JP3411326B2 - スパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリング装置

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JP3411326B2
JP3411326B2 JP08213593A JP8213593A JP3411326B2 JP 3411326 B2 JP3411326 B2 JP 3411326B2 JP 08213593 A JP08213593 A JP 08213593A JP 8213593 A JP8213593 A JP 8213593A JP 3411326 B2 JP3411326 B2 JP 3411326B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体の基板等
のスパッタリング時に、基板の外周部で成膜の縁をはっ
きりと形成でき、いわゆるマスクボケの生起を確実に防
止できるスパッタリング装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、情報記録媒体、例えば、光ディス
ク、光磁気ディスクなどは、スパッタリング装置によっ
て、その反射膜等が成膜されている。このような光ディ
スク等では、その成膜時には、光ディスク等の中心部と
外周部とがマスキングされてスパッタリングされ、この
中心部と外周部とを除く部分に反射膜等が成膜されてい
る。 【0003】具体的には、図3に示すように、ダウンス
パッタリング装置では、金、アルミニウム等のターゲッ
ト1に対向するように、被処理物である情報記録媒体の
基板2がセットされるように構成されている。このセッ
トの際して、情報記録媒体の基板2の成膜側をマスキン
グするために、その中心部及び外周部に、中心マスク部
材3と、外周マスク部材4とが配置されている。この情
報記録媒体の基板2は、下方から延びるプッシャー5に
よって中心マスク部材3及び外周マスク部材4に押圧さ
れている。これにより、ターゲット1からスパッタされ
た粒子は、マスキングされた以外の箇所、即ち、中心部
と外周部とを除く部分に付着され、この部分に、金、ア
ルミニウム等の膜が成膜される。なお、符号6で示すホ
ルダーは、情報記録媒体の基板2のセットの際に用いら
れる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図3に
示すようなダウンスパッタリング装置によって情報記録
媒体の基板2が成膜される場合、例えば、金の膜が形成
される場合には、スパッタリング時に粒子の衝突エネル
ギーを基板2が受け、これの反作用によって情報記録媒
体の基板2の外周部に反りが生起されることがある。こ
れにより、スパッタリング時に、基板2の外周部が外周
マスク部材4から離反することがあり、その結果、基板
2の外周部で、成膜の縁がはっきりと形成されない現
象、いわゆるマスクボケが生起されることがある。な
お、アルミニウムの膜が形成される場合には、スパッタ
リングによる粒子エネルギーが比較的少ないため、マス
クボケが生起されることはあまりない。 【0005】このようなマスクボケが生起されると、情
報記録媒体への情報の記録が正確に行えない等の種々の
問題がある。特に、光ディスクのうち、マスクが必要と
されるディスクについては成膜の縁がはっきりと形成さ
れていることが必須要件とされており、マスクボケが生
起されると、製品化できないといった事情がある。 【0006】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであって、情報記録媒体の基板等のスパッタ
リング時に、基板の外周部で成膜の縁をはっきりと形成
でき、いわゆるマスクボケの生起を確実に防止できるス
パッタリング装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係るスパッタリング装置は、被処理物の中
心部及び外周部を各々中心マスク部材及び外周マスク部
材によりマスキングすると共に、被処理物の中心部をプ
ッシャーにより上記中心マスク部材に押圧して、被処理
物のマスキング箇所以外の箇所にスパッタリングにより
成膜を施すスパッタリング装置において、ホルダーに保
持された被処理物の背面側にて前記ホルダー内に着脱自
在に装着される押圧部材を備え、前記押圧部材の外周部
には被処理物の外周部に当接されるリング状突起が形成
されており、被処理物を前記ホルダーから取り出してス
パッタリング処理のための所定位置にセットする際に
は、前記ホルダーに形成された貫通穴に前記プッシャー
が挿通され、前記押圧部材がその中央部にて前記プッシ
ャーで支持されることより、前記押圧部材の前記リング
