JP3412264B2 - 計測装置 - Google Patents

計測装置

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JP3412264B2
JP3412264B2 JP15561194A JP15561194A JP3412264B2 JP 3412264 B2 JP3412264 B2 JP 3412264B2 JP 15561194 A JP15561194 A JP 15561194A JP 15561194 A JP15561194 A JP 15561194A JP 3412264 B2 JP3412264 B2 JP 3412264B2
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邦義 山本
征一 関崎
弘之 佐藤
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朝日航洋株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、計測データをメモリに
記憶する計測装置に関し、より具体的には、ヘリコプタ
ーの各部の振動を計測する振動計測装置のような計測装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘリコプターでは、機体整備が、安全
上、非常に重要な作業である。従来は、一般的な周波数
分析装置により各部の振動波を解析し、異常な波が検出
されると、その部分を例えば分解検査し、原因を究明す
るといった方法が取られていた。
【0003】このような整備方法は、ヘリコプター以外
に軽飛行機又は大型の飛行機でも基本的に同じであり、
更には、飛行しない大型の機械器具などでも同じであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の周波数分析装置
は高性能であるが故に非常に大型で且つ重く、ヘリコプ
ターに組み込むことは実質的に不可能であった。従っ
て、定期点検整備の際に地上で利用されるに過ぎず、稼
働状態を継続的に監視することは不可能であった。
【0005】通常、故障とか異常は、突発的に発生して
いるようでも、それなりの前兆があるはずであり、これ
は、継続的な監視によってのみ探知可能である。
【0006】本発明は、定期点検などで過去の運転状況
を容易に確認できる計測装置を提供することを目的とす
る。
【0007】本発明はまた、ヘリコプターにも搭載でき
るような小型軽量な計測装置を提示することを目的とす
る。
【0008】本発明はまた、各部の長期的及び短期的な
稼働状況を操縦士等が運転中にも確認できる計測装置を
提示することを目的とする。
【0009】また、機器の異常による重大事故(例え
ば、墜落)の場合、事故の直前にその異常が発生してい
るはずであるが、従来は、例えば大型飛行機などで採用
されているフライト・レコーダの記録内容からどこに異
常が発生したのかを事故後に推測するしかなかった。現
在使用されているフライト・レコーダは5分間のエンド
レス・テープ式のごく旧式のものであり、しかも限られ
た箇所の情報しか記録されないので、事故原因の究明
は、通常、はなはだ困難である。
【0010】本発明はまた、重大な異常又は障害に対し
て、その前後の監視結果を保存するようにして、原因究
明が容易になるような計測装置を提示することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る計測装置
は、ヘリコプターの運転状態を計測する計測装置であっ
て、ヘリコプターのエンジンの振動を感知する第1の感
知手段と、当該ヘリコプターのロータの振動を感知する
第2の感知手段と、当該ヘリコプターの冷却ファンの振
動を感知する第3の感知手段と、当該第1の感知手段の
出力から第1周波数成分を透過する第1のフィルタと、
当該第2の感知手段の出力から第2周波数成分を透過す
る第1のフィルタと、当該第3の感知手段の出力から第
3周波数成分を透過する第3のフィルタと、当該第1、
第2及び第3のフィルタの出力を第1のサンプリング周
期で逐次、記憶する第1のメモリ手段と、当該第1、第
2及び第3のフィルタの出力を当該第1のサンプリング
周期より長い第2のサンプリング周期で加工する加工手
段と、当該加工手段による加工データを逐次、記憶する
第2のメモリ手段と、当該第1のメモリ手段の記憶デー
タを参照して、異常発生を判定する判定手段と当該判
定手段の判定結果に応じて、所定の異常状態のときに、
当該第1のメモリ手段の記憶データの更新を禁止する制
