JP3418288B2 - ポリアミンの製造方法 - Google Patents
ポリアミンの製造方法Info
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Abstract
リアミンを効率良く、大量に製造する方法に関する。詳
しくは、動物の膵臓を均質化した後、酸溶液を添加して
得られた抽出液を精製するか、或いは動物の膵臓に酸溶
液を添加した後均質化を行い、得られた抽出液を精製す
ることを特徴とする、ポリアミンの製造方法、及び動物
膵臓由来のポリアミンを添加することを特徴とする、異
臭味のないポリアミン添加食品の製造方法に関する。 【効果】 本発明により、動物の膵臓に含有されるポリ
アミンを効率良く大量に調製でき、又、本発明によって
得られたポリアミンは、食品に添加しても食品の品質を
損なうことなく有効に利用でき、さらに得られた食品
は、ポリアミンの生理効果が期待できる。
Description
とし、食品に利用可能なポリアミンを効率良く、大量に
製造する方法に関する。詳しくは、動物の膵臓を均質化
した後、酸溶液を添加して得られた抽出液を精製する
か、或いは動物の膵臓に酸溶液を添加した後均質化を行
い、得られた抽出液を精製することを特徴とする、ポリ
アミンの製造方法に関する。さらに、動物の膵臓由来の
ポリアミンを添加することを特徴とする、異臭味のない
ポリアミン添加食品の製造方法に関する。本発明によっ
て得られたポリアミンは、食品に添加しても食品の品質
を損なうことなく、有効に利用できる。
ジン及びスペルミン等、第一級アミノ基を2つ以上もつ
直鎖状の脂肪族炭化水素である。ポリアミンの生理作用
としては、 (1)核酸との相互作用による核酸の安定化と
構造変化、 (2)種々の核酸合成系への促進作用、 (3)蛋
白質の合成系の活性化、 (4)ヒストンのアセチル化、非
ヒストンクロマチン蛋白質のリン酸化促進、 (5)細胞膜
の安定化や物質の膜透過性の強化、及び (6)2価金属イ
オンに影響を受ける種々の酵素の活性化等多岐にわたる
ことが知られている(今掘和友,山川民夫監修,生化学
辞典、第2版、p.1266,1990)。又、最近では、細胞の増
殖や分化を促進する効果が報告されており、特に経口摂
取したポリアミンは、消化管粘膜の成熟化を促進するこ
とが報告されている(Buts J.-P. et al.,Digestive Di
seases and Science,38,1091,1993; Grant,A.L. et a
l., J.Anim.Sci.,68,363,1990 ; Dufour,C.et al.,Gast
roenterology,95,112,1988)。さらに、経口摂取したポ
リアミンは、速やかに体内に取り込まれ、組織で利用さ
れることも報告されている(Bardocz,S. et al.,J.Nutr.
Biochem,4,66,1993)。
化酵素を大量に含む膵液を消化管内に分泌して食物の消
化を行うとともに、血糖を調節して糖代謝を制御するた
めのホルモンを合成し、血中に分泌する非常に重要な臓
器である。組織学的には、大部分が消化液を分泌する外
分泌腺と導管からなり、その中の膵管や導管に沿って点
々と内分泌細胞が塊となったランゲルハンス島が存在し
ている。膵臓が合成して分泌する酵素は、蛋白質を分解
するトリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダ
ーゼ、脂肪を分解するリパーゼ、デンプンを分解するα
−アミラーゼ、核酸を分解するリボヌクレアーゼ、デオ
キシリボヌクレアーゼ等多様な種類が存在する。これら
の酵素は、小腸内での食物の消化に重要な役割を有して
いる。消化酵素とともに膵臓が合成・分泌する重要な成
分であるホルモン類には、血糖を上昇させる作用をもつ
インスリン、血糖を下降させる作用をもつグルカゴン、
インスリンとグルカゴンの分泌を抑制するソマトスタチ
ン、膵臓の重炭酸塩及び蛋白質分泌を阻害する膵臓ポリ
ペプチド等が存在する。又、膵臓は、前立腺や唾液腺と
ともにポリアミンを多く含む動物臓器としても知られて
いる(五十嵐一衛.神秘の生命物質─ポリアミン,p12,19
93)。
えば、コンニャク製造時にスペルミンやスペルミジンを
添加することにより、コンニャク特有の臭いが少なく、
