JP3416424B2 - キャリッジ保持機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明はＣＤやＣＤ−ＲＯＭ
などのディスク（円盤状の記録媒体）を複数枚収納し選
択されたディスクを自動的にディスクドライブ（記録再
生装置・光ピックアップ）にセットするディスクチェン
ジャーに関する。更に詳述すると、本発明は複数枚のデ
ィスクをキャリッジに載せて収納し、水平面及び垂直面
内でのキャリッジの移動によって自動交換するディスク
チェンジャーのキャリッジの水平度を保持する機構に関
する。 【０００２】 【従来の技術】従来、３枚ないし４枚程度のディスクを
ストックして自動的に交換可能とする簡易な構造のディ
スクチェンジャーとしては、例えば図３６に示すような
回転するディスクトレイ（一般にカルーセルと呼ばれて
いる）を用いたものが知られている。このカルーセルタ
イプのディスクチェンジャーは、例えば実開平４−１２
１０４５号などに開示されており、複数枚のディスクを
載せたディスクトレイ１０１を回転させて選択されたデ
ィスクを光ピックアップの位置に回転移動させるもので
ある。 【０００３】しかしながら、このディスクチェンジャー
によると、１枚のディスクトレイ１０１上にディスクが
重ならないように載置してストックするため、ディスク
のストック枚数が増えるほど装置の外形寸法（幅×奥
行）が大きくなって場所をとる問題を有している。例え
ば僅か３枚のディスクをストックする場合でも、装置の
外形寸法は、幅及び奥行方向に各々ディスク直径の少な
くとも２倍以上の長さ、面積にして４倍以上を必要とし
てしまう。また、複数枚のディスクを一平面上に載置す
るディスクトレイ１０１は面精度を要する大型成形部品
のためコスト高となる。しかも、従来のディスクチェン
ジャーではディスクトレイ１０１を滑らかに回転させる
ためにローラなどの支持部品を必要とするため部品点数
も多くなり、コストアップに繋がる。 【０００４】また、ディスクトレイ１０１は、反りをな
くすため十分な強度を得るように厚みを厚く形成しなけ
ればならず、その分だけディスク再生装置を嵩ばらせて
しまう。加えて、ディスクに対してピックアップ自体を
昇降させるため、そのためのスペースと昇降機構とが必
要となり、高さ方向の寸法が大きくなってしまう問題が
ある。 【０００５】更に、特開平４−３８６５７号のように複
数枚のディスクを積層して収納するカートリッジ式のデ
ィスクチェンジャーの場合には、ピックアップの奥にデ
ィスクとキャリッジとを積層して収納するため、演奏中
にはディスクの取り出しや交換ができない欠点があっ
た。 【０００６】かかる問題を解決するため、本発明者は先
に、以下のようなディスクチェンジャーを提案した（特
願平８−３７０４６号）。このディスクチェンジャー
は、ディスクを載置するキャリッジと、このキャリッジ
を複数枚収容してディスク取り出し位置と収納位置とを
往復動するトレイと、ディスクの記録・再生を行うディ
スクドライブと、このディスクドライブに対して複数枚
のキャリッジの内の１つのキャリッジ上のディスクを上
下動させてディスクドライブ装填位置又はディスク収納
位置の最下段のキャリッジと同レベルのディスク非装填
位置に移動させるディスクセット機構と、ディスク収納
位置およびディスクドライブが配置されたドライブ位置
にあるキャリッジをディスクセット機構のディスク非装
填位置よりも更に上方へ昇降させるキャリッジ昇降機構
と、このキャリッジ昇降機構の動作により収納位置或い
はドライブ位置のいずれかに形成されたスペースにキャ
リッジを移動させるキャリッジ移動機構とを備えてい
る。 【０００７】したがって、演奏ディスクの交換は、スト
ックされたディスクの内から選択されたディスクあるい
は演奏のために新たに収納位置のキャリッジ上に装入さ
れたディスクが載置されているキャリッジよりも上ある
いは下の位置に、ディスクドライブ装填位置にあったデ
ィスクをディスクドライブから取り出して移動させる。
