JP3409226B2 - 半導電性樹脂シート及びその製造方法 - Google Patents
半導電性樹脂シート及びその製造方法Info
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- JP3409226B2 JP3409226B2 JP6751395A JP6751395A JP3409226B2 JP 3409226 B2 JP3409226 B2 JP 3409226B2 JP 6751395 A JP6751395 A JP 6751395A JP 6751395 A JP6751395 A JP 6751395A JP 3409226 B2 JP3409226 B2 JP 3409226B2
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミドと共に、脱
ドープ状態又はドープ状態のポリアニリンを含むポリマ
ーブレンドからなり、半導電性を有し、強靱で機械的特
性にすぐれる半導電性樹脂シートと、そのような半導電
性樹脂シートの製造方法に関する。このような半導電性
樹脂シートは、例えば、電池の電極材料、電磁シールド
材、静電吸着用フィルム、帯電防止材、画像形成装置部
品、電子デバイス等において好適に用いることができ
る。
ドープ状態又はドープ状態のポリアニリンを含むポリマ
ーブレンドからなり、半導電性を有し、強靱で機械的特
性にすぐれる半導電性樹脂シートと、そのような半導電
性樹脂シートの製造方法に関する。このような半導電性
樹脂シートは、例えば、電池の電極材料、電磁シールド
材、静電吸着用フィルム、帯電防止材、画像形成装置部
品、電子デバイス等において好適に用いることができ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリイミドにカーボン、カーボン
繊維、グラファイト、金属粒子、金属酸化物粒子等の導
電性充填剤を配合することによって、ポリイミドを導電
性にすることができることは、既に知られている。しか
しながら、これらの導電性充填剤をポリイミドに配合し
て、導電性を有するシートとしたとき、得られるシート
は、機械特性に劣り、特に、シートに「しなやかさ」が
なく、シートの加工時や使用時に、それに加わる張力に
耐えることができず、切断したり、又は破れたりする問
題がある。また、このような方法によれば、得られるポ
リイミドのシートにおいて、所要の表面抵抗率を再現性
よく、且つ、均一に付与することが困難である。
繊維、グラファイト、金属粒子、金属酸化物粒子等の導
電性充填剤を配合することによって、ポリイミドを導電
性にすることができることは、既に知られている。しか
しながら、これらの導電性充填剤をポリイミドに配合し
て、導電性を有するシートとしたとき、得られるシート
は、機械特性に劣り、特に、シートに「しなやかさ」が
なく、シートの加工時や使用時に、それに加わる張力に
耐えることができず、切断したり、又は破れたりする問
題がある。また、このような方法によれば、得られるポ
リイミドのシートにおいて、所要の表面抵抗率を再現性
よく、且つ、均一に付与することが困難である。
【0003】他方、導電性ポリアニリンと他の樹脂とか
らなる半導電性ポリマーブレンドは、例えば、特開平4
−63865号公報に記載されているように、既に知ら
れている。この半導電性ポリマーブレンドは、脱ドープ
状態、即ち、ドーパントによってドーピングされていな
いポリアニリンと他の樹脂との混合物を調製し、その後
にこれにドーパントにてドーピング処理を施してなるも
のであるので、水分や熱によってドーパントが脱ドープ
しやすく、従って、その電気抵抗値が環境によって変化
しやすいという問題を有している。更に、上記方法によ
って導電性ポリマーブレンドを得るには、製膜、ドーピ
ング、洗浄及び乾燥という多くの工程を要するという問
題もある。
らなる半導電性ポリマーブレンドは、例えば、特開平4
−63865号公報に記載されているように、既に知ら
れている。この半導電性ポリマーブレンドは、脱ドープ
状態、即ち、ドーパントによってドーピングされていな
いポリアニリンと他の樹脂との混合物を調製し、その後
にこれにドーパントにてドーピング処理を施してなるも
のであるので、水分や熱によってドーパントが脱ドープ
しやすく、従って、その電気抵抗値が環境によって変化
しやすいという問題を有している。更に、上記方法によ
って導電性ポリマーブレンドを得るには、製膜、ドーピ
ング、洗浄及び乾燥という多くの工程を要するという問
題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の半導
電性樹脂シートにおける上述したような問題を解決する
ためになされたものであって、環境の変化に対しても、
安定した半導電性を有する半導電性樹脂シート及びその
製造方法を提供することを目的とする。
電性樹脂シートにおける上述したような問題を解決する
ためになされたものであって、環境の変化に対しても、
安定した半導電性を有する半導電性樹脂シート及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による半導電性樹
脂シートは、ポリイミドと脱ドープ状態のポリアニリン
とのポリマーブレンドからなり、弾性率が200kgf/mm
2 以上であり、体積抵抗率が107 〜1014Ω・cmの範
囲にあることを特徴とする。
脂シートは、ポリイミドと脱ドープ状態のポリアニリン
とのポリマーブレンドからなり、弾性率が200kgf/mm
2 以上であり、体積抵抗率が107 〜1014Ω・cmの範
囲にあることを特徴とする。
【0006】このような半導電性樹脂シートは、本発明
に従って、ポリアミド酸と脱ドープ状態のポリアニリン
とを含む製膜溶液を基材上にキャステイングし、基材上
に上記製膜溶液の層を形成し、60〜200℃の温度に
加熱して、基材上に樹脂シートを形成し、次いで、その
樹脂シートを基材から剥離し、その後、この樹脂シート
を250〜400℃の温度に加熱して、ポリアミド酸を
イミド化させることによって得ることができる。
に従って、ポリアミド酸と脱ドープ状態のポリアニリン
とを含む製膜溶液を基材上にキャステイングし、基材上
に上記製膜溶液の層を形成し、60〜200℃の温度に
加熱して、基材上に樹脂シートを形成し、次いで、その
樹脂シートを基材から剥離し、その後、この樹脂シート
を250〜400℃の温度に加熱して、ポリアミド酸を
イミド化させることによって得ることができる。
【0007】更に、本発明によれば、ポリイミドと共
に、ドープ状態のポリアニリン、即ち、ドーパントによ
ってドープされているポリアニリンを含むポリマーブレ
ンドからなり、より高い導電性を有する半導電性樹脂シ
ートの製造方法も提供される。このような半導電性樹脂
シートは、本発明に従って、ポリアミド酸とポリアニリ
ンとこのポリアニリンをドーピングして導電性とするこ
とができるドーパントを含む製膜溶液を基材上にキャス
テイングし、基材上に上記製膜溶液の層を形成し、60
〜200℃の温度に加熱して、基材上に樹脂シートを形
成し、次いで、その樹脂シートを基材から剥離し、その
後、この樹脂シートを250〜400℃の温度に加熱し
て、ポリアミド酸をイミド化させることによって得るこ
とができる。
に、ドープ状態のポリアニリン、即ち、ドーパントによ
ってドープされているポリアニリンを含むポリマーブレ
ンドからなり、より高い導電性を有する半導電性樹脂シ
ートの製造方法も提供される。このような半導電性樹脂
シートは、本発明に従って、ポリアミド酸とポリアニリ
ンとこのポリアニリンをドーピングして導電性とするこ
とができるドーパントを含む製膜溶液を基材上にキャス
テイングし、基材上に上記製膜溶液の層を形成し、60
〜200℃の温度に加熱して、基材上に樹脂シートを形
成し、次いで、その樹脂シートを基材から剥離し、その
後、この樹脂シートを250〜400℃の温度に加熱し
て、ポリアミド酸をイミド化させることによって得るこ
とができる。
【0008】本発明によれば、上記ポリマーブレンドか
らなる半導電性樹脂シートにおいて、脱ドープ状態又は
ドープ状態のポリアニリンは、1〜90重量%の範囲で
あることが好ましい。
らなる半導電性樹脂シートにおいて、脱ドープ状態又は
ドープ状態のポリアニリンは、1〜90重量%の範囲で
あることが好ましい。
【0009】本発明において、半導電性樹脂シートと
は、体積抵抗率が107 〜1015Ω・cmの範囲にある樹
脂シートをいう。
は、体積抵抗率が107 〜1015Ω・cmの範囲にある樹
脂シートをいう。
【0010】ポリアミド酸は、既に知られているよう
に、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体とジアミ
ンとのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶
液状態で反応させることによって、溶液として得ること
ができる。従って、ポリアミド酸は、ポリイミドの前駆
体として調製されるものであって、このようなポリアミ
ド酸を加熱することによって、不溶不融のポリイミドを
形成する。
に、テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体とジアミ
ンとのほぼ等モル混合物を有機極性溶媒に溶解させ、溶
液状態で反応させることによって、溶液として得ること
ができる。従って、ポリアミド酸は、ポリイミドの前駆
体として調製されるものであって、このようなポリアミ
