JP3419094B2 - 表示装置 - Google Patents

表示装置

Info

Publication number
JP3419094B2
JP3419094B2 JP19129594A JP19129594A JP3419094B2 JP 3419094 B2 JP3419094 B2 JP 3419094B2 JP 19129594 A JP19129594 A JP 19129594A JP 19129594 A JP19129594 A JP 19129594A JP 3419094 B2 JP3419094 B2 JP 3419094B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
visible light
phosphor layer
conductor
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19129594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0836974A (ja
Inventor
茂生 伊藤
均 土岐
禎久 米沢
文昭 片岡
能孝 鹿川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Futaba Corp
Original Assignee
Futaba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Futaba Corp filed Critical Futaba Corp
Priority to JP19129594A priority Critical patent/JP3419094B2/ja
Publication of JPH0836974A publication Critical patent/JPH0836974A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3419094B2 publication Critical patent/JP3419094B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界放出カソードを電
子源とする表示装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属または半導体表面の印加電界を10
9 [V/m]程度にするとトンネル効果により、電子が
障壁を通過して常温でも真空中に電子放出が行われる。
この現象は電界放出(Field Emission)といわれており
古くから知られた現象であるが、このような原理を利用
して電子を放出するカソードを電界放出カソード(Fiel
d Emission Cathode)と呼んでいる。近年、半導体微細
加工技術を駆使して、ミクロンサイズの前記電界放出カ
ソードの作成が可能となり、この電界放出カソードを基
板上に多数形成することにより、面放出型の電界放出ア
レイを作成することが可能となっている。このような電
界放出アレイは、表示装置、CRT、電子顕微鏡や電子
ビーム装置の電子源として適用することが提案されてい
る。
【0003】図7に、適用例の一例である従来の表示装
置(特公平6−14263号公報参照)を示す。この表
示装置(以下、FEDと記す)は、電界放出アレイが形
成されたカソード基板100と、透明支持板108とが
所定間隔をもって対向配置されて内部を高真空に保持す
る外囲器を形成している。このカソード基板100に形
成された電界放出アレイは、スパッタ等により形成され
たカソード導体101と、その上に複数形成された円錐
状のエミッタコーン102と、このエミッタコーン10
2の先端近傍に形成されたゲート導体104とから構成
されるスピント(Spindt)型の電界放出アレイとされて
いる。さらに、ゲート導体104上に絶縁膜105、導
電膜106及び蛍光体層107が積層されている。
【0004】このエミッタコーン102間のピッチは1
0ミクロン以下の寸法で作成することが出来、このよう
なエミッタコーン102を数万ないし数10万個、1枚
のカソード基板100上に設けるようにしている。な
お、この電界放出アレイにおいては、ゲート・カソード
間の距離をサブミクロンとすることが出来るため、ゲー
ト・カソード間に僅か数10ボルトの電圧VGEを電圧供
給部110から印加することによりエミッタコーン10
