JP3258572B2 - 電気めっき装置 - Google Patents
電気めっき装置Info
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Description
装置に関し、詳しくは、該電気めっき装置を走行する鋼
帯の振動及び該鋼帯のパス・ライン低下で起きる陽極と
の接触に起因するめっき品質不良を抑制すると共に、鋼
帯と陽極間の距離を短縮してめっきに要する電力(以
下、めっき電力と略す)を低減させる技術に係わる。
7に示す連続式電気めっき装置が利用されることが多
い。その装置は、まず、めっき浴中に上下に浸漬、配置
した陽極3間を、被めっき素材である鋼帯6が走行する
ようになっている。そして、めっき浴の両端部には、走
行する鋼帯6の下面を支持するバックアップ・ロール4
と、該バックアップ・ロール4と対向し、鋼帯6の上面
と接触するように、陰極となるコンダクタ・ロール5が
配置してある。従って、鋼帯6の上下面は陰極的に作用
し、前記陽極3との間で電気回路が形成されると、該陽
極3からめっき浴に溶解した金属イオンは、鋼帯6の上
下面に析出し、所謂電気めっきが行われる。なお、めっ
き液7は、めっき槽の一端に槽幅方向に長いスリット状
ノズル9を設け、それを介してめっき浴内に噴射され、
めっき槽の他端から排出される。
操業における関心事の1つに、陽極3と鋼帯6間に流す
全ての電流のうち、電気めっき現象に用いられる電流の
割合を高め、無駄な電力を削減して、電力コストを低減
させることがある。具体的には、鋼帯6面と陽極3間の
距離(以下、極間距離という)を縮め、めっき液7の電
気抵抗に起因する電流ロスを低減させることである。
走行中の鋼帯6が振動によって陽極3に接触し、スパー
クが発生して製品不良となるという問題がある。また、
鋼帯6のパス・ラインが低下している場合(理想的に
は、上下の陽極間の中心にあることが望ましい)、極間
距離の短縮で、該鋼帯6の表裏面と陽極3との距離が変
わって鋼帯表裏面でのめっき付着量の差を大きくし、め
っき薬剤の使用量が増加するという問題も生ずる。
置した陽極3間の中心部を通板させる技術として、例え
ば、特開平8−3786号公報は、陽極に、鋼帯進行方
向に沿ったテーパ面を有するスタビライザーを設置する
ことを提案している。また、特開平8−127900号
公報は、陽極面上に突起を設け、該突起からめっき液を
噴射する技術、あるいは特開平8−120433号公報
は、めっき液に静圧を発生させる技術を開示し、問題を
解消しようとした。
8−3786号公報に開示された「テーパ面を有するス
タビライザーを用いる技術」では、物理的に極間距離を
狭くすることに限界があること、及び配置する陽極の形
状も複雑になるという欠点があり、現実的でなかった。
また、特開平8−127900号公報記載の技術では、
めっき浴全体でめっき液の流速が低減するので、金属イ
オンの供給速度が下がり、鋼帯に流すめっき電流密度に
限界がある。加えて、陽極面上の突起を絶縁体で形成し
た場合、電極としての有効面積が小さくなるので、電流
密度が上昇しすぎになるという問題もあった。さらに、
特開平8−120433号公報記載の技術は、設備が大
がかりで低コストによる改造は難しく、現実的でなかっ
た。
る電気めっき装置の安価な改造で、鋼帯の振動及びパス
・ラインの陽極間中心からの低下を防止して極間距離の
短縮を実現させると共に、めっき液の流速低下を最小限
に押え、高電流密度でめっき可能な電気めっき装置を提
供することを目的としている。
成するため、鋼帯の振動及びパス・ライン変動の防止を
鋭意研究し、めっき槽内に供給されるめっき液がスリッ
ト状ノズルを介した噴流で、該ノズル側と排出口側で流
速に差のあることに着眼し、めっき槽内の各位置におけ
るめっき液の流速を調整して、鋼帯に作用するめっき液
の圧力を均一にすれば、鋼帯の安定走行ができると考
え、本発明を完成させた。
対向して水平に配置した陽極と、これら陽極の間を走行
する鋼帯に陰極作用をさせるコンダクタ・ロールとから
なる連続式めっき装置であって、上記陽極の鋼帯と向き
合う面に、陽極幅とほぼ等しい長さで、且つ鋼帯進行方
向に直交させて複数本の突起を配置し、隣り合う2つの
突起の高さの関係が、各突起より上流側でのめっき液の
流速に応じて決定されてなることを特徴とする電気めっ
