JP6004584B2 - 無線lanを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システム及びその配送管理方法 - Google Patents

無線lanを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システム及びその配送管理方法 Download PDF

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Description

本発明は、冷蔵・冷凍車の配送管理技術に係り、無線LANの情報通信網を利用して冷蔵・冷凍車のコンテナの庫内の温度管理と共に走行管理を行うことができる無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システム及びその配送管理方法に関する。
冷蔵車又は冷凍車は、例えばコンビニエンスストア(以下「コンビニ」という)に配送する当日又は前日に製造した弁当、おにぎり、冷蔵食品など低温での配送を要する食品等の運搬に用いられる。コンビニの各店舗に配送する際に、おにぎり、弁当、乳製品、惣菜を運搬する冷蔵・冷凍車の温度管理は、運転者が運転席に設けられている庫内温度モニター及び温度コントローラを確認しながら調節している。
このような、弁当・冷蔵食品のような温度管理の必要な商品を配送する一連の配送作業は、図6に示すような順序で行われている。先ず、配送センターにおいて冷蔵・冷凍車に弁当・冷蔵食品を荷積みする。運転者は所定の効率のよい配送ルートを走行して、弁当・冷蔵食品をコンビニ等の各店舗へ配送し、同時に前回の商品が入っていた空箱を回収する。その後配送センターへ戻り空箱を降ろして、1回の配送作業が完了する。この一連の作業は1便と称される。冷蔵車又は冷凍車の運転手は1日に数便の配送をする。
1便で配送する店舗(コンビニ)は1店舗の場合もあるが、通常は数店舗回ることが多い。冷蔵・冷凍車を停車させ、ドアを開けて、コンテナ内(庫内)の温度管理の必要な商品を降す際に、外気がコンテナ内に入り込み急激に温度上昇することがある。特に、夏季においては1回のドア開閉でも庫内の温度が急激に上昇するため、荷降しの際にはドアをすばやく開閉する必要がある。夏季は冷蔵食品を配送する量も一番多い時期になり、更に短時間での荷降しが必要となる。そこで、温度が上昇したときに、運転者は適温に戻るように温度コントローラで調節している。
このように冷蔵車又は冷凍車のコンテナの庫内温度管理に関する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1の特開2002−71253号公報「低温・冷凍輸配送車庫内の食品の管理・監視システム」のように、システム管理センターにおいて、低温・冷凍輸配送車の輸配送に係る各種データを収集し、それらに基づきその庫内の食品の管理・監視についてデータ化し処理することによりリアルタイムデータを得、庫内の食品の保存条件のコントロールの方法が適切であるかどうかのモニタリングによって、庫内温度を適正に制御するようにした低温・冷凍輸配送車庫内の食品の管理・監視システムが提案されている。
特開2002−71253号公報
しかし、運転者の操作ミスにより温度設定を間違えたり、各店舗への配送に際して冷蔵車又は冷凍車のドアを長時間開放してコンテナの庫内温度を異常に上昇させるといった不適切な温度調節が行われるおそれがある。車載された庫内温度モニターでの温度管理だけでは、運転者が運転席から長時間離れたときにはコンテナの庫内の温度管理が十分行われないことがある。一方、運転者にこのような庫内温度モニターでの温度管理を頻繁に行わせることは、本来の商品の店舗への運搬業務と安全運転走行も当然必要なため運転業務以外に過度な負担を負わせることになり好ましいことではない。
また、特許文献1の「低温・冷凍輸配送車庫内の食品の管理・監視システム」では、収集時にバーコードリーダーにて容器ごとに読み込み、容器ごとに重量を計量し、通信衛星又は携帯電話の端末に情報を入力(ハンディーターミナル)し、マニフェスト伝票の受取り、出発時から入庫時の間の走行情報を自動で通信衛星又は携帯電話網を通じて記録し、位置情報、走行経路を記録しなどの煩雑な作業が必要になるという問題を有していた。
