JP2005032273A - 移動体搭載端末装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】車両等の移動体の運行管理を行う装置に関し、搭乗者の作業忘れ、作業間違いを防止することを目的とする。
【解決手段】移動体搭載端末が搭載される移動体を用いた作業内容を示す作業情報を、当該作業がなされるべき場所の位置情報に対応付けて記憶する記憶手段と、移動体の現在位置を判別する位置判別手段と、表示手段と、位置判別手段により前記作業がなされるべき場所に前記移動体が近づいたことが判別された場合、前記記憶手段より当該場所の位置情報に対応する作業情報を検索する制御部とを備え、検索された作業情報を前記表示部に表示することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両等の移動体の運行管理を行う装置に関する。
なお、以下本明細書では車両について説明を行うが、船舶・航空機等の各種移動体に適用可能なことはいうまでもなく、人が携帯して移動する端末装置等のようなものであっても本発明は適用可能である。
従来より、車両等の効率的な運行を達成するために、あるいは車両の乗務員の労務管理のために、移動体の運行管理を行っていた。以下、車両を例にして説明する。
従来の車両運行管理方法としては、運行の内容を日報に記録するなどの方法が取られていた。例えば、乗客を車両に乗せるような場合、運転手は乗客を乗せた区間を、その料金等とともに日報に記入し、事務所帰着後に日報として提出するといった方法がとられていた。また荷物の集配などの場合には、運転手(乗務員)が配送先などに到達するごとに、到着した配送先、到着時刻等を日報に記入していた。
また、車両の移動距離を後で確認できるように車両にタコグラフが取り付けられており、車両が事務所に帰着した後に日報の作業内容から求めることができる車両の移動距離とタコグラフの記録との突き合わせを行い、日報の記載内容が正しいかどうかの検証が行われていた。
更に他の方法として、車両毎に車載端末装置を取り付け、これを用いて車両の運行状況を入力するという方法が取られていた。
図33は、従来の運行管理を行うための車載端末装置を示す図面である。
図33に示されるように、従来の車載端末装置には情報を入力するための各種キーが設けられている。各キーには、それぞれの作業内容に対応した機能が割り当てられており、キーを押下することで作業内容を入力することができる。
作業内容としては、始業、終業、出発、荷物の積卸し、休憩、待機、一般道路走行、高速道路(有料道路)走行、車両の点検、洗車などがある。また、例えば有料道路を通行する場合には、どれだけの通行料金がかかったのかを記録する必要があるので、通行料金を入力するために、車載端末装置にはテンキーが備えられている。
このような車載端末装置を用いて情報の入力を行う場合には、運転手は行った作業に対応する車載端末装置のキーを操作して、その時点での作業内容を入力する。例えば、事務所から配送業務に出発する場合には、運転手は「出発」のキーを押下する。また、荷物の配送先で荷物の積卸しを行う場合には、運転手は「積卸し」のキーを押下する。このように、作業が発生する度に運転手によって車載端末装置が操作され、作業内容を示す情報が入力されていた。
しかし、このような従来技術においては、操作者が行った作業を記録することができても、操作者が行うべき作業を作業者に対して通知することはできない。
従って、作業者は自身が行うべき作業を間違えたり、忘却してしまうという問題があった。
本発明は、搭乗者が行うべき作業を的確に指示することにより、搭乗者の作業忘れ、作業間違いを防止することを目的とする。
また、移動体に搭載される移動体搭載端末装置において、当該移動体搭載端末が搭載される移動体を用いた作業内容を示す作業情報を、当該作業がなされるべき場所の位置情報に対応付けて記憶する記憶手段と、前記移動体の現在位置を判別する位置判別手段と、表示手段と、前記位置判別手段により前記作業がなされるべき場所に前記移動体が近づいたことが判別された場合、前記記憶手段より当該場所の位置情報に対応する作業情報を検索する制御部とを備え、前記検索された作業情報を前記表示部に表示することを特徴とする。
また、前記移動体搭載端末装置において、前記制御部は、前記作業情報とともに当該場所を識別する情報を読み出して、前記表示部に前記作業情報とともに表示させることを特徴とする。
以上述べた通り、本発明によれば、位置情報と作業指示を対応付け、その場所に近づくと、搭乗者に対しての作業指示を通知するという構成を取ることにより、搭乗者の作業忘れ、誤作業を防止することが可能となる。
図1は、本発明の一実施例による車載端末装置の構成を示すブロック図である。
本実施例による車載端末装置は、例えば運送業者の事務所に属する各車両毎に搭載されるものであり、この車載端末装置によって車両の運行管理等を行う。
図1において、10は車載端末装置を示す。また、11は入力部であり、運転手毎に与えられた識別記号や、車両毎に与えられた識別記号等が入力されるものである。12は記憶部であり、車両(あるいは車両端末装置)毎に固有に与えられる識別記号を記憶するものである。13は照合部であり、記憶部に記憶されている車両識別記号と、入力手段より入力された車両識別記号とを照合するものである。14は制御部であり、照合部による照合の結果に応じて、車両のエンジンの始動・停止等の制御を行うものである。このエンジンの始動・停止の制御の詳細については、後述する。また、制御部は車載端末装置自体の動作も制御するものである。
図2は、車載端末装置のその他の例を示すものである。
車載端末装置20において、21は入力部である。入力部は図1のものと同様に各種の識別記号等が入力されるとともに、その他の車両運行情報等が入力される。入力部としては、例えばキーボード、ICカードリーダ、無線などの通信制御部等の、よく知られた入力手段を使用することができる。
22は記憶部であり、その内部は更に第一の領域221、第二の領域222の複数の領域に分割されている。第一の領域221には車両固有の識別情報(ID)が記憶されている。また第二の領域222には、入力手段より入力された車両ID情報並びに運転手ID情報が一時的に記憶される。
照合部23は、記憶部の第一の領域221に記憶されている車両ID情報と、記憶部の第二の領域222に記憶されている車両ID情報とを比較・照合し、その照合結果を出力する。
制御部24は、照合部による車両ID情報照合の判定結果に基づいて、車両のエンジンの始動・停止を制御するものである。また、制御部は車載端末装置の動作も制御するものである。
図3は、車載端末装置のその他の構成の例を示す図面である。
車載端末装置30において、31は入力部である。入力部には、車両各部に取り付けられたセンサの出力信号32が入力している。各センサは、それぞれセンサが取り付けられた位置の状態を判別して、その結果に応じて信号を出力するものである。
33は記憶部であり、それぞれ331は第一の記憶部、332は第二の記憶部である。第一の記憶部331は、各センサの出力信号の状態とそれに対応する車両の状態を示す情報を対応づけて記憶するものである。
34は判別部であり、入力部に入力されたそれぞれのセンサ出力信号に基づいて第一の記憶部を参照し、これによって車両の現在の状態を判別するものである。この車両状態を示す情報は、例えば車両の運行状況を示す情報(発進、停止、荷卸等)である。
第二の記憶部332は、判別部によって判別された車両の状態に関する情報を記憶するものであり、この情報は例えば所定の時間間隔、あるいは指定された場合などに発生する。この点については,詳細を後述する。
35は位置判別部であり、車両の現在位置を判別するものである。車両位置判別の方法としては、例えばGPS(GROBAL POSITIONING SYSTEM )などを用いて 判別することが出来るが、位置判別の方法はGPSに限定されるものではなく、その他の手段を用いても差し支えない。位置判別部によって判別された車両の現在位置に関する情報は、例えば第二の記憶部にその時点での車両状態情報と対応させて記憶することができる。このような対応関係で情報を記憶することによって、どの地点でどのような作業が行われたかを後に、例えば車両が事業所に帰還した後に確認することができる。
36はカードリーダ/ライタであり、車載端末装置の外部より装着されるICカード37のような媒体に情報を書き込んだり、媒体から情報を読みだしたりするためのものである。ICカードは比較的大きな記憶容量を持つため、このICカードを前述の第二の記憶部とし、判別部により判別された車両状態に関する情報をICカードに格納させるようにしてもよい。この場合、車載端末装置には第二の記憶部を設けなくともよいが、車載端末装置に第二の記憶部を設けることは何ら差し支えがない。
38は出力部である。出力部は、運転手に対して通知する必要がある各種の情報を出力するものである。車載端末装置30は車両各部に取り付けられたセンサの出力に応じて車両の状態を判別することができるが、センサ出力のみでは車両の状態を一義的に、正確に把握することができない場合がある。このような場合、出力部から運転手に対して、運転手が行った作業の内容や現時点での車両の状態を示す情報の入力を促すメッセージが出力される。出力部としては、図3の場合はスピーカが使用され、音声によるメッセージが出力されるが、この他にもディスプレイを用いて各種メッセージを表示させるようにしてもよい。出力手段としては、この他にも運転手に対してメッセージを伝えることができる様々な装置を使用することができる。
図4は、本発明による車両運行管理システムの実施例の構成を示す図面である。この運行管理システムは、例えば事業所に設置された上位装置であるコンピュータと、1乃至は複数の車載端末装置とで構成されている。
図において、41は上位装置であるコンピュータ(以下上位装置)、42は車載端末装置を示す。
上位装置において、411は車両データベースであり、各車両固有の情報(ナンバー、積載量等)や、車両毎の運行状況に関する情報が記憶されるものである。また、412は運転手データベースであり、事業所に所属する運転手毎の情報(氏名、運転免許証の種類等)とともに、運転手毎の作業内容(日時と作業内容など)を記憶するものである。これらのデータベースに記録された情報は、車両の運行管理や運転手の労務管理などに使用される。
413は作業指示情報作成部であり、車両(車両に搭乗する運転手)に対して作業の内容を指示する作業指示情報を作成するものである。また、414は作成された作業指示情報を車載端末装置に対して伝達する伝達部である。伝達部としては、例えば無線通信制御装置を用いることができ、この場合には作業指示情報が無線によって車載端末装置に伝達される。また、伝達部としてはICカードリーダ/ライタを使用することができ、この場合には作業指示情報をICカードに書き込む。
また、上位装置にはこれらの各装置を制御する制御部415が備えられている。更に、各種の情報を出力するための表示手段や印刷手段などの出力手段、各種の情報を入力するための入力手段416を持っていてもよい。
