JP3408609B2 - エマルションの製造方法および装置 - Google Patents

エマルションの製造方法および装置

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JP3408609B2
JP3408609B2 JP02415794A JP2415794A JP3408609B2 JP 3408609 B2 JP3408609 B2 JP 3408609B2 JP 02415794 A JP02415794 A JP 02415794A JP 2415794 A JP2415794 A JP 2415794A JP 3408609 B2 JP3408609 B2 JP 3408609B2
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    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/40Mixing liquids with liquids; Emulsifying
    • B01F23/41Emulsifying
    • B01F23/4105Methods of emulsifying

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  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Mixers With Rotating Receptacles And Mixers With Vibration Mechanisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエマルションを製造する
方法および装置、特にポーラス材を介して分散相を連続
相に供給し、生じた分散相の微粒子を連続相内に拡散さ
せることによってエマルションを製造する方法および装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】
[ポーラス材を用いたエマルションの製造方法および装
置の原理]ポーラス材を用いたエマルションの製造方法
および装置においては、分散相をポーラス材の片側から
加圧供給してそれを通過させることにより当該分散相の
微粒子を形成し、この微粒子を連続相内で拡散させるこ
とによってエマルションを製造する(図6)。この方法
もしくは装置によれば、均一な粒径の微粒子を含有する
良好なエマルション(単分散のエマルション)を得るこ
とができる。
【0003】ここで、分散相及び連続相は、それぞれ混
合し合わない流体(例えば水と油)であるが、分散相と
してエマルションを採用することにより、w/o/w系
のエマルションやo/w/o系のエマルションを製造す
る場合もある。分散相微粒子の拡散は、図6に示される
ような連続相の振動により行われる場合もあり、また、
連続相を一方向に流すことにより行われる場合もある。
【0004】[前処理]ポーラス材を用いてエマルショ
ンを製造する際には、ポーラス材の前処理を行う必要が
ある。これは、ポーラス材の微細孔に空気が存在した場
合には、これによって目詰りが生じてしまい(エアロッ
ク)、分散相が通過しなくなってしまうからである(図
8(a))。
【0005】しかしながら、前処理は、エアロック防止
のためだけのものではなく、ポーラス材の微細孔の壁面
に連続相の液膜10を生じさせるものである。この液膜
10は、均一な粒径のエマルションを得るためには重要
な存在であり、図8(c)に示されるように、この液膜
10が存在する場合には、ポーラス材に分散相が接触せ
ず、粒径が小さく均一なエマルションを得ることができ
るのである。これに対し、液膜10が失われた状態(図
8(d))では、分散相がポーラス材に接触して拡張現
象が生じてしまうため、エマルションの粒径が大きくな
り、しかもその大きさにばらつきが生じることとなる。
このため、従来から、前処理として一度ポーラス材を分
散相に浸して(図9)、一度微細孔内に連続相を充填さ
せることにより(図8(b))、液膜10を形成するよ
うにしているのである。
【0006】ここで、液膜10の消失は、このタイプの
エマルション製造装置を長時間駆動させることにより突
発的に発生するため、液膜10を維持させながらエマル
ションを製造することが、単分散エマルション製造のた
めの重要な課題である。
【0007】[装置の全体構成]ポーラス材を用いたエ
マルション製造装置では、ポーラス材としてこれを円筒
状に構成したポーラスパイプ11を一般的に採用してい
る。このようなエマルション製造装置の代表的なもの
は、図7に示すように、ポーラスパイプ11の周囲を不
透性のケーシング13で囲み、ポーラスパイプ11の外
部から分散相を圧入するものであり、当該ポーラスパイ
プ11の内壁に分散相の微粒子を生成させ、この微粒子
を攪拌体15で拡散させることによりエマルションを製
造する。
【0008】ここで、従来のこのタイプのエマルション