2から電子を放出することが出来る。
【0005】ところで、導電膜106とゲート導体10
4間には正電圧VA が電圧供給部111から印加されて
いるため、エミッタコーン102から放出された電子
は、その軌道が曲げられゲート導体104上に積層され
ている導電膜106により捕捉されるようになる。この
時、捕捉される電子が導電膜上に積層されている蛍光体
107に衝突してこれを励起するため、蛍光体107が
発光するようになる。この発光は透明支持板108を介
して図示する矢印の方向から観察することができる。
【0006】この表示装置の斜視図を図8の上部に示す
が、カソード基板100上にストライプ状の複数のカソ
ード導体101を形成すると共に、このカソード導体1
01と直交するようストライプ状のゲート導体104を
複数本形成する。すなわち、カソード導体101とゲー
ト導体104とでマトリクスを構成し、このマトリクス
をカソード走査部113とゲート走査部112とで走査
する。この場合、例えばゲート走査部112には表示信
号が印加されており、1フィールドの走査が終了した時
に1枚の画像が表示される。
【0007】この表示装置の斜視図を一部拡大して下部
に示すが、この図ではゲート導体104上に積層された
絶縁膜105、導電膜106、蛍光体107を省略して
示している。この図に示されているように、ゲート導体
104には微少な孔が開いており、この孔からエミッタ
コーン102の先端が望んでいる。このため、エミッタ
コーン102はゲート導体104と微少間隙を介して対
向するようにされる。そして、エミッタコーン102の
先端から放出された電子は前記孔を通って放出されるよ
うになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
表示装置においては、エミッタコーン102から放出さ
れた電子は導電膜106に印加されている正電圧で加速
されて蛍光体107に衝突するが、この電子線のエネル
ギのすべてが発光に寄与するものではなく、電子が蛍光
体107に衝突する際にエネルギの一部は蛍光体107
を分解させ、蛍光体の成分をガス体として飛散するよう
になる。特に、蛍光体107が硫化物系の蛍光体とされ
ている場合には、S、SO、SO2 、H2 S等の硫化物
系のガスが放出され、このガスがエミッタコーン102
の先端等に付着してその表面を毒化するようになる。こ
のため、エミッタコーンのエミッションが低下してしま
うという問題点があった。
【0009】ところで、蛍光体が分解してガス化する現
象は蛍光体に衝突する電子線の密度と関係があり、電子
線の密度が大であると、より多く分解してガスが飛散す
ることになる。従って、電子線の密度を小さくして蛍光
体のガス化を防止することが考えられるが、電子線の密
度を小さくすると、蛍光体を励起する電子も少なくなる
ため輝度が低下してしまい好ましくなかった。
【0010】そこで、本発明は輝度を低下することなく
蛍光体のガス化を防止することのできる表示装置を提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の表示装置は、カソード基板のカソード導体
上に形成されたエミッタコーンと、前記カソード基板上
に絶縁層を介して、前記エミッタコーンの先端近傍に形
成されたゲート導体とからなる電界放出カソードと、前
記カソード基板に所定間隔を持って対向する内面の少な
くとも一部に可視発光蛍光体層を設けた透明支持板と、
前記ゲート導体に近接して、かつ前記ゲート導体とは電
気的に独立して設けた導電被覆と、前記導電被覆表面に
積層した紫外線放射蛍光体層とを備え、前記電界放出カ
ソードのエミッタコーンから放出され電子により、前
記紫外線放射蛍光体層が励起されて紫外線を放射し、
放射された紫外線により前記可視発光蛍光体層を励起
して発光するようにしたものである。
【0012】また、前記紫外線放射蛍光体層は、前記ゲ
ート導体上に絶縁被覆を介して導電被覆と紫外線放射蛍
光体層を積層したものである。
【0013】さらにまた、前記紫外線放射蛍光体層は、
前記ゲート導体上に隣接した前記絶縁層上に導電被覆と
紫外線放射蛍光体層を積層ようにしたものである。
【0014】さらに、本発明の表示装置は、カソード基
板のカソード導体上に形成されたエミッタコーンと、前
記カソード基板上に絶縁層を介して、前記エミッタコー
ンの先端近傍に形成されたゲート導体とからなる電界放
出カソードと、前記カソード基板に所定間隔を持って対
