JP3410311B2 - 釣り・スポーツ用具用部材 - Google Patents

釣り・スポーツ用具用部材

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JP3410311B2
JP3410311B2 JP34182796A JP34182796A JP3410311B2 JP 3410311 B2 JP3410311 B2 JP 3410311B2 JP 34182796 A JP34182796 A JP 34182796A JP 34182796 A JP34182796 A JP 34182796A JP 3410311 B2 JP3410311 B2 JP 3410311B2
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浩康 鈴江
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、釣り用具や、ゴル
フ用具、スキー用具、テニス用具等のスポーツ用具用の
部材に関する。
【0002】
【従来の技術】釣り用具や、ゴルフ用具、スキー用具、
テニス用具等のスポーツ用具については、その機能や特
性を向上させると共に、軽量化を実現させる傾向にあ
る。一方、上記釣り用具やスポーツ用具には、使用者の
趣味に訴えるために、様々な装飾が施される。このた
め、これらの部材には、優れた外観を示すように、種々
の塗装等が施される。近年、釣り用具やスポーツ用具の
軽量化に伴い、部材重量における塗装層の割合が大きく
なってきている。具体的には、釣り竿においては、竿管
重量における塗装層の重量が5〜10%以上を占める程
度に上がってきている。このため、塗装層や装飾層は、
上述した釣り用具やスポーツ用具の軽量化を妨げる大き
な原因となっている。
【0003】そこで、優れた外観を有し、しかも軽量で
ある釣り用具やスポーツ用具を実現するために、部材本
体上に塗装層等の合成樹脂被膜を介して金属膜やセラミ
ックス膜等を装飾層として形成する技術がある。
【0004】しかしながら、金属膜やセラミックス膜は
部材本体や合成樹脂被膜に比べて硬度が高いため、部材
本体や合成樹脂被膜の変形に追従できず、部材本体や合
成樹脂被膜から剥離したり、破壊したりするという問題
がある。
【0005】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、剥離や破壊のない装飾層を有することにより、軽
量で、しかも優れた外観を示す釣り・スポーツ用具用部
材を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、釣り・ス
ポーツ用具用部材において、装飾層である金属膜やセラ
ミックス膜等と下地との関係に着目し、金属膜やセラミ
ックス膜等と下地との間の特性の差を小さくすることに
より、あるいは、装飾層である金属膜やセラミックス膜
等の厚さを10μm未満程度に極薄くすることにより、
剥離や破壊がなく、しかも優れた外観を示す装飾層を実
現できることを見出し本発明をするに至った。
【0007】すなわち、本発明の第1の発明は、部材本
体と、前記部材本体上に形成された合成樹脂被膜と、前
記合成樹脂被膜上に形成された装飾用薄膜とを具備し、
前記合成樹脂被膜は、前記装飾用薄膜が有する特性と近
似する特性を有することを特徴とする釣り・スポーツ用
具用部材を提供する。
【0008】また、本発明の第2の発明は、部材本体
と、前記部材本体上に形成され、厚さ10μm未満であ
る硬質被膜とを具備することを特徴とする釣り・スポー
ツ用具用部材を提供する。
【0009】また、本発明の第3の発明は、部材本体
と、前記部材本体上に形成された合成樹脂被膜と、前記
合成樹脂被膜上に形成された硬質被膜と、前記硬質被膜
上に形成された装飾用薄膜とを具備することを特徴とす
る釣り・スポーツ用具用部材を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て具体的に説明する。本発明の第1の発明は、釣り・ス
ポーツ用具用部材は、図1に示すように、部材本体1
と、部材本体1上に形成された合成樹脂被膜2と、合成
樹脂被膜2上に形成された装飾用薄膜3とを具備し、合
成樹脂被膜2は、装飾用薄膜3が有する特性と近似する