き装置である。
の天端に、該突起の長手方向に沿う凹溝を設けたり、あ
るいは上記突起を電気絶縁物質で形成したことを特徴と
する電気めっき装置である。本発明では、連続電気めっ
き装置を上記のような構成にしたので、走行する鋼帯面
に作用するめっき液の圧力は均一になり、鋼帯の振動や
パス・ラインの低下が抑制されるようになる。
と同じ導電物質であっても良い。ただし、該突起で極間
距離が更に縮まるので、鋼帯と陽極の接触による品質不
良の生じる恐れがある。そこで、本発明では、品質不良
量を最小に抑えることを目的として、該突起を樹脂等の
電気絶縁物質で形成するようにもした。
明の内容を説明する。まず、発明者は、めっき槽内に突
起を設けた場合、その一端から流入し、他端で排出され
るめっき液が鋼帯にいかなる圧力を与えるかについての
解析を行った。
5に示すような天端が平坦な突起1である。また、めっ
き液7の流れとしては、めっき槽内に滞留する部分を除
外し、鋼帯6に近傍の実際に流れている部分だけを考慮
する。ここで、解析に用いるパラメータは、下記の通り
である。 ρ:めっき液の密度 u0:めっき液の流速 h:鋼帯と陽極間の距離(極間距離) ε1:めっき液流れ方向下流側突起(以下、下流側突
起)と鋼帯間の距離 ε2:めっき液流れ方向下流側突起(以下、下流側突
起)と鋼帯間の距離 u1:下流側突起より上流側でのめっき液の流速 u2:上流側突起より上流側でのめっき液の流速 u1’:下流側突起の天端上方でのめっき液の流速 u2’:上流側突起の天端上方でのめっき液の流速 p1:下流側突起の上流側で鋼帯へ作用するめっき液の
圧力 p2:上流側突起の上流側で鋼帯へ作用するめっき液の
圧力 p1’:下流側突起の天端上方で鋼帯へ作用するめっき
液の圧力 p2’:上流側突起の天端上方で鋼帯へ作用するめっき
液の圧力 下流側突起でのめっき液の流れに、ベルヌーイの定理を
適用すると、 p1+(1/2ρ)u1 2=p1’+(1/2ρ)u1’2 また、連続の式より hu1=ε1 u 1 ’ が成立する。
1は、 Δp 1=p1−p1’=1/2ρ[(h/ε1)2−1]u1 2 上流側突起についても同様に、 Δp 2=1/2ρ[(h/ε2)2−1]u2 2 次に、めっき液の流速u1,u2は、下流側突起と上流側
突起で u2=αu1 の関係で変化しているとすると、下流側突起及び上流側
突起の間で、上記圧力差Δp1及びΔp2を等しくするに
は、Δp1=Δp2となるように、鋼帯と突起間距離
ε1、ε2を決めれば良い。
ける前記圧力差Δpが均一となり,パス・ラインの低下
を防止できる。このことは、図1に示すような陽極3を
鋼帯6の表裏面に配置した、実際の連続電気めっき装置
においても同様に成立する。従って、上下陽極3のぞれ
ぞれの突起高さをめっき液の流速に応じて変えてやるこ
とによって、各突起上方の圧力及び鋼帯表裏面での圧力
を均一にすることができ、鋼帯6のパス・ラインは安定
化し、さらに、振動をも防止できるのである。
う凹溝を設けた図6に示すような突起2の場合も配慮し
た。その場合の前記圧力の関係は、下記式で説明でき
る。
角度(°) s:突起2の長さ Cc:突起2高さと極間距離で決まる係数 ηp:めっき液圧力の回復率 A=εCc(εCc+s・tanθ) この式を用いて、めっき液の流速と凹状溝付き突起2高
さの関係を求めることによって、パス・ラインの低下を
防止し、鋼帯の振動を低減することができるのである。
種が極低炭素鋼で、厚み0.9mmの鋼帯6に電気亜鉛
めっきを施した。その際、鋼帯6の板幅は、700mm
〜1800mmの範囲で、用途に応じ種々変更した。ま
た、上記電気めっき装置においては、陽極3(図2参
照)として2本の高さが異なり、且つ天端が平滑な突起
を用い、鋼帯6へ作用するめっき液圧力を等しくし、パ
ス・ラインを安定化することができた。
突起より上流側及び上流側突起より上流側でのめっき液
の流速比をα=0.8、下流側突起と鋼帯6との距離を
ε1=15mmとして、上流側突起と鋼帯6との距離を
下記のように定めた。 ε 2 =20×0.8×15×{20 2 −15 2 (1−0.8 2 )} -1/2 =13.4mm すなわち、下流側突起の高さを20−13.4=6.6
mm、上流側突起の高さを20−15=5mmとするこ
とで、鋼帯6のパス・ラインが上下陽極間の中心±0.
