JP2014087749A - 液間イオン移送装置用導電性充填材及び液間イオン移送装置 - Google Patents

液間イオン移送装置用導電性充填材及び液間イオン移送装置 Download PDF

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Osamu Hamamoto
修 濱本
Yoichi Sugiyama
洋一 杉山
Hiroshi Seno
比呂司 瀬野
Masahiro Saito
政宏 斉藤
Yoshinori Hisayoshi
良則 久芳
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Abstract

【課題】イオンの除去効率を向上でき、更に、原液と受容液との間の圧力バランスを調整でき、特に原液がスラリーの場合に好適に用いることができる液間イオン移送装置用導電性充填材及び液間イオン移送装置を提供すること。
【解決手段】除去対象となるイオンを含む原液が流通する原液流路と、該原液から除去された該イオンを受容するイオン受容液が流通する受容液流路とが、隔膜を介して並設されており、電位勾配によって、前記原液から前記イオン受容液へと前記隔膜を介して前記イオンを電気的に移送する液間イオン移送装置における前記受容液流路内に導電性充填材を充填する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液間イオン移送装置用導電性充填材及び該導電性充填材を備えた液間イオン移送装置に関する。
環境汚染の防止や省資源等の観点から、廃棄物を再利用することが試みられている。
高含水率の流動性廃棄物は、従来、処理が困難なものとされており、これを再利用するためには、例えば、塩濃度の低減など、電荷を持つ物質の分離操作が重要な工程の一つとなることがある。
現在、十分に流動性のある清澄な液体に対する塩類の除去は、逆浸透法や電気透析法が一般的な手法として用いられており、例えば、海水の淡水化や、半導体製造などに使われるイオン交換水や超純水の製造などに利用されている(特許文献1)。
特開平09−239245号公報
本発明者は、例えば生ごみや家畜糞尿などのように、懸濁物や乳濁物を含む清澄でない液体や、固形分がなくても比較的粘度の大きい液体スラリー状の廃棄物についても有効利用することを研究し、これら原液中に高濃度で含まれる塩類(陽イオン及び又は陰イオン)が、有効利用の妨げになっていることに着目し、これを除去することを試みた。
しかし、従来の逆浸透法や電気透析法は、このような原液に対しては、処理が不安定となり、イオンの除去効率が十分に得られ難い問題があった。
更に、原液と、該原液から脱離したイオンを受容する脱離液(受容液)との間に、浸透圧や粘性の差による圧力差が生じてしまい、処理が不安定となる問題があった。
このような原液に対して、フィルタプレス型の電気透析槽によって、手間をかけてバッチ式でイオン除去を行うことも考えられるが、連続処理ができず、処理プロセスへの適用性に劣る問題がある。
また、イオン交換樹脂によってイオンを吸着除去することも考えられるが、イオン交換樹脂の取り換えが手間であり、更に、吸着後の樹脂の再生処理コストが問題となる。
そこで、本発明の課題は、イオンの除去効率を向上でき、更に、原液と受容液との間の圧力バランスを調整でき、特に原液がスラリーの場合に好適に用いることができる液間イオン移送装置用導電性充填材及び液間イオン移送装置を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
陽極及び陰極からなる1対の電極間に、除去対象となるイオンを含む原液が流通する原液流路と、該原液から除去された該イオンを受容するイオン受容液が流通する受容液流路とが、少なくとも該イオンが通過可能な隔膜を介して並設されており、前記1対の電極間に設けられた電位勾配によって、前記原液流路を流通する前記原液から前記イオン受容液流路を流通する前記イオン受容液へと前記隔膜を介して前記イオンを電気的に移送するように構成された液間イオン移送装置における前記受容液流路内に充填して用いられることを特徴とする液間イオン移送装置用導電性充填材。
2.