ド酸を加熱することによって、不溶不融のポリイミドを
形成する。
【0011】本発明によれば、このようなポリアミド酸
として、特に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香
族ジアミンとの反応によって得られるポリアミド酸が好
ましく用いられる。
として、特に、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香
族ジアミンとの反応によって得られるポリアミド酸が好
ましく用いられる。
【0012】本発明によれば、上述したようにして、ポ
リアミド酸の溶液を調製し、別に、脱ドープ状態のポリ
アニリンの溶液か、又は脱ドープ状態のポリアニリンと
このポリアニリンをドーピングして導電性とすることが
できるドーパントを含む溶液を調製し、これらの溶液を
混合して、製膜溶液とし、これを適宜の基材、例えば、
ガラス、金属、樹脂等からなるシートの表面や、又はガ
ラス、金属、樹脂等からなる管の外表面又は内表面上に
キャステイングし、乾燥させ、加熱し、ポリアミド酸を
イミド化することによって、ポリイミドとポリアニリン
とのポリマーブレンドからなる半導電性樹脂シートを得
ることができる。上記管状の基材を用いるときは、チュ
ーブ状の製品を得ることができるが、本発明において
は、このようなチューブ状の製品もシートに含めること
とする。
リアミド酸の溶液を調製し、別に、脱ドープ状態のポリ
アニリンの溶液か、又は脱ドープ状態のポリアニリンと
このポリアニリンをドーピングして導電性とすることが
できるドーパントを含む溶液を調製し、これらの溶液を
混合して、製膜溶液とし、これを適宜の基材、例えば、
ガラス、金属、樹脂等からなるシートの表面や、又はガ
ラス、金属、樹脂等からなる管の外表面又は内表面上に
キャステイングし、乾燥させ、加熱し、ポリアミド酸を
イミド化することによって、ポリイミドとポリアニリン
とのポリマーブレンドからなる半導電性樹脂シートを得
ることができる。上記管状の基材を用いるときは、チュ
ーブ状の製品を得ることができるが、本発明において
は、このようなチューブ状の製品もシートに含めること
とする。
【0013】ポリアミド酸の調製において、上記芳香族
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリ
ット酸二無水物、3,3',4,4' −ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3',4,4' −ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スル
ホン二無水物等を挙げることができる。これらは単独で
用いられてもよく、また、複数が併用されてもよい。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリ
ット酸二無水物、3,3',4,4' −ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3',4,4' −ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無
水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、2,2'−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパ
ン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スル
ホン二無水物等を挙げることができる。これらは単独で
用いられてもよく、また、複数が併用されてもよい。
【0014】上記芳香族ジアミンとしては、例えば、4,
4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、p−
フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンチ
ジン、3,3'−ジメトキシベンチジン、4,4'−ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフイ
ド、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等
を挙げることができる。これらも、単独で用いられても
よく、また、複数が併用されてもよい。
4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、p−
フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ベンチ
ジン、3,3'−ジメトキシベンチジン、4,4'−ジアミノジ
フェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフイ
ド、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン等
を挙げることができる。これらも、単独で用いられても
よく、また、複数が併用されてもよい。
【0015】また、上記有機極性溶媒としては、例え
ば、N−メチル−2−ピリリドン、N,N'−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホス
ホルトリアミド等を挙げることができる。これらの有機
極性溶媒には、必要に応じて、クレゾール、フェノー
ル、キシレノール等のフェノール類、ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン等の炭化水素類等を混合することができ
る。これらの溶剤も、単独で、又は2種以上の混合物と
して用いられる。
ば、N−メチル−2−ピリリドン、N,N'−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホス
ホルトリアミド等を挙げることができる。これらの有機
極性溶媒には、必要に応じて、クレゾール、フェノー
ル、キシレノール等のフェノール類、ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン等の炭化水素類等を混合することができ
る。これらの溶剤も、単独で、又は2種以上の混合物と
して用いられる。
【0016】上記芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳
香族ジアミンを上記溶媒中で溶液状態で反応させて、ポ
リアミド酸の溶液を得る際の有機溶媒中での上記無水物
とジアミンとからなる原料量の濃度は、通常、5〜30
重量%、好ましくは10〜25重量%の範囲である。用
いる無水物とジアミンとにもよるが、通常、80℃以
下、好ましくは、5〜50℃の範囲の温度で約2〜10
時間反応させることによって、ポリアミド酸を溶液とし
て得ることができる。
香族ジアミンを上記溶媒中で溶液状態で反応させて、ポ
リアミド酸の溶液を得る際の有機溶媒中での上記無水物
とジアミンとからなる原料量の濃度は、通常、5〜30
重量%、好ましくは10〜25重量%の範囲である。用
いる無水物とジアミンとにもよるが、通常、80℃以
下、好ましくは、5〜50℃の範囲の温度で約2〜10
時間反応させることによって、ポリアミド酸を溶液とし
て得ることができる。
【0017】芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族
ジアミンとを溶液状態で反応させるとき、反応の進行と
共に、溶液の粘度が上昇するが、本発明においては、温
度30℃にてN−メチル−2−ピドリドン溶液として測
定した固有粘度が0.5以上のポリアミド酸溶液を調製
し、これを用いることが好ましい。このように、固有粘
度が0.5以上のポリアミド酸溶液を用いることによっ
て、機械強度の信頼性がすぐれるシートを得ることがで
きる。
ジアミンとを溶液状態で反応させるとき、反応の進行と
共に、溶液の粘度が上昇するが、本発明においては、温
度30℃にてN−メチル−2−ピドリドン溶液として測
定した固有粘度が0.5以上のポリアミド酸溶液を調製
し、これを用いることが好ましい。このように、固有粘
度が0.5以上のポリアミド酸溶液を用いることによっ
て、機械強度の信頼性がすぐれるシートを得ることがで
きる。
【0018】次に、本発明において用いるポリアニリン
は、一般式(I)
は、一般式(I)
【0019】
【化1】
【0020】(式中、m及びnはそれぞれ繰り返し単位
中のキノンジイミン構造単位及びフエニレンジアミン構
造単位のモル分率を示し、0<m<1、0<n<1、m
+n=1である。)で表されるキノンジイミン構造単位
及びフエニレンジアミン構造単位を主たる繰り返し単位
として有し、脱トープ状態において溶剤に可溶性のポリ
アニリンである。以下、このようなポリアミドをキノン
ジイミン・フェニレンジアミン型ポリアニリンというこ
とがある。このようなポリアニリンの性質と製造につい
ては、特開平3−28229号公報に詳細に記載されて
いる。
中のキノンジイミン構造単位及びフエニレンジアミン構
造単位のモル分率を示し、0<m<1、0<n<1、m
+n=1である。)で表されるキノンジイミン構造単位
及びフエニレンジアミン構造単位を主たる繰り返し単位
として有し、脱トープ状態において溶剤に可溶性のポリ
アニリンである。以下、このようなポリアミドをキノン
ジイミン・フェニレンジアミン型ポリアニリンというこ