5mmの位置に安定したのである。
用効果を従来装置と比較し、図4に示す。図4におい
て、○(TYPE1)印は、2本の突起高さを同じにし
た従来装置での値であり、●(TYPE2)印は、上記
した突起高さが異なる本発明に係る装置を用いた場合で
ある。この結果より、本発明に係る装置の適用で、鋼帯
6の板幅が種々変化しても、パス・ラインが安定してい
ることが明らかである。なお、図4の各プロットは、同
一鋼帯幅の場合の平均パス・ライン値である。
で、上記と同一の装置及び鋼帯で、極間距離を9mmに
しためっき操業も行った。その結果、従来の極間距離2
0mmの時に比べて、使用電力が40%も低減すると共
に、使用薬剤量も5%減少した。また、パス・ラインが
中心位置になったので、鋼帯上下面のめっき液の流速が
均一になり、上下面のめっき品質の差を解消でき、その
結果、めっき限界電流密度を30%上昇することが可能
になった。さらに、その際得られためっき品質は、製品
としての合格率が99.6%で従来のめっき品質に比べ
格段に優れていた。
端平滑であったが、突起数を増加しても、あるいは天端
に凹溝を有する突起を用いても同様な結果が得られるこ
とは、説明するまでもない。また、本発明は、図3に示
すようなめっき槽の長手方向の中央からめっき液を供給
する電気めっき装置も含むものである。
電気めっき装置内を走行する鋼帯のパス・ライン及び振
動を安定化できるようになった。また、この効果によ
り、極間距離の短縮が可能となり、めっき電力のコスト
が削減できた。さらに、パス・ラインを安定化すること
によって、鋼帯表裏面のめっき付着量が均一になり、め
っき品質が向上し、めっき薬剤の使用量をも削減すると
いう効果もあった。
る。
本発明例を示す縦断面図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 めっき浴内に上下に対向して水平に配置
した陽極と、これら陽極の間を走行する鋼帯に陰極作用
をさせるコンダクタ・ロールとからなる連続式めっき装
置であって、 上記陽極の鋼帯と向き合う面に、陽極幅とほぼ等しい長
さで、且つ鋼帯進行方向に直交させて複数本の突起を配
置し、隣り合う2つの突起の高さの関係が、各突起より
上流側でのめっき液の流速に応じて決定されてなること
を特徴とする電気めっき装置。 - 【請求項2】 上記突起のうちの1以上の天端に、該突
起の長手方向に沿う凹溝を設けたことを特徴とする請求
項1記載の電気めっき装置。 - 【請求項3】 上記突起を電気絶縁物質で形成したこと
を特徴とする請求項1又は2記載の電気めっき装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25460096A JP3258572B2 (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 電気めっき装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25460096A JP3258572B2 (ja) | 1996-09-26 | 1996-09-26 | 電気めっき装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10102286A JPH10102286A (ja) | 1998-04-21 |
JP3258572B2 true JP3258572B2 (ja) | 2002-02-18 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3258572B2 (ja) |
-
1996
- 1996-09-26 JP JP25460096A patent/JP3258572B2/ja not_active Expired - Fee Related
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