JP3411143B2 - メタライズ組成物及びそれを用いた配線基板 - Google Patents
メタライズ組成物及びそれを用いた配線基板Info
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- C04B41/51—Metallising, e.g. infiltration of sintered ceramic preforms with molten metal
Description
質セラミックスを用いた絶縁基体用のメタライズ組成物
及びそれを用いた配線基板に関するもので、特に前記絶
縁基体のスルーホールに対して高い気密性を有するメタ
ライズ組成物と、それを用いた配線基板として、高純度
のアルミナ質セラミックスから成る絶縁基体と配線層と
を同時に焼成する多層配線基板や半導体素子収納用パッ
ケージ等、とりわけ高周波用途で優れた性能を示す配線
基板に適用されるものである。
化学的安定性等の特性に優れていることから半導体素子
を収容する半導体素子収納用パッケージや、コンデンサ
あるいは抵抗体等の各種電子部品を搭載した配線基板等
に多用されており、前記半導体素子収納用パッケージや
配線基板等には、その表面あるいは内部に電気回路を形
成するための導体としてメタライズ配線層が形成されて
いる。
ナ質焼結体を絶縁基体とする多層配線基板では、メタラ
イズ法としてセラミックグリーンシート表面にスクリー
ン印刷法等により、タングステン(W)やモリブデン
(Mo)等の高融点金属を主成分とするメタライズペー
ストを塗布した後、適宜積層し、還元性雰囲気中、14
50〜1700℃の温度で同時に焼結させる方法が採用
されている。
られるアルミナ質焼結体は、シリカ(SiO2 )や、カ
ルシア(CaO)、マグネシア(MgO)等のアルカリ
土類金属の酸化物、あるいはイットリウム(Y)等の希
土類元素酸化物などの焼結助剤を10重量%以上含有す
るため、アルミナ結晶粒子間には多量のガラス成分が存
在している。
ン(W)、モリブデン(Mo)等の高融点金属を主体と
するメタライズ配線層を同時焼成によって形成する場
合、焼結体中のガラス成分が高融点金属粒子間へ移動
し、メタライズ配線層の焼結性を向上させ、メタライズ
配線層を絶縁基体に強固に接着するという効果を奏して
いる。
高い絶縁抵抗、熱放散性に加えて誘電損失(tanδ)
が低いこと、絶縁基体表面が平滑であること等の品質の
向上が求められ、絶縁基体として焼結助剤を可能な限り
減少させ、高純度のアルミナを用いたアルミナ質焼結体
であることが要求されるようになってきた。
ーンシートにメタライズ配線層を形成する場合、従来の
メタライズ法ではアルミナ質焼結体のアルミナ結晶間に
介在するガラス成分の絶対量が少ないため、メタライズ
配線層の焼結性が悪く、メタライズ配線層がポーラスと
なり、メタライズ配線層を絶縁基体に強固に接着させる
ことが困難となり、特に絶縁基体のスルーホール部には
空隙が生じ易く、その結果、気密性が低下すると共に、
電気抵抗値が高くなるという問題があった。
対応したメタライズ方法として、Moを主成分とし、S
iO2 やTiO2 等を含有させた組成物を用いることが
提案されている(特開平3−199181号公報、特開
平3−40972号公報参照)。
案では高純度アルミナを用いた絶縁基体とメタライズ配
線層とは強固に接着するものの、前記スルーホール部に
充填されたメタライズ層にも空隙を生ぜず、該スルーホ
ール部の気密性を向上させるという点では必ずしも完全
に満足すべきものではないという課題があった。
グリーンシートに塗布し、同時焼成してメタライズ層を
形成した際に、シート抵抗の低いメタライズ金属層を強
固に形成被着させることができると共に、とりわけ高純
度アルミナから成る絶縁基体のスルーホールに対して高
い気密性を有するメタライズ組成物及びそれを用いた配
線基板を提供することを目的とするものである。
(Al2O3)を99.3重量%以上含有する絶縁基体
におけるスルーホールを形成するためのメタライズ組成
物として、該メタライズ組成物中の無機成分をアルミナ
(Al2O3)を20〜60体積%と、鉄(Fe)、ニ
ッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、コバルト(C
o)の各金属またはそれらの化合物の少なくとも一種を
金属換算で0.02〜10体積%と、残部がモリブデン
(Mo)またはタングステン(W)の一種以上で構成
し、前記無機成分が45〜60体積%となるようにする