向する内面に導電被覆と、紫外線放射蛍光体層とを積層
した透明支持板と、前記紫外線放射蛍光体層に対面した
前記ゲート導体上または絶縁層上に可視発光蛍光体層を
設けたものである。
【0015】
【作用】本発明によれば、可視発光蛍光体を紫外線によ
り励起されて発光させるようにしたので、蛍光体がガス
化されることを防止することができる。このため、電界
放出カソードのエミッションが長期間に渡って良好とな
ると共に、可視発光蛍光体を発光させるための導電層を
削除することができる。
【0016】
【実施例】本発明の表示装置の第1実施例の断面図を図
1に示す。この図において、1はガラス等からなり外囲
器の一部を構成するカソード基板、2はカソード基板上
に形成されたストライプ状のカソード導体、3はカソー
ド導体上に形成されている絶縁層、4は絶縁層3上に積
層されカソード導体2に対し直交して配置されると共に
ストライプ状とされたゲート導体、5はさらにゲート導
体4上に積層されている絶縁被覆層、6は絶縁被覆層5
に積層され、ゲート導体4より正電位とされる導電被覆
層、7は導電被覆層6に積層された紫外線放射蛍光体
(UV蛍光体)層、8はカソード導体2上に形成され電
子を放出するエミッタコーン、9はカソード基板1と共
に、内部が高真空とされる外囲器を形成する透明支持基
板、10は透明支持基板9の内側に形成された可視発光
蛍光体層である。
【0017】このような構造の表示装置の動作を説明す
ると、カソード導体2に対しゲート導体4に正電圧を印
加すると、エミッタコーン8の先端から電子eが放出さ
れる。この電子eは、ゲート導体4より正電位とされて
いる導電被覆層6により発生されている電界により軌道
が曲げられながら加速されて、導電被覆層6上に積層さ
れているUV蛍光体層7に衝突するようになる。これに
より、UV蛍光体7が励起されて紫外線(UV)が放射
され、図示するように透明支持板9に向かう放射された
紫外線が可視発光蛍光体層10に到達すると、この蛍光
体が紫外線により励起されて可視光を発光するようにな
る。この可視光は透明支持板9を介して観察することが
できる。
【0018】この第1実施例の表示装置によれば、可視
発光蛍光体層10は電子線により励起される恐れがほと
んどないため、電子線密度を増加しても可視発光蛍光体
層10が分解されてガス化されることがなく、表示装置
の輝度を向上することができると共に、電子源のエミッ
ション低下を防止することができる。さらに、可視発光
蛍光体層10は紫外線により励起されるため、可視発光
蛍光体を発光するための導電層を必要としないものであ
る。
【0019】次に、図2に前記第1実施例の表示装置の
変形例を示す。この表示装置においては、絶縁層3上に
形成されるゲート導体4と導電被覆層6及びUV蛍光体
層7の構成が異なっている。すなわち、ゲート導体4は
エミッタコーン8の周囲近傍にだけ形成されており、残
る絶縁層3上に直接導電被覆層6とUV蛍光体層7とが
積層される構成とされている。
【0020】このような構造の表示装置の動作を説明す
ると、カソード導体2に対しゲート導体4に正電圧を印
加すると、エミッタコーン8の先端から電子eが放出さ
れる。この電子eは、ゲート導体4より正電位とされて
いる絶縁層3に直接形成された導電被覆層6が発生する
電界により、軌道が曲げられながら加速されて、導電被
覆層6上に積層されているUV蛍光体層7に衝突するよ
うになる。これにより、UV蛍光体7が励起されて紫外
線(UV)を放射し、この紫外線は図示するように透明
支持板9に向かい、紫外線が可視発光蛍光体層10に到
達すると、この蛍光体が紫外線により励起されて可視光
を発光するようになる。この可視光は透明支持板9を介
して観察することができる。
【0021】なお、前記図1あるいは図2に示す第1実
施例において、UV蛍光体層7と導電被覆5との間にさ
らに中間可視発光蛍光体層を設けるようにして、UV蛍
光体層7から下側に放射される紫外線により中間可視発
光蛍光体層を励起して発光させることにより、輝度をよ
り向上するようにしてもよい。また、この表示装置の斜
視図は前記図8に示す斜視図と類似した構成とされてお
り、ストライプ状のカソード導体2と、これと直交する
ストライプ状のゲート導体4とから構成されるマトリク
スを走査することにより、画像を表示することができ
る。また、ゲート導体4に対向するよう可視発光蛍光体
層10をストライプ状に設けると共に、各ストライプ状
の蛍光体を順次赤(R),緑(G),青(B)を発光す
