JP3409402B2 - 貝類の養殖方法および養殖用容器 - Google Patents
貝類の養殖方法および養殖用容器Info
- Publication number
- JP3409402B2 JP3409402B2 JP32403093A JP32403093A JP3409402B2 JP 3409402 B2 JP3409402 B2 JP 3409402B2 JP 32403093 A JP32403093 A JP 32403093A JP 32403093 A JP32403093 A JP 32403093A JP 3409402 B2 JP3409402 B2 JP 3409402B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- container
- aquaculture
- sand
- shellfish
- lid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Landscapes
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
Description
それに用いる養殖用容器に関するものであり、更に詳し
くは、稚貝や子貝を入れた養殖用容器を垂下綱で例えば
海水等の水中に垂下してなる貝類の垂下養殖方法に関す
るものである。
は、カキ、ホタテ貝、真珠貝といった砂を必要としない
貝類を養殖する場合の養殖用容器としては、かご網など
が用いられるが、トリ貝、アサリ、赤貝といった砂中に
生息する貝の場合には、特公平1−43534号に記載
されたように砂を入れた養殖用容器が用いられている。
この特公平1−43534号に記載された貝類の養殖方
法は、アサリ、赤貝などのように砂中にもぐって砂中か
ら外部に移動することなく生息する貝類の稚貝もしくは
子貝を、砂を入れた合成樹脂製のボールなどの容器中に
入れ、無蓋の開放状態で、前記容器を3〜5個位間隔を
おいてさげ綱に連結して海水中に垂下するものである。
更に、前記のように砂を入れて海水中に垂下する貝類の
養殖用容器としては、例えば実公平53−18396号
に記載されたものがある。この実公平53−18396
号に記載された養殖用容器は、円筒状網の内側へ合成樹
脂製の有底短円筒状の砂入れ器を水平に挿入し、砂入れ
器を所定の間隔に並列するとともに、その側壁上縁に前
記円筒状網へ固定した補強リングを取り付けてなるもの
である。
に砂中に生息する貝類の稚貝や子貝を、砂を入れた合成
樹脂製のボールや短円筒状の養殖用容器にいれ、これを
垂下綱で海水中に垂下した場合、砂の重量により養殖用
容器は非常に重いものとなり、引き揚げるのが大変であ
る。ましてや、垂下綱に多層に養殖用容器を垂下した場
合には、非常に重たいものとなる。ところが、この種の
垂下養殖では海を立体的に利用することが目的の一つと
なっており、このためには1本の垂下綱の上下に多層に
養殖用容器を垂下することが必要となるが、前記のよう
に砂の入った重い容器を多層に垂下すると、上の方の容
器を引き揚げる際には、当該容器より下方に垂下された
全ての容器の重量がかかってくるため、1本の垂下綱の
上下にあまり多数の容器を垂下すると容器の引き揚げは
非常に困難となるため、1本の垂下綱に垂下できる容器
の数はせいぜい3〜5個程度に制限されてしまう。この
ため、砂を必要とする貝類の垂下養殖では、前記のよう
な海を立体的に利用するといった目的が必ずしも十分に
達成されていないのが現状である。
る貝類の垂下養殖方法、特に水中に垂下した養殖用容器
に砂を入れ、その中に砂中に生息する貝類を入れて養殖
する場合に、前記砂を入れた養殖用容器を水中から簡単
に引き揚げ可能として、1本の垂下綱に養殖用容器を多
層に垂下して水中を立体的に有効利用しうる貝類の養殖
方法、およびそれに用いる養殖用容器を提供せんとする
ものである。
するため、本発明にかかる貝類の養殖方法は、砂を入れ
た養殖用容器中に稚貝または子貝を入れ、単または複数
の前記養殖用容器を垂下綱で水中に垂下してなる貝類の
養殖方法において、前記養殖用容器自体に、該容器とこ
れに入れた砂の重量に見合った浮力を付与した状態で、
これを垂下綱で水中に垂下してなるものである。
合った浮力とは、砂を入れた容器を垂下綱で水中に垂下
した場合に、垂下綱にかかる砂と容器との合計の重量
が、容器に作用する浮力によってほぼ相殺される程度に