陽極及び陰極からなる1対の電極間に、除去対象となるイオンを含む原液が流通する原液流路と、該原液から除去された該イオンを受容するイオン受容液が流通する受容液流路とが、少なくとも該イオンが通過可能な隔膜を介して並設されており、
前記1対の電極間に設けられた電位勾配によって、前記原液流路を流通する前記原液から前記イオン受容液流路を流通する前記イオン受容液へと前記隔膜を介して前記イオンを電気的に移送するように構成された液間イオン移送装置であって、
前記受容液流路内に導電性充填材が充填されていることを特徴とする液間イオン移送装置。
本発明によれば、イオンの除去効率を向上でき、更に、原液と受容液との間の圧力バランスを調整でき、特に原液がスラリーの場合に好適に用いることができる液間イオン移送装置用導電性充填材及び液間イオン移送装置を提供することができる。
本発明に係る液間イオン移送装置の一例を示す概略図 図1の液間イオン移送装置における電位勾配の状態を説明する図 本発明に係る液間イオン移送装置の他の例を示す概略図 本発明に係る液間イオン移送装置の他の例を示す概略図
以下に、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明に係る液間イオン移送装置の一例を示す概略図である。
図1において、1は、液間イオン移送装置であり、液間イオン移送装置本体10内において、陽極C及び陰極Aからなる1対の電極C、A間に、原液が流通する原液流路11と、陽イオン受容液が流通する陽イオン受容液流路12Cと、陰イオン受容液が流通する陰イオン受容液流路12Aとを備えている。
本発明において、原液は、除去対象となるイオンを含むものであれば格別限定されないが、例えば、直径100μm以上の粒子を含有する乳濁液及び又は懸濁液であるか、あるいは粘度が100cp以上の液などである場合は、本発明の効果が顕著となるため好ましい。ここでは、原液は、除去対象となるイオンとして、陽イオン及び陰イオンを含んでいる。
陽イオン受容液は、原液から除去された陽イオンを受容するための液であり、また、陰イオン受容液は、原液から除去された陰イオンを受容するための液である。
111は、原液を原液流路11に流入する流入口であり、112は、原液流路11から原液を流出する流出口である。
原液タンク21に貯留された原液は、定量ポンプ31によって所定の流量で流入口111から原液流路11に導入され、該原液流路11を流通した後、流出口112から流出され、処理後の原液(処理液)として処理液タンク23に移送される。
また、121Cは、陽イオン受容液を陽イオン受容液流路12Cに流入する流入口であり、122Cは、陽イオン受容液流路12Cから陽イオン受容液を流出する流出口である。
陽イオン受容液は、循環タンク22Cから定量ポンプ32Cによって所定の流量で流入口121Cから陽イオン受容液流路12Cに導入され、該陽イオン受容液流路12Cを流通した後、流出口122Cから流出され、再び循環タンク22Cに返送される。
一方、121Aは、陰イオン受容液を陰イオン受容液流路12Aに流入する流入口であり、122Aは、陰イオン受容液流路12Aから陰イオン受容液を流出する流出口である。
陰イオン受容液は、循環タンク22Aから定量ポンプ32Aによって所定の流量で流入口121Aから陽イオン受容液流路12Aに導入され、該陽イオン受容液流路12Aを流通した後、流出口122Aから流出され、再び循環タンク22Aに返送される。
原液流路11、陽イオン受容液流路12C及び陰イオン受容液流路12Aは、少なくとも除去対象となるイオンが通過可能な隔膜13A、13Cを介して並設されている。
つまり、原液流路11の陽極C側に、少なくとも陰イオンが通過可能な隔膜13Aを介して、陰イオン受容液流路12Aが並設され、一方、原液流路11の陰極A側に、少なくとも陽イオンCが通過可能な隔膜13Cを介して、陽イオン受容液流路12Cが並設されている。