特性を有することを特徴としている。
【0011】また、本発明の第2の発明は、釣り・スポ
ーツ用具用部材は、図2に示すように、部材本体1と、
部材本体1上に形成された極薄い硬質被膜4とを具備す
ることを特徴としている。
【0012】また、本発明の第3の発明は、釣り・スポ
ーツ用具用部材は、図3に示すように、部材本体1と、
部材本体1上に形成された合成樹脂被膜2と、合成樹脂
被膜2上に形成された硬質被膜4と、硬質被膜4上に形
成された装飾用薄膜3とを具備することを特徴としてい
る。
【0013】本発明の第1〜第3の発明において、部材
本体1は、ポリアミド樹脂、ガラス繊維強化ポリアミド
樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン)樹脂、ガラス繊維強化ABS樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂等の合成樹脂;炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ
繊維、アラミド繊維等の強化繊維にエポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、ポリエステル等の合成樹脂を含浸させた繊
維強化プリプレグ;アルミニウム合金、マグネシウム合
金、チタン合金等の金属;酸化ジルコニウム、酸化アル
ミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックス等
を用いることができる。
【0014】本発明の第1および第3の発明において、
部材本体1上に形成された合成樹脂被膜2とは、塗装
層、印刷層、プライマー層、模様層等を意味する。この
合成樹脂被膜2は、印刷法、ガン吹き塗装法、しごき塗
装法、ディッピング塗装法等の方法により設けることが
できる。
【0015】本発明の第1および第3の発明において、
合成樹脂被膜2上に直接または硬質被膜4を介して形成
された装飾用薄膜3は、具体的には金属膜やセラミック
ス膜を意味し、金属やセラミックスの光反射率を利用し
て外観として現れる色の明度や彩度を調整し、また部材
本体や下地層を隠蔽するものである。金属膜を構成する
金属としては、Al,Cu,Ag,Mg,In,Cr,
Si,Ni,Au,Rh,Pt等を挙げることができ
る。セラミックス膜を構成するセラミックスとしては、
TiN,TiC,CrCN,TiAlN,DLC(ダイ
ヤモンドライクカーボン),Al23 ,SiC,Si
34 ,ZrC等を挙げることができる。例えば、金属
膜を構成する材料としてCr、ステンレス鋼、Ni等を
用いることにより、外観として現れる色を塗装層だけで
得られる色よりも明るくすることができ、しかも耐食性
を向上させることができる。
【0016】装飾用薄膜3は、これらの材料からなる複
数の膜で構成しても良い。複数の膜を組み合わせること
により、種々の色あいを表わし易くすることができる。
例えば、外観において青系の色を表わす場合には、部材
本体1上に合成樹脂被膜2を介してNi膜、Ti膜の順
で金属膜を形成することが好ましく、外観において黄系
の色を表わす場合には、部材本体1上に合成樹脂被膜2
を介してCr膜、Ti膜の順で金属膜を形成することが
好ましい。これにより、鮮やかな青色もしくは黄色を現
すことができる。
【0017】また、装飾用薄膜の厚さは、色あい、耐久
性、加工時間、重量、およびコスト等を考慮して、20
nm〜10μmであることが好ましく、特に、50〜2
00nmであることが好ましい。
【0018】装飾用薄膜3を形成する方法としては、真
空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法
等のPVD(物理的気相成長)法や、P−CVD(プラ
ズマCVD)、MOCVD(有機金属CVD)法等のC
VD(化学的気相成長)法、湿式メッキ法等を挙げるこ
とができる。
【0019】本発明の第1の発明においては、合成樹脂
被膜2は、装飾用薄膜3が有する特性と近似する特性を
有するようにする。この場合、合成樹脂被膜2の硬度を
装飾用薄膜3の硬度に近似させる方法、合成樹脂被膜2
の熱膨張率を装飾用薄膜3の熱膨張率に近似させる方
法、合成樹脂被膜2の厚さを薄くする方法等の方法が挙
げられる。
