JP3416654B2 - 非焼成成形ゲッタ - Google Patents

非焼成成形ゲッタ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気体を物理的あるい
は化学的に吸着する成形ゲッタに係り、より詳しくは、
多種のガスを効率よく吸着し、かつパーティクルの発生
を抑えられる成形ゲッタに関する。
【0002】
【従来の技術】IT産業(情報技術産業)の急速な発展
は、半導体技術の進歩によって成り立っている。半導体
技術の進歩により、扱える情報量は格段に増加し、さら
なる情報量の増大の要求から、より一層の半導体装置の
高速化、高集積化が求められるようになってきた。
【0003】半導体装置の配線パターンの高集積化が進
むと、配線の幅は小さくなるため、配線に流れる電荷量
(=信号電流)は必然的に小さくなる。その結果、暗電
流、リーク電流などのバックグラウンド電流に対し、信
号電流は、相対的に小さいものとなり、信号電流の誤認
識が発生しやすくなる。
【0004】バックグラウンド電流の発生には様々な原
因があるが、その一つとして、半導体装置に付着する不
純物が挙げられる。この不純物は、ドライエッチングな
どを行う際に使用する希ガス等に起因する。したがっ
て、現在の製造プロセスでは、希ガス中に含まれる不純
物の濃度まで配慮した製造を行わざるを得なくなった。
しかし、希ガスそのものの純度を上げるには限界があ
る。そのため、不純物を化学的または物理的に吸着して
除去するゲッタと呼ばれる合金を用い、希ガス中の不純
物成分を除去することが行われている。
【0005】Zrはゲッタ特性が高いという性質を有す
る。そのため、ゲッタとしてZrをベースとした合金の発
明あるいはそのような合金を利用した方法の発明が多く
開示されている(特開平3−47933号公報、特公平
6−17525号公報、特開平6−135707号公報
他)。
【0006】希ガス中の不純物を除去するゲッタ能力
は、希ガス中の不純物の種類にも依存するため、複数の
ゲッタ材を組み合わせることにより、よりゲッタ能力を
高めることができる。例えば、特公昭61−33613
号公報には、Tiからなる粒状ゲッタとZr-V-Feの三元合
金からなる粒状ゲッタを部分焼結し、高い気孔度を有す
るゲッタを得ることで、ゲッタ自身に起因するパーティ
クルを発生させることなく、水素(H)や一酸化炭素
(CO)といったガスを吸着する発明が記載されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ゲッタのゲッタ能力を
高めるためには、ゲッタの比表面積を大きくすることが
好ましい。したがって、ゲッタは、比表面積が大きい粉
末状態で使うことが好ましい。しかし、粉末状態で使用
すると、ゲッタから発生するパーティクルが半導体装置
を汚染する。そのため、通常、粉末状のゲッタを焼結し
ペレット化するか、パーティクルをフィルタで除去する
方法が取られている。前出した特公昭61−33613
号公報に記載の発明でも、パーティクルの汚染を防止す
るため、前者の方法が取られている。
【0008】しかし、この方法では、焼結前における個
々のゲッタ自体の能力は高いものの、成形ゲッタを作製
する際、焼結工程を経るために、Ti及び三元合金(Zr-
V-Fe)が部分的に焼結され、新しい化合物が生成され
る場合がある。さらに、焼結工程では、成形ゲッタが活
性化されるため、焼結雰囲気中の不純物ガスを吸着し、
ゲッタ能力が無駄に浪費されるという問題があった。
【0009】また、焼結工程を経れば、成形ゲッタの製
造に時間がかかるだけでなく、温度を上げるためエネル
ギーコストも増加する。より安価に高性能なものを提供
することが好まれるIT産業の分野では、コスト削減への
ニーズは高い。
【0010】本発明の課題は、従来の成形ゲッタに替わ