一方、車載端末装置において、421は伝達手段であり、上位装置から伝達された作業指示情報を受けるものである。この伝達手段としては、上位装置に備えられた伝達手段の種類に対応したものを使用すればよく、例えば上位装置にICカードリーダ/ライタが備えられている場合には、車載端末装置にもICカードリーダ/ライタを備えればよい。そして、車載端末装置に備えられたICカードリーダ/ライタにICカードを装着し、ICカードに書き込まれた作業指示情報を読みだす。
なお、上位装置、車載端末装置それぞれに備えられた伝達部は、車載端末装置から上位装置に対する情報の伝達も行う。
また、422は伝達部により上位装置から伝達された作業指示情報を記憶するための記憶部である。
車載端末装置には、上位装置の場合と同様に装置全体の動作を制御する制御部423が設けられている。また、必要に応じて作業指示情報等の各種情報を出力する表示部やスピーカ等の出力部、情報を入力するためのキーボード等の入力部424を備えるようにしてもよい。
図4の車載端末装置には、図1から図3に示された車載端末装置に備えられた各手段の一部あるいは全てが追加して備えられていても全く差し支えない。図1から図4に示された車載端末装置の構成を適宜組み合わせることによって、車載端末装置に様々な機能を与えることが可能となる。
以上、本発明の実施例の概要を説明した。詳細については以下に述べる。
図5は、本発明の実施例による車両運行管理システム(以下管理システムともいう)を示す図面である。図5に図示される通り、この実施例による管理システムは主に、営業所に設置されるホストコンピュータ(以下コンピュータ、あるいは営業所コンピュータともいう)51、それぞれの車両に搭載される車載端末装置(以下端末装置ともいう)52、各運転手毎に配付され運転手が所有するICカード53より構成される。
コンピュータには、営業所に所属する運転手毎のID番号、氏名、運転免許証種類などの情報や、運転手が行った作業の状況が記憶・管理される運転手データベース511と、営業所に配備された車両のID番号、車種、車両ナンバーなどの情報や各車両の運行状況が記憶・管理される車両データベース512とが備えられている。営業所では、これらのデータベースに記憶された情報を参照することによって、車両の運行状況を把握することができ、必要に応じて車両の運行計画をたてたり、車両の保守等を行うべき時期を確認したりできる。また、運転手毎の作業状況を確認することができるため、運転手の労務管理を行うことも可能となる。
車載端末装置52は、営業所(コンピュータ)から与えられるその日に行われるべき作業内容等を指示する作業指示情報を受け取るとともに、車両の運行中に発生する各種の作業報告情報を収集して、収集された作業報告情報をコンピュータに送る。コンピュータでは、車載端末装置から収集した各種の作業報告情報を車両毎、運転手毎に分類し、分類された情報に基づいて車両データベース、運転手データベースをそれぞれ更新し、必要に応じて作業日報等を出力する。
この実施例の場合には、コンピュータから車載端末装置に対して作業指示情報を送る、あるいは車載端末装置から作業報告情報をコンピュータに送る方法が二通りある。
一つ目の方法としては、運転手毎に配付されたICカードを介して行う方法である。もう一つの方法は、コンピュータと車載端末装置との間で無線通信を行う方法である。
ICカードを用いて情報の伝達を行う場合には、営業所コンピュータに接続されたICカードリーダ/ライタでICカードに作業指示情報を書き込み、車載端末装置に設けられたICカードリーダ/ライタでICカードに書き込まれた作業指示情報を読みだす。また、車両運行中に発生した作業報告情報を車載端末装置のICカードリーダ/ライタでICカードに書き込み、これを営業所に設けられたICカードリーダ/ライタに装着し、ICカードに書き込まれた作業報告情報を読みだす。この動作の詳細については、後述する。
なお、この実施例ではICカードを情報伝達の手段としているが、可搬式に記憶媒体であればこれ以外の記憶媒体を使用することができる。記憶媒体の種類としては、例えば磁気ディスク、磁気カード等があり、記憶媒体の種類は一切問わない。
無線によってコンピュータと車載端末装置との間の通信を行う場合には、コンピュータと車載端末装置との間で携帯電話、その他の無線通信手段を用いる。この場合には、車両にアンテナを設置する必要がある。そして、このような無線通信手段を用いて、コンピュータと端末装置との間の作業指示情報や作業報告情報の通信を行う。
無線による通信を利用した場合には、作業指示内容が車両運行途中で変更になった場合に、変更された作業指示内容を営業所から車両に即時通知することができ、作業指示内容の変更に柔軟に対応することができる。また、各車両で発生した作業報告情報をリアルタイムで営業所に通知することができる。そのため、営業所では各車両の現在位置等の作業内容を即座に把握することができる。そして、例えば道路の混雑時や荷物の配送順次を変える必要がでた場合に、車両の運行経路・配送順序の変更等の様々な指示を各車両の運転手に即時に通知することができる。道路の混雑などの状況は、各車両から送られてくる運行状況、特に時間毎の車両の位置を確認することによって推測することができる。
このように、無線によってコンピュータと車載端末装置との情報伝達を行うことにより、運転手は、営業所に帰還することなく作業内容の変更を知ることができる。
ここで、ICカードと無線とを併用してもよく、例えば通常の作業指示情報等はICカードで伝達し、追加指示が発生した場合などには無線によって通知を行ってもよい。
図6は一実施例の車両運行管理システムの構成を示した図面であり、特に車両運行中の車載端末装置の動作の概要について説明する図面である。
図6に示されるように、車両60には車載端末装置61が設置されている。車載端末装置は車両に固定されていてもよく、また必要に応じて取り外しが可能なようにしてもよい。
車載端末装置には、GPSレシーバ62、携帯電話等の無線通信手段63、車両の各部に取り付けられたセンサ類64が接続される。また、車両にはGPS衛星69から送られる位置情報等を受信するためのGPSアンテナ621が取り付けられており、受信した信号に基づいてGPSレシーバが車両の現在位置を判別している。
更に、車載端末装置には、運転手に対して作業指示内容を伝えるためのガイダンス情報を表示するための表示手段65、運転手が音声によって作業内容等を入力するためのマイク66が取り付けられている。また、車載端末装置には、運転手が所持するICカード67を装着するためのICカードリーダ/ライタ(図示せず)が設けられている。
車載端末装置61と営業所68との間では、携帯電話等の無線通信手段によりデータ通信が行われ、作業指示情報、作業報告情報その他の情報が通信される。
図7は運転手データベースの詳細な内容を説明する図面である。営業所に所属するそれぞれの運転手には、個別の運転手を識別するためのID番号73が与えられている。そして、運転手データベース内では、営業所に所属する各運転手がこのID番号によって管理されている。
運転手データベース70には、運転手自身に関する情報71と、各運転手による作業の状況に関する情報72とが互いに対応づけて格納されている。
運転手情報としては、運転手毎のID番号に対応して各運転手の氏名、各運転手が所持している運転免許証の種別などの情報が格納される。運転手が運転できる車両は、その運転手が所持する運転免許証の種類によっては制限を受けるため、各運転手が運転することができる車両種別を特定することができるように、運転手データベースには各運転手が所持する運転免許証種別が記録されている。この運転免許証種別は、運転免許証に対応しない種別の車両に運転手を乗務させないようにするための情報として用いられる。
作業情報を記憶する欄には、それぞれの運転手が作業(車両に乗務して行った作業)を行った日時、作業時に運転手が乗務した車両のID番号等が、各運転手のID番号に対応して格納されている。図7の場合には“10月31日”の作業内容のみが格納されているが、作業情報としてはある月度あるいは年度単位に、あるいは全く任意の期間における各運転手の作業情報を運転手データベースに記憶させるようにすればよい。作業情報が記録されるべき期間については特に限定はなく、運用上必要となる期間について作業情報を記憶すればよい。
図7を例にとると、ID番号が“000001”である運転手は“星野”という名前であり、“星野”が所持する運転免許証種別は“大型特殊免許”であることが記憶されている。そして“星野”が10月31日の午前9時から午後3時にかけて、ID番号が“1010”の車両に乗務していたことが記録されている。なお、図7の場合には車両の経路や作業内容と場所・時間などの情報は記載されていないが、これらの情報も運転手データベースに記録することによって、更に詳細な作業情報を得ることができるようになる。
各運転手の乗務状況を確認するなど、労務管理を行うために運転手毎の作業状況をしる必要がある場合には、図7の運転手データベースを検索して、各運転手毎の作業情報など必要となる情報を出力すればよい。
図8は、車両データベースの詳細を示す図面である。営業所に配置された各車両には、それぞれID番号が与えられている。車両データベースでは、各車両はこのID番号によって管理されている。
車両データベース80には、車両毎のID番号に対応して、車両に搭載される車両コンピュータ(車載端末装置)の構成を示す情報81、それぞれの車両自体の情報82、各車両毎の運行状況に関する情報などが格納されている。
車載端末装置の構成を示す情報が格納される欄には、それぞれの車両に搭載される車載端末装置の種別を示す情報が格納されている。例えば、車両ID番号が“1010”の車両には無線型の車載端末装置が搭載されており、営業所とは無線により各種情報の伝達を行うことがわかる。また、車両ID番号が“0101”の車両にはカード型の車載端末装置が搭載されており、コンピュータとの間の情報の伝達はICカードなどの媒体を用いて行う必要があることがわかる。コンピュータはこの車載端末装置の種別情報に基づいて、情報を伝達するための手段を選択する。
また、車載端末装置の構成を示す情報が格納される欄には、更に情報の収集指示に関する情報が格納されている。
車載端末装置は、その運行中に車両の移動距離、その時点での移動速度などに関する情報を収集する。この情報収集は、予め設定された時間間隔、あるいは所定距離車両が移動する毎に実施される。車両データベースに格納された“収集指示”は、これらの車両運行情報(作業情報)を収集するための時間間隔、移動距離を示したものである。
例えば車両ID番号が“1010”の車両の場合には、作業情報の収集を500ミリ秒が経過する毎に、あるいは車両が1メートル移動する毎に行われることが示されている。ここで、500ミリ秒、1メートルという数値は、従来タコメータによって車両の移動距離などの情報を収集していた情報収集間隔を準用したものである。
また、車両ID番号“0101”の車両の場合には、情報の収集はそれぞれ10秒経過毎に、あるいは100メートル車両が移動する毎に行われることが示されている。
車両データベースの車両情報の欄には、それぞれの車両の車種、車両番号等が格納されている。また、運行情報の欄には、それぞれの車両が運行した日時、走行距離その他必要に応じた情報が格納される。その他の情報としては、例えば車両の運行経路、車両の燃料消費量等の情報を含めることができる。図8の場合には、運行情報は10月31日の情報のみが記載されているが、運転手データベースの場合と同様に、情報を記録する期間は月度、年度、その他の任意の期間に発生した運行情報を格納するようにしてもよい。
