JP2011154905A - 発光装置 - Google Patents

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崇 幡井
Tsutomu Ichihara
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Abstract

【課題】低消費電力化、高発光効率化、および寿命化を図れる発光装置を提供する。
【解決手段】ガスが封入された気密容器1と、気密容器1内へガスを励起させる電子を供給する電子源2と、電子源2に対向配置されたアノード電極3と、気密容器1の内面側に配置され励起されたガスの発光過程で放射される光からなる励起光によって励起され発光する蛍光体層4と、電子源2の表面電極27・下部電極25間(駆動電極間)の電圧およびアノード電極3・電子源2間の電圧を制御する制御装置5とを備える。制御装置5は、電子のエネルギ分布のピークエネルギが、ガスの励起エネルギよりも大きくガスのイオン化エネルギよりも小さくなるように電子源2の駆動電極間の電圧を制御することでガスを放電させずにガスを励起させる。蛍光体層4は、励起光によって励起され発光する第1の蛍光体と、電子源2からの電子により励起され発光する第2の蛍光体とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、気密容器内に封入されているガスの発光過程で放射される励起光を蛍光体により波長変換して励起光よりも長波長の光を発光する発光装置に関するものである。
地球の環境問題に対する関心が高まるにつれて、発光装置として、水銀を利用せずに例えばキセノンガスなどの希ガスを透光性の気密容器内に封入した希ガス蛍光ランプのような無水銀蛍光ランプが各所で研究開発されている。
しかしながら、希ガス蛍光ランプは、水銀を利用した従来の蛍光ランプに比べて、効率が低く、従来の蛍光ランプと同等の輝度を得るためには、透光性の気密容器内に配置された一対の放電用電極間により高い放電開始電圧(始動電圧)および放電維持電圧を印加しなければならないという問題があった。
これに対して、キセノンガスなどの希ガスからなるガスが封入された透光性の気密容器内に、一対の放電用電極とは別に電界放射型の電子源を配置し、一対の放電用電極間に電圧を印加する前に電子源を駆動して電子を放出させることにより、放電開始電圧を低減する技術が提案されており(例えば、特許文献1参照)、放電開始電圧を半分程度まで低減できることが知られている。なお、上記特許文献1に開示された発光装置では、気密容器の内面の適宜部位に、ガスの放電により発生した紫外光からなる励起光により励起されて発光する蛍光体からなる蛍光体層が形成されている。
特開2002−150944号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された発光装置では、気密容器内にキセノンガスのイオン化エネルギ(12.13eV)以上の電子を供給する必要がある。しかしながら、キセノンガスのイオン化エネルギはキセノンガスから紫外光を発生させるのに必要な励起エネルギ(8.44eV)よりも大きいので、電子源の駆動用電極間に印加する電圧が必要以上に大きくなり、低消費電力化および単位入力電力当たりの発光効率の高効率化が制限されるとともに電子源の寿命が短くなって発光装置の寿命が短くなってしまう懸念があった。また、上記特許文献1に開示された発光装置では、放電プラズマのイオンが電子源や蛍光体層に衝突することにより電子源や蛍光体層にダメージが発生し、発光装置の寿命が短くなってしまうという懸念があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、低消費電力化、高発光効率化、および長寿命化を図れる発光装置を提供することにある。
請求項1の発明は、真空紫外〜可視光域の光を発光可能なガスが封入され少なくとも一部が透光性材料により形成された気密容器と、気密容器内へガスを励起させる電子を供給する電子源と、気密容器内において電子源に対向配置されたアノード電極と、気密容器の内面側に配置され励起されたガスの発光過程で放射される光からなる励起光によって励起され発光する蛍光体層と、電子源の駆動用電極間の電圧およびアノード電極と電子源との間の電圧を制御する制御装置とを備え、制御装置は、電子のエネルギ分布のピークエネルギが、ガスの励起エネルギよりも大きくガスのイオン化エネルギよりも小さくなるように電子源の駆動用電極間の電圧を制御することでガスを放電させずにガスを励起させるものであり、蛍光体層は、前記励起光によって励起され発光する第1の蛍光体と、前記電子源からの電子線により励起され発光する第2の蛍光体とを有することを特徴とする。
この発明によれば、制御装置により、電子のエネルギ分布のピークエネルギが、ガスの励起エネルギよりも大きくガスのイオン化エネルギよりも小さくなるように電子源の駆動用電極間の電圧を制御することでガスを放電させずにガスを励起させ、励起されたガスの発光過程で放射される光からなる励起光が蛍光体層で波長変換されるので、ガスを放電させて蛍光体層を発光させる場合に比べて、電子源の駆動用電極間に印加する電圧を低減できるから、低消費電力化および高発光効率化を図れる。また、放電プラズマのイオンに起因して電子源や蛍光体層がダメージを受けることもないから、長寿命化を図れる。また、蛍光体層が、前記励起光によって励起され発光する第1の蛍光体と、前記電子源からの電子線により励起され発光する第2の蛍光体とを有するので、前記電子源から放出された電子をより有効に利用することができるから、発光効率を更に向上させることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記蛍光体層は、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とが混合されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記蛍光体層を容易に形成することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記蛍光体層は、前記アノード電極における前記電子源との対向面側に形成されてなり、前記第1の蛍光体により形成され前記アノード電極に積層された層状の第1の蛍光体層と、前記第2の蛍光体により形成され第1の蛍光体層に積層された層状の第2の蛍光体層とからなることを特徴とする。
この発明によれば、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層とを積層する場合に、電子が前記第1の蛍光体層を通して前記第2の蛍光体層へ入射するように積層する場合に比べて、前記第2の蛍光体へ到達する電子のエネルギが高くなるから、前記第2の蛍光体の発光効率を高めることができる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記蛍光体層は、前記アノード電極における前記電子源との対向面を覆うように形成されてなり、平面視において、前記第1の蛍光体により形成された第1の蛍光体層と前記第2の蛍光体により形成された第2の蛍光体層とに分割されてなることを特徴とする。
この発明によれば、第1の蛍光体層と第2の蛍光体層とを厚み方向に積層する場合に比べて、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体との一方の発光効率が低下するのを防止することができる。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記アノード電極は、前記第1の蛍光体層に重なる第1のアノード電極と、前記第2の蛍光体層に重なる第2のアノード電極とに分離して形成されており、前記制御装置は、前記第1のアノード電極と前記電子源との間の電圧と、前記第2のアノード電極と前記電子源との間の電圧とを独立して制御可能であることを特徴とする。
この発明によれば、前記第1の蛍光体層へ向かう電子のエネルギと前記第2の蛍光体層へ向かう電子のエネルギとを独立して制御することが可能となり、より一層の高発光効率化および低消費電力化を図れる。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記制御装置は、前記電子源を間欠的に駆動し、前記電子源を駆動する期間には、前記第1のアノード電極と前記電子源との間にのみ電圧が印加され、前記電子源を駆動しない期間には、前記第2のアノード電極と前記電子源との間にのみ電圧が印加されないように、前記アノード電極と前記電子源との間の電圧を制御することを特徴とする。
この発明によれば、前記電子源を間欠的に駆動することによる低消費電力化を図りつつ前記第1の蛍光体および前記第2の蛍光体を効率良く発光させることが可能となる。
請求項7の発明は、請求項4の発明において、前記アノード電極は、前記蛍光体層のうち前記第2の蛍光体層のみに重なっていることを特徴とする。
この発明によれば、低消費電力化を図りつつ前記第2の蛍光体を効率よく発光させることが可能となる。
請求項8の発明は、請求項4ないし請求項7の発明において、前記電子源は、前記第1の蛍光体層の厚み方向への投影領域内のみに形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、前記第2の蛍光体層へ到達する前記励起光を少なくすることができ、前記励起光をより有効に利用することが可能となる。
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記第1の蛍光体層の平面積よりも前記電子源の電子放出面の平面積が小さいことを特徴とする。
この発明によれば、前記第2の蛍光体層へ到達する前記励起光をより少なくすることができる。
請求項10の発明は、請求項5ないし請求項9の発明において、前記電子源と前記蛍光体層との間に、前記電子源から放出された電子を加速するためのグリッド電極が配置されてなり、前記制御装置により前記グリッド電極の電位を制御することを特徴とする。
この発明によれば、前記電子源から放出された電子を加速することができる。
請求項11の発明は、請求項10の発明において、前記制御装置は、前記アノード電極の電位を前記グリッド電極の電位よりも高くすることを特徴とする。
この発明によれば、前記グリッド電極に吸収される電子を低減して前記第2の蛍光体層に到達する電子を増加させることができ、前記電子源から放出される電子をより有効に利用できる。
請求項12の発明は、請求項10の発明において、前記制御装置は、前記電子源を間欠的に駆動し、前記電子源を駆動する期間には、前記グリッド電極と前記電子源との間に電圧が印加され、前記電子源を駆動しない期間には、前記グリッド電極と前記電子源との間に電圧が印加されないように、前記グリッド電極と前記電子源との間の電圧を制御することを特徴とする。
この発明によれば、低消費電力化を図れるとともに、前記グリッド電極に吸収される電子を低減して前記第2の蛍光体層に到達する電子を増加させることができる。
請求項13の発明は、請求項4ないし請求項9の発明において、前記第2の蛍光体層の手前にグリッド電極が配置されてなり、前記制御装置は、前記アノード電極の電位を前記グリッド電極の電位よりも高くすることを特徴とする。
この発明によれば、前記第1の蛍光体層に到達する電子を低減して、より多くの電子を前記第2の蛍光体層側に引き寄せることが可能となる。
請求項14の発明は、請求項1ないし請求項13の発明において、前記第2の蛍光体は、低速電子線用の蛍光体であることを特徴とする。
この発明によれば、前記第2の蛍光体が高速電子線用の蛍光体である場合に比べて、前記アノード電極と前記電子源との間に印加する電圧を低減でき、放電の発生を防止することができる。
請求項1の発明では、低消費電力化、高発光効率化、および長寿命化を図れるという効果がある。
実施形態1の発光装置の概略構成図である。 同上に用いる電子源の要部説明図である。 同上の特性説明図である。 同上の特性説明図である。 同上の動作説明図である。 同上の特性説明図である。 同上の動作説明図である。 実施形態2の発光装置の概略構成図である。 実施形態3の発光装置の概略構成図である。 実施形態4の発光装置の概略構成図である。 実施形態5の発光装置の概略構成図である。 実施形態6の発光装置の概略構成図である。 実施形態7の発光装置の概略構成図である。 実施形態8の発光装置の概略構成図である。 実施形態9の発光装置の概略構成図である。
(実施形態1)
本実施形態の発光装置は、図1に示すように、真空紫外〜可視光域の光を発光するガス(例えば、キセノンガスなど)が封入され透光性材料により形成された気密容器1と、気密容器1内へガスを励起させる電子を供給する電子源2と、気密容器1内において電子源2に対向配置された透明電極(例えば、ITO膜など)からなるアノード電極3と、気密容器1の内面側に配置され励起されたガスの発光過程で放射される光からなる励起光によって励起され発光する蛍光体層4と、電子源2の表面電極27と下部電極25との間の電圧およびアノード電極3と電子源2の表面電極27との間の電圧を制御する制御装置5とを備えており、励起されたガスの発光過程で放射される光(例えば、真空紫外光)が蛍光体層4で可視光に波長変換され気密容器1を通して放射されることとなる。なお、本実施形態では、電子源2における表面電極27と下部電極25とが一対の駆動用電極を構成し、表面電極27の表面が電子放出面を構成している。また、図1中の直線の矢印は電子源2から放出される電子を示し、同図中の波線の矢印は励起されたガスの発光過程で放射される光を示している。
気密容器1は、透光性材料(例えば、ガラスなど)からなる矩形板状のリヤプレート11と、リヤプレート11の一表面側に対向配置された透光性材料(例えば、ガラスなど)からなる矩形板状のフェースプレート12と、リヤプレート11とフェースプレート12との間に介在する矩形枠状のスペーサ13とで構成され、リヤプレート11の上記一表面側に電子源2が配置され、フェースプレート12における電子源2との対向面側にアノード電極3が形成され、アノード電極3における電子源2との対向面側に蛍光体層4が形成されている。なお、気密容器1の形状は特に限定するものではない。また、リヤプレート11、フェースプレート12およびスペーサ13の材料はガラスに限らず、例えば、透光性セラミックでもよい。また、本実施形態では、気密容器1全体が透光性材料により形成されているが気密容器1は必ずしも全体が透光性材料により形成されている必要はなく、少なくとも一部が透光性材料により形成されていればよい。
電子源2は、弾道電子面放出型電子源(Ballistic electronSurface-emitting Device:BSD)であり、下部電極25と、下部電極25に対向した表面電極27と、下部電極25と表面電極27との間に介在する強電界ドリフト層26とを備えている。ここにおいて、下部電極25は、金属膜(例えば、タングステン膜など)により構成され、表面電極27は、膜厚が10〜15nm程度の導電性薄膜(例えば、Au膜など)により構成されているが、下部電極25および表面電極27の材料は特に限定するものではなく、いずれも単層膜に限らず、多層膜でもよい。
また、強電界ドリフト層26は、図2に示すように、少なくとも、下部電極25の表面側に列設された柱状の多結晶シリコンのグレイン(半導体結晶)261と、グレイン261の表面に形成された薄いシリコン酸化膜262と、グレイン261間に介在する多数のナノメータオーダのシリコン微結晶(半導体微結晶)263と、各シリコン微結晶263の表面に形成され当該シリコン微結晶263の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜である多数のシリコン酸化膜264とから構成されている。ここに、各グレイン261は、下部電極25の厚み方向に延びている(つまり、リヤプレート11の厚み方向に延びている)。
上述の電子源2から電子を放出させるには、表面電極27が下部電極25に対して高電位側となるように表面電極27と下部電極25との間に駆動用電源Vpsから電圧を印加すれば、下部電極25から強電界ドリフト層26へ注入された電子が強電界ドリフト層26をドリフトし表面電極27を通して放出される。
ここに、上述の電子源2では、表面電極27と下部電極25との間に印加する電圧を10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることができる。なお、本実施形態の電子源2は、電子放出特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピング現象が発生せず安定して電子を高い電子放出効率で放出することができるという特徴を有している。
上述の電子源2の基本構成は周知であり、次のようなモデルで電子放出が起こると考えられる。すなわち、表面電極27と下部電極25との間に表面電極27を高電位側として電圧を印加することにより、下部電極25から強電界ドリフト層26へ電子eが注入される。一方、強電界ドリフト層26に印加された電界の大部分はシリコン酸化膜264にかかるから、注入された電子eはシリコン酸化膜264にかかっている強電界により加速され、強電界ドリフト層26におけるグレイン261の間の領域を表面に向かって図2中の矢印の向き(図2における上向き)へドリフトし、表面電極27をトンネルし放出される。しかして、強電界ドリフト層26では下部電極25から注入された電子がシリコン微結晶263でほとんど散乱されることなくシリコン酸化膜264にかかっている電界で加速されてドリフトし、表面電極27を通して放出され(弾道型電子放出現象)、強電界ドリフト層26で発生した熱がグレイン261を通して放熱されるから、電子放出時にポッピング現象が発生せず、安定して電子を放出することができる。
なお、上述の強電界ドリフト層26では、シリコン酸化膜264が絶縁膜を構成しており絶縁膜の形成に酸化プロセスを採用しているが、酸化プロセスの代わりに窒化プロセスないし酸窒化プロセスを採用してもよく、窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜262,264がいずれもシリコン窒化膜となり、酸窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜262,264がいずれもシリコン酸窒化膜となる。また、本実施形態では、電子源2をガラス基板からなるリヤプレート11の上記一表面側に直接形成してあるが、電子源2の下部電極25をシリコン基板と当該シリコン基板の裏面側のオーミック電極とで構成して、リヤプレート11の上記一表面側に配置するようにしてもよい。
ところで、上述の制御装置5は、電子源2の表面電極27と下部電極25との間に電圧を印加する駆動用電源Vpsと、アノード電極3と電子源2の表面電極27との間に電圧を印加するアノード電極用電源Vaと、駆動用電源Vpsおよびアノード電極用電源Vaそれぞれを制御するマイクロコンピュータなどにより構成される制御手段5aとで構成されており、電子のエネルギ分布のピークエネルギが、気密容器1内に封入されているガスであるキセノンガスの励起エネルギよりも大きくキセノンガスのイオン化エネルギよりも小さくなるように電子源2の表面電極27・下部電極25間の電圧を制御することでガスを放電させずにガスを励起させる。
ここにおいて、本実施形態の発光装置では、制御装置5によって駆動用電源Vpsから電子源2の表面電極27と下部電極25との間に表面電極27側を高電位とする電圧を印加させることにより、電子源2から電子が放出される一方で、制御装置5によってアノード電極用電源Vaからアノード電極3と電子源2の表面電極27との間にアノード電極3を高電位側とする電圧を印加させるので、電子源2から放出された電子は、アノード電極3と表面電極27との間の電界によって加速され、アノード電極3と表面電極27との間に存在するガスの原子(ここでは、キセノン原子)に衝突する。
ここで、電子源2から放出された電子がアノード電極3と表面電極27との間の電界により得るエネルギは、アノード電極3と表面電極27との間の電界強度とガス中における電子の平均自由行程との積に依存し、電界強度はアノード電極3・表面電極27間に印加される電圧とアノード電極3・表面電極27間の距離とに依存する一方で、平均自由行程は気密容器1内のガスの種類やガス圧に依存するが、本実施形態では、ガス圧を5kPaに設定してあり、電子の平均自由工程が短いので、電子源2から放出された電子がアノード電極3と表面電極27との間の電界により得るエネルギは電子源2から放出される電子のエネルギ分布のピークエネルギに比べて小さく、電子源2から放出される電子のエネルギ分布がガスに衝突する電子のエネルギ分布から若干、高エネルギ側にシフトする。ここで、本実施形態では、電子のエネルギ分布のピークエネルギが、キセノンガスの励起エネルギよりも大きくキセノンガスのイオン化エネルギよりも小さくなるように電子源2の駆動時に当該電子源2の表面電極27と下部電極25との間に表面電極27を高電位側として印加する電圧を20Vとしてあり、電子エネルギ分布のピークエネルギを10eV程度としてある。
しかして、本実施形態の発光装置では、制御装置5により、電子のエネルギ分布のピークエネルギが、ガスの励起エネルギよりも大きくガスのイオン化エネルギよりも小さくなるように電子源2の表面電極27・下部電極25間の電圧を制御することでガスを放電させずにガスを励起させ、励起されたガスの発光過程で放射される光からなる励起光が蛍光体層4で波長変換されるので、ガスを放電させて蛍光体層4を発光させる場合に比べて、電子源2の表面電極27・下部電極25間に印加する電圧を低減できて低消費電力化を図れるから、低消費電力化および高発光効率化を図れ、また、放電プラズマのイオンに起因して電子源2や蛍光体層4がダメージを受けることもないから、長寿命化を図れる。
ここにおいて、本実施形態の発光装置では、電子源2とアノード電極3との間隔をパッシェンミニマムよりも大きな1cmに設定してあり、ガスの放電が起こりにくくなっている。なお、電子源2とアノード電極3との間の間隔は1cmに限定するものではない。
また、本実施形態の発光装置では、電子源2として、上述の弾道電子面放出型電子源を採用しているので、ガス中でも安定して動作可能で、キセノンガスの励起エネルギである8.44eV以上の初期エネルギを有する電子を放出することができ、電子源2としてスピント型電子源を採用した場合に比べて、電子源2から放出される電子の初期エネルギが高くなるから、電子源2の駆動電圧(表面電極27・下部電極25間の電圧)やアノード電極3と表面電極27との間に印加する電圧を低減でき、低消費電力化を図れる。
ところで、本実施形態の発光装置では、気密容器1内に封入するガスとしてキセノンガスを採用し、キセノンガスの圧力を5kPaに設定してあるが、当該ガス圧は5kPaに限定するものではない。ここで、気密容器1内に蛍光体層4を設けずに、気密容器1内のガス圧を100Pa〜50kPaの範囲で変えたものについて、アノード電極3と表面電極27との間に印加する電圧(以下、アノード電圧と称する)を100Vとして、電子源2の表面電極27と下部電極25との間に表面電極27を高電位側として20Vのパルス電圧を印加したときに発生する紫外光の発光強度を光電子増倍管により測定した結果を図3に示す。図3から、ガス圧を2kPa〜20kPaの範囲内で設定すれば、キセノンガスの放電を防止することができるとともに発光効率の向上を図れることが確認された。なお、ガス圧が100Paのもの、1kPaのものについては、放電が起こったため光電子増倍管による測定は行っていない。
また、アノード電極3と電子源2の表面電極27との距離を1cm、ガス圧を5kPaとして、アノード電圧を変化させたときの紫外光の発光強度を光電子増倍管により測定した結果を図4に示す。ここで、アノード電圧を0〜180Vとした範囲では、放電は起こっておらず、アノード電極3と電子源2の表面電極27との間の電界強度E〔V/m〕とガス圧p〔Pa〕とを用いてE/pで規定される換算電界強度を0〜3.6〔V/mPa〕の範囲で設定することで、放電を防止できることが分かる。なお、図4から、アノード電圧を増加させることにより紫外光の発光強度が増加していることが分かるが、これは、アノード電圧の増加に伴い電子のエネルギ分布のピークエネルギが高エネルギ側へシフトし、キセノンガスが励起される確率が増加するためであると推測される。
また、図5に示すように、キセノン原子をイオン化して放電させるには12.13eVのエネルギが必要であるのに対して、波長147nmの紫外光を放射させるためには8.44eVの励起エネルギでよく、エキシマ(ここでは、励起状態のキセノン分子)を生成することにより147nmよりも長波長である172nmの発光を得ることができる。なお、図5中の下向きの矢印に付した数値は発光波長を示している。
ここで、本実施形態では、ガスとして希ガスの一種であるキセノンガスを採用し、気密容器1内のガスの圧力をエキシマの生成が可能な圧力である5kPaに設定してあるので、気密容器1内に電子源2から電子を供給することにより、エキシマ(励起状態の分子)を生成することが可能となり、蛍光体層4でのストークス損失を低減することができ、発光効率の向上を図れる。
また、本実施形態の発光装置における制御装置5は、電子源2から気密容器1内に周期的に電子が供給されるように、上述の駆動用電源Vpsから電子源2の表面電極27と下部電極25との間に表面電極27を高電位側として矩形波電圧を印加させるようにしている。しかして、本実施形態の発光装置では、制御装置5が電子源2を間欠的に駆動するので、電子源2を連続駆動する場合に比べて、低消費電力化を図れる。
ここにおいて、気密容器1内に蛍光体層4を設けずに、気密容器1内のキセノンガスの圧力を5kPaとし、電子源2の表面電極27と下部電極25との間に表面電極27を高電位側として20Vのパルス電圧を印加した場合の紫外光の発光強度の経時変化を測定した結果を図6に示す(なお、図6中の「ON」は電子源2にパルス電圧が印加されている期間を示し、「OFF」は電子源2にパルス電圧が印加されていない期間を示す)。図6から、電子源2へのパルス電圧の印加停止から、20μsec程度の間、残光が得られていることが分かる。要するに、残光時間が20μsec程度であることが分かる。
そこで、制御装置5では、上述の矩形波電圧の1周期において電子源2からの電子の供給を停止させるオフ期間を、電子源2から電子を供給させるオン期間からオフ期間へ移行したときのキセノンガスの残光時間よりも短くなるように設定してある。ここで、上述の矩形波電圧の周波数およびオンデューティを変化させた場合のオフ時間(オフ期間の時間)を図7に示す。図7は、横軸が周波数、縦軸がオフ時間であり、「イ」がオンデューティを1%とした場合、「ロ」がオンデューティを10%とした場合、「ハ」がオンデューティを50%とした場合を示している。
しかして、本実施形態の発光装置では、電子源2からの電子の供給を停止させるオフ期間にも紫外光の発光が継続されるので、発効効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、上述のように電子源2が、下部電極25と、下部電極25に対向した表面電極27と、下部電極25と表面電極27との間に介在する強電界ドリフト層26とを備えた弾道電子面放出型電子源により構成されているので、制御装置5が上述の矩形波電圧を交流電圧とすれば、電子源2の表面電極27・下部電極25間に順バイアス電圧が印加されて電子源2から気密容器1内へ電子が供給される期間と、表面電極27・下部電極25間に逆バイアス電圧が印加されて順バイアス電圧印加時に電子源2の強電界ドリフト層26中のトラップに捕獲されていた電子を強電界ドリフト層26外の下部電極25へ放出させる期間とが繰り返されるので、強電界ドリフト層26中のトラップに捕獲された電子に起因した電界の緩和を抑制することができ、電子源2の長寿命化を図れる。
また、本実施形態の発光装置では、制御装置5が、電子源2の表面電極27・下部電極25間に印加する矩形波電圧である第1の矩形波電圧に同期する第2の矩形波電圧をアノード電極3と電子源2の表面電極27との間に印加させるようにすれば、アノード電極3と電子源2との間に一定電圧を印加する場合に比べて、低消費電力化を図れる。
ここにおいて、制御装置5が、上記第2の矩形波電圧をアノード電極3の電位が電子源2よりも高電位であり且つ上記オン期間よりも上記オフ期間の方が低い電位となるように設定してあるようにすれば、電子源2の低消費電力化を図りつつ上記オフ期間に電子をアノード電極3に引き抜くことができる。
ところで、本実施形態の発光装置の蛍光体層4の蛍光体として、ガスから発生する光(キセノンガスの場合は、真空紫外光)からなる励起光によって発光する蛍光体(以下、第1の蛍光体ともいう)のみを用いることが考えられる。しかしながら、この場合は、ガスを励起した後のエネルギを失った電子や、もともとガスを励起できるだけのエネルギを持っていなかった電子や、ガスに衝突せずに蛍光体層4やスペーサ13などに直接衝突する電子など、電子源2から放出された電子のうち発光に寄与しない電子が存在してしまう。
これに対して、本実施形態の発光装置では、蛍光体層4が、ガスからの励起光によって励起され発光する第1の蛍光体と、電子源2からの電子線により励起され発光する第2の蛍光体とを有するので、電子源2から放出された電子をより有効に利用することができるから、発光効率を更に向上させることができる。
ここにおいて、蛍光体層4は、透光性の樹脂液中に第1の蛍光体の粉末および第2の蛍光体の粉末を分散させた蛍光体ペーストを塗布して乾燥させた後で焼成することにより形成された蛍光体塗布膜により構成されている。要するに、本実施形態の発光装置における蛍光体層4では、第1の蛍光体と第2の蛍光体とが混合されているので、蛍光体層4を容易に形成することができる。
また、第2の蛍光体としては、低速電子線用の蛍光体を用いているので、第2の蛍光体がCRTなどに用いられる高速電子線用の蛍光体(例えば、P22型蛍光体)である場合に比べて、アノード電極3と電子源2との間に印加する電圧を低減でき、放電の発生を防止することができる。
発光装置全体としての所望の発光色は特に限定するものではないが、例えば、所望の発光色を白色とする場合には、第1の蛍光体および第2の蛍光体それぞれについて周知の、赤色蛍光体と緑色蛍光体と青色蛍光体とを用いるようにすればよい。この場合、第1の蛍光体に関しては、例えば、赤色蛍光体として、(Y,Gd)BO:Eu、Y:Euなど、緑色蛍光体として、ZnSiO:Mn、(Y,Gd)BO:Tbなど、青色蛍光体として、BaMgAl1017:Euなどを用いることができる。また、第2の蛍光体に関しては、例えば、赤色蛍光体として、(Zn,Cd)S:Ag+Inなど、緑色蛍光体として、ZnO:Znなど、青色蛍光体として、ZnS:Ag+Inなどを用いることができる。
(実施形態2)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図8に示すように、アノード電極3における電子源2との対向面側に形成された蛍光体層4が、第1の蛍光体により形成されアノード電極3に積層された層状の第1の蛍光体層4aと、第2の蛍光体により形成され第1の蛍光体層4aに積層された層状の第2の蛍光体層4bとからなる点が相違するだけである。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置では、第1の蛍光体層4aと第2の蛍光体層4bとを積層する場合に、電子が第1の蛍光体層4aを通して第2の蛍光体層4bへ入射するように積層する場合に比べて、第2の蛍光体へ到達する電子のエネルギが高くなるから、第2の蛍光体の発光効率を高めることができる。
(実施形態3)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、図9に示すように、アノード電極3における電子源2との対向面を覆うように形成された蛍光体層4が、平面視において、第1の蛍光体により形成された第1の蛍光体層4aと第2の蛍光体により形成された第2の蛍光体層4bとに分割されている点が相違するだけである。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置では、実施形態1のように第1の蛍光体と第2の蛍光体とを混合する場合や、実施形態2のように第1の蛍光体層4aと第2の蛍光体層4bとを厚み方向に積層する場合に比べて、第1の蛍光体と第2の蛍光体との一方の発光効率が低下するのを防止することができる。
(実施形態4)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態3と略同じであり、図10に示すように、アノード電極3が、第1の蛍光体層4aに重なる第1のアノード電極3aと、第2の蛍光体層4bに重なる第2のアノード電極3bとに分離して形成されており、制御装置5が、第1のアノード電極3aと電子源2との間の電圧と、第2のアノード電極3bと電子源2との間の電圧とを独立して制御可能である点が相違するだけである。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ここにおいて、制御装置5は、第1のアノード電極3aと電子源2の表面電極27との間に電圧を印加する第1のアノード電極用電源Vaaと、第2のアノード電極3bと電子源2の表面電極27との間に電圧を印加する第2のアノード電極用電源Vabと、駆動用電源Vpsおよび各アノード電極用電源Vaa,Vabそれぞれを制御するマイクロコンピュータなどにより構成される制御手段5aとで構成されている。
しかして、本実施形態の発光装置では、第1の蛍光体層4aへ向かう電子のエネルギと第2の蛍光体層4bへ向かう電子のエネルギとを独立して制御することが可能となり、より一層の高発光効率化および低消費電力化を図れる。
また、制御装置5が、電子源2を間欠的に駆動し、電子源2を駆動する期間には、第1のアノード電極3aと電子源2との間にのみ電圧が印加され、電子源2を駆動しない期間には、第2のアノード電極3bと電子源2との間にのみ電圧が印加されないように、アノード電極3と電子源2との間の電圧を制御するようにすれば、電子源2を間欠的に駆動することによる低消費電力化を図りつつ第1の蛍光体および第2の蛍光体を効率良く発光させることが可能となる。
(実施形態5)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態3と略同じであり、図11に示すように、アノード電極3が、蛍光体層4のうち、電子線により励起される第2の蛍光体からなる第2の蛍光体層4bのみに重なっている点が相違するだけである。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置では、低消費電力化を図りつつ第2の蛍光体を効率よく発光させることが可能となる。
(実施形態6)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態5と略同じであり、図12に示すように、電子源2が、第1の蛍光体層4aの厚み方向への投影領域内のみに形成されている点が相違するだけである。なお、実施形態5と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置では、電子源2からの電子により励起されたガスからの励起光(例えば、真空紫外光など)が第1の蛍光体層4aへ到達しやすくなる一方で、第2の蛍光体層4bへ到達する励起光を少なくすることができ、励起光をより有効に利用することが可能となる。
なお、本実施形態では、複数の第1の蛍光体層4aそれぞれの投影領域毎に電子源2を配置してあるが、電子源2の数を1つとして、表面電極27を各第1の蛍光体層4aに対応する形状にパターニングしてもよいし、表面電極27において第1の蛍光体層4bに対応する部位にマスク層を設けるようにしてもよい。
(実施形態7)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態6と略同じであり、図13に示すように、第1の蛍光体層4aの平面積よりも電子源2の電子放出面(表面電極27の表面)の平面積が小さい点が相違するだけである。なお、実施形態6と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
しかして、本実施形態の発光装置では、実施形態6の発光装置に比べて、電子源2からの電子により励起されたガスからの励起光(例えば、真空紫外光など)が第1の蛍光体層4aへより到達しやすくなる一方で、第2の蛍光体層4bへ到達する励起光をより少なくすることができる。
(実施形態8)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態6と略同じであり、図14に示すように、電子源2と蛍光体層4との間に、電子源2から放出された電子を加速するためのグリッド電極6が配置されており、制御装置5によりグリッド電極6の電位を制御する点が相違するだけである。なお、実施形態6と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
制御装置5は、グリッド電極6と電子源2の表面電極27との間に電圧を印加するグリッド電極用電源(図示せず)を備えており、当該グリッド電極用電源を制御手段5aにより制御するように構成されている。ここで、グリッド電極6は、導電性材料(例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレスなど)により網状の形状に形成されており、該網状の各網目それぞれの部分が、電子源2から放出された電子の通る開口部を構成している。なお、グリッド電極6は、網状の形状に限らず、例えば、平板状の導電性基材に開口部を設けたものでもよい。
しかして、本実施形態の発光装置では、制御装置5が、グリッド電極6の電位を制御することにより、電子源2から放出された電子を加速することができる。
ここにおいて、制御装置5がアノード電極3の電位をグリッド電極6の電位よりも高くするようにすれば、電子源2から放出された電子のうちグリッド電極6に吸収される電子を低減して第2の蛍光体層4bに到達する電子を増加させることができ、電子源2から放出される電子をより有効に利用できる。
また、制御装置5が、電子源2を間欠的に駆動し、電子源2を駆動する期間には、グリッド電極6と電子源2との間に電圧が印加され、電子源2を駆動しない期間には、グリッド電極6と電子源2との間に電圧が印加されないように、グリッド電極6と電子源2との間の電圧を制御するようにすれば、低消費電力化を図れるとともに、グリッド電極6に吸収される電子を低減して第2の蛍光体層4bに到達する電子を増加させることができる。
(実施形態9)
本実施形態の発光装置の基本構成は実施形態8と略同じであり、図15に示すように、グリッド電極6の配置が相違する。なお、実施形態8と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の発光装置では、第2の蛍光体層4bの手前にグリッド電極6が配置されており、制御装置5が、アノード電極3の電位がグリッド電極6の電位よりも高くなるように、アノード電極用電源Vaおよび上記グリッド電極用電源を制御する。
しかして、本実施形態の発光装置では、第1の蛍光体層4aに到達する電子を低減して、より多くの電子を第2の蛍光体層4b側に引き寄せることが可能となる。
なお、上記各実施形態では、気密容器1内に封入するガスとしてキセノンガスを採用しているが、気密容器1内に封入するガスは、キセノンガスに限定するものではなく、例えば、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガスなどの他の希ガスや、希ガス以外の不活性ガス(窒素ガスなど)や、それらの混合ガスなどでもよい。
1 気密容器
2 電子源
3 アノード電極
3a 第1のアノード電極
3b 第2のアノード電極
4 蛍光体層
4a 第1の蛍光体層
4b 第2の蛍光体層
5 制御装置
6 グリッド電極
25 下部電極(駆動用電極)
26 強電界ドリフト層
27 表面電極(駆動用電極)

Claims (14)

  1. 真空紫外〜可視光域の光を発光可能なガスが封入され少なくとも一部が透光性材料により形成された気密容器と、気密容器内へガスを励起させる電子を供給する電子源と、気密容器内において電子源に対向配置されたアノード電極と、気密容器の内面側に配置され励起されたガスの発光過程で放射される光からなる励起光によって励起され発光する蛍光体層と、電子源の駆動用電極間の電圧およびアノード電極と電子源との間の電圧を制御する制御装置とを備え、制御装置は、電子のエネルギ分布のピークエネルギが、ガスの励起エネルギよりも大きくガスのイオン化エネルギよりも小さくなるように電子源の駆動用電極間の電圧を制御することでガスを放電させずにガスを励起させるものであり、蛍光体層は、前記励起光によって励起され発光する第1の蛍光体と、前記電子源からの電子により励起され発光する第2の蛍光体とを有することを特徴とする発光装置。
  2. 前記蛍光体層は、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体とが混合されてなることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記蛍光体層は、前記アノード電極における前記電子源との対向面側に形成されてなり、前記第1の蛍光体により形成され前記アノード電極に積層された層状の第1の蛍光体層と、前記第2の蛍光体により形成され第1の蛍光体層に積層された層状の第2の蛍光体層とからなることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  4. 前記蛍光体層は、前記アノード電極における前記電子源との対向面を覆うように形成されてなり、平面視において、前記第1の蛍光体により形成された第1の蛍光体層と前記第2の蛍光体により形成された第2の蛍光体層とに分割されてなることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  5. 前記アノード電極は、前記第1の蛍光体層に重なる第1のアノード電極と、前記第2の蛍光体層に重なる第2のアノード電極とに分離して形成されており、前記制御装置は、前記第1のアノード電極と前記電子源との間の電圧と、前記第2のアノード電極と前記電子源との間の電圧とを独立して制御可能であることを特徴とする請求項4記載の発光装置。
  6. 前記制御装置は、前記電子源を間欠的に駆動し、前記電子源を駆動する期間には、前記第1のアノード電極と前記電子源との間にのみ電圧が印加され、前記電子源を駆動しない期間には、前記第2のアノード電極と前記電子源との間にのみ電圧が印加されないように、前記アノード電極と前記電子源との間の電圧を制御することを特徴とする請求項5記載の発光装置。
  7. 前記アノード電極は、前記蛍光体層のうち前記第2の蛍光体層のみに重なっていることを特徴とする請求項4記載の発光装置。
  8. 前記電子源は、前記第1の蛍光体層の厚み方向への投影領域内のみに形成されていることを特徴とする請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. 前記第1の蛍光体層の平面積よりも前記電子源の電子放出面の平面積が小さいことを特徴とする請求項8記載の発光装置。
  10. 前記電子源と前記蛍光体層との間に、前記電子源から放出された電子を加速するためのグリッド電極が配置されてなり、前記制御装置により前記グリッド電極の電位を制御することを特徴とする請求項5ないし請求項9のいずれか1項に記載の発光装置。
  11. 前記制御装置は、前記アノード電極の電位を前記グリッド電極の電位よりも高くすることを特徴とする請求項10記載の発光装置。
  12. 前記制御装置は、前記電子源を間欠的に駆動し、前記電子源を駆動する期間には、前記グリッド電極と前記電子源との間に電圧が印加され、前記電子源を駆動しない期間には、前記グリッド電極と前記電子源との間に電圧が印加されないように、前記グリッド電極と前記電子源との間の電圧を制御することを特徴とする請求項10記載の発光装置。
  13. 前記第2の蛍光体層の手前にグリッド電極が配置されてなり、前記制御装置は、前記アノード電極の電位を前記グリッド電極の電位よりも高くすることを特徴とする請求項4ないし請求項9のいずれか1項に記載の発光装置。
  14. 前記第2の蛍光体は、低速電子線用の蛍光体であることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の発光装置。
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