JP3418839B2 - エンジンバルブの表面処理方法 - Google Patents

エンジンバルブの表面処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、エンジンバルブの表面
処理方法に関する。 【0002】 【従来の技術】図3に略示するように、傘部(01)と軸部
(02)とからなる耐熱鋼製の弁体(03)は、軸部(02)がシリ
ンダヘッド(図示略)に圧入されたバルブガイド(04)に摺
動自在として嵌挿され、軸端をロッカアーム(05)又はタ
ペット(図示略)をもって押圧することにより、駆動され
る。 【0003】軸部(02)は、エンジンの運転中はバルブガ
イド(04)に案内されて常時高速度で摺動運動を繰り返し
ており、しかもバルブガイド(04)の上端に止着したリッ
プシール(06)により、潤滑油が傘部(01)側に必要以上に
漏れ出るのを抑制しているため、厳しい摩擦環境下にあ
る。 【0004】そのため、従来の弁体(03)は、研削工程等
により所定の表面あらさとした軸部(02)の表面に、軟窒
化処理(タフトライド)による硬化層や、クロームメッキ
又はニッケルメッキ等の表面処理を施すなどして、軸部
(02)の耐摩耗性を高めている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記した従来の弁体(0
3)のように、軸部(02)に表面処理を施すと、特に、軟窒
化処理により硬化層が形成された軸部(02)の表面は、図
4に拡大して示すように、表面あらさの振幅が比較的大
きく、かつ表層部には、炭、窒化物等の硬質微粒子(07)
が付着していることが多い。 【0006】このような弁体(エンジンバルブ)(03)をエ
ンジンに組付けて長時間運転すると、リップシール(06)
と軸部(02)との接触部の面圧が高まることから、リップ
シール(06)が次第に摩耗し、オイル下がり量が増加し
て、潤滑油の消費率が増えたり、漏れた油が傘部(01)に
付着して炭化堆積するなどの不具合が生じる。 【0007】この問題を解決するためには、軟窒化等の
表面処理を施した後の軸部(02)の表面におけるリップシ
ール(06)と摺接する部分を、研削盤等の砥石車により研
摩して、表面あらさを小さくすることも考えられる。し
かし、このようにすると、硬化層等の厚さが薄くなっ
て、十分な耐摩耗性及び耐久性を有しなくなるため、硬
化層等の厚さを、研摩分を見越して予め厚く形成してお
く必要がある。その結果、表面処理に要する時間が長く
なって生産性が低下したり、表面処理に用いる材料の消
費量が増えて製造コストが上昇したりするなどの新たな
問題が発生する。 【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、表面の硬化層を研摩することなく、軸部
の表面あらさを容易に小さくし、リップシールの摩耗を
最小限に抑えうるようにしたエンジンバルブの表面処理
方法を提供することを目的としている。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、軸部の一端に傘部が連設された弁体にお
ける前記軸部の表面に、軟窒化処理により硬化層を形成
したのち、該硬化層の少なくともリップシールと摺接す
る部分の表面を、平滑な加圧面を有する押圧体により押
圧することを特徴としている。 【0010】 【作用】軸部の表面に形成した硬化層を、平滑な加圧面
を有する押圧体により押圧すると、硬化層の表面は、あ
らさの振幅の大きい山の部分が押し潰されて、粗度の極
めて小さい丘状の平坦面となる。その結果、リップシー
ルと軸部とは実質的に面接触し、接触部の面圧が低下す
る。 【0011】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1の(A)及び(B)は、本発明を工程順に示す
もので、軸部(10a)、傘部(10b)、コッタ溝(10c)等を、
各種の機械加工工程により所定寸法に仕上げた耐熱鋼製
の弁体(10)における傘表(10d)を除いた全表面を、まず
研削盤の砥石車等により所定の表面あらさ(例えばRz1.