更に、特許文献1の「低温・冷凍輸配送車庫内の食品の管理・監視システム」では、その設備に要する費用が多くかかるという問題を有していた。
本発明の発明者は、配送先であるコンビニの各店舗では、無線LANの情報通信網を利用できる場合が多いことに着目した。配送の際にコンビニ店舗の近くに停車する冷蔵・冷凍車は、無線LANの情報通信網を利用することができる。そこで、冷蔵・冷凍車ではインターネットのほか、インターネット電話などの多様な無線LAN機器が接続、利用できる。これらの低廉な通信手段を利用することにより、コンビニの各店舗に低温商品を配送する際に、例えば冷蔵・冷凍車の温度データを配送センター又は一元管理する管理センターへ常時送信すると共に冷蔵・冷凍車の温度コントロールすることが可能であると考えた。
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、無線LAN情報通信網を利用することで、運転者に過度の負担を強いることなく、低温輸送を要する弁当、おにぎり、冷蔵食品等について、冷蔵・冷凍車の庫内の温度管理を安価な費用で実施することができる無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システム及びその配送管理方法を提供することにある。
本発明の配送管理システムは、冷蔵食品、冷凍食品のような低温を維持しながら配送する冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)の庫内の温度管理と共に走行管理をする無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システムであって、
手動と自動の両方の開閉が可能なドア(7)を備えた、冷却装置(8)を有する冷蔵・冷凍車(1)と、
前記冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)の庫内に設置した温度センサ(9)と、
前記温度センサ(9)で前記コンテナ(3)の庫内温度を測定し、この測定した温度データ情報の通信を可能にする無線LANモジュール(12)を備えた、前記冷蔵・冷凍車(1)に搭載したコントローラ(4)と、
前記コントローラ(4)に接続した、前記冷蔵・冷凍車(1)の最高速度、急加速、急ブレーキなど走行に関するデータを測定する車速センサ(15)と、
前記コントローラ(4)の無線LANモジュール(12)と情報通信を可能にするために、配送先(2)である店舗に備えた無線LAN用のアクセスポイント(13)と、
前記冷蔵・冷凍車(1)の温度管理と走行管理をするために、配送管理者(5)に備えた、前記温度センサ(9)で測定した温度データと適正温度値を比較する比較手段(20)と、該比較手段(20)が測定した温度データと設定温度を比較し、測定した温度データが設定温度を所定値範囲より相違する場合に、該冷蔵・冷凍車(1)の冷却装置(8)の温度設定を調節する調節手段(25)と、
該冷蔵・冷凍車(1)の冷蔵車又は冷凍車の別、コンテナ(3)の容量、配送ルートなどの冷蔵・冷凍車(1)に関する情報を格納する冷蔵・冷凍車情報データベース(23)と、外気温度と前記ドア(7)の開閉時間に応じたコンテナ(3)の庫内温度上昇に関する温度情報を格納する温度情報データベース(24)とを有する管理サーバ(17)と、から成り、
前記冷蔵・冷凍車(1)の配送先(2)になる店舗に備えた無線LANを経由し、インターネット(6)へ接続して前記コントローラ(4)からコンテナ(3)の庫内の温度データ情報は、前記配送管理者(5)の管理サーバ(17)へ通知され、
その温度データ情報を受信した該管理サーバ(17)では、庫内温度の上昇があったときに、前記比較手段(20)と調節手段(25)により、前記温度情報データベース(24)で管理している庫内温度のデータを抽出することで前記冷却装置(8)の設定温度が管理されると共に、
前記車速センサ(15)が測定した、走行距離、最高速度、急加速、急ブレーキなど走行に関する走行データ情報は、前記配送管理者(5)の管理サーバ(17)へ通知され、その走行データ情報を受信した該管理サーバ(17)の冷蔵・冷凍車情報データベース(23)に格納されてデータベース化されることにより、同時に多数台の冷蔵・冷凍車(1)の運転者が安全にかつ効率の良い走行をしているかについて集中管理される、ことを特徴とする。