状突起にて支持された被処理物が、前記押圧部材と共に
前記ホルダーから押し出されて前記所定位置に移送さ
れ、スパッタリング時、その中央部で前記プッシャーに
支持された前記押圧部材が、これの外周部に形成した
リング状突起により被処理物の外周部を前記外周マス
ク部材に押圧していることを特徴としている。 【0008】 【作用】このように、本発明では、スパッタリング時、
押圧部材の外周部に形成したリング状突起により被処理
物の外周部が外周マスク部材に押圧されている。そのた
め、例えば、金の膜が形成される場合には、スパッタリ
ングの粒子エネルギーによる被処理物の反作用によって
被処理物の外周部に反りが生起されそうなことがあった
としても、押圧部材のリング状突起によって被処理物の
外周部が常に外周マスク部材に押圧されていることか
ら、被処理物の外周部が外周マスク部材から離反するこ
とがない。そのため、成膜の縁をはっきりと形成するこ
とができ、いわゆるマスクボケを確実に防止できる。 【0009】しかも、このように、被処理物をセットす
るためのホルダーをスパッタリング時に被処理物の押圧
に用いないタイプの装置においても、被処理物の外周部
に押圧力を加えることができる。さらに、被処理物のサ
イズが変わったとしても、押圧部材のサイズを変更する
ことにより対処できる。 【0010】 【実施例】以下、本発明の一実施例に係るスパッタリン
グ装置を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の
一実施例に係るスパッタリング装置の要部の断面図であ
って、情報記録媒体の基板をセットする前の状態を示す
図であり、図2は、図1に示すスパッタリング装置の要
部の断面図であって、情報記録媒体の基板にスパッタリ
ングによる成膜を施している状態の図である。 【0011】図1に示すように、金、アルミニウム等の
ターゲット1が図示しないバッキングプレートに装着さ
れている。このターゲット1に対向するようにして、マ
スキング機構が配置されている。すなわち、中央部に
は、被処理物である情報記録媒体の基板2の中心部をマ
スキングし鍔部3aを有する中心マスク部材3が配置さ
れており、外周部には、情報記録媒体の基板2の外周部
をマスキングし鍔部4aを有する筒状の外周マスク部材
4が配置されている。 【0012】さらに、情報記録媒体の基板2を所定位置
にセットするためのホルダー10が、これらマスキング
機構の下方に配置されている。このホルダー10は、図
示しない搬送アームにより搬送されるように構成されて
いる。また、ホルダー10には、その上側に凹所11が
形成されており、この凹所11には、後述する押圧部材
20と情報記録記録媒体の基板2とが載置される。さら
に、ホルダー10の中央部には、後述するプッシャー1
3を通挿するための貫通穴12が形成されている。 【0013】このホルダー10の下方には、昇降自在に
構成されたプッシャー13が配置されている。このプッ
シャー13は、下方が図示しない昇降機構に支持された
軸14と、この軸14の上端に支持された嵌合部材15
とからなっている。この嵌合部材15には、情報記録媒
体の基板2の穴2aに嵌合される小径部16と、上面が
基板2を押圧支持すると共に押圧部材20の穴21に嵌
合される中径部17と、上面が押圧部材20を押圧支持
すると共にホルダー10の貫通穴12を通挿し得る大径
部18とから形成されている。 【0014】さて、本実施例では、ホルダー10の凹所
11内に、押圧部材20が載置されている。この押圧部
材20の中央部には、プッシャー13の中径部17を通
挿するための穴21が形成されており、押圧部材の外周
部には、基板2の外周部を外周マスク部材4の鍔部4a
に押圧するためのリング状突起22が形成されており、
このリング状突起22の外径は、凹所11に嵌合するよ
うに形成されている。 【0015】次に、作用を説明する。図1に示すよう
に、先ず、ホルダー10の凹所11内に押圧部材20及
び情報記録媒体の基板2が載置された状態で、ホルダー
10が図示しない搬送アームにより、マスキング機構の
下方に搬入される。 【0016】次に、図2に示すように、プッシャー13
が上昇されて、プッシャー13の小径部16が基板2の
穴2aに嵌合され、中径部17が押圧部材20の穴21
に嵌合される。このような状態で、プッシャー13がさ
らに上昇されて、図2に示すように、情報記録媒体の基
板2の中心部がプッシャー13の中径部17によって中
心マスク部材3の鍔部3aに押圧されると共に、プッシ
ャー13の大径部18によって押圧部材20の中心部が
上方に押圧され、これにより、押圧部材20の外周のリ
ング状突起22によって基板2の外周部が外周マスク部