図8の場合について説明すると、車両ID番号が“1010”の車両は大型車両でありその車両番号は“相模 33 は 0579”であること、10月31日にはその運行中に1300キロメートル走行したことが記録されている。その他の車両についても、同様の情報が記録されている。図8の場合も詳細な車両経路や作業内容等は図示されていないが、これらの詳細な情報が車両データベースに記録されていてもよい。
各車両毎の運行状況を知りたい場合には、車両データベースを検索し、運行情報など必要となる情報を収集すればよく、これに基づいて車両の保守点検の必要の有無を判断することができる。例えば、車両データベースから車両の通算の走行距離を読みだすことにより、走行距離に基づいてその車両に整備が必要か否かを判断することが可能となる。また、車両データベースから各車両の稼働状況を把握することが可能となり、これに基づいてより効率的な車両の運用方法を検討することができる。
また、後述するように、車両データベースには車両の移動経路・移動に要した時間等も記録されるため、どの経路を通れば最も所要時間を短縮することができるかなど、車両の効率的な運行を実現するための車両の運行経路等についても検討することが可能となる。
図9は、運転手が所持するICカードの構成例を示す図面である。図9では、特にメモリ領域の構造が図示されている。
この実施例による車両運行管理システムでは、各運転手毎にICカードが配付されており、運転手が車両に乗務する場合にはICカードを車載端末装置のICカードリーダ/ライタに装着する。ICカード内には、運転手固有のID番号が固定的に記憶されており、ICカードから運転手ID番号を読みだすことによって、現在車両を使用している運転手がだれであるかを判別することができる。
図9に示されるように、ICカード90内はプログラム領域91とメモリ領域92とに領域が大別される。プログラム領域には、ICカードを動作させるためのプログラムが格納されている。
メモリ領域は更に、システム領域93とファイル領域94とに分けられている。システム領域には、前述の運転手固有の運転手ID番号95が格納されている。運転手ID番号は、図9に図示されるように例えば六桁の数字で与えられているが、この桁数は任意である。
システム領域は更に、ファイルの管理情報を記憶するファイル管理領域96が設定されている。ファイル管理領域には、それぞれのファイル名、ファイルが格納されているファイル領域の番地、ファイルの大きさや、各レコードの長さ・大きさに関する情報が格納されている。
また、ファイル領域には、後述する作業指示情報、車載端末装置で収集される作業・運行に関する情報が格納される。
なお、この実施例ではICカードとして、無線によりカードリーダ/ライタとの間の情報の送受信を行う非接触型のICカードが用いられている。
従来の接触型ICカードの場合には、カード表面に電極が露出している。ここで、車両を用いた作業、特に荷物の集配作業などの場合には、ICカードが屋外で使用されることも多く、天候などの車両が置かれる環境もあまりよいものではない。そのため、このような車両に接触型のICカードを用いると、ほこりなどによるICカードの電極の汚損、水滴や静電気によるカード自体の破壊などの不都合が生じる可能性が非常に高く、接触型のICカードを用いることは望ましくない。
これに対して、非接触型ICカードではカード表面に電極が露出していない。そのために、防塵・防水性は接触型ICカードよりも勝っており、接触不良も生じないので、悪環境下での使用が考えられる車両運行管理システムに利用するICカードは、このような非接触型ICカードが望ましい。ただし、車載端末装置の使用環境がそれほど悪くはない場合には、従来の接触型ICカードを用いても何ら差し支えはない。
図10は、車載端末装置の内部を示す図面である。
車載端末装置には、既に述べた通り、車両固有に与えられた車両ID番号が固定的に記憶されている。
車載端末装置(車両コンピュータ)100の内部は、大きくプログラム領域101とメモリ領域102とに分けられる。プログラム領域には、車載端末装置を動作させるためのプログラムが格納されている。
メモリ領域は更に、システム領域103と作業領域104とに分けられる。システム領域には、前述した車両ID番号が例えば四桁の数字で格納されている。ID番号の桁数などID番号の与え方は全く任意である。また作業領域には作業領域プログラムが記憶されている。
図11は、車載端末装置の一例を示す外観図である。
図11に図示される車載端末装置は、ICカードリーダ/ライタを備えた、カード型端末の一例である。
車載端末装置110の前面には、ICカードスロット111が設けられており、前述の運転手が所持するICカードがここから車載端末装置に挿入される。
また、車載端末装置にはキーパッド112を接続するためのコネクタ113が設けられている。図11に図示されるキーパッドには、複数のキー114が設けられている。図示されたキーパッドでは1から0までの数値を入力する数値キーと、A、B、C3つのキーが設けられている。これらのキーを用いて、必要に応じて各種の数値や情報を入力することができる。
キーパッドにはまた、ディスプレイ115が設けられている。このディスプレイには、必要に応じて各種の情報が表示され、運転手に対して作業指示情報を表示するとともに、運転手に対して作業内容の入力を促すための表示を行う。また、キーパッドから入力された情報を確認するための表示(各キーに割り当てられた機能の表示等)も行われる。
キーパッドを用いた作業の詳細については、後述する。
図12は、車載端末装置の内部構成を示す図面である。
図において、121はCPUであり、車載端末装置120の動作を制御するものである。CPUはマイクロプロセッサ等により構成される。
122はディスプレイ制御部であり、ディスプレイ122a(図11の場合にはキーパッド上に設けられたディスプレイ115)を駆動制御するものである。
バーコードリーダ制御部123は、車載端末装置の外部にバーコードリーダ123aが接続される場合に、このバーコードリーダの動作を制御するものである。
124は音声制御部であり、車載端末装置に設けられているスピーカ124a、あるいはマイク124bの動作を制御するためのものである。車載端末装置に取り付けられているスピーカは、車載端末装置より運転手に対して音声でガイダンスなどの情報を通知する必要がある場合に使用される。また、マイクは運転手が音声により車載端末装置に対して指示を入力する場合などに使用される。
125はGPSドライバ(レシーバ)であり、GPSアンテナ125aが接続される。GPSドライバは、衛星から受信した信号に基づいて車両の緯度、経度などの現在位置や現在時刻を収集するものである。GPSを用いた動作の詳細については、後述する。
ROM126には、車載端末装置を制御するプログラムや車両ID番号が格納される。
127はカードリーダライタ部であり、前述したICカードが装着され、ICカードに格納された情報を読み取るとともに、車載端末装置で発生した情報をICカードに書き込むためのものである。
128は回線制御部であり、例えば携帯電話、MCA無線等が接続される。車載端末装置は、これらの手段を用いて、営業所のコンピュータ等との間で情報の交信を行う。また、129はセンサ入出力部である。センサ入出力部には、車両の鍵のオン/オフ状態を検出するための鍵オン信号、エンジンの回転状態を検出するためのエンジン回転センサからの出力信号等、各種センサからの信号が入力する。
CPUはセンサ入出力部を介して受信した各センサからの信号に基づいて、車両各部の状況を判断する。センサ出力に基づく車両状況の詳細については、後述する。
図13は、ICカードのファイル管理方法の一例を説明する図面である。
既に述べた通り、実施例によるICカードは、そのメモリ領域135がシステム領域135aとファイル領域135bとに分割されている。図13はこのようなカードのメモリ管理について説明するものである。
実施例のICカード130は無線式(非接触式)のカードが使用されている。そのため、営業所のコンピュータや車載端末装置などの上位装置131とICカードとの間の情報の交信は、それぞれに設けられた無線通信機構132、133を介して行われる。無線通信機構は、微弱電波を用いてデータの送受信を行うものである。
上位装置のファイルアクセス部134は、ICカードのシステム領域135aに記録された情報に基づいて、ICカードのファイル領域135bをレコード単位にアクセスし、データの読み書きを行う機能を備えている。ファイルアクセス部134は、アプリケーションプログラム136の指示に基づいて、ICカードのメモリ領域135をアクセスする。
ICカードには、メモリアクセス部137が備えられている。メモリアクセス部は、カード内のメモリ領域を物理番地の単位で読み書きする機能を備える。
メモリ領域は図13に図示される通り、システム領域とファイル領域とに分割されている。システム領域は複数のファイルに更に分割されており、それぞれのファイル名、ファイルが格納される番地、ファイルの大きさとともに、各レコードの長さと大きさに関する情報が記録されている。
ファイル領域には、システム領域に示されるそれぞれのファイルに対応して領域が分割されており、各ファイルは複数のレコードに更に分割され、ここにデータが格納される。
メモリ領域をアクセスする場合には、初めにシステム領域をアクセスして、システム領域に対応するファイル領域をアクセスし、次いでファイル領域をレコード単位でアクセスする。
次に、このような車両運行管理システムを用いた車両の運行管理の方法について説明する。
図14は、営業所を車両が出発する前に必要となる手順について説明した図面である。図14の場合は特に、ICカードを用いた車載端末装置の場合について説明している。
車両が営業所を出発する前に、それぞれの運転手は自分のICカード141を営業所コンピュータ142のカードリーダライタに装着する(1)。コンピュータは、装着されたICカードに記録された運転手ID番号を読み取り(2)、読み取られた運転手ID番号に基づいて運転手データベースを検索、よみとられた運転手ID番号に対応する運転免許証種別を読みだす(3)。次いで、コンピュータは運転手がその日に乗務する車両の車両IDに基づいて車両データベースを検索して当該車両の車種を読み出し、さきに検索された運転手の運転免許証種別と照合して運転手の資格チェックを行う。
資格チェックの結果、車両種別と運転免許証種別とが対応せず異常であると判定された場合には、エラーであることを示す通知をした後、ICカードを排出する(4)。これによって、運転資格がない車両に運転手が乗務することを防止できる。
一方、資格チェックの結果車両種別と運転免許証種別とが対応して正常であると判定された場合には、コンピュータは読み取られた運転手ID番号に対応する作業指示情報をICカードに書き込んだ後、ICカードを排出する。
その日の運転手毎の作業指示情報は、予め営業所コンピュータに登録されており、運転手ID番号に基づいて運転手毎の作業指示情報を読みだすことができる。
