JP3416925B2 - 一液低温硬化型着色エナメル塗料 - Google Patents

一液低温硬化型着色エナメル塗料

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JP3416925B2 JP26089296A JP26089296A JP3416925B2 JP 3416925 B2 JP3416925 B2 JP 3416925B2 JP 26089296 A JP26089296 A JP 26089296A JP 26089296 A JP26089296 A JP 26089296A JP 3416925 B2 JP3416925 B2 JP 3416925B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性、耐水性に
優れ、さらに柔軟性もあるため、自動車のバンパー等の
塗装に用いられる一液低温硬化型着色エナメル塗料の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境汚染によってもたらされる酸
性雨が問題になっている。屋外を走行する自動車では、
この問題の解決は特に重要であり、バンパー等のプラス
チック素材やボディー等の鋼板に用いられる自動車用塗
料は、いずれも耐酸性に優れ、酸性雨が表面に付着して
もその塗膜が変質しないことが要求されている。現在最
も多く使用される自動車用塗料は、メラミン架橋によっ
て硬化するものである。メラミン樹脂は酸によって分解
してしまうため、耐酸性が十分であるとは言いがたい。
【0003】自動車のバンパー用塗料については、バン
パーの機能上、得られる塗膜については柔軟性が必要で
あるので、塗膜のガラス転移温度は通常低く設定されて
いる。そのため、バンパー用塗料では、鋼板用塗料と比
較して汚れがつき易く、しかもこれが落ちにくいという
問題もある。バンパー用塗料における耐汚染性を改善す
るために、塗膜のガラス転移温度を高くし、塗膜を硬質
化する方法が考えられるのであるが、そうすれば、柔軟
性、すなわち屈曲性が低下して、塗膜に割れが生じると
いう別の問題が発生してしまう。このように、バンパー
用塗料において、耐汚染性と屈曲性とは相反する性質で
あるため、これらを両立させることが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特公平4−508号公
報には、バンパー用塗料の基本的性能を満たすものとし
て、アクリル樹脂、ポリアルキレングリコール樹脂、ア
ミノ樹脂およびブロックイソシアネートを含有する被覆
用組成物が記載されている。この被覆用組成物は、樹脂
成分がアクリル樹脂とポリアルキレングリコール樹脂と
の組み合わせからなり、耐候性、耐水性等の諸物性に優
れ、良好な硬度の塗膜を形成できるものとされている
が、耐汚染性や、耐酸性が十分ではない。この場合は、
軟質付与剤として作用し被覆用組成物中に必須成分とし
て含まれるポリアルキレングリコール樹脂が、耐汚染性
および耐酸性を低下させると考えられる。
【0005】特開平1−158079号公報には、バン
パー用塗料として、アクリル系共重合体およびメラミン
樹脂を必須とし、ブロックイソシアネートを含むことが
ある被覆組成物が開示されている。この塗料は、高温で
焼き付けて硬化させる。自動車用途では、このように、
塗装後、その塗膜を高温で焼き付けて硬化させる方法が
行われているが、バンパー用等のプラスチック素材では
耐熱性が低いため、120℃程度の低温で焼き付けを行
うことが要求されている。しかし、上記公知の塗料は、
焼き付けを低温で行うと、硬化が不十分となるので、耐
汚染性および耐酸性が低下する。
【0006】なお、金属用ではあるが、特開平4−24
6483号公報には、ブロックイソシアネート解離触媒
として有機錫のモノカルボン酸塩を含む自動車用金属用
塗料が記載されている。また、特開平7−258599
号公報には、ブロックイソシアネート解離触媒として無
機系触媒を含む鋼板用塗料が記載されている。この場
合、無機系触媒は溶剤に不溶であるため、透明性が要求
されるクリヤー塗料として用いることができない。これ
らの鋼板用塗料も、上記のプラスチック用塗料と同様
に、焼き付けを低温で行うと硬化が不十分となるため、
耐汚染性および耐酸性が低下する。
【0007】このように、従来の技術は、いずれも、低
温で焼き付けを行っても十分に硬化して耐汚染性および
耐酸性を確保するというものではなかった。このような
事情から、低温焼き付けで十分に硬化し、耐汚染性およ
び耐酸性に優れる自動車用塗料の開発が期待されてい
る。本発明が解決しようとする課題は、低温で焼き付け
を行っても十分に硬化し、屈曲性をそこなうことなく、
耐汚染性および耐酸性に優れる硬化塗膜を形成できる一
液低温硬化型着色エナメル塗料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、種々の実験を重ねた結果、硬化塗膜
の物理的物性と屈曲性、耐汚染性および耐酸性との間の
相関関係があるという知見と、特定構造のブロックイソ
シアネート解離触媒を用いると低温で焼き付けを行って
も十分に硬化できるという知見とを得て、本発明に到達
した。
【0009】すなわち、本発明の一液低温硬化型着色エ
ナメル塗料は、水酸基価80〜200のポリエステルポ
リオールおよび水酸基価80〜200のアクリルポリオ
ールを含む樹脂成分、ブロックイソシアネートを必須成
分としメラミンを含有することがある架橋剤、少なくと
もジブチル錫のジカルボン酸塩からなるブロックイソシ
アネート解離触媒、および、顔料を含み、前記ポリエス
テルポリオールおよびアクリルポリオールの重量比率が
ポリエステルポリオール/アクリルポリオール=60/
40〜30/70を満たし、前記ブロックイソシアネー
トおよびメラミンの重量比率がブロックイソシアネート
/メラミン=100/0〜60/40を満たす。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の一液低温硬化型着色エナ
メル塗料は、樹脂成分、架橋剤、ブロックイソシアネー
ト解離触媒および顔料を含む。以下に、この一液低温硬
化型着色エナメル塗料の各成分を詳しく説明する。 〔樹脂成分〕本発明で用いられる樹脂成分は、水酸基価
80〜200KOHmg/gのポリエステルポリオール
と、水酸基価80〜200KOHmg/gのアクリルポ
リオールとを必須成分として含む。
【0011】ポリエステルポリオールは、その水酸基価
が80〜200KOHmg/gの範囲にあれば特に限定
はない。ポリエステルポリオールは、たとえば、多官能
アルコール(a)、多官能カルボン酸(b)またはその
酸無水物等の単量体に由来する構造単位を含んだ共重合
体であり、共重合体を構成する構造単位の種類について
は特に限定はない。ポリエステルポリオールは軟質性に
優れ、塗料に優れた屈曲性を付与するものである。
【0012】多官能アルコール(a)としては、たとえ
ば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジグリコール、トリメチロールプロパ
ン等を挙げることができ、1種のみ、または、必要に応
じて2種以上を併用してもよい。多官能カルボン酸
(b)としては、たとえば、イソフタール酸、トリメリ
ット酸、アジピン酸等を挙げることができる。多官能カ
ルボン酸(b)の酸無水物としては、たとえば、無水フ
タール酸、無水コハク酸等を挙げることができる。これ
らは、1種のみ、または、必要に応じて2種以上を併用
してもよい。なお、ポリエステルポリオールは、パルチ
ミン酸、ステアリン酸等の単官能カルボン酸(c)に由
来する構造単位を含むものでもよい。
【0013】ポリエステルポリオールは、上記多官能ア
ルコール(a)、多官能カルボン酸(b)またはその酸
無水物から、適宜単量体を選んで、共重合させることに
よって得られる。なお、ポリエステルポリオールは、さ
らに単官能カルボン酸(c)を共重合させて得られるも
のでもよい。ポリエステルポリオールの水酸基価は、8
0〜200KOHmg/gの範囲にあり、好ましくは9
0〜160KOHmg/g、さらに好ましくは100〜
150KOHmg/gである。水酸基価が80KOHm
g/g未満であると、耐酸性および耐汚染性が不十分と
なる。また、水酸基価が200KOHmg/gを超える
と、屈曲性が低下するおそれがある。
【0014】アクリルポリオールは、その水酸基価が8
0〜200KOHmg/gの範囲にあれば特に限定はな
い。アクリルポリオールは、水酸基を有するアクリル系
単量体(A)に由来する構造単位を必須とした重合体で
あり、適宜、カルボキシル基を有するアクリル系単量体
(B)、前記アクリル系単量体(A)および(B)と共
重合可能なエステル基を有するアクリル系単量体(C)
や、アクリル系以外のビニル系単量体(D)等の単量体
に由来する構造単位をさらに含んだ共重合体であっても
よく、重合体を構成する構造単位の種類については特に
限定はない。
【0015】水酸基を有するアクリル系単量体(A)と
しては、たとえば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチルや、これらのε−カプロ
ラクトン付加物等を挙げることができ、1種のみ、また
は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0016】カルボキシル基を有するアクリル系単量体
(B)としては、たとえば、(メタ)アクリル酸等を挙
げることができ、1種のみ、または、必要に応じて2種
以上を併用してもよい。エステル基を有するアクリル系
単量体(C)としては、たとえば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル等を挙げることができ、1種のみ、ま
