JP3416455B2 - 液体を精製するための電気脱イオン方法 - Google Patents

液体を精製するための電気脱イオン方法

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JP3416455B2 JP12008297A JP12008297A JP3416455B2 JP 3416455 B2 JP3416455 B2 JP 3416455B2 JP 12008297 A JP12008297 A JP 12008297A JP 12008297 A JP12008297 A JP 12008297A JP 3416455 B2 JP3416455 B2 JP 3416455B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、極性電界の作用の
下で液体中のイオンを移行するのに適した新規な電気脱
イオン方法(electrodeionization process )に関する
ものである。特には、本発明は、高純度の水の製造をも
たらすべく水性液体を精製し、その場合スケールの形成
を最小限とするのに適応する電気脱イオン方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液体中のイオン或いは分子の濃度を減ず
ることによる液体の精製(高純度化)は、これまで、重
要な技術的関心分野となっていた。液体を精製しそして
分離するため、或いは液体混合物から特定のイオン乃至
分子の濃縮されたプールを得るために多くの技術が使用
されてきた。最もよく知られる方法としては、蒸留、電
気透析、逆浸透、液体クロマトグラフィー、膜濾過及び
イオン交換を挙げることができる。知名度は少ないが、
「電気脱イオン」という方法もある(これは、時とし
て、充填セル電気透析(filled cell electrodialysis
)として誤って呼ばれている)。
【0003】電気脱イオンにより液体を処理するための
最初の装置及び方法は、米国特許第2,689,826
及び2,815,320号に記載されている。これら特
許の最初のものは、予備選択されたイオンを所定の方向
へ移動せしめる電気ポテンシャルの影響の下で、放出室
内の液体混合物中のイオンの、一連の陰イオン及び陽イ
オン膜を通しての、濃縮室内の液体中への除去のための
装置及び方法を記載している。処理されている液体はイ
オンを欠乏していき、同時に第2の液体は移行イオンで
富化されるようになりそしてそれらを濃縮された形で保
持する。第2の特許は、陰イオン膜或いは陽イオン膜の
間に位置付けられる充填材料として、イオン交換樹脂か
ら形成されるマクロな孔を有する多孔質のビードの使用
を記載する。このイオン交換樹脂は、イオン移行のため
の通路として作用しそしてまたイオンの移動のための膜
間の増大せる伝導度の橋として機能する。
【0004】用語「電気脱イオン」とは、イオン交換物
質が陰イオン膜と陽イオン膜との間に位置付けられるプ
ロセスを言及する。用語「電気透析」とは陰イオン膜と
陽イオン膜との間にイオン交換樹脂を使用しないような
プロセスを言及する。半塩水からの塩分を含んだ水を精
製するための電気透析とイオン交換物質乃至樹脂との組
合せを使用する、従来からの試みの例としては、米国特
許第2,794,770号、第2,796,395号、
第2,947,688号、第3,384,568号、第
2,923,674号、第3,014,855号及び第
4,165,273号がある。電気脱イオン装置の改善
の試みとしては、米国特許第3,149,061号第、
第3,291,713号、第3,515,664号、第
3,562,139号、第3,993,517号及び第
4,284,492号を挙げることができる。
【0005】イオンを濃化する或る膜分離プロセスにお
いて、溶解度限を超えそしてスケールを形成するポテン
シャルが存在する。特には、水中のCa2+及びCO3 2-
の水準が溶解度限に達するとき、炭酸カルシウムスケー
ル(CaCO3 )が形成される。
【0006】
【数1】
【0007】更に、水中のCO3 2- の水準は、水のpH
と重炭酸塩(HCO3 -)との平衡の関数である。
【0008】
【数2】
【0009】上記式を組合せることにより、カルシウム
及び重炭酸塩濃度並びに水のpHに対するスケールポテ