このように、本発明において、隔膜13A、13Cは、少なくとも除去対象となるイオン(陰イオンあるいは陽イオン)が通過可能な膜であれば格別限定されない。例えば、イオン交換膜、透析膜のようなイオン選択透過性を有する膜を用いてもよいが、微多孔膜をより好ましく用いることができる。本発明においては、隔膜13Aと隔膜13Cとで、同じ膜を用いることも好ましいことである。本発明において、微多孔膜としては、MF膜、UF膜又はNF膜等のようなイオン選択透過性を有さない膜を好ましく用いることができる。
本発明においては、図1に示すように、イオン受容液流路12A、12C内に、液の流通が可能な範囲で導電性充填材14、14を充填する。
導電性充填材14、14は、イオン受容液流路12A、12C内における受容液の流通が可能な範囲で充填することができる。
図2は、一対の電極C、A間における電位勾配を説明するグラフであり、図中、縦軸は電位を、横軸は陽極C側(グラフ左側)から陰極A側(グラフ右側)までの位置を示している。
イオン受容液流路12A、12C内に導電性充填材を充填することにより、図2に示すように、該イオン受容液流路12A、12Cに形成される電位勾配が平坦化するため、その分、原液流路11及びこれに隣接する隔膜13A、13Cに亘って形成される電位勾配の傾斜が増大する。
このように構成されたイオン除去装置1において、定量ポンプ31、32C、32Aを駆動すると共に、1対の電極C、A間に電位勾配を設けた状態で、原液流路11に形成された原液による液流を、隔膜13A、13Cを介して、受容液流路12A、12Cに形成されたイオン受容液による液流と平行に接触させる。
原液流路11を流通する原液中のイオンは、導電性充填材14、14の作用によって傾斜が急となった電位勾配下において、電気的な泳動によって、隔膜13を介して原液からイオン受容液へと速やかに移動する。具体的には、原液中の陽イオンは、陰極A側に設けられた陽イオン受容液流路12Cを流通する陽イオン受容液中に速やかに移動し、一方、原液中の陰イオンは、陽極C側に設けられた陰イオン受容液流路12Aを流通する陰イオン受容液中に速やかに移動する。
その結果、原液流路11から隔膜13A、13Cを介してイオン受容液流路12A、12Cに向かうイオン移動を促進できる効果が得られる。また、これにより、イオン受容液流路12A、12Cを流通するイオン受容液の導電性が低い場合であっても、イオン移動を効率的に行うことができるようになる。その結果、一対の電極C、A間に印加する電位差を低減できる効果も得られる。
更に、本発明においては、イオン受容液流路12A、12Cにおいて、イオン受容液が導電性充填材と衝突することで乱流化し、イオン受容液の線速が増大することも、イオン移動の促進に寄与する。
また更に、本発明においては、導電性充填材14、14を設けることにより、原液流路11側と、受容液流路12A、12C側との圧力バランスを調整することができる。
脱塩処理等を必要とする原液は例えばメタン発酵消化液などであり、各種の成分を溶解しているため、一般に受容液よりも粘性や浸透圧が大きい。そのため、原液と受容液との間に生じる浸透圧や、原液と受容液の粘性の差などによって、原液流路11内は、受容液流路12A、12C内よりも圧力が上昇し易い。このとき、受容液流路12A、12C内に導電性充填材14、14を設けることにより、受容液流路12A、12C内の圧力を上昇させることができるため、原液流路11側と、受容液流路12A、12C側との圧力バランスを調整することができる。
例えば、浸透圧が無視できる場合は、導電性充填材14、14を設けることにより、原液流路11側と、受容液流路12A、12C側との圧力差を300mmHO以下の範囲に調整することが好ましく、浸透圧を考慮する場合は当該浸透圧を相殺するように膜間差圧を設定することも好ましい。これを実現するために、導電性充填材14、14の選定や充填密度(又は充填量)の設定を行うことも好ましいことである。このようにして、液自身の隔膜13A、13Cを通しての移動を大きく抑制できるようになる。
特に、隔膜13A、13Cとして、イオン選択透過性を有さない微多孔膜を備える場合に、圧力差を上記範囲とすることで、イオン移送処理が安定する効果が得られる。