る蛍光体とすることにより、フルカラー表示装置とする
こともできる。
【0022】次に、本発明の表示装置の第2実施例を図
3に示す。この図において、1はガラス等からなり外囲
器の一部を構成するカソード基板、2はカソード基板上
に形成されたストライプ状のカソード導体、3はカソー
ド導体上に形成されている絶縁層、4は絶縁層3上に積
層されカソード導体2に対し直交して配置されるストラ
イプ状とされたゲート導体、6は透明支持板9の内側に
形成され、ゲート導体4より正電位とされる導電被覆
層、7は導電被覆層6に積層された紫外線放射蛍光体
(UV蛍光体)層、8はカソード導体2上に形成され電
子を放出するエミッタコーン、9はカソード基板1と共
に、内部が高真空とされる外囲器を形成する透明支持基
板、10はゲート導体4上に積層された可視発光蛍光体
層である。
【0023】このような構造の表示装置の動作を説明す
ると、カソード導体2に対しゲート導体4に正電圧を印
加すると、エミッタコーン8の先端から電子eが放出さ
れる。この電子eは、ゲート導体4より正電位とされて
いる導電被覆層6により発生されている電界により加速
されて、導電被覆層6上に積層されているUV蛍光体層
7に衝突するようになる。これにより、UV蛍光体7が
励起されて紫外線(UV)を放射し、図示するようにカ
ソード基板1に向かう紫外線を放射する。この紫外線が
ゲート導体4上に積層されている可視発光蛍光体層10
に到達すると、この蛍光体が励起されて可視光を発光す
るようになる。この可視光は透明支持板9、導電被覆層
6及びUV蛍光体層7を介して観察することができる。
【0024】この第2実施例の表示装置によれば、可視
発光蛍光体層10は電子線により励起されるおそれがほ
とんどないため、電子線密度を増加しても可視発光蛍光
体層10が分解されてガス化されることがなく、表示装
置の輝度を向上することができると共に、電子源のエミ
ッション低下を防止することができる。さらに、可視発
光蛍光体層10は紫外線により励起されるため、可視発
光蛍光体を発光するための導電層を必要としないもので
ある。
【0025】ここで、図2に前記第2実施例の表示装置
の変形例を示す。この表示装置においては、絶縁層3上
に形成されるゲート導体4と可視発光蛍光体層10の構
成が異なっている。すなわち、ゲート導体4はエミッタ
コーン8の周囲近傍にだけ形成されており、絶縁層3上
に直接可視発光蛍光体層10が積層される構成とされて
いる。
【0026】このような構造の表示装置の動作を説明す
ると、カソード導体2に対しゲート導体4に正電圧を印
加すると、エミッタコーン8の先端から電子eが放出さ
れる。この電子eは、ゲート導体4より正電位とされて
いる導電被覆層6が発生する電界により加速されて、導
電被覆層6上に積層されているUV蛍光体層7に衝突す
るようになる。これにより、UV蛍光体層7が励起され
て紫外線(UV)を放射し、図示するようにカソード基
板1に向かう紫外線が、絶縁層3に直接形成された可視
発光蛍光体層10に到達すると、この蛍光体が励起され
て可視光を発光するようになる。この可視光は透明支持
板9、導電被覆層6及びUV蛍光体層7を介して観察す
ることができる。
【0027】なお、前記図3あるいは図4に示す第2実
施例において、UV蛍光体層7と導電被覆5との間にさ
らに中間可視発光蛍光体層を設けるようにして、UV蛍
光体層7から下側に放射される紫外線により中間可視発
光蛍光体層を励起して発光させることにより、輝度をよ
り向上するようにしてもよい。また、この表示装置の斜
視図は前記図8に示す斜視図と類似した構成とされてお
り、ストライプ状のカソード導体2と、これと直交する
ストライプ状のゲート導体4とから構成されるマトリク
スを走査することにより、画像を表示することができ
る。また、ゲート導体4に対向するよう可視発光蛍光体
層10をストライプ状に設けると共に、各ストライプ状
の蛍光体を赤(R),緑(G),青(B)を発光する蛍
光体とすることにより、フルカラー表示装置とすること
もできる。
【0028】次に、本発明の表示装置の第3実施例を図
5に示す。第3実施例は図示するように領域Aと領域B
とで異なる構成とされており、領域Aは分解しやすい硫
化物系の蛍光体を可視発光蛍光体として用いる領域であ
り、領域Bは分解しにくい酸化物系等の蛍光体を用いる
領域とされている。領域Aにおいてゲート導体14上に
絶縁被覆層15、導電被覆層16およびUV蛍光体層1
7が積層されている。また、B領域と接する部分には外