ンシャルが定義される。
【0010】
【数3】
【0011】スケール形成のためのポテンシャルは、カ
ルシウムイオン濃度における増加、重炭酸塩イオン濃度
における増加もしくはpHにおける減少とともに増加す
る。加えて、電気脱イオンモジュールが導入水の増大せ
る割合を精製水として回収するよう操作される時、イオ
ン濃度は増大する。
【0012】電気脱イオンプロセスにおける電気脱イオ
ン電極における反応及び水分解反応は廃水流れのpHに
おける著しいシフトを生み出しうる。電極において起こ
る反応は以下に示される。カソード側でのOH- の発生
は高スケールポテンシャルの帯域を創出する。
【0013】
【数4】
【0014】
【数5】
【0015】稀釈区画室内での水の分解は、電気脱イオ
ンモジュール内での追加OH- 源である。OH- が陰イ
オン膜を通してそして特に陰イオン膜の表面に沿って侵
入している濃縮区画室においては、pHは高くなり、ス
ケール形成の高い危険性を持つ帯域をもたらす恐れがあ
る。pHは−log[H+ 濃度]であるから、pHにお
いては小さな変化と思われるものが、スケールポテンシ
ャルに著しく大きな影響を持つこととなる。例えば、1
pH単位の増加がスケールポテンシャルを10倍増加す
る。
【0016】電気脱イオンモジュール内でのスケールの
形成は、非常に高い電気抵抗と閉塞された流れチャネル
をもたらし、生成される水品質における急速な劣化をも
たらす。電気脱イオンモジュールにおけるスケール発生
の危険を低減するのに、幾つかの方法もしくは方法の組
合せが使用されている。第1の方法において、水は電気
脱イオンモジュールに流入する前にCa2+及び/又はH
CO3 -の水準を減じるよう或いはpHを減じるよう予備
処理され、それによりスケール形成の危険性を減じる。
例えば、適正に機能するイオン交換軟化剤は供給水中の
Ca2+に対して2Naを交換することによりCa2+水準
を減じよう。Na2 CO3 の溶解度は非常に高く、スケ
ール形成の危険はほとんど無い。軟化剤は樹脂を高い濃
度のNaClで処理することにより再生される。軟化
は、スケールポテンシャルを減じるのに一つの非常に有
効な方法であるけれども、電気脱イオン生成物とは限定
された成功しか納めなかった。不適正な保守、供給水の
Ca2+水準の増加及び/又は処理される水の容積の増加
は、Ca2+の高い漏洩をもたらし、その結果として電気
脱イオンモジュール内でのスケールの形成をもたらす。
加えて、軟化剤樹脂タンク及び塩再生タンクに要する追
加コストと寸法は所望されず、殊に小規模の研究室水シ
ステムに対して所望されるコンパクトで、信頼性があり
そして使いやすい対処策という概念とは相容れない。
【0017】第2の予備処理方法において、逆浸透(R
O)が使用され、供給水中のCa2+及びHCO3 -の90
〜95%以上を除去し、それによりスケール形成の危険
性を著しく減じた。しかし、Ca2+及びHCO3 -水準が
非常に高い(RO供給Ca2+が100ppmを超える)
場所においては、かなりの量のCa2+及びHCO3 -がR
Oを通り抜けるので、脱イオンモジュールはまだスケー
ル形成の危険を受ける可能性がある。これら場所では、
現在の技術では、電気脱イオンに先立って軟化剤を使用
してROを予備処理することを余儀なくさせられる。
【0018】工業的に成功を収めた電気脱イオン装置及
び方法が米国特許第4,632,745号に記載されて
いる。この装置は、イオン交換固体組成物を収納するイ
オン放出区画室とイオン交換固体組成物を含まない濃縮
区画室とを使用する。この電気脱イオン装置は、アノー
ドとカソードとをそれぞれ納める2つの端子電極室を含
み、これらは複数のイオン放出区画室と濃縮区画室とを
装備する装置本体を横断して直流を流すのに使用され
る。操作において、液体の溶解したイオン化塩は適当な
膜を通してイオン放出区画室からイオン濃縮区画室へと
移行される。イオン濃縮区画室に集められたイオンは放
出出口を通して除去されそして廃棄場所に差し向けられ
る。カソード室内で不溶性のスケールの付着がこの方法
と関連する問題であった。
【0019】米国特許第3,341,441号におい
て、電気透析プロセスにおいて、電流の流れ方向を周期
的に逆にして、それまでカソードとして機能していた電
極をアノードとし、同時にそれまでアノードとして機能