他の食品と調理しても他の食品に悪影響を与えない(特
開平6−38690号)、ポリアミンを配合することに
より、蛋白質の吸収を促進させ、良好な発育及び健康状
態を保つポリアミン配合栄養組成物(特開平6-305956
号)、又、ポリアミンを医薬品として利用した例とし
て、胃酸分泌を阻止する方法及び胃酸分泌阻止用摂取用
組成物(特開昭58-131914 号)、並びに免疫賦活剤(特
開昭59-98015及び特開平2-223514号)が挙げられる。
ズに多く、乳や野菜類には少ないといわれている(Bardo
cz,S. et al.,J.Nutr.Biochem,4,66,1993)。しかしなが
ら、これらのポリアミンを多く含む食品は、そのままの
状態で摂取した方が食糧資源の有効利用の面からみても
適切であると考えられる。即ち、このような食品をポリ
アミンの供給源として、精製処理し高濃度のポリアミン
調製物を得ることは、非効率的である。ポリアミンを多
く含む動物臓器としては、前立腺、唾液腺及び膵臓が知
られている。ポリアミンを大量に得ようとする場合、こ
れらの臓器のうち、その重量から膵臓が最も適切である
と考えられる。しかしながら、前述のように膵臓には、
消化酵素や微量で強い生理活性をもつホルモン類が多く
含まれており、そのような物質が食品中に存在すること
は望ましいことではない。又、ポリアミンは従来、試薬
として用いられているが、これらは全て化学合成による
ものであり、天然物からの調製は行われていなかった。
白質源を分解した育児用粉乳中にポリアミンが多く含ま
れていることを報告した(Buts,J.P. et al., J.Pediat
r.Gastroenterol.Nutr.,21,44,1995)。この場合、膵臓
由来の粗酵素は、ポリアミンの供給源としてではなく、
蛋白質分解の目的に用いたものである。通常の食品に膵
臓由来の粗酵素を用いた場合、その中には蛋白質だけで
なく、脂肪、糖質、核酸等を分解する酵素が含まれてい
るため、食品中のそれらの成分が不必要に分解される可
能性がある。例えば、膵臓の粗酵素中に含まれるリパー
ゼが食品中に混入すると、製品の保存中に、脂肪成分即
ちトリグリセリドから脂肪酸が遊離し、食品の味や臭い
を著しく損なう。食品成分の分解は、味や臭いだけでな
く、栄養価の低下にもつながり、食品の品質を著しく損
なうことになる。Butsらの報告にある食品は、蛋白質加
水分解乳であり、加水分解処理によって生じた独特な臭
気が強い。しかしながら、通常の食品には、食欲を損な
うような変敗臭や異臭が存在してはならない。よって、
膵臓からのポリアミンを食品に添加する場合には、ポリ
アミンを可能な限り精製した後、食品に添加することが
膵臓中の消化酵素やホルモン等の他成分の影響を排除す
る目的から望ましい。
発明者らは、動物の膵臓中に高濃度に存在するポリアミ
ンに着目し、この膵臓を原料とし通常の食品に添加して
も品質を低下させない純度の高いポリアミンを効率良
く、大量に調製する方法を検討した結果、本発明を完成
するに至った。即ち本発明は、動物の膵臓を原料とし
て、大量に且つ効率良くポリアミンを製造する方法を提
供することを目的とする。又、動物の膵臓由来のポリア
ミンを添加することを特徴とする、異臭味のないポリア
ミン添加食品の製造方法を提供することを特徴とする。
原料とし、食品に利用可能なポリアミンを効率良く、大
量に製造する方法に関する。詳しくは、動物の膵臓を均
質化した後、酸溶液を添加して得られた抽出液を精製す
る、或いは動物の膵臓に酸溶液を添加した後均質化を行
い、得られた抽出液を遠心分離によって上清画分を分離
し、さらに上清画分を、イオン交換法、ゲルろ過法、膜
分画法、電気透析法、溶媒抽出法及び加熱処理法の何れ
か1つ以上の方法で精製することを特徴とする、ポリア
ミンの製造方法、及びこのポリアミンを食品に添加する
ことを特徴とする、異臭味のないポリアミン添加食品の
製造方法に関する。
は、哺乳動物のものが用いられ、例えばウシ、ブタ、ヒ
ツジ、ヤギ等が挙げられる。特にウシ及びブタ等の食肉
として利用される家畜類の膵臓を利用することが、資源
の有効利用の面からも望ましい。ウシ及びブタの膵臓中
のポリアミン含量を、表1に示す。
物の除去を目的として水洗浄や塩水洗浄した後、均質化
を行う。又、均質化に先立ち、ポリアミンの抽出効率を
高めるために、水及び酸溶液を加える。尚、酸性溶液を