本発明において、導電性充填材14、14としては、例えば電子導電性を有する粒状物あるいは繊維状物等を好ましく例示でき、好ましくは嫌気下にて1200℃以上で焼成した木炭片や炭素繊維フェルトなどの炭素材を好ましく例示できる。炭素材は炭素を骨格とする化合物を嫌気下で焼成したものが好適である。
導電性充填材14、14の形状としては、格別限定されないが、粒状、塊状あるいは繊維状等の炭化物の集合体を好ましく用いることができる。
このような炭素材は化学的にも安定であり、充填するに十分な強度を有している。
具体的には、再焼成粒状炭素(活性炭)や炭素繊維フェルト等が特に好ましい。
本発明では、原液流路11を流通する原液の線速は10mm/秒以下に調整されることが好ましい。この調整は、定量ポンプ31の設定によって行うことができることが好ましい。
本発明において、原液流路11の流路幅Wは2mm以上、好ましくは2.5mm以上、より好ましくは3mm以上であることが好ましい。流路幅Wとは、隔膜13A、13Cの膜面と垂直方向における原液流路11の幅である。
本発明においては、原液流路11の流路幅Wが2mm以上であり、且つ原液流路11を流通する原液の線速が10mm/秒以下に調整されることにより、原液が、乳濁液、懸濁液あるいは高粘性液の場合において、処理が安定し、低コストであり、連続処理が可能であることにより処理プロセスへの適用性に優れ、イオンの除去効率に更に優れる効果が得られる。
本発明において、イオン移送処理時における原液の原液流路11における滞留時間は、20分以上10時間以下の範囲に調整されることが好ましい。これにより、電極間に印加する電圧を低下させることが可能となる効果が得られる。
本発明においては、例えば処理量を増加する観点で、1対の電極C、Aを複数対設けて、各1対の電極C、A間に、図1と同様に、隔膜13A、13Cを介して、原液流路11と、陰イオン受容液流路12A、陽イオン受容液流路12Cとを並設することも好ましい。
このとき、互いに隣接する陽極C及び陰極Aは、図3に示すように、それぞれ複極仕切板Bの各板面によって形成することが好ましい。
図3の態様においても、図1に示したものと同様に、各々の陰イオン受容液流路12A及び陽イオン受容液流路12Cには、導電性充填材14、14を充填する。
また、本発明に係る液間イオン移送装置においては、図4に示すように、一対の電極C、A間に、隔膜13A、13Cを介して原液流路11と受容液流路12とを交互に複数積層することも好ましいことである。
図4に示すように、液間イオン移送装置1において、1つの受容液流路12を流通する受容液は、両側に配された原液流路11、11を流通する原液から陽イオン及び陰イオンをそれぞれ受容するため、陰イオン受容液と陽イオン受容液とを兼ねている。
図4の態様においては、原液流路11の陽極C側の隔膜13Aを陰イオン交換膜とし、陰極A側の隔膜13Cを陽イオン交換膜とすることによって、当該原液流路11から隣接する受容液流路12に除去されたイオンが、他の原液流路11まで移動(図中破線矢印で示したイオン移動)してしまうことを、隔膜13A、13Cのイオン選択透過性により防止できる。
しかし、このようにイオン交換膜を用いなくても、本発明においては、導電性充填材14、14を充填したことにより、該導電性充填材14、14が障害となって、図中破線矢印で示したイオン移動を好適に防止することができる効果が得られる。
従って、図4の態様においても、隔膜13A、13Cとして、上述したイオン選択透過性を有さない微多孔膜を好適に用いることができ、また、隔膜13Aと隔膜13Cとで、同じ膜を好ましく用いることができる。
また、原液が、上述した乳濁液、懸濁液あるいは高粘性液である場合、原液流路11の流路幅Wが2mm以上である場合、また、原液流路11を流通する原液の線速が10mm/秒以下に調整される場合は、図中破線矢印で示したイオン移動を更に好適に防止することができる効果が得られる。