していた電極をカソードとすることが提唱された。アノ
ード室を通して流れる溶液はアノード電解作用により酸
性となり、そしてこうして形成された酸は電極がカソー
ドであった期間中にそこで形成されたスケールの小部分
を溶解する傾向がある。この方法では、電極が先にカソ
ードであった期間中にそこで形成された析出スケールを
溶解するよう、流れが減少若しくは停止され、かくして
アノード室内で発生した酸が室内で十分に高い濃度を実
現することを可能ならしめられ、そして後周期間隔で直
流の極性の逆転が行われる。方法の好ましい形態におい
て、カソード室をそこで発生した塩基を迅速に除去する
ために十分に大量の電解液を使用して連続的に洗い流す
ことからなる第3段階もまた使用される。直流が逆転さ
れる時、イオン放出区画室はイオン濃縮区画室となりそ
してイオン濃縮区画室はイオン放出区画室となる。この
方法は所望されないことがある、。その理由は、電流の
極性の逆転にすぐ続いて大量の精製されている液体が放
出されねばならずそして新たに形成されたイオン放出区
画室内の電解液の濃度は所定の期間で液体生成物の純度
を容認しうるものとするにはは高すぎるからである。
【0020】スケール形成を減じるために電気脱イオン
プロセスにおいて電圧極性を逆転することが米国特許第
4,956,071号においてもまた提唱された。この
プロセスにおいては、プロセスを通しての電圧は周期的
に、代表的に15〜20分毎に、逆転され、与えられた
方向での電圧極性はプロセス操作時間の約50%であ
る。電圧極性逆転毎に、稀釈区画室は濃縮区画室となり
そして濃縮区画室は稀釈区画室となる。電圧極性逆転の
結果として、流れを分配するために幾つかの弁がシステ
ム内で必要とされる。適当な稀釈流れを最終使用点まで
差し向けるのに2つの弁が代表的に必要とされる。加え
て、これらの弁に対する制御手段が容認しうる純度が達
成されるまで水をドレンに差し向けるのに必要とされ
る。加えて、pHシフト及びスケール防止を最適化する
ために電極流れへの流量を制御するのに1つ乃至2つの
追加弁が代表的に使用される。この特許は、イオン透過
膜を有しそしてアノード及びカソードに隣り合って随意
的に位置付けられる電極スペーサにイオン交換樹脂が充
填されうることを開示している。
【0021】追加的な電気脱イオン装置が、米国特許第
5,154,809号、第5,308,466号及び第
5,316,637号により開示されている。米国特許
第5,308,466号は、イオン交換樹脂を収納する
濃縮区画室を利用する電気脱イオン装置を開示する。濃
縮区画室内のイオン交換樹脂により提供される利益は性
能の改善であり、特に高荷電種、大きな高水和種、或い
は弱くイオン化された種、シリカ、スルフェート、カル
シウム、重金属、並びに極性及びイオン化有機物の除去
乃至分離の改善のためである。この特許は、濃縮区画室
内で樹脂を利用する結果としてのスケール形成への影響
を論議していない。
【0022】米国特許第4,226,688号は、カソ
ード区画室とアノード区画室とを含む電気透析装置を開
示する。炭素粒子の電導性スラリーが両電極区画室間で
電極単位cm2 当り少なくとも1ml/分の割合で連続
的に移行される。カソード区画室において発生する水素
は、炭素粒子により吸収されそしてアノード区画室にお
いて放出される。このプロセスにより、スケール発生及
び腐蝕問題は軽減される。しかし、このプロセスは、ポ
ンプ、導管及び制御装置を必要とする点で複雑過ぎても
はや所望されない。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従って、スケール形成
を最小限とする若しくは防止する電気脱イオン方法を提
供することが所望されよう。加えて、新たに生成された
稀釈流れを最終使用地点まで差し向けるためのまた電極
区画室間でスケール減少用組成物を移行するための複雑
な配管、弁、ポンプ系統、及び制御システムを必要とし
ない、そうした電気脱イオン方法を提供することが所望
されている。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、カソード区画
室内にビード、グラニュール、ファイバのような形態の
電導性粒子の組込みがアノード及びカソード区画室を有
する電気脱イオン装置を操作する際のスケール形成を著
しく減少せしめるという知見に基づいている。カソード
区画室内でのスケール発生の減少は、カソード区画室内
で従来より低い局所的濃度の水酸化物イオンしか形成さ
れないことから生じ、これはカソード区画室内でのカソ
ードから電導性粒子の大きな表面積までの電子の移行に
より生じたものである。電導性粒子の大きな表面積は、
水酸化物が濃縮される表面積を増加することにより形成
される水酸化物の局所的濃度を減じる。これは、高い局
所的な水酸化物濃度が存在しないことを保証する。スケ
ール形成のために著しく減少したポテンシャルが、追加
的な機械的装置、制御装置或いは貯蔵装置の必要なく達
成される。
【0025】かくして、本発明は、不純な水性液体を陰
イオン透過膜と陽イオン透過膜により仕切られそしてイ
オン交換樹脂ビードを収納する少なくとも一つのイオン
放出区画室を通して流しそしてイオン種を受け取るため
の水を陰イオン透過膜と陽イオン透過膜により仕切られ
る少なくとも一つのイオン濃縮区画室を通して流し、同
時にカソード区画室とアノード区画室との間に電気ポテ
ンシャルを確立しそして少なくとも一つのイオン放出区
画の各々を通してそして少なくとも一つのイオン濃縮区
画室の各々を通して電流を流すことにより電気脱イオン
装置内でイオン種を除去するべく不純な液体を精製する
ための方法において、前記カソード区画室に電子を伝導
することのできる粒子を含めたことを特徴とする精製方
法を提供するものである。電子を伝導することのできる
粒子は好ましくは、炭素粒子、金属粒子もしくはそれら
の混合物である。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に従えば、炭素及び/又は
金属ビード、グラニュール、ファイバ等のような電子を
伝導する高い表面積粒子で充填されたカソード区画室を
利用する電気脱イオン方法が提供される。電気脱イオン
装置は単数乃至複数のステージから構成される。各ステ
ージは、放出及び濃縮区画室の列の充填カソード区画室
が位置付けられた端とは反対側の端においてアノード区
画室を備えている。アノード及びカソードは、電解液の
通過のための電極スペーサとイオン透過膜とを含んでい
る。カソード区画室のスペーサのみが電導性粒子で充填
される必要がある。しかし、所望なら、アノード区画室
もまた電導性粒子で充填されうる。各ステージの残りの
部分は、一連の交互する放出及び濃縮区画室を構成す
る。放出区画室はイオン交換樹脂を収納する。イオンを
取り除かれるべき液体は、各ステージにおいて各放出区
画室を通して直列に、並列にもしくは直列と並列の組合
せで通過せしめることができ、他方第2の電解液は各ス
テージにおいて各濃縮区画室を通されて、放出区画室内
の第1液体から濃縮区画室内の第2電解液へのイオンの
移行をもたらす。濃縮区画室もまたイオン交換樹脂を含
みうる。複数のステージが使用される場合、或る上流ス
テージにおける放出区画室から取り出された液体は、次
に隣り合う下流ステージにおける放出区画室内に直列に
差し向けられうる。同様に、或る上流ステージにおける
濃縮区画室から取り出された液体は、次に隣り合う下流
ステージにおける濃縮区画室内に直列に差し向けられう
る。これら個々の流れはまた、並列流れ形態で多数の区
画室に送られるよう多数の流れに分割されうる。電解液
は、供給物の生成物流れ、中立流れもしくは濃縮流れか
ら或いは独立した源から得ることができそして電気脱イ
オン装置内の各電極に隣り合うスペーサを通して流され
そして電気脱イオン装置から取り出される。中立帯域は
イオンの濃縮若しくはイオンの放出がほとんど乃至全然
起こらない帯域である。随意的に、電極に隣り合うスペ
ーサからの電解液は、廃棄所に差し向けられるに先立っ
て一つ以上の中立帯域を通すこともできるし或いは濃縮
流れに通すこともできる。
【0027】本発明に従えば、カソード内のスケール累
積は、電子を伝導する物質をそこに含めることにより防
止される。電子を伝導する物質は、イオン交換樹脂のよ
うなイオン種を伝導する粒子と比較してカソードにおけ
るスケールの改善された抑制乃至防止を提供する。しか
し、電子を伝導するのに使用される物質はまた、電子伝
導粒子の有効性を減じることなく、少量の、すなわち合
計粒子重量に基づいて約10重量%未満のイオン種伝導
粒子を含むことができる。電導性粒子はカソードの有効
表面積を著しく増大する。その結果、電極反応、従って
生成する水酸化物イオンは著しく広い面積にわたって分
布せしめられ、その結果、局所的な水酸化物イオン濃
度、従って局所的なpHがスケール形成が最小限とされ
る若しくは防止される水準まで顕著に減少する。
【0028】炭素及び/又は金属粒子を含む電子伝導粒
子は、広い表面積の粒子を提供する任意の都合の良い形
態で形成されうる。従って、粒子は、ビード、グラニュ
ール、ファイバ等でありうる。加えて、粒子は、非支持
状態となしうるし或いはカソード区画室内の液体中に配
置されるポリマ繊維のような織編繊維乃至不織繊維のよ
うなマトリックスに担持することもできる。
【0029】図1を参照すると、他の点では従来型式の
電気脱イオン装置とともに使用される本発明のカソード
区画室10が示されている。カソード区画室10は、カ
ソードプレート部材12、DC電圧源に接続される接続
部14、イオン透過膜16及び電導性物質18を含んで
いる。電導性物質18は、カソードプレート12の表面
20の面積に比較して相当に増大した有効カソード表面
積を提供する。表面積増大の結果として、カソード表面
における局所的な水酸化物濃度は実質上減少せしめられ
る。
【0030】図2〜6は、極端なプロセス条件を最小限
としそしてスケール形成の危険を制限するための、バラ
ンスしたpH、イオン濃度及び液体流れのための代表的
な流れ配列を提供する。
【0031】図2を参照すると、濃縮された電解液24
がイオン濃縮区画室22を直列に通して流され、同時に
精製されるべき液体26がイオン放出区画室28を直列
に通して流される液体流路パターンが示されている。イ
オン放出区画室28は、陰イオン及び陽イオン交換樹脂
ビードの混合物を収蔵している。イオン濃縮区画室22
もまた陰イオン及び陽イオン交換樹脂の混合物を収蔵す
ることができる。イオン濃縮区画室22及びイオン放出
区画室28は、陰イオン透過膜A及び陽イオン透過膜C
により仕切られている。第3の電解液流れ30がアノー
ド区画室32及び電導性物質を収納するカソード区画室
34を直列に通して流される。精製された生成物23が
回収され、同時に濃縮液25及び電極液27が廃棄所に
送られるかもしくはそれぞれの入口にリサイクルされ
る。
【0032】図3を参照すると、濃縮された電解液40
がアノード区画室32及びイオン濃縮区画室22を直列
に通して流され、同時に精製されるべき液体26がイオ
ン放出区画室28を直列に通して流される液体流路パタ
ーンが示されている。イオン放出区画室28は、陰イオ
ン及び陽イオン交換樹脂ビードの混合物を収蔵してい
る。イオン濃縮区画室22もまた陰イオン及び陽イオン
交換樹脂の混合物を収蔵することができる。イオン濃縮
区画室22及びイオン放出区画室28は、陰イオン透過
膜A及び陽イオン透過膜Cにより仕切られている。第3
の電解液流れ42が電導性物質を収納するカソード区画
室34を通して流される。精製された生成物23が回収
され、同時に濃縮液25及び電極液27が廃棄所に送ら
れるかもしくはそれぞれの入口にリサイクルされる。
【0033】図4を参照すると、濃縮された電解液44
がアノード区画室32及びイオン濃縮区画室22及び電
導性物質を収納するカソード区画室34を直列に通して
流され、同時に精製されるべき液体26がイオン放出区
画室28を直列に通して流される液体流路パターンが示
されている。イオン放出区画室28は、陰イオン及び陽
イオン交換樹脂ビードの混合物を収蔵している。イオン
濃縮区画室22もまた陰イオン及び陽イオン交換樹脂の
混合物を収蔵することができる。イオン濃縮区画室22
及びイオン放出区画室28は、陰イオン透過膜A及び陽
イオン透過膜Cにより仕切られている。精製された生成
物23が回収され、同時に濃縮液(電極液)43が廃棄
所に送られるかもしくはその入口にリサイクルされる。
【0034】図5を参照すると、濃縮された電解液24
がイオン濃縮区画室22及び中立帯域33を直列に通し
て流され、同時に精製されるべき液体46がイオン放出
区画室28を直列に通して流される液体流路パターンが
示されている。イオン放出区画室28は、陰イオン及び
陽イオン交換樹脂ビードの混合物を収蔵している。イオ
ン濃縮区画室22もまた、陰イオン及び陽イオン交換樹
脂の混合物を収蔵することができる。イオン濃縮区画室