前記配送管理者(5)に備えた管理サーバ(17)は、前記比較手段(20)が測定した温度データと設定温度を比較し、測定した温度データが設定温度を所定値範囲より相違する場合に警報を発する注意警報手段(22)を有するものである。
本発明の配送管理方法は、冷蔵食品、冷凍食品のような低温を維持しながら、冷却装置(8)を有する冷蔵・冷凍車(1)で配送する無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理方法であって、
前記冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)に設置した温度センサ(9)でその庫内温度を測定し、
前記冷蔵・冷凍車(1)の最高速度、急加速、急ブレーキなど走行に関する走行データを車速センサ(15)で測定し、
前記冷蔵・冷凍車(1)に搭載した、無線LANモジュール(12)を備えたコントローラ(4)を用いて、配送先(2)である店舗に備えた無線LAN用のアクセスポイント(13)を経由しインターネット(6)へ接続して、この温度データ情報と走行データ情報を配送管理者(5)へ通知し、
その温度データ情報と走行データ情報を受けた配送管理者(5)は、前記温度センサ(9)で測定した温度データと適正温度値を比較する比較手段(20)と、該比較手段(20)が測定した温度データと設定温度を比較し、測定した温度データが設定温度を所定値範囲より相違する場合に、該冷蔵・冷凍車(1)の冷却装置(8)の温度設定を調節手段(25)で調節し、
該冷蔵・冷凍車(1)の冷蔵車又は冷凍車の別、コンテナ(3)の容量、配送ルートなどの冷蔵・冷凍車(1)に関する情報を格納する冷蔵・冷凍車情報データベース(23)と、外気温度と前記ドア(7)の開閉時間に応じたコンテナ(3)の庫内温度上昇に関する温度情報を格納する温度情報データベース(24)とを有する管理サーバ(17)により、
配送管理者(5)は、庫内温度の上昇があったときに、前記比較手段(20)と調節手段(25)により、前記温度情報データベース(24)で管理している庫内温度のデータを抽出することで前記冷却装置(8)の温度を調節し、直接各冷蔵・冷凍車(1)の運転者に注意喚起を行うと共に、
該配送管理者(5)は、最高速度、急加速、急ブレーキなど走行に関する該走行データ情報を管理サーバ(17)の冷蔵・冷凍車情報データベース(23)に格納してデータベース化することにより、多数台の冷蔵・冷凍車(1)の運転者が安全にかつ効率の良い走行をしているかについて集中的に管理する、ことを特徴とする。
本発明の配送管理システムでは、低温輸送を要する冷蔵食品等の鮮度の安全を確保するため、運転者に過度の負担をかけずに、冷蔵・冷凍車(1)におけるコンテナ(3)の庫内の温度管理を安価な費用で実施することができ、更に、運転者が安全にかつ効率の良い走行をしているかどうかの走行管理を同時に行うことができる。しかも、同時に多数台の冷蔵・冷凍車(1)の集中管理が可能である。
本発明の配送管理方法では、配送先(2)の店舗において無線LANを経由しインターネット(6)へ接続して冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)の庫内の温度データ情報を受信できるので温度管理を安価な費用で実施することができる。
本発明の実施例1の無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システムを示す概略図である。 冷蔵・冷凍車の装備を示す概略説明図である。 コントローラを示す正面図である。 配送管理システムの構成を示すブロック図である。 温度を制御する作業の流れを示すフローチャートである。 一連の配送作業を示すフローチャートである。
本発明の無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システムは、冷蔵・冷凍車の配送先になる店舗に備えた無線LANを経由してインターネットへ接続してコントローラからのコンテナの庫内の温度情報を配送管理者へ通知し、その温度情報を受けた配送管理者はその冷蔵・冷凍車の温度を監視するシステムである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