即ち、ディスクドライブ装填位置にあるディスクをディ
スクセット機構の駆動によって上昇するキャリッジ上に
ディスクを移してディスクドライブからディスク非装填
位置へ、あるいは更にキャリッジ昇降機構の駆動によっ
てキャリッジ毎それよりも上方の位置へ持ち上げ、ディ
スク収納位置の選択されたディスクを収めたキャリッジ
の装置奥側のドライブ位置にキャリッジ１つ分のスペー
スを空ける。そして、このスペースへディスク収納位置
の選択されたディスクを収めたキャリッジがキャリッジ
移動機構によって移される。次いで、ディスクドライブ
から外されたディスクを収めたキャリッジと同レベルの
ディスク収納位置のキャリッジが先程の装置奥側のドラ
イブ位置へのキャリッジ移動によってディスク収納位置
に生じたスペースに移動し、更にそれによって生じたス
ペースへディスクドライブから外されたディスクを収め
たキャリッジがキャリッジ移動機構の駆動によって移動
させられる。その後、ドライブ位置の選択されたディス
クを収めるキャリッジは、キャリッジ昇降機構および／
又はディスクセット機構の駆動によって、ディスクドラ
イブへ向けて移動（降下）し、ディスクドライブ装填位
置でディスクだけをディスクドライブ上に置いてキャリ
ッジを降下させる。このとき、ディスクドライブ上のデ
ィスクはキャリッジと共に降下するクランパーとの間で
クランプされる。そして、ディスクドライブの駆動によ
ってディスクの再生ないしディスクへの記録が行われ
る。 【０００８】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図３７
に示すように、このディスクチェンジャーによるとキャ
リッジ２０１をクランパーアーム２０３で押し下げるた
め、キャリッジ２０１が僅かではあるが水平が保たれな
いままディスク２０２と接触してしまうことが考えられ
る。これは、キャリッジ２０１と当接して該キャリッジ
２０１を降下させるクランパーアーム２０３の押圧部２
０４がキャリッジ２０１の中心からずれているため、リ
フタ２０５に係合するリターンスプリング２０６の圧力
によりキャリッジ２０１及びリフタ２０５の片側が浮い
てしまうからである。このため、リターンスプリング２
０６の圧力調整やリフタ２０５の支持等に極めて精密な
調整等を必要とし、組付け作業性が悪い。 【０００９】これを防ぐには、クランパーアーム２０３
の押圧部２０４の位置をキャリッジ２０１の中心と当接
するようにずらすことが考えられる。しかしディスクチ
ェンジャー全体の設計に際して、クランパーアーム２０
３のキャリッジ２０１に対する当接位置をキャリッジ２
０１の中心に設定する余地やスペースを得ることは事実
上困難であることが多い。 【００１０】そこで、本発明はディスクチェンジャーの
キャリッジを昇降させる際に該キャリッジの中心以外を
押圧し、かつキャリッジの水平を確保することができる
キャリッジ保持機構を提供することを目的とする。 【００１１】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め本発明のキャリッジ保持機構は、ディスクチェンジャ
ーのディスクを載置しながら昇降及び水平移動するキャ
リッジの水平を保つ機構であって、ディスクチェンジャ
ーは再生位置にあるキャリッジを昇降させるリフタと該
リフタを上方付勢するリターンスプリングとピックアッ
プのターンテーブルにディスクをクランプするクランパ
ーを支承しさらにキャリッジを押圧する押圧部を有する
クランパーアームとを備えるとともにディスクチェンジ
ャーのフレームにはクランパーアームで再生位置上のキ
ャリッジを押し下げたときにリフタの奥側下端部と当接
してキャリッジをディスクと平行に保持する凸部を設け
ている。 【００１２】したがって、クランパーとともにキャリッ
ジとリフタとが降下するときにキャリッジの水平が保た
れていない場合にも、該キャリッジ及びリフタが最下点
に達するときにリフタの装置奥側下端部が装置フレーム
に設けられた凸部に当接することにより、リフタは該凸