ことにより、上記目的が達成されることを知見したもの
である。
は、アルミナ(Al2O3)を99.3重量%以上含有
する絶縁基体に、アルミナ(Al2O3)を20〜60
体積%と、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、パラジウム
(Pd)、コバルト(Co)の各金属またはそれらの化
合物の少なくとも一種を金属換算で0.02〜10体積
%と、残部がモリブデン(Mo)またはタングステン
(W)の一種以上とから成る無機成分を45〜60体積
%含有したメタライズ組成物から成るスルーホールを有
することを特徴とするものである。
を用いた配線基板は、いずれも無機成分のアルミナ(A
l2 O3 )が純度99.9重量%以上であることがより
望ましいものである。
以上含有するアルミナ質焼結体へのメタライズ組成物
を、該メタライズ組成物中の無機成分として20〜60
体積%のアルミナと、Fe、Ni、Pd、Coの各金属
またはそれらの化合物の少なくとも一種を金属換算で
0.02〜10体積%と、残部をモリブデン(Mo)ま
たはタングステン(W)の一種以上とで構成し、該無機
成分が45〜60体積%を占めるようにしたことから、
メタライズ配線層と絶縁基体との焼成収縮差が小さくな
り、前記無機成分のアルミナが絶縁基体のアルミナと強
固に焼結してスルーホール中のメタライズ層と絶縁基体
とが隙間を生じることがなく、高融点金属のMoやW、
及びアルミナも焼結して緻密化するので、電気抵抗が低
下するとともに気密性も向上することになる。
有させるアルミナの純度を99.9%以上にすると、メ
タライズ組成物中のアルミナと絶縁基体のアルミナが焼
結してできる界面は、純度が高く強度も大きいものとな
り気密性に更に寄与する。
度のアルミナ質セラミックスを絶縁基体とする配線基板
を製造する際、同時焼成によってアルミナ質焼結体とメ
タライズ層を形成することができるために、配線基板の
多層配線化が可能となる。
及びそれを用いた配線基板について詳細に述べる。
点金属としてはモリブデン(Mo)またはタングステン
(W)のいずれを使用しても良く、また双方を混合する
ことも可能である。
物としては一般にタングステンが用いられてきたが、高
周波特性に優れた高純度アルミナから成る絶縁基体では
含有しているガラス相成分が少ないため、メタライズ組
成物として焼結性が高くメタライズ層が緻密化し易いこ
とが望ましく、その点からはモリブデンはタングステン
に比較して低融点であり焼結性が高く高純度アルミナ基
板のメタライズに特に優れた特性を有している。
が2〜3μmの高融点金属粉末と、平均粒径が0.5〜
1.2μmのアルミナ粉末と、Fe、Ni、Pd、Co
あるいはそれらの化合物の少なくとも一種を用いて調合
するものであり、添加成分としてアルミナは20〜60
体積%、特に25〜50体積%が好ましい。
トの収縮を調整するために適宜変化させるものである
が、アルミナ含有量が20体積%より少ないと、絶縁基
体のアルミナ質焼結体との密着性が不十分となり、60
体積%を越えると、メタライズ層の抵抗が大きくなり損
失が大となるので配線層を形成するには不適当となるた
めである。
の無機成分として添加するアルミナは純度が高ければ前
記高融点金属の焼結をほとんど妨げることなく自ら焼結
した緻密質となり、気密性に優れた電気抵抗の低いメタ
ライズ層を形成するが、主として添加するアルミナが9
9.9重量%以上であることが高融点金属の緻密化の点
で望ましい。
Fe、Ni、Pd、Coあるいはそれらの化合物を少な
くとも一種、0.02〜10体積%含有させることが必
要であり、それらは無機成分の焼結を促進する焼結助剤
として作用するものであり、特にスルーホールのメタラ
イズ配線層の緻密化を促進するものである。
ズ層が焼結過剰となり、絶縁基体との収縮が合わなくな
り、逆に少な過ぎると緻密化し難くなる。従ってその含
有量は前記範囲に限定されるが、とりわけ0.04〜5
体積%が好適である。
るいは酸化物、硫化物等でも良く、なかでも周囲に影響
を与えない点では酸化物が好ましく、とりわけ前記添加
物中、融点が1500℃付近のCo及びその化合物が好
適である。
る絶縁基体は、1〜100GHzの高周波帯用基板とし
て望ましい特性、具体的には1〜10GHz帯域におけ
る誘電正接(tanδ)が1×10-3以下付近の値を得
るためには、アルミナ粉末としては純度が99.3%以
上、残部が焼結助剤及び不純物から成る高純度アルミナ
質焼結体とすることが望ましい。
し、焼結助剤としてアルカリ金属、アルカリ土類金属、
希土類元素、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、
シリコン(Si)、周期律表第8族の群から選ばれる少
なくとも一種の元素の化合物を0.7重量%以下、特に
0.1〜0.5重量%の割合で含有するものである。
Ca元素を含むガラス成分は微量しか存在しないため、
メタライズ組成物においてもガラス相をほとんど含んで
いないことから、焼成後のメタライズ配線層をICP等
で分析しても前記Si、Ca、Mgは0.5重量%未満
となっている。
分が占める割合は、メタライズ配線層の密度を高くし、
焼成後のメタライズ配線層の緻密化を容易にし、かつ絶
縁基体との気密性を得るためには45〜60体積%の範
囲であることが必要であり、特に45〜55体積%が好
適である。
高純度アルミナ質焼結体を絶縁基体とする配線基板の製
造方法について説明する。先ず、アルミナを99.3重
量%以上含有する原料粉末に前記焼結助剤を0.7重量
%以下の割合で添加して混合したものに、溶媒等を添加
混合して泥漿を調製し、これをドクターブレード法、カ
レンダーロール法、圧延法によるか、あるいは前記混合
粉末をプレス成形して適当な厚さのシート状成形体(グ
リーンシート)を作製する。
混合粉末にアクリル樹脂、エチルセルロース、ニトロセ
ルロース等の公知のバインダーと、ジブチルフタレート
などの公知の可塑剤、その他、消泡剤、界面活性剤等を
溶剤とともに適宜添加して混合してメタライズペースト
を調製する。
リーンシートの表面にスクリーン印刷法、グラビア印刷
法等により配線パターン状に印刷すると共に、グリーン
シートにスルーホールを形成し、該スルーホール内へも
前記メタライズペーストを充填した後、複数のグリーン
シートを積層一体化する。
囲気中、好ましくは加湿窒素水素混合雰囲気中で145
0〜1700℃の温度で焼成し、グリーンシートとメタ
ライズペーストとを同時に焼成することにより多層の配
線基板が作製できる。
ライズ配線層や、接続金具が取付られる配線層の表面に
は、耐食性を向上させたり、ロウ材や半田との濡れ性を
向上させて接合強度を高めるために、ニッケル(N
i)、金(Au)等の良導電性で耐蝕性に優れた金属を
電解メッキ、無電解メッキ等の手段により0.1〜10
μmの厚さで形成されて配線基板となる。
用いた配線基板について、一実施例に基づき具体的に詳
述する。
m、酸素含有量1.2重量%のモリブデン(Mo)粉末
と、BET比表面積が12m/gの各種純度のAl2 O
3 粉末と、平均粒径が1μmのFe、Ni、Pd、Co
あるいはそれらの化合物を少なくとも一種含有した無機
成分が表1に示す割合となるように秤量し、これに有機
溶剤、溶媒を添加し混練機で10時間混練し、メタライ
ズペーストを得た。
9%のアルミナ粉末に、焼結助剤としてSiO2 、Ca
O、MgOを2対1対1の重量比で配合したものを表1
に示す割合で添加した混合物に有機樹脂、溶媒を加えて
24時間ボールミルにより混合してスラリーを調製し、
これを用いてドクターブレード法によりグリーンシート
を作製した。
99.5重量%のAl2 O3 と、TiO2 を添加物とす
る従来のメタライズペーストを比較例とした。
0.2mmのスルーホールを10個開け、該スルーホー
ルに前記メタライズペーストを充填し、ランドパターン
を前記スルーホールの上下面に印刷すると共に、評価用
の配線パターンを印刷形成した後、これを窒素と水素の
混合ガスである還元性雰囲気中、約1550℃の温度で
同時焼成しアルミナ質焼結体の表面とスルーホール部に
メタライズ配線層を形成した評価用の配線基板を作製し
た。
ーホール部からのHeリーク量をHeリークディテクタ
ーを用いて測定し、スルーホール部の気密性を評価し
た。
続したメタライズ配線層を端子としてスルーホール部の
電気抵抗値を測定して導体抵抗として評価した。
し、スルーホール部を露出させ、該スルーホール部のメ
タライズ層と周囲のAl2 O3 質焼結体との界面の組織
を金属顕微鏡と電子顕微鏡で観察し、隙間の有無を目視
で判定して評価した。
試料番号1ではHeリーク量が5.0×10-5にも及
び、本発明の請求範囲外の試料番号2、8、16、22
ではHeリーク量が2.9×10-6を越えており、気密
性が悪いことが分かる。また、試料番号21はHeリー
ク量は小さいものの、導体抵抗が113mΩと極めて大
となっており、試料番号26はペースト自体が硬くスル
ーホールに充填できずいずれも実用的でない。
はいずれもHeリーク量が小さく、導体抵抗も59mΩ
以下と低くなっており、スルーホール断面に隙間も認め
られず充分に密着していることが分かる。
ズ組成物及びそれを用いた配線基板は、特に高周波用と
して好適に使用されるアルミナを99.3重量%以上含
有する高純度のアルミナ質焼結体に対して、低い電気抵
抗と高い気密性を有するスルーホールを形成することが
でき、特に高純度のアルミナ質焼結体との同時焼成によ
りスルーホールを形成することができることから、高周
波用の多層配線基板として、セルラー電話、パーソナル
ハンディホンシステム、各種衛星通信用の回路基板、及
び半導体素子を収容する半導体素子収納用パッケージや
回路配線導体を有する回路基板等の電子部品に好適に使
用され、それらの部品の信頼性を高めることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】アルミナ(Al2O3)を99.3重量%
以上含有する絶縁基体におけるスルーホールを形成する
ためのメタライズ組成物であって、アルミナ(Al2O
3)を20〜60体積%と、鉄(Fe)、ニッケル(N
i)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)の各金属
またはそれらの化合物の少なくとも一種を金属換算で
0.02〜10体積%と、残部がモリブデン(Mo)ま
たはタングステン(W)の一種以上とから成る無機成分
が、45〜60体積%であることを特徴とするメタライ
ズ組成物。 - 【請求項2】前記無機成分のアルミナ(Al2O3)が
純度99.9重量%以上であることを特徴とする請求項
1記載のメタライズ組成物。 - 【請求項3】アルミナ(Al2O3)を99.3重量%
以上含有する絶縁基体に、アルミナ(Al2O3)を2
0〜60体積%と、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、パ
ラジウム(Pd)、コバルト(Co)の各金属またはそ
れらの化合物の少なくとも一種を金属換算で0.02〜
10体積%と、残部がモリブデン(Mo)またはタング
ステン(W)の一種以上とから成る無機成分を45〜6
0体積%含有したメタライズ組成物から成るスルーホー
ルを有することを特徴とする配線基板。 - 【請求項4】前記無機成分のアルミナ(Al2O3)が
純度99.9重量%以上であることを特徴とする請求項
3記載の配線基板。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP34225895A JP3411143B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | メタライズ組成物及びそれを用いた配線基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34225895A JP3411143B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | メタライズ組成物及びそれを用いた配線基板 |
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JPH09183677A JPH09183677A (ja) | 1997-07-15 |
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Family
ID=18352329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP34225895A Expired - Fee Related JP3411143B2 (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | メタライズ組成物及びそれを用いた配線基板 |
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KR100459361B1 (ko) * | 2000-04-06 | 2004-12-04 | 아사히 가세이 덴시 가부시끼가이샤 | 자전 변환 소자 및 그의 제조 방법 |
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-
1995
- 1995-12-28 JP JP34225895A patent/JP3411143B2/ja not_active Expired - Fee Related
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