぞれ
示している。この実施例では、営業所のコンピュータに
運転手データベース、車両データベースを作成している
ため、個人別の作業内容や車両別の運行状況を記した個
人別・車両別業務日報も非常に容易に出力することがで
きる。
【0175】個人別日報の場合には、各々の運転手が車
両に乗務していた時間帯が、その運転手が乗務した車両
毎に出力される。図32aを例に取ると、運転手“星
野”は9時から11時まで大型車両である、車両ID番
号“1010”の車両に乗務している。そして、12時
から14時まで小型車両である車両ID番号“010
1”の車両に、続いて15時から17時まで再び大型車
両である車両ID番号が“1010”の車両に乗務して
いる。
【0176】このような個人日報を、その日乗務した運
転手毎に出力することによって、各運転手の乗務の状況
を確認できる。このように、個人別日報では、その運転
手が乗務した車両と、乗務した時間帯が出力されるた
め、個人毎の勤務状況を容易に把握することができる。
そして、個人別日報は前述の通り、運転手データベース
に記録された情報に基づいて出力することができるた
め、日報の出力が非常に容易となる。
【0177】一方、車両日報の方は、それぞれの車両が
使用された時間帯が、その車両に乗務した運転手名とと
もに出力される。図32bは、大型車両である車両ID
番号“1010”の車両に関する日報の出力例である。
この車両は、9時から11時まで運転手ID番号が“0
00001”の運転手“星野”が乗務している。続いて
11時から13時までは運転手ID番号が“00000
2”の“佐藤”が、13時から15時までは運転手ID
番号が“000003”の“吉永”が乗務している。最
後に、15時から17時までの間は、再び“星野”が乗
務している。
【0178】このような車両毎の日報を、各車両毎に出
力することによって、各車両の稼働状況を容易に把握す
ることができる。上記の運転手別、車両別日報を出力す
る場合には、営業所コンピュータに作業日報を出力しよ
うとする運転手ID番号、あるいは車両ID番号を入力
する。これに応じて、コンピュータは運転手データベー
ス、車両データベースを検索し、必要とする作業報告情
報等を日報の形式に編集し、印字出力する。
【0179】なお、この例では一日の作業をまとめた日
報について説明したが、これは月単位、年単位、あるい
はその他任意の期間の作業内容を出力するようにしても
よい。また、日報に出力すべき事項は図31の例には限
定されず、必要となる事項を出力すればよい。図33
は、以上説明した車両運行管理システムの応用例を示し
た図面であり、荷物等の配送を行う場合について説明し
たものである。
【0180】“現場事務所”(以下事務所)は、上記説
明した営業所に対応するものである。運転手が事務所へ
の出勤時、あるいは退勤時に、社員カード(ICカー
ド)を操作することによって、出退勤情報が事務所のコ
ンピュータに取り込まれる。事務所には、勤務データを
格納するデータベースが備えられている。社員カードに
より取り込まれた出退勤情報は、このデータベースに格
納される。
【0181】また、勤務データベースに格納された情報
に基づいて、出退勤管理表がコンピュータにより作成さ
れ、それぞれの運転手の勤務状況を必要に応じて参照す
ることかできる。更に、勤務データベースを参照するこ
とによって、各人からの出退勤状況の問い合わせに応じ
ることができる。“運行管理システム”(以下管理シス
テム)は、これまで説明した“営業所コンピュータ”に
対応するものであり、車両等の運行管理を行うためのも
のである。また、管理システムには複数の端末がLAN
により接続されている。更に、事務所内には車両データ
ベースが備えられている。
【0182】車両が事務所を出発するときには、作業指
示情報が記録されている運行カード(これまでの説明に
よるICカードに対応する。運転手のICカードを使用
すればよい)を作成、車載端末装置に運行カードを運転
手が装着することによって、乗務が開始となる。乗務が
開始された後、事務所と車両との間では、例えば車両が
所定のルートを外れて走行している場合、あるいはスピ
ードを出しすぎているなど危険な運転を行った場合に出
力される、異常を示す定型のメッセージ、通常時に通信
する定型のメッセージ、あるいは荷物の配送を行う顧客
店舗を出発した時刻などが通信される。
【0183】ここで、作業指示情報としては車両の運行
ルートも含まれている。そのため、車載端末装置では車
両が現在走行しているルートと予め指示されているルー
トとを、GPS情報を受信することによって確認し、車
両が定められたルートを外れて走行している場合には運
転手に対してアラームを発したり、車両がルートを外れ
た旨の通信を事務所に通知する。
【0184】また、作業の予定時刻が記された作業予定
ダイヤも作業指示情報に含まれている。そのため、実際
に顧客店舗に車両が到着した時刻をチェックするととも
に、到着時刻と作業予定ダイヤに記録された到着予定時
刻とを照合し、予定ダイヤ通りに車両が運行されている
かどうかの確認を車載端末装置は行う。そして、到着時
刻と到着予定時刻とが大きく違っているなどの異常が発
生した場合、車載端末装置は事務所に対してその旨通知
する。
【0185】顧客店舗には、車載端末装置などとの間で
通信を行うことか可能な装置を備えることができる。こ
れによって、車両が顧客に近づいたときに車載端末装置
から顧客装置に対して車両が接近したことを通知する信
号を出力し、顧客にその旨知らせることが可能となる。
また、道路や配送の状況により顧客店舗への到着が予定
時刻よりも遅れる場合、あるいは早まる場合には、その
旨知らせる内容の電文を車載端末装置から顧客装置に送
信することにより、到着時刻が変更される可能性がある
ことを予め顧客に通知することができる。
【0186】車両が事務所に帰着して乗務が終了した場
合、運転手は運行カードを事務所の運行管理システムに
装着する。これによって、その日の作業内容などの情報
がカードから運行管理システムに吸い上げられる。吸い
上げられた情報は、車両データベース(あるいは運転手
データベース等)に格納される。事務所内には更に、各
車両の動態を管理する“動態管理システム”が備えられ
ている。事務所と車両との間では無線により通信が行わ
れているが、その際に車両の現在位置を示す情報を逐次
車載端末装置から事務所に対して通知することにより、
事務所側では車両の現在位置を容易に把握することがで
きる。
【0187】事務所に、各地の地図情報が格納された地
図データベースが備えられている。そして、動態管理シ
ステムでは、各車両から受信した位置情報と地図データ
ベースに格納された地図情報とを重ね合わせて画面上に
表示する。このような重ね合わせ表示によって、事務所
内でも各車両の現在位置を容易に把握することができ
る。
【0188】なお、画面上に表示すべき地図情報は、受
信した車両の現在位置(緯度・経度)に応じて、車両位
置を表示するために最適なものを選択する。また、各車
両の動態を、運行実績等を格納するデータベース(例え
ば車両データベース)に記憶させておくことにより、後
日各車両の動態を調査することができる。
【0189】各車両の動態を後に調査することによっ
て、車両の走行ルートの見直しや効率的な配送ルートの
決定をすることができ、車両運行管理上非常に有利であ
る。更に、無線通信によって事務所から車両に対してメ
ッセージを送ることができるので、特に何らかの緊急事
態が発生した場合に、指定車両に対して運行管理上の指
示を送信することができる。この場合、車両を指定する
ときには電文に指定する車両の車両ID番号を付加し、
車載端末装置で送信された車両ID番号を確認する、な
どの方法を取ることができる。
【0190】また、各車両の動態に応じて道路の混雑状
況等を把握することができる。そのため、必要に応じて
事務所から各車両に対し、運行ルートや配送順序の変更
を指示することもできる。
【0191】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明によれば、移動
体を運行している作業者の情報入力のための負担を低減
して、より簡単な方法で、より確実に、より正確な移動
体の運行状況を記録可能な移動体運行管理システムを実
現できる。更に、本発明によれば、道路の種類、状況等
に応じて最適な間隔で運行状況等に関する情報の収集を
行い、更に情報収集間隔を人手を介さずに自動的に行う
ことで、情報収集間隔の切替えミスを防止することがで
きる。
【0192】更に本発明は、移動体の盗難や不正使用等
を防止することも可能な移動体搭載端末を実現すること
ができる。更に、本発明は、車両の状態や作業内容を自
動的に判別するとともに、その結果を自動的に記録する
ことによって、人手による情報入力の手間を省き、入力
忘れやミスを防ぐとともに、不正な作業内容の入力を防
止することが可能となる。
【0193】本発明はさらに、有料道路の通行時に、通
行料金の移動体搭載端末装置への搭乗者による入力作業
を省き、入力間違いや通行料金の不正請求を防止するこ
とができる。本発明は更に、移動体の搭乗者に、移動体
の運行中に道路毎の制限速度等を遵守させるように、制
限速度の超過等を検出して搭乗者にその旨伝え、安全な
移動体の運行を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による車載端末装置の構成
を示すブロック図
【図2】車載端末装置のその他の例
【図3】車載端末装置の更にその他の構成の例
【図4】本発明による車両運行管理システムの実施形態
の構成
【図5】一実施形態による車両運行管理システム