営業所のコンピュータから排出されたICカードは、運転手により車載端末装置(図では車両コンピュータ)143に挿入される(5)。ICカードが挿入されると、車載端末装置はICカードから運転手ID番号と車両ID番号とを読み取り(6)、カードから読み取られた車両ID番号と車載端末装置に記憶されている車両ID番号とを比較する(7)。この比較結果が一致した場合、車載端末装置は車両のエンジン始動を開始する。一方、前述の比較結果が一致しなかった場合、車載端末装置は挿入されたICカードを所持する運転手がその車両に搭乗する予定のものではないと判断し、エラー通知する。いずれの場合も、比較結果が得られた後、車載端末装置はICカードを排出する(8)。
なお、運転手の免許証種別と車両の種別とが対応しているかどうかのチェックは、後述するようにICカードが車載端末装置のカードリーダライタに装着され、車両のエンジンが起動される時にも行うことができるため、ICカードへの作業指示情報の書き込み時には運転手と車両との資格チェックを行わなくともよい。この場合には、ICカードがコンピュータのカードリーダライタに装着された時にICカードから運転手ID番号を読み出し、読みだされた運転手IDに対応する作業指示情報をICカードに書き込んだ後ICカードを排出するようにしてもよい。
図15は、ICカードに記録された作業指示情報を説明する図面である。ICカードのファイル領域150には、車両IDファイル151と作業指示ファイル152、作業報告ファイル153とが設定されている。
車両IDファイルには、運転手が乗務する車両のID番号がコンピュータによって書き込まれている。また,作業指示ファイルには、コンピュータによってその運転手が行うその日の作業内容が書き込まれる。作業指示情報としては、例えば“○月○日 ○時○分よりA地からB地に荷物を配送する”という内容の指示が与えられる。ICカードに格納される作業指示情報は1つである必要はなく、運転手が一回の乗務で複数の作業を行う必要がある場合には、必要とされる作業指示情報の全てが作業指示ファイルに書き込まれる。
作業報告ファイルは、詳細は後述するが、作業を行った結果得られた走行距離、運行経路、所要時間等の情報が記録されるものである。また、作業報告ファイルには、上記の情報を収集する時間間隔などを指示する収集指示データも格納されている。収集指示データは、作業指示情報とともに、コンピュータによってICカードに書き込まれる。
また、一人の運転手が同じ日に複数の車両を乗り換える場合がある。このような場合に対応するために、図16に示されるように車両IDファイル161に複数の車両ID番号を記憶可能とするとともに、各車両に対応する作業指示ファイル名162、作業報告ファイル名163をそれぞれの車両ID番号164に対応させて格納することができる。
運転手は、コンピュータから排出されたICカードを乗務する車両の車載端末装置(車載端末装置に接続されたカードリーダライタ)に装着する。
この実施例では、車両のエンジンの始動・停止などの制御を、各運転手が所持するICカードによって行う。以下にエンジン始動時の動作を説明する。
図17は、車両のエンジン始動・停止の動作の概要を説明する図面である。
エンジンを始動する前には、営業所(コンピュータ)171より車載端末装置172に対して、ICカード173を介して、あるいは無線の指示174により、作業指示情報が車両ID番号とともに送られる。そして、ICカードの挿入によってエンジンの始動・停止が制御される。
ここでまず、ICカードを用いた場合について説明する。
コンピュータにより作業指示情報の一部として車両ID番号が書き込まれたICカードが車載端末装置に挿入されると、図14に示されるような手順により、車両170aに搭載された車載端末装置172aがICカードに記録された運転手ID番号と車両ID番号とを読み取る。図16のように一人の運転手が複数の車両を乗り換える必要がある場合には、ICカードに複数車両に対応する車両ID番号と作業指示情報が格納されているが、この時には車載端末装置はそれぞれの車両ID番号を参照し、自身の車両ID番号と一致する車両ID番号がICカード内に存在するか否かを確認する。
次いで、ICカードから読み取られた車両ID番号と自信の車両ID番号とを照合し、その結果が不一致であった場合、あるいはICカード内に複数記録された車両ID番号の中に自信の車両ID番号と一致するものがなかった場合、車載端末装置はそのICカードを所持する運転手は本来当該車両を運転する予定はないものと判断し、エラー通知を行った後ICカードを排出する。この場合には、エンジンの始動は不可能となる。
一方、ICカードに格納された車両ID番号が自信の車両ID番号と一致した場合には、車載端末装置は車両のエンジンの始動を開始する。ここで、車両IDが一致すると判定された時点で、車載端末装置からICカードを排出するようにしてもよい。
また、エンジンの始動と併せて、車載端末装置はICカードに書き込まれた作業指示情報と収集指示データとを読み出し、作業指示情報を車載端末装置の作業指示ファイルに書き込むとともに、収集指示データを作業報告ファイルの所定の領域に格納する。車載端末装置はこの後、作業報告ファイルに格納された収集指示データを参照して、そこで指示された間隔で各種の情報を収集する。
このように、正しい情報が記録されたICカードが装着されることによって(運転手が正しい人物)エンジンを始動可能な状態とする構成によって、例えば本来は乗務予定のない運転手による営業所保有の車両の不正利用や、外部の者による車両の盗難を防止することができる。そして、車両の管理をより確実に行うことができる。
一方、無線式車載端末装置172bを搭載した車両170bの場合には、ICカードで車載端末装置に渡されていた車両ID番号が、無線による作業指示情報に含まれてコンピュータから送信される。この場合には、車載端末装置は自身の車両ID番号と同じ車両ID番号を持つ情報を選択的に受信する。
なお、無線式車載端末装置を用いる場合にも、車載端末装置にICカードを挿入するようにしている。
また、作業指示情報や収集指示データを、ICカードを介してコンピュータから車載端末装置に送ることができる。
図18は、無線式車載端末装置を用いた場合の、エンジン始動を含む車両の営業所出発前の処理の手順を示す図面である。この場合には、車載端末装置とコンピュータとは無線によって情報の交信を行う。なお、運転手のセキュリティチェックを行う理由から、図18の例ではもエンジンを始動する際に、車載端末装置に運転手が所持するICカードを装着するようにしている。
以下、図18により説明する。なお、カッコ内の数字は図18の数字に対応している。エンジンを始動する場合には、運転手は自身の運転手ID番号が格納されたICカード180を、車載端末装置181のカードリーダライタに挿入する(1)。すると、車載端末装置では装着されたICカードから運転手ID番号を読み出し(2)、ICカードを排出する(3)。続いて、車載端末装置では、読み取られた運転手ID番号と自身の車両ID番号とに基づいて、その日の作業指示情報の入力をコンピュータ182に依頼するために、コンピュータに対して入力依頼信号を、運転手ID番号、車両ID番号とともに、無線により送信する(4、5)。
入力依頼信号の一例が図18bに図示される。入力依頼信号は、“機能”情報183と運転手ID番号184、車両ID番号185とから構成される。入力依頼信号の場合には、“機能”情報の欄にこの信号が入力依頼信号であることが書き込まれ、無線によりコンピュータに送信される。また、運転手ID番号はICカードから読み取られたものを、車両ID番号は自身に与えられたものを送信する。
営業所に設置されたコンピュータは、車載端末装置から送信された入力依頼信号の“機能”欄を参照し、これが作業指示情報の入力依頼信号であることを判別する。そして、送信された運転手ID番号と車両ID番号とに基づいて、運転手データベース並びに車両データベースを検索する(6)。コンピュータは、運転手データベースから送信されたID番号を持つ運転手の運転免許証種別を読み出し、車両データベースからは送信された車両ID番号に対応する車種情報を読みだす。そして、コンピュータは、読みだされた運転免許証種別と車種種別情報とに基づいて、ICカードを車載端末装置に装着した運転手の運転資格チェックを行う。
運転手の運転免許証種別と車種種別とが対応しない場合には、コンピュータはチェック結果がエラーであると判断し、コンピュータから車載端末装置に対してエラー通知がなされる。
一方、運転手の運転免許証種別と車種種別とが対応する場合には、コンピュータは運転資格チェック結果が正常であると判断する。この場合には、コンピュータは車載端末装置に対して、送信された運転手ID番号に対応する作業指示情報を無線により送信する(7)。なお、作業指示情報は予めコンピュータに入力されている。
作業指示情報の一例は、図18cに図示される(図示応答)。コンピュータから車載端末装置に送信される情報は、“機能”情報186と運転手ID番号187、車両ID番号188、作業指示情報189から構成される。この場合には、“機能”欄にこの信号が作業指示情報を含むものであることが書き込まれている。また、“機能”欄には作業指示情報に加えて、収集指示情報を送るようにしてもよい。
車載端末装置では、コンピュータから作業指示情報を受信して、メモリの所定領域に格納した後、エンジンを始動する(8)。エンジン始動の手順は、図14で説明したものと同様である。
ここで、車載端末装置が、コンピュータから返信された運転手ID番号、車両ID番号と、自身が記憶している運転手ID番号、車両ID番号とを照合し、両者が一致するか否かによりコンピュータから受信した応答信号が自分に対するものであるかどうかを判別するようにしてもよい。
また、作業指示情報が加えられたコンピュータから車載端末装置への送信情報に収集指示データが付加されていない場合には、車載端末装置はエンジンの始動前に、コンピュータに対して収集指示データを送信するように依頼する。この場合、コンピュータからは図18cに対応した形式の情報が送信されるが、“機能”欄には付加された情報が収集指示データであることを示す情報が書き込まれ、作業指示情報の代わりに収集指示データが送信される。
図19は、エンジンを停止する場合の処理手順を図示したものである。この実施例の場合には、エンジン停止の処理手順はカード型端末装置の場合も、無線式端末装置の場合も、基本的には変わりがない。
以下図19を用いて処理の手順を説明する。なお、かっこ内の数字は図19の数字に対応している。
エンジンを停止する場合には、運転手は自身のICカード191を車載端末装置192に装着する(1)。すると、車載端末装置はICカードから運転手ID番号を読み取る(2)。続いて、車載端末装置はエンジンの始動時に読み取られた運転手ID番号と、今読み取られた運転手ID番号との照合を行う(3)。
始動時に読み取られた運転手ID番号は車載端末装置に記録されており、これによって読み取られた運転手ID番号との照合を行うことができる。
2つの運転手ID番号が一致する場合には、車載端末装置ではエンジンを停止するためにICカードを装着した運転手は正当な運転手であると判断し、続いてエンジン停止の制御を開始する。
一方、2つの運転手ID番号が一致しない場合には、エンジン始動時の運転手とエンジンを停止しようとしている運転手とは異なる人物である可能性が非常に高い。そのため、この場合には車載端末装置はエンジンを停止させないようにする。
また、車載端末装置は、2つの運転手ID番号の照合の後、ICカードを排出する(4)。