製造装置では、分散相の圧入は、通常は、渦巻きポンプ
等からなる定圧ポンプ17を用いて行っている。この定
圧ポンプ17から送られる分散相18の流量は、流量計
19によって監視される。ここで、流量計19が取り付
けられているのは、主に長時間駆動による液膜の消失を
監視するためである。即ち、このタイプのエマルション
製造装置においては、液膜の消失により分散相18の流
量が瞬間的に増大するため、これを流量計19により検
出し、これに応じて流量制限あるいは装置の停止等を行
う。流量制限等は、コントローラ21がバルブ23a及
び23bを調節することにより行う。
【0009】なお、分散相18の定圧供給は、定圧ポン
プ17のみならず、圧力ガスを用いて行う場合もある。
しかしながら、この場合においても流量計19により流
量の監視を行うという事情は同様である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ここで、従来のように
定圧ポンプあるいは圧力ガスを用いて分散相の圧入(定
圧供給)を行った場合には、液膜の消失が生じ易いとい
う問題があった。また、流量増大が検出された場合には
液膜が既に消失してしまっているため、液膜の消失を事
前に防止することができないという問題もあった。
【0011】本発明は以上のような課題に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、ポーラスパイプを用いたエ
マルション製造装置及び方法において、液膜の消失を容
易に引き起させないようにすること及び液膜の消失を予
測できるようにするすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために本願の請求項1の発明に係るエマルションの
製造方法においては、ポーラス材を介して分散相を連続
相に供給し、生じた分散相の微粒子を連続相内に拡散さ
せることによってエマルションを製造する方法であっ
て、前記ポーラス材に連続相を通じて当該ポーラス材の
細孔壁に液膜を形成し、分散相を脈動させながら連続相
に供給し、前記脈動は、超音波により生じさせることを
特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】請求項に係るエマルションの製造方法に
おいては、ポーラス材を介して分散相を連続相に供給
し、生じた分散相の微粒子を連続相内に拡散させること
によってエマルションを製造する方法であって、前記ポ
ーラス材に連続相を通じて当該ポーラス材の細孔壁に液
膜を形成し、分散相を脈動させながら連続相に供給し、
前記脈動により生じた圧力変化を吸収しながらエマルシ
ョンを製造することを特徴とする。
【0016】一方、本願の請求項の発明に係るエマル
ションの製造装置においては、ポーラス材を介して分散
相を連続相に供給し、生じた分散相の微粒子を連続相内
に拡散させることによって、エマルションを製造する装
置であって、ポーラス材を介した分散相の連続相への供
給を定量的に行う定量ポンプと、分散相の圧力変化を検
出する圧力センサと、を備え、前記圧力センサの出力に
よりエマルションの製造を管理し、更に、分散相に超音
波を送波する手段を備え、当該超音波により分散相を脈
動させながら連続相に供給することを特徴とする。
【0017】請求項に係るエマルションの製造装置に
おいては、ポーラス材を介して分散相を連続相に供給
し、生じた分散相の微粒子を連続相内に拡散させること
によって、エマルションを製造する装置であって、ポー
ラス材を介した分散相の連続相への供給を定量的に行う
定量ポンプと、分散相の圧力変化を検出する圧力センサ
と、を備え、前記圧力センサの出力によりエマルション
の製造を管理し、更に、分散相の供給圧を増減させる手
段を備え、分散相を脈動させながら連続相に供給し、更
に、分散相の圧力変化を吸収する緩衝機を備え、分散相
の過度の圧力変化を回避しながら分散相を脈動させるこ
とを特徴とする。
【0018】
【0019】
【0020】
【作用】以上のような構成を有する本発明に係るエマル
ションの製造方法においては、分散相を定量的に供給す
ることにより、微細孔に対して実質的に流量制限を行い
ながら圧入を行うこととなるため、液膜の消失を防止す
ることができる。
【0021】即ち、従来の定圧ポンプで供給を行った場
合には、定圧状態が維持されたまま分散相の流量が増大
する場合があり、このような場合には、流量増大により
微細孔内の液膜が押しやられ、消失させられてしまう。
ところが、本発明のように定量供給を行った場合には、
微細孔内の液膜を押しやるほど過剰に分散相が供給され
ることがないので、液膜の消失を防止することができる
のである。即ち、液膜が消失しかけても、ポーラス材の
微細孔が全て充填されるほど分散相が供給されないの
で、圧力の低下を検出することにより液膜の消失を未然
に防ぐことができるのである。
【0022】
【0023】また、請求項に係る製造方法のように、
分散相を脈動させながら連続相に供給することにより、
一旦消失しかけた液膜が分散相の引き戻しにより再生さ