両者のバランスがとれる程度の浮力をいう。尚、この場
合に、容器と砂との重量に較べて、これに作用する浮力
の重量が大きすぎる場合には、養殖用容器が水中で潮流
などの影響を受けて浮遊しやすくなるため、前記の容器
に作用する浮力を、容器と砂の重量に対してやや小さめ
となるように設定することが好ましい。
に、該容器中に入れた砂の重量に見合った浮力を付与す
る方法としては、養殖用容器として、この容器自体がこ
れを水中に垂下したときに該容器とこれに入れた砂の重
量に見合った浮力を有するものを用いる方法がある。
する養殖用容器は発泡合成樹脂、例えば熱可塑性樹脂の
型内発泡成形法などで作成することができる。
する養殖用容器は、これに砂とともに稚貝や子貝を入れ
て垂下綱の上下に間隔をおいて多層に垂下して貝類を養
殖することができる。
は、発泡合成樹脂にて作成してなり、その中に砂を入れ
て垂下綱にて水中に垂下したときに、該容器とその中の
砂の重量に見合った浮力を有するものである。
本体と、これに着脱自在に取り付けられる蓋体とよりな
り、前記蓋体上面に開口部を形成してなるものを提供す
る。更に、この容器として、容器本体とこれと互いに嵌
合する蓋体とよりなり、前記容器本体と蓋体との嵌合部
分に容器の内外に連通する開口部を形成したもの、更
に、前記容器本体と蓋体とを相対的に回転させることで
嵌合部に形成された開口部の大きさが変化するように形
成したもの、を提供する。
殖において、稚貝または子貝を入れた養殖用容器を垂下
綱で水中に垂下する際に、前記養殖用容器に対して該容
器とその中に入れた砂に見合う浮力を付与してなるの
で、垂下綱にかかる容器およびその中に入れた砂の重量
が容器に作用する浮力によってほぼ相殺される。したが
って、垂下綱によって水中に垂下された容器は、該容器
とその中の砂の重量と、この容器に作用する浮力とのわ
ずかな差の分だけの小さな力で引き揚げることができ、
1本の垂下綱に多層に養殖用容器を垂下した場合にも、
それぞれの容器毎にその重量に見合った浮力が作用し、
垂下綱にかかる各容器およびその中の砂の重量は浮力に
よってほぼ相殺されていることから、垂下綱を引っ張っ
て容器を引き揚げる際には、その下方の養殖用容器の重
量にはほとんど影響されることなく、簡単に引き揚げる
ことができる。
は、比重の小さな発泡合成樹脂にて作成することで、前
記のようにこの容器とこれに入れる砂の重量に見合った
浮力を付与することができる。この場合の容器に作用す
る浮力は、該容器中に入れる砂の量を勘案して容器の大
きさ、その肉厚などを適宜設定することで、砂の重量に
見合ったものとすることができる。
の飛び出しを防止し、また、蓋体上面に形成した開口部
は、該容器中への砂や貝類の出し入れ口となるものであ
るが、更にこの開口部は、蓋体と容器本体との嵌合部に
形成される開口部とともに、これらの開口部を通して容
器内外に水を流通させることで容器中の砂に入れた稚貝
や子貝などに常に新鮮な酸素やプランクトンなどを供給
するとともに、貝類の排泄物を容器外に排出する排出口
としても作用する。更に、前記嵌合部に設けた開口部の
大きさを変化させるようにしたものにおいては、稚貝や
子貝の生育状況、水の状態などに応じて開口部の大きさ
を調整することで容器内外に流通する水の量を調整す
る。
説明する。
例を示すものである。この方法は、合成樹脂製あるいは
金属製で有底短筒状に作成された養殖用容器Aに砂2を
入れ、その中に養殖する貝類の稚貝や子貝3を入れたも
のを、吊紐4で垂下綱5に順次連結して養殖用容器A1
〜Anを垂下綱5の上下に間隔をおいて海水等の水中に
多層に垂下するとともに、各養殖用容器Aの吊紐4の直
上に浮子6を取り付けることで、垂下綱5の上下に多層
に垂下された各養殖用容器A1〜Anのそれぞれに、養殖
用容器A、およびこれに入れた砂2の重量に見合った浮
力を付与してなるものである。
器Aを引き揚げる場合には、垂下綱5上部の養殖用容器
A1から順番に引き揚げるのであるが、上記のように、
垂下綱5に垂下した養殖用容器A1〜Anのそれぞれの直
近に浮子6を取り付けて各養殖用容器Aに対して、この
容器Aとこれに入れた砂2の重量に見合った浮力が付与
されているので、上部の養殖用容器A1の引き揚げに際
してその下方に垂下された養殖用容器A2・・Anの重量
はほとんど影響せず、養殖用容器A1〜Anのいずれを引
き揚げるときにも、ほとんど同じ力で簡単に引き揚げる
ことができる。したがって、垂下綱5に15〜20個も