このような制御を行うことによって、正当な車両の所有者(運転手)のみが車両のエンジンを停止させることができる。そして、車両を運行している途中(特にエンジンが起動している状態で)に車両が盗難された場合には、エンジンを停止させることができなくなるため、車両盗難に対する対策をとることができるようになる。
なお、エンジンを停止させるときに、既に車載端末装置に記録されている、車両運行中に発生した作業報告情報をICカードに記録することも可能である。
次に、車両の運行中に発生する各種の作業報告情報などの運行情報の収集について説明する。
車両の運行が開始されると、車載端末装置によって各種の運行情報が収集され、これを基に作業報告情報が作成される。
車載端末装置によって収集される運行情報としては、作業開始/終了時刻、車両走行(移動)距離、車両速度、走行ルートなどがあげられる。
図20は、収集指示データと、収集された運行情報の形式を模式的に示した図面である。作業報告情報は図示される収集データ202により構成され、収集データは収集指示データ201により指示される条件に基づいてセンサ200により収集される。
図20の場合を例にとると、収集指示データは車両速度、走行距離(以下単に距離)、車両の現在位置(以下単に位置)の情報収集を行う時間間隔を指示している。ここでは、車両速度は10分経過毎に収集され、同様に距離は15分経過毎に、位置は20分経過毎に収集されることが示されている。
なお、この時間間隔は任意に設定することができる。もっときめ細かな情報収集が必要な場合には時間間隔を図20の例よりも短くすればよく、大まかな情報収集でもよい場合には情報収集の時間間隔をもっと大きくしてもよい。従来より使用されているタコメータの場合には、車両速度などの情報を500ミリ秒毎に収集している。そのため、収集指示データにより指示される情報収集の時間間隔をタコメータにあわせて500ミリ秒とすることによって、従来タコメータにより収集されてきた運行情報との整合性をとることができる。
図21は、収集指示データを格納する作業報告ファイル210の構成を示す図面である。収集指示データ211は、車載端末装置のメモリ領域に設定された作業報告ファイル内に格納される。図21の場合、収集指示データとしては、緯度・経度情報212と、車両速度、距離、位置などの運行情報を収集する時間間隔213が記録されている。このうち、緯度・経度情報については後述する。また、収集指示データには、図8に図示される車両データベースに示されるように、収集時間間隔と収集距離とが設定される。情報収集はここに示される時間間隔に基づいて行ってもよく、移動距離に基づいて行ってもよい。また、時間間隔と移動距離とを併用して情報を収集してもよい。図21の場合は、時間間隔のみに基づいて情報を収集する例である。
時間間隔と移動距離とを情報収集に併用する場合には、一方の条件、例えば時間間隔に基づく情報収集を優先し、他方、例えば移動距離に基づく情報収集を二次的な条件として考える。例えば道路の混雑等により車両の移動距離が時間の経過に対して非常に小さいような場合には、指示された時間間隔で情報を収集してもあまり意味がない場合がある。そのため、所定時間が経過しても収集指示データで指定された距離を車両が移動していないような場合には、収集指示データで指定される所定距離車両が移動したときに情報を収集する。
収集データの格納領域の欄には、収集指示データに基づいて収集された各種運行情報が、情報が収集された時刻とともに記録されている。図20の場合を例にとると、8時40分に作業が開始された後、それから10分が経過した8時50分に車両速度が収集され、この場合“時速30キロメートル”であることが記録される。また、作業開始から15分が経過した8時55分には車両の移動距離が収集され、“12キロメートル”移動したことが時刻とともに記録される。このように、収集指示データによって指示された時間間隔で収集された各情報が、作業報告ファイルの収集データ格納領域に記録される。
次に、各情報の収集の仕方について説明する。車両速度と車両の移動距離については、車両速度を計測するセンサにより収集される。
車両には車両速度を計測するセンサが取り付けられている。車両速度センサは一回転する毎に所定数のパルスを発生、出力する。また、JISでは、車両速度センサは時速60キロメートルの時に637rpmの回転軸に取り付けられることが定められている。車両速度と車両の移動速度とは、これを利用して算出される。
移動距離は、
走行距離(km)=総パルス数/(637×パルス数) ・・・(1)
によって算出される。ここで、“パルス数”とは、車両速度センサが一回転したときに発生するパルス数を示す。
一方車両速度は、
車両速度(km/h)
=1秒あたりのパルス数×3600/(637×パルス数)・・・(2)
により算出される。このようにして算出された車両速度・移動距離は、収集データの記憶領域に情報が収集された時刻とともに記録される。
一方、車両の現在位置はGPS(GROBAL POSITIONING SYSTEM) を利用して求められる。既に述べたとおり、車載端末装置にはGPSドライバが設けられており、GPSの衛星からの信号を受信することができる。GPSシステムは、3つの衛星から発せられた信号を受信し、これらの受信信号に基づいて緯度・経度を求めるものである。この実施例の車載端末装置では、このようなGPSシステムを利用して、車両の現在位置を把握・確認するようにしている。
また、各種の運行情報はそれらが収集された時刻とともに記録されている。ここで、車両端末装置にタイマを設け、このタイマによって現在時刻を収集することも可能であり、構成が一番簡単になる。しかし、個々の車載端末装置に搭載されたタイマ間で誤差が生じる可能性が高いため、同一時刻でも各タイマは違った時刻表示をしてしまう可能性がある。そのため相互の車載端末間での時刻情報の整合性がとれなくなり、正確な時刻情報を収集することができなくなってしまう。
特に、始業時間・終業時間は就業時間を計算するための根拠となっている。ここで、始業時間は例えば営業所を出発する時間、終業時間は営業所に帰着した時間と考えてよい。これら始業時間・終業時間を正しく収集することができないと、集計される就業情報が不正確なものとなってしまい、給与の計算や労務管理を行う上で様々な問題を生じる可能性がでてくる。
この実施例による車載端末装置では、上記の問題点の発生を防止するために、時刻情報の収集にもGPSシステムを利用する。
GPS信号には時刻情報が含まれているため、GPS信号から時刻情報を収集することによって車載端末装置に搭載されたタイマに頼ることなく、正確な時刻を収集することができる。そして、このように収集された時刻情報を運行情報と対にして記録することにより、各車両で収集された運行情報を、統一された時刻により管理することができる。
このように収集された運行情報は、車載端末装置のメモリ領域内に設定された作業報告ファイル内に格納される。
図22は、車載端末からコンピュータへの収集指示データのダウンロード手順を示す図面であり、この場合にはICカード221を用いて収集指示データをコンピュータ220から車載端末装置(車両コンピュータ)222にダウンロードする。
営業所コンピュータに設定された車両データベース223には、それぞれの車両ID番号とともに、収集指示データが格納されている。収集指示データとしては、図22に図示されるように、また既に述べたとおり、車両速度収集時間間隔、移動距離収集時間間隔、位置情報収集時間間隔等が設定されている。また図22において、パルス数とは(1)式、あるいは(2)式にて示された“パルス数”と同一のものである。
これらの車両データベースに記録された収集指示データは、営業所を運転手が出発する前にコンピュータに挿入されたICカードにカード出力機構224により書き込まれる(1)。そして、運転手が出発前にICカードを車載端末装置に装着したときに、車載端末装置のカード入力機構225はICカードから収集指示データを読み取り、収集指示データを作業報告ファイル226に格納する(2)。
以降、車載端末装置は作業報告ファイルに格納された収集指示データ226aに基づいて、例えば車両速度を車速センサ228により収集して運行情報を収集し(3)、その結果を収集データとして時刻情報とともに収集データ記憶領域227に格納する(4)。
図23は、無線式車載端末装置における、コンピュータ230から車載端末装置231への収集指示データのダウンロード手順を示す図面である。
この場合には、営業所コンピュータには無線出力部232が備えられており、これを用いて車載端末装置(車両コンピュータ)の無線入力部に対して情報が送信される。コンピュータからは、図23bに図示されるメッセージが送信される。
コンピュータから送信されるメッセージは、“機能”情報233と収集指示データ234とから構成される。また、収集指示データとしては、“緯度/経度”情報234aと、車両速度・移動距離・現在位置収集時間間隔234bとからなる。
車載端末装置は自装置あてのメッセージを無線入力機構235から受信し、収集指示データ236aを作業報告ファイルの収集機構236にセットする。以降、セットされた収集指示データに示された条件により、各種運行情報の収集を例えば車速センサ237などを用いて行い、収集データを作業報告ファイル238に格納する。運行情報の収集手順自体は、図22に示されたものと同様である。
ここで、既に述べた通り、収集指示データには収集時間間隔等とともに、緯度・経度情報が記録されている。また、車両の運行中は所定時間・所定距離移動毎などに車載端末装置がGPSを用いて自身の緯度・経度を認識している。この実施例では、収集された緯度・経度情報を利用して、車両位置が収集指示データにより指示された緯度・経度と一致するか、あるいはその地点からある範囲内に車両が位置する場合に、収集指示データを入れ換えるものである。ここで、所定範囲内に車両が位置した場合を考慮するのは、GPSの精度の問題から車両位置の検出に誤差が生じ、正しい位置(点)を車両が通過してもその点を通過したことを車載端末装置が認識できない場合などがあるからである。
図21の場合について説明する。例えば営業所の緯度がxx、経度がyyであったとする。図21の場合には、営業所を出発した後は、緯度・経度“xx、yy”と組となった収集指示データ211a、即ち車両速度は10分間隔、移動距離は15分間隔、車両位置は20分間隔で収集するように、収集指示データが車載端末装置に設定される。
ここで、車両が緯度aa、経度bbの位置に到達した(あるいはその近辺に達した)場合、車載端末装置は収集指示の時間間隔を緯度・経度“aa、bb”と対となって格納されている収集指示データ211b、図21の場合には車両速度20分間隔、移動距離20分間隔、車両位置20分間隔での収集を指示するものを、それまで収集部に格納されていた収集指示データと入れ換える。
図24は、通過位置により収集指示データ(収集時間間隔)を切り替える理由を説明する図面である。図24aは日にちによって収集時間間隔を変更する例を示すものであり、図24bは到達位置に応じて収集時間を変更する場合をそれぞれ説明したものである。上記の収集指示データ切替えは、図24bのものに対応しているが、日にちにより収集時間間隔を変更するものも、基本的な考え方は同じである。