側に向けてUV光遮断部18が絶縁被覆層15の一部に
形成されている。
【0029】さらに、領域Aの透明指示板20には第1
可視発光蛍光体21がストライプ状に形成されている。
また、領域Bの電界放出カソードはエミッタコーン19
とその先端近傍に形成されているゲート導体14からな
る通常の構造の電界放出カソードとされている。さら
に、領域Bの透明指示板20には、ストライプ状のIT
O等の透明アノード導体23と第2可視発光蛍光体層2
2とが積層されている。
【0030】このような構造の表示装置の動作を説明す
ると、領域Aのストライプ状のカソード導体12に対し
ゲート導体14に正電圧を印加すると、エミッタコーン
19の先端から電子が放出される。この電子は、ゲート
導体14より正電位とされている導電被覆層16により
発生されている電界により破線で示すように軌道が曲げ
られながら加速されて、導電被覆層16上に積層されて
いるUV蛍光体層17に衝突するようになる。これによ
り、UV蛍光体層17が励起されて紫外線(UV)を放
射し、この紫外線は図示する実線で示すように透明支持
板20に向かい、紫外線が第1可視発光蛍光体層21に
到達すると、この蛍光体層21が紫外線により励起され
て可視光を発光するようになる。この可視光は透明支持
板20を介して図示する方向から観察することができ
る。
【0031】また、領域Bにおいてはストライプ状のカ
ソード導体12に対しゲート導体14に正電圧を印加す
ると、エミッタコーン19の先端から電子が放出され
る。この電子は、ゲート導体14より正電位とされてい
る透明アノード導体23により発生されている電界によ
り破線で示す軌道で加速されて、透明アノード導体23
上に積層されている第2可視発光蛍光体層22に衝突す
るようになる。これにより、第2可視発光蛍光体層22
が可視光を発光し、この可視光は透明支持板20を介し
て図示する方向から観察することができる。
【0032】前記したように、領域Aにおいては第1可
視発光蛍光体層21は紫外線で励起されて、電子線によ
り励起されるおそれがほとんどないため、第1可視発光
蛍光体層21を硫化物蛍光体としても第1可視発光蛍光
体層21が分解されてガス化されることがなく、電子源
のエミッション低下を防止することができる。さらに、
第1可視発光蛍光体層20は紫外線により励起されるた
め、可視発光蛍光体を発光するための導電層を必要とし
ない。また、領域Bにおいては酸化物系の蛍光体を第2
可視発光蛍光体層22として使用することにより、電界
放出カソードから放出される電子線により直接励起する
ことができるものである。
【0033】このように、硫化物系の蛍光体と酸化物系
の蛍光体とを用いるようにするのは、次の理由による。
フルカラーの表示装置では青(B),赤(R),緑
(G)の各色を発光する蛍光体が必要であり、電子源の
エミッションを低下させないためには、各色の蛍光体と
して電子線が衝突してもガス化しない蛍光体を用いれば
よいが、例えば電界放出カソードから放出される電子線
のように低速の電子線により、良好な輝度の青色を発光
できる蛍光体としては硫化物系の蛍光体が主に用いられ
ており、青色用としてはガス化し易い硫化物系の蛍光体
を使用せざるを得ないためである。この青色発光用蛍光
体としては、例えばZnS:Agが用いられている。ま
た、例えば緑色用の蛍光体としては酸化物系のZnO:
Zn等が用いられ、赤色用の蛍光体としてはZnCd
S:Ag,Cl等が用いられる。
【0034】なお、領域Aの端部に形成されているUV
光遮断部18は、UV蛍光体層17から放射された紫外
線により、領域Aに隣接する領域の可視発光蛍光体が励
起されて漏れ発光を生じないように設けられているもの
である。この表示装置の斜視図も前記した図8に示す斜
視図に類似したものとなるが、例えばストライプ状のゲ
ート導体を画像データに基づいてR,G,B毎に走査す
ることにより、フルカラーの表示装置とすることができ
る。前記した本発明の第3実施例によれば、酸化物系に
拘泥することなく輝度の良好な硫化物系の蛍光体を採用
することができるため、高輝度かつ高コントラストのフ
ルカラー表示装置を得ることができる。
【0035】次に、本発明の表示装置の第4実施例を図
6に示す。第4実施例も図示するように領域Aと領域B
とで異なる構成とされており、領域Aは分解しやすい硫
化物系の蛍光体を可視発光蛍光体として用いる領域であ
り、領域Bは分解しにくい酸化物系等の蛍光体を用いる
領域とされている。領域Aにおいて、ゲート導体14上
