JP3410944B2 - 殺菌方法及び海水の殺菌製氷装置 - Google Patents

殺菌方法及び海水の殺菌製氷装置

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JP3410944B2 JP35454397A JP35454397A JP3410944B2 JP 3410944 B2 JP3410944 B2 JP 3410944B2 JP 35454397 A JP35454397 A JP 35454397A JP 35454397 A JP35454397 A JP 35454397A JP 3410944 B2 JP3410944 B2 JP 3410944B2
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    • F25CPRODUCING, WORKING OR HANDLING ICE
    • F25C1/00Producing ice
    • F25C1/04Producing ice by using stationary moulds
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25CPRODUCING, WORKING OR HANDLING ICE
    • F25C2400/00Auxiliary features or devices for producing, working or handling ice
    • F25C2400/12Means for sanitation

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  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真水,海水などの
水中に生存している病原菌を死滅させる殺菌方法及び海
水の殺菌製氷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人類の生存の歴史は病原菌との戦いの歴
史であり、この戦いは現在も続いている。毎年温かくな
ると必ずといって良いほど食中毒が発生し、寒くなると
風邪が流行する。食中毒はサルモネラ菌や腸炎ビブリオ
菌等が原因となっており、風邪はウイルスが原因となっ
ている。これらの菌により単に下痢や吐き気等の症状で
すめば余り問題はないが、赤痢やO−157等に感染し
た場合には命にかかわることもある。これらの菌やウイ
ルスを完全に撲滅することは不可能であり、人間に出来
ることは、これらの菌やウイルスに感染しないようにす
ることだけである。病原菌は種々の経路から人に浸入す
るが、その中でも毎日口にする食物や水から感染するこ
とが多い。このために真水の水道水では、薬剤として塩
素を使用して殺菌をしている。料理をする場合には食材
を煮たり焼いたりするが、これも熱を加えることで殺菌
しているのである。
【0003】このような簡単な方法だけで病原菌を完全
に死滅させることができれば、人に感染することは非常
に少ないのであるが、塩素を使用した時にはトリハロメ
タンが発生することが問題となっており、塩素に強い病
原菌もある。また、煮沸しても死滅しない菌もある。こ
れらの菌を完全に死滅させるような強力な薬剤を使用す
れば、これを毎日口にする人間にどのような副作用が生
じるのか不安が残る。
【0004】薬剤を使用しないで殺菌をするために紫外
線を照射する方法が開発され、市場に提供されている。
紫外線を利用するこの方法は薬剤を使用しないために副
作用を生じないので安全である。殺菌をするために照射
する紫外線は主に254nmの波長であり、この波長の
紫外線は病原菌のDNAの吸収波長であることから病原
菌を殺菌するには有効な方法である。また、紫外線を水
に照射するとここに過酸化水素が生成され、この過酸化
水素が水に戻る時に余った酸素が病原菌を酸化して殺菌
しているのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、254
nmの紫外線を照射して病原菌を殺菌するには長時間必
要とするために、大型の殺菌装置を製造するには困難で
あった。また過酸化水素が水に戻る時に生じる酸素は余
りエネルギーが高くはないために酸化力が小さく、殺菌
手段とはなりえないのである。本発明は、薬剤を使用す
ることなく、ほぼ完全に病原菌や病原ウイルスを死滅さ
せることができる殺菌方法及び海水の殺菌製氷装置を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、オゾンO3
生成するため、184nmの波長を含む紫外線を気体に
照射する紫外線ランプ5を内蔵する照射室1を有し、上
記オゾンO3 と病原菌が生存している海水とを混合し圧
力を加える加圧ポンプP1を持ち、更に、254nmの
波長を含む紫外線を照射する紫外線ランプ7を内蔵する
照射室3と、310〜360nmの波長を含む紫外線を
照射する照射室4とを連続的に配置し、単独又は複数の
照射室で殺菌して得られた清浄な海水を製氷室に導き、
海水氷としたことを特徴とするものである。
【0007】更に、本発明は、オゾンO3 を生成するた
め、184nmの波長を含む紫外線を気体に照射する紫
外線ランプ5を内蔵する照射室1を有し、上記オゾンO
3 と病原菌が生存している海水とを混合し圧力を加える
加圧ポンプP1を持ち、更に、254nmの波長を含む
紫外線を照射する紫外線ランプ7を内蔵する照射室3
と、310〜360nmの波長を含む紫外線を照射する
照射室4とを連続的に配置し、更に第2のオゾンO3
生成して、上記照射室に送り込むための、184nmの
波長を含む紫外線ランプ6を気体に照射する別個の照射
室2を設け、上記単独又は複数の照射室で殺菌して得ら
れた清浄な海水を製氷装置に導き、フレーク状の海水氷
としたことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】実施形態を説明する前に紫外線と
酸素の関係について若干の説明をする。大気中に存在し
ている酸素分子O2 は、他の窒素分子N2 と比較すると
活性が高く、これらの分子よりも容易に他の物質と結合
して酸化物を形成するが、それでも割合と安定して大気
中に存在している。これが酸素原子Oとなると酸素分子
2 よりも活性が高くなり、他の物をすぐに酸化させる
こととなる。酸素Oには周知のように8個の電子があ
り、各々軌道を回っている。電子がどの軌道を回ってい
るかによって、酸素の有しているエネルギーは異なる。
つまり同じ酸素とは言っても、電子がどの軌道を回るか
によって酸素が有しているエネルギーには差があり、活
性の度合いが違うのである。
【0009】フロンガスにより紫外線をカットするオゾ
ン層が破壊され、紫外線が地上に照射されて癌が増加す
ることが問題となっている。このオゾンは太陽光に含ま
れる紫外線が酸素分子O2 を分裂させて酸素原子Oを作
り、この酸素原子Oが酸素分子O2 と結合してオゾンO
3 が形成されるのである。このことをヒントに研究がな
された結果酸素類(O2 ,O,O3 )にエネルギーを与
えてヒドロキシラジカルOHやスーパーオキシドO2 -
のように活性化するには、波長の異なる種々の紫外線を
照射することで行えることが明らかとなり、これを利用
してこの殺菌方法は開発されたものである。
【0010】この明細書において「水」の定義には、真
水だけでなく「海水」も含まれる。そして、この発明を
実施したときの殺菌効果は、あとの試験データの如く、
海水にも完全に適用される。
【0011】以下、本発明の殺菌方法に好適する殺菌装
置について、図1を参照して説明する。この殺菌装置の
主な構成は184nmの波長を含む紫外線を照射する紫
外線ランプ5を内蔵する第1照射室、254nmの波長
を含む紫外線を照射する紫外線ランプ7を内蔵する第3
照射室3、310〜360nmの波長を含む紫外線を照