の多数の養殖用容器Aを垂下して水中を立体的に有効利
用することができるのである。
紐4の直上に取り付けられる浮子6としては、この浮子
6に作用する浮力の影響を直接受けるその直下の養殖用
容器Aに入れる砂の重量に見合った浮力を付与しうる程
度の大きさ、比重を有するものであれば、特にその形状
や材質は限定されない。例えば、この浮子6は熱可塑性
発泡樹脂、あるいは木材により作成することができる
が、特に、熱可塑性発泡樹脂の場合には、比重が小さ
く、かつ製造も容易であって養殖用容器Aに対して必要
な浮力を付与することができる。更に、この浮子6を熱
可塑性発泡樹脂で作成する場合には、その表面をパラフ
ィン、あるいはシュリンクフィルムなどで撥水処理して
おけば、耐久性に優れてより長期間にわたる繰り返し使
用を可能とするのである。
て浮力を付与する浮子6の形状や取り付け方法は前記の
ようなものに限定されるものではなく、例えば、図2に
示したように、養殖用容器Aに浮輪のような環状の浮子
6を直接取り付けたり、あるいは養殖用容器Aの下面に
適宜形状の浮子6を取り付けることもできる。更に、使
用する養殖用容器A自体の形状も特に限定されるもので
はなく、その中に砂を入れて稚貝や子貝を養殖しうるも
のであればどのような形状であってもよい。また、上記
の例では、垂下綱5の上下に多層に養殖用容器A1 〜A
n を垂下しているが、この養殖用容器Aの数も特に限定
はなく、養殖用容器Aを1個だけ垂下する場合もある。
更に、上記の例では、各養殖用容器A1 〜An の全てに
浮子6を取り付けているが、養殖用容器Aやこれに入れ
る砂2の重量によっては、複数の養殖用容器A毎に一つ
の浮子6を取り付けるようにしてもよい。
法の他参考例を示すものであって、ここでは、養殖用容
器Bそれ自体が、該養殖用容器Bとその中に入れた砂2
の重量に見合った浮力を有するように作成されたものを
用いてなり、この養殖用容器B中に砂2および養殖され
るべき稚貝や子貝3を入れて垂下綱5で水中に垂下する
ものである。この場合、前記養殖用容器Bは、これを例
えば熱可塑性発泡樹脂で成形することで、その中に入れ
る砂2の重量に見合った浮力を有するものとすることが
できる。この容器Bに作用する浮力は、該容器B中に入
れる砂の量を勘案して容器Bの大きさ、その肉厚などを
適宜設定することで、砂の重量に見合ったものとするこ
とができる。
入れて水中に垂下した場合に、その重量に見合った浮力
が作用するように作成されていることから、砂2を入れ
ない場合には、海面上に浮き上がってしまうのである
が、この場合には、養殖用容器Bに図4に示すように金
属製等で比重の大きな沈子7を取り付けて養殖用容器B
に作用する浮力と養殖用容器Bと沈子7の合計重量が見
合ったものとなるようにすることで、砂2を必要としな
い貝類の養殖に用いることもできる。更に、養殖用容器
Bに砂2を入れたものと、砂2を入れずに沈子7を取り
付けたものとは、いずれもそれらの重量とこれに作用す
る浮力とがバランスがとれていて同程度の力で引き揚げ
ることができることから、その両者を1本の垂下綱5に
同時に垂下して養殖する、といったことも可能である。
かる貝類の養殖用容器10の具体例の1つを示すもので
ある。この養殖用容器10は、発泡ポリスチレン、ある
いは発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレンなどの熱可
塑性発泡樹脂にて作成されている。この養殖用容器10
は上下に補強環31、32を取り付けた筒状網30内に
挿入し、養殖用容器10上方の筒状網30部分を紐35
などで締めつけて養殖用容器10を筒状網30内に固定
するとともに、前記補強環31、32に結び付けた吊紐
34を図示しない垂下綱に連結して図3に示すように水
中に垂下して貝類の養殖に使用されるものである。尚、
前記筒状網30の上端は紐36を引き絞ることで貝類の
飛び出しを防止するようになっている。
10は、図7以下に示すように、砂および養殖する稚貝
や子貝を入れる平面視略円形の容器本体11と、これに
着脱自在に取り付けられる蓋体12とよりなり、前記蓋
体12の上面には、開口部13が形成されている。前記
容器本体11の上面外周縁と蓋体12の下面外周縁との
嵌合部分のそれぞれには互いに内外に係合する嵌合辺1
4および嵌合辺15が形成されるとともに、周縁部の4
ケ所には互いに凹凸嵌合して容器本体11と蓋体12と