【0020】合成樹脂被膜2の硬度を装飾用薄膜3の硬
度に近似させる方法としては、例えば、装飾用薄膜3の
硬度、例えば4H、に近い硬度を有する材料を用いて合
成樹脂被膜2を形成する方法がある。この場合、合成樹
脂被膜2の材料としては、オルガノポリシロキサン系材
料、ポリエステルアクリレート系紫外線硬化樹脂、ウレ
タンアクリレート系紫外線硬化樹脂、シリコン架橋・エ
ポキシ−アミノ架橋併用のアクリルシリコーン樹脂系材
料等を用いることができる。また、Al、Ni、真鍮等
の金属や、SiO2 、TiO2 、Al23 等の無機物
を含有したアクリル塗料、ウレタン塗料、またはエポキ
シ塗料等を用いることもできる。このような材料を用い
て、合成樹脂被膜2の硬度を3H以上、好ましくは4H
〜6Hに設定する。
【0021】また、この場合、合成樹脂被膜2の厚さ
は、外観、重量、作業性、耐久性、変形量を考慮して1
〜10μmであることが好ましい。これにより、合成樹
脂被膜2の硬度と装飾用薄膜3の硬度との差を小さくし
て、装飾用薄膜3の剥離や破壊を防止することができ
る。
【0022】合成樹脂被膜2の熱膨張率を装飾用薄膜3
の熱膨張率に近似させる方法としては、装飾用薄膜3を
構成する材料を合成樹脂被膜2を構成する材料に混合す
る方法、装飾用薄膜3と合成樹脂被膜2の熱膨張率の差
を小さくするために、両者の間に装飾用薄膜3または合
成樹脂被膜2の熱膨張率と正負が異なる熱膨張率を有す
る材料からなる被膜を形成する方法等の方法が挙げられ
る。このような方法により、合成樹脂被膜2の熱膨張率
を装飾用薄膜3の熱膨張率に近似させる。
【0023】これにより、合成樹脂被膜2の熱膨張率と
装飾用薄膜3の熱膨張率との差を小さくして、装飾用薄
膜3の剥離や破壊を防止することができる。なお、この
場合の合成樹脂被膜2の材料としては、アクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、オルガノポリシ
ロキサン系樹脂等を挙げることができる。
【0024】合成樹脂被膜2の厚さを薄くする場合、厚
さを10μm以下、好ましくは5μm以下、特に好まし
くは3μmにする。これにより、合成樹脂被膜2の変形
や伸縮が抑制され、装飾用薄膜3の剥離や破壊を防止す
ることができる。
【0025】このように薄い合成樹脂被膜2を形成する
場合、塗料の希釈剤量を増加して樹脂含有量を約25%
以下に設定する。これにより、塗料の粘度が低下して薄
い合成樹脂被膜2を形成することができる。この薄い合
成樹脂被膜2は、外観の仕上りが良好であり、しかも軽
量化に寄与する。
【0026】なお、この場合の合成樹脂被膜2の材料と
しては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系
樹脂、オルガノポリシロキサン系樹脂等を挙げることが
できる。
【0027】本発明の第2の発明においては、部材本体
1上に極薄い硬質被膜4を形成する。硬質被膜4の厚さ
は、重量、耐久性、外観等を考慮して、10μm未満、
好ましくは2〜6μmに設定する。
【0028】硬質被膜4の材料としては、硬度が4H以
上、好ましくは5H以上のものであれば良く、具体的に
は、Ni、Cr、Ti等の金属、TiC、TiN、Si
C、Al23 、CrCN、TiAlN、Si34
ZrC、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等のセ
ラミックス、硬質樹脂等を挙げることができる。
【0029】硬質樹脂としては、メラミン樹脂、ウレタ
ン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、多官能アクリル
樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、シリコーン樹脂、シランの部分加水分解物のいわゆ
るハードコート剤等を挙げることができる。また、ハー
ドコート剤として、ゾル−ゲル技術をによる無機コート
剤(無機有機バイブリッドハードコート剤)を用いても
良い。
【0030】ハードコート剤を用いる場合、極薄い硬質
被膜を形成するときは、構成樹脂として分子量の小さい
ものを用いて低粘度化したり、構成樹脂に希釈剤を多く
用いて低粘度化する。また、ハードコート剤を用いる場