部との当接点を支点としてトレイ手前側が下がるように
回転しさらにクランパーアームによる押圧力とリターン
スプリングによる付勢力が調和したところでリフタは水
平に保持されるので、これに伴いキャリッジも水平とさ
れる。 【００１３】 【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。 【００１４】図１〜図３５に本発明を３枚のディスクを
収納するタイプのディスクチェンジャーに適用した実施
の一形態を示す。このディスクチェンジャーは、ディス
ク７を載置する３枚のキャリッジ１，１，１と、この３
枚のキャリッジ１，１，１のうちの２枚を収容してディ
スク取り出し位置８とディスク収納位置９とを往復動す
るトレイ２と、ディスク収納位置９よりも装置奥側のド
ライブ位置１０に配置されてディスクの記録・再生を行
うディスクドライブ３と、このディスクドライブ３に対
して１枚のキャリッジ１とその上のディスク７とを上下
動させてディスクドライブ装填位置１１又はディスク収
納位置９の最下段のキャリッジ１と同レベルのディスク
非装填位置１２に移動させるディスクセット機構４と、
ディスク収納位置９およびドライブ位置１０にあるキャ
リッジをディスクセット機構４のディスク非装填位置１
２とそれよりも更に上方の位置との間で昇降させるキャ
リッジ昇降機構５と、このキャリッジ昇降機構５の動作
によりディスク収納位置９或いはドライブ位置１０のい
ずれかに形成されたスペースＳ1 ，Ｓ2 にキャリッジを
移動させるキャリッジ移動機構６とを備えている。 【００１５】キャリッジ１は、図１９に示すように、例
えば平面形状がほぼ正方形のプラスチック製の薄板から
成り、中央にディスク７を載せる凹部１３が形成されて
そこにディスク７を載置して収納するように設けられて
いる。凹部１３は、１２ｃｍディスクを収める大凹部１
３ａと８ｃｍディスクを収める小凹部１３ｂとを同心上
に形成して成る。このキャリッジ１の両側縁には、図１
９および図２０に示すように、一定ピッチで側方に突出
する歯１４が一体形成されている。この歯１４はラック
に相当するものであるが、歯底に相当する部分が除かれ
て、その部分をピン歯車１５のピン１６が上下方向には
通過し得るように設けられている。また、このキャリッ
ジ１には凹部１３の中心から装置手前側の辺にかけてデ
ィスクドライブたる光ピックアップ３を通過させる透孔
１７が形成されている。更に、キャリッジ１の装置奥側
の両側には、切り欠き１８が設けられている。この切り
欠き１８はキャリッジ１の上方に位置するクランパー１
９を支えるクランパーアーム２０の支柱部分を通過させ
るためのもので、クランパーアーム２０をキャリッジ１
の内側に入り込むように配置して、全体としてディスク
チェンジャーの外形寸法をほぼキャリッジ１の２枚分の
大きさに収めることができるように設けられている。
尚、キャリッジ１は２枚重ねた状態でディスク収納位置
９に配置され、１枚が装置奥側のドライブ位置１０のデ
ィスク装填位置１１ないし非装填位置１２に配置され
る。 【００１６】トレイ２は、本実施の形態の場合、キャリ
ッジ１を２枚収容してディスク取り出し位置８とディス
ク収納位置９とを図示していない駆動モータと回転伝達
系統とによって往復動するもので、ドライブ位置１０と
なるトレイ手前側と奥側にはそれぞれ歯幅の広い星形歯
車２２，３１が、またディスク収納位置９とドライブ位
置１０との境界部分にはピン歯車１５が備えられてい
る。また、このトレイ２には図３０及び図３３に示すよ
うに、ディスク収納位置９にある２枚のキャリッジ１，
１の内の下側のキャリッジ１の縁を支持する側部受け台
２１ａとキャリッジ１の先端縁を支持する前部受け台２
１ｂとを有している。積み重ねられた２枚のキャリッジ
１，１は、受け台２１ａ，２１ｂと星形歯車２２とでそ
れぞれ支持されているので、別々に移動させることも可
能である。そこで、トレイ２の駆動によってディスク収
納位置９に積み重ねられた２枚のキャリッジ１，１をデ
ィスク取り出し位置８に引き出した後、上側のキャリッ