<配送管理システムの構成>
図1は本発明の実施例1の無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システムを示す概略図である。図2は冷蔵・冷凍車の装備を示す概略説明図である。図3はコントローラを示す正面図である。図4は配送管理システムの構成を示すブロック図である。
実施例1の冷蔵・冷凍車の配送管理システムは、冷蔵・冷凍車(1)が冷蔵食品等を、コンビニ、スーパーマーケット等の配送先(2)に低温で配送する際に、主にその冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)の庫内温度について管理するシステムである。運転席に備えられたコントローラ(4)から無線LANの情報通信網を利用して配送センター又は一元管理する管理センターのような配送管理者(5)からの操作により的確に温度管理するシステムである。
図1の図示例では、無線LANの情報通信網を経由し、インターネット(6)へ接続して冷蔵・冷凍車(1)のコントローラ(4)からコンテナ(3)の庫内の温度情報を配送管理者(5)へ通知している状態と、その温度情報を受けた配送管理者(5)が特定の冷蔵・冷凍車(1)について最適な設定温度に温度調節している状態を示す。この無線LANの情報通信網を経由し、インターネット(6)へ接続して冷蔵・冷凍車(1)を配送管理する対象は、このコンテナ(3)の庫内の温度管理に限定されない。例えば、運転者が店舗の順番を間違えず最適な配送ルートを走行しているかどうかを報知すること、逆に通常とは異なる道路を利用した場合には、その走行情報が配送先(2)の店舗に冷蔵・冷凍車(1)を停車した際に、配送管理者(5)はインターネット(6)へ接続して連絡され、その冷蔵・冷凍車(1)の運転者に最適な配送ルートに修正することを喚起することも可能である。
冷蔵・冷凍車(1)は、図2に示すように、冷蔵食品等を搭載する箱状の断熱機能を有するコンテナ(3)と、このコンテナ(3)の後部(運転席の反対位置)に手動と自動の両方の開閉が可能なドア(7)とを備えている。ドア(7)はコンテナ(3)の後部に限定されず、コンテナ(3)の側方に設けてもよい。
冷蔵・冷凍車(1)は、コンテナ(3)内の温度を一定に維持しながら輸送できる冷却装置(8)を備えている。冷却装置(8)は、コンプレッサー、コンデンサー及びエバポレーターとから成る。コンプレッサーは、冷媒を圧縮し、高温・高圧のガス状にしてコンデンサーに圧送する装置である。コンデンサーは、コンプレッサーから送られてきた高温・高圧ガスを外気で冷却し液化させる装置である。エバポレーターは、コンデンサーから送られてきた冷媒液を気化させ周囲の熱を奪いファンで強制循環させる装置である。更に、夜間の積み置き、予冷を可能にするために、外部電源でコンプレッサーを駆動させコンテナ(3)内を冷却するスタンバイユニットを備えることができる。
本発明の配送管理システムでは、冷蔵食品等を0℃〜10℃程度で低温輸送する冷却装置(8)を備えた冷蔵車(1)又は冷凍食品等を−25℃〜−15℃程度で低温輸送する冷凍車(1)が対象になる。因みに断熱壁のコンテナを備えた保冷車であるが冷却装置(8)を備えていない車両は、温度制御管理ができないために対象とならない。
コントローラ(4)は、図3に示すように、冷蔵・冷凍車(1)の運転席に備えられるもので、コンテナ(3)の庫内の温度調整と監視について運転席内で簡単に行う装置である。そのため、コンテナ(3)内の温度を計測する温度センサ(9)を備えている。この温度センサ(9)の測定値がコントローラ(4)の表示部(10)に表示される。更に、コントローラ(4)は、温度表示、温度管理以外に、その冷蔵・冷凍車(1)の積降中、走行中、待機中などの配送状態を表示する。
図4は配送管理システムの構成を示すブロック図である。
<コントローラの構成>