に第1可視発光蛍光体層21が形成されている。また、
透明指示板20には透明な導電被覆16が全面に形成さ
れており、領域Aではその上にUV蛍光体層17がスト
ライプ状に形成されている。また、領域Bの電界放出カ
ソードは、エミッタコーン19とその先端近傍に形成さ
れているゲート導体14からなる通常の電界放出カソー
ドとされている。さらに、領域Bの導電被覆16上には
第2可視発光蛍光体層22が積層されている。
【0036】このような構造の表示装置の動作を説明す
ると、領域Aのストライプ状のカソード導体12に対し
ゲート導体14に正電圧を印加すると、エミッタコーン
19の先端から電子が放出される。この電子は、ゲート
導体14より正電位とされている導電被覆層16により
発生されている電界により破線で示す軌道で加速され
て、導電被覆層16上に積層されているUV蛍光体層1
7に衝突するようになる。これにより、UV蛍光体層1
7が励起されて紫外線(UV)を放射し、図示する実線
で示すようにカソード基板11に向かう紫外線がゲート
導体14上に形成した第1可視発光蛍光体層21に到達
すると、この蛍光体が紫外線により励起されて可視光を
発光するようになる。この可視光は透明支持板20、透
明な導電被覆16、UV蛍光体層17を介して図示する
方向から観察することができる。
【0037】また、領域Bにおいてはストライプ状のカ
ソード導体12に対しゲート導体14に正電圧を印加す
ると、エミッタコーン19の先端から電子が放出され
る。この電子は、ゲート導体14より正電位とされてい
る透明アノード導体23により発生されている電界によ
り破線で示す軌道で加速されて、透明な導電被覆16上
に積層されている第2可視発光蛍光体22に衝突するよ
うになる。これにより、第2可視発光蛍光体22が可視
光を発光し、この可視光は導電被覆16および透明支持
板20を介して図示する方向から観察することができ
る。
【0038】前記したように、領域Aにおいては第1可
視発光蛍光体層21は紫外線で励起されて、電子線によ
り励起されるおそれがほとんどないため、第1可視発光
蛍光体層21を硫化物蛍光体としても第1可視発光蛍光
体層21が分解されてガス化されることがなく、電子源
のエミッション低下を防止することができる。さらに、
第1可視発光蛍光体層20は紫外線により励起されるた
め、可視発光蛍光体を発光するための導電層を必要とし
ない。また、領域Bにおいては酸化物系の蛍光体を第2
可視発光蛍光体層22として使用することにより、電界
放出カソードから放出される電子線により直接励起する
ことができるものである。
【0039】この第4実施例も第3実施例と同様にフル
カラー表示装置であり、この青色発光用蛍光体として
は、例えばZnS:Agが用いられ、また、緑色用の蛍
光体としては酸化物系のZnO:Zn等が用いられ、赤
色用の蛍光体としてはZnCdS:Ag,Cl等が用い
られる。この表示装置の斜視図も前記した図8に示す斜
視図に類似したものとなるが、例えばストライプ状のゲ
ート導体を画像データに基づいてR,G,B毎に走査す
ることにより、フルカラーの表示装置とすることができ
る。前記した本発明の第4実施例によれば、酸化物系に
拘泥することなく輝度の良好な硫化物系の蛍光体を採用
することができるため、高輝度かつ高コントラストのフ
ルカラー表示装置とすることができる。
【0040】以上説明した本発明の表示装置において、
UV蛍光体に導電性がある場合はUV蛍光体層を励起す
るための導電被覆層を省略することができる。この場
合、導電材をUV蛍光体に混合することによりUV蛍光
体に導電性を付与するようにしてもよい。
【0041】また、ゲート導体上に積層されるUV蛍光
体層においては可視発光蛍光体を混合した膜とすること
もできる。このようにすると、輝度がコントラストを改
善することができる。この場合、混合された可視発光蛍
光体が電子線により分解されてガスが飛散される恐れが
あるが、混合されているため分解される量は微量である
と共に、分解されたガスは対向する透明支持板に向かっ
て飛翔するので、ガスがエミッタコーンに付着される恐
れは少ない。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上のように、可視発光蛍光体
を紫外線により励起して発光させるようにしたので、可
視発光蛍光体がガス化されることを防止することができ
るため、電子源が汚染される恐れをほとんどなくすこと
ができ、電子源のエミッションが長期間に渡って良好と