22及びイオン放出区画室28は、陰イオン透過膜A及
び陽イオン透過膜Cにより仕切られている。第3の電解
液流れ30がアノード区画室32及び電導性物質を収納
するカソード区画室34を通して流される。精製された
生成物23が回収され、同時に濃縮液29及び電極液2
7が廃棄所に送られるかもしくはそれぞれの入口にリサ
イクルされる。
【0035】図6を参照すると、濃縮電解液48がイオ
ン濃縮区画室22を直列に通して流され、同時に精製さ
れるべき液体46がイオン放出区画室28を直列に通し
て流される液体流路パターンが示されている。イオン放
出区画室28は陰イオン及び陽イオン交換樹脂ビードの
混合物を収蔵している。イオン濃縮区画室22もまた陰
イオン及び陽イオン交換樹脂の混合物を収蔵することが
できる。イオン濃縮区画室22及びイオン放出区画室2
8は、陰イオン透過膜A及び陽イオン透過膜Cにより仕
切られている。第3の電解液流れ30がアノード区画室
32及び電導性物質を収納するカソード区画室34を通
して流される。精製された生成物23が回収され、同時
に濃縮液25及び電極液27が廃棄所に送られるかもし
くはそれぞれの入口にリサイクルされる。濃縮電解液4
8と精製されるべき液体46とは並行しながら直列に流
れる。
【0036】図7を参照すると、本発明のカソードにお
けるpHへの影響が概略的に例示される。簡略化目的の
ために、図7においては、カソード区画室内に存在する
電導性物質は示していない。実際には、カソード区画室
50はカソードプレート52と接触状態にある電導性物
質を収蔵している。イオン放出区画室54は、イオン交
換樹脂ビード56を収納しそして陰イオン透過膜A及び
陽イオン透過膜Cにより仕切られている。ヒドロニウム
イオンは膜Cを通り抜けてカソード区画室50における
膜表面58でのpHを減じる。精製プロセス中、水酸化
物イオンがカソード表面58において生成される。電導
性物質が存在しないとき、水酸化物イオンのすべては、
カソード表面58において生成され、実線60により例
示される高い局所的pHをもたらす。電導性物質(図示
なし)を存在させることにより、カソード区画室50内
で、水酸化物イオンは、電導性物質の広い表面全体にわ
たって生成し、カソード表面58において点線62によ
り例示されるもっと低い局所的pHをもたらす。カソー
ド区画室50内で、図示していない電導性物質の電導性
を下げることにより、実線60により例示される値から
点線62により例示される値まで局所的表面pHを変更
することができる。
【0037】図8を参照すると、カソード区画室64と
アノード区画室66は、イオン濃縮室として機能してい
る。精製されるべき水性液体68は、陰イオン透過膜A
及び陽イオン透過膜Cを含みそしてイオン交換樹脂ビー
ド72を収納するイオン放出区画室70を通される。イ
オン種、例えばCl- 及びNa+ を受け取るための水性
液体74は、アノード区画室66及び電子伝導粒子を収
納するカソード区画室64を通して直列に流されそして
流れ76として廃棄される。精製された水性液体78は
生成物として回収される。
【0038】
【発明の効果】本発明に従えば、炭素及び/又は金属ビ
ード、グラニュール、ファイバ等のような電子を伝導す
る高い表面積粒子で充填されたカソード区画室を利用す
る電気脱イオン方法が提供される。電導性粒子はカソー
ドの有効表面積を著しく増大する。その結果、電極反
応、従って生成する水酸化物イオンは著しく広い面積に
わたって分布せしめられ、その結果、局所的な水酸化物
イオン濃度、従って局所的なpHがスケール形成が最小
限とされる若しくは防止される水準まで顕著に減少す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充填カソード区画室の部分断面図であ
る。
【図2】本発明の装置を使用する電気脱イオンプロセス
の概略図である。
【図3】本発明の装置を使用する別の電気脱イオンプロ
セスの概略図である。
【図4】本発明の装置を使用するまた別の電気脱イオン
プロセスの概略図である。
【図5】本発明の装置を使用する別の電気脱イオンプロ
セスの概略図である。
【図6】本発明の装置を使用するまた別の電気脱イオン
プロセスの概略図である。
【図7】本発明の結果としてカソード区画室におけるp
Hへの影響を例示する。
【図8】濃縮区画室がアノード区画室とカソード区画室