たは、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0017】ビニル系単量体(D)としては、たとえ
ば、スチレン等を挙げることができ、1種のみ、また
は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。アクリル
ポリオールは、上記アクリル系単量体(A)〜(C)お
よびビニル系単量体(D)から、適宜単量体を選んで、
重合させることによって得られる。アクリルポリオール
の水酸基価は、80〜200KOHmg/gの範囲にあ
り、好ましくは90〜160KOHmg/g、さらに好
ましくは100〜150KOHmg/gである。水酸基
価が80KOHmg/g未満であると、耐酸性および耐
汚染性が不十分となる。また、水酸基価が200KOH
mg/gを超えると、屈曲性が低下するおそれがある。
【0018】樹脂成分として配合されるポリエステルポ
リオールおよびアクリルポリオールの重量比率は、ポリ
エステルポリオール/アクリルポリオール=60/40
〜30/70であり、好ましくは50/50〜40/6
0である。ポリエステルポリオールの重量比率が上記範
囲よりも大きくなると、耐酸性および耐汚染性が低下す
る。一方、ポリエステルポリオールの重量比率が上記範
囲よりも小さくなると、屈曲性が低下するため好ましく
ない。 〔架橋剤〕本発明で用いられる架橋剤は、ブロックイソ
シアネートを必須成分として含有し、メラミン樹脂をさ
らに含有することがある。架橋剤は塗膜硬度を適正に整
えるものである。
【0019】ブロックイソシアネートとしては、たとえ
ば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート等の無黄変型ポリイソシアネートを、アセ
トンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、アセト酢
酸エチル、アセチルアセトン等のブロック剤と反応させ
て得られるブロック化物を挙げることができ、1種の
み、または、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
中でも、ブロックイソシアネートが、ヘキサメチレンジ
イソシアネートブロック化物およびイソホロンジイソシ
アネートブロック化物のうちの少なくとも1種である
と、耐候性に優れるようになるため好ましい。
【0020】なお、トリレンジイソシアネートのような
芳香族系イソシアネートのブロック化物を架橋剤として
用いると、一液低温硬化型着色エナメル塗料は黄変して
しまうので好ましくない。メラミン樹脂としては、たと
えば、メチルエーテル化メラミン、エチルエーテル化メ
ラミン、ブチルエーテル化メラミン等のアルキルエーテ
ル化メラミンを挙げることができ、1種のみ、または、
必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0021】架橋剤として配合されるブロックイソシア
ネートおよびメラミン樹脂の重量比率は、ブロックイソ
シアネート/メラミン樹脂=100/0〜60/40で
あり、好ましくは75/25〜65/35である。上記
重量比率が60/40未満となると、架橋剤全体に占め
るメラミン樹脂の割合が大きくなって、耐酸性および耐
汚染性が低下するため好ましくない。
【0022】一液低温硬化型着色エナメル塗料中に含ま
れる架橋剤の配合割合については、特に限定はないが、
たとえば、樹脂成分100重量部に対して、好ましくは
20〜40重量部、さらに好ましくは25〜35重量部
である。架橋剤の配合割合が少なすぎると、十分に硬化
せず、耐酸性および耐汚染性が低下する。一方、多すぎ
ると、屈曲性が低下するおそれがある。
【0023】架橋剤は、ベンゾグアナミン等のブロック
イソシアネートや、メラミン樹脂以外の他の薬剤を含む
ものでもよい。 〔ブロックイソシアネート解離触媒〕本発明で用いられ
る架橋剤はブロックイソシアネートを必須とするため、
一液低温硬化型着色エナメル塗料は、少なくともジブチ
ル錫のジカルボン酸塩からなるブロックイソシアネート
解離触媒を含む。
【0024】ジブチル錫のジカルボン酸塩としては、た
とえば、ビス(ジブチル錫)マレエート、ビス(ジブチ
ル錫)フマレート等を挙げることができ、1種のみ、ま
たは、必要に応じて2種以上を併用してもよい。この解
離触媒を使用することによって、一液低温硬化型着色エ
ナメル塗料の塗膜を、たとえば、110〜120℃とい
う低温域で焼き付けることが可能となり、また、樹脂成
分との相溶性がよくなるため、焼き付け後の塗膜の外観
は良好となる。
【0025】一液低温硬化型着色エナメル塗料中に含ま
れるブロックイソシアネート解離触媒の配合割合につい
ては、特に限定はないが、たとえば、樹脂成分100重
量部に対して、好ましくは1〜3重量部である。ブロッ
クイソシアネート解離触媒の配合割合が少なすぎると、
十分に硬化せず、耐酸性および耐汚染性が低下する。一
方、多すぎると、外観性が低下するおそれがある。 〔顔料〕本発明の一液低温硬化型着色エナメル塗料は、
着色を目的としているため、顔料が含まれる。顔料とし
ては、たとえば、酸化チタン等の無機顔料;フタロシア
ニンブルー等の有機計顔料;アルミニウム箔等の光輝顔
料;タルク等の体質顔料等を挙げることができ、1種の
み、または、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0026】一液低温硬化型着色エナメル塗料中に含ま
れる顔料の配合割合については、特に限定はないが、た
とえば、樹脂成分100重量部に対して、好ましくは3
〜100重量部、さらに好ましくは5〜80重量部であ
る。 〔その他の成分〕一液低温硬化型着色エナメル塗料に
は、必要に応じて、パラトルエンスルホン酸、ドデシル
ベンゼンスルホン酸等のメラミン樹脂硬化触媒;ベンゾ
トリアゾール等の紫外線吸収剤;表面調整剤等の添加剤
を配合することができる。塗料中のこれらの添加剤の配
合割合は、特に制限はなく、適宜選択することができ
る。 〔一液低温硬化型着色エナメル塗料〕一液低温硬化型着
色エナメル塗料は、上記で詳しく説明した、樹脂成分、
架橋剤、ブロックイソシアネート解離触媒および顔料を
混合して得られる。必要に応じて、その他成分をさらに
混合したものであってもよい。
【0027】一液低温硬化型着色エナメル塗料から得ら
れる硬化塗膜のガラス転移温度は、50〜65℃であ
る。硬化塗膜のガラス転移温度が50℃未満であると、
耐酸性および耐汚染性が十分ではない。一方、ガラス転
移温度が65℃を超えると、塗膜に割れが生じ、屈曲性
が低下して好ましくない。一液低温硬化型着色エナメル
塗料は、たとえば、自動車のバンパー等のプラスチック
素材表面の塗装に用いられる。この塗料を塗る方法につ
いては特に限定はないが、たとえば、スプレー塗装等を
挙げることができる。なお、この塗料はあらかじめ溶剤
等で希釈して使用してもよい。
【0028】一液低温硬化型着色エナメル塗料は、プラ
スチック素材表面の塗装に用いられ、塗装後、焼き付け
て塗膜を硬化させることができる。焼き付け温度は、通
常、110〜120℃という低温であり、このような低
い温度であっても塗膜を十分に硬化させることができ
る。
【0029】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例および比較例
を示すが、本発明は下記実施例に限定されない。まず、
製造例1〜2および比較製造例1〜2では、ポリエステ
ルポリオールa〜dを製造した。製造例3〜4および比
較製造例3〜4では、アクリルポリオールA〜Dを製造
した。以下で、「部」は「重量部」を表す。
【0030】(製造例1〜2および比較製造例1〜2)
攪拌機、温度制御装置、コンデンサー付脱水装置を備え
たフラスコに、表1に示した共重合成分とキシレンとを
仕込み、攪拌しながら加熱し、2時間かけて230℃ま
で昇温し、7時間エステル化反応を行った。反応終了
後、100℃まで冷却して酢酸ブチルを添加し、室温ま
で冷却して、表1に示した水酸基価を有するポリエステ
ルポリオールa〜dを製造した。なお、表1には、反応
で生成する水の脱水量、収率を示した。
【0031】
【表1】
【0032】(製造例3〜4および比較製造例3〜4)
攪拌機、温度制御装置、コンデンサーを備えたフラスコ
に、溶媒としてソルベッソ#100(ソルベントナフ
サ、エクソン社製)を100部仕込み、攪拌しながら加
熱し、溶媒温度を100℃まで上げた。続いて表2に示
した共重合成分(合計101部)を、それぞれ、2時間
かけて滴下し、その後、100℃に保って4時間重合さ
せて、表2に示した水酸基価を有するアクリルポリオー
ルA〜Dを製造した。
【0033】
【表2】
【0034】(実施例1〜5および比較例1〜8)表3
および4に示す各成分と、樹脂成分100部に対して6
6.67部になるように用意した酸化チタンとを混合し
て、着色エナメル塗料1〜5および比較着色エナメル塗
料1〜8を製造した。得られた(比較)着色エナメル塗
料を以下のようにして評価した。
【0035】バンパー用ポリプロピレン材の表面を水道
水でワイプ洗浄し、プライマー(RB195−1、日本
ビー・ケミカル社製)を10μmの厚みで塗装して、1
20℃で5分間焼き付けた。次に、上記で製造した(比
較)着色エナメル塗料を30μmの厚みで塗装して、1
20℃で20分間焼き付け、硬化させた。得られた硬化
塗膜について、それぞれ、以下の評価方法で物性を評価
した。
【0036】<評価方法> 1.硬化塗膜のガラス転移温度(Tg) レオスペクトラ 9002−DVE(レオロジー株式会
社製)を用いて、ガラス転移温度を測定した。 2.耐酸性 人工酸性雨を硬化塗膜の表面に滴下し、グラジエントオ
ーブン(BYK社製)に、70℃、30分間放置した。
水洗後、表面粗度計(東洋精密株式会社製)で表面粗度
を測定し、エッチング深さが0.5μm以下を○、0.
5μmを超えたものを×と判定した。
【0037】3.耐汚染性 硬化塗膜について6か月間屋外暴露を行い、その後、硬
化塗膜に付着したシミを水道水で拭き取った。シミが洗
い落とせるものを○、シミの残るものを×と判定した。 4.屈曲性 硬化塗膜を20℃で一夜放置した後、90°で折り曲げ
て、硬化塗膜にワレが生じないものを○、硬化塗膜にワ
レが生じたものを×と判定した。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】*1 イソブチル化メラミン(ユーバン1
65、三井東圧化学(株)製) *2 ヘキサメチレンジイソシアネートトリマーのメチ
ルエチルケトンオキシムブロック体 *3 イソホロンジイソシアネートのメチルエチルケト
ンオキシムブロック体 *4 ビス(ジブチル錫)マレエート <評価結果>実施例1〜5では、いずれも、硬化塗膜の
Tgが50〜65℃の範囲にあり、耐酸性、耐汚染性お
よび屈曲性に優れる。それに対して、比較例1では、水
酸基価80KOHmg/g未満のポリエステルポリオー
ルおよびアクリルポリオールを用いているため、耐酸性
および耐汚染性が劣っている。比較例2では、水酸基価
200KOHmg/gを超えるポリエステルポリオール
およびアクリルポリオールを用いているため、耐酸性お
よび屈曲性が劣っている。比較例3では、ポリエステル
ポリオールの重量比率が高いので、耐酸性および耐汚染
性が劣っている。比較例4では、ポリエステルポリオー
ルの重量比率が低いので、屈曲性が劣っている。比較例
5では、メラミン樹脂の重量比率が高いので、耐酸性が
劣っている。比較例6では、水酸基価80KOHmg/
g未満のポリエステルポリオールを用いているため、耐
酸性および耐汚染性が劣っている。比較例7では、水酸
基価200KOHmg/gを超えるアクリルポリオール
を用いているため、屈曲性が劣っている。比較例8で
は、ブロックイソシアネート解離触媒を使用していない
ため、硬化が十分ではなく、耐酸性および耐汚染性が劣
っている。
【0041】
【発明の効果】本発明の一液低温硬化型着色エナメル塗
料は、耐候性、耐水性に優れ、さらに柔軟性もありなが
ら、低温で焼き付けを行っても十分に硬化し、屈曲性を
そこなうことなく、耐汚染性および耐酸性に優れる硬化
塗膜を形成することができる。そのため、自動車のバン
パー等の塗装用途に特に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−246483(JP,A) 特開 平1−174570(JP,A) 特開 平5−105737(JP,A) 特開 平6−41496(JP,A) 特開 昭60−13860(JP,A) 特表 平5−508434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 175/04 C09D 133/14 C09D 167/00 C09D 161/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基価80〜200のポリエステルポリ
    オールおよび水酸基価80〜200のアクリルポリオー
    ルを含む樹脂成分、ブロックイソシアネートを必須成分
    としメラミンを含有することがある架橋剤、少なくとも
    ジブチル錫のジカルボン酸塩からなるブロックイソシア
    ネート解離触媒、および、顔料を含み、 前記ポリエステルポリオールおよびアクリルポリオール
    の重量比率がポリエステルポリオール/アクリルポリオ
    ール=60/40〜30/70を満たし、前記ブロック
    イソシアネートおよびメラミンの重量比率がブロックイ
    ソシアネート/メラミン=100/0〜60/40を満
    たす一液低温硬化型着色エナメル塗料。
  2. 【請求項2】前記塗料から得られる硬化塗膜のガラス転
    移温度が50〜65℃である請求項1に記載の一液低温
    硬化型着色エナメル塗料。
  3. 【請求項3】前記ブロックイソシアネートがヘキサメチ
    レンジイソシアネートブロック化物および/またはイソ
    ホロンジイソシアネートブロック化物である請求項1ま
    たは2に記載の一液低温硬化型着色エナメル塗料。
JP26089296A 1996-09-30 1996-10-01 一液低温硬化型着色エナメル塗料 Expired - Fee Related JP3416925B2 (ja)

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