合において、硬質被膜の硬度を調整するときには、ハー
ドコート剤の硬化条件を変えて構成樹脂の架橋度を調整
する方法、ハードコート剤に添加剤等を配合する方法、
ハードコート剤の構成樹脂を変更する方法等を挙げるこ
とができる。
【0031】このように部材本体1上に極薄い硬質被膜
4を設けることにより、部材本体1を保護することがで
きる。例えば、部材本体が釣り竿用の管状体である場合
には、岩や砂がみに対する保護、竿管内に他の竿管等を
挿入する構成における竿管同士の擦れに対する保護、竿
管の継ぎ合わせ部における摩耗に耐する保護等を行うこ
とができる。これにより、部材本体の耐久性が向上す
る。
【0032】また、硬質被膜4が極薄いので、部材の軽
量化を図ることができる。さらに、部材の寸法に影響を
与えない、すなわち硬質被膜の膜厚にバラツキがあって
も部材の寸法に影響を与えないので、製品完成度(製品
の寸法安定性)が向上する。また、硬質被膜4を薄くす
ることにより、部材の変形による硬質被膜のクラックの
発生を防止することができる。
【0033】また、本発明の第3の発明においては、合
成樹脂被膜2と装飾用薄膜3との間に硬質被膜4を形成
する。この場合、硬質被膜4の材料としては、上記のも
ののうち、合成樹脂被膜2の硬度と装飾用薄膜3の硬度
と同程度の硬度を有するものであることが好ましい。
【0034】硬質被膜4の形成方法としては、スパッタ
リング法、CVD法、塗布法、スプレー法、ロールコー
ティング法等を挙げることができる。硬質被膜4は単層
であっても複数層であっても良い。硬質被膜4を複数層
で構成することにより、硬質被膜の膜厚のバラツキを防
止し、塗布形成の際のタレやハジキ等のコーティング不
良を防止することができる。また、硬質被膜4を複数層
で構成する場合、図4に示すように、硬質被膜4と硬質
被膜4との間に緩衝層5を設けても良い。緩衝層5を設
けることにより、硬質被膜のクラックの発生をより効果
的に防止することができる。なお、緩衝層5を構成する
材料は、硬質被膜を構成する材料よりも軟質であれば良
い。また、緩衝層5の厚さは、10μm以下であること
が好ましい。
【0035】本発明の第1〜第3の発明においては、装
飾性薄膜3上には、SiO、SiO2 、MgF2 、Al
3 、BaF2 、CaF2 、ZrO2 、Cr23 、ポ
リシロキサンやポリジメチルシロキサンのような有機ケ
イ素化合物、ポリテトラフルオロエチレンやパーフルオ
ロアルキルアクリレートのようなフッ素樹脂等からなる
透明または半透明の保護層、すなわち耐摩耗性、撥水
性、耐擦傷性等の機能を付与する層等を設けても良い。
この場合、保護層の厚さは、重量、耐久性、外観等を考
慮すると、20nm〜10μmであることが好ましい。
なお、上記保護層は、上記PVD法、CVD法、塗布法
等により形成することができる。
【0036】本発明の第1および第3の発明は、合成樹
脂被膜2と装飾性薄膜3との間における構成に関するも
のであり、合成樹脂被膜2と装飾性薄膜3との界面が存
在するすべての場所に適用することができる。例えば、
装飾性薄膜3が合成樹脂被膜2の内側に設けられている
場合、合成樹脂被膜2と装飾性薄膜3とが同一面上に隣
接して設けられている場合等にも適用することができ
る。
【0037】次に、本発明の効果を明確にするために行
った実施例について説明する。 (実施例1)特定方向に引き揃えたカーボン繊維にエポ
キシ樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグをマンドレ
ルに巻回し、加熱することによりエポキシ樹脂を硬化さ
せ、マンドレルを引き抜くことにより、部材本体である
管状体を作製した。
【0038】次いで、管状体表面に#400の研磨体を
用いて研磨処理を施し、その後この管状体を溶剤洗浄し
た。次いで、洗浄後の管状体表面にポリエステルアクリ
レートを用いてガン吹き塗装を行い、乾燥することによ
り、厚さ5μmの合成樹脂被膜を形成した。なお、この
合成樹脂被膜について、JIS K 5400に準拠し
た方法で硬度を調べたところ、6Hであった。
【0039】この管状体上にイオンプレーティングによ
りCrを厚さ80nmで被着して装飾用薄膜を形成し
た。なお、この装飾用薄膜について、JIS K 54
00に準拠した方法で硬度を調べたところ、6Hであっ
た。したがって、合成樹脂被膜の硬度と装飾用薄膜の硬
度が近似したものとなった。
【0040】さらに、装飾用薄膜上にポリウレタン樹脂
塗料を塗布・乾燥することにより、厚さ8μmの保護層
を形成した。このようにして本発明の釣り・スポーツ用
具用部材である釣り竿用管状体を作製した。
【0041】この釣り竿用管状体について、促進耐久試
験(塩水噴霧試験、耐熱耐寒試験等)により、装飾用薄
膜の剥離や破壊の状態を調べたところ、まったく剥離や
破壊が起らなかった。また、この釣り竿用管状体は、軽
量で、しかも外観に優れたものであった。 (実施例2)特定方向に引き揃えたカーボン繊維にエポ
キシ樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグをマンドレ
ルに巻回し、加熱することによりエポキシ樹脂を硬化さ
せ、マンドレルを引き抜くことにより、部材本体である
管状体を作製した。
【0042】次いで、管状体表面に#400の研磨体を
用いて研磨処理を施し、その後この管状体を溶剤洗浄し
た。次いで、洗浄後の管状体表面にエポキシ塗料やウレ
タン塗料等の塗装層材料を用いてガン吹き塗装を行い、
乾燥することにより、厚さ5μmの合成樹脂被膜を形成
した。また、塗装層材料には、Al粒子を混入して熱膨
張率を調整した。
【0043】この管状体上にイオンプレーティングによ
りCrを厚さ80nmで被着して装飾用薄膜を形成して
熱膨張率を近似させた。さらに、装飾用薄膜上にポリウ
レタン樹脂塗料を塗布・乾燥することにより、厚さ8μ
mの保護層を形成した。このようにして本発明の釣り・
スポーツ用具用部材である釣り竿用管状体を作製した。
【0044】この釣り竿用管状体について、促進耐久試
験により、装飾用薄膜の剥離や破壊の状態を調べたとこ
ろ、まったく剥離や破壊が起らなかった。また、この釣
り竿用管状体は、軽量で、しかも外観に優れたものであ
った。 (実施例3)特定方向に引き揃えたカーボン繊維にエポ
キシ樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグをマンドレ
ルに巻回し、加熱することによりエポキシ樹脂を硬化さ
せ、マンドレルを引き抜くことにより、部材本体である
管状体を作製した。
【0045】次いで、管状体表面に#400の研磨体を
用いて研磨処理を施し、その後この管状体を溶剤洗浄し
た。次いで、洗浄後の管状体表面に上記塗装層材料を用
いてガン吹き塗装を行い、乾燥することにより、厚さ3
μmの薄い合成樹脂被膜を形成した。なお、塗装層材料
には、樹脂含有率20%のものを用いて薄膜化を容易に
した。
【0046】この管状体上にイオンプレーティングによ
りCrを厚さ80nmで被着して装飾用薄膜を形成し
た。このようにして本発明の釣り・スポーツ用具用部材
である釣り竿用管状体を作製した。
【0047】この釣り竿用管状体について、促進耐久試
験により、装飾用薄膜の剥離や破壊の状態を調べたとこ
ろ、まったく剥離や破壊が起らなかった。また、この釣
り竿用管状体は、軽量で、しかも外観に優れたものであ
った。これは、合成樹脂被膜が薄いために、その変形や
伸縮が小さく、装飾用薄膜に及ぼす影響が小さくなった
ためであると考えられる。 (実施例4)特定方向に引き揃えたカーボン繊維にエポ
キシ樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグをマンドレ
ルに巻回し、加熱することによりエポキシ樹脂を硬化さ
せ、マンドレルを引き抜くことにより、部材本体である
管状体を作製した。
【0048】次いで、管状体表面に#400の研磨体を
用いて研磨処理を施し、その後この管状体を溶剤洗浄し
た。次いで、洗浄後の管状体表面にハードコート剤とし
てポリエステルアクリレートを用い、スプレー塗装およ
びUV照射することにより、厚さ3μmの薄い硬質被膜
を形成した。このとき、硬質被膜の硬度は5Hであっ
た。
【0049】さらに、硬質被膜上にポリウレタン樹脂塗
料を塗布・乾燥することにより、厚さ8μmの保護層を
形成した。このようにして本発明の釣り・スポーツ用具
用部材である釣り竿用管状体を作製した。
【0050】この釣り竿用管状体について、促進耐久試
験により、硬質被膜の剥離や破壊の状態を調べたとこ
ろ、まったく剥離や破壊が起らなかった。また、この釣