図24aの場合、○月○日には車両速度の収集時間間隔を500ミリ秒としているが、×月×日には車両速度を1000ミリ秒(1秒)毎に収集するようにしている。両者を比較すると、○月○日の方がより運行情報を細かく収集することができる。しかし、道路が混雑しているような場合には、車両の発進・停止の頻度が高くなるため、車両速度等は小まめに変化するため、あるい程度細かい時間間隔で情報を収集する必要があるかもしれない。また、道路が空いているような場合には車両速度の変化の度合いは小さいと見込まれるため、収集時間間隔を比較的長くとることができる。収集時間間隔を長くとれば、その分収集される情報量を減らすこともできる。
道路の混雑具合は統計を取ることによって予想できるため、例えば道路の混雑が予想されるような日には、情報の収集時間間隔を短くするとともに、道路が空いていると見込まれる日には情報収集時間間隔を長くとり、情報収集処理の負担を軽減するとともに、記録すべき情報量を減らしている。
このような日にち毎に収集時間間隔を変更する場合には、車両の出発前にコンピュータ240により運転手のICカード241に書き込まれる収集指示データを所望の値とすればよい。また、車両データベースに記録される収集指示データを日にち毎に設定しておき、その日にちに対応する収集指示データを読みだすようにしてもよい。
一方、図24bの場合には、高速道路を走行している場合には車両速度を60秒毎に収集し、一般の道路を走行している場合には車両速度を1000ミリ秒(1秒)毎に収集している例を示している。
同じ日に道路を走行していても、高速道路を走行している間は車両速度は比較的安定しているため、車両速度の収集時間間隔は比較的長くしても全く問題はない。それに対して、一般の道路を走行している場合には、車両の停止・発進の頻度が高くなり、車両速度・移動距離などの変化の度合いが大きくなる。そのため、一般道路を走行している場合には車両速度情報等をこまめに収集する必要がある。
このように、車両が走行している場所に応じて、あるいは車両の運行状況に応じて、運行情報の収集間隔を変更することが望ましい。
例えば荷物の配送のような場合には、その日に車両の運行予定は予め決まっているために、車両の運行経路も予め判っている。そのため、高速道路の利用区間なども予め知ることができる。
そこで、この実施例では収集指示データに、予め判っている収集指示データを切り替えるべき位置情報(例えば高速道路の出口、入口等)を設定しておく。そして、車両がその位置(あるいは近辺)を通過したことがGPSシステム等を用いて判別された場合には、その時点で収集指示データの入替えを行う。図21の場合を例にとると、緯度aa、経度bbに高速道路の料金所などの位置情報を設定しておくことで、高速道路走行時と一般道路走行時とを区別して、それぞれの条件に対応した収集条件により情報を収集することができる。
ところで、高速道路の料金所には数メートルから数10メートルの幅がある。そのため、車両は特定の緯度・経度を持つ一点を通過するわけではない。また、車両が特定位置を通過すると仮定しても、車両の走行の仕方やGPSの精度に基づいて生じる誤差の影響から、車載端末装置により検出された車両の通過位置に誤差を生じることを防ぐことが困難である。
そこで、収集指示データとして与えられる緯度・経度情報にある程度の幅を持たせ、その範囲内を車両が通過したことを検出した場合に特定の一点を車両が通過したとみなすことによって、収集指示データの入替えをより確実に行うことができる。
例えば高速道路の料金所の場合には、料金所の中心点の緯度・経度を収集指示データとして設定するとともに、料金所の中心から半径10メートルの位置を通過する円周を示す点の緯度・経度を設定し、車両がこの円の範囲内を通過した場合車両が料金所を通過したとみなすことができる。この場合、円の半径は任意に設定できる。また、円周位置を示す緯度・経度情報は、車載端末装置内の位置判別処理が煩雑にならない程度の数とすればよい。更に、この実施例では車両の円内の通過を見ているが、特定の方形内、あるいは直線上を車両が通過した場合に、ある一点を通過したものと見なしてもよい。
なお、収集指示データの切替えは上記のような高速道路と一般道路との切替えのみに限定される必要はなく、混雑する道路と比較的空いている場所とで収集指示データを切り替えたりすることも可能である。収集指示データを切り替える基準は任意に選ぶことができる。
また、収集指示データは無線通信によって適宜営業所から車載端末装置に送信することができるため、収集指示データの入替えを行うべき地点を、車両の状況から判断して営業所からの指示に基づき車載端津装置に設定してもよい。
図25は、情報収集の切替えが行われた場合の、車載端末装置の収集データファイル250を説明する図面であり、特に収集データファイルに格納される情報の形式を示している。
図25に図示されるとおり、車載端末装置は衛星251からの信号を受信して、位置検知機構によって自身の現在位置を把握する(3)。また、車両速度センサ252に基づいて収集機構により車両速度や車両の移動速度などの情報を収集する(1)。
収集データファイル253の前半には、緯度xx、経度yyの地点を8時40分に出発してからの車両速度、移動距離、車両位置253aが記録される(2)。図25の前半の場合には、車両速度は10分毎に、移動距離は15分毎に、車両位置は20分毎に収集される。
ここで、9時ちょうどに緯度aa、経度bbの地点を通過した場合、図21に示されるような形式の収集指示データ254を収集指示データ254と入替え、車両速度は10分毎に、移動距離は20分毎に、車両位置は16分毎に収集するようにする。
このように、車載端末装置内では、収集指示データの入替えに応じて、新たに設定された収集指示データに基づく運行情報の収集を行い(5)、収集された作業報告情報が作成され、9時以降のデータについては車両速度、移動距離、車両位置253bが記録されていく(6)。
車両が営業所に帰着した場合に、運転手がICカードを営業所のコンピュータに装着する。コンピュータはICカードの作業報告ファイルにアクセスし、記録されている収集データを読みだす。読みだされた収集データに基づいて、コンピュータは運転手データベース、車両データベースに記録されている作業内容をそれぞれ更新し、当日の作業内容が各データベースに反映されるようにする。
また、無線式車載端末装置の場合には、収集データが発生する毎に、所定時間毎に、あるいは必要に応じて運行中の車載端末装置から収集データを営業所に送信してもよい。
図26は、収集指示データに基づく運行情報の収集手順を説明するフローチャートである。
車両が営業所を出発すると、車載端末装置は作業報告ファイルの位置情報を参照するとともに(S1)、GPSを用いて車両の現在位置を求め、車両が位置情報に示された位置に到達、あるいは通過したか否かを判定する(S2)。複数の位置情報が作業報告ファイルに設定されている場合には、それぞれの位置情報と車両の現在位置とを照合する。
車両が位置情報により示された位置に到達していると判定された場合には、車載端末装置はこの位置情報と対になって格納されている収集指示データを、この先の収集指示データとして、それまでの収集指示データと入れ換える(S2’)。
続いてS2において車両が位置情報により示された位置に到達していないと判断された場合、あるいはS2’において収集指示データの入替えが行われた後、車載端末装置は作業報告ファイルの収集指示データを参照し、前回の情報収集から収集指示データにより指示された時間が経過したか否かを判別する(S3)。複数項目の情報収集が指示されている場合には、それぞれの項目について、前回の情報収集からの時間経過を判別する。
S3において、指示された時間が経過していない場合には再びS1に戻る。
一方、S3にて指示された時間が経過したと判断された場合には、更に収集指示データとして指示された距離を越えて車両が移動したか否かが判定される(S4)。
S4にて指示された距離を越えて車両が移動したと判定された場合には、収集指示データで指示された時間間隔に対応する項目の運行情報を収集する(S5)。一方、S4にて指示された距離を移動していないと判断された場合には、収集指示データで指示された距離を移動した後に、指定項目の運行情報を収集する(S5’)。
続いて、情報を収集した時点の車両の現在位置と現在時刻とを、GPSを利用して収集する(S6)。続いて、収集された運行情報を、S6で収集された車両の現在位置並びに現在時刻とともに、メモリ領域に記憶する。
この処理を繰り返すことによって、車両運行中に発生する各種の運行情報を自動的に収集することができる。
図27は、一日の勤務中に同じ運転手が車両を乗り換える場合について説明した図面である。ここでは、車両ID番号が1010の車両と0101の車両が利用される場合を説明している。
ICカード内には、既に述べた通り車両ID番号1010の車両と0101の車両とのそれぞれに対応した作業指示情報が、それぞれの車両ID番号と対応して格納されている。それぞれの車載端末装置は、ICカードが装着されたときに、ICカードに書き込まれた車両ID番号を読み取り、自身の車両IDと一致する車両ID番号がICカードに書き込まれているかどうかを判定する。自身の車両ID番号と一致する車両ID番号がICカードに書き込まれていた場合には、一致した車両ID番号とともにICカードに格納されている作業指示情報をICカードのメモリ領域から読み出し、作業指示ファイルに格納する。
一方、作業報告ファイルはそれぞれの車両ID番号毎に設定されており、車両ID番号1010の車両による作業報告情報と、車両ID番号0101の車両による作業報告情報とは、それぞれの車両ID番号に対応付けられてICカードの作業報告ファイルに格納される。
営業所に車両が帰着したときには、運転手がICカードをコンピュータに装着したときに、コンピュータはそれぞれの車両ID番号に対応する作業報告情報をICカードから読み出し、車両データベースのそれぞれの車両ID番号に対応する欄の作業内容を更新する。
図28は、本発明の作業内容判断の基準例を示した図面である。
この例では、車両の各部にセンサが取り付けられており、これらのセンサから出力される信号に基づいて車両各部の状態を車載端末装置が認識し、更に現在どのような作業が行われているかを車載端末装置が判定する。図28のテーブルは、各センサ出力のオン/オフ状態に応じた車両の状態に関する情報を記憶するものである。また、備考欄に記載されているものは、その状態であると判別するための条件、あるいは更に入力する必要がある情報種別等が記載されている。なお、図28のテーブルで横線( )が引かれている部分は、センサ出力のオン/オフが判断には使用されないことを示す。
鍵オン信号は、車両のエンジンキーが装着されているか否かを判定するために利用される。この実施例の場合には、運転手が所持するICカードに基づいてエンジンの始動・停止が制御されているため、実質的にICカードがエンジンキーの役割を担っている。そのため、ここではICカードが車載端末装置に装着されているか否かによって、鍵オン/オフの状態を判別するようにしてもよい。
エンジン回転センサは、エンジンの回転数等を判定するためのセンサである。車載端末装置は、エンジン回転センサからの信号に基づいてエンジンが起動されているか、あるいは停止状態にあるのかを判断している。また、前述の通り車両速度センサが車両に取り付けられているため、これによって車両の移動速度と移動距離とを求めることができる。