とがある。このようなポリアニリンの性質と製造につい
ては、特開平3−28229号公報に詳細に記載されて
いる。
【0021】特に、本発明において用いるポリアニリン
は、特開平3−28229号公報に記載されているよう
に、脱ドープ状態において457.9nmの波長の光で励
起して得られるレーザー・ラマンスペクトルにおけるパ
ラ置換ベンゼンの骨格振動のうち、1600cm-1よりも
高波数にあらわれる骨格延伸振動のラマン線の強度Ia
と1600cm-1よりも低波数にあらわれる骨格延伸振動
のラマン線強度Ibの比Ia/Ibが1.0以上であるこ
とが好ましい。更に、本発明において用いるポリアニリ
ンは、N−メチルピロリドン中、30℃で測定した極限
粘度〔η〕が0.40dl/g以上であることが好ましい。
かかるレーザー・ラマンスペクトル特性を有するポリア
ニリンは、特開平3−28229号公報に詳細に記載さ
れているように、従来より知られているポリアニリンに
比べて、高分子量であり、溶剤可溶性である点で区別さ
れ、更に、構造的にも区別され得る。
は、特開平3−28229号公報に記載されているよう
に、脱ドープ状態において457.9nmの波長の光で励
起して得られるレーザー・ラマンスペクトルにおけるパ
ラ置換ベンゼンの骨格振動のうち、1600cm-1よりも
高波数にあらわれる骨格延伸振動のラマン線の強度Ia
と1600cm-1よりも低波数にあらわれる骨格延伸振動
のラマン線強度Ibの比Ia/Ibが1.0以上であるこ
とが好ましい。更に、本発明において用いるポリアニリ
ンは、N−メチルピロリドン中、30℃で測定した極限
粘度〔η〕が0.40dl/g以上であることが好ましい。
かかるレーザー・ラマンスペクトル特性を有するポリア
ニリンは、特開平3−28229号公報に詳細に記載さ
れているように、従来より知られているポリアニリンに
比べて、高分子量であり、溶剤可溶性である点で区別さ
れ、更に、構造的にも区別され得る。
【0022】本発明において用いる上記キノンジイミン
・フェニレンジアミン型ポリアニリンであって、脱ドー
プ状態において有機溶剤に可溶性であり、所定の極限粘
度と前述したレーザー・ラマンスペクトル特性を有する
ポリアニリンは、特開平3−28229号公報に詳細に
記載されているように、酸解離定数 pKa値が3.0以下で
あるプロトン酸の存在下に溶剤中にてアニリンに温度を
5℃以下、好ましくは0℃以下の温度を保持しつつ、標
準水素電極を基準とする還元半電池反応における起電力
として定められる標準電極電位が0.6V以上である酸化
剤の水溶液をアニリン1モル当たりに、酸化剤の1モル
を、酸化剤1分子を還元するのに必要な電子数で割った
量として定義される当量で、2当量以上、好ましくは2
〜2.5当量徐々に加えて、上記プロトン酸にてドープさ
れたアニリンの酸化重合体(以下、ドープされたポリア
ニリンという。)を生成させ、次いで、このドープされ
たポリアニリンを塩基性物質によって脱ドープすること
によって得ることができる。
・フェニレンジアミン型ポリアニリンであって、脱ドー
プ状態において有機溶剤に可溶性であり、所定の極限粘
度と前述したレーザー・ラマンスペクトル特性を有する
ポリアニリンは、特開平3−28229号公報に詳細に
記載されているように、酸解離定数 pKa値が3.0以下で
あるプロトン酸の存在下に溶剤中にてアニリンに温度を
5℃以下、好ましくは0℃以下の温度を保持しつつ、標
準水素電極を基準とする還元半電池反応における起電力
として定められる標準電極電位が0.6V以上である酸化
剤の水溶液をアニリン1モル当たりに、酸化剤の1モル
を、酸化剤1分子を還元するのに必要な電子数で割った
量として定義される当量で、2当量以上、好ましくは2
〜2.5当量徐々に加えて、上記プロトン酸にてドープさ
れたアニリンの酸化重合体(以下、ドープされたポリア
ニリンという。)を生成させ、次いで、このドープされ
たポリアニリンを塩基性物質によって脱ドープすること
によって得ることができる。
【0023】このように、プロトン酸の存在下にアニリ
ンを酸化重合して、ドープ状態のポリアニリンを得、次
いで、このポリアニリンを脱ドープして得られるポリア
ニリンは、高分子量を有し、しかも、種々の有機溶剤に
溶解する。かかる有機溶剤としては、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N −ジメチルアセトアミド、N,N −ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等を挙げるこ
とができる。このような脱ドープ状態のポリアニリンの
溶解度は、ポリアニリンの平均分子量や溶剤にもよる
が、重合体の0.5〜100%が溶解し、1〜30重量%
の溶液を得ることができる。本発明において用いるこの
ような脱ドープ状態のポリアニリンは、それ自体が半導
電性を有する。
ンを酸化重合して、ドープ状態のポリアニリンを得、次
いで、このポリアニリンを脱ドープして得られるポリア
ニリンは、高分子量を有し、しかも、種々の有機溶剤に
溶解する。かかる有機溶剤としては、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N −ジメチルアセトアミド、N,N −ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、スルホラン等を挙げるこ
とができる。このような脱ドープ状態のポリアニリンの
溶解度は、ポリアニリンの平均分子量や溶剤にもよる
が、重合体の0.5〜100%が溶解し、1〜30重量%
の溶液を得ることができる。本発明において用いるこの
ような脱ドープ状態のポリアニリンは、それ自体が半導
電性を有する。
【0024】本発明によれば、前述したように、ポリア
ミド酸と脱ドープ状態のポリアニリンと(このポリアニ
リンをドーピングして導電性とすることができるドーパ
ントと)を含む製膜溶液を調製し、この製膜溶液を適宜
の基材、例えば、ガラス板上にキャステイングし、製膜
溶液の層を基材上に形成し、60〜200℃の温度に加
熱して、基材上に樹脂シートを形成し、次いで、その樹
脂シートを基材から剥離し、その後、この樹脂シートを
250〜400℃の温度に加熱して、ポリアミド酸をイ
ミド化させることによって、ポリイミドと(脱)ドープ
状態の導電性ポリアニリンとのポリマーブレンドからな
る半導電性樹脂シートを得ることができる。
ミド酸と脱ドープ状態のポリアニリンと(このポリアニ
リンをドーピングして導電性とすることができるドーパ
ントと)を含む製膜溶液を調製し、この製膜溶液を適宜
の基材、例えば、ガラス板上にキャステイングし、製膜
溶液の層を基材上に形成し、60〜200℃の温度に加
熱して、基材上に樹脂シートを形成し、次いで、その樹
脂シートを基材から剥離し、その後、この樹脂シートを
250〜400℃の温度に加熱して、ポリアミド酸をイ
ミド化させることによって、ポリイミドと(脱)ドープ
状態の導電性ポリアニリンとのポリマーブレンドからな
る半導電性樹脂シートを得ることができる。
【0025】本発明において、ポリアニリンをドーピン
グして、導電性とするためのドーパントとしては、プロ
トン酸を好ましく用いることができる。ドーパントとし
て好ましいプロトン酸は、酸溶解定数 pKa値が4.8以下
であるプロトン酸である。そのようなプロトン酸とし
て、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水
素酸、リンフッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸のほか、
酸溶解定数 pKa値が4.8以下である有機酸を挙げること
ができる。
グして、導電性とするためのドーパントとしては、プロ
トン酸を好ましく用いることができる。ドーパントとし
て好ましいプロトン酸は、酸溶解定数 pKa値が4.8以下
であるプロトン酸である。そのようなプロトン酸とし
て、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウフッ化水
素酸、リンフッ化水素酸、過塩素酸等の無機酸のほか、
酸溶解定数 pKa値が4.8以下である有機酸を挙げること
ができる。
【0026】本発明において用いる有機酸は、例えば、
有機カルボン酸又はフェノール類であって、好ましく
は、酸解離定数 pKa値が4.8以下であるものである。こ
のような有機酸としては、脂肪族、芳香族、芳香脂肪
族、脂環式等の一又は多塩基酸を含む。このような有機
酸は、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ
基等を有していてもよい。従って、かかる有機酸の具体
例として、例えば、酢酸、n−酪酸、ペンタデカフルオ
ロオクタン酸、ペンタフルオロ酢酸、トリフルオロ酢
酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノフルオロ酢
酸、モノブロモ酢酸、モノクロロ酢酸、シアノ酢酸、ア
セチル酢酸、ニトロ酢酸、トリフエニル酢酸、ギ酸、シ
ュウ酸、安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−クロロ安
息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o
−ニトロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジ
ニトロ安息香酸、ピクリン酸、o−クロロ安息香酸、p
−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、トリメチル安
息香酸、p−シアノ安息香酸、m−シアノ安息香酸、チ
モールブルー、サリチル酸、5−アミノサリチル酸、o
−メトキシ安息香酸、1,6−ジニトロ−4−クロロフェ
ノール、2,6−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフ
ェノール、p−オキシ安息香酸、ブロモフェノールブル
ー、マンデル酸、フタル酸、イソフタル酸、マレイン
酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コ
ハク酸、α−アラニン、β−アラニン、グリシン、グリ
コール酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン−N,N'
−二酢酸、エチレンジアミン−N,N,N',N' −四酢酸等を
挙げることができる。
有機カルボン酸又はフェノール類であって、好ましく
は、酸解離定数 pKa値が4.8以下であるものである。こ
のような有機酸としては、脂肪族、芳香族、芳香脂肪
族、脂環式等の一又は多塩基酸を含む。このような有機
酸は、水酸基、ハロゲン、ニトロ基、シアノ基、アミノ
基等を有していてもよい。従って、かかる有機酸の具体
例として、例えば、酢酸、n−酪酸、ペンタデカフルオ
ロオクタン酸、ペンタフルオロ酢酸、トリフルオロ酢
酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、モノフルオロ酢
酸、モノブロモ酢酸、モノクロロ酢酸、シアノ酢酸、ア
セチル酢酸、ニトロ酢酸、トリフエニル酢酸、ギ酸、シ
ュウ酸、安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−クロロ安
息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o
−ニトロ安息香酸、2,4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジ
ニトロ安息香酸、ピクリン酸、o−クロロ安息香酸、p
−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、トリメチル安
息香酸、p−シアノ安息香酸、m−シアノ安息香酸、チ
モールブルー、サリチル酸、5−アミノサリチル酸、o
−メトキシ安息香酸、1,6−ジニトロ−4−クロロフェ
ノール、2,6−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフ
ェノール、p−オキシ安息香酸、ブロモフェノールブル
ー、マンデル酸、フタル酸、イソフタル酸、マレイン
酸、フマル酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、コ
ハク酸、α−アラニン、β−アラニン、グリシン、グリ
コール酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン−N,N'
−二酢酸、エチレンジアミン−N,N,N',N' −四酢酸等を
挙げることができる。
【0027】また、有機酸は、スルホン酸又は硫酸基を
有するものであつてもよい。このような有機酸として
は、例えば、アミノナフトールスルホン酸、メタニル
酸、スルファニル酸、アリルスルホン酸、ラウリル硫
酸、キシレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンス
ルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホ
ン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン
酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1
−ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スチレン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼン
スルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベン
ゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチ
ルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、
ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン
酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、オクタ
デシルベンゼンスルホン酸、ジエチルベンゼンスルホン
酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼン
スルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフ
タレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブ
チルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホ
ン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、ヘプチルナフタ
レンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ノニ
ルナフタレンスルホン酸、デシルナフタレンスルホン
酸、ウンデシルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタ
レンスルホン酸、ペンタデシルナフタレンスルホン酸、
オクタデシルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレ
ンスルホン酸、ジエチルナフタレンスルホン酸、ジプロ
ピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホ
ン酸、ジペンチルナフタレンスルホン酸、ジヘキシルナ
フタレンスルホン酸、ジヘプチルナフタレンスルホン
酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタ
レンスルホン酸、トリメチルナフタレンスルホン酸、ト
リエチルナフタレンスルホン酸、トリプロピルナフタレ
ンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、カン
フアースルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホ
ン酸等を挙げることができる。
有するものであつてもよい。このような有機酸として
は、例えば、アミノナフトールスルホン酸、メタニル
酸、スルファニル酸、アリルスルホン酸、ラウリル硫
酸、キシレンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンス
ルホン酸、1−ブタンスルホン酸、1−ヘキサンスルホ
ン酸、1−ヘプタンスルホン酸、1−オクタンスルホン
酸、1−ノナンスルホン酸、1−デカンスルホン酸、1
−ドデカンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、スチレン
スルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスル
ホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、プロピルベンゼン
スルホン酸、ブチルベンゼンスルホン酸、ペンチルベン
ゼンスルホン酸、ヘキシルベンゼンスルホン酸、ヘプチ
ルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、
ノニルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン
酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、オクタ
デシルベンゼンスルホン酸、ジエチルベンゼンスルホン
酸、ジプロピルベンゼンスルホン酸、ジブチルベンゼン
スルホン酸、メチルナフタレンスルホン酸、エチルナフ
タレンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブ
チルナフタレンスルホン酸、ペンチルナフタレンスルホ
ン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、ヘプチルナフタ
レンスルホン酸、オクチルナフタレンスルホン酸、ノニ
ルナフタレンスルホン酸、デシルナフタレンスルホン
酸、ウンデシルナフタレンスルホン酸、ドデシルナフタ
レンスルホン酸、ペンタデシルナフタレンスルホン酸、
オクタデシルナフタレンスルホン酸、ジメチルナフタレ
ンスルホン酸、ジエチルナフタレンスルホン酸、ジプロ
ピルナフタレンスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホ
ン酸、ジペンチルナフタレンスルホン酸、ジヘキシルナ