ジ１だけをピン歯車１５の回転駆動によって装置内へ引
き込ませると、下側のキャリッジ１に載置されているデ
ィスク７が露出する。そこで、この下側のキャリッジ１
に収容されているディスク７を交換することができる。
キャリッジ１の装置奥側への移動（水平移動）は星形歯
車２２，３１の歯面２２ａ，３１ａをレールとして行わ
れる。 【００１７】奥側のキャリッジ１の中心には、ディスク
ドライブとしての光ピックアップ３が設置されている。
光ピックアップ３は装置フレーム２３に固定され、ディ
スク７とこれを載置するキャリッジ１およびクランパー
１９が昇降することによってディスク７の装填や取り出
しが行われる。 【００１８】光ピックアップ３に対しディスク７を固定
するクランパー１９は、例えば両端にフランジを備えた
円筒体から成り、クランパーアーム２０の先端の大きめ
のＣ形の穴２４に上下両端のフランジを利用して上下及
び水平方向に僅かに移動し得るように支持されている。
クランパーアーム２０は図示していないがモータ駆動な
どによって昇降可能に設けられている。このクランパー
アーム２０は、例えば図１９に仮想線で示すように、ま
た図３０に示すように、装置フレーム２３の両側に配置
されたガイドレール３４にクランパー支持アーム２０の
ガイドリブ３５を嵌入させることによって、ガイドレー
ル３４の溝に沿って昇降自在に支持されている。また、
クランパー１９は特に図示していないがピックアップ本
体３のハブ２５部分に埋設されたマグネットに吸着され
る鉄板を有しており、ディスク７の昇降によってハブ２
５部分に填められた際にハブ２５部分に吸着されてター
ンテーブルとの間でディスク７を挟持する。勿論、光ピ
ックアップのタイプによってはクランパー１９側にマグ
ネットを配置し、ピックアップ３のハブ２５を吸着させ
るようにしても良い。クランパーアーム２０は、降下す
る際にディスク非装填位置１２でリフタ２６に支持され
ているキャリッジ１の縁に当接し、リフタ２６ごとキャ
リッジ１を押し下げながらディスクドライブ３のハブ２
５部分に嵌まったディスク７をクランパー１９で挟み付
け固定する。 【００１９】また、リフタ２６と装置フレーム２３との
間にはリフタ２６を押し上げるためのリターンスプリン
グ２７が設けられている。このスプリング２７は、中央
に比べて両端が浮き上がったくの字形のばねで両端がリ
フタ２６の溝２８に嵌合されると共に中央部が装置フレ
ーム２３に押し当てられている。他方、リフタ２６は装
置フレーム２３に設けられた斜めのガイド溝２９に両端
のガイドピン３０が係合されて、スプリング２７による
押し上げ及びクランパーアーム２０による押し下げに伴
ってこじれを起こさずに全体がほぼ水平状態を保ってガ
イド溝２９の範囲内で昇降し得るように設けられてい
る。このリフタ２６とクランパーアーム２０及びリター
ンスプリング２７によってディスクセット機構４が構成
されている。 【００２０】さらに、図３４に示すように装置フレーム
２３には凸部３６がトレイ２の奥側に２箇所設けられて
いる。この凸部３６，３６は、昇降するリフタ２６，２
６のトレイ２奥側の下端部２６ｂと接するように設けら
れているとともに、その高さは最下点まで降下したとき
のリフタ２６のトレイ２手前側にある下端部２６ａと等
しいものとされている。 【００２１】キャリッジ昇降機構５は、トレイ２の手前
側と奥側とにそれぞれ配置されている歯幅の長い星形歯
車２２，３１と、これを回転させる駆動源（図示省略）
とで構成され、キャリッジ１の両側の歯１４部分を星形
歯車２２あるいは３１で引っ掛けてキャリッジ１のほぼ
中央を支持し、星形歯車２２，３１の回転によって上昇
ないし降下させるように設けられている。星形歯車２
２，３１の歯幅はおおよそキャリッジ１の長さの半分程
度に達し、両側の星形歯車２２，２２あるいは３１，３
１の間でキャリッジ１を支持できるように設けられてい
る。この星形歯車２２，３１はディスク収納位置９とド
ライブ位置１０にあるそれぞれのキャリッジ１，１の中