れることとなり、液膜の消失を阻止することができる。
【0024】更に、脈動を超音波により生じさせること
で分散相に微小な脈動を生じさせることができ、効果的
に液膜の消失を抑制することができる。また、分散相の
圧力を変化させるようなポンプ等の手段を別に設けるこ
となく、超音波振動子等を設けることにより容易に脈
を生じさせることができ、また出力制御等も容易であ
り、液膜の消失を極めて効果的に抑制できるという効果
を有している。なお、このように超音波を用いた場合に
は、実質的に、マクロな圧力変化を生じさせることなく
分散相に微小な振動を発生させることができる。
【0025】請求項の方法においては、脈動により生
じた圧力変化を吸収することで、圧力の急激な上昇を防
ぐことができ、この急激な圧力上昇による液膜の消失を
防止することができる。これにより、供給圧力の偏在等
により生ずる液膜の消失を防止することができる。
【0026】請求項に係る装置においては、定量ポン
プ及び圧力センサを用いることにより、容易に請求項1
に係る方法を実現することができる。この装置によれ
ば、分散相の圧力が減少した場合には、「液膜が失われ
つつある」と判断して装置の運転を制限するか或いは取
りやめる。運転を制限等は、分散相の供給圧力が所定の
値よりも小さくなった場合に行うようにしてもよく、ま
た、その減少の割合(もしくは減少速度)が所定の大き
さになったときに行うようにしてもよい。
【0027】また、請求項3に係る装置においては、
音波を送波する手段を備えることにより、容易に請求項
1に係る方法を実現することが可能となる。
【0028】請求項4の装置においては、分散相の供給
圧を増減させることにより、請求項2の脈動を有効に起
させることができる。
【0029】また、請求項に係る装置においては、緩
衝機を備えることにより、供給圧の増減を効果的に吸収
することができ、請求項に係る方法を容易に実現する
ことが可能となる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図を参
照しながら説明する。なお、図7に示す従来例と同一の
構成要素には同一符号を付しその説明を省略する。
【0031】[参考例] 図1は、本発明の参考例に係るエマルション製造装置の
構成を示す図である
【0032】参考例に係るエマルション製造装置におい
て特徴的なことは、定量ポンプであるシリンジポンプ3
1が設けられ、供給圧力が圧力計33によって監視され
ていることである。即ち、分散相18は、シリンジポン
プ31により定量的に圧入され、圧力計33により圧力
異常が検出された場合には、コントローラ34により調
整が行われる。このシリンジポンプ31は、モータ35
により駆動され、このモータ35はコントローラ34に
より制御される。また、分散相18の供給圧力の制御、
シリンジポンプ31への吸入・吐出は、バルブ37a及
び37bを調整することにより行われる。なお、この実
施例においては、定量ポンプとししてシリンジポンプ3
1を用いているが、これはシリンジポンプに限られるこ
となく、ダイヤフラムポンプやギヤポンプ等、定量で流
体を送れるものであればいかなるポンプを用いることも
可能である。
【0033】ポーラスパイプ11に分散相18の定量供
給を行う際の動作原理は次のようなものである。
【0034】図2(a)に示されるように、ポーラス材
は、それ以下の圧力では透過しない下限臨界圧と、それ
以上の圧力では液膜が破壊されてしまう上限臨界圧とを
有している。これらの両臨界圧は、ポーラス材の孔径が
小さくなるにつれて上昇する。また、図2(b)は分散
相の供給圧力と透過量の関係を示すグラフであるが、こ
の図から明らかなように、下限臨界圧以下では分散相は
全く透過しない一方で、上限臨界圧を越えると透過量は
急増する。従って、良好なエマルションを製造するため
には、分散相の供給は、上限臨界圧と下限臨界圧の間の
圧力で行われなければならず、エマルション製造の際に
は、使用されるポーラスパイプ11の孔径に応じた適性
範囲内で分散相18を圧入する必要がある(例えば、孔
径mのポーラスパイプ11を使用した場合には図中のA
とBの間)。
【0035】ここで、下限臨界圧と上限臨界圧の間で
は、ポーラスパイプ11に対する分散相18の透過量は
分散相の圧力に比例して増加する。よって、定量的に供
給を行った場合には、ほぼ一義的に供給圧力が定まる。
これは、取りも直さず、定量供給時に供給圧力が変化し
た場合には、何らかの異常が発生したということを意味
する。図2(c)は、このことを示したものである。こ
の図に示されるように、ある大きさで定量供給を行った
ときの運転圧力(分散相の供給圧力)がPであった場合
に、ある時点から圧力が低下していった場合(図中Qの
領域)には、液膜が消失しつつある。一方、ある時点か
ら圧力が上昇した場合(図中Rの領域)には、何らかの
原因でポーラスパイプ11に目詰まりが生じているので
ある。従って、参考例に係るエマルション製造装置のよ
うに、分散相の定量供給を行ってその供給圧力の変化を
