JP3411762B2 - 電気めっき装置 - Google Patents

電気めっき装置

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JP3411762B2 JP23067096A JP23067096A JP3411762B2 JP 3411762 B2 JP3411762 B2 JP 3411762B2 JP 23067096 A JP23067096 A JP 23067096A JP 23067096 A JP23067096 A JP 23067096A JP 3411762 B2 JP3411762 B2 JP 3411762B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続式電気めっき
装置に関し、所謂「C反り」した鋼帯と陽極との接触で
生じる「めっき品質」の不良を防止すると共に、該鋼帯
と電極間の距離を短縮してめっきに要する電力(以下、
めっき電力)の低減を図る技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】電気めっき鋼板を工業生産するには、図
7に示す連続式電気めっき装置が利用されることが多
い。その装置は、まず、めっき浴中に上下に浸漬、配置
した陽極1の間を、被めっき素材である鋼帯6が走行す
るようになっている。そして、めっき浴の両端部には、
走行する鋼帯6の下面を支持するバックアップ・ロール
4と、該バックアップ・ロール4と対向し、該鋼帯6の
上面と接触するように、陰極となるコンダクタ・ロール
5が配置してある。従って、鋼帯6の上下面は陰極的に
作用し、陽極1との間で電気回路が形成されると、該陽
極1からめっき液に溶解した金属イオンは、鋼帯6の上
下面に析出し、所謂電気めっきが行われる。なお、該め
っき装置内を走行する鋼帯6は、鋼帯幅方向で図8に示
すような上反り、所謂「C反り」する傾向にある。
【0003】ところで、電気めっき鋼板の工業生産にお
いては、電力コストの低減が重要な操業上の関心事であ
る。そこで、上記した電極と鋼帯に流す全ての電流のう
ち、電気めっき現象に用いられる電流の割合を高め、無
駄な電力を削減することが考えられる。具体的には、鋼
帯面と陽極間の距離(以後、極間距離という)を縮め、
めっき液の抵抗に起因する電流ロスを低減させることで
ある。
【0004】しかしながら、この極間距離を縮めると、
上記鋼帯の「C反り」によって鋼帯の一部が上方に配置
した陽極に接触して、スパークが発生し、製品の不良に
つながるという問題があった。また、該極間距離を短縮
すると、鋼帯の端部と中央部とでは、「C反り」で生じ
た陽極との距離差が相対的に大きくなる。その結果、鋼
帯幅方向での金属析出量(めっき付着量)の差が大きく
なり、めっき薬剤の使用量が増加したり、あるいは、め
っきされない部分、所謂「付着量はずれ」が発生すると
いう問題もあった。
【0005】この鋼帯の「C反り」を抑制するため、実
開平5−30148号公報や特開平8−120432号
公報は、電磁石を用いて、鋼帯の平滑化を図る技術を開
示している。また、特公昭58−32239号公報は、
鋼帯幅方向の両側からめっき液を噴射し、静圧を生じさ
せて「C反り」効果を防止する方法を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
5−30148号公報や特開平8−120432号公報
開示の方法は、設備の改造コストが大きくなるばかりで
なく、技術面でも改造し難い点がある。また、特公昭5
8−32239号公報記載の方法は、めっき液の鋼帯に
対する相対流速が変動するので、めっき品質に与える影
響が大きく、現状設備に適用するには、大幅な設備改造
を必要とする。
【0007】本発明は、かかる事情を鑑み、安価な設備
改造で、鋼帯の「C反り」を防止すると共に、極間距離
を従来より短縮した電気めっき装置を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため鋭意研究し、鋼帯の「C反り」の是正にベル
ヌーイの定理を利用することに着眼し、本発明を完成さ
