JP3417747B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP3417747B2
JP3417747B2 JP33578095A JP33578095A JP3417747B2 JP 3417747 B2 JP3417747 B2 JP 3417747B2 JP 33578095 A JP33578095 A JP 33578095A JP 33578095 A JP33578095 A JP 33578095A JP 3417747 B2 JP3417747 B2 JP 3417747B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に適
用され、転写材に転写されたトナー像を転写材に固着さ
せる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置などの画像形成装置には、
転写材に転写されたトナー像を転写材に固着させる定着
装置が組み込まれている。図9は従来の定着装置の構成
を示す説明図であり、軸芯を中心に回転自在な加熱ロー
ラ1Aと、この加熱ローラ1Aに加圧接触され、回転駆
動される加圧ローラ2Aで構成され、トナー像が転写さ
れた転写材を、対接回転する加熱ローラ1Aと加圧ロー
ラ2A間を通過させ、トナー像が転写材に定着させる。
【0003】加熱ローラ1Aは、中空の金属性ローラ1
8の内側に、ハロゲンランプなどの棒状ヒータ19が配
置され、この棒状ヒータ19によって、加熱ローラ1A
全体が加熱されるようになっている。そして、加熱ロー
ラ1Aの表面には、トナーの粘着を防止するために、離
型性のテフロン樹脂20が被覆されている。また、加圧
ローラ2Aは、芯金ロール16にゴムなどの弾性層15
が被覆された構造となっている。
【0004】このような構造の従来の定着装置は、中空
の金属性ローラ18と棒状ヒータ19間に空気層が存在
するために、棒状ヒータ19による金属性ローラ18の
加熱効率が低く、加熱ローラ1Aの表面温度が目標設定
温度に達するまでに長時間を要し、消費電力が多くなる
という問題がある。
【0005】この問題を解決するために、図10に示す
ように、円筒状の熱絶縁性基体12上に発熱抵抗層11
が被覆され、この発熱抵抗層11上にトナー粘着防止用
のテフロン樹脂20が被覆された構造の加熱ローラ1B
が提案使用されている。加熱ローラ1Bをこのような構
造にすることによって、加熱ローラ1Bの表面が、短時
間で目標設定温度に到達し、消費電力を削減することが
可能になった。
【0006】このような構造の加熱ローラ1Bを具備す
る定着装置により、さらに目標設定温度に到達するまで
の立ち上がり特性を改善するために、加熱ローラ1Bを
停止させた状態で一定時間加熱し、その後に加熱を継続
した状態で加熱ローラ1Bを回転する方法が提案されて
いる。しかし、この方法は加熱ローラ1Bの初期温度に
よつて、一定時間加熱後の加熱ローラ1Bの表面温度は
まちまちになり、目標設定温度に到達するまでの立ち上
がり特性は、必ずしも改善しないことがある。
【0007】この問題を解決するために、加熱ローラ1
Bを停止した状態で、設定目標温度T1まで加熱し、こ
の状態で加熱ローラ1Bを回転し、加熱ローラ1Bの表
面温度が設定目標温度T1になるように制御する方法が
一般に行われている。しかし、この方法での加熱ローラ
1Bの温度設定特性は、図11に示すようになり、加熱
ローラ1Bが目標設定温度T1に達して、加熱ローラ1
Bが回転すると同時に、加熱ローラ1Bから加圧ローラ
に熱が移動し、再び目標設定温度T1に達するまでにか
なりの時間がかかってしまう。
【0008】一方で、加熱ローラ1Bの加熱時には、抵
抗層の塗布むらや、加圧ローラとの接触圧むらによっ
て、軸方向と周方向について表面の温度にむらが生じる
ことが知られている。この場合、図9に示した加熱ロー
ラ1Aに比して、図10に示す加熱ローラ1Bは、軸方
向と周方向の何れについても、この温度分布の変動幅が
大きいことが確認されている。
【0009】この加熱ローラ1Bの表面の温度むらの問
題を解決するために、特開平4−326387号公報に
は、図12に示すように、加熱ローラ1の表面に、軸方
向に分割され電極22a、22b、22cを介して、そ
れぞれ給電され発熱する発熱体21a、21b、21c
を設け、温度測定器により各発熱体の温度を、測定する
抵抗値の温度特性から演算し、温度調節器により測定温
度と設定温度から、各発熱体を独立して温度制御する定
着装置が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来
の定着装置では、すでに説明した図11に示すように、
加熱ローラの温度設定の立ち上がり時間が長く、目標設
定温度に到達安定するまでに時間がかかるという問題が
ある。また、加熱ローラの軸方向の温度変動を防止する
特開平4−326387号公報に開示の方法では、温度
調節器による温度制御がON−OFF制御であり、制御
時に各発熱抵抗体21a、21b、21cに温度リップ
ルが生じることがあり、加熱ローラの軸方向の温度変動
を防止できないことがある。
【0011】本発明は、前述した従来の定着装置の現状
に鑑みてなされたものであり、その目的は、目標設定温
度に短時間で安定に到達し、加熱温度の位置による変動
がない定着装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、表面に発熱抵抗層を有し、
軸芯を中心に回転自在な加熱ローラと、該加熱ローラに
圧接した状態で回転駆動される加圧ローラとを備えた定
着装置であり、前記加熱ローラの表面温度を設定する温
度設定手段と、前記加熱ローラの表面温度を検出する温
度検出手段と、前記加圧ローラ及び前記加熱ローラの停
止時と回転時とで異なる制御パラメータが設定され、前
記温度設定手段の設定出力と前記温度検出手段の検出出
力との差値の比例量と前記差値の積分量及び前記差値の
微分量に基づいて前記発熱抵抗層への給電量を制御する
とき、前記加熱ローラの停止時と回転時とで異なる制御
パラメータを使用するPID調節手段と、前記定着装置
の起動時には、前記加圧ローラの回転を停止した状態で
前記加熱ローラに最大電力を供給して加熱し、前記加熱
ローラが、定着時の目標設定温度T1よりも高い設定温
度T2に達すると、前記加圧ローラの回転と前記PID
調節手段の作動とを開始し、前記定着装置が起動した後
の通常動作のとき、前記PID調節手段の制御パラメー
タを、前記加熱ローラの停止時と回転時とで異ならせる
制御手段とを有することを特徴とする。
【0013】同様に前記目的を達成するために、請求項
2記載の発明は、請求項1記載の定着装置において、前
記発熱抵抗層が、前記加熱ローラの軸方向に、複数の部
分発熱抵抗層に分割され、前記温度設定手段が、前記部
分発熱抵抗層の表面温度を、それぞれ設定する複数の部
分温度設定手段からなり、前記温度検出手段が、前記部
分発熱抵抗層の表面温度を、それぞれ検出する部分温度
検出手段からなり、前記PID調節手段が、前記部分温
度設定手段の設定出力と、対応する前記部分温度検出手
段の検出出力との差値の比例量、前記差値の積分量、及
び前記差値の微分量に基づいて、前記部分発熱抵抗層へ
の給電量を制御する部分PID調節手段からなることを
特徴とするものである。
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]本発明の第1の実施の形態を、図
1を参照して説明する。図1は本実施の形態の構成を示
すブロック図である。
【0016】本実施の形態では、図1に示すように、発
熱抵抗層と電極4を備えた加熱ローラ1が、軸芯を中心
に回転自在に配設され、この加熱ローラ1に図示せぬモ
ータにより駆動される加圧ローラ2が、転写材が通過可
能に圧接配設されており、加熱ローラ1に対して、加圧
ローラ1の表面温度を検出する温度センサ3が配置さ
れ、温度センサ3には検出信号を処理する温度検出部5
が接続されている。
【0017】一方、加熱ローラ1に対して温度を設定す
る温度設定部6が設けられ、温度設定部6の出力信号
と、温度検出部5の出力信号の差分を演算する差分器3
1が、温度設定部6及び温度検出部5の出力端子に接続
され、差分器31の出力端子には、加熱ローラ1の制御
信号を演算するPID調節器7が接続されている。この
PID調節器7には、加熱ローラ1に加熱用の電力を供
給する電力供給ユニット8が接続され、電力供給ユニッ
ト8の出力端子は、加熱ローラ1の電極4に接続されて
いる。
【0018】本実施の形態では、温度設定部6には、選
択される設定温度T1のデータに対応して最適の初期設
定温度T2のデータが格納されている。また、PID調
節器7は、差分器31から入力される温度設定部6での
設定温度と、温度検出部5からの検出温度との差値に対
応する差値信号に基づき、該差値の比例量、該差値の積
分量、該差値の微分量を演算し、演算値に対応する駆動
信号を電力供給ユニット8に出力する機能を有してい
る。この場合、PID調節器7で演算される比例量は、
差値信号に対する修正量のパラメータに対応して演算さ
れ、積分量は、差値信号の定常位置偏差に対する修正量
のパラメータに対応して演算され、微分量は、差値信号
の増減傾向に対する修正量のパラメータに対応して演算
される。
【0019】これらのPIDパラメータに関するデータ
は、例えば、加熱ローラ1への電力供給値をステップ状
に変化させた時の加熱ローラ1の表面温度応答波形か
ら、Ziegier−Nicholsの方法などで求め
ることができる。
【0020】このような構成の本実施の形態の動作を説
明する。定着装置の作動時には、加熱ローラ1の設定温
度が選択され、例えば温度Tが設定温度に選択される
と、温度設定部6によって、設定温度T1に対応する初
期設定温度T2(T2>T1)が、温度設定部のメモリ
から読み出され、温度設定部6から温度T2に対応する
初期設定温度信号が出力される。この初期温度設定信号
は、差分器31、PID調節器7を介して、電力供給ユ
ニット8に供給され、電力供給ユニット8からは、初期
設定温度T2に達するまでは、最大電力が電極4を介し
て加熱ローラ1に供給される。
【0021】この状態で、温度センサ3により加熱ロー
ラ1の表面温度が検出され、温度センサ3から検出信号
が温度検出部5に入力され、温度センサ3によつて、加
熱ローラ1の表面温度がT2に達したことが検出される
と、図示せぬ制御手段の指令によって、加圧ローラ2が
回転を開始する。
【0022】そして、温度設定部6により加熱ローラ1
に目標設定温度T1が設定され、温度設定部6から出力
される設定信号と、温度検出部5から出力される検出信
号との差値信号が、差分器31からPID調節器7に入
力され、PID調節器7によって、設定温度T1と、温
度センサ3が検出する検出温度との差値の比例量、該差
値の積分量、該差値の微分量が演算され、演算値に対応
する駆動信号が電力供給ユニット8に入力される。
【0023】このようにして、電力供給ユニット8から
は、設定温度T1と、加熱ローラ1の表面温度との差値
に対応する比例量、積分量及び微分量に基づく電力が加
熱ローラ1に供給され、目標設定温度T1への到達時間
が短く、温度リップルの少ない定着装置の加熱制御が行
われる。
【0024】以上に説明したように、本実施の形態によ
ると、加熱ローラ1の停止状態で、温度設定部6によ
り、目標設定温度T1より高い初期設定温度T2が設定
され、加熱ローラ1が、電力供給ユニット8により、最
大電力で初期設定温度T2まで加熱される。そして、加
熱ローラ1の表面温度が初期設定温度T2に達すると、
目標設定温度T1が設定されて加熱ローラ1の回転が開
始され、同時に加熱ローラ1に対して、PID調節器7
によって、目標設定温度T1と表面温度との差値に基づ
くPID制御が行われるので、短時間で目標設定温度T
1に達し、温度リップルのない安定した加熱ローラ1の
加熱を行って、転写材に高品質のトナー像を定着するこ
とが可能になる。
【0025】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施
の形態を、図2を参照して説明する。図2は本実施の形
態の構成を示すブロック図である。
【0026】本実施の形態では、図2に示すように、加
熱ローラ1Cの表面の発熱抵抗体が、部分発熱抵抗体3
2a、32b、32cに三分割され、部分発熱抵抗体3
2aに対して、部分温度センサ3a、部分温度検出部5
a、部分温度設定部6a、部分差分器31a、部分PI
D調節器7a及び部分電力供給ユニット8aが、すでに
図1を参照して説明した第1の実施の形態と同様の構成
で接続配設され、部分電力供給ユニット8aによって、
部分発熱抵抗体32aが加熱されるように構成されてい
る。
【0027】同様に、部分発熱抵抗体32b、32cに
ついても、部分温度センサ3b、3c、部分温度検出部
5b、5c、部分温度設定部6b、6c、部分差分器3
1b、31c、部分PID調節器7b、7c及び部分電
力供給ユニット8b、8cが、同様の構成で接続配設さ
れ、部分電力供給ユニット8b、8cによって、部分発
熱抵抗体32b、32cがそれぞれ加熱されるように構
成されている。
【0028】本実施の形態によると、部分発熱抵抗体3
2a〜32cが配置された加熱ローラ1Cの各領域に対
して、それぞれ独立に初期設定温度T2と設定温度T1
が設定され、部分発熱抵抗体32a〜32cが、それぞ
れ独立にPID制御されることにより、加熱ローラ1C
全体の温度制御が行われる。この場合、転写材のサイズ
によって、部分温度設定部6a〜6cでの温度設定値を
異ならせて、通紙領域外の発熱を抑制した加熱制御が行
われる。
【0029】この場合の部分発熱抵抗体32a〜32c
のPID制御は、すでに説明した第1の実施の形態の加
熱ローラ1の発熱抵抗層のPID制御と同一なので、重
複する説明は行わない。
【0030】このようにして、本実施の形態によると、
第1の実施の形態で得られる効果に加えて、転写材のサ
イズに応じて、通紙領域外の発熱を抑制するように、部
分温度設定部6a〜6cでの温度設定値を異ならせて、
加熱ローラ1Cに最適の加熱条件を消費電力を削減して
設定することが可能になる。
【0031】[第3の実施の形態]本発明の第3の実施
の形態を、図3及び図4を参照して説明する。図3は本
実施の形態の構成を示すブロック図、図4は定着装置の
温度設定特性を示す特性図である。
【0032】本実施の形態は、図3に示すように、すで
に図1を参照して説明した第1の実施の形態に対して、
加圧ローラ2を回転するモータ10を駆動するドライバ
9の駆動信号端子が、PID調節器7に接続されている
(図1では、簡単のためにモータ10とモータドライバ
9とは省略されている)。本実施の形態のその他の部分
の構成は、第1の実施の形態と同一なので、重複する説
明は省略する。
【0033】本実施の形態の動作を説明する。一般に定
着装置の加熱ローラ1の加熱特性は、図4に示すよう
に、加熱ローラ1の停止時と回転時とでは異なり、停止
時には同図の曲線Sに示すように、比較的短時間で設定
温度に到達するが、回転時には曲線Mのようになり、設
定温度に到達するまでの時間が長くなる。従って、PI
D調節器7に対するPIDパラメータを、定着装置の立
ち上がり時と通常の定着動作とで、共通にすると、応答
が遅くなるばかりでなく、発熱制御が発振して発熱抵抗
層が破壊されるおそれがある。
【0034】そこで、本実施例では、モータドライバ9
の駆動信号端子から、加圧ローラ2を回転するモータ1
0の回転検知信号をPID調節器7に入力し、PID調
節器7のパラメータを、定着装置の立ち上がりと通常動
作時とで異ならせ、加熱ローラ1の立ち上がりを短縮
し、また、安定性の高い制御が行われる。本実施の形態
のその他の動作は、すでに説明した第1の実施の形態と
同一である。
【0035】このように、本実施の形態によると、第1
の実施の形態で得られる効果に加えて、モータドライバ
9の駆動信号端子から、モータ10の回転検知信号を、
PID調節器7に取込み、PID調節器7の演算時のパ
ラメータを、定着装置の立ち上がりと通常動作時とで異
ならせているので、加熱ローラ1の立ち上がり時間をさ
らに短縮すると共に、加熱ローラ1の温度制御の安全性
を高めることが可能になる。
【0036】
【実施例】ここで、本発明の第3の実施の形態に対応す
る実施例を、図5ないし図8を参照して説明する。図5
は本実施例の構成を示す説明図、図6は本実施例の加熱
応答性をON−OFF制御との比較で示す特性図、図7
は本実施例の温度設定特性をON−OFF制御との比較
で示す特性図、図8は本実施例の加熱ローラ及び加圧ロ
ーラの回転時と停止時のパラメータ設定と温度特性の関
係を示す特性図である。
【0037】本実施例の基本的な構成は、すでに説明し
た第3の実施の形態と同一である。本実施例では、加熱
ローラ1は、耐熱性硝子基材12(φ20、t0.5)
上に、Ni−Cr発熱抵抗層11が塗布され、さらに発
熱抵抗層11の表面にテフロン被覆が施され、加熱ロー
ラ1の中空部には、ローラ補強部材として、断熱材(S
iゴム)13が被覆された金属性シャフト14が配設さ
れている。また、加圧ローラ2は、金属性シャフト16
にSiゴムが被覆された構成となっている。本実施例で
は、PID調節器7の出力は、0〜700Wの範囲に設
定され、PID調節器7は電力供給ユニット8に接続さ
れ、電力供給ユニット8からの供給電力は、給電ブラシ
17を介して電極4から加熱ローラ1に供給される。
【0038】本実施例において、発明者らは、そのPI
D制御とON−OFF制御とを比較した。即ち、加圧ロ
ーラ2の回転速度がほぼ57rpm、制御間隔0.5s
ecという条件で、0〜700Wの連続電力出力を行う
PID制御と、0W或いは700Wの電力出力を行うO
N−OFF制御とにより、加熱ローラ1を設定温度T1
=175℃に追従させる制御を行い、両者を比較検討し
た。図6(a)は、ON−OFF制御時の加熱ローラ1
の加熱応答波形であり、同図(b)はPID制御時の加
熱ローラ1の加熱応答波形である。ON−OFF制御で
は、定常状態での温度変動幅が約20℃であったのに対
し、PID制御における温度変動幅は約5℃であり、特
に周方向の温度リップルが大幅に減少し、安定な定着を
行うことが可能になる。
【0039】また、発明者らは、本実施例において、加
熱ローラ1の設定温度T1=175℃での表面温度の制
御を以下の二つの駆動条件で行った。 (a)定着装置の立ち上がりからPID制御を開始し、
設定温度の175℃に達すると加熱ローラ1を回転す
る。 (b)定着装置の立ち上がりから、初期設定温度の20
0℃に達するまでは、最大出力で加熱し、その後加熱ロ
ーラ1を回転し、(a)と同一のパラメータでPID制
御を行う。但し、何れの駆動条件でも加圧ローラ2への
供給電力は0〜700W、制御間隔は0.5secとな
つている。(a)の駆動条件での制御結果は、図7
(a)のようになり、加熱ローラ1の回転から再び加熱
ローラ1の表面が175℃に落ち着くまでに20秒程度
の時間が必要である。これに対して(b)の駆動条件で
の制御結果は、同図(b)のようになり、この場合は、
加熱ローラ1の回転と同時に、加熱ローラ1の表面が2
00℃から約10秒で175℃に安定し、制御時間が大
幅に短縮された。
【0040】さらに、発明者らは、モータドライバ9の
駆動信号端子から、モータ10の回転検知信号を、PI
D調節器7に取込み、PID調節器7のパラメータを、
定着装置の立ち上がりと通常動作時とで異ならせた状態
で以下の制御を行った。この制御では、時間t1までは
加圧ローラ2を停止し、時間t1以降加圧ローラ2を約
57rpmの回転速度で駆動する条件下で、加熱ローラ
1の表面温度を、所定の温度設定値T1=175℃に保
持し、時間t2》t1で余熱モードに切り換え、加熱ロ
ーラ1の表面温度を、温度T3=100℃<T1に保持
する。この場合、加熱ローラ1への供給電力範囲は0〜
700W、制御間隔は0.5secである。
【0041】この制御を加熱ローラ1の停止時と回転時
で共通のPIDパラメータを設定した場合には、図8
(a)に示すような加熱ローラ1の応答波形が得られ、
加熱ローラ1の停止時と回転時で、それぞれ異なるPI
Dパラメータを設定した場合には、図8(b)に示すよ
うな加熱ローラ1の応答波形が得られた。このように、
本実施例により、加熱ローラ1の回転と停止という熱伝
達特性の異なるケースで、PID制御のパラメータをそ
れぞれ独立に設定することにより、加熱応答のリングン
グを減少させ、安定性した加熱特性を示す定着装置が提
供できることが確認された。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、表面に発
熱抵抗層を有し、軸芯を中心に回転自在な加熱ローラ
と、加熱ローラに圧接した状態で回転駆動される加圧ロ
ーラとを備えた定着装置に対して、制御手段によつて、
定着装置の起動時には、加圧ローラの回転を停止した状
態で、加熱ローラが、定着時の目標設定温度T1よりも
高い設定温度T2まで加熱され、加熱ローラが設定温度
T2に達すると、加圧ローラの回転とPID調節手段の
作動とが開始される。そして、温度設定手段により設定
された目標設定温度T1と、温度検出手段が検出する加
熱ローラの表面温度との差値の比例量、該差値の積分
量、及び該差値の微分量に基づいて、発熱抵抗層への給
電量が制御されるので、加熱効率よく目標設定温度T1
に短時間で到達し、転写材に高品質のトナー像を転写す
ることが可能になる。また、PID調節手段に、加圧ロ
ーラ及び加熱ローラの停止時と回転時とでは異なる制御
パラメータを設定するので、加熱効率をさらに向上さ
せ、熱応答時のオーバーシュートを低減して、より安定
した温度制御を行うことが可能になる。
【0043】請求項2記載の発明によると、発熱抵抗層
が、加熱ローラの軸方向に、複数の部分発熱抵抗層に分
割され、温度設定手段が、部分発熱抵抗層の表面温度
を、それぞれ設定する複数の部分温度設定手段からな
り、温度検出手段が、部分発熱抵抗層の表面温度を、そ
れぞれ検出する部分温度検出手段からなり、PID調節
手段が、部分温度設定手段の設定出力と、対応する部分
温度検出手段の検出出力との差値の比例量、差値の積分
量、及び差値の微分量に基づいて、部分発熱抵抗層への
給電量を制御する部分PID調節手段からなっている。
このために、請求項1記載の発明で得られる効果に加え
て、目標設定温度T1を、位置による温度変動なく設定
することが可能になり、転写材サイズにより、部分温度
設定手段による温度設定値を通紙領域外の発熱を抑え
て、位置による温度変動をより減少させ、消費電力を削
減することが可能になる。
【0044】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】定着装置の加熱ローラの加熱特性を示す特性図
である。
【図5】本発明の一実施例の構成を示す説明図である。
【図6】同実施例の加熱応答性をON−OFF制御との
比較で示す特性図である。
【図7】同実施例の温度設定特性をON−OFF制御と
の比較で示す特性図である。
【図8】同実施例の加熱ローラ及び加圧ローラの回転時
と停止時のパラメータ設定と温度特性の関係を示す特性
図である。
【図9】従来の定着装置の構成を示す説明図である。
【図10】従来の他の定着装置の要部の構成を示す説明
図である。
【図11】従来の定着装置の温度設定特性を示す特性図
である。
【図12】熱抵抗層分割型の従来の定着装置の構成を示
す説明図である。
【符号の説明】
1、1C 加熱ローラ 2 加圧ローラ 3 温度センサ 3a、3b、3c 部分温度センサ 5 温度検出部 5a、5b、5c 部分温度センサ 6 温度設定部 6a、6b、6c 部分温度設定部 7 PID調節器 7a、7b、7c 部分PID調節器 8 電力供給ユニット 8a、8b、8c 部分電力供給ユニット 9 モータドライバ 10 モータ 31 差分器 31a、31b、31c 部分差分器 32a、32b、32c 部分発熱抵抗体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−326387(JP,A) 特開 昭60−163102(JP,A) 特開 平4−6581(JP,A) 特開 平3−200185(JP,A) 特開 平1−310380(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に発熱抵抗層を有し、軸芯を中心に
    回転自在な加熱ローラと、該加熱ローラに圧接した状態
    で回転駆動される加圧ローラとを備えた定着装置であ
    り、 前記加熱ローラの表面温度を設定する温度設定手段と、 前記加熱ローラの表面温度を検出する温度検出手段と、前記加圧ローラ及び前記加熱ローラの停止時と回転時と
    で異なる制御パラメータが設定され、前記温度設定手段
    の設定出力と前記温度検出手段の検出出力との差値の比
    例量と前記差値の積分量及び前記差値の微分量に基づい
    て前記発熱抵抗層への給電量を制御するとき、前記加熱
    ローラの停止時と回転時とで異なる制御パラメータを使
    用するPID調節手段と、 前記定着装置の起動時には、前記加圧ローラの回転を停
    止した状態で前記加熱ローラに最大電力を供給して加熱
    し、前記加熱ローラが、定着時の目標設定温度T1より
    も高い設定温度T2に達すると、前記加圧ローラの回転
    と前記PID調節手段の作動とを開始し、前記定着装置
    が起動した後の通常動作のとき、前記PID調節手段の
    制御パラメータを、前記加熱ローラの停止時と回転時と
    で異ならせる制御手段とを有することを特徴とする定着
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の定着装置において、前記
    発熱抵抗層が、前記加熱ローラの軸方向に、複数の部分
    発熱抵抗層に分割され、 前記温度設定手段が、前記部分発熱抵抗層の表面温度
    を、それぞれ設定する複数の部分温度設定手段からな
    り、 前記温度検出手段が、前記部分発熱抵抗層の表面温度
    を、それぞれ検出する部分温度検出手段からなり、 前記PID調節手段が、前記部分温度設定手段の設定出
    力と、対応する前記部分温度検出手段の検出出力との差
    値の比例量、前記差値の積分量、及び前記差値の微分量
    に基づいて、前記部分発熱抵抗層への給電量を制御する
    部分PID調節手段からなることを特徴とする定着装
    置。
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