0〜10.0μm)となるように研削(前処理)したのち、(この
前処理工程は図示省略)、図1(A)に示すように、傘表
(10d)を除く全表面に塩浴軟窒化処理(タフトライド)を
施して、硬化層(11)を形成する。 【0012】この硬化層(11)は、例えばシアン化カリウ
ム、シアン酸カリウム及び鉄シアン化ナトリウム等を主
成分とする処理浴を、600℃前後まで加熱し、これに弁
体(10)の被処理部分を所定時間浸漬することにより形成
される。なお、硬化層(11)の厚さは10〜20μmとするの
が好ましい。 【0013】ついで、図1(B)に示すように、硬化層(1
1)が形成された軸部(10a)におけるリップシール(図3参
照)と摺接部分を、平滑な加圧面を有する1対の加圧ロ
ーラ(12)(12)により挾持し、両ローラ(12)を弁体(3)と
共に回転させつつ、硬化層(11)の表面を一定荷重(例え
ば5Kg/cm2程度)で押圧する。 【0014】すると、押圧された硬化層(11)の表面は、
図2に拡大して示すように、押圧前、あらさの振幅が大
であった山の部分が押し潰されて、粗度の極めて小さい
丘状の平坦面(13)となる。その結果、リップシールと軸
部(10a)とは実質的に面接触状態となり、接触面の面圧
が低下してリップシールの摩耗量は極めて少なくなる。
従って、リップシール部よりのオイル下がりが防止され
る。表面のあらさの谷の部分(14)は、油溜まりとして作
用し、潤滑油の保油性を高める。 【0015】なお上記実施例においては、加圧ローラ(1
2)による押圧部をリップシールとの摺接部のみとしてい
るが、バルブガイド(図3参照)と摺接する軸部全体、又
はバルブガイドの上下両端部と摺接する部分の硬化層(1
1)の表面をも押圧するようにしてもよい。このようにす
ると、上記と同様の作用により、バルブガイドの摩耗量
も少なくすることができる。 【0016】 【0017】 【0018】また本発明は、弁体(10)を上記耐熱鋼によ
り成形したもの以外に、チタン又はチタン合金により成
形されたものにも適用しうる。 【0019】 【発明の効果】本発明によれば、次の効果を奏する。 (a) 軸部に形成した硬化層の表面あらさが小さくなる
ので、リップシールの摩耗量は少なく、その耐久性が大
幅に向上する。 【0020】(b) その結果、リップシール部よりのオ
イル下がりが防止され、傘部に潤滑油が堆積したり、潤
滑油の消費率が増大したりするのを抑制することができ
る。 【0021】(c) 従来のように、硬化層を研摩等によ
り削り取る必要がないので、硬化層が薄くなって、耐摩
耗性を低下させる恐れはない。 【0022】(d) 比較的簡単な手段で、硬化層の表面
あらさを小さくしうるので、生産性が向上し、製造コス
トが低減する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例を工程順に示すもので、(A)
は、弁体に硬化層を形成した状態の縦断面図、(B)は、
リップシールの摺接部を1対の加圧ローラにより押圧す
る際の縦断面図である。 【図2】押圧部の表面あらさを示す拡大断面曲線図であ
る。 【図3】本発明が適用される動弁機構を略示する要部の
縦断正面図である。 【図4】従来のエンジンバルブの軸部の表面あらさを示
す拡大断面曲線図である。 【符号の説明】 (10)弁体(エンジンバルブ) (10a)軸部 (10b)傘部 (10c)コッタ溝 (10d)傘表 (11)硬化層 (12)加圧ローラ(押圧体) (13)平坦面 (14)谷の部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 3/02 F01L 3/20 C23C 8/50

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 軸部の一端に傘部が連設された弁体にお
    ける前記軸部の表面に、軟窒化処理により硬化層を形成
    したのち、該硬化層の少なくともリップシールと摺接す
    る部分の表面を、平滑な加圧面を有する押圧体により押
    圧することを特徴とするエンジンバルブの表面処理方
    法。
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