の嵌合位置を決めるための嵌合凸部16および嵌合凹部
17が形成されている。更に、前記容器本体11と蓋体
12とに設けられた嵌合辺14および嵌合辺15部分に
は、前記嵌合凸部16と嵌合凹部17とで位置合わせし
て容器本体11に蓋体12を嵌着したときに、互いに連
通して養殖用容器10内外に連通する開口部20・・を
形成する切欠部18・・および切欠部19・・が形成さ
れている。
蓋体12は、熱可塑性発泡合成樹脂の型内成形などによ
り図10に示すように比較的肉厚に形成されており、こ
の中に砂を入れて垂下綱で水中に垂下した場合に、養殖
用容器10とその中の砂の重量に見合った浮力を有する
ように作成される。つまり、この養殖用容器10を水中
に垂下したときに砂を入れた養殖用容器10に作用する
浮力は、養殖用容器10、およびその中の砂が押し退け
る量に等しい水の重量、つまりこの養殖用容器10およ
びこれに入れる砂の体積によって決定されるものである
から、養殖用容器10の容量、およびこれに入れる砂の
量を勘案して、養殖用容器10に対して前記のような浮
力が作用するようにその形状や肉厚を適宜設定すればよ
い。
する浮力は、(養殖用容器10の体積)×(水の密度)
で表される。例えば、前記養殖用容器10の容器本体1
1および蓋体12の体積がそれぞれ4952cm3 、2
325cm3 の場合、養殖用容器10全体の体積は72
77cm3 であるから、水の密度を1g/cm3 とする
と、養殖用容器10に作用する浮力=(7277c
m3 )×(1g/cm3 )=7277gとなる。また、
この養殖用容器10内に入れる砂の体積をVcm3とす
ると、この砂に作用する浮力=(Vcm3 )×(1g/
cm3 )=Vgとなり、水中にある砂を入れた養殖用容
器10に作用する浮力=(7277+V)gとなる。一
方、前記養殖用容器10が20倍発泡のポリスチレン製
である場合、その密度は約0.05g/cm3 であるか
ら、養殖用容器10の重量=(7277cm3 ×0.0
5g/cm3 )=363.85g、また、砂の密度を
1.8g/cm3 とすると、養殖用容器10中の砂の重
量=(Vcm3 ×1.8g/cm 3 )=1.8Vgとな
り、養殖用容器10とその中の砂との合計の重量=(3
63.85+1.8V)gとなる。従って、水中にある
前記養殖用容器10と砂とに作用する浮力の合計と養殖
用容器10と砂との合計の重量が見合うという場合、合
計の浮力=合計の重量、つまり、(7277+V)=
(363.85+1.8V)の関係が成り立つ。この関
係から、養殖用容器10内に入れる砂の体積Vを求める
と、V=約8640(cm3 )となる。したがって、養
殖用容器10内に入れるべき砂の重量=8640(cm
3 )×(1.8g/cm3 )=15552g、つまり、
約15.6Kgの砂を入れた場合に、砂を入れた水中の
養殖用容器10は、その重量に見合う浮力を受けること
ができるのである。
0を用いて貝類を垂下養殖法で養殖するには、養殖用容
器10の容器本体11内に砂を入れ、その中に、例えば
トリ貝、赤貝、アサリ等の砂中に生息する貝類の稚貝や
子貝をいれ、これに蓋体12を嵌着する。そして、この
養殖用容器10を、図5および図6に示すように筒状網
30内に挿着し、これを図3に示すように垂下綱を用い
て海水等の水中に垂下することで養殖用容器10内の貝
類を水中で養殖するものである。
殖用容器10には、その側面に位置する容器本体11と
蓋体12との嵌合部分に容器本体11の内外に連通する
開口部20を形成してなることから、この開口部20か
ら養殖用容器10内に新鮮な海水が常に流れ込み、養殖
用容器10中で養殖される稚貝や子貝に、その生育に必
要なプランクトンや酸素を十分に送り込むことができる
と同時に、これらの稚貝や子貝が生育の過程で排出する
排泄物は養殖用容器10外に排出されて養殖用容器10
内が汚染されることが防止される。したがって、稚貝や
子貝等がプランクトンや酸素の欠乏、あるいは養殖用容
器10内の海水の汚染などによって死滅したりすること
なく、生育させることができるのである。
の嵌合部に設けた開口部20の大きさを変化させること
で、養殖用容器10中で養殖される貝類の種類や育成状
況、あるいはこの養殖用容器10を垂下した海水の状況
に応じて養殖用容器10中に流入する海水の量を調整す
ることができる。図12、13、図14、15、更には
図16〜18に示したものは、このように養殖用容器1
0の容器本体11と蓋体12との嵌合部に設けた開口部