【図6】一実施形態の車両運行管理システムの構成
【図7】運転手データベースの詳細な内容
【図8】車両データベースの詳細
【図9】運転手が所持するICカードの構成例
【図10】車載端末装置の内部
【図11】車載端末装置の一例を示す外観図
【図12】車載端末装置の内部構成
【図13】ICカードのファイル管理方法の一例
【図14】営業所を車両が出発する前に必要となる手順
【図15】ICカードに記録された作業指示情報
【図16】車両ICファイルに複数の車両ID番号が記
録される例
【図17】車両のエンジン始動・停止の動作の概要
【図18】無線式車載端末装置を用いた場合の、エンジ
ン始動を含む車両の営業所出発前の処理の手順
【図19】エンジンを停止する場合の処理手順
【図20】収集指示データと収集された運行情報の形式
【図21】収集指示データを格納する作業報告ファイル
の構成
【図22】車載端末からコンピュータへの収集指示デー
タのダウンロード手順
【図23】無線式車載端末装置における、コンピュータ
から車載端末装置への収集指示データのダウンロード手
【図24】通過位置により収集指示データを切り替える
理由
【図25】情報収集の切替えが行われた場合の、車載端
末装置の収集データファイル
【図26】収集指示データに基づいた運行情報収集の処
理手順を示すフローチャート
【図27】一日の勤務中に同じ運転手が車両を乗り換え
る場合の例
【図28】本発明の作業内容判断の基準例
【図29】“始業”から“終業”までの作業内容判定
と、その記録の仕方
【図30】地図情報を格納した車載端末装置の一例
【図31】図30に図示される車載端末装置の制御部の
構成
【図32】運転手個人別および車両別に作成した業務日
報の一例
【図33】車両運行管理システムの応用例(荷物等の配
送を行う場合を例示)
【図34】従来の車載端末装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−12419(JP,A) 特開 平7−121572(JP,A) 特開 昭59−96339(JP,A) 実開 昭62−93271(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G07C 5/00 G07C 3/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体に搭載される移動体搭載端末装置
    において、 移動体に取り付けられ、取り付けられた場所の状態に応
    じた信号を出力する、少なくともエンジンキーが装着さ
    れているか否かを判定するためのセンサおよびエンジン
    の起動、停止を判断するためのセンサを含む複数のセン
    サが接続される入力部と、 前記センサの出力信号の状態と搭乗者の作業内容とを対
    応付けて記憶する記憶部と、 前記センサからの出力信号に基づいて前記記憶部を参照
    し、前記記憶部に記憶された内容に基づいて搭乗者の作
    業内容を判別する判別部とを備えることを特徴とする、
    移動体搭載端末装置。
  2. 【請求項2】 前記移動体搭載端末装置は、 移動体の現在位置を判別する位置判別手段を更に備え、 前記判別部により判別された搭乗者の作業内容を、前記
    位置判別手段により判別された現在位置情報とともに記
    憶することを特徴とする、請求項1記載の移動体搭載端
    末装置。
  3. 【請求項3】 前記移動体搭載端末装置は、 前記判別部が、前記センサ出力信号に基づいて移動体の
    状態を一義的に判別することができないと判断した場
    合、搭乗者に対し、その時点で作業内容の入力を促すメ
    ッセージを出力する出力部を有することを特徴とする、
    請求項2記載の移動体搭載端末装置。
  4. 【請求項4】 操作者の操作状態に応じた信号を出力す
    、少なくともエンジンキーが装着されているか否かを
    判定するためのセンサおよびエンジンの起動、停止を判
    断するためのセンサを含む複数のセンサと、 前記センサの出力信号の状態と、操作者の作業内容とを
    対応付けて記憶する記憶部と、 前記センサからの出力信号に基づいて前記記憶部を参照
    し、前記記憶部に記憶された内容に基づいて操作者の作
    業内容を判別する判別部とを備えることを特徴とする移
    動体。
  5. 【請求項5】 前記移動体は更に、 当該移動体の現在位置を判別する現在位置判別部と、 前記判別部により判別された操作者の作業内容情報と、
    前記現在位置判別部により判別された当該移動体の現在
    位置情報とを対応付けて記憶する第二の記憶部とを備え
    ることを特徴とする、請求項4に記載の移動体。
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