以上の説明では、1対の電極C、A間において、原液流路11の両側に、隔膜13(13A、13C)を介して受容液流路12(12A、12C)が設けられる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1対の電極C、A間において、原液流路11の陽極C側又は陰極A側の何れか片側のみに、隔膜13を介して導電性充填材14が充填された受容液流路12を並設してもよい。陽極C側のみに、隔膜13を介して導電性充填材14が充填された受容液流路12が設けられる場合は、原液流路11から除去される陰イオンを受容液流路12で受容することができ、陰極A側のみに、隔膜13を介して導電性充填材14が充填された受容液流路12が設けられる場合は、原液流路11から除去される陽イオンを受容液流路12で受容することができる。原液中の除去対象となるイオンが、陰イオン又は陽イオンの何れかである場合は、上記のような方法により好適に除去することができる。
本発明に供される原液は、格別限定されないが、上述したように、直径100μm以上の粒子を含有する乳濁液及び又は懸濁液であるか、あるいは粘度が100cp以上の液であり、且つ除去対象となるイオンとして陽イオン及び又は陰イオンを含んでいるものを好ましく例示できる。
原液として、具体的には、バイオマス由来成分を含むスラリーを好ましく例示できる。
例えば、バイオマス由来成分を含むスラリーとしては、スラリー化した生ごみ(生ごみペースト)、家畜糞尿等を好ましく例示できる。
また、バイオマス由来成分を含むスラリーをメタン発酵させた後の消化液も原液として好ましく用いることができる。
更に、バイオマス由来成分を含むスラリーをメタン発酵に供する前の前処理としても、本発明を好ましく適用できる。
例えば、豚は、給餌に際して飼料に亜鉛を添加する場合があるため、家畜糞尿が豚の糞尿を含む場合は、比較的多量の亜鉛が含まれ、農地還元等の再利用に際して環境上の問題が大きいが、本発明によれば、このような重金属イオンも好適に除去できる。
また、本発明は、例えば、梅発酵残液等の食品加工残渣からの食塩除去や、焼酎粕濃縮液等の食品加工残渣からのカリウム塩除去にも好ましく用いることができる。もちろん、食品加工残渣に限らず、食品からの減塩等にも好適に用いることができる。
本発明によってイオンが除去された後の原液(処理液)は、例えばハウス栽培用の養液や、家畜用飼料として好適に用いることができる。特に、ハウス栽培用の養液として用いる場合には、ハウス内の土壌が雨に曝されないことによる蓄積塩害を防止できる効果に優れ、家畜用飼料に用いる場合には、家畜の尿管結石の原因となるカリウムを好適に除去できる効果が得られる。
また、本発明によれば、原液中に含まれる多価フェノール類、クエン酸、有機酸類、カリウムイオン等の有価物を、イオンとして受容液中に好適に回収でき、有価物の再利用を効率化することができる。
また更に、本発明では、原液として汚染土壌スラリーを好ましく処理できる。例えば、汚染土壌を水中に分散してスラリー化し、これを原液として、本発明の液間イオン移送装置で処理する。イオン化した汚染物質は受容液中に除去され、処理後の原液(処理液)から除染された土壌成分(固形分)を容易に回収できる。
特に、汚染物質がセシウムである場合には、本発明によって好適に受容液中に除去できることが確認された。これは、電位勾配下におけるセシウムイオンの移動速度が比較的速いことによるものと推定される。
本発明において、原液中に含まれる除去対象となるイオンとしては、陽イオン及び又は陰イオンであれば格別限定されない。イオンの価数は1価又は2価以上の何れであってもよく、また、単原子イオン、多原子イオン、錯イオン、クラスターイオン等の何れの形態であってもよい。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例に限定されない。
1.黒糖焼酎粕濃縮液のカリウム塩濃度低下処理
(実施例1)
図1に示したものと同様の構成を備える試験用の小型液間イオン移送装置を用いて、黒糖焼酎粕濃縮液(性状は表1に示す。)を原液として、下記試験条件で試験を行った。
原液流路11における原液の原液流路11滞留時間(RT)、試験前後におけるイオン濃度の変化、印加電圧/電流、電流効率を表2に示した。
<試験条件>
・隔膜13、13:MF膜(JSユアサ社製、ユミクロン)
・導電性充填材14、14:炭素繊維フェルト
・膜面積:幅(液流と垂直方向)10mm×高さ(液流方向)100mm
・見かけの電極面積:同上
・原液流路11の流路幅W=2〜3mm
・平均送液量:0.1〜1ml/hr
<性状評価項目>
原液として用いた黒糖焼酎粕濃縮液は、黒糖焼酎粕をスクリュープレスによって夾雑物を除去した後の液側を回収し、これを多重効用蒸発缶により濃縮したものである。かかる黒糖焼酎粕濃縮液について下記の項目で性状を評価した結果を表1に示す。
・固形分濃度(wt%):107℃での乾燥秤量法による
・粘度(PaS):20℃における振動板型粘度計法による
・粒径(直径、μm):篩分別拡大鏡観察法による
・pH:JIS K0102.12.1による
・導電率(S/cm):JIS K0102.13による
・ナトリウムイオン濃度(mg/L):酸分解・原子吸光法による
・カリウムイオン濃度(mg/L):酸分解・原子吸光法による
・亜鉛イオン濃度(mg/L):酸分解・ICP法による
・塩化物イオン濃度(mg/L):イオンクロマトグラフ法による
Figure 2014087749
(比較例1)
実施例1において、受容液流路12、12内に、導電性充填材14、14を充填せず、表2の試験条件としたこと以外は、実施例1と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
2.食塩水の食塩濃度低下処理
(実施例2)
実施例1において、原液を食塩水に代え、表2の試験条件としたこと以外は、実施例1と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例2において、受容液流路12、12内に、導電性充填材14、14を充填せず、表2の試験条件としたこと以外は、実施例2と同様にして試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2014087749
<評価>
導電性充填材を用いた実施例1、2では、これを用いない比較例1、2に比べてイオン除去効率に優れることがわかる。導電性充填材によって、セル内の電気抵抗の減少、及び、液相における電位勾配が急傾斜化されたこと、更に、原液と受容液との間の圧力バランスが調整されたことがイオン除去効率、及び膜を通しての液移動の抑制の向上に寄与したものと考えられる。
また、実施例1、2では、隔膜13として微多孔膜を用いる場合について示したが、本発明者は、微多孔膜をイオン交換膜に代えた場合においても、導電性充填材の充填によって実施例1、2と同様の効果が奏されることを確認した。
1:液間イオン移送装置
10:液間イオン移送装置本体
11:原液流路
111:流入口
112:流出口
12:受容液流路
12C:陽イオン受容液流路
12A:陰イオン受容液流路
13、13C、13A:隔膜
14:導電性充填材
C:陽極
A:陰極

Claims (2)

  1. 陽極及び陰極からなる1対の電極間に、除去対象となるイオンを含む原液が流通する原液流路と、該原液から除去された該イオンを受容するイオン受容液が流通する受容液流路とが、少なくとも該イオンが通過可能な隔膜を介して並設されており、前記1対の電極間に設けられた電位勾配によって、前記原液流路を流通する前記原液から前記イオン受容液流路を流通する前記イオン受容液へと前記隔膜を介して前記イオンを電気的に移送するように構成された液間イオン移送装置における前記受容液流路内に充填して用いられることを特徴とする液間イオン移送装置用導電性充填材。
  2. 陽極及び陰極からなる1対の電極間に、除去対象となるイオンを含む原液が流通する原液流路と、該原液から除去された該イオンを受容するイオン受容液が流通する受容液流路とが、少なくとも該イオンが通過可能な隔膜を介して並設されており、
    前記1対の電極間に設けられた電位勾配によって、前記原液流路を流通する前記原液から前記イオン受容液流路を流通する前記イオン受容液へと前記隔膜を介して前記イオンを電気的に移送するように構成された液間イオン移送装置であって、
    前記受容液流路内に導電性充填材が充填されていることを特徴とする液間イオン移送装置。
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