なる。さらに、可視発光蛍光体を発光させるための導電
層を削除することができる。
【0043】また、UV蛍光体層の上下に可視発光蛍光
体を設けることにより、上下に放射された紫外線を効率
的に可視発光に変換することができ、輝度を向上させる
ことができると共にコントラストを改善することができ
る。また、UV蛍光体層に可視発光蛍光体を混合するこ
とにより、輝度を向上させることができると共にコント
ラストを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示装置の第1実施例の断面図であ
る。
【図2】本発明の表示装置の第1実施例の変形例の断面
図である。
【図3】本発明の表示装置の第2実施例の断面図であ
る。
【図4】本発明の表示装置の第2実施例の変形例の断面
図である。
【図5】本発明の第3実施例の断面図である。
【図6】本発明の第4実施例の断面図である。
【図7】従来の表示装置の断面図である。
【図8】従来の表示装置の斜視図である。
【符号の説明】
1,11 カソード基板 2,12 カソード導体 3,13 絶縁層 4,14 ゲート導体 5,15 絶縁被覆 6,16 導電被覆 7,17 UV蛍光体層 8,19 エミッタコーン 9,20 透明支持板 10,21,22 可視発光蛍光体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 文昭 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株 式会社内 (72)発明者 鹿川 能孝 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株 式会社内 (56)参考文献 特開 昭48−98768(JP,A) 特開 昭63−304555(JP,A) 特開 平4−370634(JP,A) 特許2795184(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 31/12 H01J 63/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カソード基板のカソード導体上に形成さ
    れたエミッタコーンと、前記カソード基板上に絶縁層を
    介して、前記エミッタコーンの先端近傍に形成されたゲ
    ート導体とからなる電界放出カソードと、 前記カソード基板に所定間隔を持って対向する内面の少
    なくとも一部に可視発光蛍光体層を設けた透明支持板
    と、前記ゲート導体に近接して、かつ前記ゲート導体とは電
    気的に独立して設けた 導電被覆と 前記導電被覆表面に積層した 紫外線放射蛍光体層とを備
    え、 前記電界放出カソードのエミッタコーンから放出され
    電子により、前記紫外線放射蛍光体層が励起されて紫外
    線を放射し、前記放射された紫外線により前記可視発光
    蛍光体層を励起して発光することを特徴とする表示装
    置。
  2. 【請求項2】 前記紫外線放射蛍光体層は、前記ゲート
    導体上に絶縁被覆を介して導電被覆と紫外線放射蛍光体
    層を積層したことを特徴とする請求項1記載の表示装
    置。
  3. 【請求項3】 前記紫外線放射蛍光体層は、前記ゲート
    導体上に隣接した前記絶縁層上に導電被覆と紫外線放射
    蛍光体層を積層したことを特徴とする請求項1記載の
    示装置。
  4. 【請求項4】 カソード基板のカソード導体上に形成さ
    れたエミッタコーンと、前記カソード基板上に絶縁層を
    介して、前記エミッタコーンの先端近傍に形成されたゲ
    ート導体とからなる電界放出カソードと、 前記カソード基板に所定間隔を持って対向する内面に導
    電被覆と、紫外線放射蛍光体層とを積層した透明支持板
    と、 前記紫外線放射蛍光体層に対面した前記ゲート導体上ま
    たは絶縁層上に可視発光蛍光体層を設けたことを特徴と
    する 表示装置。
JP19129594A 1994-07-22 1994-07-22 表示装置 Expired - Fee Related JP3419094B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19129594A JP3419094B2 (ja) 1994-07-22 1994-07-22 表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19129594A JP3419094B2 (ja) 1994-07-22 1994-07-22 表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0836974A JPH0836974A (ja) 1996-02-06