材4の鍔部4aに押圧される。 【0017】このように図2に示すようにセットされた
状態で、スパッタリングが行われ、情報記録媒体の基板
2のマスキングされている以外の箇所に成膜が施され
る。この際、本実施例では、押圧部材20の外周部に形
成したリング状突起22により情報記録媒体の基板2の
外周部が外周マスク部材4の鍔部4aに押圧されてい
る。そのため、例えば、金の膜が形成される場合には、
スパッタリング時の粒子エネルギーによる被処理物の反
作用によって情報記録媒体の基板2の外周部に反りが生
起されそうなことがあったとしても、押圧部材20のリ
ング状突起22によって情報記録媒体の基板2の外周部
が常に外周マスク部材4の鍔部4aに押圧されているこ
とから、情報記録媒体の基板2の外周部が外周マスク部
材4の鍔部4aから離反することがない。そのため、成
膜の縁をはっきりと形成することができ、いわゆるマス
クボケを確実に防止できる。したがって、成膜の縁がは
っきりと形成されていることが必須要件であるディスク
では、本実施例では、特に有効である。 【0018】しかも、このように、情報記録媒体の基板
2をセットするためのホルダーをスパッタリング時に情
報記録媒体の基板2の押圧に用いないタイプの装置にお
いても、情報記録媒体の基板2の外周部に押圧力を加え
ることができる。さらに、情報記録媒体の基板2のサイ
ズが変わったとしても、押圧部材20のサイズを変更す
ることにより対処できる。 【0019】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れないのは勿論であり、種々変形可能である。特に、ス
パッタリングされる被処理物は、情報記録媒体に限定さ
れず、種々のものであってもよい。 【0020】 【発明の効果】以上述べたように、本発明では、スパッ
タリング時、押圧部材の外周部に形成したリング状突起
により被処理物の外周部が外周マスク部材に押圧されて
いる。そのため、スパッタリング時の粒子エネルギーに
よる被処理物の反作用があったとしても、押圧部材のリ
ング状突起によって被処理物の外周部が常に外周マスク
部材に押圧されていることから、被処理物の外周部が外
周マスク部材から離反することがない。そのため、成膜
の縁をはっきりと形成することができ、いわゆるマスク
ボケを確実に防止できる。しかも、被処理物をセットす
るためのホルダーをスパッタリング時に被処理物の押圧
に用いないタイプの装置においても、被処理物の外周部
に押圧力を加えることができる。さらに、被処理物のサ
イズが変わったとしても、押圧部材のサイズを変更する
ことにより対処できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例に係るスパッタリング装置の
要部の断面図であって、情報記録媒体の基板をセットす
る前の状態を示す図。 【図2】図1に示すスパッタリング装置の要部の断面図
であって、情報記録媒体の基板にスパッタリングによる
成膜を施している状態の図。 【図3】従来に係るスパッタリング装置の要部の断面
図。 【符号の説明】 2 被処理物(情報記録媒体の基板) 3 中心マスク部材 4 外周マスク部材 13 プッシャー 20 押圧部材 22 リング状突起

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】被処理物の中心部及び外周部を各々中心マ
    スク部材及び外周マスク部材によりマスキングすると共
    に、被処理物の中心部をプッシャーにより上記中心マス
    ク部材に押圧して、被処理物のマスキング箇所以外の箇
    所にスパッタリングにより成膜を施すスパッタリング装
    置において、ホルダーに保持された被処理物の背面側にて前記ホルダ
    ー内に着脱自在に装着される押圧部材を備え、前記押圧
    部材の外周部には被処理物の外周部に当接されるリング
    状突起が形成されており、被処理物を前記ホルダーから
    取り出してスパッタリング処理のための所定位置にセッ
    トする際には、前記ホルダーに形成された貫通穴に前記
    プッシャーが挿通され、前記押圧部材がその中央部にて
    前記プッシャーで支持されることより、前記押圧部材の
    前記リング状突起にて支持された被処理物が、前記押圧
    部材と共に前記ホルダーから押し出されて前記所定位置
    に移送され、 スパッタリング時、その中央部で前記プッ
    シャーに支持された前記押圧部材が、これの外周部に形
    成した前記リング状突起により被処理物の外周部を前記
    外周マスク部材に押圧していることを特徴とするスパッ
    タリング装置。
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