フタレンスルホン酸、ジヘプチルナフタレンスルホン
酸、ジオクチルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタ
レンスルホン酸、トリメチルナフタレンスルホン酸、ト
リエチルナフタレンスルホン酸、トリプロピルナフタレ
ンスルホン酸、トリブチルナフタレンスルホン酸、カン
フアースルホン酸、アクリルアミド−t−ブチルスルホ
ン酸等を挙げることができる。
【0028】また、本発明においては、分子内に2つ以
上のスルホン酸基を有する多官能有機スルホン酸も用い
ることができる。このような多官能有機スルホン酸とし
ては、例えば、エタンジスルホン酸、プロパンジスルホ
ン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、ヘ
キサンジスルホン酸、ヘプタンジスルホン酸、オクタン
ジスルホン酸、ノナンジスルホン酸、デカンジスルホン
酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、
トルエンジスルホン酸、エチルベンゼンジスルホン酸、
プロピルベンゼンジスルホン酸、ブチルベンゼンジスル
ホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベン
ゼンジスルホン酸、ジプロピルベンゼンジスルホン酸、
ジブチルベンゼンジスルホン酸、メチルナフタレンジス
ルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、プロピルナ
フタレンジスルホン酸、ブチルナフタレンジスルホン
酸、ペンチルナフタレンジスルホン酸、ヘキシルナフタ
レンジスルホン酸、ヘプチルナフタレンジスルホン酸、
オクチルナフタレンジスルホン酸、ノニルナフタレンジ
スルホン酸、ジメチルナフタレンジスルホン酸、ジエチ
ルナフタレンジスルホン酸、ジプロピルナフタレンジス
ルホン酸、ジブチルナフタレンジスルホン酸、ナフタレ
ントリスルホン酸、ナフタレンテトラスルホン酸、アン
トラセンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、
フェナントレンジスルホン酸、フルオレノンジスルホン
酸、カルバゾールジスルホン酸、ジフエニルメタンジス
ルホン酸、ビフエニルジスルホン酸、ターフェニルジス
ルホン酸、ターフェニルトリスルホン酸、ナフタレンス
ルホン酸−ホルマリン縮合物、フェナントレンスルホン
酸−ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸−ホル
マリン縮合物、フルオレンスルホン酸−ホルマリン縮合
物、カルバゾールスルホン酸−ホルマリン縮合物等を挙
げることができる。芳香環におけるスルホン酸基の位置
は任意である。
上のスルホン酸基を有する多官能有機スルホン酸も用い
ることができる。このような多官能有機スルホン酸とし
ては、例えば、エタンジスルホン酸、プロパンジスルホ
ン酸、ブタンジスルホン酸、ペンタンジスルホン酸、ヘ
キサンジスルホン酸、ヘプタンジスルホン酸、オクタン
ジスルホン酸、ノナンジスルホン酸、デカンジスルホン
酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、
トルエンジスルホン酸、エチルベンゼンジスルホン酸、
プロピルベンゼンジスルホン酸、ブチルベンゼンジスル
ホン酸、ジメチルベンゼンジスルホン酸、ジエチルベン
ゼンジスルホン酸、ジプロピルベンゼンジスルホン酸、
ジブチルベンゼンジスルホン酸、メチルナフタレンジス
ルホン酸、エチルナフタレンジスルホン酸、プロピルナ
フタレンジスルホン酸、ブチルナフタレンジスルホン
酸、ペンチルナフタレンジスルホン酸、ヘキシルナフタ
レンジスルホン酸、ヘプチルナフタレンジスルホン酸、
オクチルナフタレンジスルホン酸、ノニルナフタレンジ
スルホン酸、ジメチルナフタレンジスルホン酸、ジエチ
ルナフタレンジスルホン酸、ジプロピルナフタレンジス
ルホン酸、ジブチルナフタレンジスルホン酸、ナフタレ
ントリスルホン酸、ナフタレンテトラスルホン酸、アン
トラセンジスルホン酸、アントラキノンジスルホン酸、
フェナントレンジスルホン酸、フルオレノンジスルホン
酸、カルバゾールジスルホン酸、ジフエニルメタンジス
ルホン酸、ビフエニルジスルホン酸、ターフェニルジス
ルホン酸、ターフェニルトリスルホン酸、ナフタレンス
ルホン酸−ホルマリン縮合物、フェナントレンスルホン
酸−ホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸−ホル
マリン縮合物、フルオレンスルホン酸−ホルマリン縮合
物、カルバゾールスルホン酸−ホルマリン縮合物等を挙
げることができる。芳香環におけるスルホン酸基の位置
は任意である。
【0029】更に、本発明において、有機酸はポリマー
酸であってもよい。このようなポリマー酸としては、例
えば、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリス
チレンスルホン酸、スルホン化スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタリルスルホン
酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、ポリハロゲン化アクリル酸、ポリイソプレン
スルホン酸、N−スルホアルキル化ポリアニリン、核ス
ルホン化ポリアニリン等を挙げることができる。ナフイ
オン(米国デユポン社登録商標)として知られている含
フッ素重合体も、ポリマー酸として好適に用いられる。
酸であってもよい。このようなポリマー酸としては、例
えば、ポリビニルスルホン酸、ポリビニル硫酸、ポリス
チレンスルホン酸、スルホン化スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリアリルスルホン酸、ポリメタリルスルホン
酸、ポリ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸、ポリハロゲン化アクリル酸、ポリイソプレン
スルホン酸、N−スルホアルキル化ポリアニリン、核ス
ルホン化ポリアニリン等を挙げることができる。ナフイ
オン(米国デユポン社登録商標)として知られている含
フッ素重合体も、ポリマー酸として好適に用いられる。
【0030】本発明においては、上記のようなプロトン
酸からなるドーパントを製膜溶液に含有させる方法とし
て、特開平3−28229号公報に示されるように、例
えば、トリエチルアミンのような塩基性物質をドーパン
トと共に加える方法も、好適に用いることができる。
酸からなるドーパントを製膜溶液に含有させる方法とし
て、特開平3−28229号公報に示されるように、例
えば、トリエチルアミンのような塩基性物質をドーパン
トと共に加える方法も、好適に用いることができる。
【0031】このようなプロトン酸は、前記一般式
(I)で表わされるポリアニリンのキノンジイミン構造
のイミン窒素へのプロトン化によって、ポリアニリンを
導電性とする。通常、前述したように、アニリンを溶液
中で酸化重合して得られる前記一般式(I)で表わされ
るキノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリ
ンにおいては、式中、mとnの値はほぼ相等しい。
(I)で表わされるポリアニリンのキノンジイミン構造
のイミン窒素へのプロトン化によって、ポリアニリンを
導電性とする。通常、前述したように、アニリンを溶液
中で酸化重合して得られる前記一般式(I)で表わされ
るキノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリ
ンにおいては、式中、mとnの値はほぼ相等しい。
【0032】このように、キノンジイミン・フェニレン
ジアミン型のポリアニリンは、キノンジイミン構造を多
く有するので、プロトン酸によるドーピングによって、
高導電性を有するポリアニリンを与える。本発明におい
ては、式
ジアミン型のポリアニリンは、キノンジイミン構造を多
く有するので、プロトン酸によるドーピングによって、
高導電性を有するポリアニリンを与える。本発明におい
ては、式
【0033】
【化2】
【0034】で表わされるイミノ−p−フェニレン構造
単位を主たる繰返し単位として有する溶剤可溶性のポリ
アニリン(以下、イミノ−p−フェニレン型のポリアニ
リンということがある。)は、上記キノンジイミン・フ
ェニレンジアミン型のポリアニリンに比べて、種々の有
機溶剤に一層よく溶解するので、上記キノンジイミン・
フェニレンジアミン型のポリアニリンと共に、又は上記
キノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリン
に代えて、用いることができる。
単位を主たる繰返し単位として有する溶剤可溶性のポリ
アニリン(以下、イミノ−p−フェニレン型のポリアニ
リンということがある。)は、上記キノンジイミン・フ
ェニレンジアミン型のポリアニリンに比べて、種々の有
機溶剤に一層よく溶解するので、上記キノンジイミン・
フェニレンジアミン型のポリアニリンと共に、又は上記
キノンジイミン・フェニレンジアミン型のポリアニリン
に代えて、用いることができる。
【0035】このようなイミノ−p−フェニレン型のポ
リアニリンは、特開平3−52929号公報に記載され
ているように、前記キノンジイミン・フェニレンジアミ
ン型のポリアニリンを還元剤にて還元することによって