本発明のコントローラ(4)は、冷却装置(8)と共に冷蔵・冷凍車(1)の制御回路、RAM、ROMの記憶回路、演算回路による中央処理部(CPU)(11)と共に無線LANの情報通信網を利用できる無線LANモジュール(12)とを装備している。この無線LANモジュール(12)により、配送先(2)の店舗(コンビニ)における無線LANの情報通信網のアクセスポイント(13)を経由してインターネット(6)へ接続して冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)の庫内温度データをその配送先(2)の店舗(コンビニ)の認証サーバ(14)に通知すると共に、各立ち寄る配送先(2)(コンビニ)で温度と共に配送ルート等のデータを配送管理者(5)へ通知することにより、冷蔵・冷凍車(1)の追跡確認が可能になる。このとき無線LANを利用する際に、認証サーバ(14)で認証が確認された後でインターネット(6)を利用できる。
なお、無線LANモジュール(12)が組み込まれていないコントローラ(4)には、この無線LANモジュール(12)を後から追加することで、無線LANの情報通信網を利用できるようになる。この無線LANモジュール(12)はCPU内蔵であり、TCP/lPプロトコル、各種の認証が組み込まれているため、プログラム追加のみで無線LAN網に接続できるようになる。
無線LANモジュール(12)は、WEP,WPA,WPA2WPSなどのセキュリティの接続認証に対応している。既存のインフラを使い、そのままインターネット(6)に接続できるアプリケーションへ応用することができる。TELEC認証を取得しているため、無線LANモジュール(12)を追加することで、日本国内で使用することが可能になる。また、無線LANモジュール(12)はモジュールA/Dコンバータを内蔵しており、温度センサ9のようなセンサモジュールと接続でき温度取得が可能である。
なお、コントローラ(4)にはこのコントローラ(4)へ冷蔵・冷凍車(1)の位置情報を送るGPSモジュールを内蔵し、車速センサ(15)を接続し、またGPSモジュールにはGPSアンテナを接続することができる。
車速センサ(15)は、冷蔵・冷凍車(1)の車軸の回転数に応じた数の信号パルスを発信するもので、コントローラ(4)は車速センサ(15)からのパルスをカウンタで計数し、その計数値から速度情報を求め、記憶回路に記憶し、CPUが速度情報から演算を行い、走行距離、最高速度、急加速、急ブレーキなど走行に関する情報を集約する。運転者が安全に走行しているかどうかを、配送管理者(5)へ通知することができる。
コントローラ(4)の表示部(10)の表示は、例えば「積降」、「臨時便」、「休憩」、「店着」、「待機」等の文字を表示したものであるが、その冷蔵・冷凍車(1)の作業内容によって自由に変更が可能である。このコントローラ(4)の表示部(10)の項目に対応する操作部(16)となる操作ボタンはその直下に配置した。
コントローラ(4)は、温度センサ(9)で測定される温度データを無線LANを経由し、インターネット(6)に接続して配送管理者(5)の管理サーバ(17)間で送受信する。
<管理サーバの構成>
各冷蔵・冷凍車(1)の配送を集中管理する配送管理者(5)には、管理サーバ(17)が備えられている。この管理サーバ(17)は、図4に示すように、例えばCPUなどの情報処理装置によって構成され、通信部、受信部・送信部(18)、入力手段(19)、比較手段(20)、判定手段(21)と注意警告手段(22)とから成る。更に、冷蔵・冷凍車(1)の冷蔵車又は冷凍車の別、コンテナ(3)の容量、配送ルートなどの冷蔵・冷凍車(1)に関する情報を格納する冷蔵・冷凍車情報データベース(23)と外気温度とドア開閉時間に応じたコンテナ(3)の庫内温度上昇に関する温度情報を格納する温度情報データベース(24)とを有する。この温度情報データベース(24)で管理している庫内温度のデータを抽出することで、庫内温度の上昇があったときに、冷却装置(8)の設定温度を管理する。
コントローラ(4)は温度センサ(9)での温度データを受けるが、適正温度値も予め記憶され、温度センサ(9)での冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)の庫内温度と設定温度値を比較する比較手段(20)を有し、この比較手段(20)での比較条件が成立した場合にコントローラ(4)に予め記憶されている冷蔵・冷凍車(1)の車両番号と合わせて、温度センサ(9)で測定した温度データを配送先(2)で積降する毎に管理サーバ(17)に送信することができる。