のみであるような本発明の概略図である。
【符号の説明】
10 カソード区画室 12 カソードプレート部材 14 接続部 16 イオン透過膜 18 電導性物質 20 カソードプレート表面 22 イオン濃縮区画室 24 濃縮された電解液 26 精製されるべき液体 28 イオン放出区画室 23 精製された生成物 25 濃縮液 27 電極液 30 電解液流れ 32 アノード区画室 34 カソード区画室 A 陰イオン透過膜 C 陽イオン透過膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−24374(JP,A) 特開 平5−277344(JP,A) 特開 平8−197062(JP,A) 特開 平8−150393(JP,A) 特開 平5−64726(JP,A) 特開 平4−250882(JP,A) 特開 昭61−107906(JP,A) 特開 昭55−64844(JP,A) 特開 昭53−128584(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 61/48 C02F 1/469

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純な水性液体を陰イオン透過膜と陽イ
    オン透過膜により仕切られそしてイオン交換樹脂ビード
    を収納する少なくとも一つのイオン放出区画室を通して
    流しそしてイオン種を受け取るための水を陰イオン透過
    膜と陽イオン透過膜により仕切られる少なくとも一つの
    イオン濃縮区画室を通して流し、同時にカソード区画室
    とアノード区画室との間に電気ポテンシャルを確立しそ
    して少なくとも一つのイオン放出区画の各々を通してそ
    して少なくとも一つのイオン濃縮区画室の各々を通して
    電流を流すことにより電気脱イオン装置内でイオン種を
    除去するべく不純な液体を精製するための方法におい
    て、前記カソード区画室に電子を伝導することのできる
    粒子を含めたことを特徴とする精製方法。
  2. 【請求項2】 電子を伝導することのできる粒子が金属
    粒子を含む請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 電子を伝導することのできる粒子が炭素
    粒子を含む請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 電子を伝導することのできる粒子が炭素
    粒子と金属粒子の混合物を含む請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 電気脱イオン装置が複数のイオン放出区
    画室と複数のイオン濃縮区画室を含む請求項1〜4項の
    いずれかの方法。
  6. 【請求項6】 不純な水性液体を陰イオン透過膜と陽イ
    オン透過膜により仕切られそしてイオン交換樹脂ビード
    を収納する単一のイオン放出区画室を通して流しそして
    イオン種を受け取るための水を陰イオン透過膜を含むア
    ノード区画室と陽イオン透過膜を含むカソード区画室を
    通して流し、同時にカソード区画室とアノード区画室と
    の間に電気ポテンシャルを確立しそしてイオン放出区画
    室を通して電流を流すことにより電気脱イオン装置内で
    イオン種を除去するべく不純な液体を精製するための方
    法において、前記カソード区画室に電子を伝導すること
    のできる粒子を含めたことを特徴とする精製方法。
  7. 【請求項7】 電子を伝導することのできる粒子が金属
    粒子を含む請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 電子を伝導することのできる粒子が炭素
    粒子を含む請求項6の方法。
  9. 【請求項9】 電子を伝導することのできる粒子が炭素
    粒子と金属粒子の混合物を含む請求項6の方法。
  10. 【請求項10】 電気脱イオン装置が複数のイオン放出
    区画室と複数のイオン濃縮区画室を含む請求項6〜9項
    のいずれかの方法。
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