追跡するようにすれば、「液膜が消失しつつある」状態
あるいは目詰まりの発生を容易に検出できる。なお、既
に説明したように、本発明によれば、液膜を押し流して
しまわないように分散相の定量供給を行うため、供給圧
力の低下が生じた場合でも液膜が破壊されない。
【0036】液膜形成のためのポーラスパイプ11の前
処理は、従来の方法と同様に行う。例えば、図9に示さ
れるように、ポーラスパイプ11を連続相液中に浸漬
し、これに超音波を照射することにより容易に行うこと
ができる。超音波の照射は、超音波振動子等を使用する
ことにより容易に行うことが可能である。なお、この際
に、真空ポンプによる脱気を行うとより効果的であるこ
とが知られている。
【0037】[第実施例] 図3は、本発明の第実施例に係るエマルション製造装
置の構成を示す図である。この第実施例において特徴
的なことは、脈動発生器41及び緩衝機43が設けられ
ていることである。コントローラ44の働きは、脈動発
生器41及び緩衝機43の制御を行う以外は、第1実施
例に係るコントローラ34と同様である。なお、脈動発
生器41のみを設けて緩衝機43を設けなかった場合に
は請求項に係る方法が実現されることとなり、一方、
緩衝機43も取り付けられた場合には請求項に係る方
法と請求項に係る装置が実現されることになる。
【0038】脈動発生器41及び緩衝機43は、例え
ば、図5に示されるような構成とすることが可能であ
る。図5に示される装置は、シリンダ45が連結部46
でケーシング13内部と連結しており、このシリンダ4
5内部のピストン板47と、このピストン板47に取り
付けられているソレノイド48aと、シリンダ45の内
壁に取り付けられているソレノイド48bと、で構成さ
れている。実施例において、脈動発生器41は、この2
つのソレノイド48a及び48bに電気信号を通じ、こ
れらが引き合いあるいは反発する状態を繰り返させるこ
とにより脈動を生じさせる。この脈動発生器41が作動
すると、ケーシング13内部の分散相の内圧が増減する
が、これは、脈動発生器41と同じ構成の緩衝機43に
より吸収される。実施例においては、緩衝機43の2つ
のソレノイドはそれぞれ反発し合うように設定されてお
り、脈動発生器41による加圧が行われた場合にはその
分だけピストン板47が後退して圧力の増分を吸収す
る。これは、連結部46からの分散相18の流入により
自然に起こるようにしてもよく、電気信号を通じ、脈動
発生器41の動きに合わせて作動するようにしてもよ
い。この場合に、2つのソレノイド48a及び48bの
引力あるいは斥力の調整を適当に行うことにより、所望
の脈動発生あるいは緩衝効果を得ることが可能である。
【0039】本実施例において、脈動は、タイマーによ
り所定期間毎に生じさせる。この場合に、緩衝機43を
設けないとき(請求項)には、原則として圧力計33
はストップさせる。脈動による圧力変化を検出して異常
と判定するのを避けるためである。しかしながら、緩衝
機を設けたとき(請求項)には、圧力計33を作動さ
せても差支えない。また、脈動は、タイマーを使用して
起させずとも、他の手段によって起させることも可能で
ある。更に、脈動は、シリンジポンプ31により起こさ
せることもできる。
【0040】脈動による効果は図4に示されている。図
4において、図4(a)は脈動発生器41による分散相
の圧力変化を示し、図4(b)および(c)はその増減
に伴う微細孔内での分散相の変化を示している。
【0041】分散相を始めてポーラス材に透過させる際
には、図4(b)に示されているように、分散相は、圧
力が大きい時には穴の奥深くに入り込み、小さくなった
場合には後退する。そして、この脈動が繰り返されるこ
とにより、穴への分散相の進入が段々大きくなり、遂に
は先端部分が分離して微粒子となる。
【0042】一方、一旦透過した後は、その後の透過が
起り易くなるため、図4(c)に示されるように、脈動
発生器41の圧力を適度に調節することにより、分散相
がほぼ完全に戻った状態と微粒子が生成する状態とが繰
り返し起こる。このように、脈動によって分散相が一度
後退することにより、連続層が微細孔内に吸い込まれて
液膜が再生するので、液膜の再生をしながらエマルショ
ンの製造を行うことができ、長時間運転後も液膜の破壊
を防止することができる。
【0043】ここで、請求項に係る方法及び請求項4
に係る装置に対応する緩衝機を設けた場合には、図4
(a)中の矢印で示された方向に力が働く(即ち、緩衝
作用が働く)ために、全体としては図4(d)のような
なだらかな増減が起るようになり、急激な圧力変化によ
る液膜の消失を防止することが可能となる。この場合に
おいても、微細孔内での分散相の変化は維持されるの
で、エマルションの製造効率も保たれる。
【0044】このような脈動に類似した微細孔内での分
散相の挙動は、超音波によっても発生させることができ
る。超音波の供給は、例えば、脈動発生器41及び緩衝
機43の代わり或いはその内部に超音波発振子を設ける
ことにより容易に行うことができる。超音波を送るよ