る、短時間にかつ安価に製造できる高いゲッタ能力を有
するペレット状の成形ゲッタを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、Ti粉末ゲ
ッタ及びZrを主成分とする三元合金(Zr-V-Fe)からな
る粉末ゲッタを焼結せず、ペレット状にする方法につい
て検討した。まず、Tiは延性が高く、塑性変形に対する
能力が高いという特性に注目し、Tiにバインダ的な役割
を担わせることを考えた。この場合、Ti自体にも十分な
ゲッタ能力があるため、ペレット化するのに、バインダ
を用いる必要もなく、ゲッタ能力が低下することもな
い。
【0012】そこで、Tiにバインダ的な役割を担わせる
手段を検討した結果、Ti粉末ゲッタ及びZrを主成分とす
る三元合金(例えば、Zr-V-Fe)からなる粉末ゲッタ
を、プレスを用いて冷間金型成形さえすれば、ゲッタ能
力を高く維持したまま、十分にペレット状にできること
を確認し、本発明の完成に至った。
【0013】本発明は、平均粒径が60μm以下のZrを主
成分とする合金粉末と、この合金粉末の平均粒径以上の
平均粒径を有するTi粉末からなる混合粉末を、Ti粉末が
10〜50mass%となる割合で調合し、プレスを用いて冷間
金型成形した非焼成成形ゲッタ、を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る成形ゲッタは、Zrを
主成分とする合金粉末(以下、「Zr合金粉末」と略す)
とTi粉末からなる混合粉末を調合し、圧縮成形するによ
り得られる。この際、圧縮成形後、成形ゲッタを焼結す
る必要はない。
【0015】Zr合金粉末とは、Zrを最も多く含有する合
金の粉末のことを言う。Zrが最も多く含まれていれば、
その他の成分は問わないので、すでに公知のZr合金の粉
末を本発明でいう「Zr合金粉末」として用いることがで
きる。Zr合金粉末は、JIS標準の呼び寸法が106μmの網
ふるいを通過することができる粉末であることが好まし
い。このような粉末を用いることで、反応界面の面積を
大きくできるので、多種のガスを効率よく吸収できると
いう効果が得られるからである。
【0016】ここで、Zr合金粉末の平均粒径は60μm以
下であることが必要である。Zr合金粉末の平均粒径が60
μm以下であることで、成形ゲッタは炭化水素系ガスを
十分に吸着し、いずれの不純物ガスに対しても高いゲッ
タ能力が得られる。
【0017】Ti粉末とは、Tiを主成分とする粉末のこと
をいう。Ti粉末を用いることで、酸素を含むガスに対す
るゲッタ能力が高くなる。また、前述の通り、Ti粉末は
バインダとしての役割も果たす。したがって、高いゲッ
タ能力とバインダ特性を発揮できるならば、Ti粉末は、
高純度である必要はない。しかし、これらの特性を十分
に発揮するには、Ti粉末中のTi元素の量は98mass%以上
含まれていることが好ましく、99mass%以上含まれてい
ることがさらに好ましい。
【0018】Ti粉末の平均粒径は、Zr合金粉末の平均粒
径以上であることが必要である。Ti粉末の平均粒径が、
Zr合金粉末の平均粒径より小さいと、Zr合金粉末の間隙
に延性の高いTi粉末が配置され、プレスを用いて冷間金
型成形することによりTiが前記間隙を埋めてしまうた
め、最終製品に含まれる気孔が少なくなり、ゲッタ能力
が低下する。最終製品により高いゲッタ能力を持たせる
には、Ti粉末の平均粒径とZr合金粉末の平均粒径の比
(Ti粉末の平均粒径/Zr合金粉末の平均粒径)が1.1以
上であることが好ましい。
【0019】以上の2つの粉末を調合し、混合粉末を作
製する。この際、混合粉末に含まれるTi粉末の量が50ma
ss%以下であることが必要である。Ti粉末は炭化水素系
ガスに対するゲッタ能力がZr合金粉末に比べて低いた
め、Ti粉末の量が50mass%を超える場合には、最終製品