得ることができる。本発明においては、このようなイミ
ノ−p−フェニレン型のポリアニリンも、N−メチルピ
ロリドン中、30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.40
dl/g以上であることが好ましい。
リアニリンは、特開平3−52929号公報に記載され
ているように、前記キノンジイミン・フェニレンジアミ
ン型のポリアニリンを還元剤にて還元することによって
得ることができる。本発明においては、このようなイミ
ノ−p−フェニレン型のポリアニリンも、N−メチルピ
ロリドン中、30℃で測定した極限粘度〔η〕が0.40
dl/g以上であることが好ましい。
【0036】上記還元剤としては、フェニルヒドラジ
ン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、
塩酸ヒドラジン等のヒドラジン化合物、水素化リチウム
アルミニウム、水素化ホウ素リチウム等の還元性水素化
金属化合物等が好適に用いられる。還元反応後に残渣を
生じないので、ヒドラジン水和物又はフェニルヒドラジ
ンが還元剤として特に好ましく用いられる。
ン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物、硫酸ヒドラジン、
塩酸ヒドラジン等のヒドラジン化合物、水素化リチウム
アルミニウム、水素化ホウ素リチウム等の還元性水素化
金属化合物等が好適に用いられる。還元反応後に残渣を
生じないので、ヒドラジン水和物又はフェニルヒドラジ
ンが還元剤として特に好ましく用いられる。
【0037】このようなイミノ−p−フェニレン型のポ
リアニリンを用いるときは、これを含む製膜溶液を基材
上にキャステイングし、基材上に上記製膜溶液の層を形
成し、加熱して、基材上に樹脂シートを形成し、次い
で、その樹脂シートを基材から剥離し、その後、この樹
脂シートを更に加熱して、ポリアミド酸をイミド化させ
る際に、空気酸化によって、キノンジイミン・フェニレ
ンジアミン型のポリアニリンとなり、製膜溶液がドーパ
ントを含むときは、このキノンジイミン・フェニレンジ
アミン型のポリアニリンをドーピングして、導電性のポ
リアニリンを形成し、半導電性の樹脂シートを与える。
リアニリンを用いるときは、これを含む製膜溶液を基材
上にキャステイングし、基材上に上記製膜溶液の層を形
成し、加熱して、基材上に樹脂シートを形成し、次い
で、その樹脂シートを基材から剥離し、その後、この樹
脂シートを更に加熱して、ポリアミド酸をイミド化させ
る際に、空気酸化によって、キノンジイミン・フェニレ
ンジアミン型のポリアニリンとなり、製膜溶液がドーパ
ントを含むときは、このキノンジイミン・フェニレンジ
アミン型のポリアニリンをドーピングして、導電性のポ
リアニリンを形成し、半導電性の樹脂シートを与える。
【0038】本発明による半導電性樹脂シートの形状は
特に限定されるものではなく、前述したように、平面的
若しくは曲面を有するシート状のほか、チューブ状であ
ってもよい。また、不連続であっても、連続していても
よい。
特に限定されるものではなく、前述したように、平面的
若しくは曲面を有するシート状のほか、チューブ状であ
ってもよい。また、不連続であっても、連続していても
よい。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、以上のように、ポリイ
ミドと脱ドープ状態のポリアニリンと(このポリアニリ
ンをドーピングして導電性とすることができるドーパン
トと)を含む製膜溶液から製膜することによって、簡単
にポリイミドと(脱)ドープ状態のポリアニリンとのポ
リマーブレンドからなる半導電性樹脂シートを得ること
ができる。
ミドと脱ドープ状態のポリアニリンと(このポリアニリ
ンをドーピングして導電性とすることができるドーパン
トと)を含む製膜溶液から製膜することによって、簡単
にポリイミドと(脱)ドープ状態のポリアニリンとのポ
リマーブレンドからなる半導電性樹脂シートを得ること
ができる。
【0040】特に、本発明に従って、脱ドープ状態のポ
リアニリンを用いて得られる半導電性樹脂シートは、本
来、ドーパントを含まないために、水分等の環境条件の
変動にかかわらず、その半導電性は実質的に一定であ
る。他方、本発明に従って、脱ドープ状態のポリアニリ
ンとこのポリアニリンをドーピングして導電性とするド
ーパントを含む製膜溶液を用いて、半導電性樹脂シート
とするときは、製膜後にドーピングする方法と異なり、
製膜によって、直ちに、半導電性樹脂シートを得ること
ができ、しかも、得られる半導電性樹脂シートにおいて
は、ドーパントが水分や熱等の環境の影響によって脱ド
ープし難く、かくして、環境に対して安定した半導電性
を有する。
リアニリンを用いて得られる半導電性樹脂シートは、本
来、ドーパントを含まないために、水分等の環境条件の
変動にかかわらず、その半導電性は実質的に一定であ
る。他方、本発明に従って、脱ドープ状態のポリアニリ
ンとこのポリアニリンをドーピングして導電性とするド
ーパントを含む製膜溶液を用いて、半導電性樹脂シート
とするときは、製膜後にドーピングする方法と異なり、
製膜によって、直ちに、半導電性樹脂シートを得ること
ができ、しかも、得られる半導電性樹脂シートにおいて
は、ドーパントが水分や熱等の環境の影響によって脱ド
ープし難く、かくして、環境に対して安定した半導電性
を有する。
【0041】
【実施例】以下に参考例と共に、実施例を挙げて本発明
を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定さ
れるものではない。
を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定さ
れるものではない。
【0042】参考例1
(アニリンの酸化重合によるドープ状態のポリアニリン
の製造)攪拌装置、温度計及び直管アダプターを備えた
10リットル容量セパラブル・フラスコに蒸留水600
0g、36%塩酸360ml及びアニリン400g(4.2
95モル)をこの順序にて仕込み、アニリンを溶解させ
た。別に、氷水にて冷却しながら、ビーカー中の蒸留水
1493gに97%濃硫酸434g(4.295モル)を
加え、混合して、硫酸水溶液を調製した。この硫酸水溶
液を上記セパラブル・フラスコに加え、フラスコ全体を
低温恒温槽にて−4℃まで冷却した。
の製造)攪拌装置、温度計及び直管アダプターを備えた
10リットル容量セパラブル・フラスコに蒸留水600
0g、36%塩酸360ml及びアニリン400g(4.2
95モル)をこの順序にて仕込み、アニリンを溶解させ
た。別に、氷水にて冷却しながら、ビーカー中の蒸留水
1493gに97%濃硫酸434g(4.295モル)を
加え、混合して、硫酸水溶液を調製した。この硫酸水溶
液を上記セパラブル・フラスコに加え、フラスコ全体を
低温恒温槽にて−4℃まで冷却した。
【0043】次に、ビーカー中にて蒸留水2293gに
ペルオキソ二硫酸アンモニウム980g(4.295モ
ル)を加え、溶解させて、酸化剤水溶液を調製した。フ
ラスコ全体を低温恒温槽で冷却して、反応混合物の温度
を−3℃以下に保持しつつ、攪拌下にアニリン塩の酸性
水溶液に、チュービングポンプを用いて、直管アダプタ
ーから上記ペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液を1ml
/分以下の割合にて徐々に滴下した。最初、無色透明の
溶液は、重合の進行に伴って緑青色から黒緑色となり、
次いで、黒緑色の粉末が析出した。この粉末析出時に反
応混合物において温度の上昇がみられるが、反応系内の
温度を−3℃以下に抑えた。かくして、7時間を要し
て、ペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液の滴下を終了
した後、更に1時間、−3℃以下の温度にて攪拌を続け
た。
ペルオキソ二硫酸アンモニウム980g(4.295モ
ル)を加え、溶解させて、酸化剤水溶液を調製した。フ
ラスコ全体を低温恒温槽で冷却して、反応混合物の温度
を−3℃以下に保持しつつ、攪拌下にアニリン塩の酸性
水溶液に、チュービングポンプを用いて、直管アダプタ
ーから上記ペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液を1ml
/分以下の割合にて徐々に滴下した。最初、無色透明の
溶液は、重合の進行に伴って緑青色から黒緑色となり、
次いで、黒緑色の粉末が析出した。この粉末析出時に反
応混合物において温度の上昇がみられるが、反応系内の
温度を−3℃以下に抑えた。かくして、7時間を要し
て、ペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液の滴下を終了
した後、更に1時間、−3℃以下の温度にて攪拌を続け
た。
【0044】得られた粉末を濾別し、水洗、アセトン洗
浄し、室温で真空乾燥して、硫酸にてドープされた導電
性ポリアニリン430gを黒緑色の粉末として得た。 (ドープ状態の導電性ポリアニリンのアンモニアによる
脱ドーピング)上記ドープ状態の導電性ポリアニリン粉
末350gを2Nアンモニア水4リットル中に加え、オ
ートホモミキサーにて回転数5000rpm にて5時間攪
拌した。混合物は、黒緑色から青紫色に変化した。ブフ
ナー漏斗にて粉末を濾別し、ビーカー中に攪拌しなが
ら、蒸留水にて濾液が中性になるまで繰り返し洗浄し、
続いて、濾液が無色になるまでアセトンにて洗浄した。
この後、粉末を室温にて10時間真空乾燥して、黒褐色