射する紫外線ランプ8を内蔵する第4照射室4、病原菌
が生存している水とオゾンO3 を含む空気とを混合して
圧力を加える加圧ポンプP1、加圧ポンプP1の出力を
安定させる圧力タンク12、184nmの波長を含む紫
外線を照射する紫外線ランプ6を内蔵する第2照射室2
および第2照射室2に空気を送るエアーポンプP2から
構成されている。
【0012】以上のように構成された殺菌装置の動作に
ついて説明する。加圧ポンプP1の運転を開始すると、
気体取入口9から大気中の空気が第1照射室1に取り込
まれる。ここに取り込まれた空気は第1照射室1内の紫
外線ランプ5(184nmの波長を含む紫外線)により
照射され、大気中に含まれている酸素分子O2 は分裂さ
せられて遊離基底状態の酸素原子Oとなる。この基底状
態の酸素原子はすぐに周囲の酸素分子O2 と結合してオ
ゾンO3 となる。
【0013】第1照射室1で生成されたオゾンO3 は、
パイプ10を介して加圧ポンプP1へと送られる。加圧
ポンプP1には水の取入口11が設けられており、加圧
ポンプP1が運転を開始すると、ここから病原菌が生存
している水が加圧ポンプP1内に取り込まれ、ここでオ
ゾンO3 を含む空気と混合される。加圧ポンプP1によ
り圧力が加えられることにより、オゾンO3 が病原菌が
生存している水に溶け込む。オゾンO3 が溶け込んだ水
は圧力タンク12へと送られる。この圧力タンク12は
加圧ポンプP1の圧力を安定させるために設けられてい
る。
【0014】オゾンO3 が溶け込んだ病原菌が生存して
いる水は、圧力タンク12からパイプ13を介して第3
照射室3へと送られる。このとき加わっていた圧力は開
放されるから、水に溶け込んでいたオゾンO3 は微小な
気泡となって発生する。水に溶け込んでいた総てのオゾ
ンO3 が気泡となるのではなく、水にもオゾンO3 は残
っている。従って、第3照射室3に送り込まれた病原菌
を含む水には、この水に溶け込んだオゾンO3 と、微小
な気泡となったオゾンO3 とが混入していることとな
る。これらが混入されている水に第3照射室3内の25
4nmの波長を含む紫外線が紫外線ランプ7により照射
されると、水に溶け込んでいるオゾンO3及び気泡とに
含まれているオゾンO3 は分裂させられて一重項の遊離
酸素1 2となる。一重項の遊離酸素1 2 は活性が大
変に高く、22.5Kcal/molのエネルギーがある。
【0015】一重項の遊離酸素1 2 を含んだ水は第4
照射室4へとパイプ22を介して送られ、ここで、31
0〜360nmの波長を含む紫外線を紫外線ランプ8に
より照射される。紫外線ランプ8により紫外線が照射さ
れると、一重項の遊離酸素12 は周囲の水H2O から
水素を奪い、ヒドロキシラジカルOHが生成される。こ
のヒドロキシラジカルOHは非常に酸化力が高く、有機
物をすぐに酸化させる力がある。
【0016】第4照射室4で310〜360nmの波長
の紫外線を照射された水は、オーバーフローにより吐出
口27からパイプ28を介して出口29へと流れる。第
4照射室4内を通過する水には気泡が含まれており、こ
れをそのまま放置すると第4照射室4の天井部分に気体
として溜まってしまう。そこで、これを排出するために
第4照射室4の上部には空気の排出口24を設け、パイ
プ25を介して外部に放出させる。パイプ25から第4
照射室4に大気中の空気が浸入しないように、この中に
は逆止弁26が設けられている。気体を外部に排出する
パイプ25と水を外部に排出するパイプ28とを図面に
示すように接続すると、水の流れにより負圧が生じて気
体は出口29へ導かれる。
【0017】次にこの殺菌装置が水に生存している病原
菌を如何に殺菌するかについて説明する。第1照射室1
で生成されたオゾンO3 は、酸素分子O2 と比較すると
活性が高く酸素原子Oを離して酸素分子O2 に戻ろうと
する。離された酸素原子Oは水と結合して過酸化水素H
22となり、この過酸化水素H22は酸素原子Oを離し
て水H2O になろうとする。余った酸素原子Oは周囲の