である成形ゲッタの炭化水素系ガスに対するゲッタ能力
が低くなるからである。混合粉末に含まれるTi粉末の量
は30mass%以下が好ましい。炭化水素系ガスを吸着でき
る量が多くなるので、長時間の使用に耐えうることがで
きるからである。なお、Ti粉末の下限量は10mass%であ
る。Ti粉末が10mass%に満たない場合は、バインダとし
ての役割が十分に果たせず、“圧粉体をかごの中で繰り
返し回転、落下させ、その重量減少率で表す圧粉体のエ
ッジ強さ”を表すラトラ値が大きな値となり、崩れやす
くなるためである。
【0020】以上のような混合粉末を、プレスを用いて
冷間金型成形することで、ペレット状にする。冷間金型
成形は、通常用いられる粉末成形プレス装置を用いれば
十分である。この際、成形後の成形ゲッタの形状は、特
に問わない。使用する態様に合わせて成形すればよい。
圧縮成形をすることにより、混合粉末は十分な強度を有
するペレットになるので、使用時のパーティクル発生を
防止できる。なお、このようにプレスを用いて冷間金型
成形した成形ゲッタは、Ti粉末とZr合金粉末との間に焼
結製品に見られるような反応層がないといった特徴があ
り、EPMAにより反応層の有無を調べることにより、非焼
結ゲッタか否かが容易に判断できる。
【0021】また、本発明に係る成形ゲッタは、その気
孔率が20%以上であることが好ましい。ここで、気孔率
とは、多孔質体の総体積に対するすべての気孔の体積の
割合をいう。プレスを用いて冷間金型成形した成形品
は、十分な強度を有し、割れや欠けによるパーティクル
発生は非常に少ないが、過大な荷重をかけて成形した場
合には、成形品の内部に存在するはずの気孔が閉塞して
しまい、ゲッタ能力が著しく低下する。このような問題
を避けるためにも、十分な気孔が成形品中に存在する必
要がある。気孔率は、25%以上であることがより好まし
い。
【0022】
【実施例】本発明の実施に当たり、複数の成形ゲッタを
作製した。
【0023】まず、V:19mass%、Fe:4mass%、Ni:1.5
mass%及び除去が困難な不純物を含み、残部がZrからな
るZr合金粉末の作製を行った。Zr合金粉末の原料とし
て、Zrは、ASTM B494 Grade R60702に準拠した一般工業
用スポンジZrおよびジルコニウム合金のスクラップを用
いた。Vは、不純物として0.02mass%以下のAl、Si、Fe
等を含む金属バナジウム、および不純物として3.0mass%
のAl、0.64mass%のSi等を含むV-17.4mass%Feを用い
た。Feは、電解Feを用いた。Niは純度99.8mass%以上の
電解Niショットを用いた。
【0024】これらの原料金属を成分調整し、合計質量
が25kgになるように秤量し、まず高周波誘導加熱炉で、
マグネシア製坩堝に装入したZr、V、Fe、Niについて、
真空引きとAr導入を繰り返し、Ar減圧雰囲気下66.5kPa
(=500mmHg)で溶解を行った。さらに、これらの原料が
溶解した後、Zr、Vを追加装入して、全ての原料を完全
に溶解することで、均質化した板状Zr合金を得た。
【0025】また、別の組成を有するZr合金として、
V:24.6mass%、Fe:5.4mass%を含有する板状Zr合金も
得た。なお、このZr合金についても、その製造方法は上
記Zr合金と同じである。
【0026】続いて、板状Zr合金をハンマーで10〜50mm
角に粉砕した後、ジョークラッシャーおよびロータリー
クラッシャーを用い、Ar雰囲気中で粒度150μm以下に
粉砕して、粉末化した。得られた粉末は、所定のふるい
目を有する網ふるいで分級し、粒度の調整を行った。粒
度はレーザ回折散乱法を利用したマイクロトラックを用
いて、粒度分布を確認した。
【0027】一方、Ti粉末は、一般的な試薬として購入
可能な純度が99%以上のTi粉末を粒度調整して用いた。