御手段とからなることを特徴とする。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の一実施例を
詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例の概略構成
ブロック図を示す。
【0017】本実施例の構成を先ず説明する。本実施例
では、ヘリコプターの主要な可動部、具体的には、エン
ジン、メイン・ロータ、メイン・ギヤ・ボックス、テイ
ル・ロータ・ギヤ・ボックス、中間ギヤ・ボックス、及
び、各種の冷却ファンの振動を計測する。10−1,1
0−5はエンジンに設置され、その振動を検出する振動
センサ、10−2は、メイン・ロータに設置され、その
振動を検出する振動センサ、10−3は、メイン・ギヤ
・ボックスに設置され、その振動を検出する振動セン
サ、10−4は、テイル・ロータ・ギヤ・ボックスに設
置され、その振動を検出する振動センサ、10−6は、
テイル・ロータに設置され、その振動を検出する振動セ
ンサ、10−7は、メイン・ギヤ・ボックス・オイル・
クーラー・ファンに設置され、その振動を検出する振動
センサ、10−8は、エンジン・オイル・クーラー・フ
ァンに設置され、その振動を検出する振動センサであ
る。
【0018】振動センサ10−1,10−2,10−
3,10−4,10−5,10−6,10−7,10−
8の出力はそれぞれ、アンプ12−1,12−2,12
−3,12−4,12−5,12−6,12−7,12
−8により増幅され、フィルタ14−1,14−2,1
4−3,14−4,14−5,12−6,12−7,1
2−8に印加される。エンジン関係のフィルタ14−
1,14−5は通過帯域が0Hz〜1kHzのローパス
・フィルタ(LPF)からなり、ロータ関係のフィルタ
14−2,14−3,14−4,14−6は、通過帯域
が2.5Hz〜50Hzのバンドパス・フィルタ(BP
F)からなり、冷却ファン関係のフィルタ14−7,1
4−8は、通過帯域が2.5Hz〜500Hzのバンド
パス・フィルタ(BPF)からなる。
【0019】16は、フィルタ14−1〜14−8の各
出力を順次、又は、その指定された出力信号を選択する
多重化回路(又はスイッチ)、18は多重化回路16の
選択出力をディジタル信号に変換するA/D変換器であ
る。A/D変換器18の出力はシステム・バス20に接
続し、システム・バス20には、後述する種々の回路又
はデバイスが接続する。
【0020】22はROM24に記憶されるプログラム
及び固定定数に従い、システム・バス20に接続する各
回路又はデバイスを制御するCPUである。ROM24
には特に、高速フーリエ変換(FFT)のためのプログ
ラムが格納されている。26は、CPU22の主記憶と
なり、制御変数等を記憶するRAM、28はCPU22
に使用者が種々の指示を入力する複数の操作キーからな
る操作装置、30は、運用状態(エンジン稼働状態)で
の経過時間を計時するリアルタイム・クロック、31は
現在日時データを出力するカレンダー・クロックであ
る。
【0021】32は、振動センサ10−1〜10−8に
よる振動計測データの、現在から過去に遡って数分程度
記憶する一次メモリである。本実施例では、一次メモリ
32に一杯のデータが書き込まれると、最も古いデータ
を消去して(又は最も古いデータの上に)新しいデータ
を書き込んでいく。このようにして、一次メモリ32に
は、現在から過去に遡った所定期間の計測データが記憶
されている。一次メモリ32は、取り外し自在な不揮発
性メモリ(電池バックアップ・システムにより実質的に
不揮発性にされてものを含む)であるのが好ましい。実
際の例では、他の回路とは別に電池でバックアップされ
たICメモリ・カードを使用したが、フラッシュ・メモ
リ又はその他の不揮発性メモリ素子を使用したメモリ・
カードでもよいことは明らかである。
【0022】一次メモリ32に記憶できる時間は、メモ
リ32の記憶容量に依存する。例えば、振動センサ10
−1〜10−8による振動計測データ(生データ)を
0.1秒間隔で記憶するとして、一次メモリ32の記憶
容量が256kBのとき、1分程度記憶できる。従っ
て、1MBでは4分程度、16MBでは64分程度記憶
できることになる。既に、1MB又は16MB程度のI
Cメモリ・カードを容易に入手できるので、一次メモリ
32には、十分な時間の計測データを記憶できる。この
ように比較的小容量でも、長い時間にわたる計測データ
を記憶できるのは、振動センサ10−1〜10−8の計
測値をフィルタ14−1〜14−8により限定された低
い周波数範囲に制限しているからである。
【0023】34は、計測データ(生データ)をフーリ
エ変換したデータ(加工データ)を運用時間の適当な時