JP3419094B2 true JP3419094B2 (ja) 2003-06-23

Family

ID=16272195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19129594A Expired - Fee Related JP3419094B2 (ja) 1994-07-22 1994-07-22 表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3419094B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011154905A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Panasonic Electric Works Co Ltd 発光装置
CN109887816B (zh) * 2019-02-22 2024-01-05 福建工程学院 一种反射式场发射电子光源器件及制备方法
CN112687520B (zh) * 2020-12-16 2021-09-24 中山大学 一种空间电子激发的反射式深紫外光源

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0836974A (ja) 1996-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5347292A (en) Super high resolution cold cathode fluorescent display
JP2003263951A (ja) 電界放出型電子源およびその駆動方法
JPH08505259A (ja) フラットな電界放出カソードを用いたトライオード構造のフラットパネルディスプレイ
JP2002150978A (ja) 画像表示装置
KR100859685B1 (ko) 카본계 물질로 형성된 에미터를 갖는 전계 방출 표시 장치
JP2629521B2 (ja) 電子銃及び陰極線管
JPH0594787A (ja) 平形蛍光表示装置
JP2002075255A (ja) 蛍光表示管
JP3419094B2 (ja) 表示装置
JP2006059638A (ja) 発光体基板および画像表示装置、並びに該画像表示装置を用いた情報表示再生装置
JPH04262347A (ja) フラット・パネル表示装置
US7067971B2 (en) Field emission element
US20060066216A1 (en) Field emission display
JP2795184B2 (ja) 表示装置
JP2009037856A (ja) 画像形成装置及び発光体基板
JP4590092B2 (ja) 画像表示装置
JP4132502B2 (ja) 平面ディスプレイ及びその製造方法
JP2795185B2 (ja) 表示装置
JP3063644B2 (ja) 蛍光表示管
US20020067119A1 (en) CRT display matrix that emits ultraviolet light
US20070200482A1 (en) Image display apparatus and method of manufacturing the same
JP3253811B2 (ja) 表示素子
JP2577361Y2 (ja) 電子放出素子およびその電子放出素子を用いた画像表示装置
JP2001006565A (ja) 平面発光パネルおよびそれを用いた画像表示素子
JPWO2002061793A1 (ja) 表示管用前面側ガラス基板ならびに表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030318

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080418

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees