JP3417652B2 - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

容量可変型斜板式圧縮機

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JP3417652B2
JP3417652B2 JP08338894A JP8338894A JP3417652B2 JP 3417652 B2 JP3417652 B2 JP 3417652B2 JP 08338894 A JP08338894 A JP 08338894A JP 8338894 A JP8338894 A JP 8338894A JP 3417652 B2 JP3417652 B2 JP 3417652B2
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axis
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drive shaft
tilt angle
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一哉 木村
隆宏 諸井
浩明 粥川
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    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
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    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
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  • Compressor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両空調装置等に用い
られる容量可変型斜板式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、
単に圧縮機という。)として、特開昭63−18697
3号公報記載のものが知られている。この圧縮機では、
ハウジングにクランク室、吸入室、吐出室及びこれらと
接続されたシリンダボアが区画形成され、各シリンダボ
アにはそれぞれ往復動可能にピストンが収容されてい
る。また、ハウジングには駆動軸が回転可能に支承され
ており、クランク室内ではこの駆動軸にロータが同期回
転可能に支持されている。ロータにはピストン側に案内
機構が形成され、この案内機構には斜板の上死点側で被
案内機構が連結され、これにより斜板はロータに同期回
転可能に連結されている。また、駆動軸には摺動可能に
スリーブが嵌合されており、このスリーブにおける枢
軸、つまり駆動軸の軸心と上死点位置とで決定される面
に直交する枢軸を中心として傾角変位可能に斜板が嵌合
されている。かかる斜板にはスラスト軸受を介して揺動
板が係留されており、揺動板は回り止めによって回転が
阻止されている。この揺動板には複数のピストンロッド
が係留されており、各ピストンロッドは各ピストンに係
留されている。かかる揺動板及び各ピストンロッドが斜
板の前後揺動運動のみを各ピストンの往復動に変換する
連結機構を構成している。さらに、ハウジングには吸入
圧力の検知により吐出圧力をクランク室内に導入可能な
容量制御弁が内装されている。
【0003】この圧縮機では、ハウジングに装着される
電磁クラッチを介して駆動軸が回転駆動されれば、所定
の傾角で斜板が回転し、揺動板及びピストンロッドを介
してピストンがシリンダボア内で往復動される。これに
より、吸入室からシリンダボア内に冷媒ガスが吸入さ
れ、冷媒ガスは圧縮された後、吐出室へ吐出される。そ
して、吸入圧力が低くなれば、容量制御弁が吐出圧力を
クランク室内に導入してクランク室内の圧力を高め、ク
ランク室内の圧力がシリンダボアの圧力に打ち勝つよう
になると、ピストンのストロークが短縮され、つまり斜
板の傾角が減少され、吐出容量が縮小される。
【0004】他方、吸入圧力が高くなれば、容量制御弁
が吐出圧力をクランク室内に導入しなくなり、クランク
室内の圧力を低め、クランク室内の圧力がシリンダボア
の圧力に打ち負けるようになると、ピストンのストロー
クが延長され、つまり斜板の傾角が増加され、吐出容量
が拡大される。この間、この圧縮機では、ロータに斜板
が当接することにより、斜板は最大傾角が規制される。
他方、駆動軸に設けられたサークリップにスリーブが当
接することにより、斜板は最小傾角が規制される。通
常、最小傾角は0°ではなく、数°の最小傾角に規制さ
れ、これによって最小吐出容量が最大吐出容量の10%
程度を確保するようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記圧縮機で
は、電磁クラッチの接続によって駆動軸に回転力が継続
して伝達されているならば、熱負荷が小さく、吸入圧力
が十分に低下していても、最大吐出容量の10%程度の
最小吐出容量の下で圧縮仕事を継続することとなる。こ
のため、吸入圧力を検知する容量制御弁によって、依然
と高められる吐出圧力がクランク室内に導入され、回転
数が高いときにはクランク室内の圧力が高騰し、軸封装
置の耐久性等を阻害することとなる。
【0006】かといって、斜板の形状や重心等について
何ら考慮することなく、最小傾角を0°とすれば、圧力
がバランスした状態からの起動ができなくなったり、低
負荷かつ高速運転で最小吐出容量が0%となり、復帰し
なくなったりする虞れがある。また、電磁クラッチを断
絶して駆動軸に回転力を伝達しないようにすれば、電磁
クラッチの断接時に例えば車両の運転フィーリングが悪
化するとともに、電磁クラッチの装備によって、重量
増、消費電力増加、燃費悪化等を生じてしまう。
【0007】本発明は、最小傾角をほぼ0°としても確
実に吐出容量の復帰を可能とし、これにより軸封装置の
耐久性等を向上させるとともに電磁クラッチの省略を可
能とすることを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載の圧縮機は、上記課題を解決するた
め、ハウジングに形成されたクランク室、吸入室、吐出
室及びこれらと接続されたシリンダボアと、各該シリン
ダボアにそれぞれ往復動可能に収容されたピストンと、
該ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、該クラ
ンク室内で該駆動軸に同期回転可能に支持され、該ピス
トン側に案内機構をもつロータと、該クランク室内で該
ロータ側に該案内機構と連結される被案内機構をもち、
上死点側で該被案内機構が該案内機構と連結されること
により該ロータに同期回転可能に連結されるとともに、
該駆動軸の軸心と上死点位置とで決定される面に直交す
る枢軸を中心として傾角変位可能に該駆動軸に嵌合され
た斜板と、該クランク室内で該斜板と各該ピストンとの
間に介装され、該斜板の前後揺動運動のみを各該ピスト
ンの往復動に変換する連結機構とを有し、該クランク室
内の圧力により該斜板の傾角が制御されて吐出容量を変
化するように構成した圧縮機において、前記傾角変位の
範囲はほぼ0°を含んで設定され、前記斜板における前
記枢軸を含むとともに前記軸心に直交する平面と該軸心
との交点を原点とし、該軸心と一致する軸を有した直角
座標系に関する該斜板の慣性乗積は、該傾角が0°の状
態で自己の回転により容量が増加する方向に該傾角を増
加させるモーメントを生じるべく設定されていることを
特徴とする。
【0009】ここに、斜板は、被案内機構をもち、ロー
タと同期回転するとともに枢軸を中心として傾角変位す
るものをいう。斜板の慣性乗積は、斜板の形状、重心及
び質量等によって決定される。 (2)請求項2記載の圧縮機は、請求項1記載の圧縮機
において、斜板は押圧ばねにより傾角を縮小する方向に
付勢され、該斜板の慣性乗積は想定される最低の回転数
において該押圧ばねの付勢力にも打ち勝つべく設定され
ていることを特徴とする。
【0010】
【作用】
(1)請求項1記載の圧縮機では、傾角変位の範囲がほ
ぼ0°を含んで設定されているため、最小傾角はほぼ0
°である。ここで、起動時、傾角がほぼ0°の状態で斜
板が回転され始められても、設定された慣性乗積により
傾角を増加させるモーメントを生じるため、斜板はほぼ
0°から増加された傾角の下で回転されることとなる。
このため、吸入・圧縮が開始され、高低圧差が生じる。
この後は、従来の圧縮機と同様に、ガス圧力による復
帰、可変動作が可能となる。
【0011】そして、この圧縮機では、熱負荷の低下に
よる冷媒循環量の減少に応じて0%に近い吐出容量まで
能力制御が可能なため、いかなる熱負荷の低下に対して
も、また回転数の増加に対しても、常に容量制御弁の設
定圧力に等しい吸入圧力を実現でき、クランク室内の圧
力の必要以上の高騰が防止できる。このため、軸封装置
の耐久性等が向上される。
【0012】また、この圧縮機では、駆動軸に回転力が
継続して伝達されていたとしても、軸封装置の耐久性等
を阻害せず、かつ吐出容量の復帰も可能であることか
ら、電磁クラッチの省略が可能となる。 (2)請求項2記載の圧縮機では、斜板が押圧ばねによ
り傾角を縮小する方向に付勢されていることから、起動
時には、斜板は確実に傾角0°で回転され始める。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図面を参
照しつつ説明する。この圧縮機では、図1に示すよう
に、シリンダブロック1の一端側にはフロントハウジン
グ2が接合され、他端側にはリアハウジング3が弁板4
を介して接合されている。シリンダブロック1とフロン
トハウジング2とによって形成されるクランク室5には
駆動軸6が収容され、駆動軸6は軸受7a、7bによっ
て回転可能に支持されている。フロントハウジング2の
ボス部からは軸封装置7cを介して駆動軸6が延出され
ており、駆動軸6の延出端にはボス部に設けた軸受7d
によって回転可能にプーリ8が固着されている。シリン
ダブロック1には駆動軸6を取り囲む位置に複数個のシ
リンダボア9が穿設されており、各シリンダボア9には
ピストン10がそれぞれ嵌挿されている。
【0014】クランク室5内において駆動軸6には、ロ
ータ16が駆動軸6と同期回転可能に支持されると共
に、球面スリーブ12が摺動可能に支持されている。ロ
ータ16と球面スリーブ12との間には押圧ばね13が
介在されており、押圧ばね13は球面スリーブ12をリ
アハウジング3方向へ付勢している。球面スリーブ12
の外周面には斜板14が支承されており、これにより斜
板14は枢軸を中心として傾角θを変位可能になされて
いる。この実施例では、たまたま枢軸が駆動軸6の軸心
と直角に交わる軸Zとなされている。
【0015】ロータ16の上部背面には、案内機構とし
て、一対の支持アーム17、17が斜板14側に突出し
ている。各支持アーム17、17の各先端部には、駆動
軸6の軸心と斜板14の上死点位置Tとで決定される面
と平行に、かつ駆動軸6の軸心に対して外方から近づく
方向に円孔17a、17aが直線状に貫設されている。
これら円孔17a、17aの中心線の方向は、斜板14
の傾角θの変位にかかわらず上死点でのピストン10の
位置が前後にほとんど変位しないように設定されてい
る。また、これら円孔17a、17aの中心線と直交す
る断面は円形に形成されている。
【0016】斜板14の外周部には半球状のシュー1
5、15が当接されており、これらシュー15、15の
外周面はピストン10の球支承面と係合されている。こ
うして、斜板14にシュー15、15を介して係留され
る複数のピストン10は各シリンダボア9内を往復動可
能に収納されている。斜板14の前面には、被案内機構
として、一対のブラケット19、19が駆動軸6を間に
介在させつつ斜板14の上死点位置Tを跨いで突設され
ており、各ブラケット19、19にはガイドピン18、
18の一端が固着され、各ガイドピン18、18の他端
には球部18a、18aが固着されている。ロータ16
における支持アーム17、17の円孔17a、17a内
にそれぞれガイドピン18、18の球部18a、18a
が回動かつ摺動可能に挿入されている。斜板14は、下
部前面に斜状に形成された当接面14aがロータ16に
当接することにより最大傾角θmaxに規制されてい
る。他方、この斜板14は、スリーブ12がサークリッ
プ30に当接することにより最小傾角0°に規制されて
いる。かかるブラケット19、19、ガイドピン18、
18及び球部18a、18aを一体にもつ斜板14は、
傾角が0°の状態では、押圧ばね13の付勢力にも打ち
勝って、自己の回転により傾角θを増加させるモーメン
トを生じるべく、枢軸を含むとともに軸心に直交する平
面と軸心との交点を原点Oとし、軸心と一致する軸を有
した直角座標系に関する斜板14の慣性乗積を設定して
いる。この慣性乗積は、斜板14の形状、原点Oに対す
る重心Gの位置及び質量m等によって決定されている。
【0017】また、リアハウジング3内は、吸入室20
及び吐出室21に区画されている。吸入室20は外部冷
凍回路のエバポレータに接続され、吐出室21は同冷凍
回路のコンデンサに接続されている。弁板4には各シリ
ンダボア9に対応して吸入ポート22及び吐出ポート2
3が開口形成されており、弁板4とピストン10との間
に形成される圧縮室が吸入ポート22及び吐出ポート2
3を介して吸入室20及び吐出室21に連通される。各
吸入ポート22にはピストン10の往復動に応じて吸入
ポート22を開閉する吸入弁が設けられ、各吐出ポート
23にはピストン10の往復動に応じて吐出ポート23
をリテーナ24に規制されつつ開閉する吐出弁が設けら
れている。また、リアハウジング3には、吸入圧力を検
知し、クランク室5の圧力を調整する図示しない容量制
御弁が装備されている。
【0018】以上のように構成された圧縮機において、
車両のエンジンの回転力がベルトを介してプーリ8に伝
達されれば、駆動軸6の回転に伴って斜板14が回転す
る。そして、シュー15、15を介して各ピストン10
がシリンダボア9内で往復動し、これにより吸入室20
から圧縮室内に冷媒ガスが吸入され、冷媒ガスは圧縮さ
れた後、吐出室21へ吐出される。このとき、吐出室2
1へ吐出される冷媒ガスの吐出量は、容量制御弁による
クランク室5内の圧力調整により制御される。
【0019】すなわち、熱負荷が増加することにより吸
入圧力が上昇すれば、容量制御弁の開度は減少し、吐出
室21内の高圧ガスのクランク室5内への供給量が減少
する。これにより、クランク室5の圧力は低下し、ピス
トン10に作用する背圧が下がることになり、斜板14
の傾角θが大きくなる。つまり、ガイドピン18、18
の球部18a、18aは、円孔17a、17a内を右回
りに回動しつつ円孔17a、17a内を中心線に沿って
駆動軸6から離れる方向に摺動する。また、斜板14が
枢軸を中心に右回りに回動しつつ球面スリーブ12とと
もに前方へ移動し、押圧ばね13は押し縮められる。こ
のようにして、斜板14の傾角θが大きくなり、ピスト
ン10のストロークが伸長されて吐出容量は大きくな
る。
【0020】逆に、熱負荷が減少することにより吸入圧
力が低下すれば、容量制御弁の開度は増大し、吐出室2
1内の高圧ガスのクランク室5内への供給量が増大す
る。これにより、クランク室5の圧力は上昇し、ピスト
ン10に作用する背圧が上がることになり、斜板14の
傾角θが小さくなる。つまり、ガイドピン18、18の
球部18a、18aは、円孔17a、17a内を左回り
に回動しつつ円孔17a、17a内を中心線に沿って駆
動軸6に近づく方向に摺動する。また、斜板14が枢軸
を中心に左回りに回動しつつ球面スリーブ12とともに
後方へ移動し、押圧ばね13は延ばされる。このように
して、斜板14の傾角θが小さくなり、ピストン10の
ストロークが縮小されて吐出容量は小さくなる。
【0021】エンジンの停止後、ある程度の時間が経過
し、クランク室5、吸入室20、吐出室21及び外部冷
凍回路内の圧力が均衡した後であれば、斜板14が押圧
ばね13により傾角θを縮小する方向に付勢されている
ことから、斜板14は最小傾角0°に維持される。こう
して、この圧縮機では、起動時には、斜板14は確実に
傾角0°で回転され始めるため、エンジンの負荷が小さ
い。
【0022】起動時、傾角が0°の状態で斜板14が回
転され始めれば、設定された慣性乗積により、傾角θを
増加させるモーメントを生じ、押圧ばね13の付勢力に
も打ち勝つようになるまで、回転数が上昇すれば、0°
から増加された傾角θ0 の下で斜板14は回転される。
このため、吸入・圧縮が開始され、高低圧差が生じる。
この後は、従来の圧縮機と同様に、ガス圧力による復
帰、可変動作が可能となる。
【0023】そして、この圧縮機では、熱負荷の低下に
よる冷媒循環量の減少に応じて0%に近い吐出容量まで
能力制御が可能なため、いかなる熱負荷の低下に対して
も、また回転数の増加に対しても、常に容量制御弁の設
定圧力に等しい吸入圧力を実現でき、クランク室5内の
圧力の必要以上の高騰が防止できる。このため、軸封装
置7cの耐久性等が向上される。
【0024】また、この圧縮機では、プーリ8によって
駆動軸6に回転力が継続して伝達されていたとしても、
軸封装置7cの耐久性等を阻害せず、かつ吐出容量の復
帰も可能であることから、電磁クラッチを必要としな
い。次に、斜板14が傾角θに0°を含んで嵌合されて
も、慣性乗積の設定により、設定傾角θが0°の状態で
自己の回転により傾角θを増加させるモーメントを生じ
ることを示す。
【0025】まず、図2及び図3に示すように、3つの
直角座標系を定義する。一つめは、枢軸を含み駆動軸6
の軸心に垂直な平面と駆動軸6の軸心との交点Oを原点
とした直角座標系O(x,y,z)である。y軸は駆動
軸6の軸心と平行であり、z軸は枢軸と平行であり、x
軸はy軸及びz軸に垂直である。y軸はフロントハウジ
ング2側を正とし、z軸は圧縮機の前面から見て右回り
に回転したときの圧縮側を正とし、x軸は上死点側を正
とする。この直角座標系O(x,y,z)において、駆
動軸6の軸心はy軸と一致し、斜板14の上死点位置T
はxy座標面に含まれることとなる。また、本実施例で
は枢軸とz軸とは一致している。
【0026】二つめは、斜板14の重心Gを原点とした
直角座標系G(x’,y’,z’)である。直角座標系
G(x’,y’,z’)のx’軸、y’軸及びz’軸
は、それぞれ直角座標系O(x,y,z)のx軸、y軸
及びz軸に平行かつ同一方向であるとする。三つめも、
やはり斜板14の重心Gを原点とした直角座標系G
(u,v,w)である。v軸は斜板14と垂直であり、
w軸はz’軸と平行であり、u軸はv軸及びw軸に垂直
である。直角座標系G(u,v,w)と直角座標系G
(x’,y’,z’)とは次の関係にある。つまり、v
軸とy’軸とのなす角度及びu軸とx’軸とのなす角度
は、斜板14の傾角θと一致し、w軸はz’軸と常に一
致している。傾角θ=0°においては、直角座標系G
(u,v,w)のu軸、v軸及びw軸は、それぞれ直角
座標系G(x’,y’,z’)のx’軸、y’軸及び
z’軸と完全に一致する。
【0027】そして、u軸に関する斜板14の慣性モー
メントIu と、v軸に関する斜板14の慣性モーメント
v と、w軸に関する斜板14の慣性モーメントIw
を定義すれば、 Iu =∫(v2 +w2 )dm …(1)式 Iv =∫(w2 +u2 )dm …(2)式 Iw =∫(u2 +v2 )dm …(3)式 となる。ここで、mは斜板14の質量であり、dmは斜
板14を構成する微小要素の質量である。
【0028】また、u軸及びv軸の組合せに関する慣性
乗積Puvと、v軸及びw軸の組合せに関する慣性乗積P
vwと、w軸及びu軸の組合せに関する慣性乗積Pwuとを
定義すれば、 Puv=∫uvdm …(4)式 Pvw=∫vwdm=0 …(5)式 Pwu=∫wudm=0 …(6)式 となる。ここで、Pvw=0、Pwu=0であるのは、斜板
14はuv座標面について対称であるからである。
【0029】そして、x’軸に関する斜板14の慣性モ
ーメントIx'と、y’軸に関する斜板14の慣性モーメ
ントIy'と、z’軸に関する斜板14の慣性モーメント
z'とを定義すれば、 Ix'=∫(y’2 +z’2 )dm …(7)式 Iy'=∫(z’2 +x’2 )dm …(8)式 Iz'=∫(x’2 +y’2 )dm …(9)式 となる。
【0030】また、x’軸及びy’軸の組合せに関する
慣性乗積Px'y'と、y’軸及びz’軸の組合せに関する
慣性乗積Py'z'と、z’軸及びx’軸の組合せに関する
慣性乗積Pz'x'とを定義すれば、 Px'y'=∫x’y’dm …(10)式 Py'z'=∫y’z’dm …(11)式 Pz'x'=∫z’x’dm …(12)式 となる。
【0031】直角座標系G(x’,y’,z’)と直角
座標系G(u,v,w)との間において、u軸はx’軸
と角θをなし、v軸はy’と角θをなす。よって、 x’=ucosθ+vsinθ …(13)式 y’=−usinθ+vcosθ …(14)式 z’=w …(15)式 となる。
【0032】(7)式は(14)式及び(15)式を代
入することにより、 Ix'=∫{(−usinθ+vcosθ)2 +w2 }dm =∫(u2 sin2 θ+v2 cos2 θ −2uvsinθcosθ+w2 )dm …(16)式 となる。ここで、w2 =w2 (sin2 θ+cos
2 θ)であるから、(16)式は、 Ix'=∫(v2 cos2 θ+w2 cos2 θ+w2 sin2 θ +u2 sin2 θ−2uvsinθcosθ)dm =∫(v2 +w2 )cos2 θdm+∫(w2 +u2 )sin2 θdm −2∫uvsinθcosθdm …(17)式 となる。ここで、(1)式より∫(v2 +w2 )dm=
u 、(2)式より∫(w2 +u2 )dm=Iv
(4)式より∫uvdm=Puvであるから、(17)式
は、 Ix'=Iu cos2 θ+Iv sin2 θ−2Puvsinθcosθ …(18)式 となる。
【0033】また、(8)式は(13)式及び(15)
式を代入することにより、 Iy'=∫{w2 +(ucosθ+vsinθ)2 }dm =∫(w2 +u2 cos2 θ+v2 sin2 θ +2uvsinθcosθ)dm …(19)式 となる。ここで、w2 =w2 (sin2 θ+cos
2 θ)であるから、(19)式は、 Iy'=∫(v2 sin2 θ+w2 sin2 θ+w2 cos2 θ +u2 cos2 θ+2uvsinθcosθ)dm =∫(v2 +w2 )sin2 θdm+∫(w2 +u2 )cos2 θdm +2∫uvsinθcosθdm …(20)式 となる。ここで、(1)式より∫(v2 +w2 )dm=
u 、(2)式より∫(w2 +u2 )dm=Iv
(4)式より∫uvdm=Puvであるから、(20)式
は、 Iy'=Iu sin2 θ+Iv cos2 θ+2Puvsinθcosθ …(21)式 となる。
【0034】さらに、(9)式は(13)式及び(1
4)式を代入することにより、 Iz'=∫{(ucosθ+vsinθ)2 +(−usinθ+vcosθ)2 }dm =∫(u2 cos2 θ+v2 sin2 θ+2uvsinθcosθ +u2 sin2 θ+v2 cos2 θ −2uvsinθcosθ)dm =∫(u2 +v2 )dm …(22)式 となる。ここで、(3)式より∫(u2 +v2 )dm=
w であるから、(22)式は、 Iz'=Iw …(23)式 となる。
【0035】一方、(10)式は(13)式及び(1
4)式を代入することにより、 Px'y'=∫(ucosθ+vsinθ)(−usinθ+vcosθ)dm =∫(−u2 sinθcosθ+uvcos2 θ −uvsin2 θ+v2 sinθcosθ)dm =(cos2 θ−sin2 θ)∫uvdm +∫{v2 sinθcosθ+w2 sinθcosθ −(w2 sinθcosθ+u2 sinθcosθ)}dm =(cos2 θ−sin2 θ)∫uvdm +∫{(v2 +w2 )sinθcosθ −(w2 +u2 )sinθcosθ}dm …(24)式 となる。ここで、(4)式より∫uvdm=Puv
(1)式より∫(v2 +w2)dm=Iu 、(2)式よ
り∫(w2 +u2 )dm=Iv であるから、(24)式
は、 Px'y'=Puv(cos2 θ−sin2 θ)+(Iu −Iv )sinθcosθ …(25)式 となる。
【0036】また、(11)式は(14)式及び(1
5)式を代入することにより、 Py'z'=∫(−usinθ+vcosθ)wdm =−sinθ∫uwdm+cosθ∫vwdm …(26)式 となる。ここで、(6)式より∫wudm=Pwu
(5)式より∫vwdm=P vwであるから、(26)式
は、 Py'z'=−Pwusinθ+Pvwcosθ …(27)式 となる。ここにおいて、(5)式及び(6)式よりPwu
=Pvw=0であったから、(27)式は、 Py'z'=0 …(28)式 となる。
【0037】さらに、(12)式は(13)式及び(1
5)式を代入することにより、 Pz'x'=∫w(ucosθ+vsinθ)dm =cosθ∫wudm+sinθ∫vwdm …(29)式 となる。ここで、(6)式より∫wudm=Pwu
(5)式より∫vwdm=P vwであるから、(29)式
は、 Pz'x'=Pwucosθ+Pvwsinθ …(30)式 となる。ここにおいて、(5)式及び(6)式よりPwu
=Pvw=0であったから、(30)式は、 Pz'x'=0 …(31)式 となる。
【0038】次に、x軸に関する斜板14の慣性モーメ
ントIx と、y軸に関する斜板14の慣性モーメントI
y と、z軸に関する斜板14の慣性モーメントIz とを
定義すれば、 Ix =∫(y2 +z2 )dm …(32)式 Iy =∫(z2 +x2 )dm …(33)式 Iz =∫(x2 +y2 )dm …(34)式 となる。
【0039】また、x軸及びy軸の組合せに関する慣性
乗積Pxyと、y軸及びz軸の組合せに関する慣性乗積P
yzと、z軸及びx軸の組合せに関する慣性乗積Pzxとを
定義すれば、 Pxy=∫xydm …(35)式 Pyz=∫yzdm …(36)式 Pzx=∫zxdm …(37)式 となる。
【0040】ここで、直角座標系O(x,y,z)と直
角座標系G(x’,y’,z’)との間には、次の関係
がある。すなわち、直角座標系O(x,y,z)におけ
る重心Gの座標を(x0 ,y0 ,0)とすれば、 x=x’+x0 …(38)式 y=y’+y0 …(39)式 z=z’ …(40)式 となる。
【0041】(32)式は(39)式及び(40)式を
代入することにより、 Ix =∫{(y’+y0 2 +z’2 }dm =∫(y’2 +2y’y0 +y0 2 +z’2 )dm =∫(y’2 +z’2 )dm+y0 2 ∫dm+2y0 ∫y’dm …(41)式 となる。ここで、(7)式より∫(y’2 +z’2 )d
m=Ix'であり、∫dm=m、y0 ∫y’dm=0であ
るから、(41)式は、 Ix =Ix'+my0 2 …(42)式 となる。
【0042】また、(33)式は(38)式及び(4
0)式を代入することにより、 Iy =∫{z’2 +(x’+x0 2 }dm =∫(z’2 +x’2 +2x’x0 +x0 2 )dm =∫(z’2 +x’2 )dm+x0 2 ∫dm+2x0 ∫x’dm …(43)式 となる。ここで、(8)式より∫(z’2 +x’2 )d
m=Iy'であり、∫dm=m、x0 ∫x’dm=0であ
るから、(43)式は、 Iy =Iy'+mx0 2 …(44)式 となる。
【0043】さらに、(34)式は(38)式及び(3
9)式を代入することにより、 Iz =∫{(x’+x0 2 +(y’+y0 2 )dm =∫(x’2 +2x’x0 +x0 2 +y’2 +2y’y0 +y0 2 )dm =∫(x’2 +y’2 )dm+(x0 2 +y0 2 )∫dm +2x0 ∫x’dm+2y0 ∫y’dm …(45)式 となる。ここで、(9)式より∫(x’2 +y’2 )d
m=Iz'であり、∫dm=m、x0 ∫x’dm=0、y
0 ∫y’dm=0であるから、(45)式は、 Iz =Iz'+m(x0 2 +y0 2 ) …(46)式 となる。
【0044】一方、(35)式は(38)式及び(3
9)式を代入することにより、 Pxy=∫(x’+x0 )(y’+y0 )dm =∫x’y’dm+x0 0 ∫dm+x0 ∫y’dm+y0 ∫x’dm …(47)式 となる。ここで、(10)式より∫x’y’dm=P
x'y'であり、∫dm=m、x0 ∫y’dm=0、y0
x’dm=0であるから、(47)式は、 Pxy=Px'y'+mx0 0 …(48)式 となる。
【0045】また、(36)式は(39)式及び(4
0)式を代入することにより、 Pyz=∫(y’+y0 )z’dm =∫y’z’dm+y0 ∫z’dm …(49)式 となる。ここで、(11)式及び(28)式より∫y’
z’dm=Py'z'=0であり、y0 ∫z’dm=0であ
るから、(49)式は、 Pyz=0 …(50)式 となる。
【0046】さらに、(37)式は(38)式及び(4
0)式を代入することにより、 Pzx=∫z’(x’+x0 )dm =∫z’x’dm+x0 ∫z’dm …(51)式 となる。ここで、(12)式及び(31)式より∫z’
x’dm=Pz'x'=0であり、x0 ∫z’dm=0であ
るから、(51)式は、 Pzx=0 …(52)式 となる。
【0047】こうして、直角座標系O(x,y,z)に
おける慣性モーメントIx 、Iy 、Iz と慣性乗積
xy、Pyz、Pzxとを直角座標系G(u,v,w)で表
せば、次のようになる。(42)式及び(18)式よ
り、 Ix =Iu cos2 θ+Iv sin2 θ−2Puvsinθcosθ+my0 2 …(53)式 (44)式及び(21)式より、 Iy =Iu sin2 θ+Iv cos2 θ+2Puvsinθcosθ+mx0 2 …(54)式 (46)式及び(23)式より、 Iz =Iw +m(x0 2 +y0 2 ) …(55)式 (48)式及び(25)式より、 Pxy=Puv(cos2 θ−sin2 θ) +(Iu −Iv )sinθcosθ+mx0 0 …(56)式 (50)式より、 Pyz=0 …(57)式 (52)式より、 Pzx=0 …(58)式 そして、直角座標系O(x,y,z)のy軸を中心とし
て、斜板14が角速度ω(ベクトル)で定速回転してい
る場合における斜板14に作用するモーメントM0 (ベ
クトル)を求める。ここで、圧縮機はy軸を軸として回
転するため、その角速度をωy0とすると、ωの成分は、
ωx =0、ωy =ωy0、ωz =0である。
【0048】まず、慣性テンソルと角速度ωとの積より
求まる原点O回りの角運動量Η0 (ベクトル)は、数1
のように表される。
【0049】
【数1】 ここで、定速回転の場合、原点O回りに生じる不釣り合
いによるモーメントM 0 は、角速度ωと角運動量Η0
の外積により求めることができ、数2のようになる。
【0050】
【数2】 ここにおいて、(57)式よりPzy=0であるから、
(60)式は、 M0 =(0,0,−Pxyωy0 2 ) …(61)式 となる。
【0051】(61)式において、傾角θを増加させる
のは、z軸の負の方向を向いたモーメントである。この
ため、斜板14が自己の定速回転によって、Pxy>0の
とき、傾角θを増加させるモーメントが生じ、Pxy<0
のとき、傾角θを減少させるモーメントが生じることが
わかる。したがって、斜板14が傾角θに0°を含み、
最大傾角θmaxで嵌合されている場合、傾角0°起動
のためには、 θ=0の状態でPxy>0 θ=θmaxの状態でPxy<0 となるように、(56)式における斜板14の形状、交
点Oと重心Gとの位置関係、質量m等を設定すればよい
ことがわかる。
【0052】なお、図4に回転によって生じるモーメン
トを示す。M0 はPxyによって生じるモーメント、M1
はピストン10の往復運動によって生じるモーメントで
ある。θ=0においてはM1 =0であり、かつガス圧力
も平衡状態であるため、θを増大させるためには、M0
によるしかないことがわかる。したがって、この圧縮機
では、最小傾角をほぼ0°としても確実に吐出容量の復
帰が可能であり、これにより軸封装置7cの耐久性等を
向上させることができるとともに、電磁クラッチを省略
することができる。特に、この圧縮機では、最小容量で
起動されることから、起動時におけるエンジンの負荷を
極力抑えることができる。
【0053】そして、この圧縮機では、電磁クラッチの
省略により、電磁クラッチの断接時における例えば車両
の運転フィーリングの悪化を回避できるとともに、重量
減、消費電力減少、燃費向上等を実現できる。なお、本
発明における斜板とは、上記ブラケット19、ガイドピ
ン18及び球部18a等の被案内機構をもち、ロータ1
6と同期回転するとともに枢軸を中心として傾角変位す
るものをいうため、例えば上記公報記載の圧縮機のよう
に揺動板を用いるものでは、ロータとの連結部分のうち
斜板と一体回転するものと、斜板とが本発明における斜
板に該当する。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の圧
縮機では、請求項1記載の構成の採用により、最小傾角
をほぼ0°としても確実に吐出容量の復帰が可能であ
り、これにより軸封装置の耐久性等を向上させることが
できるとともに、電磁クラッチを省略することができ
る。
【0055】そして、この圧縮機では、電磁クラッチの
省略により、電磁クラッチの断接時における例えば車両
の運転フィーリングの悪化を回避できるとともに、重量
減、消費電力減少、燃費向上等を実現できる。また、請
求項2記載の圧縮機では、請求項2記載の構成の採用に
より、最小容量で起動されることから、起動時における
駆動軸の負荷を極力抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の圧縮機の縦断面図である。
【図2】実施例の圧縮機に係り、斜板と座標とを示す説
明図である。
【図3】実施例の圧縮機に係り、座標を示す説明図であ
る。
【図4】実施例の圧縮機に係り、傾角とモーメントとの
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…シリンダブロック 2…フロントハウジ
ング 3…リアハウジング 5…クランク室 20…
吸入室 21…吐出室 9…シリンダボア 10…
ピストン 6…駆動軸 16…ロータ 14…
斜板 17、17a…案内機構(17…支持アーム、17a…
円孔) 19、18、18a…被案内機構(19…ブラケット、
18…ガイドピン、1 8a…球部) T…上死点位置 y…
軸心 15…連結機構(シュー) 13…押圧ばね
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−231312(JP,A) 特開 平3−258975(JP,A) 特開 平3−210079(JP,A) 特開 平5−52183(JP,A) 特開 平5−18355(JP,A) 特開 平4−224281(JP,A) 特開 平4−143469(JP,A) 特開 平4−136487(JP,A) 特開 平1−271673(JP,A) 特開 昭63−65177(JP,A) 特開 昭61−261681(JP,A) 特開 昭63−186973(JP,A) 実開 平6−22580(JP,U) 米国特許5573379(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 27/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングに形成されたクランク室、吸入
    室、吐出室及びこれらと接続されたシリンダボアと、各
    該シリンダボアにそれぞれ往復動可能に収容されたピス
    トンと、該ハウジングに回転可能に支承された駆動軸
    と、該クランク室内で該駆動軸に同期回転可能に支持さ
    れ、該ピストン側に案内機構をもつロータと、該クラン
    ク室内で該ロータ側に該案内機構と連結される被案内機
    構をもち、上死点側で該被案内機構が該案内機構と連結
    されることにより該ロータに同期回転可能に連結される
    とともに、該駆動軸の軸心と上死点位置とで決定される
    面に直交する枢軸を中心として傾角変位可能に該駆動軸
    に嵌合された斜板と、該クランク室内で該斜板と各該ピ
    ストンとの間に介装され、該斜板の前後揺動運動のみを
    各該ピストンの往復動に変換する連結機構とを有し、該
    クランク室内の圧力により該斜板の傾角が制御されて吐
    出容量を変化するように構成した容量可変型斜板式圧縮
    機において、 前記傾角変位の範囲はほぼ0°を含んで設定され、前記
    斜板における前記枢軸を含むとともに前記軸心に直交す
    る平面と該軸心との交点を原点とし、該軸心と一致する
    軸を有した直角座標系に関する該斜板の慣性乗積は、該
    傾角が0°の状態で自己の回転により容量が増加する方
    向に該傾角を増加させるモーメントを生じるべく設定さ
    れていることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 【請求項2】斜板は押圧ばねにより傾角を縮小する方向
    に付勢され、該斜板の慣性乗積は想定される最低の回転
    数において該押圧ばねの付勢力にも打ち勝つべく設定さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の容量可変型斜
    板式圧縮機。
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