間間隔(例えば、5時間おき)で記憶する二次メモリで
ある。運行時(本実施例では、ヘリコプターの飛行時)
に、過去のフーリエ変換データを表示する必要が無く、
生データの変化状況を表示するのみでよい場合には、単
に、5時間おきみにサンプリングした生データを二次メ
モリ34に記憶するようにしてもよい。二次メモリ34
も、新たにデータを書き込む余裕が無くなると、最も古
いデータを消去して新しいデータを記憶するが、通常の
利用例では、毎年の耐空検査時に交換して保存するの
で、このような事態が発生する可能性は低い。勿論、他
の用途で、メモリ容量によっては、古いデータを消去す
ることがありうるので、このような対策は有益である。
【0024】二次メモリ34にも、取り外し自在な不揮
発性メモリを使用するのが好ましい。詳細は後述する
が、二次メモリ34の記憶データは、各部の全体的な傾
向を把握するのに使用でき、これにより、運用時又は点
検整備時に、現在の状況を過去の傾向と比較して判断で
きる。
【0025】36は、DMA制御回路であり、主とし
て、A/D変換器18の出力データを一次メモリ32に
DMA転送するのに使用される。DMA制御回路36は
また、一次メモリ32、二次メモリ34及びRAM26
間でデータをDMA転送する場合にも、これを制御す
る。
【0026】38は、操作の指示や警告などの各種の状
態を表示する表示灯である。各振動源の状態を表示する
ものとして、正常であることを示す緑色ランプ(又はL
ED)、要注意状態であることを示す黄色ランプ(又は
LED)、及び危険状態であることを示す赤色ランプ
(又はLED)がある。本実施例では、全振動センサ1
0−1〜10−8に一連記号を付してあり、不具合の発
生時には、該当する記号を表示することで不具合箇所を
操縦者等に知らせるようになっている。振動センサ10
−1〜10−8の設置箇所を示す配置表示図に重ねて、
これら3段階のランプを各振動源に配置するのが好まし
い。このようにすると、要注意又は危険な箇所を容易に
認識できるようになる。
【0027】40は、所定の警告時にブザー音を出力す
るブザーである。
【0028】42は、画像モニタ44に表示すべき画像
データを記憶するビデオRAMである。周知の通り、ビ
デオRAM42に書き込まれた画像データに対応する画
像が、画像モニタ44の画面に表示される。
【0029】一次メモリ32及び二次メモリ34は共
に、システム・バス20から取り外し自在である。これ
により、メモリ32,34を別のコンピュータに容易に
接続することができ、メモリ32,34に記憶されるデ
ータを、別のコンピュータにより解析できる。このため
には、例えば、メモリ32,34の接続インターフェー
スを標準的なもの、例えばPCMCIAインターフェー
スとする。
【0030】図1に示す回路は、これを搭載するヘリコ
プターとは別の電源電池から必要な電力を供給されてい
る。従って、通常、ヘリコプター自体が停止していると
きでも、図1に示す回路、特に、RAM26及びメモリ
32,34は記憶データを保持できる。メモリ32,3
4を不揮発性記憶手段とすることにより、図1に示す回
路全体の電源電池の消耗に備えると共に、メモリ32,
34を取り外し自在として、別のコンピュータで情報を
解析でき、事故時のデータ保全を完全なものとしてい
る。
【0031】以下、本実施例の動作を詳細に説明する。
図2は、本実施例の主たる動作のフローチャートを示
し、図3は、図2のS11,15の詳細なフローチャー
トを示す。
【0032】先ず、計測データの記録動作を説明する。
エンジンの始動により図1に示す装置に電源が投入さ
れ、リアルタイム・クロック30が計時を再開し、CP
U22はROM24に記憶される動作プログラム及び固
定データに従って全体を制御する。先ず、初期化処理が
実行され(S1)、計測データの一次メモリ32への書
き込み処理と、モニタ44への表示処理が起動される
(S2,S3)。
【0033】振動センサ10−1〜10−8は、各部の
振動を検出し、その各出力は、アンプ12−1〜12−
8で増幅され、フィルタ14−1〜14−8に印加され
る。フィルタ14−1,14−5はそれぞれ、アンプ1
2−1,12−5の出力から0Hz乃至1kHzの周波
数成分を抽出し、フィルタ14−2〜14−4,12−
6はそれぞれ、アンプ12−2〜12−4,12−6の
出力から2.5Hz乃至50Hzの周波数成分を抽出
し、フィルタ14−7,14−8はそれぞれ、アンプ1
2−7,12−8の出力から2.5Hz乃至500Hz
の周波数成分を抽出する。
【0034】フィルタ14−1〜14−8の出力は多重
化回路16に印加され、多重化回路16はフィルタ14
−1〜14−8の各出力を順に選択して、A/D変換器
18に印加する。多重化回路16は、各振動センサ10
−1〜10−8の計測値を0.1秒間隔でサンプリング
することになるように、フィルタ14−1〜14−8の
出力を順番に選択する。A/D変換器18は多重化回路
16から出力されるアナログ信号をディジタル信号に変
換する。
【0035】DMA制御回路36はA/D変換器18の
出力を一次メモリ32にDMA転送し、一次メモリ32
の記憶空間に順番に書き込んでいく(S2)。同時に、
リアルタイム・クロック30及びカレンダ・クロック3
1の時間情報も、各計測データに関連づけて記憶され
る。これにより、事後的な解析が容易になる。先に述べ
たように、一次メモリ32が一杯になると、最も古いデ
ータの部分に、新しいデータが書き込まれる。このよう
にして、一次メモリ32には、現在から過去にさかのぼ
る所定期間にわたる、振動センサ10−1〜10−8の
生データ(0.1秒間隔の計測結果の特定周波数成分)
が、常時記憶されていることになる。
【0036】CPU22は、リアルタイム・クロック3
0の出力をモニタし、運用の指定された時間間隔(本実
施例では、5時間おき)に(S4)、各振動センサ10
−1〜10−8の計測結果(具体的には、フィルタ14
−1〜14−8、多重化回路16及びA/D変換器18
を経由した信号であり、実際には、一次メモリ32の記
憶データを使用する。)をフーリエ変換し、二次メモリ
34に記録する(S5)。このとき、記録中であること
を示すライトを点滅する。二次メモリ34へのデータ記
録が特に必要なときには、操作装置26の記録ボタンを
押すことにより(S6)、その時点の計測値のフーリエ
変換データが二次メモリ34に記録される(S5)。二
次メモリ34にはまた、リアルタイム・クロック30及
びカレンダ・クロック31の時間情報も、各計測データ
(フーリエ変換データ)に関連づけて記憶される。これ
により、事後的な解析が容易になる。
【0037】二次メモリ34でも、新しいデータを書き
込む余裕が無くなると、最も古いデータを消去して、そ
の部分に新しいデータを書き込む。但し、先に述べたよ
うに、本実施例では、毎年の耐空検査時に、二次メモリ
34を交換して保管するので、このような事態は、ほと
んど生じえない。二次メモリ34として16MB程度の
メモリ・カードを使用すると、約6,000時間(1,
200×5時間)分の計測データ(加工データ)を記憶
できるので、古いデータを消去する可能性は少ない。
【0038】なお、一次メモリ32に記録するデータの
サンプリング間隔(0.1秒)、及び、二次メモリ34
に記録するデータのサンプリング間隔(5時間)はそれ
ぞれ、任意に変更可能であることはいうまでもない。変
更された時間情報は、例えば、RAM26、一次メモリ
32又は二次メモリ34の特定箇所に記録しておき、電
源投入直後に、CPU22が初期化処理としてこれらの
特定箇所の情報を読み込み、以後、その時間情報に従い
計測データをサンプリングする。
【0039】次に、振動計測データの表示と警告の動作
を説明する。CPU22は、各振動センサ10−1〜1
0−8の計測データ(フィルタ14−1〜14−8、多
重化回路16及びA/D変換器18を経由した信号であ
り、以下、計測データと略す。)をモニタし、モニタ4
4の画面にヒストグラム表示する(S3)。これと同時
に、CPU22は、各計測データがその標準値からどの
程度外れているかにより、正常、要注意及び危険のどの
状態にあるかを判定する(S11,S12)。
【0040】S11,S12の詳細なフローチャートを
図3に示す。CPU22は、先ず、各計測データについ
て、その標準値からの差の絶対値ΔSを算出し、得られ
たΔSを、各振動源に応じて設定される2段階の閾値
A,B(但し、A<B)と比較する(S21,S2
3)。ΔSが閾値A以下の振動源については(S2
1)、表示灯38の、その振動源に対応する緑色ランプ
を点灯させ(S22)、ΔSが閾値Aより大きく閾値B
以下の振動源については(S23)、表示灯38の、そ
の振動源に対応する黄色ランプを点灯させ(S24)、
ΔSが閾値Bより大きくなった振動源については(S2
4)、表示灯38の、その振動源に対応する赤色ランプ
を点灯させる(S25)。
【0041】1つでも黄色ランプ又は赤色ランプを点灯
させるときには、CPU22は更に、モニタ44の画面
に、要注意又は危険な状態にあるとして振動源を表示す
る。1つでも、赤色ランプを点灯させるときには更に、
ブザー40により所定音声を出力させ、操縦者に音声で
警告する(S25)。
【0042】エンジン停止を含むような重大な故障又は
異常が発生すると、振動の計測データは、その計測箇所
と原因によるが、通常以上の変化率で変化し、又は、通
常はとりえない値になる。そこで、本実施例では、計測
データが1つでも通常の変化率を越える一定以上の変化
率を示すか、又は通常範囲を越えた値をとり(S7)、
しかも、その状況が一定期間(例えば、数秒程度)継続
した時(S8)、CPU22は、直ちに又は数秒後に、
一次メモリ32のデータ更新を禁止すると共に(S
9)、一次メモリ32の記憶データ(生データ)をフー
リエ変換して二次メモリ34に記憶し(S10)、メモ
リ32,34への新たな記憶動作を中止する。これによ
り、それまでに一次メモリ32に記憶された計測データ
は、そのまま一次メモリ32に保存され、二次メモリ3
4にも、その時点での加工データが記憶される。即ち、
重大な異常の発生前後の計測データ(生データと加工デ
ータ)がメモリ32,34に保存されることになる。
【0043】この結果、たとえ墜落などの大事故に遭遇
しても、その直前の一定期間にわたる各部の振動計測デ
ータがメモリ32及び同34に保存されるので、事故原
因の究明に役立つ。先に説明したように、一次メモリ3
2の記憶容量が256kBで1分程度、1MBで4分程
度、16MBでは64分程度であるので、計測点と計測
時間の点でフライト・レコーダ以上に役立つことは明ら
かである。
【0044】CPU22は、メモリ32,34に記憶さ
れる計測データを、操作装置28による指示に従い自在
に、時間に対するグラフとしてモニタ44に表示するこ
とができる。これにより、振動検出している各部の状況
を時間変化、即ちトレンドとして確認できる。
【0045】例えば、計測値が時間に対してほぼ一定の
ままのときには、正常な運行状態であると判断できる。
【0046】計測値が時間に対して線形に増加又は減少
する場合、通常の経年劣化と考えられ、早急な処置は必
要なく、定期の点検修理で対応できることを示唆してい
る。また、時間変化から部品交換時期を予測できる。
【0047】計測値が一定値を越えて急激に変化してい
る場合は注意が必要である。その変化が同じ計測地点
で、例えば1又は2つの計測データにとどまるときに
は、突発的な外乱などによると考えることができるが、
ある程度以上、例えば3つ以上の計測データで継続する
場合には、各部で何らかの不具合が発生した可能性があ
るからである。
【0048】CPU22は、このような過去の長期のス
パンで見たトレンドに現在の計測値を重ねて表示するこ
とができる。これにより、現在の状況が、過去のトレン
ドに乗るものかどうかを確認できる。機体又はエンジン
に異常音又は異常振動を感じたときに、単なるストール
又は外乱による瞬間的なものか、実際に不具合が生じて
いるのかを推測できる。
【0049】このように、本実施例では、飛行中であっ
ても、操縦士又は機関士が機体やエンジンの各部を定量
的及び定性的に認識できる。計測データの解析ソフトウ
エアを地上の整備部門に配備して、メモリ32,34に
記憶される計測データを同様にグラフ表示することによ
り、整備前後の安全確認と補修の作業が容易になる。
【0050】上記実施例では、二次メモリ34に、計測
値のフーリエ変換データを記憶したが、生データであっ
てもよい。フーリエ変換データを記憶するときには、周
波数領域での経時的な変化を即座に表示することが可能
になり、従来の周波数分析結果による検討結果とのアナ
ロジーを付けやすい。他方、生データを二次メモリ34
に記憶する場合には、一次メモリ32の記憶データ(短
期の計測値)との比較が付けやすいという利点がある。
【0051】
【0052】
【発明の効果】以上の説明から容易に理解できるよう
に、本発明によれば、各部の振動計測結果を短いサンプ
リング期間で記憶する第1メモリ手段により、事後に特
定状況での各部の状態を細かく解析できる。例えば、ヘ
リコプターを墜落させるような不具合が発生したとき
に、事故直前の細かい状況を後から解析でき、事故原因
の究明が容易になる。
【0053】また、稼働時の長期にわたる計測データを
記憶する第2のメモリ手段により、各部の不具合の程度
と進行状況を的確に判断できるようになる。稼働時の計
測データが得られるので、点検修理がやりやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の概略構成ブロック図であ
る。
【図2】 本実施例の主たる動作のフローチャートを示
す。
【図3】 図2のS11,S12の詳細なフローチャー
トを示す。
【符号の説明】
10−1〜10−8:振動センサ 12−1〜12−8:アンプ 14−1〜8:フィルタ 16:多重化回路(又はスイッチ) 18:A/D変換器 20:システム・バス 22:CPU 24:ROM 26:RAM 28:操作装置 30:リアルタイム・クロック 31:カレンダ・クロック 32:一次メモリ 34:二次メモリ 36:DMA制御回路 38:表示灯 40:ブザー 42:ビデオRAM 44:画像モニタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−18322(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01H 17/00 B64C 27/04 B64D 45/00 G01R 23/165

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘリコプターの運転状態を計測する計測
    装置であって、 ヘリコプターのエンジンの振動を感知する第1の感知手
    段(10−1,10−5)と、 当該ヘリコプターのロータの振動を感知する第2の感知
    手段(10−2,10−3,10−4,10−6)と、 当該ヘリコプターの冷却ファンの振動を感知する第3の
    感知手段(10−7,10−8)と、 当該第1の感知手段の出力から第1周波数成分を透過す
    る第1のフィルタ(14−1,14−5)と、 当該第2の感知手段の出力から第2周波数成分を透過す
    る第1のフィルタ(14−2,14−3,14−4,1
    4−6)と、 当該第3の感知手段の出力から第3周波数成分を透過す
    る第3のフィルタ(14−7,14−8)と、 当該第1、第2及び第3のフィルタ の出力を第1のサン
    プリング周期で逐次、記憶する第1のメモリ手段(3
    2)と、 当該第1、第2及び第3のフィルタの出力を当該第1の
    サンプリング周期より長い第2のサンプリング周期で
    工する加工手段(22)と、 当該加工手段による加工データを逐次、記憶する第2の
    メモリ手段(34)と、 当該第1のメモリ手段の記憶データを参照して、異常発
    生を判定する判定手段(22)と当該判定手段の判定結果に応じて、所定の異常状態のと
    きに、当該第1のメモリ手段の記憶データの更新を禁止
    する制御手段(22) とからなることを特徴とする計測
    装置。
  2. 【請求項2】 上記加工手段が、上記第1、第2及び第
    3のフィルタの出力を当該第2のサンプリング周期でサ
    ンプリングしたデータを周波数変換する手段である請求
    項1に記載の計測装置。
  3. 【請求項3】 上記第1のメモリ手段が、取り外し自在
    な不揮発性記憶手段からなる請求項1又は2に記載の計
    測装置。
  4. 【請求項4】 上記第2のメモリ手段が、取り外し自在
    な不揮発性記憶手段からなる請求項1乃至の何れか1
    項に記載の計測装置。
  5. 【請求項5】 上記第1のメモリ手段が、新しいデータ
    を記憶する余裕がないとき、最も古いデータを消去して
    新しいデータを記憶する請求項1乃至の何れか1項に
    記載の計測装置。
  6. 【請求項6】 上記第2のメモリ手段が、新しいデータ
    を記憶する余裕がないとき、最も古いデータを消去して
    新しいデータを記憶する請求項1乃の何れか1項に記
    載の計測装置。
  7. 【請求項7】 更に、上記第1及び第2のメモリ手段に
    記憶されるデータの少なくとも一方を時間経過として表
    示する表示手段(44)を具備する請求項1乃6の何れ
    か1項に記載の計測装置。
  8. 【請求項8】 上記表示手段は、当該第1及び第2のメ
    モリ手段に記憶されるデータの少なくとも一方に、当該
    第1、第2及び第3のフィルタの現在の出力データの何
    れかを重畳表示する請求項7に記載の計測装置。
  9. 【請求項9】 上記判定手段は、上記第1のメモリ手段
    の記憶データのトレンドから異常発生を判定する請求項
    1に記載の計測装置。
  10. 【請求項10】 上記判定手段は、上記第1及び第2の
    メモリ手段の記憶データのトレンドから異常発生を判定
    する請求項1に記載の計測装置。
  11. 【請求項11】 上記第1周波数成分が、1kHz以下
    の周波数の成分を含む請求項1に記載の計測装置。
  12. 【請求項12】 上記第2周波数成分が2.5〜50H
    z内の周波数の成分を含む請求項1に記載の計測装置。
  13. 【請求項13】 上記第3周波数成分が2.5〜500
    Hz内の周波数の成分を含む請求項1に記載の計測装
    置。
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