また、管理サーバ(17)には、比較手段(20)は、温度センサ(9)が測定した冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)の庫内温度と設定温度値の比較結果が一定基準にないと判断し、このことをコントローラ(4)の表示部(10)に表示すると共に、スピーカやブザー等の音声等の報知部(26)で警告する注意警告手段(22)を備えた。
<配送管理方法>
本発明の配送管理方法では、冷蔵・冷凍車(1)の配送時にコンテナ(3)の庫内の保冷管理を行うもので、温度センサ(9)で測定する冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)の庫内温度は温度データとしてコントローラ(4)に導入される。
また、コントローラ(4)の表示部(10)に対応する操作ボタン(操作部)(16)を押すことで、各作業がコントローラ(4)に入力される。例えば、配送先(2)のコンビニに着いた時に「店着」の操作ボタン(16)を押せば「店着」と記載された表示部(10)が例えばオレンジ色に変わり、その内容が作業入力データとしてコントローラ(4)に入力される。
更に、冷蔵・冷凍車(1)の配送状態について、配送管理者(5)に報告すべき項目「店着」の操作ボタン(操作部)(16)を押すだけで、GPSからの位置情報やコントローラ(4)により労務管理に関する情報を簡単に入力することができる。しかも、GPSの標準搭載により、経由地点や積み降し場所、休息地点などの位置に関する情報が自動採取でき、日付、時刻、距離、場所、業務内容などの関連付けができるようになる。
また最高速度、急加速、急ブレーキなど走行に関するデータも車速センサ(15)から管理サーバ(17)の冷蔵・冷凍車情報データベース(23)に格納される。
これらの温度データや作業入力データや走行に関するデータは、無線LANを利用できる配送先(2)の店舗に冷蔵・冷凍車(1)を停車した際に、配送管理者(5)にインターネット(6)に接続して連絡され、管理サーバ(17)に送られ、ここでデータベース化される。
温度センサ(9)で測定した冷蔵・冷凍車(1)の庫内の温度データは、管理サーバ(17)の比較手段(20)で適正温度値を比較し、比較が成立したならば、管理サーバ(17)の温度情報データベース(24)に格納される。併せて、車両番号等と共に無線LANを経由しインターネット(6)に接続して、コントローラ(4)に送られる。
<システム動作>
図5は実施例2の配送管理システムで温度を制御する作業の流れを示すフローチャートである。
実施例2の配送管理システムにおける管理サーバ(17)には、冷蔵・冷凍車(1)のコントローラ(4)から冷却装置(8)に関する上限設定温度情報が入力される。例えば、冷却装置(8)の使用温度について上限設定温度値が、コントローラ(4)から入力される。冷蔵・冷凍車(1)が冷蔵車であれば上限設定温度を例えば0℃〜15℃の範囲内で温度設定する。また、冷凍車であれば上限設定温度を例えば−35℃〜−18℃の範囲内で温度設定する。これらの上限設定温度は一例であり、冷蔵食品、冷凍食品の種類に応じて決められることは勿論である。
管理サーバ(17)の通信部、受信部・送信部(18)は、無線LANを用いて冷蔵・冷凍車(1)の冷却装置(8)の使用温度情報を受信する。勿論、この通信部、受信部・送信部(18)からはその冷蔵・冷凍車(1)の温度データを受信することができる。本発明のように各冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)内の温度を計測するときは、コンテナ(3)内に取り付けた温度センサ(9)で測定する。
管理サーバ(17)の比較手段(20)は、商品の配送中におけるコンテナ(3)の庫内温度と、入力手段(19)又はコントローラ(4)から入力された上限設定温度とを比較する。この比較手段(20)による比較の結果について、管理サーバ(17)の判定手段(21)は、コントローラ(4)等の入力手段(19)に入力された上限設定温度を超えるときに、その冷蔵・冷凍車(1)の冷却装置(8)の冷却温度を下げると判定する。例えば、上限設定温度値を「5℃」としたときに、配送中にドア(7)の開放時間が長いとき、または外気温が高くかつ風が強く庫内の温度上昇が高くなったときに、冷却装置(8)の設定温度を下げると判定する。