央部分を支持する位置に設けられている。そして、これ
ら星形歯車２２，３１は各々別々に回転駆動し得るよう
に設けられている。 【００２２】キャリッジ移動機構６は、トレイ２の手前
側と奥側にそれぞれ配置されている星形歯車２２，３１
と、これらの境界部分に配置されているピン歯車１６と
から構成され、ピン歯車１６と各キャリッジ１の両側の
歯１４を噛み合わせてピン歯車１５の回転によってキャ
リッジ１を星形歯車２２，３１の歯面の上を移動させる
ように設けられている。トレイ２の手前側から奥側へ移
動する際のキャリッジ１は、下のキャリッジ１あるいは
トレイ２の両側の受け台２１ａ若しくはリフタ２６に支
えられる。尚、トレイ２は例えばラックなどを設けて、
モータ駆動によって出入り自在とされている。 【００２３】以上のように構成されたディスクチェンジ
ャーによると、次のように作動する。 【００２４】まず、演奏するディスクの交換動作につい
て図１から図１３までに基づいて説明する。図１では、
ディスク１がディスクドライブ３のターンテーブル上に
クランプされ演奏できる状態になっており、その下方に
キャリッジ１がある。そのとき、他の第２、第３のディ
スク７はそれぞれのキャリッジ１，１に収納されてトレ
イ前方・装置手前側のディスク収納位置９に重ねてスト
ックされている。これがプレイモードである。この状態
において演奏位置にあるディスク１をストックされた他
のディスク、例えば第２のディスク７と交換するためデ
ィスク選択キー［ＤＩＳＣ２］が押されると、リフタ２
６及びクランパー１９が上昇してディスク７が解放され
ると共にキャリッジ１が第３のキャリッジ１の高さまで
持ち上げられる。クランパー１９はクランパーアーム２
０のモータ駆動によって、リフタ２６はリターンスプリ
ング２７のばね力によってそれぞれ持ち上げられる。こ
れによってディスク７はターンテーブルより離れてキャ
リッジ１の中に収まる（図２参照）。また、第３のディ
スク７と交換される場合には、第２のディスク７が収ま
るキャリッジ１の位置まで持ち上げられる。 【００２５】次いで、クランパー１９はさらに上昇して
最上部に達する。これよりチェンジモードとなる（図３
参照）。トレイ２の手前側のディスク収納位置９にスト
ックされた第２及び第３の２枚のディスク７，７のうち
の選択されたディスク、即ちこの例では第２のディスク
７が収められたキャリッジ１が装置奥側のドライブ位置
１０のスペースＳ2 へ向けて水平移動し（図４参照）、
今までディスクドライブ３に装填されていた第１のディ
スク７が収められた第１のキャリッジ１の真上に移動す
る。そして、第２のキャリッジ１は第１のキャリッジ１
の上に乗る。（図５参照）。 【００２６】その後、ディスク収納位置９でのキャリッ
ジ昇降機構５の駆動によって第３のキャリッジ１が今ま
で第２のキャリッジ１があった位置のスペースＳ1 まで
上昇する（図６）。そして、第３のキャリッジ１は第２
のキャリッジ１と同じ高さになる（図７参照）。その
後、キャリッジ移動機構６の駆動によって第１のキャリ
ッジ１が装置前方のディスク収納位置９に移動する（図
８参照）。そして、第１のキャリッジ１は第３のキャリ
ッジ１の下に入る（図９参照）。その後、ドライブ位置
１０の第２のキャリッジ１が下降を開始し（図１０参
照）、第１のキャリッジ１と同じ高さになるまで下降す
る（図１１）。第２のキャリッジ１の下降はドライブ位
置１０のキャリッジ昇降機構５の駆動によって行われ
る。これでチェンジモードを終わる。 【００２７】更に、クランパーアーム２０が降下する
と、クランパー１９が下降すると共にリフタ２６が押し
下げられる（図１２参照）。 【００２８】クランパー１９とともに第２のキャリッジ
１とリフタ２６が下がり第２のディスク７がターンテー
ブルにクランプされる。これで再度プレイモードとなり
ディスクの交換が完了した（図１３参照）。尚、第１の
ディスク７から第３のディスク７へ交換するときは、デ
ィスクドライブ３から第１のディスク７を受け取った第
１のキャリッジ１は、図３の状態で止まらずに図９の位
置まで上昇し、その後図８→図７→図６→図５→図４→
図３（図１１）→図１２→図１３と動作し、キャリッジ
が左回りに移動する。 【００２９】ここで、キャリッジ１を水平に保持する機
構について説明する。キャリッジ１を押圧するクランパ
ーアーム２０の押圧部３７の位置がキャリッジ１の中心
からずれているために、クランパー１９とともにキャリ
ッジ１とリフタ２６とが降下するときにキャリッジ１の
水平が保たれていない場合がある。しかしながら、該キ
ャリッジ１及びそれぞれのリフタ２６，２６が図３５に
示すように最下点に達するとリフタ２６，２６の奥側下
端部２６ｂ，２６ｂが装置フレーム２３に設けられた凸
部３６，３６に当接し、これによりリフタ２６，２６は
該凸部３６，３６との当接点を支点として回転して水平
となるので、これに伴いキャリッジ１も水平とされる。
したがって、昇降時にわずかながら傾いていることがあ
っても、降下終了時にキャリッジ１とリフタ２６との水
平が確保されている。 【００３０】次に、装置手前側にストックされている第
２、第３のディスク７を取り出して演奏中などに交換す
る動作について説明する。図１と同じ状態を図１４に示
す。ここでトレイ２を開けるために操作キー［ＯＰＥ
Ｎ］を押すと、トレイ２がモータ駆動によって飛び出し
（図１５参照）、トレイ２が全開となる（図１６参
照）。これで第２のディスク７の取り出しが可能とな
る。尚、ここで［ＣＬＯＳＥ］を押すと、トレイ２が装
置内へ引き込まれ図１４の状態へ戻る。また、第３のデ
ィスク７を取り出すためには、もう一度［ＯＰＥＮ］を
押すと、上の列のキャリッジ移動機構６のピン歯車１５
が回転して第２のキャリッジ１をトレイ奥側の星形歯車
３１の上へ移動させる。このとき、第２のキャリッジ１
は、トレイ手前側の星形歯車２２とトレイ奥側の星形歯
車３１の歯面の上を滑って移動する。 【００３１】しかして、第３のキャリッジ１の上方が開
いて第３のディスク７の取り出しが可能となる。ここで
［ＣＬＯＳＥ］を押すと、再び上の列のキャリッジ移動
機構６のピン歯車１５が先程とは逆に回転して第２のキ
ャリッジをトレイ手前側へ引き戻し、図１６の状態へ戻
る。 【００３２】尚、上述の実施形態は本発明の好適な実施
の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、本実施形態ではディスクチェンジャーにお
けるキャリッジを水平に保持する場合について説明した
が、キャリッジ以外にもあらゆるプレート等であって平
行移動するものの角度をある位置で変化させるのに本発
明を応用することができる。 【００３３】 【発明の効果】以上の説明より明らかなように本発明の
キャリッジ保持機構は、ディスクチェンジャーのディス
クを載置しながら昇降及び水平移動するキャリッジの水
平を保つ機構であって、ディスクチェンジャーは再生位
置にあるキャリッジを昇降させるリフタと該リフタを上
方付勢するリターンスプリングとピックアップのターン
テーブルにディスクをクランプするクランパーを支承し
さらにキャリッジを押圧する押圧部を有するクランパー
アームとを備えるとともにディスクチェンジャーのフレ
ームにはクランパーアームで再生位置上のキャリッジを
押し下げたときにリフタの奥側下端部と当接してキャリ
ッジをディスクと平行に保持する凸部を設けているの
で、クランパーとともにキャリッジとリフタとが降下す
るときにキャリッジの水平が保たれていない場合にも該
キャリッジ及びリフタが最下点に達するときにリフタの
装置奥側下端部が装置フレームに設けられた凸部に当接
し、リフタは該凸部との当接点を支点としてトレイ手前
側が下がるように回転しさらにクランパーアームによる
押圧力とリターンスプリングによる付勢力が調和したと
ころでリフタは水平に保持され、これに伴いキャリッジ
も水平とされる。 【００３４】したがって、当該ディスクチェンジャーに
おいてキャリッジの中心以外を押圧しなくてもディスク
が載置されるキャリッジと該ディスクとの平行が保たれ
るようになる。また、既に設計されたディスクチェンジ