の脱ドープされたポリアニリン粉末280gを得た。
浄し、室温で真空乾燥して、硫酸にてドープされた導電
性ポリアニリン430gを黒緑色の粉末として得た。 (ドープ状態の導電性ポリアニリンのアンモニアによる
脱ドーピング)上記ドープ状態の導電性ポリアニリン粉
末350gを2Nアンモニア水4リットル中に加え、オ
ートホモミキサーにて回転数5000rpm にて5時間攪
拌した。混合物は、黒緑色から青紫色に変化した。ブフ
ナー漏斗にて粉末を濾別し、ビーカー中に攪拌しなが
ら、蒸留水にて濾液が中性になるまで繰り返し洗浄し、
続いて、濾液が無色になるまでアセトンにて洗浄した。
この後、粉末を室温にて10時間真空乾燥して、黒褐色
の脱ドープされたポリアニリン粉末280gを得た。
【0045】参考例2
(ポリイミド前駆体溶液Aの調製)3,3',4,4' −ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミ
ンのほぼ等モル混合物をN−メチル−2−ピロリドン溶
液(濃度20重量%)中で温度20〜60℃で12時間
反応させて、粘度1000ポイズ(温度25℃、B型粘
度計での測定値)、固定粘度2.1のポリアミド酸溶液を
調製した。
ニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミ
ンのほぼ等モル混合物をN−メチル−2−ピロリドン溶
液(濃度20重量%)中で温度20〜60℃で12時間
反応させて、粘度1000ポイズ(温度25℃、B型粘
度計での測定値)、固定粘度2.1のポリアミド酸溶液を
調製した。
【0046】(ポリイミド前駆体溶液Bの調製)ピロメ
リット酸二無水物と3,3',4,4' −ジアミノジフェニルエ
ーテルのほぼ等モル混合物をN−メチル−2−ピロリド
ン溶液(濃度20重量%)中で温度5〜20℃で10時
間反応させて、粘度2000ポイズ(温度25℃、B型
粘度計での測定値)、固有粘度2.5のポリアミド酸溶液
を調製した。
リット酸二無水物と3,3',4,4' −ジアミノジフェニルエ
ーテルのほぼ等モル混合物をN−メチル−2−ピロリド
ン溶液(濃度20重量%)中で温度5〜20℃で10時
間反応させて、粘度2000ポイズ(温度25℃、B型
粘度計での測定値)、固有粘度2.5のポリアミド酸溶液
を調製した。
【0047】実施例1
N−メチル−2−ピロリドン180gにフェニルヒドラ
ジン2.98gを溶解させ、次いで、参考例1にて得られ
たポリアニリン粉末20gをこれに溶解させて、10重
量%の脱ドープ状態のポリアニリン溶液を得た。次い
で、このポリアニリン溶液に参考例2にて得られたポリ
イミド前駆体溶液A100gを添加し、1時間攪拌し
て、脱ドープ状態のポリアニリンとポリイミド前駆体と
からなる製膜溶液を得た。
ジン2.98gを溶解させ、次いで、参考例1にて得られ
たポリアニリン粉末20gをこれに溶解させて、10重
量%の脱ドープ状態のポリアニリン溶液を得た。次い
で、このポリアニリン溶液に参考例2にて得られたポリ
イミド前駆体溶液A100gを添加し、1時間攪拌し
て、脱ドープ状態のポリアニリンとポリイミド前駆体と
からなる製膜溶液を得た。
【0048】この製膜溶液を用いて、次のようにして製
膜した。即ち、上記製膜溶液を120μmのギャップの
ナイフコーターを用いてガラス板上にコーティングした
後、150℃で20分、200℃で20分、250℃で
20分、最後に300℃で20分処理して、溶剤除去と
イミド化を行なった後、ガラス板から剥離して、脱ドー
プ状態のポリアニリンとポリイミドとのポリマーブレン
ドからなる厚さ15μmの半導電性樹脂シートを得た。
膜した。即ち、上記製膜溶液を120μmのギャップの
ナイフコーターを用いてガラス板上にコーティングした
後、150℃で20分、200℃で20分、250℃で
20分、最後に300℃で20分処理して、溶剤除去と
イミド化を行なった後、ガラス板から剥離して、脱ドー
プ状態のポリアニリンとポリイミドとのポリマーブレン
ドからなる厚さ15μmの半導電性樹脂シートを得た。
【0049】この半導電性樹脂シートは、脱ドープ状態
のポリアニリン50重量%とポリイミド50重量%とか
らなり、体積抵抗率は3×1011Ω・cmであり、引張試
験の結果、強度24kgf/mm2 、弾性率520kgf/mm2 で
あった。
のポリアニリン50重量%とポリイミド50重量%とか
らなり、体積抵抗率は3×1011Ω・cmであり、引張試
験の結果、強度24kgf/mm2 、弾性率520kgf/mm2 で
あった。
【0050】実施例2
実施例1と同様にして10重量%濃度の脱ドープ状態の
ポリアニリン溶液200gを調製した。次いで、このポ
リアニリン溶液に参考例2で得られたポリイミド前駆体
溶液B300gを添加し、1時間攪拌して、脱ドープ状
態のポリアニリンとポリイミド前駆体とからなる製膜溶
液を得た。
ポリアニリン溶液200gを調製した。次いで、このポ
リアニリン溶液に参考例2で得られたポリイミド前駆体
溶液B300gを添加し、1時間攪拌して、脱ドープ状
態のポリアニリンとポリイミド前駆体とからなる製膜溶
液を得た。
【0051】この製膜溶液を用いて、次のようにして製
膜した。即ち、上記製膜溶液を240μmのギャップの
ナイフコーターを用いてガラス板上にコーティングした
後、実施例1と同様にして、溶剤除去とイミド化を行な
った後、ガラス板より剥離して、ポリイミドと脱ドープ
状態のポリアニリンとのポリマーブレンドからなる厚さ
30μmの半導電性樹脂シートを得た。
膜した。即ち、上記製膜溶液を240μmのギャップの
ナイフコーターを用いてガラス板上にコーティングした
後、実施例1と同様にして、溶剤除去とイミド化を行な
った後、ガラス板より剥離して、ポリイミドと脱ドープ
状態のポリアニリンとのポリマーブレンドからなる厚さ
30μmの半導電性樹脂シートを得た。
【0052】この半導電性樹脂シートは、脱ドープ状態
のポリアニリン25重量%とポリイミド75重量%とか
らなり、体積抵抗率は4×1012Ω・cmであり、引張試
験の結果、強度16kgf/mm2 、弾性率260kgf/mm2 で
あった。
のポリアニリン25重量%とポリイミド75重量%とか
らなり、体積抵抗率は4×1012Ω・cmであり、引張試
験の結果、強度16kgf/mm2 、弾性率260kgf/mm2 で
あった。
【0053】実施例3
実施例1と同様にして、10重量%濃度の脱ドープ状態
のポリアニリン溶液200gを調製した。別に、p−ト
ルエンスルホン酸一水和物(ドーパント)12.6gをN
−メチル−2−ピロリドン113.5gに溶解して、10
重量%p−トルエンスルホン酸溶液を調製した。次い
で、これらの2つの溶液を混合して、ドープ状態のポリ
アニリンの溶液を調製した。
のポリアニリン溶液200gを調製した。別に、p−ト
ルエンスルホン酸一水和物(ドーパント)12.6gをN
−メチル−2−ピロリドン113.5gに溶解して、10
重量%p−トルエンスルホン酸溶液を調製した。次い
で、これらの2つの溶液を混合して、ドープ状態のポリ
アニリンの溶液を調製した。
【0054】この溶液に参考例2で得られたポリイミド
前駆体溶液A100gを添加した後、1時間攪拌して、
ドープ状態のポリアニリンとポリイミド前駆体とからな
る製膜溶液を得た。この製膜溶液を240μmのギャッ
プのナイフコーターでガラス板上にコーティングした
後、150℃で30分間、加熱して、溶剤を除去した。
このようにして得られたシートをガラス板から剥離し、
300℃で20間加熱して、ポリイミドとp−トルエン
スルホン酸でドープされたポリアニリンとからなるポリ
マーブレンドの厚さ25μmの半導電性樹脂シートを得
た。
前駆体溶液A100gを添加した後、1時間攪拌して、
ドープ状態のポリアニリンとポリイミド前駆体とからな
る製膜溶液を得た。この製膜溶液を240μmのギャッ
プのナイフコーターでガラス板上にコーティングした
後、150℃で30分間、加熱して、溶剤を除去した。
このようにして得られたシートをガラス板から剥離し、
300℃で20間加熱して、ポリイミドとp−トルエン
スルホン酸でドープされたポリアニリンとからなるポリ
マーブレンドの厚さ25μmの半導電性樹脂シートを得
た。
【0055】この半導電性樹脂シートは、ドープ状態の
ポリアニリン50重量%とポリイミド50重量%とから
なり、厚さ25μmであった。この半導電性樹脂シート
の体積抵抗率を測定したところ、8×1010Ω・cmであ
った。また、表面抵抗を測定したところ、2×109 Ω
/□であった。上記半導電性シートを蒸留水中に24時
間浸漬した。乾燥させた後、体積抵抗率を測定したとこ
ろ、1×1011Ω・cmであった。
ポリアニリン50重量%とポリイミド50重量%とから
なり、厚さ25μmであった。この半導電性樹脂シート
の体積抵抗率を測定したところ、8×1010Ω・cmであ
った。また、表面抵抗を測定したところ、2×109 Ω
/□であった。上記半導電性シートを蒸留水中に24時
間浸漬した。乾燥させた後、体積抵抗率を測定したとこ
ろ、1×1011Ω・cmであった。
【0056】実施例4
実施例1と同様にして、10重量%濃度の脱ドープ状態
のポリアニリン溶液200gを調製した。別に、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸(ドーパント)21.5gをN−メ
チル−2−ピロリドン193.5gに溶解して、10重量
%ドデシルベンゼンスルホン酸溶液を調製した。次い