せた。すなわち、本発明は、めっき浴内に上下に対向し
て水平に配置した陽極と、これら陽極の間を走行する鋼
帯に陰極作用をさせるコンダクタ・ロールとからなる連
続式電気めっき装置において、上記陽極の鋼帯と向き合
う面に、電極幅と同じ長さで、且つ鋼帯進行方向に直交
する複数本の突起を設け、これら突起のうち、鋼帯C反
りの凸面と対面するものは、その天端に凹状溝を設け、
鋼帯C反りの凹面と対面するものは、該突起の長手方向
中央部の天端だけを平坦に、両端部側に前記凹状溝を設
けてなることを特徴とする電気めっき装置である。ま
た、本発明は、上記突起を、電気絶縁体で形成すること
を特徴とする電気めっき装置でもある。
【0009】本発明では、鋼帯の電気めっき装置を上記
のような構成にしたので、めっき槽内を流れるめっき液
の圧力が、鋼帯の「C反り」を是正するように働く。そ
の結果、操業中に鋼帯が、陽極と接触することがなくな
り、前記極間距離の縮小が可能となり、めっき品質の良
い電気めっき鋼板の製造が効率良く行えるようになる。
また、上記突起を電気絶縁体で構成すれば(現在公知の
アノード・プロテクタを利用しても良い)、さらに上記
効果は向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、発明の経緯を踏まえ、本発
明の内容を説明する。まず、発明者は、めっき槽内に突
起を設けた場合、一端から流入し他端で排出されるめっ
き液が鋼帯にいかなる圧力を与えるかについての解析
を、図5及び図6のモデルに基づき行った。その際、ベ
ルヌーイの定理を利用して、鋼帯6の幅方向に長い凹状
溝9を有する突起2を陽極1上に存在させると、該突起
2におけるめっき液の圧力増加は、下記式で表わされる
ことを見いだした。
【0011】ΔP=ρ/2{2A(A−1)−(1/C
C −1)2 }×(u・h/(CC ×ε))2 ただし、 ρ:めっき液の密度 u:突起部分の上流部分でのめっき流速 h:極間距離(陽極面と鋼帯面間距離) ε:突起天端〜鋼帯面間の距離 θ:突起天端に設けた凹状溝内へのめっき液の層流部分
の落込み角度。
【0012】 s:突起の長さ CC :突起の高さと極間距離で決まる係数(0<CC
1) A:ε×CC (ε×CC +s×tanθ) この式より、凹状溝9を有する突起2では、鋼帯6を引
き離すような圧力がめっき液に生じることがわかる。
【0013】一方、突起2が凹状溝9でなく平坦8であ
る場合について、めっき液が鋼帯6に及ぼす圧力につい
て同様の解析を行い、下記式を得た。 ΔP={(1/CC −1)}2 {((ρh/2ε)×C
C )}u2 この式からは、平坦8部分では、鋼帯6には負の圧力が
かかり、つまり、平坦部分では、鋼帯を突起に引き寄せ
るような力がめっき液に生じる。
【0014】そこで、発明者は、これらの結果を利用し
て、鋼帯の「C反り」を防止するために、図1〜3に示
す装置を開発したのである。それは、めっき槽の両端に
配置したコンダクタ・ロール5(陰極)とバックアップ
・ロール4とで支持し、めっき浴内に上下に配置した陽
極1間を鋼帯6が走行するようにした電気めっき装置に
おいて、陽極1の構造を下記のようにしたのである。す
なわち、本発明に係る陽極1は、図2に示すように、鋼
帯幅方向に長く、凹状溝9を有する突起2と、図3に示
すように、突起2の天端が、突起長手方向の中央部分が
平坦8で、両端部側が凹状溝9を有するものである。こ
れらの陽極1を、図1に示すように、上下に分けて配置
すると、図9に示す原理で鋼帯6の「C反り」は、是正
されるようになるのである。なお、図9は、鋼帯6の
「C反り」が上向きの場合であるが、この反りが下向き
ならば、上記陽極1の配置を上下で逆にすれば良い。な
お、突起2の高さ及び平坦8の幅は、走行させる鋼帯6
の「C反り」量、弾性係数、及びめっき流速等を基に決
定することになる。
【0015】
【実施例】本発明に係る電気めっき装置を、鋼種が低炭
素鋼で、幅1075mm、厚み0.7mmの鋼帯6に電
気亜鉛めっきを施す操業で使用してみた。その際、上下
に配置する陽極1の幅Wを2000mm、長さLを10
00mm、突起の高さHを3mmと共通にし、上部陽極