ャーに僅かな改良を加えることによりキャリッジを水平
に保つようにしたため、コストと手間を最小限に抑える
ことができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概略
図で、プレイモード状態を示す。 【図２】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概略
図で、ディスク交換のためディスクをディスクドライブ
から取り出す途中の状態を示す。 【図３】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概略
図で、ディスク交換のためディスクをディスクドライブ
から取り出した状態を示す。 【図４】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概略
図で、ディスク交換のためディスク収納位置からキャリ
ッジをドライブ位置へ移動させる状態を示す。 【図５】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概略
図で、ディスク交換のためディスク収納位置からキャリ
ッジをドライブ位置へ移動させた状態を示す。 【図６】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概略
図で、ディスク交換のためディスク収納位置の下のキャ
リッジを上に空いたスペースへ移動させる状態を示す。 【図７】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概略
図で、ディスク交換のためディスク収納位置の下のキャ
リッジを上に空いたスペースへ移動させた状態を示す。 【図８】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概略
図で、ディスク交換のためドライブ位置から今までディ
スクドライブに装着されていたディスクを収めたキャリ
ッジをディスク収納位置へ移動させる状態を示す。 【図９】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概略
図で、ディスク交換のためドライブ位置から今までディ
スクドライブに装着されていたディスクを収めたキャリ
ッジをディスク収納位置へ移動させた状態を示す。 【図１０】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概
略図で、選択されたディスクを収めたキャリッジをディ
スクドライブ上に空いたスペースへ移動させる状態を示
す。 【図１１】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概
略図で、選択されたディスクを収めたキャリッジをディ
スクドライブ上に空いたスペースへ移動させた状態を示
す。 【図１２】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概
略図で、クランパーアームを降下させてクランパーをデ
ィスクドライブに向けて移動させる状態を示す。 【図１３】ディスクチェンジャーの一実施形態を示す概
略図で、クランパーアームでキャリッジとリフタを降下
させてディスクドライブにディスクを装填させた状態を
示す。 【図１４】プレイモード状態のディスクチェンジャーを
示す。 【図１５】ディスク再生中にディスク収納位置のディス
クを交換するためトレイを開ける途中状態を示す。 【図１６】ディスク再生中にディスク収納位置のディス
クを交換するためトレイを開けた状態を示す。 【図１７】ディスク再生中にディスク収納位置のディス
クを交換するためトレイを開けた状態で更に上のキャリ
ッジをトレイ奥側へ移動させ、下のキャリッジを開く途
中状態を示す。 【図１８】ディスク再生中にディスク収納位置のディス
クを交換するためトレイを開けた状態で更に上のキャリ
ッジをトレイ奥側へ移動させ、下のキャリッジを開いた
状態を示す。 【図１９】ディスクチェンジャー内に配置されたキャリ
ッジとキャリッジ昇降機構及び移動機構の概略を示す平
面図である。 【図２０】キャリッジ移動機構を構成するピン歯車とキ
ャリッジの側縁に形成された歯との関係を示す説明図で
ある。 【図２１】ディスクセット機構の概略説明図で、リフタ
に支えられたキャリッジがディスク非装填位置に配置さ
れた状態を示す。 【図２２】ディスクセット機構の概略説明図で、ディス
ク非装填位置からリフタによってキャリッジがディスク
収納位置の下のキャリッジと同位置まで押し上げられた
状態を示す。 【図２３】キャリッジ昇降機構の概略説明図で、ディス
ク収納位置の下のキャリッジと同位置まで押し上げられ
たキャリッジを更に星形歯車で上方のスペースへ持ち上
げる途中状態を示す。 【図２４】キャリッジ昇降機構の概略説明図で、ディス
ク収納位置の下のキャリッジと同位置まで押し上げられ
たキャリッジを更に星形歯車で上方のスペースへ持ち上
げた状態を示す。 【図２５】ディスク交換におけるキャリッジの動きを示
す説明図で、演奏中のディスクを収めていたキャリッジ
がディスク装填位置に移動した状態を示す。 【図２６】ディスク交換におけるキャリッジの動きを示
す説明図で、演奏中のディスクを交換するためキャリッ
ジがディスク装填位置からディスク非装填位置へ移動し
た状態を示す。 【図２７】ディスク交換におけるキャリッジの動きを示
す説明図で、ディスクドライブから回収したディスクを
収めたキャリッジを更に上方のスペースへ移動させる途
中状態を示す。 【図２８】ディスク交換におけるキャリッジの動きを示
す説明図で、ディスクドライブから回収したディスクを
収めたキャリッジを更に上方のスペースへ移動させてデ
ィスク収納位置の上側のキャリッジと同じ位置に配置し
た状態を示す。 【図２９】ディスク交換におけるキャリッジの動きを示
す説明図で、ディスクドライブから回収したディスクを
収めたキャリッジの下のスペースへ選択されたディスク
を収めたディスク収納位置の下のキャリッジを移動させ
る状態を示す。 【図３０】ディスクチェンジャーの一実施例を示す縦断
面図である。 【図３１】図３０のディスクチェンジャーのキャリッジ
の側縁を示す断面図である。 【図３２】図３０のディスクチェンジャーのドライブ位
置の横断面図である。 【図３３】図３０のディスクチェンジャーのディスク収
納位置の横断面図である。 【図３４】本発明のキャリッジ保持機構を示す概略説明
図である。 【図３５】本発明のキャリッジ保持機構を示す概略説明
図である。 【図３６】従来の３枚ディスク型ディスクチェンジャー
の平面図である。 【図３７】改良前のキャリッジ昇降機構を示す概略説明
図である。 【符号の説明】 １ キャリッジ ３ ディスクドライブ ７ ディスク １９ クランパー ２０ ディスクセット機構を構成するクランパーアーム ２３ 装置フレーム ２６ ディスクセット機構を構成するリフタ ２６ｂ リフタの奥側下端部 ２７ ディスクセット機構を構成するリターンスプリン
グ ３６ フレームに設けられた凸部 ３７ クランパーアームの押圧部

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 ディスクチェンジャーのディスクを載置
   しながら昇降及び水平移動するキャリッジの水平を保つ
   機構であって、前記ディスクチェンジャーは再生位置に
   ある前記キャリッジを昇降させるリフタと該リフタを上
   方付勢するリターンスプリングとピックアップのターン
   テーブルに前記ディスクをクランプするクランパーを支
   承しさらに前記キャリッジを押圧する押圧部を有するク
   ランパーアームとを備えるとともに前記ディスクチェン
   ジャーのフレームには前記クランパーアームにより再生
   位置上の前記キャリッジを押し下げたときに前記リフタ
   の奥側下端部と当接して前記キャリッジを前記ディスク
   と平行に保持する凸部を設けていることを特徴とするキ
   ャリッジ保持機構。