り竿用管状体は、軽量で、しかも外観に優れたものであ
った。 (比較例)特定方向に引き揃えたカーボン繊維にエポキ
シ樹脂を含浸してなる繊維強化プリプレグをマンドレル
に巻回し、加熱することによりエポキシ樹脂を硬化さ
せ、マンドレルを引き抜くことにより、部材本体である
管状体を作製した。
【0051】次いで、管状体表面に#400の研磨体を
用いて研磨処理を施し、その後この管状体を溶剤洗浄し
た。次いで、洗浄後の管状体表面に上記塗装層材料を用
いてガン吹き塗装を行い、乾燥することにより、厚さ1
5μmの合成樹脂被膜を形成した。なお、この合成樹脂
被膜について、JIS K 5400に準拠した方法で
硬度を調べたところ、Hであった。この管状体上にイオ
ンプレーティングによりCrを厚さ80nmで被着して
装飾用薄膜を形成した。
【0052】さらに、装飾用薄膜上にポリウレタン樹脂
塗料を塗布・乾燥することにより、厚さ8μmの保護層
を形成した。このようにして本発明の釣り・スポーツ用
具用部材である釣り竿用管状体を作製した。
【0053】この釣り竿用管状体について、促進耐久試
験により、装飾用薄膜の剥離や破壊の状態を調べたとこ
ろ、剥離や破壊が起きて外観が悪くなった。上記実施形
態においては、釣り・スポーツ用具用部材の部材本体
が、繊維強化プリプレグを巻回してなる竿管である場合
について説明しているが、本発明はこれに限定されず、
部材本体が他の釣り・スポーツ用具用部材である場合に
も同様に適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明の釣り・スポ
ーツ用具用部品は、部材本体と、前記部材本体上に形成
された合成樹脂被膜と、前記合成主被膜上に形成された
光反射性装飾用薄膜とを具備し、前記合成樹脂被膜は
度が3H以上であり、前記光反射性装飾用薄膜が有する
硬度と近似する硬度を有し、または部材本体と、前記部
材本体上に形成された合成樹脂被膜と、前記合成樹脂被
膜上に形成された硬質被膜と、前記硬質被膜上に形成さ
れた光反射性装飾用薄膜とを具備するので、部材本体や
合成樹脂被膜の変形による光反射性装飾用薄膜の剥離や
破壊がなく、軽量で、しかも優れた外観を示すものであ
る。また、光反射性装飾用薄膜を用いることにより、外
観として現れる色を塗装層だけで得られる色よりも明る
くすることができ、しかも耐食性を向上させることが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の釣り・スポーツ用具用部材の一実施形
態を示す断面図。
【図2】本発明の釣り・スポーツ用具用部材の他の実施
形態を示す断面図。
【図3】本発明の釣り・スポーツ用具用部材の他の実施
形態を示す断面図。
【図4】本発明の釣り・スポーツ用具用部材の他の実施
形態を示す断面図。
【符号の説明】
1…部材本体、2…合成樹脂被膜、3…装飾用薄膜、4
…硬質被膜、5…緩衝層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−79669(JP,A) 特開 平8−38004(JP,A) 特開 平7−227179(JP,A) 特開 平7−308411(JP,A) 実開 昭58−24175(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 87/00 A01K 85/00 A63B 49/02 A63B 53/10 A63C 5/12 B32B 1/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部材本体と、前記部材本体上に形成され
    た合成樹脂被膜と、前記合成樹脂膜上に形成された光反
    射性装飾用薄膜とを具備し、前記合成樹脂被膜は硬度が
    3H以上であり、前記光反射性装飾用薄膜が有する硬度
    と近似する硬度を有することを特徴とする釣り・スポー
    ツ用具用部材。
  2. 【請求項2】 部材本体と、前記部材本体上に形成され
    た合成樹脂被膜と、前記合成樹脂被膜上に形成された硬
    質被膜と、前記硬質被膜上に形成された光反射性装飾用
    薄膜とを具備することを特徴とする釣り・スポーツ用具
    用部材。
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