にした場合には、微細孔内の分散相が、脈動発生器41
による脈動のときと同様に挙動するだけであるので、緩
衝機43を特に設定しなくてもよくなるであろう。この
ような超音波を設けた構成は、請求項に係る方法及び
請求項に係る装置に対応するものである。
【0045】
【発明の効果】以上のようにして、本発明に係るエマル
ションの製造方法及び装置は、圧力を監視し、圧力変化
により液膜の破壊を未然に察知するものであるため、液
膜の破壊を招くことなくエマルションの製造を行えると
いう効果を有している。
【0046】即ち、圧力を監視しながら定量的に分散相
の供給を行うことで、液膜の破壊を防止しながらエマル
ションの製造を行うことができる。また、液膜の破壊が
起こるときにはこれを未然に察知することができる
【0047】また、脈動を生じさせることにより、常に
液膜を再生させながらエマルションの製造を行うことが
できるため、液膜が存在する状態を維持しながら良好な
エマルションを得ることができる
【0048】また、超音波により脈動と同様の効果を得
ながら、良好なエマルションを製造することができ
【0049】更に、脈動による圧力の増減を吸収しなが
らエマルションを製造するので、脈動による急激な圧力
変化によって液膜の破壊が起るのを防止すると共に、圧
力変化の監視を行いながらエマルションを製造すること
ができる。このため、かかる良好なエマルションを得る
と同時に液膜破壊を事前に察知できる。即ち、液膜の破
壊を未然に察知しながら、脈動による効果を得ることが
できる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例に係るエマルション製造装置の
構成を示す図である。
【図2】分散相の定量供給を行う本発明の原理を説明す
る図である。
【図3】本発明の第実施例に係るエマルション製造装
置の構成を示す図である。
【図4】脈動を生じさせる本発明に係るエマルション製
造方法の原理を説明する図である。
【図5】脈動発生器及び緩衝機の一例を示すものであ
る。
【図6】ポーラスパイプを用いたエマルション製造装置
および方法の原理を示す図である。
【図7】ポーラスパイプを用いたエマルション製造装置
の一般的な構成を示す図である。
【図8】前処理の効果を説明するための図である。
【図9】前処理の方法を示す図である。
【符号の説明】
11 ポーラスパイプ、13 ケーシング、15 攪拌
体、16 連続相、18 分散相、31 シリンジポン
プ(定量ポンプ)、33 圧力計、34,44コントロ
ーラ、41 脈動発生器、43 緩衝機。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポーラス材を介して分散相を連続相に供
    給し、生じた分散相の微粒子を連続相内に拡散させるこ
    とによってエマルションを製造する方法であって、 前記ポーラス材に連続相を通じて当該ポーラス材の細孔
    壁に液膜を形成し、分散相を脈動させながら連続相に供
    給し、前記脈動は、超音波により生じさせることを特徴
    とするエマルションの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポーラス材を介して分散相を連続相に供
    給し、生じた分散相の微粒子を連続相内に拡散させるこ
    とによってエマルションを製造する方法であって、 前記ポーラス材に連続相を通じて当該ポーラス材の細孔
    壁に液膜を形成し、分散相を脈動させながら連続相に供
    し、前記脈動により生じた圧力変化を吸収しながらエ
    マルションを製造することを特徴とする方法
  3. 【請求項3】 ポーラス材を介して分散相を連続相に供
    給し、生じた分散相の微粒子を連続相内に拡散させるこ
    とによってエマルションを製造する装置であって、 ポーラス材を介した分散相の連続相への供給を定量的に
    行う定量ポンプと、分散相の圧力変化を検出する圧力セ
    ンサと、を備え、前記圧力センサの出力によりエマルシ
    ョンの製造を管理し、 更に、分散相に超音波を送波する手段を備え、当該超音
    波により分散相を脈動させながら連続相に供給すること
    を特徴とする装置
  4. 【請求項4】 ポーラス材を介して分散相を連続相に供
    給し、生じた分散相の微粒子を連続相内に拡散させるこ
    とによってエマルションを製造する装置であって、 ポーラス材を介した分散相の連続相への供給を定量的に
    行う定量ポンプと、分散相の圧力変化を検出する圧力セ
    ンサと、を備え、前記圧力センサの出力によりエマルシ
    ョンの製造を管理し、 更に、分散相の供給圧を増減させる手段を備え、分散相
    を脈動させながら連続相に供給し、 更に、分散相の圧力変化を吸収する緩衝機を備え、分散
    相の過度の圧力変化を回避しながら分散相を脈動させる
    ことを特徴とする装置
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