で、これらの2つの溶液を混合して、ドープ状態のポリ
アニリンの溶液を調製した。
のポリアニリン溶液200gを調製した。別に、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸(ドーパント)21.5gをN−メ
チル−2−ピロリドン193.5gに溶解して、10重量
%ドデシルベンゼンスルホン酸溶液を調製した。次い
で、これらの2つの溶液を混合して、ドープ状態のポリ
アニリンの溶液を調製した。
【0057】この溶液に参考例2で得られたポリイミド
前駆体溶液Aを100gを添加した後、1時間攪拌し
て、ドープ状態のポリアニリンとポリイミド前駆体とか
らなる製膜溶液を得た。この製膜溶液を240μmのギ
ャップのナイフコーターでガラス板上にコーティングし
た後、150℃で30分間、加熱して、溶剤を除去し
た。このようにして得られたシートをガラス板から剥離
し、300℃で20間加熱して、ポリイミドとドデシル
ベンゼンスルホン酸でドープされたポリアニリンとから
なるポリマーブレンドの厚さ25μmの半導電性樹脂シ
ートを得た。
前駆体溶液Aを100gを添加した後、1時間攪拌し
て、ドープ状態のポリアニリンとポリイミド前駆体とか
らなる製膜溶液を得た。この製膜溶液を240μmのギ
ャップのナイフコーターでガラス板上にコーティングし
た後、150℃で30分間、加熱して、溶剤を除去し
た。このようにして得られたシートをガラス板から剥離
し、300℃で20間加熱して、ポリイミドとドデシル
ベンゼンスルホン酸でドープされたポリアニリンとから
なるポリマーブレンドの厚さ25μmの半導電性樹脂シ
ートを得た。
【0058】この半導電性樹脂シートは、ドープ状態の
ポリアニリン50重量%とポリイミド50重量%とから
なり、厚さ25μmであった。この半導電性樹脂シート
の体積抵抗率を測定したところ、2×1011Ω・cmであ
った。また、表面抵抗を測定したところ、2×1010Ω
/□であった。
ポリアニリン50重量%とポリイミド50重量%とから
なり、厚さ25μmであった。この半導電性樹脂シート
の体積抵抗率を測定したところ、2×1011Ω・cmであ
った。また、表面抵抗を測定したところ、2×1010Ω
/□であった。
【0059】比較例1
蒸留水400gにp−トルエンスルホン酸100gを溶
解させ、これにメタノール500gを加えて、ドーパン
ト溶液を調製した。このドーパント溶液に実施例1で得
られたポリイミドと脱ドープ状態のポリアニリンとのポ
リマーブレンドからなる半導電性樹脂シートを60時間
浸漬して、ポリアニリンのドーピングを行なった。得ら
れた樹脂シートの体積抵抗率を測定したところ、7×1
010Ω・cmであった。また、この樹脂シートを実施例5
と同様にして蒸留水中に24時間浸漬し、乾燥させた
後、表面抵抗を測定したところ、9×1011Ω・cmであ
った。
解させ、これにメタノール500gを加えて、ドーパン
ト溶液を調製した。このドーパント溶液に実施例1で得
られたポリイミドと脱ドープ状態のポリアニリンとのポ
リマーブレンドからなる半導電性樹脂シートを60時間
浸漬して、ポリアニリンのドーピングを行なった。得ら
れた樹脂シートの体積抵抗率を測定したところ、7×1
010Ω・cmであった。また、この樹脂シートを実施例5
と同様にして蒸留水中に24時間浸漬し、乾燥させた
後、表面抵抗を測定したところ、9×1011Ω・cmであ
った。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平4−63865(JP,A)
特開 平5−262991(JP,A)
特開 平3−138129(JP,A)
特開 平7−90179(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08J 5/00 - 5/24
C08L 1/00 - 101/16
Claims (3)
- 【請求項1】ポリアミド酸とポリアニリンとこのポリア
ニリンをドーピングして導電性とすることができるドー
パントを含む製膜溶液を基材上にキャステイングし、基
材上に上記製膜溶液の層を形成し、60〜200℃の温
度に加熱して、基材上に樹脂シートを形成し、次いで、
その樹脂シートを基材から剥離し、その後、この樹脂シ
ートを250〜400℃の温度に加熱して、ポリアミド
酸をイミド化させることを特徴とする半導電性樹脂シー
トの製造方法。 - 【請求項2】ドーパントがプロトン酸である請求項1に
記載の半導電性樹脂シートの製造方法。 - 【請求項3】ドーパントが有機スルホン酸である請求項
1に記載の半導電性樹脂シートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6751395A JP3409226B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 半導電性樹脂シート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6751395A JP3409226B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 半導電性樹脂シート及びその製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002363407A Division JP3721162B2 (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 半導電性樹脂シートとその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08259709A JPH08259709A (ja) | 1996-10-08 |
JP3409226B2 true JP3409226B2 (ja) | 2003-05-26 |
Family
ID=13347146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6751395A Expired - Lifetime JP3409226B2 (ja) | 1995-03-27 | 1995-03-27 | 半導電性樹脂シート及びその製造方法 |
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NL1008929C2 (nl) * | 1998-04-20 | 1999-10-21 | Vhp Ugchelen Bv | Uit papier vervaardigd substraat voorzien van een geïntegreerde schakeling. |
KR100840835B1 (ko) | 2001-06-15 | 2008-06-23 | 가부시키가이샤 가네카 | 반도전성 폴리이미드 필름 및 그의 제조 방법 |
US7316791B2 (en) | 2003-12-30 | 2008-01-08 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Polyimide based substrate comprising doped polyaniline |
US7130569B2 (en) * | 2004-07-02 | 2006-10-31 | Xerox Corporation | Polyaniline filled polyimide weldable intermediate transfer components |
JP5261860B2 (ja) * | 2005-04-18 | 2013-08-14 | 新日本理化株式会社 | 溶剤可溶性ポリイミド樹脂組成物及び機械強度向上剤。 |
JP4799922B2 (ja) * | 2005-06-24 | 2011-10-26 | 日東電工株式会社 | 半導電性樹脂組成物および配線回路基板 |
JP4984457B2 (ja) * | 2005-08-26 | 2012-07-25 | 富士ゼロックス株式会社 | ポリアミック酸組成物、ポリイミド無端ベルト、及び画像形成装置 |
JP5012251B2 (ja) * | 2006-10-03 | 2012-08-29 | 富士ゼロックス株式会社 | ポリアミック酸の組成物及びその製造方法、並びにポリイミド樹脂、半導電性部材及び画像形成装置 |
JP4123296B2 (ja) | 2006-12-12 | 2008-07-23 | 富士ゼロックス株式会社 | 中間転写ベルト及びその製造方法、並びに、画像形成装置 |
US7874674B2 (en) | 2007-12-12 | 2011-01-25 | Allred Lloyd G | Aberrometer having reduced noise |
CN108690351A (zh) * | 2017-04-11 | 2018-10-23 | 合肥杰事杰新材料股份有限公司 | 一种尼龙组合物材料及其制备方法 |
-
1995
- 1995-03-27 JP JP6751395A patent/JP3409226B2/ja not_active Expired - Lifetime
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---|---|
JPH08259709A (ja) | 1996-10-08 |
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