車両の乗降用扉と、荷室扉とには、それぞれ扉の開閉状態を検出するためのセンサが取り付けられている。また、シートベルトの装着状態を検出するためのシートベルトセンサが、シートベルトに取り付けられている。
これらセンサからの出力信号に基づいて、車載端末装置はどのような作業が現在行われているのかを、総合的に判断する。
以下、作業内容の判定の仕方について説明する。
図29は、“始業”から“終業”までの作業内容判定と、その記録の仕方について説明した図面である。
初期化されたICカードが車載端末装置に装着されたときには、車載端末装置はこれに基づいて車両が“始業”の状態にあると判断し、作業報告情報として判断がなされた時刻とともに“始業”であることを記録する。
次に、エンジンセンサによりエンジンが起動されたか否かを判定し、更に車両速度センサによって車両が所定距離、例えば100メートル走行したと判定された場合には、車載端末装置は車両が“出発”状態にあると判定する。この場合、車載端末装置はGPSを用いて車両の現在の緯度・経度を認識し、収集された緯度・経度と現在時刻とともに、“出発”したことを示す情報を作業報告情報として記録する。
エンジンセンサによってエンジンが停止したことが検出された場合には、車載端末装置は車両が“停車”状態にあると判定する。また、同時にシートベルトが外されたことがシートベルトセンサにより検出され、更に乗降用扉が開いたことが扉に取り付けられたセンサにより検出さた場合、車載端末装置は車両がいずれかの場所に“到着”したものと判定する。
この場合には、車載端末装置は車両が目的地に到着したのか、あるいは運転手が休憩をとるために車両を停止させたのかを判断しなくてはならない。停車したのが、目的地に到着したためであるかどうかは、GPSにより位置情報を収集することができるため、予め目的地の緯度・経度情報を車載端末装置に設定しておくことによって判断できる。しかし、目的地に到着して作業を行ったのち、同じ場所に車両を停車させたままで運転手が休憩を取る場合もあり、このような場合にはGPSによる位置情報の収集だけでは不十分で、作業の終了や休憩開始の時刻を知る必要がでてくる。
そこで、この実施例の場合には、以下のようにして作業内容の判別を行う。
荷室扉が所定時間以上、例えば1分以上開いていたことが荷室扉センサにより検出された場合には、車載端末装置が荷室扉が荷物の“積卸し”のために開かれたものであると判断する。この場合、車載端末装置は現在の緯度・経度情報をGPSにより取得し、現在時刻と緯度・経度情報とともに作業報告情報として“積卸し”を示す情報を記録する。
また、車載端末装置は、車両が停止した場合に音声、あるいは画面表示によって停車理由を車載端末装置に入力することを促す。例えば運転手が休憩をとる場合には、その旨運転手が入力を行う。情報の入力としては、例えばキーパッドを用いて入力してもよく、その他に音声入力によって停止理由を入力させてもよい。
前述した通り、車載端末装置には音声入力を受け付けるためのマイクが設けられている。また、車載端末装置、あるいは運転手が所持するICカードには、予め停車理由を示す情報を音声情報として登録しておく。車両が停止した場合、運転手がマイクより停止理由を音声入力する。例えば休憩をとる場合には、運転手が一言“休憩”と発する。
車載端末装置では、運転手が音声入力した情報と、予め登録されている音声情報とを照合し、それに基づいて運転手が入力した停止理由を判定し、GPSから収集された緯度・経度情報とともに停止理由を作業報告情報として記録する。
この他にも、停止する理由としては車両の点検、給油、洗車など様々な理由があり、これらの停止理由をそれぞれ音声あるいはキーパッド等から入力することによって、車両が停止した理由を後から確認することができる。
キーパッドを用いて停止理由を入力する場合には、図11に示されるように複数の画面とこれに対応するキーとが設けられている。そこで、車載端末装置では、“休憩”、“点検”、“給油”等の項目を画面上に表示する。運転手は画面に表示された項目を参照し、自分が入力しようとする項目が表示された画面に対応するキーを操作する。これにより、音声入力によらずとも、車両の停止理由を車載端末装置に入力することができる。
また、高速道路等の有料道路を通行した場合、道路の通行料がいくらかかったか、あるいはどの区間を利用したのかを記録する必要がある。そのため、車載端末装置には、予めそれぞれの高速道路等の料金所の緯度・経度情報が記録されている。また、必要に応じて道路名や料金所名を記録することもできる。
GPSによる車両位置の判定結果に基づいて、車両が有料道路の料金所のゲートを通過したか否かを判定することができる。
このようにして、車両が高速道路の入口ゲートを通過した時には、通過した入口ゲート名を現在時刻とともに作業報告情報の一部として記録する。
また、車載端末装置には、高速道路の各ゲート間の通行料金が記録された高速道路料金ファイルが備えられている。車載端末装置は、通過した高速道路の入口・出口ゲートに基づいて高速道路料金ファイルを参照することにより、高速道路の通行料金を算出して、作業報告情報として記録する。
始めて通行するような区間の場合には、高速道路料金ファイルには通行料が記録されていないこともある。このような場合には、車載端末装置が高速道路料金ファイルを検察しても高速道路料金を算出することができない。
そこで、車載端末装置では、音声あるいは画面表示により、高速道路の通行料金を手動入力することを運転手に対して要求する。これに応じて運転手が入力した通行料金は、作業報告指示ファイルに高速道路の通行区間とともに格納される。同時に、通行した入口・出口ゲートと入力された通行料金とに基づいて、車載端末装置は高速道路料金ファイルに新たな通行料金を追加して高速道路料金ファイルを更新し、次回以降の高速道路通行に対処できるようにする。また、この光束道路料金ファイルの更新結果は、作業報告情報とともに営業所のコンピュータにも送られるため、他の車載端末装置の高速道路料金ファイルにもこの結果を反映させることができる。
ここで、車両を運行する場合には、運転手に対して制限速度を遵守させる必要がある。そこで、車両速度を検出してその時点の車両速度が制限速度を越えている場合には、運転手に対してアラームを上げる。しかし、制限速度は道路の種別(高速道路、一般道路等)により異なっており、同一の道路上でも場所に応じて制限速度が異なっていることが多い。
図30に図示される車載端末装置は、このような状況に対処するための構成を示した図面である。車載端末装置の基本的な構成は図12のものと大差ない。
図30の車載端末装置300では、電子的に地図情報が格納された電子地図部301が接続されている。電子地図情報は、例えばCD ROM、ICカード等に記録される。
また、電子地図格納部に格納された地図情報を読みだすための地図情報読取部301aも備えられている。地図情報読取部は、例えばCD ROMプレーヤー、ICカードリーダ等とすることができ、地図情報が格納されている媒体に応じて選択される。
ここで、走行の制限速度は道路の種別や場所によって異なっていることが多い。そこで、図30の車載端末装置では、地図情報とともにそれぞれの道路における制限速度を記録しておく。また、付加的な情報として、地図情報の中に高速道路の入口・出口ゲートの位置情報や、荷物の配送時などには目的地の位置情報を地図情報に記録しておく。
また既に述べたとおり、車載端末装置は走行中にその時点の車両速度と車両位置を収集している。そこで、図30の車載端末ではこれらの情報を利用して車両が制限速度以下で走行しているのか否かを判定する。
制御部302は、図31に示されるようには制御部1(302a)、制御部2(302b)、制御部3(302c)を備える。
制限速度と車両速度との対応付けは、制御部1により行われる。
各センサから車両速度、車両位置が出力される毎に、地図情報から道路毎の制限速度情報、高速道路のゲート情報、立ち寄り先(目的地)情報等が読みだされる。読みだされるべき情報は、車両の現在位置に基づいて最も近い位置に対応する情報を読みだすようにすればよい。地図情報から読みだされた各情報は、切りわけ部により切りわけられ、各制御部に送られる。
制限速度情報は制御部1に送られる。制御部1にはまた、車両速度情報が送られる。制御部1では、車両の現在位置に基づいて、車両が走行している道路の制限速度を求める。つづいて、制御部1は求められた制限速度と、現在の車両速度とを比較する。
図30の場合には、車両が走行している道路は制限速度が80km/hであることを認識する。そして、車両速度センサの出力により、車両が現在90km/hで走行していることを認識する。両者の比較の結果、制御部1は車両が制限速度を越えて走行しており危険であると判断する。
そこで、制御部1は表示部に図30に図示されるような速度を抑えるように運転手に注意を促す表示を行うとともに、スピーカから例えば“スピードオーバーです”というような音声メッセージを発する。
これによって、車両が制限速度を越えて走行しないように運転手に対して注意を促すことができ、よりきめ細かな安全管理を行うことが可能となる。
高速道路のゲート情報は、制御部2に送られる。GPSにより求められた車両の現在位置に基づいて、制御部は車両が高速道路のゲートを通過したか否かを判定する。車両が高速道路のゲートを通過したと判定された場合、制御部2は通過した高速道路のゲート名を記録する。
図30の場合には、制御部2に東名高速道路の“東名川崎”ゲートと“東名厚木”ゲートを車両が通過したことが記録されている。“東名川崎”ゲートから東名高速道路に入った場合には、制御部2はその旨記憶するとともに、表示部に図示される“東名高速道路 東名川崎 入”という表示を行う。また“東名厚木”ゲートを通過したときに、制御部2は車両が“東名厚木”ゲートから出たことを認識し、表示部に“東名高速道路 厚木 出”という内容の表示を行う。
同時に、制御部2は通過した2つのゲートから、高速道路の通行料金を計算する。通行料金は、既にのべたとおり各ゲート間の通行料金が記録されたテーブルを参照することにより算出できる。そして、制御部2は表示部に“料金 1300円”と通行料金を表示するとともに、メモリ領域に高速道路に入ったゲート名、高速道路からでたゲート名、通行料金を対にしたデータを書き込む。
これによって、運転手が車載端末装置に通過したゲートの場所や通行料金に関する情報を手動で入力する必要がなくなり、入力ミスがなくなる。また、車載端末装置が通行料金を算出して記録するので、後に運転手が通行していない高速道路の通行料金を不正に請求することを防止できる。
制御部3は、立ち寄り先情報に基づいた処理を行うものである。
制御部3は、GPSにより得られた車両位置に基づいて、車両の現在位置に最も近い立ち寄り先ポイントと配達すべき荷物を記録した配達リストを検索する。そして、制御部31はその結果を表示部に表示し、運転手に立ち寄るべき顧客名と配達すべき荷物の名前、個数等を表示する。
これによって、目的地に車両が到着したときに、運転手が車載端末装置に目的地名を入力する必要がなくなる。また、荷物に関する情報が予め車載端末装置に記録されているため、車両が目的地に近づいたことによって、車載端末装置が自動的に目的地と配送すべき荷物をマッチングさせて表示し、運転手が配送先を間違えたりしないようにしている。
エンジンを停止動作した後、車載端末装置からICカードか抜かれた場合には、車載端末装置はセンサ出力によりこれを検出し、またGPSにより車両が営業所に到着している場合には車両が“終業”の状態にあるものと判断する。
“終業”の後に車載端末装置から排出されたICカードには、車両運行時に車載端末装置から収集された作業報告情報が格納されている。この情報が営業所コンピュータに送られ、コンピュータはこの送られてきた情報に基づいて車両データベース、運転手データベースの内容を更新する。
なお、それぞれの作業報告情報は、車両の運行中は車載端末装置内部に一時的に記憶しておき、エンジンの停止処理のために運転手がICカードを再び車載端末装置に装着したときに、車載端末装置が記憶している作業報告情報をICカードにダウンロードするようにしてもよい。
図32は、運転手個人別および車両別に作成した業務日報の一例を示す図面である。ここで、図32aは個人別日報、図32bは車両別日報をそれぞれ示している。この実施例では、営業所のコンピュータに運転手データベース、車両データベースを作成しているため、個人別の作業内容や車両別の運行状況を記した個人別・車両別業務日報も非常に容易に出力することができる。
個人別日報の場合には、各々の運転手が車両に乗務していた時間帯が、その運転手が乗務した車両毎に出力される。図32aを例に取ると、運転手“星野”は9時から11時まで大型車両である、車両ID番号“1010”の車両に乗務している。そして、12時から14時まで小型車両である車両ID番号“0101”の車両に、続いて15時から17時まで再び大型車両である車両ID番号が“1010”の車両に乗務している。
このような個人日報を、その日乗務した運転手毎に出力することによって、各運転手の乗務の状況を確認できる。
このように、個人別日報では、その運転手が乗務した車両と、乗務した時間帯が出力されるため、個人毎の勤務状況を容易に把握することができる。そして、個人別日報は前述の通り、運転手データベースに記録された情報に基づいて出力することができるため、日報の出力が非常に容易となる。
一方、車両日報の方は、それぞれの車両が使用された時間帯が、その車両に乗務した運転手名とともに出力される。
図32bは、大型車両である車両ID番号“1010”の車両に関する日報の出力例である。この車両は、9時から11時まで運転手ID番号が“000001”の運転手“星野”が乗務している。続いて11時から13時までは運転手ID番号が“000002”の“佐藤”が、13時から15時までは運転手ID番号が“000003”の“吉永”が乗務している。最後に、15時から17時までの間は、再び“星野”が乗務している。
このような車両毎の日報を、各車両毎に出力することによって、各車両の稼働状況を容易に把握することができる。
上記の運転手別、車両別日報を出力する場合には、営業所コンピュータに作業日報を出力しようとする運転手ID番号、あるいは車両ID番号を入力する。これに応じて、コンピュータは運転手データベース、車両データベースを検索し、必要とする作業報告情報等を日報の形式に編集し、印字出力する。
なお、この例では一日の作業をまとめた日報について説明したが、これは月単位、年単位、あるいはその他任意の期間の作業内容を出力するようにしてもよい。また、日報に出力すべき事項は図31の例には限定されず、必要となる事項を出力すればよい。
図33は、以上説明した車両運行管理システムの応用例を示した図面であり、荷物等の配送を行う場合について説明したものである。
“現場事務所”(以下事務所)は、上記説明した営業所に対応するものである。
運転手が事務所への出勤時、あるいは退勤時に、社員カード(ICカード)を操作することによって、出退勤情報が事務所のコンピュータに取り込まれる。事務所には、勤務データを格納するデータベースが備えられている。社員カードにより取り込まれた出退勤情報は、このデータベースに格納される。
また、勤務データベースに格納された情報に基づいて、出退勤管理表がコンピュータにより作成され、それぞれの運転手の勤務状況を必要に応じて参照することかできる。更に、勤務データベースを参照することによって、各人からの出退勤状況の問い合わせに応じることができる。
“運行管理システム”(以下管理システム)は、これまで説明した“営業所コンピュータ”に対応するものであり、車両等の運行管理を行うためのものである。また、管理システムには複数の端末がLANにより接続されている。更に、事務所内には車両データベースが備えられている。
車両が事務所を出発するときには、作業指示情報が記録されている運行カード(これまでの説明によるICカードに対応する。運転手のICカードを使用すればよい)を作成、車載端末装置に運行カードを運転手が装着することによって、乗務が開始となる。
乗務が開始された後、事務所と車両との間では、例えば車両が所定のルートを外れて走行している場合、あるいはスピードを出しすぎているなど危険な運転を行った場合に出力される、異常を示す定型のメッセージ、通常時に通信する定型のメッセージ、あるいは荷物の配送を行う顧客店舗を出発した時刻などが通信される。
ここで、作業指示情報としては車両の運行ルートも含まれている。そのため、車載端末装置では車両が現在走行しているルートと予め指示されているルートとを、GPS情報を受信することによって確認し、車両が定められたルートを外れて走行している場合には運転手に対してアラームを発したり、車両がルートを外れた旨の通信を事務所に通知する。
また、作業の予定時刻が記された作業予定ダイヤも作業指示情報に含まれている。そのため、実際に顧客店舗に車両が到着した時刻をチェックするとともに、到着時刻と作業予定ダイヤに記録された到着予定時刻とを照合し、予定ダイヤ通りに車両が運行されているかどうかの確認を車載端末装置は行う。そして、到着時刻と到着予定時刻とが大きく違っているなどの異常が発生した場合、車載端末装置は事務所に対してその旨通知する。
顧客店舗には、車載端末装置などとの間で通信を行うことか可能な装置を備えることができる。これによって、車両が顧客に近づいたときに車載端末装置から顧客装置に対して車両が接近したことを通知する信号を出力し、顧客にその旨知らせることが可能となる。また、道路や配送の状況により顧客店舗への到着が予定時刻よりも遅れる場合、あるいは早まる場合には、その旨知らせる内容の電文を車載端末装置から顧客装置に送信することにより、到着時刻が変更される可能性があることを予め顧客に通知することができる。
車両が事務所に帰着して乗務が終了した場合、運転手は運行カードを事務所の運行管理システムに装着する。これによって、その日の作業内容などの情報がカードから運行管理システムに吸い上げられる。吸い上げられた情報は、車両データベース(あるいは運転手データベース等)に格納される。
事務所内には更に、各車両の動態を管理する“動態管理システム”が備えられている。事務所と車両との間では無線により通信が行われているが、その際に車両の現在位置を示す情報を逐次車載端末装置から事務所に対して通知することにより、事務所側では車両の現在位置を容易に把握することができる。
事務所に、各地の地図情報が格納された地図データベースが備えられている。そして、動態管理システムでは、各車両から受信した位置情報と地図データベースに格納された地図情報とを重ね合わせて画面上に表示する。このような重ね合わせ表示によって、事務所内でも各車両の現在位置を容易に把握することができる。
なお、画面上に表示すべき地図情報は、受信した車両の現在位置(緯度・経度)に応じて、車両位置を表示するために最適なものを選択する。また、各車両の動態を、運行実績等を格納するデータベース(例えば車両データベース)に記憶させておくことにより、後日各車両の動態を調査することができる。
各車両の動態を後に調査することによって、車両の走行ルートの見直しや効率的な配送ルートの決定をすることができ、車両運行管理上非常に有利である。
更に、無線通信によって事務所から車両に対してメッセージを送ることができるので、特に何らかの緊急事態が発生した場合に、指定車両に対して運行管理上の指示を送信することができる。この場合、車両を指定するときには電文に指定する車両の車両ID番号を付加し、車載端末装置で送信された車両ID番号を確認する、などの方法を取ることができる。
また、各車両の動態に応じて道路の混雑状況等を把握することができる。そのため、必要に応じて事務所から各車両に対し、運行ルートや配送順序の変更を指示することもできる。
本発明の一実施形態による車載端末装置の構成を示すブロック図 車載端末装置のその他の例 車載端末装置の更にその他の構成の例 本発明による車両運行管理システムの実施形態の構成 一実施形態による車両運行管理システム 一実施形態の車両運行管理システムの構成 運転手データベースの詳細な内容 車両データベースの詳細 運転手が所持するICカードの構成例 車載端末装置の内部 車載端末装置の一例を示す外観図 車載端末装置の内部構成 ICカードのファイル管理方法の一例 営業所を車両が出発する前に必要となる手順 ICカードに記録された作業指示情報 車両ICファイルに複数の車両ID番号が記録される例 車両のエンジン始動・停止の動作の概要 無線式車載端末装置を用いた場合の、エンジン始動を含む車両の営業所出発前の処理の手順 エンジンを停止する場合の処理手順 収集指示データと収集された運行情報の形式 収集指示データを格納する作業報告ファイルの構成 車載端末からコンピュータへの収集指示データのダウンロード手順 無線式車載端末装置における、コンピュータから車載端末装置への収集指示データのダウンロード手順 通過位置により収集指示データを切り替える理由 情報収集の切替えが行われた場合の、車載端末装置の収集データファイル 収集指示データに基づいた運行情報収集の処理手順を示すフローチャート 一日の勤務中に同じ運転手が車両を乗り換える場合の例 本発明の作業内容判断の基準例 “始業”から“終業”までの作業内容判定と、その記録の仕方 地図情報を格納した車載端末装置の一例 図30に図示される車載端末装置の制御部の構成 運転手個人別および車両別に作成した業務日報の一例 車両運行管理システムの応用例 (荷物等の配送を行う場合を例示) 従来の車載端末装置

Claims (2)

  1. 移動体に搭載される移動体搭載端末装置において、
    当該移動体搭載端末が搭載される移動体を用いた作業内容を示す作業情報を、
    当該作業がなされるべき場所の位置情報に対応付けて記憶する記憶手段と、
    前記移動体の現在位置を判別する位置判別手段と、
    表示手段と、
    前記位置判別手段により前記作業がなされるべき場所に前記移動体が近づいた
    ことが判別された場合、前記記憶手段より当該場所の位置情報に対応する作業情
    報を検索する制御部とを備え、
    前記検索された作業情報を前記表示部に表示することを特徴とする、移動体搭
    載端末装置。
  2. 前記移動体搭載端末装置において、
    前記制御部は、前記作業情報とともに当該場所を識別する情報を読み出して、
    前記表示部に前記作業情報とともに表示させることを特徴とする、請求項1記載
    の移動体搭載端末装置。
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