JP3415447B2 - 装置における部品間の干渉を検証する干渉検証装置および方法 - Google Patents
装置における部品間の干渉を検証する干渉検証装置および方法Info
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Description
渉の検証技術に係り、より詳しくは、複数の部品から成
る装置の設計段階において、組立時に発生する部品間の
干渉を検証する干渉検証装置およびその方法に関する。
組立においては、2つの部品を組み合わせる際、部品の
弾性を利用する方法がとられることがある。このとき、
一方の部品に力を加え、他方の部品の突出部(要素)を
変形させて、両者を組み合わせる。例えば、図25のよ
うに部品1と部品2を組み合わせる場合、部品1を部品
2に押し付けて、部品2の突出部3、4を同時に変形さ
せてから、部品1を部品2にはめ込む。これにより、突
出部3、4が部品1のくぼみ5、6に入り込み、変形前
の状態に戻る。
み立てられた状態で3次元CAD(computer-aided des
ign )の干渉チェック機能を用いて干渉チェックを行
い、それぞれの部品が組立可能であるかどうかを検証す
る。その結果、部品2の突出部3、4が部品1のくぼみ
5、6に入っているので、干渉状態は検出されず、組立
可能と判断することができる。
ロセッサの処理能力の向上に伴い、上述のような組み立
てられた状態での干渉チェックではなく、組立経路を含
めた動的な干渉チェックが可能となってきている。一
方、上述のような部品同士の組立においては、一方の部
品が一時的に変形した後、所定の位置で元の形状に戻
り、両者が組み合わされる。したがって、動的な干渉チ
ェックが可能な3次元CADを用いた組立シミュレーシ
ョンにおいても、組立可能という判定結果が得られるこ
とが望ましい。
テムでは、各部品を剛体とみなして干渉検証を行うた
め、部品の変形まで考慮して組立の可否をチェックする
ことはできない。したがって、図25のように、実際に
は組立が可能な場合でも、部品1と部品2は干渉すると
みなされ、組立不可能という判定結果しか得られない。
品の構造解析と組み合わせる方法も考えられる。この場
合、組立シミュレーションにおいて部品同士が接触した
時点で、接触した突出部の構造解析計算を行う。この方
法では、接触した部品間の距離計算に構造解析の数値計
算が加わるため、処理速度が遅くなるという問題があ
る。
では、本来、組立可能な場合でも、組立不可能と評価し
たり、正確な判定結果を得るために多大な計算時間を必
要としたりする問題がある。
の設計段階において、部品の変形を考慮した干渉検証を
行って、組立の可否を効率よくチェックする干渉検証装
置およびその方法を提供することである。
証装置の原理図である。図1の干渉検証装置は、シミュ
レーション手段11、格納手段12、変形手段13、お
よび検証手段14を備え、複数の部品から成る装置にお
ける部品間の干渉検証を行う。
部品の形状情報を用いて、それらの部品の位置関係をシ
ミュレートし、格納手段12は、それらの部品のうち少
なくとも1つの部品の変形形状情報を格納する。
1が上記複数の部品のうちの1つを移動させる過程で、
移動した部品が他の部品に接触したとき、接触した2つ
の部品のうち少なくとも一方が変形可能かどうかを判定
し、格納手段12から変形可能な部品の変形形状情報を
取り出し、取り出した変形形状情報を用いてその部品の
形状を変更する。そして、検証手段14は、変更された
形状に基づいて、上記複数の部品間の干渉状態を検証す
る。
Dにより生成された3次元モデルデータに対応し、部品
の形状を表す。シミュレーション手段11は、各部品の
形状情報を用いて、3次元空間におけるそれらの部品の
位置関係を表現する。また、部品の変形形状情報とは、
部品が外部から受ける力等の要因により変形したときの
形状を表すデータに対応し、あらかじめ作成されて、格
納手段12に格納されている。
ーションの過程で、1つの部品が移動して他の部品と接
触したとき、それらの2つの部品のうち少なくとも一方
の部品の変形形状情報が格納手段12に格納されていれ
ば、変形手段13は、その変形形状情報を用いて対応す
る部品の形状を変更する。これにより、それらの2つの
部品の関係が変化して、干渉しなくなる場合がある。検
証手段14は、変更された形状に基づいて、形状の変更
された部品と他の部品の間の干渉チェックを行い、その
結果を出力する。
組立シミュレーション等において2つの部品が接触した
ときでも、いずれかの部品を変形させることにより、こ
れらの部品の干渉を解除して、シミュレーションを続行
することができる。そして、変形後の部品が他の部品と
干渉を起こさなければ、組立可能と判定することができ
る。したがって、設計段階における組立可否の判定精度
が向上する。
存されているため、部品同士が接触する度に複雑な構造
解析計算を行う必要がなく、干渉検証を高速に行うこと
ができる。
は、後述する図2の組立シミュレータ25に対応し、図
1の格納手段12は図2のライブラリ28に対応し、図
1の変形手段13は図2の干渉検証部29および表示制
御部30に対応し、図1の検証手段14は図2の干渉検
証部29に対応する。
明の実施の形態を詳細に説明する。本発明の干渉検証装
置は、次のような機能を備える。 (1)2つの部品が衝突した時に、それらが弾性体のよ
うに変形可能な要素を含むかどうかを判定する機能 (2)変形可能な要素の変形状態を、ライブラリとして
管理する機能 (3)変形可能な要素の変形状態を、力の加わる方向に
応じて、ライブラリから選択する機能 (4)選択された変形後の形状に基づき、部品間の干渉
を検証する機能 (5)変形した要素を元の状態に戻し、最終組立状態を
表現する機能 このように、変形可能な要素の形状をあらかじめライブ
ラリに登録しておけば、組立時における部品の変形を容
易にシミュレートすることができ、時間のかかる構造解
析を行わなくても、変形後の形状による干渉検証を行う
ことができる。したがって、変形可能な要素を含む部品
の組立の可否を、正確かつ高速にチェックすることが可
能になる。設計段階で正確な組立チェックが行われれ
ば、不具合の早期発見が可能となり、試作段階に移行し
てから設計段階に差し戻される設計手戻りが回避され
る。
ある。図2の干渉検証装置は、例えば、コンピュータを
用いて構成され、表示装置21、入力装置22、印刷装
置23、インタフェース部24、組立シミュレータ2
5、作業領域26、ライブラリアクセス部27、および
ライブラリ28を備える。
および表示制御部30を含み、メモリ上の作業領域26
を用いて必要な処理を実行する。組立シミュレータ2
5、干渉検証部29、および表示制御部30は、プログ
ラムにより記述されたソフトウェアコンポーネントに対
応する。
置(製品)を構成する部品を設計し、それらの形状や位
置関係を表現する3次元モデルデータ32を作成する。
組立シミュレータ25は、インタフェース部24を介し
て、3次元モデルデータ31を読み込み、指定された順
序および組立経路で部品を組み立てるシミュレーション
を行う。
−311883(「機械装置の設計/製造工程支援装
置」)において説明されているように、製品の組立過程
において、組み付けようとする部品が現在位置から目標
位置まで移動する経路を表す。
において2つの部品が衝突した時に、それらが変形可能
な要素を含むかどうかをチェックする。そのような要素
を含む部品があれば、ライブラリアクセス部27を介し
て、ライブラリ28からその部品の変形後の形状を取り
出し、元の形状と置き換える。そして、変形後の形状に
基づいて、部品間の干渉を検証する。
における各段階の製品の組立状態を、インタフェース部
24を介して、表示装置21の画面に表示する。ライブ
ラリ28の情報により部品が変形された場合は、変形後
の部品の形状を表示した後、その部品が他の部品と組み
合わされた後の状態を表示する。入力装置22は、ユー
ザからの指示や情報の入力に用いられ、印刷装置23
は、製品の組立状態等の情報の出力に用いられる。ユー
ザは、設計者と同一である場合とそうでない場合とがあ
る。
28の構成例を示している。図3のライブラリは、要素
定義テーブル41と変形形状定義テーブル42から成
る。要素定義テーブル41の要素名は、3次元モデルデ
ータ32に含まれる各部品の一部分を表す要素のうち、
変形可能なものの識別情報を表し、要素形状は、各要素
の設計時(変形前)の形状を表す形状定義データを記述
している。また、材質は、各要素の材質の識別情報を表
し、干渉面は、各要素において、組立時に他の部品と干
渉する可能性のある面の識別情報を表す。また、方向
は、干渉面に力が加わる方向を表し、変形形状定義テー
ブル42の対応するエントリへのポインタ43を含んで
いる。
件は、要素定義テーブル41の対応する材質、干渉面、
および方向の識別情報を表し、変形形状は、各要素の変
形後の形状を表す変形形状データを記述している。この
ような構成によれば、変形形状データは、材質、干渉
面、および方向の組み合わせによって変更することがで
きる。ここでは、材質の相違は、要素の弾性の相違に対
応している。
要素と、登録されていても変形形状定義テーブル42に
対応する変形形状データが格納されていない要素につい
ては、干渉が発生しても変形しないものとみなされる。
は、干渉面と方向を干渉条件として、図4に示すような
情報がライブラリに格納される。図4において、要素名
Aと形状定義データ51は要素定義テーブル41に格納
され、変形形状データ52、53は変形形状定義テーブ
ル42に格納される。
に、他の部品54が組立経路に沿って方向d1に移動
し、突出部3の面aと接触したとき、突出部3が部品5
4から受ける力によって変形した後の形状を表してい
る。また、変形形状データ53は、図6に示すように、
他の部品55が組立経路に沿って方向d2に移動し、突
出部3の面aと接触したとき、突出部3が部品55から
受ける力によって変形した後の形状を表している。
向毎に異なる変形形状を定義しておくことで、干渉が検
出された時点における実際の組立方向に応じて変形形状
を選択することができ、よりフレキシブルな干渉検証が
行われる。
証を行う場合は、干渉面、方向、および材質を干渉条件
として、図7に示すような情報がライブラリに格納され
る。図7において、要素名Aと形状定義データ61は要
素定義テーブル41に格納され、変形形状データ62、
63、64、65は変形形状定義テーブル42に格納さ
れる。
1で、組立経路の方向がd1で、干渉面がaのときの変
形形状を表し、変形形状データ63は、要素Aの材質が
m1で、組立経路の方向がd2で、干渉面がaのときの
変形形状を表す。また、変形形状データ64は、要素A
の材質がm2で、組立経路の方向がd1で、干渉面がa
のときの変形形状を表し、変形形状データ65は、要素
Aの材質がm2で、組立経路の方向がd2で、干渉面が
aのときの変形形状を表す。
立経路の方向毎に異なる変形形状を定義しておくこと
で、干渉が検出された時点における実際の組立方向と干
渉部品の材質に応じて変形形状を選択することができ、
よりフレキシブルな干渉検証が行われる。
細に説明する。まず、干渉時に形状を1回だけ変更する
単一段階干渉検証について説明する。図8は、単一段階
干渉検証処理のフローチャートである。
ックの対象となる部品群の3次元モデルデータ32を、
インタフェース部24を通して作業領域26に取り込み
(ステップS1)、表示制御部30は、各部品の初期状
態を表示装置21に表示する(ステップS2)。
を用いて、組立対象部品を選択し、その最終位置までの
組立経路を指定する。組立シミュレータ25は、選択さ
れた部品を指定された経路に沿って移動させながら(ス
テップS3)、最終位置に到達したかどうかを判定する
(ステップS4)。
部29は、移動する途中で他の部品との干渉(接触)が
発生したかどうかを判定する(ステップS5)。そし
て、他の部品との干渉を検出すると、干渉相手の部品の
要素が既に変形後の形状に置き換えられているかどうか
を判定する(ステップS6)。
ライブラリアクセス部27を用いてライブラリ28を検
索し、その要素が変形を許す要素として登録されている
かどうかを調べる(ステップS7)。ここでは、まず、
要素定義テーブル41の要素名を調べ、干渉相手の要素
が登録されているかどうかを判定する(ステップS
8)。
ば、次に、干渉状態に合わせてその要素の材質、干渉
面、および干渉方向を選択し、ポインタ43を用いて変
形形状定義テーブル42にアクセスする。そして、選択
した干渉条件に対応する変形形状が登録されているかど
うかを判定する(ステップS9)。
録されていれば、表示制御部30は、その変形形状デー
タを用いて、作業領域26上で干渉相手の要素の元の形
状を変形形状に置き換え、変形後の形状を表示する(ス
テップS10)。そして、元の形状を作業領域26内の
退避領域に退避させる。その後、組立シミュレータ25
は、ステップS3以降の処理を繰り返す。ステップS5
において、他の部品との干渉が発生していない場合も、
ステップS3以降の処理が繰り返される。
って部品54が突出部3に接触した場合は、突出部3の
要素名Aをキーとして図4のようなライブラリが検索さ
れ、実際の干渉面aおよび方向d1に対応する変形形状
52が選択される。そして、最初に読み込まれた元の形
状51が変形形状52と置き換えられ、変形形状52が
表示されて、元の形状51は退避させられる。
のようなライブラリを用いた場合は、実際の材質m1、
干渉面a、および方向d1に対応する変形形状62が選
択される。そして、最初に読み込まれた元の形状61が
変形形状62と置き換えられ、変形形状62が表示され
て、元の形状61は退避させられる。
要素が既に変形後の形状に置き換えられている場合は、
干渉検証部29は、その要素はそれ以上変形しないもの
とみなす。そして、表示制御部30は、「干渉発生」の
情報を、インタフェース部24を通して表示装置21に
表示し(ステップS11)、処理を終了する。
要素定義テーブル41に登録されていない場合、および
ステップS9において、変形形状が変形形状定義テーブ
ル42に登録されていない場合も、その要素は変形しな
いものとみなされ、「干渉発生」の情報が表示されて
(ステップS11)、処理が終了する。
部品が最終位置に到達したとき、干渉検証部29は、退
避領域に退避させてある元の形状を復元するかどうかを
ユーザに問い合わせる(ステップS12)。ユーザが復
元を指示すると、変形形状を元の形状と置き換え、表示
制御部30は、元の形状を表示する(ステップS1
3)。
いて、最終組立状態における干渉チェックを行い(ステ
ップS14)、表示制御部30は、その結果を表示して
(ステップS15)、処理を終了する。最終組立状態に
おいて干渉が検出されなければ、指定された組立経路の
組立が可能であるという判定結果が表示される。また、
ステップS12において、ユーザが復元を指示しなけれ
ば、変形形状を用いてステップS14以降の処理を行
う。
段階干渉検証について説明する。図9は、最終位置まで
に干渉が2回発生する組立経路の例を示している。この
組立経路に沿って方向d1に部品71を移動させると、
他の部品の突出部72の2つの面a、bと部品71との
間で干渉が発生する。まず、図10に示すように、部品
71が面aと干渉し、突出部72が変形した後、図11
に示すように、部品71が面bと干渉し、突出部72が
さらに変形する。
て、図12に示すような情報がライブラリに格納され
る。図12において、要素名Bと形状定義データ73は
要素定義テーブル41に格納され、変形形状データ7
4、75は変形形状定義テーブル42に格納される。
うに、他の部品71が組立経路に沿って方向d1に移動
し、突出部72の面aと接触したとき、突出部72が部
品71から受ける力によって変形した後の形状を表して
いる。また、変形形状データ75は、図11に示したよ
うに、他の部品71が組立経路に沿って方向d1に移動
し、突出部72の面bと接触したとき、突出部72が部
品71から受ける力によって変形した後の形状を表して
いる。
ャートである。図13において、ステップS21、S2
2、S23、S24、S25、S26、S27、S2
8、S29、S30、S32、S33、S34、S3
5、およびS36の処理は、図8に示した処理と同様で
ある。ステップS31が、新たに付け加えられた処理に
相当する。
の要素が既に変形後の形状に置き換えられている場合
は、干渉検証部29は、現在の干渉面が既に干渉した面
であるかどうかを判定する(ステップS31)。それが
既に干渉した面であれば、その要素はそれ以上変形しな
いものとみなして、ステップS32の処理を行う。ま
た、それが既に干渉した面でなければ、その要素はさら
に変形する可能性があるとみなして、ステップS27以
降の処理を行い、ライブラリを検索する。
って部品71が突出部72の面aに接触した場合は、突
出部72の要素名Bをキーとして図12のようなライブ
ラリが検索され、干渉面aおよび方向d1に対応する変
形形状74が選択される。そして、元の形状73が変形
形状74と置き換えられ、変形形状74が表示されて、
元の形状73は退避させられる。
触すると、図12のライブラリが再び検索されて、干渉
面bおよび方向d1に対応する変形形状75が選択され
る。そして、既に表示されている変形形状74が変形形
状75と置き換えられ、変形形状75が表示される。そ
の後、ステップS34において元の形状を復元する場合
は、元の形状73が用いられる。
発生するため2段階の干渉検証が行われるが、干渉がN
個の面で発生する場合も、同様の手順でN段階の干渉検
証が行われる。
部品が弾性により変形する場合を想定しているが、本実
施形態の干渉検証処理は、その他の任意の形状変更につ
いても適用することができる。
性変形による変形形状の代わりに、あらかじめ決められ
た省略形状をライブラリ28に登録しておくことで、同
様の組立チェックを行うことができる。この場合、干渉
検証部29は、干渉発生時に、省略形状を用いて干渉相
手を変形させ、最終組立状態において、それを元の形状
に戻して干渉チェックを実行する。
組立経路の例を示している。この組立経路に沿って部品
81を突出部82にはめ込むとき、両者の間で干渉が発
生する。しかし、実際には、突出部82にはバネ機構8
3、84が組み込まれており、これらの位置で折れ曲が
るように設計されている。そして、部品81を最終位置
まで移動させると、図15に示すように、折れ曲がった
部分が自律的に元に戻り、部品81と突出部82が組み
合わされる。
に示すような情報がライブラリに格納される。図16に
おいて、要素名Cと形状定義データ85は要素定義テー
ブル41に格納され、変形形状データ86は変形形状定
義テーブル42に格納される。この変形形状データ86
は、突出部82の省略形状を表している。
立経路に沿って移動し、突出部82と接触したとき、図
17に示すように、突出部82が元の形状から省略形状
に置き換えられて、干渉検証が続行される。そして、最
終組立状態では、図18に示すように、突出部82が省
略形状から元の形状に復元されて、干渉チェックが実行
される。
により塑性変形を起こす場合、弾性変形による変形形状
の代わりに、あらかじめ決められた塑性変形後の形状を
ライブラリ28に登録しておくことで、同様の組立チェ
ックを行うことができる。この場合、干渉検証部29
は、干渉発生時に、塑性変形後の形状を用いて干渉相手
を変形させ、最終組立状態において、それを元の形状に
戻して干渉チェックを実行する。
組み合わせる組立経路の例を示している。この組立経路
に沿って部品91を突出部92にはめ込むとき、両者の
間で干渉が発生する。しかし、実際には、図20に示す
ように、突出部92が組立時に塑性変形を起こして、部
品91に組み合わされるように設計されている。
に示すような情報がライブラリに格納される。図21に
おいて、要素名Dと形状定義データ93は要素定義テー
ブル41に格納され、変形形状データ94は変形形状定
義テーブル42に格納される。この変形形状データ94
は、突出部92の塑性変形後の形状を表している。
立経路に沿って移動し、突出部92と接触したとき、突
出部92が元の形状から塑性変形後の形状に置き換えら
れて、干渉検証が続行される。この場合、最終組立状態
においても、図20に示したように、変形形状が保持さ
れ、元の形状は復元されない。
リ28に登録する変形形状データの作成方法は任意であ
るが、例えば、次のいずれかの方法を用いることができ
る。 (1)構造解析プログラムを用いて、設計された部品の
各面に各方向から力を加えた時の形状を計算し、得られ
た形状のデータを変形形状データとして利用する。図2
2は、構造解析により得られた変形形状の例を示してい
る。図22において、破線は変形前の形状を表し、実線
は変形後の形状を表す。 (2)経験的に変形形状が推定できる場合、あるいはあ
らかじめ変形形状が決められている場合は、そのデータ
をそのまま変形形状データとして利用する。
例としては、例えば、ゴムやプラスチックが挙げられ、
剛体の例としては、例えば、金属やセラミックが挙げら
れ、塑性体の例としては、例えば、プラスチックが挙げ
られる。図3の要素定義テーブル41の材質の識別情報
を用いれば、これらの性質の違いを区別することがで
き、それぞれに対応する変形形状を登録しておくことが
できる。
干渉面、および方向の組み合わせを干渉条件として、対
応する変形形状データを指定しているが、干渉面に加わ
る力の大きさや部品の移動速度等の他の条件を干渉条件
として用いてもよい。一般に、干渉条件として用いるパ
ラメータの数は任意である。
は、移動させた部品の干渉相手の要素を変形させて処理
を続けているが、その代わりに、移動させた部品の要素
を変形させて処理を続けても構わない。この場合、ライ
ブラリ28内で移動させた部品の要素を検索し、対応す
る変形形状を取り出して、元の形状と置き換える処理を
行う。接触した2つの部品のどちらを変形させるかは、
ユーザが指定してもよく、あらかじめ決められたアルゴ
リズムによりシステムが自動的に決めてもよい。両方の
部品が変形するようなアルゴリズムも考えられる。
置の組立シミュレーションにおいてだけでなく、3次元
モデルを利用したあらゆる物体間の干渉チェックにおい
て利用される。例えば、複数の部品から成る装置を決め
られた分解経路にしたがって分解する場合にも、同様の
干渉検証を行って、分解の可否をチェックすることがで
きる。ここで、分解経路とは、装置の分解過程におい
て、取り外そうとする部品が現在位置から目標位置まで
移動する経路を表す。
に示すような情報処理装置(コンピュータ)を用いて構
成することができる。図23の情報処理装置は、CPU
(中央処理装置)101、メモリ102、入力装置10
3、出力装置104、外部記憶装置105、媒体駆動装
置106、およびネットワーク接続装置107を備え、
それらはバス108により互いに接続されている。
nly memory)、RAM(random access memory)等を含
み、処理に用いられるプログラムとデータを格納する。
CPU101は、メモリ102を利用してプログラムを
実行することにより、必要な処理を行う。
29、および表示制御部30は、プログラムにより記述
されたソフトウェアコンポーネントに対応し、メモリ1
02内の特定のプログラムコードセグメントに格納され
る。また、図2の作業領域26は、メモリ102内の特
定の記憶領域に対応する。
ポインティングデバイス、タッチパネル等であり、ユー
ザからの指示や情報の入力に用いられる。出力装置10
4は、例えば、ディスプレイや印刷装置等であり、ユー
ザへの問い合わせ、処理結果等の出力に用いられる。入
力装置103は、図2の入力装置22に対応し、出力装
置104は、図2の表示装置21および印刷装置23に
対応する。
スク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク(magneto-
optical disk)装置等である。この外部記憶装置105
に、上述のプログラムとデータを保存しておき、必要に
応じて、それらをメモリ102にロードして使用するこ
ともできる。また、外部記憶装置105は、ライブラリ
28や3次元モデルデータ32を格納するデータベース
の役割も果たす。
9を駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬記録媒
体109としては、メモリカード、フロッピーディス
ク、CD−ROM(compact disk read only memory
)、光ディスク、光磁気ディスク等、任意のコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体が用いられる。この可搬記
録媒体109に上述のプログラムとデータを格納してお
き、必要に応じて、それらをメモリ102にロードして
使用することもできる。
(local area network)等の任意のネットワーク(回
線)を介して外部の装置と通信し、通信に伴うデータ変
換を行う。また、必要に応じて、上述のプログラムとデ
ータを外部の装置から受け取り、それらをメモリ102
にロードして使用することもできる。
ラムとデータを供給することのできるコンピュータ読み
取り可能な記録媒体を示している。可搬記録媒体109
や外部のデータベース110に保存されたプログラムと
データは、メモリ102にロードされる。そして、CP
U101は、そのデータを用いてそのプログラムを実行
し、必要な処理を行う。
置の設計段階において、部品の変形を考慮した干渉検証
を行って、装置の組立/分解の可否を効率よくチェック
することができる。これにより、設計段階における組立
/分解シミュレーションの精度が向上し、試作段階にお
ける設計手戻りが削減されるため、製品開発期間の短縮
に寄与するところが大きい。
る。
る。
6、94 変形形状データ 83、84 バネ機構 101 CPU 102 メモリ 103 入力装置 104 出力装置 105 外部記憶装置 106 媒体駆動装置 107 ネットワーク接続装置 108 バス 109 可搬記録媒体 110 データベース
Claims (16)
- 【請求項1】 複数の部品から成る装置における部品間
の干渉検証を行う干渉検証装置であって、 前記複数の部品の形状情報を用いて、該複数の部品の位
置関係をシミュレートするシミュレーション手段と、 前記複数の部品のうち少なくとも1つの部品の変形形状
情報を格納する格納手段と、前記シミュレーション手段が前記複数の部品のうちの1
つを移動させる過程で、移動した部品が他の部品に接触
したとき、接触した2つの部品のうち少なくとも一方が
変形可能かどうかを判定し、前記格納手段から変形可能
な部品の変形形状情報を取り出し、取り出した 変形形状
情報を用いて該変形可能な部品の形状を変更する変形手
段と、 変更された形状に基づいて、前記複数の部品間の干渉状
態を検証する検証手段とを備えることを特徴とする干渉
検証装置。 - 【請求項2】 前記変形可能な部品の変更された形状を
表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求
項1記載の干渉検証装置。 - 【請求項3】 前記シミュレーション手段が前記移動し
た部品を目標位置まで移動させたとき、前記変形手段
は、前記変形可能な部品の変更された形状を元の形状に
戻し、前記検証手段は、該元の形状に基づいて、前記複
数の部品間の干渉状態を検証することを特徴とする請求
項1記載の干渉検証装置。 - 【請求項4】 前記格納手段は、あらかじめ決められた
干渉条件に応じて前記変形形状情報を格納し、前記変形
手段は、前記接触した2つの部品の状態を表す干渉条件
に対応する変形形状情報を選択することを特徴とする請
求項1記載の干渉検証装置。 - 【請求項5】 前記格納手段は、材質、干渉面、および
干渉方向のうち少なくとも1つ以上の情報を前記干渉条
件として用いて、前記変形形状情報を格納することを特
徴とする請求項4記載の干渉検証装置。 - 【請求項6】 前記格納手段は、弾性変形、剛体の突出
部を省略する変形、および塑性変形のうち少なくとも1
つ以上の変形に対応する変形形状情報を格納することを
特徴とする請求項1記載の干渉検証装置。 - 【請求項7】 複数の部品から成る装置の組立過程にお
ける部品間の干渉検証を行う干渉検証装置であって、 前記複数の部品の形状情報を用いて、該複数の部品の位
置関係をシミュレートするシミュレーション手段と、 前記複数の部品のうち少なくとも1つの部品の変形形状
情報を格納する格納手段と、 前記シミュレーション手段が前記複数の部品のうちの1
つを組立経路に沿って移動させる過程で、移動した部品
が他の部品に接触したとき、接触した2つの部品のうち
少なくとも一方が変形可能かどうかを判定し、前記格納
手段から変形可能な部品の変形形状情報を取り出し、取
り出した変形形状情報を用いて該変形可能な部品の形状
を変更する変形手段と、 変更された形状に基づいて、前記複数の部品間の干渉状
態を検証する検証手段とを備えることを特徴とする干渉
検証装置。 - 【請求項8】 複数の部品から成る装置の分解過程にお
ける部品間の干渉検証を行う干渉検証装置であって、 前記複数の部品の形状情報を用いて、該複数の部品の位
置関係をシミュレートするシミュレーション手段と、 前記複数の部品のうち少なくとも1つの部品の変形形状
情報を格納する格納手段と、 前記シミュレーション手段が前記複数の部品のうちの1
つを分解経路に沿って移動させる過程で、移動した部品
が他の部品に接触したとき、接触した2つの部品のうち
少なくとも一方が変形可能かどうかを判定し、前記格納
手段から変形可能な部品の変形形状情報を取り出し、取
り出した変形形状情報を用いて該変形可能な部品の形状
を変更する変形手段と、 変更された形状に基づいて、前記複数の部品間の干渉状
態を検証する検証手段とを備えることを特徴とする干渉
検証装置。 - 【請求項9】 第1および第2の物体の形状情報を用い
て、該第1および第2の物体の位置関係をシミュレート
するシミュレーション手段と、前記第1および第2の物体のうち少なくとも1つの 物体
の変形形状情報を格納する格納手段と、前記シミュレーション手段が前記第1および第2の物体
のうちの1つを移動させる過程で、移動した物体がもう
一方の物体に接触したとき、接触した2つの物体のうち
少なくとも一方が変形可能かどうかを判定し、前記格納
手段から変形可能な物体の変形形状情報を取り出し、取
り出した 変形形状情報を用いて該変形可能な物体の形状
を変更する変形手段と、 変更された形状に基づいて、前記第1の物体と前記第2
の物体の干渉状態を検証する検証手段とを備えることを
特徴とする干渉検証装置。 - 【請求項10】 複数の部品から成る装置における部品
間の干渉検証を行うコンピュータを、 前記複数の部品の形状情報を用いて、該複数の部品の位
置関係をシミュレートするシミュレーション手段と、前記複数の部品のうち少なくとも1つの部品の変形形状
情報を格納する格納手段と、 前記シミュレーション手段が前記複数の部品のうちの1
つを移動させる過程で、 移動した部品が他の部品に接触
したとき、接触した2つの部品のうち少なくとも一方が
変形可能かどうかを判定し、前記格納手段から変形可能
な部品の変形形状情報を取り出し、取り出した変形形状
情報を用いて該変形可能な部品の形状を変更する変形手
段と、 変更された形状に基づいて、前記複数の部品間の干渉状
態を検証する検証手段として機能させるためのプログラ
ムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 【請求項11】 第1および第2の物体の形状情報を用
いて、該第1および第2の物体の位置関係をシミュレー
トするシミュレーション手段と、前記第1および第2の物体のうち少なくとも1つの物体
の変形形状情報を格納する格納手段と、 前記シミュレーション手段が前記第1および第2の物体
のうちの1つを移動させる過程で、移動した物体がもう
一方の物体に接触したとき、接触した2つの物体のうち
少なくとも一方が変形可能かどうかを判定し、前記格納
手段から変形可能な物体の変形形状情報を取り出し、取
り出した 変形形状情報を用いて該変形可能な物体の形状
を変更する変形手段と、 変更された形状に基づいて、前記第1の物体と前記第2
の物体の干渉状態を検証する検証手段としてコンピュー
タを機能させるためのプログラムを記録したコンピュー
タ読み取り可能な記録媒体。 - 【請求項12】 複数の部品から成る装置における部品
間の干渉検証を行う干渉検証方法であって、格納手段が、 前記複数の部品のうち少なくとも1つの部
品の変形形状情報をあらかじめ格納し、シミュレーション手段が、 前記複数の部品の形状情報を
用いて、該複数の部品の位置関係をシミュレートし、前記シミュレーション手段が 前記複数の部品のうちの1
つを移動させる過程で、移動した部品が他の部品に接触
したとき、変形手段が、接触した2つの部品のうち少な
くとも一方が変形可能かどうかを判定し、前記格納手段
から変形可能な部品の変形形状情報を取り出し、取り出
した変形形状情報を用いて該変形可能な部品の形状を変
更し、検証手段が、 変更された形状に基づいて、前記複数の部
品間の干渉状態を検証することを特徴とする干渉検証方
法。 - 【請求項13】 格納手段が、第1および第2の物体の
うち少なくとも一方の物体の変形形状情報をあらかじめ
格納し、シミュレーション手段が、 第1および第2の物体の形状
情報を用いて、該第1および第2の物体の位置関係をシ
ミュレートし、前記シミュレーション手段が前記第1および第2の物体
のうちの1つを移動させる過程で、移動した物体がもう
一方の物体に接触したとき、変形手段が、接触した2つ
の物体のうち少なくとも一方が変形可能かどうかを判定
し、前記格納手段から変形可能な物体の変形形状情報を
取り出し、取り出した 変形形状情報を用いて該変形可能
な物体の形状を変更し、検証手段が、 変更された形状に基づいて、前記第1の物
体と前記第2の物体の干渉状態を検証することを特徴と
する干渉検証方法。 - 【請求項14】 複数の部品から成る装置における部品
間の干渉検証を行う干渉検証装置であって、 前記複数の部品の形状情報を用いて、該複数の部品の位
置関係をシミュレートするシミュレーション手段と、 前記複数の部品のうち少なくとも1つの部品の変形後の
形状を表す変形形状情報を格納する格納手段と、 前記少なくとも1つの部品が他の部品に接触したとき、
前記変形形状情報を用いて該少なくとも1つの部品の形
状を前記変形後の形状に置き換える変形手段と、 前記変形後の形状に基づいて、前記複数の部品間の干渉
状態を検証する検証手段と を備えることを特徴とする干
渉検証装置。 - 【請求項15】 複数の部品から成る装置における部品
間の干渉検証を行うコンピュータを、 前記複数の部品の形状情報を用いて、該複数の部品の位
置関係をシミュレートするシミュレーション手段と、 前記複数の部品のうち少なくとも1つの部品の変形後の
形状を表す変形形状情報を格納する格納手段と、 前記少なくとも1つの部品が他の部品に接触したとき、
前記変形形状情報を用いて該少なくとも1つの部品の形
状を前記変形後の形状に置き換える変形手段と、 前記変形後の形状に基づいて、前記複数の部品間の干渉
状態を検証する検証手段として機能させるためのプログ
ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。 - 【請求項16】 複数の部品から成る装置における部品
間の干渉検証を行う干渉検証方法であって、 格納手段が、前記複数の部品のうち少なくとも1つの部
品の変形後の形状を表す変形形状情報をあらかじめ格納
し、 シミュレーション手段が、前記複数の部品の形状情報を
用いて、該複数の部品の位置関係をシミュレートし、 変形手段が、前記少なくとも1つの部品が他の部品に接
触したとき、前記変形形状情報を用いて該少なくとも1
つの部品の形状を前記変形後の形状に置き換え、 検証手段が、前記変形後の形状に基づいて、前記複数の
部品間の干渉状態を検証する ことを特徴とする干渉検証
方法。
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