JP3409427B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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Description
の構造をもつ水添ジエン系共重合体および無機充填材を
添加することにより低温特性および耐衝撃性に優れ、か
つ高剛性を有する熱可塑性樹脂組成物に関するもので、
シートやチューブあるいは射出成形品に加工すること
で、自動車部品、OA機器関連部品、AV・家電関連部
品、文具製品、事務機器部品、土木建築用材料、半導体
関連部品、医療用材料などに利用可能である。
中でも物性のバランスに優れ、各種分野に使用されてい
るが、硬質塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS
樹脂などの汎用樹脂と比較すると、剛性が低い欠点があ
る。最近、高剛性タイプのポリプロピレンや通常のポリ
プロピレンに充填材を添加した材料が開発されている
が、低温特性や耐衝撃性に劣り実用の範囲を狭めてい
る。
術の課題を背景になされたもので、ポリプロピレンに、
特別に分子設計された水添ジエン系共重合体および無機
充填材を添加することで、低温特性および耐衝撃性に優
れ、かつ高剛性の熱可塑性樹脂組成物を得ることを目的
とする。
ロピレン50〜90重量%、(ロ)1,2−ビニル結合
含量が20%以下であるポリブタジエン重合体ブロック
(A)、共役ジエン単独重合体あるいはビニル芳香族化
合物−共役ジエン共重合体であって、共役ジエン部分の
ビニル結合含量が25〜85%である重合体ブロック
(B)からなり、かつブロック構造がA−Bで表わされ
るブロック共重合体の共役ジエン部分の80%以上が水
素添加された水添ジエン系共重合体5〜30重量%、
(ハ)無機充填材5〜30重量%からなる熱可塑性樹脂
組成物を提供するものである。
発明において、(イ)成分を構成するポリプロピレン
は、ホモポリマータイプ、エチレンを共重合したランダ
ムタイプやブロックタイプのいずれか、もしくはそれら
の混合物である。本発明である熱可塑性樹脂組成物中の
(イ)成分の配合量は50〜90重量%である。該配合
量をこの範囲内に調整すれば、剛性および低温特性が特
に優れ、好ましい。本発明において、(ロ)成分を構成
する水添ジエン系共重合体は、以下に詳細を述べる
(A)および(B)ブロックからなるブロック共重合体
の共役ジエン部分を80%以上、好ましくは90%以上
水素添加したものである。水添率が80%未満では組成
物の剛性が劣り好ましくない。ブロック共重合体のシー
ケンスは、A−Bで表わされるものである。 (A)ブロックは、1,2−ビニル結合含量が20%以
下、好ましくは18%以下であるポリブタジエン重合体
である。1,2−ビニル結合含量が20%を超えると組
成物の剛性が劣り好ましくない。 (B)ブロックは、共役ジエン単独重合体または、ビニ
ル芳香族化合物−共役ジエン共重合体であって、共役ジ
エン部分のビニル結合含量が25〜85%、好ましくは
30〜80%である。ビニル結合含量が25%未満では
組成物の低温特性と耐衝撃性が劣り、85%を超えると
剛性が劣り好ましくない。ビニル芳香族化合物として
は、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレンな
どが挙げられ、中でもスチレンが好ましく、共役ジエン
化合物としては、ブタジエン、イソプレンが好ましい。
本発明の水添ジエン系共重合体は、特開平3−1289
57号公報に開示されたように、リビングアニオン重合
し、さらに水素添加することで製造される。本発明の
(ロ)成分の製造方法としては、例えばまずブタジエン
を重合してAブロックを製造し、続いてBブロックを重
合し、その活性末端をカップリング剤でカップリングす
る方法が挙げられる。この際のカップリング剤として
は、例えば酢酸エチル、安息香酸メチル、メチルジクロ
ロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロ
ロシラン、ジエトキシジメチルシラン、1,2−ジブロ
モエタン、1,2−ジブロモプロパン、1,4−ビス
(クロロメチル)ベンゼン、トリレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなど
が挙げられる。AとBの割合は5〜95/95〜5(重
量%)が好ましく、さらに好ましくは10〜80/90
〜20、より好ましくは15〜75/85〜25であ
る。また、水添ジエン系共重合体は、酸無水物基、カル
ボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネー
ト基およびエポキシ基から選ばれた少なくとも1種の官
能基を有する不飽和化合物を用いて、押し出し機などで
変性することができる。本発明における(ロ)成分の配
合量は5〜30重量%である。該配合量をこの範囲内に
調整すれば、低温特性および剛性が特に優れ、好まし
い。本発明において(ハ)成分を構成する無機充填材
は、組成物の剛性を高めたもので、一般的なものが用い
られる。例えば、タルク、炭カル、ガラス繊維、シリ
カ、チタン酸ウイスカー、炭素繊維、モンモリロナイ
ト、酸化亜鉛ウイスカー、ガラスビーズなどが挙げら
れ、単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明における(ハ)成分の配合量は5〜30重量%で
ある。該配合量を30重量%以下に調整すれば、低温特
性および耐衝撃性が特に優れ、好ましい。
(イ)、(ロ)および(ハ)成分を主成分とするが、必
要に応じて酸化防止剤、帯電防止剤、耐候剤、紫外線吸
収剤、滑剤、防かび剤、防菌剤、発砲剤または酸化チタ
ン、カーボンブラックなどの着色剤、あるいは他の有機
系充填材、ゴム質重合体、熱可塑性樹脂などを本発明の
効果を損なわない程度に、適宜配合することができる。
特に、ポリエチレン、ポリブテンおよびEBM、EV
A、EPM、EPDM、アイオノマー、EMMA、EE
A、EMA、EnBAなどを配合しても構わない。ま
た、有機系充填材としては、ケブラー繊維などを配合し
ても構わない。本発明の組成物は、押し出し機、ロー
ル、ニーダー、バンバリーミキサーなどにより溶融混練
りすることによって、また射出成形機でドライブレンド
することにより得ることができる。本発明の組成物を製
造するには、各成分を一括で混合してもよく、任意の成
分をあらかじめ予備混合したのち、残りの成分を添加し
て混合してもよい。最も好ましい混合装置は、一軸ある
いは二軸押し出し機であり、これにより連続的に効率よ
く混練りし、ペレット化することができる。得られたペ
レットを用い、押し出し成形、インフレーション成形、
カレンダー成形、圧縮成形、射出成形、または中空成形
を行ない、場合によっては発泡など付加価値を付け、成
形品に加工することができる。本発明の組成物を用いて
得られる押し出し成形品としては、シート、フィルム、
チューブ、発泡シートなどを挙げることができ、種々の
用途に使用することができる。
に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例、比較例中、部および%は
特に断らない限り重量基準である。また、実施例、比較
例中における各種の測定は、下記の方法に拠った。比較
例および実施例に用いた各成分について以下に説明す
る。 (イ)ポリプロピレン 市販されている以下のポリプロピレンを用いた。 P−1:K7014 〔ブロックポリプロピレン、東ソ
ー(株)〕 P−2:K7090B〔ブロックポリプロピレン、東ソ
ー(株)〕 P−3:J900〔ホモポリプロピレン、三井石油化学
(株)〕 (ロ)水添ジエン系共重合体 表1に示す水添ジエン系共重合体を用いた。 (ハ)無機充填材 市販されている以下のものを用いた。 F−1:マイカ F−2:タルク (ロ)成分である水添ジエン系共重合体の構造を同定す
るために以下の方法を用いた。 共役ジエンのビニル結合含量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。 水添率 四塩化エチレンを溶媒に用い、100MHz、 1H−N
MRスペクトルから算出した。 水添ジエン系共重合体の数平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。本発明の熱可塑性樹脂
組成物の物性評価は、各成分を2軸押し出し機(45m
m径スクリュー)にて混練しペレットを得て以下の方法
にて評価した。 低温特性(−30℃のアイゾット衝撃強度) ペレットを射出成形(220℃)し、得られた成形品
(厚み1/4″)をJIS K7110に従って測定し
た−30℃のアイゾット衝撃強度で評価した。−30℃
のアイゾット衝撃強度が3kgfcm/cmを超えると
低温特性が優れると言える。 耐衝撃性(室温のアイゾット衝撃強度) ペレットを射出成形(220℃)し、得られた成形品
(厚み1/4″)をJIS K7110に従って測定し
た室温のアイゾット衝撃強度で評価した。アイゾット衝
撃強度が、10kgcm/cm以上が構造体として好ま
しい。 剛性(曲げ弾性率) ペレットを射出成形し、得られたテストピースで、JI
S K7203に従って測定した曲げ弾性率で評価し
た。曲げ弾性率が13,000kg/cm2 以上であれ
ば好ましい。
施例1の結果から、本発明の樹脂組成物は、表3に示す
比較例1〜9に比べて低温特性、耐衝撃性、および剛性
のバランスに優れることがわかる。比較例1〜4は水添
ジエン系共重合体が本発明の範囲外であるため、また比
較例5〜8は配合比率が本発明の範囲外であるため、低
温特性、耐衝撃性および剛性のバランスが劣る。また、
比較例9は、水添ジエン系共重合体の替わりに、従来か
らポリプロピレンの改質材として用いられてきたEBM
(エチレン−ブチレン共重合体)を用いたが、低温特性
が劣り好ましくない。
性、耐衝撃性および剛性のバランスに劣り実用の範囲が
限定されていた。本発明は、ポリプリピレンに特定の構
造をもつ水添ジエン系共重合体および無機フィラーを添
加することにより、柔軟性、強度および摺動性に優れる
熱可塑性樹脂組成物を得たものであり、インスツルメン
トパネル骨材やバンパーなどの自動車内外装材やバンパ
ー材など自動車内外装材、OA機器関連部品、掃除機ハ
ウジングなどのAV・家電関連部品、文具製品、事務機
器部品、土木建築用材料、半導体関連部品、医療用材
料、食品関係材料などに利用可能であり、工業的価値は
大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】 (イ)ポリプロピレン50〜90重量
%、(ロ)1,2−ビニル結合含量が20%以下である
ポリブタジエン重合体ブロック(A)、共役ジエン単独
重合体あるいはビニル芳香族化合物−共役ジエン共重合
体であって、共役ジエン部分のビニル結合含量が25〜
85%である重合体ブロック(B)からなり、かつブロ
ック構造がA−Bで表わされるブロック共重合体の共役
ジエン部分の80%以上が水素添加された水添ジエン系
共重合体5〜30重量%、(ハ)無機充填材5〜30重
量%からなる熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 上記(イ)成分の配合量が70重量%、
上記(ロ)成分の配合量が10重量%、上記(ハ)成分
の配合量が20重量%である請求項1に記載の熱可塑性
樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09365694A JP3409427B2 (ja) | 1994-04-07 | 1994-04-07 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09365694A JP3409427B2 (ja) | 1994-04-07 | 1994-04-07 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278379A JPH07278379A (ja) | 1995-10-24 |
JP3409427B2 true JP3409427B2 (ja) | 2003-05-26 |
Family
ID=14088435
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09365694A Expired - Lifetime JP3409427B2 (ja) | 1994-04-07 | 1994-04-07 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3409427B2 (ja) |
-
1994
- 1994-04-07 JP JP09365694A patent/JP3409427B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07278379A (ja) | 1995-10-24 |
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