なお、Ti粉末についてもZr合金粉末と同様に、マイクロ
トラックを用いて、粒度の確認を行った。
【0028】Zr合金粉末とTi粉末は任意の平均粒度、混
合比となるように秤量し、ステンレス鋼容器に入れ混合
した。混合はブレンダーを用い、Ar雰囲気中で、ステン
レス鋼容器を100rpmで回転させて、20分間の混合を行っ
た。この十分に混合した粉末をプレスにセットしたダイ
スとポンチを用いた冷間金型により圧縮成形し、直径3m
m、厚さ4mmの大きさにペレット化した成形ゲッタを得
た。
【0029】このようにして得られた成形ゲッタのZr合
金粉末の成分、粒度、Ti粉末の粒度、混合比、金型成形
したときの圧力(冷間金型成形圧)については、表1に
示す通りである。なお、表1において、本発明の範囲内
にある成形ゲッタについては実施例、範囲外にある成形
ゲッタについては比較例、と記した。また、比較例1、
10については、冷間で金型成形した後、さらに焼結工
程を加えたたため、表1に焼結温度を示した。
【0030】
【表1】 得られた成形ゲッタについては、諸物性を調べるため、
気孔率、ラトラ値およびゲッタ能力を測定した。
【0031】気孔率は、多孔質体の総体積に対する全気
孔の体積の割合[JISZ2500]を意味し、JPMA(日本粉末冶
金工業界団体)規格に従って測定した。また、ラトラ値
も、JPMA規格に従って測定した。
【0032】ゲッタ能力は、図1に模式的に示す純化試
験装置で調べた。ガス供給源であるボンベ1より流され
る気体は、バルブ2、4、流量調整器3の取り付けられ
た内面を電解研磨した管(SUS316製)を経て、反応器5
に送られる。反応器5は、加熱炉内に設けられた直径4m
mの筒状の管で、成形ゲッタ7を配置できるようになっ
ており、成形ゲッタ7の活性化を促進することを目的と
し、昇温できるようにヒータ8により覆われている。さ
らに、反応器5には、フィルタ6が設けられ、不要なパ
ーティクルを除去できる。フィルタ6を通した気体はガ
スクロマトグラフィー質量分析器9に導入され、不純物
の質量分析ができる。
【0033】実際のゲッタ能力の測定では、反応器5に
は約1gの成形ゲッタ7を挿入し、反応器5をヒータ8で3
50℃まで昇温し、質量分析を行った。ボンベ1からは、
表2に示す工業用Heガスをバルブ2、3でガスの流量を
0.5l/minに調節し、反応器5に導いた。なお、表2には
工業用Heガスに含まれるガス成分のガスクロマトグラフ
ィー質量分析器による検出限界も合わせて示す。表2に
おいて、NDはNo Detection(検出なし)を表す。
【0034】
【表2】 作製した各成形ゲッタについての測定結果をまとめたも
のを表3に示す。なお、表3においても、表2と同様
に、NDはNo Detection(検出なし)を表す。また、表3
中のメタン検出までの総吸収量は、(総吸収量=(純化
前ガス中メタン濃度−検出限界メタン濃度)×流量(L
/分)×検出限界メタン濃度を超える時間(分))で計
算し、こうして得られた総吸収量を反応に供したゲッタ
量(g)で割り、単位重量当たりの吸収量に換算した値
である。すなわち、メタン検出までの総吸収量のg-C
/kgは、1kgのゲッタが検出限界メタン濃度を超え
る時間までに吸収したCHのグラム量を表す。
【0035】
【表3】 本発明の範囲内の成形ゲッタ(表3中の実施例)では、
純化試験後の不純物はいずれも検出されなかった。ま
た、いずれの成形ゲッタもラトラ値が低く、割れやカケ
によるパーティクルの発生も少ない。したがって、任意
の割合で調合した、Zr合金粉末とこの合金粉末の平均粒
径以上の平均粒径を有するTi粉末からなる混合粉末を、
プレスを用いて冷間金型成形し、その成形品のZrを主成
分とする合金粉末の平均粒径を60μm以下にさえすれ
ば、ゲッタ能力の高い成形ゲッタが得られる。しかも、
Tiがバインダ的役割を果たすことから、プレスを用いた