特に、本発明のシステムは、この判定手段(21)により冷蔵・冷凍車(1)の冷却装置(8)の設定温度を下げると判定されたときは、調節手段(25)からそのコマンドが無線LANを経由しインターネット(6)へ接続して伝送され、コントローラ(4)の冷却装置(8)の設定温度を下げるように動作制御する。
逆に上限設定温度を超えていないときは、管理サーバ(17)の判定手段(21)は、その設定温度を維持すると判定する。なお、上限設定温度を超えていないが、温度が下がり過ぎて0℃より低くなり、冷蔵食品が氷結すると却って不具合が発生する。そのときは、管理サーバ(17)の判定手段(21)は、その設定温度を上げると判定する。この判定手段(21)により冷蔵・冷凍車(1)の冷却装置(8)の設定温度を上げると判定されたときは、調節手段(25)からそのコマンドが無線LANを経由しインターネット(6)へ接続して伝送され、コントローラ(4)の冷却装置(8)の設定温度を上げるように動作制御する。
なお、本発明は、無線LANの情報通信網を利用することで、運転者に過度の負担を強いることなく、低温輸送を要する弁当、おにぎり、冷蔵食品等について、冷蔵・冷凍車(1)の庫内の温度管理を安価な費用で実施することができれば、上述した発明の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
本発明の無線LANを利用した冷蔵・冷凍車(1)の配送管理システム及びその配送管理方法は、コンビニへ冷蔵商品又は冷凍商品の配送に限定されず、冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)内において温度、水温、空気混入量等の数値を管理しながら運搬する必要がある運搬車であれば利用することができる。また、配送先(2)はコンビニ以外にスーパーマーケット、レストラン、ホテルなどがある。
1 冷蔵・冷凍車
2 配送先
3 コンテナ
4 コントローラ
5 配送管理者
6 インターネット
9 温度センサ
12 無線LANモジュール
13 アクセスポイント
17 管理サーバ
20 比較手段
22 注意警告手段

Claims (3)

  1. 冷蔵食品、冷凍食品のような低温を維持しながら配送する冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)の庫内の温度管理と共に走行管理をする無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システムであって、
    手動と自動の両方の開閉が可能なドア(7)を備えた、冷却装置(8)を有する冷蔵・冷凍車(1)と、
    前記冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)の庫内に設置した温度センサ(9)と、
    前記温度センサ(9)で前記コンテナ(3)の庫内温度を測定し、この測定した温度データ情報の通信を可能にする無線LANモジュール(12)を備えた、前記冷蔵・冷凍車(1)に搭載したコントローラ(4)と、
    前記コントローラ(4)に接続した、前記冷蔵・冷凍車(1)の最高速度、急加速、急ブレーキなど走行に関するデータを測定する車速センサ(15)と、
    前記コントローラ(4)の無線LANモジュール(12)と情報通信を可能にするために、配送先(2)である店舗に備えた無線LAN用のアクセスポイント(13)と、
    前記冷蔵・冷凍車(1)の温度管理と走行管理をするために、配送管理者(5)に備えた、前記温度センサ(9)で測定した温度データと適正温度値を比較する比較手段(20)と、該比較手段(20)が測定した温度データと設定温度を比較し、測定した温度データが設定温度を所定値範囲より相違する場合に、該冷蔵・冷凍車(1)の冷却装置(8)の温度設定を調節する調節手段(25)と、
    該冷蔵・冷凍車(1)の冷蔵車又は冷凍車の別、コンテナ(3)の容量、配送ルートなどの冷蔵・冷凍車(1)に関する情報を格納する冷蔵・冷凍車情報データベース(23)と、外気温度と前記ドア(7)の開閉時間に応じたコンテナ(3)の庫内温度上昇に関する温度情報を格納する温度情報データベース(24)とを有する管理サーバ(17)と、から成り、
    前記冷蔵・冷凍車(1)の配送先(2)になる店舗に備えた無線LANを経由し、インターネット(6)へ接続して前記コントローラ(4)からコンテナ(3)の庫内の温度データ情報は、前記配送管理者(5)の管理サーバ(17)へ通知され、
    その温度データ情報を受信した該管理サーバ(17)では、庫内温度の上昇があったときに、前記比較手段(20)と調節手段(25)により、前記温度情報データベース(24)で管理している庫内温度のデータを抽出することで前記冷却装置(8)の設定温度が管理されると共に、
    前記車速センサ(15)が測定した、走行距離、最高速度、急加速、急ブレーキなど走行に関する走行データ情報は、前記配送管理者(5)の管理サーバ(17)へ通知され、その走行データ情報を受信した該管理サーバ(17)の冷蔵・冷凍車情報データベース(23)に格納されてデータベース化されることにより、同時に多数台の冷蔵・冷凍車(1)の運転者が安全にかつ効率の良い走行をしているかについて集中管理される、ことを特徴とする無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システム。
  2. 前記配送管理者(5)に備えた管理サーバ(17)は、前記比較手段(20)が測定した温度データと設定温度を比較し、測定した温度データが設定温度を所定値範囲より相違する場合に警報を発する注意警告手段(22)を有する、ことを特徴とする請求項の無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理システム。
  3. 冷蔵食品、冷凍食品のような低温を維持しながら、冷却装置(8)を有する冷蔵・冷凍車(1)で配送する無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理方法であって、
    前記冷蔵・冷凍車(1)のコンテナ(3)に設置した温度センサ(9)でその庫内温度を測定し、
    前記冷蔵・冷凍車(1)の最高速度、急加速、急ブレーキなど走行に関する走行データを車速センサ(15)で測定し、
    前記冷蔵・冷凍車(1)に搭載した、無線LANモジュール(12)を備えたコントローラ(4)を用いて、配送先(2)である店舗に備えた無線LAN用のアクセスポイント(13)を経由しインターネット(6)へ接続して、この温度データ情報と走行データ情報を配送管理者(5)へ通知し、
    その温度データ情報と走行データ情報を受けた配送管理者(5)は、前記温度センサ(9)で測定した温度データと適正温度値を比較する比較手段(20)と、該比較手段(20)が測定した温度データと設定温度を比較し、測定した温度データが設定温度を所定値範囲より相違する場合に、該冷蔵・冷凍車(1)の冷却装置(8)の温度設定を調節手段(25)で調節し、
    該冷蔵・冷凍車(1)の冷蔵車又は冷凍車の別、コンテナ(3)の容量、配送ルートなどの冷蔵・冷凍車(1)に関する情報を格納する冷蔵・冷凍車情報データベース(23)と、外気温度と前記ドア(7)の開閉時間に応じたコンテナ(3)の庫内温度上昇に関する温度情報を格納する温度情報データベース(24)とを有する管理サーバ(17)により、
    配送管理者(5)は、庫内温度の上昇があったときに、前記比較手段(20)と調節手段(25)により、前記温度情報データベース(24)で管理している庫内温度のデータを抽出することで前記冷却装置(8)の温度を調節し、直接各冷蔵・冷凍車(1)の運転者に注意喚起を行うと共に、
    該配送管理者(5)は、最高速度、急加速、急ブレーキなど走行に関する該走行データ情報を管理サーバ(17)の冷蔵・冷凍車情報データベース(23)に格納してデータベース化することにより、多数台の冷蔵・冷凍車(1)の運転者が安全にかつ効率の良い走行をしているかについて集中的に管理する、ことを特徴とする無線LANを利用した冷蔵・冷凍車の配送管理方法。
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