有機物と結合して酸化物を形成する。病原菌は有機物で
あり、酸化されると生きていくことは出来ず殺菌される
ことになる。従って、加圧ポンプP1内で病原菌が生存
している水とオゾンO3 が混合される事だけでも、ある
程度の病原菌は殺菌される事となる。
【0018】また、加圧ポンプP1で圧力が加えられる
ことでもある程度殺菌はなされる。深海にも生息してい
る微生物はいるから、圧力を加えることだけで殺菌する
ことができないように考えられる。しかし、加圧ポンプ
P1に送り込まれる水は最初は通常の大気圧で、加圧ポ
ンプP1内で圧力が高まり、この圧力が開放されること
で再び大気圧に戻る。釣りをしたとき深海魚は普通釣り
あげられただけで、圧力が開放されるから殆ど死んでし
まう。圧力が加えられた後に圧力が開放されると、2度
も著しく環境が変化したこととになり、病原菌も死んで
しまうことが多く、生きてはいてもかなり弱ってしま
う。通常の大気圧である所に生息している病原菌は一般
的に、光に対して対抗力はあるが圧力に対しては弱く、
圧力の高い深海に生息している病原菌は圧力に対しては
対抗力はあるが光に対しては弱い傾向がある。この殺菌
装置は圧力および光を加えることで、大気圧に生息して
いる病原菌及び深海に生息している病原菌のいずれにも
有効に働くこととなる。この圧力を加えることが本発明
の殺菌方法の大きな特徴である。
【0019】オゾンO3 を含んだ水は第3照射室3に送
られ、ここで紫外線ランプ7により254nmの波長を
含む紫外線が照射される。254nmの波長の紫外線は
従来技術に記載したように、病原菌のDNAの吸収波長
でありこれを照射するだけでも死滅する病原菌もある。
この殺菌装置では254nmの波長の紫外線はこれだけ
で病原菌を殺菌するために照射するのではなく、オゾン
3 を分裂させて一重項の遊離酸素1 2 を生成するた
めである。この一重項の遊離酸素1 2 は非常に活性が
高く、近くに病原菌があるとこれから水素を奪って、つ
まり酸化させて殺菌する。
【0020】一重項の遊離酸素1 2 を含んだ水は第4
照射室4に送られ、310〜360nmの波長の紫外線
を含む紫外線ランプ8により照射される。この紫外線が
照射されると一重項の遊離酸素1 2 は水H2 Oから水
素を奪い、ヒドロキシラジカルOHが生成される。ヒド
ロキシラジカルOHも非常に活性が高く、病原菌から水
素を奪う酸化を行って直ちに殺菌を行う。以上に記載し
た殺菌装置に加えて、病原菌が生存している水により多
くのオゾンO3 を溶け込ませた装置について説明する。
第2照射室2に内蔵してある紫外線ランプ6を照射し、
ここでエアーポンプP2を運転を開始すると、大気中の
空気が第2照射室2に送られる。ここで184nmの波
長が含まれる紫外線が照射されると、前記したように酸
素分子O2 は酸素原子Oに分裂される。この酸素原子O
は酸素分子O2 と結合してオゾンO3 が生成される。
【0021】バルブ19を開放すると、エアーポンプP
2に加えられる圧力により、オゾンO3 はパイプ20を
通って第3照射室3の底部に設けてある発泡器15に到
達する。発泡器15には微小な穴が多数設けられてお
り、ここをオゾンO3 が通過すると第3照射室3に気泡
となって発生する。第3照射室3には第1照射室1で生
成されたオゾンO3 と、第2照射室2で生成されたオゾ
ンO3 の両者が通過することとなる。第2照射室2で2
54nmの紫外線が照射されると、ここでは第1照射室
1だけで生成されたオゾンO3 よりも多くのオゾンO3
が含まれており、活性の高い一重項の遊離酸素1 2
より多く生成される。従って、第4照射室4では酸化力
の非常に高いヒドロキシラジカルOHが多く生成され、
それだけ殺菌力の高い殺菌装置を提供することができ
る。
【0022】従来の殺菌装置は、254nmの紫外線を
照射するだけで行っていたが、本発明ではオゾンO3
病原菌が生息する水に混入して圧力を加えて開放し、2
54nmの紫外線を照射して一重項の遊離酸素1 2
生成し、最終的にはヒドロキシラジカルOHにより酸化
させることにより殺菌している。つまり従来の殺菌装置
では一段階だけで殺菌を行っていたのが、本殺菌装置で
は多段階に殺菌を行い、最終的には活性の高いヒドロキ
シラジカルOHの酸化力により殺菌を行っている。また
ヒドロキシラジカル等は病原菌の殺菌を瞬時に行うこと
から、大量の水の殺菌を行うことが可能となる。
【0023】北里大学医療衛生学部臨床微生物学研究室
(責任者 田口文章 教授 医学博士)で前記殺菌装置
及び殺菌方法で大腸菌及びO−157の殺菌を行った実
験及び効果を以下に記載する。試験方法は蒸留水で約1
04CUF/mlに調整した菌液を前記殺菌装置で循環を
し、圧力及び流量が安定した時点で排出口19から採水
した。なお、CFUとは、Colony Formin
g Unitの略で、lml当りの生菌数を示している。
採水した水を生理的食塩液で10倍段階希釈し、各段階
の希釈液を標準寒天培地の平板表面に塗布して、35℃
で24時間培養した。形成された細菌の集落数を算定
し、紫外線ランプ1等の消灯時の循環菌量を不活性化率
0%として、紫外線ランプ1等の点灯時の不活性化率を
求めた。
【0024】大腸菌の殺菌効果は不活性化率99%以上
であり、O−157の殺菌効果も不活性化率99%以上
であった。この結果、前記した殺菌装置は大腸菌及び病
原性大腸菌O−157に対して高い殺菌効果を有するこ
とが証明された。99%以上の不活性化率であるから、
1%弱の大腸菌、O−157は生存することとなる。し
かし、これは殆ど死に近い状態で検出されたものであ
り、この水を飲んでも感染することはない。またここで
は大腸菌やO−157の殺菌試験を行っただけである
が、これらの菌を効果的に殺菌することができると言う
ことは、他の菌にも有効な殺菌能力がある。
【0025】本発明の第2の実施例を図2及び図3に示
す。この第2の実施例は本発明を海水に適用した場合で
ある。図2において、図1と同一部分は同一符号で示
し、説明を省略する。この第2の実施例の特徴は、製氷
室30をパイプ29に連結し、照射室3又は4で殺菌さ
れた清浄な海水を製氷室30に導き、清浄な海水氷とす
ることである。自然の海水を氷に生成すること自体は勿
論よく知られており、南極又は北極等でも自然現象で存
在している。本発明は、特に、殺菌した海水を氷にする
ことであり、その海水氷は、製氷装置の性能によって角
砂糖型にすることもできるし、サラサラとした粒状のフ
レーク状の海水氷とすることもできる。
【0026】海水、とくに沿岸附近の海水には、陸地か
ら流れ込む生活用水のために無数の様々な有害なる細菌
とくに大腸菌及びウイルスが生存している。従って、こ
のような自然の海水をそのまゝ氷として使用した場合、
氷が融解するにつれて海水中にはそのまゝ細菌やウイル
スが生存し、魚,貝などの食物に附着し、このために、
このような食物の腐敗を一そう促進し、到底使用できな
い。従って、この発明により海水を殺菌し、その後、菌
の生存していない海水氷にできれば、海中より採取した
魚類,貝等を清浄な海水氷で冷凍できる。このことは、
採取した魚介類を遠距離の場所まで新鮮なまゝ運送でき
得ることを意味する。従って、漁師,魚屋等は、魚介類
を採取したあと、すぐ身近なところで、安く急いで売却
する必要がなくなり、遠距離の大都会の価格の高い魚市
場まで新鮮に運送できるから、値段も高くできるという
画期的な経済効果を期待できるのである。
【0027】図3は、この発明で使用した製氷装置の一
実施例である。30は海水製氷装置の全体である。31
は海水供給タンクでパイプ29から殺菌した海水が供給
される。32は海水を押し上げるポンプ、33は海水供
給パイプ、34は筒形の外板で、内側に筒形の内板35
を設け、この両者の空間部に螺旋形に配置された冷媒通
路36を有する。この中心に10〜20r.p.m.程度のゆ
っくりと回転する回転軸37が直立しており、その上部
に減速機用カップリング38を設ける。回転軸37の上
部には減速機39を介してモータ40を設ける。回転軸
37の上部には受皿41が取り付けられ、この受皿41
に上記パイプ33の吐出口が配置される。従って、受皿
41に海水が供給され、受皿41に放射状に形成した複
数の散水パイプ44の先端より前記内板35の内面壁に
散水される。更に、回転軸37には垂直方向に鋸歯状の
掻き取り刃42を取り付けた板43を固定する。従っ
て、回転軸37の回転につれて、掻き取り刃42も一緒
に回転する。
【0028】上記冷媒管36は、図示しない冷凍機に連
結されており、冷媒管36内に供給される冷媒の冷却作
用により、内板35は−27℃付近に維持される。海水
がパイプ33の吐出口より受皿41に供給され、更に、
海水は散水パイプ44から冷却された内筒35にまき散
らされ、急速に薄い氷が生成される。
【0029】上述したように、回転軸37には掻き取り
刃42が取り付けられ、ゆっくりと回転しており、その
ため、刃42によって内筒35の内壁面に形成された氷
は粒状のフレーク状の細かい氷となって下方に落下す
る。このようにして、フレーク状の清浄な海水氷が得ら
れる。尚、図中45は筒形の外板34の外周に配設され
た断熱材、46は断熱材45を囲む外壁板である。
【0030】本発明装置を海水に適用し、殺菌効果を測
定した。結果は次の通りである。 1.試験内容 本発明装置の海水殺菌及びウイルス不活性化性能測定試
験 2.試験品 急速殺菌海水化装置W550(処理能力: 5.5t/
時) 3.試験に用いた殺菌とウイルス 細 菌:Escherichia coli ATCC25922(大腸菌) ウイルス:Coxsackie virus B6型 Schmitt株(コクサ
ッキーウイルス) 4.試験の概要 海水(試験水の容量:W550)1tに大腸菌及びコク
サッキーウイルスの混合液を添加し、試験機を通過した
処理水中の大腸菌及びコクサッキーウイルスを定量し
た。 試験実施場所 :日立造船神奈川工場内(神奈川県
川崎市) 試験時の平均気温 :20.7℃ 試験時の平均海水温:17.2℃ 5.試験方法5-1 1パスの殺菌・ウイルス不活性化性能 海水に大腸菌とコクサッキーウイルスの混合液を添加し
試験水とした。試験機を運転し、試験水を通過させた。
この時、排出された処理水をサンプリングし、大腸菌と
コクサッキーウイルスをそれぞれ定量した。未処理水
(対照)の大腸菌量及びコクサッキーウイルス量を不活
性化率0%として、処理水の1パスの殺菌率及びウイル
ス不活性化率を求めた。 *大腸菌の定量は、サンプル1ml中のウイルス数とし
た。5-2 循環させた場合の殺菌・ウイスル不活性化性能 試験機を運転し試験水を通過させた。この時、排出され
た処理水を再度、試験水に戻し循環させた。循環処理水
をサンプリングし、大腸菌とコクサッキーウイルスをそ
れぞれ定量した。未処理水(対照)の大腸菌量及びコク
サッキーウイルス量を不活性化率0%として、循環処理
水の殺菌率及びウイルス不活性化率を求めた。 *大腸菌の定量は、サンプル1mlを遠心して集菌し50
ml中の菌数とした。 6.結 果 下記の表1乃至2に示す。
【表1】
【表2】 7.評 価 大腸菌6.0×105CFU/50ml(未処理水)およびコクサッ
キーウイルス3.0×102PFU/ml(未処理水)を添加した
海水を急速殺菌海水化装置W550で処理したところ、
1パスで大腸菌(処理水50ml中)及びコクサッキーウイ
ルス(処理水1ml中)は不検出であった。以上の結果か
ら、急速殺菌海水化装置W550は、海水に添加した大
腸菌6.0×105CFU/ml(未処理水)を1パスで99.999%
以上殺菌し、3.0×102 PFU/ml(未処理水)のコクサッ
キーウイルスを1パスで99%以上不活化した。海水中の
大腸菌やコクサッキーウイルス(エンテロウイルス:人
糞便由来の腸管系ウイルス)に対して、殺菌及びウイル
ス不活化効果が高いと考えられる。大腸菌の定量は、処
理水サンプル1ml当たりの菌数が不検出であったため、
サンプル50mlを遠心して集菌し50ml中の菌数とした。ま
た、試験に用いた海水の常在菌及び常在ウイルスを定量
したところ、一般生菌数は 90CFU/ml(標準寒天培地で
36℃48時間培養) 、大腸菌群及びウイルス1ml当たり不
検出であった。培養条件を限定しているため、この測定
結果は必ずしも海水中すべての常在菌及び常在ウイルス
数を示してはいない。しかし、試験に用いた海水は、大
腸菌及びコクサッキーウイルスが不検出であることか
ら、試験データは添加した大腸菌量とウイルス量を反映
したものであると考えられる。 (以上の殺菌効果の測定は、北里大学医療衛生学部臨床
微生物研究室 田口文章教授の報告書によるものであ
る。)
【0031】
【発明の効果】本発明は、前記したように構成すること
により、人が毎日口にする水について有効な殺菌方法及
び海水の殺菌製氷装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である殺菌装置の概略図
である。
【図2】海水を殺菌したあと製氷する場合の本発明の第
2の実施形態を示す概略図。
【図3】第2実施形態における殺菌した海水氷を成形す
る 海水製氷装置の断面図。
【符号の説明】
1 第1照射室 2 第2照射室 3 第3照射室 4 第4照射室 5,6,7,8 紫外線ランプ P1 ポンプ P2 エアーポンプ 12 圧力タンク 26 逆止弁 30 製氷機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−313130(JP,A) 特開 平4−27493(JP,A) 特開 平4−141296(JP,A) 特開 昭64−63091(JP,A) 特開 平6−154772(JP,A) 特開 昭51−42352(JP,A) 特開 平5−228480(JP,A) 登録実用新案3052350(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/20 - 1/26 C02F 1/30 - 1/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オゾンOを生成するため、184nmの
    波長を含む紫外線を気体に照射する紫外線ランプ5を内
    蔵する照射室1を有し、上記オゾンOと病原菌が生存
    している海水とを混合し圧力を加える加圧ポンプP1を
    持ち、更に、254nmの波長を含む紫外線を照射する
    紫外線ランプ7を内蔵する照射室3と、310〜360
    nmの波長を含む紫外線を照射する照射室4とを連続的
    に配置し、単独又は複数の照射室で殺菌して得られた清
    浄な海水を製氷室に導き、海水氷としたことを特徴とす
    る殺菌製氷装置。
  2. 【請求項2】オゾンOを生成するため、184nmの
    波長を含む紫外線を気体に照射する紫外線ランプ5を内
    蔵する照射室1を有し、上記オゾンOと病原菌が生存
    している海水とを混合し圧力を加える加圧ポンプP1を
    持ち、更に、254nmの波長を含む紫外線を照射する
    紫外線ランプ7を内蔵する照射室3と、310〜360
    nmの波長を含む紫外線を照射する照射室4とを連続的
    に配置し、更に第2のオゾンOを生成して、上記照射
    室に送り込むための、184nmの波長を含む紫外線ラ
    ンプ6を気体に照射する別個の照射室2を設け、上記単
    独又は複数の照射室で殺菌して得られた清浄な海水を製
    氷装置に導き、フレーク状の海水氷としたことを特徴と
    する殺菌製氷装置。
  3. 【請求項3】上記照射室1と次の照射室3は流体用パイ
    プ13で連結されており、このパイプ13の中間に圧力
    安定用タンク12が設けられている上記請求項1又は2
    記載の装置。
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