冷間金型成形で、比較的簡単にペレット化でき、ラトラ
値も低くすることができるので、焼結工程も省略でき、
製造コストの削減も可能である。
【0036】また、混合粉末のTi粉末の割合が30%以下
のものでは、メタンが検出されるまでの吸収量が極めて
高くなる。
【0037】比較例1、10は、冷間で金型成形した後
に焼結によりペレット化した成形ゲッタである。比較例
1、10では、メタンが検出された。比較例1と同じZr
合金粉末を用い冷間金型で粉末圧縮成形した成形ゲッタ
(実施例1)、および比較例10と同じZr合金粉末を用
い冷間金型で粉末圧縮成形した成形ゲッタ(実施例1
0)に不純物が検出されなかったことから、比較例1、
10では、焼結により成形ゲッタが活性化され、焼結中
に不純物を吸着するために、ゲッタ能力が低下したと考
えられる。
【0038】比較例2〜9、11は、冷間金型成形によ
りペレット化した成形ゲッタである。比較例2〜4はZr
合金粉末の平均粒径が60μmより大きいため、メタンあ
るいは窒素が検出された。比較例5、7では、Ti粉末の
平均粒径がZr合金粉末の平均粒径より小さい。このた
め、Zr合金粉末間に延性の高いTiが隙間なく入り込み、
成形体中に含まれる気孔が小さくなり、ゲッタ能力が低
下したと考えられる。また、比較例6はTi粉末の平均粒
径がZr合金粉末の平均粒径より小さく、Zr合金粉末間に
延性の高いTiが隙間なく入り込み、成形体中に含まれる
気孔が少なくなるのを抑えるため、成形圧を半分にして
成形体中に含まれる気孔を多くした。その結果、ゲッタ
能力は良好であったが、ラトラ値が大きくなった。
【0039】比較例8は、Ti粉末の混合率がゼロである
ため、バインダ効果がない。このため、成形ゲッタは崩
れやすい。よって、ラトラ値は大きくなった。比較例9
はTi粉末の混合率が55%であるため、Zr合金粉末のガス
吸収効果が小さくなり、メタンが検出された。比較例1
1はTi粉末の代わりにZr粉末を用いたものである。この
時、メタンに加え、窒素も検出された。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る成形ゲッタを用いれば、Zr
合金粉末とTi粉末からなるゲッタ能力の高い成形ゲッタ
が得られるだけでなく、成形ゲッタの機械的な強度も大
きくなる。焼結することなく、冷間金型成形のみによ
り、ペレット状の成形ゲッタが得られるので、焼結時
間、エネルギーコストもかからず、安価に成形ゲッタの
提供ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ゲッタ能力を調べるために使用した純
化試験装置の模式図である。
【符号の説明】
1…ボンベ 2、4…バルブ 3…流量調整器 5…反応器 6…フィルタ 7…成形ゲッタ 8…ヒータ 9…ガスクロマトグラフィー質量分析器

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が60μm以下のZrを主成分とする
    合金粉末と、この合金粉末の平均粒径以上の平均粒径を
    有するTi粉末からなる混合粉末を、Ti粉末が10〜50mass
    %となる割合で調合し、プレスを用いて冷間金型成形し
    た非焼成成形ゲッタ。
  2. 【請求項2】気孔率が20%以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の非焼成成形ゲッタ。
  3. 【請求項3】Zrを主成分とする合金粉末がJIS標準の呼
    び寸法が106μmの網ふるいを通過する粉末であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の非焼成成形ゲッ
    タ。
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