1の突起中央部においてのみ、天端の平坦部幅Sを52
6mmとした。めっき浴は、100g/リットルの亜鉛
を含有するpH=1.5の硫酸浴で、温度が60℃、め
っき液の流入量は200m3 /minとした。なお、鋼
帯6の走行速度は、120m/minであった。その結
果は、図4に示すように、従来の装置では、最大の反り
部で4.0mmあった[C反り]量を、本装置の採用で
1.0mm以内に低減することができた。
【0016】次に、上記結果を基に、同一装置、同一鋼
帯で、極間距離を9mmに短くした操業も行った。その
結果、従来の極間距離13mmの時に比べ、使用電力が
20%も低減すると共に、使用薬剤も5%減少した。ま
た、その際得られためっき品質は、製品としての合格率
が99.6%で従来のめっき品質に比べ格段優れてい
た。
【0017】なお、本実施例は、突起の材質を電極と同
一としたが、万一鋼帯が接触しても鋼帯に疵をつけない
ように、該突起にアノード・プロテクタとしての働きを
させる場合には、疵を発生させない程度の硬度を有する
電気絶縁物質で突起を形成させても良い。具体的には、
テフロン、FRP樹脂等が適当である。また、本実施例
では、突起を2本設けたが、本発明は、それに限らず、
少なくとも1本以上あれば良い。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、陽極
間を走行する鋼帯のC反りを1.0mm以内におさえる
ことが可能となった。また、その効果として、極間距離
が短縮できるようになったので、「めっき電力」を削減
でき、さらに、鋼帯幅方向のめっき付着量を均一にし
て、めっき品質を向上させ、さらに加えて、めっき薬剤
使用量も削減できるようになるので、操業が効率的にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気めっき装置の縦断面図であ
る。
【図2】図1の下部陽極の詳細を示す斜視図である。
【図3】図1の上部陽極の詳細を示す斜視図である。
【図4】本発明に係るめっき装置の使用で、鋼帯の[C
反り]低減効果を示す図である。
【図5】めっき液の圧力解析に用いた天端が平坦な突起
モデルを示す図である。
【図6】めっき液の圧力解析に用いた天端に凹状溝を有
する突起モデルを示す図である。
【図7】従来のめっき装置を示す縦断面図である。
【図8】鋼帯に上向きに生じた「C反り」を示す斜視図
である。
【図9】C反りの是正原理を説明する正面図である。
【符号の説明】
1 陽極 2 突起 4 バックアップ・ロール 5 コンダクタ・ロール(陰極) 6 鋼帯 7 めっき液の流入口 8 平坦 9 凹状溝 10 圧力の作用方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 秀和 倉敷市水島川崎通1丁目(番地なし) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所内 (56)参考文献 特開 平7−11488(JP,A) 特開 平6−47362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 17/12 C25D 7/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき浴内に上下に対向して水平に配置
    した陽極と、これら陽極の間を走行する鋼帯に陰極作用
    をさせるコンダクタ・ロールとからなる連続式電気めっ
    き装置において、 上記陽極の鋼帯と向き合う面に、電極幅と同じ長さで、
    且つ鋼帯進行方向に直交する複数本の突起を設け、これ
    ら突起のうち、鋼帯C反りの凸面と対面するものは、そ
    の天端に凹状溝を設け、鋼帯C反りの凹面と対面するも
    のは、該突起の長手方向中央部の天端だけを平坦に、両
    端部側に前記凹状溝を設けてなることを特徴とする電気
    めっき装置。
  2. 【請求項2】 上記突起を、電気絶縁体で形成すること
    を特徴とする請求項1記載の電気めっき装置。
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