20の大きさを変化させることができるようにした例を
示すものである。
は、容器本体11と蓋体12との外周縁に設けた嵌合部
に互いに90°変位させた4箇所に位置決め用の嵌合凸
部16と嵌合凹部17を設けるとともに、この嵌合部に
設けた嵌合辺14、15部分に、互いに90°変位させ
て開口幅の異なる開口部20aおよび20bを設けてい
る。そして、図12に示した状態から蓋体を90°回転
させた場合に、図13に示すように、前記幅の異なる開
口部20aおよび20bを構成する切欠部18aと19
bからなる開口部20c、および18bと19aからな
る開口部20dとのいずれもが、図12における開口部
20aおよび20bよりも幅狭となるように構成されて
いる。
は、容器本体11と蓋体12との外周縁に設けた嵌合部
における互いに90°変位させた4箇所に位置決め用の
嵌合凸部16と嵌合凹部17を設けるとともに、この嵌
合部に設けた嵌合辺14、15部分に、互いに90°よ
りやや大きく変位させるかあるいは90°よりやや小さ
く変位させて容器の内外に連通する開口部20を設けて
いる。そして、図14に示した各開口部20を構成する
切欠部18、19が互いに完全に一致した状態から蓋体
を90°回転させた場合に、図15に示すように開口部
20を構成する内外の重合辺14、15に形成した切欠
部18、19の位置が互いにずれて開口部20の開口幅
が図14の場合に較べて狭くなるように設けてなるもの
である。
容器本体11と蓋体12との嵌合部に設けられる開口部
20の開口幅を全開状態から全閉状態まで無段階に変化
させるようにした例である。ここでは、容器本体11と
蓋体12とに設けた嵌合辺14、15に形成した切欠部
18、19とで容器本体11の内外に連通する開口部2
0を設けるとともに、前記容器本体11の嵌合辺14と
蓋体12の嵌合辺15とに、図17に示すように、両嵌
合辺14、15の当接する側面に互いに凹凸嵌合する嵌
合凸条21と嵌合凹条22とを形成することで、容器本
体11と蓋体12とを嵌合状態のまま互いに回動可能に
設けている。そして、図16に示す開口部20が全開の
状態から、蓋体12を一方へ回動させることにより、こ
の蓋体12の回動に応じて図18に示すように開口部2
0の開口幅が徐々に縮小されて、開口部20は全開状態
から全閉状態にまでその開口幅を無段階に変化させるこ
とができるのである。
って、容器本体11と蓋体12との嵌合部に設けられる
開口部20の態様は上記のものに限定されるものではな
く、例えば開口部20に開閉蓋を設けて開閉自在とする
ようにしてもよい。
によれば、この養殖用容器10自体が熱可塑性発泡樹脂
にてやや肉厚に作成されて、この養殖用容器10に砂を
入れて海水中に垂下したときにも、各養殖用容器10の
それぞれが砂の重量に見合った浮力を有することから、
この養殖用容器10を垂下綱に多層に垂下した場合に、
上下どの養殖用容器10を引き揚げる場合であっても、
その下方に垂下されている養殖用容器10の重量に影響
されることなく、その全てをほとんど同じ力で簡単に引
き揚げることができることから、1本の垂下綱に15〜
20個といった多数の養殖用容器10を垂下させること
ができ、海中を立体的に有効利用することができる。し
かも、この養殖用容器10を構成する容器本体11と蓋
体12との嵌合部分に必要に応じて開口幅を変化させる
ことができる開口部20を設けることで、養殖環境の変
化や養殖される貝類の種類、更にはその育成状況に応じ
て養殖用容器10内外に流通する海水量を調整すること
ができ、あらゆる環境および種類の貝類の養殖に対応す
ることができる。また、この養殖用容器10は、熱可塑
性発泡樹脂にて強固に作成されており、しかも容器本体
11と蓋体12とから構成してなるので、この養殖用容
器10を用いて貝類を養殖した後、これをそのまま貝類
の出荷用容器としても利用することができるのである。
の垂下養殖においては、稚貝または子貝を入れた養殖用
容器を垂下綱で水中に垂下する際に、前記養殖用容器に
対して該容器とその中に入れた砂に見合う浮力を付与し
てなるので、垂下綱にかかる各容器とその中の砂の重量
とが、この容器に作用する浮力によって相殺されること
から、前記重量と浮力とのわずかな差の分だけの小さな
力で垂下綱を引っ張るだけで容器を引き揚げることがで
きる。このように、本発明では、垂下綱で垂下した養殖
用容器には、それぞれの容器毎にその重量に見合った浮
力が作用しているため、1本の垂下綱に養殖用容器を多
層に垂下した場合でも、容器を引き揚げる際に当該容器
より下方の養殖用容器の重量にはほとんど影響されるこ
となく、簡単に引き揚げることができる。これによって
本発明では、1本の垂下綱に養殖用容器を多層に垂下し
て海を立体的に有効利用することができる。
は、発泡合成樹脂にて作成することで、前記のようにこ
の容器とこれに入れる砂の重量に見合った浮力を付与す
ることができる。更に、容器本体と蓋体との嵌合部に開
口部を設けたものでは、該開口部から容器内外に海水等
の水を流通させて容器中の砂に入れた稚貝や子貝などに
育成に必要な酸素やプランクトンなどを供給するととも
に、貝類の排泄物を容器外に排出する排出口としても作
用するので、酸素やプランクトンの欠乏あるいは海水の
養殖用容器中の汚染などによって養殖中の貝類が死滅す
るようなことがない。更に、前記嵌合部に設けた開口部
の大きさを変化させるようにしたものにおいては、稚貝
や子貝の生育状況、海水の状態などに応じて開口部の大
きさを調整することで容器内外に流通する水の量を調整
することができ、あらゆる種類の貝類の養殖、また多様
な環境下における貝類の養殖に対応することができると
同時に、この養殖用容器は出荷用容器としても利用する
ことができるのである。
用例を示す養殖用容器の断面説明図。
すものであり、筒状網に挿着した状態の斜視図。
解斜視図。
分の平断面図。
体との嵌合部分の平断面図。
化させた状態の平断面図。
と蓋体との嵌合部分の平断面図。
化させた状態の平断面図。
と蓋体との嵌合部分の平断面図。
嵌合部分の拡大側断面図。
化させた状態の平断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 砂を入れた養殖用容器中に稚貝または子
貝を入れ、単または複数の前記養殖用容器を垂下綱で水
中に垂下してなる貝類の養殖方法において、前記養殖用
容器として、発泡合成樹脂にて作成し、容器本体と、こ
れと互いに嵌合する蓋体とよりなり、前記蓋体上面に開
口部を形成し、前記容器本体と蓋体との嵌合部分に容器
の内外に連通する開口部を形成してなり、該容器中に砂
を入れて垂下綱にて水中に垂下したときに、該容器とこ
れに入れた砂の重量に見合った浮力を有するものを用
い、これを垂下綱にて水中に垂下してなることを特徴と
する貝類の養殖方法。 - 【請求項2】 前記養殖用容器を垂下綱の上下に間隔を
おいて多層に垂下してなる請求項1記載の貝類の養殖方
法。 - 【請求項3】 発泡合成樹脂にて作成してなる貝類の養
殖用容器であって、容器本体と、これと互いに嵌合する
蓋体とよりなり、前記蓋体上面に開口部を形成し、前記
容器本体と蓋体との嵌合部分に容器の内外に連通する開
口部を形成してなり、該容器中に砂を入れて垂下綱にて
水中に垂下したときに、該容器とこれに入れた砂の重量
に見合った浮力を有することを特徴とする貝類の養殖用
容器。 - 【請求項4】 互いに嵌合する容器本体と蓋体とを相対
的に回転させることで嵌合部に形成された開口部の大き
さが変化するように形成してなる請求項3記載の貝類の
養殖用容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32403093A JP3409402B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 貝類の養殖方法および養殖用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32403093A JP3409402B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 貝類の養殖方法および養殖用容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07177833A JPH07177833A (ja) | 1995-07-18 |
JP3409402B2 true JP3409402B2 (ja) | 2003-05-26 |
Family