加えた場合には、pH2以下に調整する。ここで用いる
酸性溶液として、0.01〜6N硫酸、塩酸、酢酸、リ
ン酸、トリクロル酢酸、過塩素酸、スルホサリチル酸等
の無機酸が挙げられる。酸で前処理した膵臓のホモジネ
ートは、30〜80℃、0.5〜6時間程度攪拌して抽
出する。尚、水で均質化した場合には酸性溶液を加え、
pH2以下に調整した後、抽出処理を行う。次いで、遠
心分離によって、上清画分と沈澱画分に分離し、それぞ
れを回収する。以降の精製処理に必要な画分は、上清画
分であるが、沈澱画分についても再度酸溶液を添加し、
同様の抽出操作によって上清画分を得る。これらの上清
画分には、高濃度でポリアミンが抽出されるが、ポリア
ミンに消化酵素やホルモンが混入する可能性があるた
め、さらに濃縮する必要がある。この時、上清画分をイ
オン交換法、ゲルろ過法、膜分画法、電気透析法、溶媒
抽出法、又は加熱処理法の何れか1つ以上の方法を用い
て精製処理することにより、ポリアミンの純度を高める
ことができる。
換基がスルホン酸基、スルホプロピル基、リン酸基、カ
ルボシルメチル基、アミノエチル基、ジエチルアミノ
基、4級アミノエチル基及び4級アンモニウム基等を有
したイオンであれば何れでも良く、各工程で得られた上
清画分を中和して通液することにより、ポリアミンが吸
着され、さらに硫酸や塩酸等の酸性溶液で溶出して回収
する。又、上清画分中に含有されるポリアミンと他の成
分とは、分子量が大きく異なるため、ゲルろ過法や膜分
画法で分画することができる。それぞれの分子量は、ポ
リアミンではプトレッシンが88、スペルミジンが14
5、スペルミンが202である。一方、膵臓中の消化酵
素では、トリプシンが約24,000、キモトリプシン
が約26,000、カルボキシペプチダーゼが約46,
000、リパーゼが約50,000〜6,6000、α
−アミラーゼが約53,000である。又、ホルモンで
は、インスリンが約6,000、グルカゴンが約3,5
00、ソマトスタチンが約1,640である。ゲルろ過
法は、各工程で得られた上清画分を中和し、ゲルろ過担
体を充填したカラムに通液して分子量分画により純度を
高めて回収する。尚、ゲルろ過担体は、デキストラン
系、アクリルアミド系、アガロース系、セルロース系、
ポリビニル系、ガラス系、ポリスチレン系等何れの担体
でも良く、分画分子量が100〜100,000の範囲
であれば良い。膜分画法は、膜素材としてセルロース
系、酢酸セルロース系、ポリスルホン系、ポリアミド
系、ポリアクリロニトリル系、ポリ四フッ化エチレン
系、ポリエステル系、ポリプロピレン系等の限外ろ過膜
で、分画分子量が100〜100,000の範囲であれ
ば何れの膜も使用できる。又、脱塩を目的とするなら
ば、通常の透析膜を使用できる。電気透析法は、陽イオ
ン交換膜と陰イオン交換膜によって仕切られた各膜間
に、上記の方法で回収した上清画分と食塩水を交互に供
給して、電気透析を行う。その条件は、初期電流密度
0.5〜15A/dm2 、電圧0.1〜1.5V/槽が
適当である。溶媒抽出法は、酸によって抽出された溶液
をアルカリ性にした後、クロロホルム、アミルアルコー
ル、n−ブタノール等の有機溶媒を用いてポリアミンを
抽出する方法である。加熱処理法は、上清画分に混入し
た消化酵素を加熱変性させ、酵素活性を失活させる方法
である。上清画分或いは精製工程中に溶液状の場合に、
80〜130℃に温度を上昇させ、酵素を失活させるこ
とができる。尚、このような精製処理工程を組み合わせ
て処理すると、より高純度のポリアミンを得ることがで
きる。
は、必要に応じて中和、透析、電気透析或いは減圧濃縮
等によって除去する。又、各工程で得られた上清画分
は、溶液状或いは凍結乾燥や噴霧乾燥等によって粉末状
にすることができ、使用形態によって適宜選択する。こ
のようにして得られたポリアミン或いはポリアミン調製
物は、添加した食品の品質を損なうことなく、育児用粉
乳、離乳食等に乳幼児用栄養組成物、病者向け食品、栄
養強化食品、一般の食品類に添加物、或いは医薬品とし
て利用することができる。
明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。
ザーにてホモジネートを調製した。これに1N塩酸を3
lを加え、40℃、2時間、攪拌しながら酸抽出をおこ
なった。抽出終了後、遠心分離し上清を回収した。上清
を30%水酸化ナトリウム溶液で中和した後、さらに中
和液をゲルろ過用担体(Superose12 及びSephadex G-25
F、ファルマシアバイオテク社) を充填したカラムに通
し、分子量分画によりポリアミンと不純物を分画した。
この分画液を121℃、2秒間の加熱殺菌処理した後、
凍結乾燥した。尚、得られたポリアミン調製物1g中に
は、ポリアミンが420mg含まれていた。
ジナイザーにてホモジネートを調製した。このホモジネ
ートを35℃、5時間、攪拌しながら酸抽出をおこなっ
た。抽出終了後、遠心分離し上清画分を回収した。上清
を陽イオン交換樹脂(Dowex 50-X8(H +型) 、室町化学工
業社) を充填したカラムに通し、ポリアミンを吸着させ
た。0.7M食塩水で樹脂を充分に洗浄して、不純物を
除去した後、6N塩酸にてポリアミンを溶出した。溶出
液に30%水酸化ナトリウム溶液を加えて中和した後、
電気透析装置(マイクロ・アシライザーS1、旭化成工業
社、膜カートリッジ:AC-121-10)によって脱塩し、ポリ
アミン濃縮画分を得、この分画液を121℃、3秒間の
加熱殺菌処理した後、凍結乾燥した。尚、得られたポリ
アミン調製物2g中には、ポリアミンが1100mg含
まれていた。
ザーにてホモジネートを調製した。これに1N硫酸を2
l加え、35℃、4時間、攪拌しながら酸抽出をおこな
った。抽出終了後、遠心分離し上清を回収した。上清を
陽イオン交換樹脂(Dowex 50-X8(H +型) 、室町化学工業
社) を充填したカラムに通し、ポリアミンを吸着させ
た。1.0M食塩水で樹脂を充分に洗浄して、不純物を
除去した後、3N硫酸にてポリアミンを溶出した。溶出
液に30%水酸化ナトリウム溶液を加えて中和した後、
透析膜によって脱塩し、ポリアミン濃縮画分を得た。こ
の画分を凍結乾燥した。尚、得られたポリアミン調製物
1.2g中には、ポリアミンが310mg含まれてい
た。
ジナイザーにてホモジネートを調製した。このホモジネ
ートを40℃、4時間、攪拌しながら酸抽出をおこなっ
た。抽出終了後、遠心分離し上清画分を回収した。上清
に30%水酸化ナトリウム溶液を加えてアルカリ性にし
た後、n−ブタノールにて溶媒抽出を行った。抽出液を
ロータリーエバポレーターで濃縮し、溶媒を除去した。
濃縮液を中和した後、電気透析装置(マイクロ・アシラ
イザーS1、旭化成工業社、膜カートリッジ:AC-121-10)
によって脱塩し、ポリアミン濃縮画分を得、凍結乾燥し
た。尚、得られたポリアミン調製物1g中には、ポリア
ミンが410mg含まれていた。
モジナイザーにてホモジネートを調製した。このホモジ
ネートを45℃、3時間、攪拌しながら酸抽出をおこな
った。抽出終了後、遠心分離し上清を回収した。上清を
30%塩化カリウム溶液で中和した後、分子量分画50
0の限外ろ過膜(YC05、アミコングレースジャパン社)
を用い、ポリアミンと夾雑物を分画した。さらに、透過
液を透析膜によって脱塩し、ポリアミン濃縮画分を得
た。この分画液を115℃、3秒間の加熱殺菌処理した
後、凍結乾燥した。ポリアミン調製物1gを得た。尚、
得られたポリアミン調製物中にはポリアミンが15mg
含まれていた。
kgと乳糖46.5kg添加溶解し、これに水溶性ビタ
ミン成分(ビタミンB1 、B2 、B6 、B12、C、ナイ
アシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、コリン、イノ
シトール)とミネラル成分(炭酸カルシウム、塩化カリ
ウム、硫酸マグネシウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、
硫酸銅、硫酸亜鉛)をそれぞれ1kgと、実施例1で調
製したポリアミン調製物2gを温水300gに懸濁・溶
解した液、および脂溶性ビタミン類(ビタミンA、D、
E、K、β−カロチン)を溶解した調製脂肪23.9k
gを混合して均質化した。得られた溶液を殺菌し、常法
により濃縮し、乾燥して、粉乳100kgを得た。尚、
この粉乳を温水に溶解して、固形率13%に調整した調
製乳には、ポリアミンが100μg /100ml含まれて
いた。
にカゼイン7.5kgを所定量のアルカリで溶解した溶
液に、ビタミン及びおよびミネラル成分(実施例6と同
様)をそれぞれ1kgと、実施例3で調製したポリアミ
ン調製物3gを水100gに懸濁・溶解した液、及び脂
溶性ビタミン類(実施例6と同様)を溶解した調製脂肪
23.9kgを混合して均質化した。得られた溶液を殺
菌し、常法により濃縮し、乾燥して、粉乳100kgを
得た。尚、この粉乳を温水に溶解して、固形率13%に
調整した調製乳には、ポリアミンが100μg /100
ml含まれていた。
した場合、その食品の品質に与える影響を官能評価によ
って調べた。即ち、実施例1〜5によって得られたポリ
アミン調製物、精製処理を施していない膵臓の粗画分
(膵臓の酸抽出物)、ブタ膵臓由来の市販酵素剤を全脂
粉乳に10mg/100g になるように添加し、60℃、1週間の
劣化試験を行った。又、対照には無添加の全脂粉乳を用
いた。官能評価は、劣化試験後の臭いと味について行っ
た。官能評価の方法は、男女6名づつの熟練したパネラ
ーによるパネルテストを行い、評点法によって実施し
た。官能評価の結果は、以下の評価基準により数値化
し、評点は12名のパネラーの平均値とした。結果を表
2に示す。
る、3;異臭を少し感じる、4;異臭を感じる、5;異
臭を強く感じる。 味:1;味に異常を感じない、2;味に異常をわずかに
感じる、3;味に異常を少し感じる、4;味に異常を感
じる、5;味に異常を強く感じる。
や酵素剤を全脂粉乳に添加した場合、劣化が著しいこと
が認められた。又、臭いについては、強い酸敗臭が感じ
られたパネラーが多かったことから、脂肪が分解して遊
離の脂肪酸が生じたことが考えられた。一方、実施例1
〜5から得られたポリアミン調製物は、対照品と比較し
ても品質にはほとんど影響していないと考えられた。
後、酸溶液を添加して得られた抽出液を精製する、或い
は動物の膵臓に酸溶液を添加した後均質化を行い、得ら
れた抽出液を精製することにより、食品に利用可能なポ
リアミンを効率良く、大量に製造する方法が提供され
る。本発明によって得られたポリアミンは、食品への添
加物として、食品の品質を損なうことなく、有効に利用
できる。又、本発明により得られた食品は、ポリアミン
の生理効果が期待できる。整理番号 化学式等を記載した書面
Claims (5)
- 【請求項1】 動物の膵臓を均質化した後、酸溶液を添
加して抽出することを特徴とする、ポリアミンの製造方
法。 - 【請求項2】 動物の膵臓に酸溶液を添加し次いで均質
化を行った後、抽出することを特徴とする、ポリアミン
の製造方法。 - 【請求項3】 精製法がイオン交換法、ゲルろ過法、膜
分画法、電気透析法、溶媒抽出法、又は加熱処理法のい
ずれか1以上の方法である、請求項1又は2記載のポリ
アミンの製造方法。 - 【請求項4】 抽出液のpHが2以下になるように酸を
添加することを特徴とする、請求項1〜3記載のポリア
ミンの製造方法。 - 【請求項5】 動物の膵臓由来のポリアミンを添加する
ことを特徴とする、異臭味のないポリアミン添加食品の
製造方法。
Priority Applications (1)
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JP01449996A JP3418288B2 (ja) | 1996-01-30 | 1996-01-30 | ポリアミンの製造方法 |
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JPH09206025A JPH09206025A (ja) | 1997-08-12 |
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WO2007148739A1 (ja) * | 2006-06-22 | 2007-12-27 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | 植物由来の細胞賦活化剤、抗老化剤及び細胞外マトリックス産生促進剤 |
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- 1996-01-30 JP JP01449996A patent/JP3418288B2/ja not_active Expired - Fee Related
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