ID=18161373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32403093A Expired - Lifetime JP3409402B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 貝類の養殖方法および養殖用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3409402B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000026277A (ko) * | 1998-10-17 | 2000-05-15 | 정장수 | 패류 양식방법 |
KR100794269B1 (ko) * | 2006-08-01 | 2008-01-14 | 대한민국 | 피조개부착치패 보호망 및 상기 보호망을 이용한 피조개치패 중간양성방법 |
KR101656439B1 (ko) * | 2014-11-04 | 2016-09-09 | 전상덕 | 패류 양식장치 |
KR102094109B1 (ko) * | 2019-08-22 | 2020-03-27 | 주식회사 동백 | 비부착성 패류 수하식 양성 어구 및 이를 이용한 양식 방법 |
-
1993
- 1993-12-22 JP JP32403093A patent/JP3409402B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07177833A (ja) | 1995-07-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN100394846C (zh) | 综合海产养殖系统 | |
KR100821313B1 (ko) | 꽃게 공식 방지 및 양식 장치 | |
US20120110890A1 (en) | Bucket containing floating net for fishing | |
US5769027A (en) | Aquaculture container and construction | |
JP3405688B2 (ja) | 貝の養殖方法とこの養殖方法に用いる貝の養殖具 | |
JP4734509B2 (ja) | スキャンピの養殖方法 | |
JP3409402B2 (ja) | 貝類の養殖方法および養殖用容器 | |
KR930010650B1 (ko) | 연체류 양식 방법과 그 장치 | |
CN101146441A (zh) | 新型鱼笼 | |
KR20150012397A (ko) | 패류 양식용 상자 | |
JP2000300107A (ja) | 二枚貝の養殖システム及び養殖設備 | |
JPH0356206Y2 (ja) | ||
JP2798382B2 (ja) | 貝類養殖用海草植生シート | |
JPH08252039A (ja) | 人工増殖礁 | |
JPH0965796A (ja) | 養殖用小割網の構造及びその洗浄方法 | |
JP3149422U (ja) | 稚貝保育礁 | |
JP2004254514A (ja) | タイラギの養殖方法 | |
CN216874528U (zh) | 一种远海岛礁珍珠贝生态增殖网箱 | |
CN212629568U (zh) | 一种野生橄榄蛏蚌驯养装置 | |
JPS6028211Y2 (ja) | あわび、うになどの養殖器 | |
CN221864262U (zh) | 一种可调节入水深度的捕捞装置 | |
CN216492794U (zh) | 筏式立体养殖装置 | |
JP2774932B2 (ja) | 帆立貝等の貝類養殖篭 | |
RU2055474C1 (ru) | Ловушка для промысла морских ежей | |
CN2691255Y (zh) | 半封闭式埋栖型贝类吊养装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130320 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130320 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140320 Year of fee payment: 11 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140320 Year of fee payment: 11 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |