JP3408158B2 - スルトプリド誘導体及び抗スルトプリド抗体 - Google Patents
スルトプリド誘導体及び抗スルトプリド抗体Info
- Publication number
- JP3408158B2 JP3408158B2 JP21980798A JP21980798A JP3408158B2 JP 3408158 B2 JP3408158 B2 JP 3408158B2 JP 21980798 A JP21980798 A JP 21980798A JP 21980798 A JP21980798 A JP 21980798A JP 3408158 B2 JP3408158 B2 JP 3408158B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slutoprid
- antibody
- solution
- sultopride
- residue
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Pyrrole Compounds (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血清あるいは尿等
の生体試料中のスルトプリドを免疫学的に定量するため
に有用な試薬に関する。
の生体試料中のスルトプリドを免疫学的に定量するため
に有用な試薬に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】塩酸
スルトプリド{(±)−N−〔(1−エチル−2−ピロ
リジニル)メチル〕−5−エチルスルホニル−2−メト
キシベンズアミド・1塩酸塩}は下記式で表されるベン
ズアミド系抗精神病剤である。
スルトプリド{(±)−N−〔(1−エチル−2−ピロ
リジニル)メチル〕−5−エチルスルホニル−2−メト
キシベンズアミド・1塩酸塩}は下記式で表されるベン
ズアミド系抗精神病剤である。
【0003】
【化2】
【0004】本薬剤は、抗ドーパミン作用を有し、躁
病、精神分裂病の興奮及び幻覚、妄想状態等の予防ある
いは治療において優れた効果を発揮する。これらの効果
を維持するために必要なスルトプリドの血中濃度は400
〜1000ng/mL程度であるといわれている。
病、精神分裂病の興奮及び幻覚、妄想状態等の予防ある
いは治療において優れた効果を発揮する。これらの効果
を維持するために必要なスルトプリドの血中濃度は400
〜1000ng/mL程度であるといわれている。
【0005】一方、本薬剤の副作用としては、主に錐体
外路症状、例えば、振戦、アカシジア(akathisia )、
筋強剛などが報告されており、患者の血中スルトプリド
濃度が必要以上に高くなるとこれらの副作用の発現の可
能性が高くなる。
外路症状、例えば、振戦、アカシジア(akathisia )、
筋強剛などが報告されており、患者の血中スルトプリド
濃度が必要以上に高くなるとこれらの副作用の発現の可
能性が高くなる。
【0006】各患者に体重あたり同量の薬物を投与した
としても、同じ血中濃度が得られる訳ではない。これは
薬物の吸収、分布、代謝、排泄等に個人差があるためで
ある。例えば、腎機能の低下している人では、薬物が体
内に蓄積し易くなっていることもあるし、併用薬物があ
る場合には、それとの相互作用も血中濃度に影響するこ
ともある。
としても、同じ血中濃度が得られる訳ではない。これは
薬物の吸収、分布、代謝、排泄等に個人差があるためで
ある。例えば、腎機能の低下している人では、薬物が体
内に蓄積し易くなっていることもあるし、併用薬物があ
る場合には、それとの相互作用も血中濃度に影響するこ
ともある。
【0007】従って、精神病の治療の場において、スル
トプリドの最適な血中濃度を維持する投与設計の裏付け
として、各患者の血中スルトプリド濃度を測定すること
が必要となる。
トプリドの最適な血中濃度を維持する投与設計の裏付け
として、各患者の血中スルトプリド濃度を測定すること
が必要となる。
【0008】また、本薬剤と併用された他のベンズアミ
ド系抗精神病薬、例えばスルピリド{N−〔(1−エチ
ル−2−ピロリジニル)メチル〕−2−メトキシ−5−
スルファモイルベンズアミド}や本薬剤自身の代謝物、
例えばオキソスルトプリド{N−〔(1−エチル−5−
オキソ−2−ピロリジニル)メチル〕−2−メトキシ−
5−エチルスルホニルベンズアミド}と交差することな
く、正確に血中スルトプリド濃度を測定することが求め
られている。
ド系抗精神病薬、例えばスルピリド{N−〔(1−エチ
ル−2−ピロリジニル)メチル〕−2−メトキシ−5−
スルファモイルベンズアミド}や本薬剤自身の代謝物、
例えばオキソスルトプリド{N−〔(1−エチル−5−
オキソ−2−ピロリジニル)メチル〕−2−メトキシ−
5−エチルスルホニルベンズアミド}と交差することな
く、正確に血中スルトプリド濃度を測定することが求め
られている。
【0009】 従来、スルトプリドの血液や唾液
等の生体試料中濃度の測定はガスクロマトグラフ(GC)
法〔J. Chromatogr., 567, 113(1991)〕や高速液体クロ
マトグラフ(HPLC)法〔神経精神薬理 5巻7号、509(19
83)〕によって、行われている。
等の生体試料中濃度の測定はガスクロマトグラフ(GC)
法〔J. Chromatogr., 567, 113(1991)〕や高速液体クロ
マトグラフ(HPLC)法〔神経精神薬理 5巻7号、509(19
83)〕によって、行われている。
【0010】しかしながら、これらの方法を行うには特
殊な機器を必要とし、かつ、その操作も複雑で、測定者
の技術によって、その精度が左右されやすい。またこれ
らの方法においては、血清等の生体試料を直接測定する
ことはできず、スルトプリド抽出のための前処理を必要
とする。
殊な機器を必要とし、かつ、その操作も複雑で、測定者
の技術によって、その精度が左右されやすい。またこれ
らの方法においては、血清等の生体試料を直接測定する
ことはできず、スルトプリド抽出のための前処理を必要
とする。
【0011】このため、HPLC法やGC法による血中
スルトプリドの定量は、一度に多検体を処理することが
必要な臨床検査上あまり好ましい方法ではない。
スルトプリドの定量は、一度に多検体を処理することが
必要な臨床検査上あまり好ましい方法ではない。
【0012】スルトプリドの別の定量方法として、放射
免疫測定(RIA)法がArch.Int.Pharmacodyn .The
r., 254,317(1981) に開示されている。ここに開示の
RIA法で用いられている抗体製造に用いられる化合物
は、スルトプリドのベンゼン環部分の2位において担体
物質と結合せしめた本発明化合物とは異なる。また、本
RIA法はスルトプリドのみならずスルピリドをも定量
するものであり、スルトプリドに対する特異性は低い。
免疫測定(RIA)法がArch.Int.Pharmacodyn .The
r., 254,317(1981) に開示されている。ここに開示の
RIA法で用いられている抗体製造に用いられる化合物
は、スルトプリドのベンゼン環部分の2位において担体
物質と結合せしめた本発明化合物とは異なる。また、本
RIA法はスルトプリドのみならずスルピリドをも定量
するものであり、スルトプリドに対する特異性は低い。
【0013】さらに、特開昭57−203955号公報
にはスルピリドの酵素免疫測定(EIA)法が開示され
ているが、そこにはスルトプリドの測定方法は、具体的
には記載されていない。ちなみに、後述の本発明のスル
トプリド定量用試薬のひとつの成分である本発明の抗体
は、後記実施例8に示すように、スルピリドと殆ど交差
しないものである。
にはスルピリドの酵素免疫測定(EIA)法が開示され
ているが、そこにはスルトプリドの測定方法は、具体的
には記載されていない。ちなみに、後述の本発明のスル
トプリド定量用試薬のひとつの成分である本発明の抗体
は、後記実施例8に示すように、スルピリドと殆ど交差
しないものである。
【0014】なお、スルピリドは、スルトプリドのベン
ゼン環部分の5位にあるエチルスルホニル基をスルファ
モイル基で置換した化合物であり、両化合物の化学構造
は類似している。
ゼン環部分の5位にあるエチルスルホニル基をスルファ
モイル基で置換した化合物であり、両化合物の化学構造
は類似している。
【0015】このような状況において、特異性に優れ、
迅速、正確かつ簡便にスルトプリドを定量することがで
きる試薬を提供することが望まれている。
迅速、正確かつ簡便にスルトプリドを定量することがで
きる試薬を提供することが望まれている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は下記一般式(I)
で表されるスルトプリド誘導体に関するものである。
で表されるスルトプリド誘導体に関するものである。
【0017】
【化3】
【0018】(式中、Lは結合基であり、Xは酵素残基
または担体物質残基を意味する。)
または担体物質残基を意味する。)
【0019】本発明化合物(I)のXが担体物質残基で
ある化合物は抗スルトプリド抗体を製造するための免疫
原(以下、単に免疫原ということもある)であり、Xが
酵素残基である化合物はスルトプリド測定用酵素標識抗
原(以下、単に標識抗原ということもある)である。
ある化合物は抗スルトプリド抗体を製造するための免疫
原(以下、単に免疫原ということもある)であり、Xが
酵素残基である化合物はスルトプリド測定用酵素標識抗
原(以下、単に標識抗原ということもある)である。
【0020】本発明化合物(I)のXの定義における担
体物質残基は、後記一般式(II)で表される化合物ま
たはその塩と結合でき、かつ、免疫原となりうるもので
あればいずれでもよく、例えば、蛋白やポリペプチド等
の担体物質残基が挙げられる。具体的には、アルブミ
ン、グロブリン、サイログロブリン、貝ヘモシアニン、
エデスチン等が挙げられ、好ましいのはアルブミンまた
は貝ヘモシアニンである。
体物質残基は、後記一般式(II)で表される化合物ま
たはその塩と結合でき、かつ、免疫原となりうるもので
あればいずれでもよく、例えば、蛋白やポリペプチド等
の担体物質残基が挙げられる。具体的には、アルブミ
ン、グロブリン、サイログロブリン、貝ヘモシアニン、
エデスチン等が挙げられ、好ましいのはアルブミンまた
は貝ヘモシアニンである。
【0021】Xの定義における酵素標識残基の具体例と
しては、パーオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダー
ゼ、リパーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコース
−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ等の酵素残基が挙
げられる。
しては、パーオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダー
ゼ、リパーゼ、アルカリフォスファターゼ、グルコース
−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ等の酵素残基が挙
げられる。
【0022】Lの定義における結合基は、この分野にお
いて公知のものである。結合基は後記一般式(II)で
表される化合物またはその塩と担体物質または酵素の特
定の対に依存して適当なものが選択される。
いて公知のものである。結合基は後記一般式(II)で
表される化合物またはその塩と担体物質または酵素の特
定の対に依存して適当なものが選択される。
【0023】これらの結合基は、結合剤、例えば、グル
タルアルデヒド等の同質二官能性結合剤やm−マレイミ
ドベンゾイル−N−ヒドロキシサクシンイミド(MB
S)等の異質二官能性結合剤による結合の結果生じた結
合基も含むものである。
タルアルデヒド等の同質二官能性結合剤やm−マレイミ
ドベンゾイル−N−ヒドロキシサクシンイミド(MB
S)等の異質二官能性結合剤による結合の結果生じた結
合基も含むものである。
【0024】結合基Lの具体例としては、例えば下記化
4及び化5で表されるものが挙げられる。
4及び化5で表されるものが挙げられる。
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】(式中、Qはフェニレン基または低級アル
キレン基を意味する。)
キレン基を意味する。)
【0028】さらに、これらの結合基には、前記式
(I)において−L−Xで表される基を除いた部分(以
下、ハプテン部分という)と担体物質残基または酵素残
基との間に付加的な空間を与えるために使用されるスペ
ーサーが含まれていてもよい。例えば、スペーサーとし
て、O、SもしくはN等のヘテロ原子を含んでいてもよ
いC1 −C20の直鎖状または分岐状のアルキレン基が挙
げられる。
(I)において−L−Xで表される基を除いた部分(以
下、ハプテン部分という)と担体物質残基または酵素残
基との間に付加的な空間を与えるために使用されるスペ
ーサーが含まれていてもよい。例えば、スペーサーとし
て、O、SもしくはN等のヘテロ原子を含んでいてもよ
いC1 −C20の直鎖状または分岐状のアルキレン基が挙
げられる。
【0029】スペーサーを含む結合基の好ましい例とし
ては、−O−(CH2 )n−CONH−(ここにおい
て、nは1〜6の整数を意味する)で表される基が挙げ
られ、ここにおける−O−(CH2 )n−がスペーサー
部分に相当する。
ては、−O−(CH2 )n−CONH−(ここにおい
て、nは1〜6の整数を意味する)で表される基が挙げ
られ、ここにおける−O−(CH2 )n−がスペーサー
部分に相当する。
【0030】Xとハプテン部分との結合割合は、式
(I)には表示されていないが、Xの種類によって大き
く変わる。例えば、Xが担体物質残基であるとき、両者
の結合割合は担体物質1モル相当に対してハプテン部分
が1〜50モル相当である。この場合の両者の結合割合
は結合反応時において、後述の化合物(II)における
置換基Rや結合剤の種類を変えたり、これらの使用割合
や反応条件を変えることにより調製できる。
(I)には表示されていないが、Xの種類によって大き
く変わる。例えば、Xが担体物質残基であるとき、両者
の結合割合は担体物質1モル相当に対してハプテン部分
が1〜50モル相当である。この場合の両者の結合割合
は結合反応時において、後述の化合物(II)における
置換基Rや結合剤の種類を変えたり、これらの使用割合
や反応条件を変えることにより調製できる。
【0031】Xが酵素残基であるときの結合割合は、酵
素残基1モル相当に対してハプテン部分が1〜10モル
相当、好ましくは、1〜5モル相当である。この結合割
合は、前述の担体物質の場合と同様にして調製すること
ができる。
素残基1モル相当に対してハプテン部分が1〜10モル
相当、好ましくは、1〜5モル相当である。この結合割
合は、前述の担体物質の場合と同様にして調製すること
ができる。
【0032】本発明のスルトプリド誘導体(I)は、例
えば次の一般式(II)
えば次の一般式(II)
【0033】
【化6】
【0034】(式中、Rは直接あるいは結合剤により、
担体物質または酵素と結合し得る基を意味する)
担体物質または酵素と結合し得る基を意味する)
【0035】で表される化合物またはその塩と担体物質
または酵素とを、この分野における常法に従って結合せ
しめることにより製造することができる。
または酵素とを、この分野における常法に従って結合せ
しめることにより製造することができる。
【0036】例えば、Xが担体物質残基である本発明の
スルトプリド誘導体(I)、すなわち免疫原は、化合物
(II)の置換基Rに含まれるカルボキシル基を活性エ
ステルに変換し、これを担体物質のアミノ基と縮合せし
めるとか、Rに含まれるアミノ基と担体物質のアミノ基
とを結合剤、好ましくはグルタルアルデヒド、トルエン
ジイソシアネート、ジハロゲン化ニトロベンゼンなどの
結合剤の助けをかりて結合せしめることにより製造でき
る。また、Rに含まれるアミノ基をジアゾ化した後、担
体物質のチロシン残基又はヒスチジン残基とカップリン
グさせることによりXが担体物質残基である本発明のス
ルトプリド誘導体(I)を製造することもできる。
スルトプリド誘導体(I)、すなわち免疫原は、化合物
(II)の置換基Rに含まれるカルボキシル基を活性エ
ステルに変換し、これを担体物質のアミノ基と縮合せし
めるとか、Rに含まれるアミノ基と担体物質のアミノ基
とを結合剤、好ましくはグルタルアルデヒド、トルエン
ジイソシアネート、ジハロゲン化ニトロベンゼンなどの
結合剤の助けをかりて結合せしめることにより製造でき
る。また、Rに含まれるアミノ基をジアゾ化した後、担
体物質のチロシン残基又はヒスチジン残基とカップリン
グさせることによりXが担体物質残基である本発明のス
ルトプリド誘導体(I)を製造することもできる。
【0037】また、本発明の免疫原は、化合物(II)
の置換基Rに含まれるチオール基と担体物質のアミノ基
との間を結合剤を用いて結合せしめることにより製造で
きる。チオール基とアミノ基との間を架橋する結合剤と
しては例えば、N−(m−マレイミドベンゾイルオキ
シ) サクシンイミドのようなマレイミドサクシンイミド
誘導体などが挙げられる。
の置換基Rに含まれるチオール基と担体物質のアミノ基
との間を結合剤を用いて結合せしめることにより製造で
きる。チオール基とアミノ基との間を架橋する結合剤と
しては例えば、N−(m−マレイミドベンゾイルオキ
シ) サクシンイミドのようなマレイミドサクシンイミド
誘導体などが挙げられる。
【0038】Xが酵素残基である本発明のスルトプリド
誘導体(I)、すなわち酵素標識抗原は、前述した免疫
原の場合と同様にして製造することができる。この場
合、酵素活性が失活しないような緩和な条件下において
製造される。
誘導体(I)、すなわち酵素標識抗原は、前述した免疫
原の場合と同様にして製造することができる。この場
合、酵素活性が失活しないような緩和な条件下において
製造される。
【0039】また、本発明は抗スルトプリド抗体に関す
るものであり、ポリクローナル抗体のみならずモノクロ
ーナル抗体も本発明の抗体に含まれる。
るものであり、ポリクローナル抗体のみならずモノクロ
ーナル抗体も本発明の抗体に含まれる。
【0040】本発明のポリクローナル抗体は、Xが担体
物質残基であるスルトプリド誘導体(I)を抗原として
用い、ヒト以外の動物を免疫することにより製造され
る。更に詳細には、本発明のポリクローナル抗体は、該
スルトプリド誘導体(I)を適当なアジュバントと混合
してウサギ、モルモット、羊、ヤギ等のヒト以外の動物
に、非経口的に投与(免疫)し、血清を採取して、公知
の処理をなすことによって製造することができる。
物質残基であるスルトプリド誘導体(I)を抗原として
用い、ヒト以外の動物を免疫することにより製造され
る。更に詳細には、本発明のポリクローナル抗体は、該
スルトプリド誘導体(I)を適当なアジュバントと混合
してウサギ、モルモット、羊、ヤギ等のヒト以外の動物
に、非経口的に投与(免疫)し、血清を採取して、公知
の処理をなすことによって製造することができる。
【0041】モノクローナル抗体はこのように免疫され
た動物の抗体産生細胞を脾臓より採取し、以下常法に従
って、ミエローマ細胞との融合、クローン性細胞のスク
リーニングなどの操作を経て製造することができる。
た動物の抗体産生細胞を脾臓より採取し、以下常法に従
って、ミエローマ細胞との融合、クローン性細胞のスク
リーニングなどの操作を経て製造することができる。
【0042】このようにして製造された本発明の抗スル
トプリド抗体は、スルトプリドに対する特異性の高いも
のであり、本薬物と構造が類似する化合物例えば、ベン
ズアミド系抗精神病薬スルピリドや本薬物の代謝物であ
るオキソスルトプリドをも認識しないものである。
トプリド抗体は、スルトプリドに対する特異性の高いも
のであり、本薬物と構造が類似する化合物例えば、ベン
ズアミド系抗精神病薬スルピリドや本薬物の代謝物であ
るオキソスルトプリドをも認識しないものである。
【0043】更に、本発明は少なくとも次の成分から構
成されてなるスルトプリド定量用試薬に関するものであ
る。 成分 抗スルトプリド抗体、および 成分 標識抗原。
成されてなるスルトプリド定量用試薬に関するものであ
る。 成分 抗スルトプリド抗体、および 成分 標識抗原。
【0044】該定量用試薬で用いられる抗体は、後に説
明するB/F分離を有利に行うために通常、不溶化抗体
の形で用いられる。抗体の不溶化は、抗体と不溶性担体
とをスルトプリド誘導体(I)の場合と同様な方法で結
合させるか、あるいは物理的に不溶性担体に抗体を吸着
させることにより行うことができる。不溶性担体として
は、細菌細胞壁、天然の不溶性多糖類、化学処理したデ
キストランゲル、寒天ゲル、プラスチックビーズ、アク
リルアミドゲル、ガラスビーズ、微細金属粉末、合成ゴ
ムチューブ、金属チップ等が挙げられる。また、マイク
ロプレートウェルに抗体を吸着させることによっても抗
体を不溶化することができる。
明するB/F分離を有利に行うために通常、不溶化抗体
の形で用いられる。抗体の不溶化は、抗体と不溶性担体
とをスルトプリド誘導体(I)の場合と同様な方法で結
合させるか、あるいは物理的に不溶性担体に抗体を吸着
させることにより行うことができる。不溶性担体として
は、細菌細胞壁、天然の不溶性多糖類、化学処理したデ
キストランゲル、寒天ゲル、プラスチックビーズ、アク
リルアミドゲル、ガラスビーズ、微細金属粉末、合成ゴ
ムチューブ、金属チップ等が挙げられる。また、マイク
ロプレートウェルに抗体を吸着させることによっても抗
体を不溶化することができる。
【0045】本発明のスルトプリド定量用試薬は、抗ス
ルトプリド抗体及び標識抗原以外に必要に応じて、標準
曲線作成用の標準スルトプリド溶液、標識活性測定用試
薬(基質、基質溶解液、発色剤、反応停止液等)、緩衝
化剤、後述する第二抗体等をさらに含んでいてもよい。
ルトプリド抗体及び標識抗原以外に必要に応じて、標準
曲線作成用の標準スルトプリド溶液、標識活性測定用試
薬(基質、基質溶解液、発色剤、反応停止液等)、緩衝
化剤、後述する第二抗体等をさらに含んでいてもよい。
【0046】スルトプリドの定量は、検体中のスルトプ
リドと標識抗原とを抗スルトプリド抗体に対して競合的
に抗原抗体反応せしめた後、抗体と結合している標識抗
原と遊離の標識抗原とを分離(B/F分離)し、そのい
ずれかの標識活性を測定することにより実施できる。B
/F分離は、前述の不溶化抗体や抗体作製に使用した動
物のイムノグロブリンに対する抗体(第二抗体)等を用
いることにより有利に行える。
リドと標識抗原とを抗スルトプリド抗体に対して競合的
に抗原抗体反応せしめた後、抗体と結合している標識抗
原と遊離の標識抗原とを分離(B/F分離)し、そのい
ずれかの標識活性を測定することにより実施できる。B
/F分離は、前述の不溶化抗体や抗体作製に使用した動
物のイムノグロブリンに対する抗体(第二抗体)等を用
いることにより有利に行える。
【0047】本発明のスルトプリド誘導体の製造に用い
られる化合物(II)またはその塩は新規化合物であ
り、例えば後記参考例に記載の方法またはこれに準じた
方法により製造することができる。
られる化合物(II)またはその塩は新規化合物であ
り、例えば後記参考例に記載の方法またはこれに準じた
方法により製造することができる。
【0048】
【実施例】以下に参考例、実施例及び比較例を挙げて本
発明を更に具体的に説明する。
発明を更に具体的に説明する。
【0049】参考例 1−
(±)−N−[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチ
ル]−5−エチルスルホニル−2−(3−カルボキシプ
ロポキシ)ベンズアミドの合成
ル]−5−エチルスルホニル−2−(3−カルボキシプ
ロポキシ)ベンズアミドの合成
【0050】(1)5℃に冷却した60%水素化ナトリウ
ム(NaH )3.0 g のN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F )120mL 溶液の中に、エチルメルカプタン 4.65 g の
DMF 25mL 溶液を滴下し、終了後同温度で約30分攪拌
した。さらに(±)−N−[(1−エチル−2−ピロリ
ジニル)メチル]−5−エチルスルホニル−2−メトキ
シベンズアミド17.7 gのDMF 20 mL 溶液を加え、この混
合物を約100 ℃で約2時間攪拌した。室温に冷却後、溶
媒を減圧留去し、残渣に少量のアセトンを加え、不溶物
を除去した。濾液を減圧で濃縮し、残渣に少量の水を加
えクロロホルムで洗浄した後、水層の水を減圧留去し、
(±)−N−[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチ
ル]−5−エチルスルホニル−2−ヒドロキシベンズア
ミドを固体として得た。
ム(NaH )3.0 g のN,N−ジメチルホルムアミド(DM
F )120mL 溶液の中に、エチルメルカプタン 4.65 g の
DMF 25mL 溶液を滴下し、終了後同温度で約30分攪拌
した。さらに(±)−N−[(1−エチル−2−ピロリ
ジニル)メチル]−5−エチルスルホニル−2−メトキ
シベンズアミド17.7 gのDMF 20 mL 溶液を加え、この混
合物を約100 ℃で約2時間攪拌した。室温に冷却後、溶
媒を減圧留去し、残渣に少量のアセトンを加え、不溶物
を除去した。濾液を減圧で濃縮し、残渣に少量の水を加
えクロロホルムで洗浄した後、水層の水を減圧留去し、
(±)−N−[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチ
ル]−5−エチルスルホニル−2−ヒドロキシベンズア
ミドを固体として得た。
【0051】Massスペクトル:m/z 341 (MH + )1
H −NMR スペクトル (DMSO−d 6 , δ ppm): 1.07 (3
H, t, J = 7 Hz), 1.20(3H, t, J = 7 Hz), 1.6-1.95
(3H, m), 2.0 (1H, m), 2.72-2.96 (2H, m), 3.08 (2H,
q, J = 7 Hz), 3.20 (2H, q, J = 7 Hz), 3.3 (1H,
m), 3.58 (2H, t,J = 5 Hz), 6.67 (1H, d, J = 9 Hz),
7.46 (1H, dd, J = 3Hz, 9 Hz), 8.21 (1H, d, J = 3
Hz), 11.20 (1H, br t, J = 5 Hz).
H, t, J = 7 Hz), 1.20(3H, t, J = 7 Hz), 1.6-1.95
(3H, m), 2.0 (1H, m), 2.72-2.96 (2H, m), 3.08 (2H,
q, J = 7 Hz), 3.20 (2H, q, J = 7 Hz), 3.3 (1H,
m), 3.58 (2H, t,J = 5 Hz), 6.67 (1H, d, J = 9 Hz),
7.46 (1H, dd, J = 3Hz, 9 Hz), 8.21 (1H, d, J = 3
Hz), 11.20 (1H, br t, J = 5 Hz).
【0052】(2)前項(1)で得られた化合物に1N
水酸化ナトリウム溶液 150 mL 、クロロホルム 150 mL
、臭化テトラn−ブチルアンモニウム 16.1 g 及び4
−ブロモ酪酸エチル 28.7 g を加え、この混合物を室温
で18時間攪拌した。有機層を分取して飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧で留
去し、橙色油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー〔(クロロホルム:メタノール=9:
1)+6%濃アンモニア水〕で精製して(±)−N−
[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチル]−5−エ
チルスルホニル−2−(3−エトキシカルボニルプロポ
キシ)ベンズアミドを淡橙色油状物として15.3 g得た。
水酸化ナトリウム溶液 150 mL 、クロロホルム 150 mL
、臭化テトラn−ブチルアンモニウム 16.1 g 及び4
−ブロモ酪酸エチル 28.7 g を加え、この混合物を室温
で18時間攪拌した。有機層を分取して飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧で留
去し、橙色油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー〔(クロロホルム:メタノール=9:
1)+6%濃アンモニア水〕で精製して(±)−N−
[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチル]−5−エ
チルスルホニル−2−(3−エトキシカルボニルプロポ
キシ)ベンズアミドを淡橙色油状物として15.3 g得た。
【0053】Mass スペクトル:m/z 455 (MH + )1
H −NMR スペクトル (DMSO−d 6 , δ ppm): 1.05
(3H, t, J = 7 Hz), 1.10(3H, t, J = 7 Hz), 1.19 (3
H, t, J = 7 Hz), 1.44-1.73 (3H, m), 1.81 (1H,m),
2.0-2.3 (4H, m), 2.43-2.63 (3H, m), 2.83 (1H, m),
3.02-3.3 (2H, m),3.28 (2H, q, J = 7 Hz), 3.60 (1H,
ddd, J = 3Hz, 7Hz, 11 Hz), 4.07 (2H,q, J = 7 Hz),
4.27 (2H, t, J = 6.5 Hz), 7.42 (1H, d, J = 8.5 H
z), 7.95 (1H, dd, J = 2.5Hz, 8.5 Hz), 8.22 (1H,
m), 8.26 (1H, d, J = 2.5 Hz).
(3H, t, J = 7 Hz), 1.10(3H, t, J = 7 Hz), 1.19 (3
H, t, J = 7 Hz), 1.44-1.73 (3H, m), 1.81 (1H,m),
2.0-2.3 (4H, m), 2.43-2.63 (3H, m), 2.83 (1H, m),
3.02-3.3 (2H, m),3.28 (2H, q, J = 7 Hz), 3.60 (1H,
ddd, J = 3Hz, 7Hz, 11 Hz), 4.07 (2H,q, J = 7 Hz),
4.27 (2H, t, J = 6.5 Hz), 7.42 (1H, d, J = 8.5 H
z), 7.95 (1H, dd, J = 2.5Hz, 8.5 Hz), 8.22 (1H,
m), 8.26 (1H, d, J = 2.5 Hz).
【0054】(3)前項(2)で得られた化合物 9.7
g, 2N水酸化ナトリウム溶液 12.3 mL, 水 40 mL, エ
タノール 100 mL の溶液を2時間還流した。室温に冷却
後、2N塩酸 12.3 mLを加え、溶媒を減圧留去した。少
量のエタノールを加え、不溶物を除去した後、濾液を減
圧留去した。得られた淡黄褐色の油状の残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー〔(クロロホルム:メタノ
ール=9:1)+3%から5%濃アンモニア水〕で精製
して目的とする標記化合物を淡黄色のアモルファス状物
質として7.6 g 得た。
g, 2N水酸化ナトリウム溶液 12.3 mL, 水 40 mL, エ
タノール 100 mL の溶液を2時間還流した。室温に冷却
後、2N塩酸 12.3 mLを加え、溶媒を減圧留去した。少
量のエタノールを加え、不溶物を除去した後、濾液を減
圧留去した。得られた淡黄褐色の油状の残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー〔(クロロホルム:メタノ
ール=9:1)+3%から5%濃アンモニア水〕で精製
して目的とする標記化合物を淡黄色のアモルファス状物
質として7.6 g 得た。
【0055】Massスペクトル:m/z 427 (MH + )1
H −NMR スペクトル (CDCl3 , δ ppm): 1.26 (6H,
t, J = 7 Hz), 1.84-2.22 (4H, m), 2.24-2.41 (2H,
m), 2.41-2.52 (2H, m), 2.69-3.01 (2H, m), 3.12(2H,
q, J = 7 Hz), 3.2 (1H, m), 3.55 (1H, m), 3.72-3.8
8 (2H, m), 3.98 (1H, m), 4.30 (2H, t, J = 5 Hz),
7.12 (1H, d, J = 9 Hz), 7.96 (1H, dd, J= 2.5Hz, 9H
z), 8.78 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.99 (1H, br t, J =
6.5 Hz).
t, J = 7 Hz), 1.84-2.22 (4H, m), 2.24-2.41 (2H,
m), 2.41-2.52 (2H, m), 2.69-3.01 (2H, m), 3.12(2H,
q, J = 7 Hz), 3.2 (1H, m), 3.55 (1H, m), 3.72-3.8
8 (2H, m), 3.98 (1H, m), 4.30 (2H, t, J = 5 Hz),
7.12 (1H, d, J = 9 Hz), 7.96 (1H, dd, J= 2.5Hz, 9H
z), 8.78 (1H, d, J = 2.5 Hz), 8.99 (1H, br t, J =
6.5 Hz).
【0056】実施例 1−
牛血清アルブミン結合物(免疫原)の調製
【0057】参考例1で得られた化合物1.215mmol/6mL
蒸留水溶液、N−ヒロドキシサクシンイミド1.215mmol/
2mL 蒸留水溶液及び1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 1.337mmol/2mL蒸
留水溶液からなる混合物を室温で25分間放置して、該化
合物のN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル水溶液10
mLを調製した。このエステル溶液 5mLと牛血清アルブミ
ン(BSA,FractionV;バイエル社製) 200mgを50mm
ol/Lホウ酸緩衝液(pH9.5)の 100mLに溶解した溶液を混
合し、氷冷下撹拌しながら1時間放置した。この反応液
を透析チューブ(ヴィスキング社製)に入れ5Lの蒸留水
に対して合計8回透析した。これを凍結乾燥して標記結
合物の乾燥品 200mgを得た。
蒸留水溶液、N−ヒロドキシサクシンイミド1.215mmol/
2mL 蒸留水溶液及び1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩 1.337mmol/2mL蒸
留水溶液からなる混合物を室温で25分間放置して、該化
合物のN−ヒドロキシコハク酸イミドエステル水溶液10
mLを調製した。このエステル溶液 5mLと牛血清アルブミ
ン(BSA,FractionV;バイエル社製) 200mgを50mm
ol/Lホウ酸緩衝液(pH9.5)の 100mLに溶解した溶液を混
合し、氷冷下撹拌しながら1時間放置した。この反応液
を透析チューブ(ヴィスキング社製)に入れ5Lの蒸留水
に対して合計8回透析した。これを凍結乾燥して標記結
合物の乾燥品 200mgを得た。
【0058】実施例 2−
スカシガイヘモシアニン結合物(免疫原)の調製
【0059】牛血清アルブミンの代わりに、スカシガイ
ヘモシアニン(KLH,CALBIOCHEM社製)を用いる他は
実施例1と同様にして、標記結合物の乾燥品 200mgを得
た。
ヘモシアニン(KLH,CALBIOCHEM社製)を用いる他は
実施例1と同様にして、標記結合物の乾燥品 200mgを得
た。
【0060】実施例 3−
西洋ワサビ由来パーオキシダーゼ結合物(標識抗原)の
調製
調製
【0061】西洋ワサビ由来パーオキシダーゼ(HRP
O,東洋紡社製) 5mg(蛋白として)を50mmol/Lホウ酸
緩衝液(pH9.5 )5mL に溶解した。そして、参考例1で
得られた化合物のN−ヒドロキシコハク酸イミドエステ
ル水溶液0.5mL を実施例1と同様にして調製し、これを
前記の酵素溶液に添加して、氷冷下撹拌しながら1時間
放置した。この液をオメガセル(Filtron 社製)を用い
て限外濾過し、膜上に残った残渣を20mmol/Lリン酸緩衝
液(pH7.0 )50mLで洗浄した後、20mmol/Lリン酸緩衝液
(pH7.0 ) 3mLで洗い出し最終容量を 5mLとした。これ
を標識抗原溶液とし、冷蔵庫中に保存した。
O,東洋紡社製) 5mg(蛋白として)を50mmol/Lホウ酸
緩衝液(pH9.5 )5mL に溶解した。そして、参考例1で
得られた化合物のN−ヒドロキシコハク酸イミドエステ
ル水溶液0.5mL を実施例1と同様にして調製し、これを
前記の酵素溶液に添加して、氷冷下撹拌しながら1時間
放置した。この液をオメガセル(Filtron 社製)を用い
て限外濾過し、膜上に残った残渣を20mmol/Lリン酸緩衝
液(pH7.0 )50mLで洗浄した後、20mmol/Lリン酸緩衝液
(pH7.0 ) 3mLで洗い出し最終容量を 5mLとした。これ
を標識抗原溶液とし、冷蔵庫中に保存した。
【0062】実施例 4−
抗スルトプリド抗体の調製
【0063】実施例1で調製した牛血清アルブミン結合
物を0.9 %NaClにより0.2 %濃度になるように溶解
し、等量のフロインドの完全アジュバントを加えてエマ
ルジョン化したものを、初回免疫ではウサギの足蹠1カ
所および背部皮下7カ所に0.25mLずつ注射し、2回目以
降の免疫では、背部皮下8カ所に0.25mLずつ注射した。
その後2週間毎に計7回免疫を行い、最終免疫の10日後
に頸動脈より全採血することによって抗スルトプリド血
清を得た。
物を0.9 %NaClにより0.2 %濃度になるように溶解
し、等量のフロインドの完全アジュバントを加えてエマ
ルジョン化したものを、初回免疫ではウサギの足蹠1カ
所および背部皮下7カ所に0.25mLずつ注射し、2回目以
降の免疫では、背部皮下8カ所に0.25mLずつ注射した。
その後2週間毎に計7回免疫を行い、最終免疫の10日後
に頸動脈より全採血することによって抗スルトプリド血
清を得た。
【0064】実施例 5−
血清中スルトプリド定量用のEIA試薬の製造
【0065】下記の〜の成分からなる標記試薬を製
造した。
造した。
【0066】抗スルトプリド抗体:実施例4で調製し
た抗血清を上記検体希釈液で6万倍希釈したもの 7.5mL
ずつを12mL容褐色瓶に詰めた。
た抗血清を上記検体希釈液で6万倍希釈したもの 7.5mL
ずつを12mL容褐色瓶に詰めた。
【0067】標識抗原:実施例3で調製した標識抗原
液30μL に1.0 %BSA−0.9 %NaCl−0.04mol/L
リン酸緩衝液(pH7.0 )7.47mLを加えて希釈した。これ
を15mL容褐色瓶に詰めた。
液30μL に1.0 %BSA−0.9 %NaCl−0.04mol/L
リン酸緩衝液(pH7.0 )7.47mLを加えて希釈した。これ
を15mL容褐色瓶に詰めた。
【0068】標準溶液:スルトプリドを少量の精製水
に溶解した後、1.0 %BSA−0.9 %NaCl−0.04mo
l/L リン酸緩衝液(pH7.0 )にて適宜希釈し標準溶液
(30,100,300,1000,3000ng/mL )を調製した。スルトプ
リド濃度0の標準溶液は、前記リン酸緩衝液である。
に溶解した後、1.0 %BSA−0.9 %NaCl−0.04mo
l/L リン酸緩衝液(pH7.0 )にて適宜希釈し標準溶液
(30,100,300,1000,3000ng/mL )を調製した。スルトプ
リド濃度0の標準溶液は、前記リン酸緩衝液である。
【0069】検体希釈液:0.1 %BSA−0.9 %Na
Cl−0.04mol/L リン酸緩衝液(pH7.0 )30mLずつを40
mL容白色瓶に詰めた。
Cl−0.04mol/L リン酸緩衝液(pH7.0 )30mLずつを40
mL容白色瓶に詰めた。
【0070】不溶化第2抗体結合ウェル:抗ウサギIg
G ヤギ血清(Scantibodies社製)20mLに0.2mol/Lリン酸
緩衝液(pH6.5 )の20mLを加え、氷冷下これに飽和硫安
溶液40mLを加え20分間撹拌した後、16000rpm、30分間遠
心分離し沈殿を集めた。この沈殿物を0.02mol/L リン酸
緩衝液(pH6.5 )の40mLに溶解し、この液をオメガセル
(Filtron 社製)を用いて限外濾過した。膜上に残った
残渣を20mmol/Lリン酸緩衝液(pH6.5 )50mL×3回で洗
浄した後、DEAEセルロース陰イオン交換カラム(φ
2.5cm ×14cm,ワットマン社製)にて精製し、抗ウサギ
IgG ヤギ血清のIgG 画分約40mLを得た。抗ウサギ IgGヤ
ギ血清の IgG画分約40mLを50mmol/Lクエン酸緩衝液に溶
解し、マイクロプレートウェル(96ウェル)に固相化
し、このウェルをアルミ製の袋に詰めた。
G ヤギ血清(Scantibodies社製)20mLに0.2mol/Lリン酸
緩衝液(pH6.5 )の20mLを加え、氷冷下これに飽和硫安
溶液40mLを加え20分間撹拌した後、16000rpm、30分間遠
心分離し沈殿を集めた。この沈殿物を0.02mol/L リン酸
緩衝液(pH6.5 )の40mLに溶解し、この液をオメガセル
(Filtron 社製)を用いて限外濾過した。膜上に残った
残渣を20mmol/Lリン酸緩衝液(pH6.5 )50mL×3回で洗
浄した後、DEAEセルロース陰イオン交換カラム(φ
2.5cm ×14cm,ワットマン社製)にて精製し、抗ウサギ
IgG ヤギ血清のIgG 画分約40mLを得た。抗ウサギ IgGヤ
ギ血清の IgG画分約40mLを50mmol/Lクエン酸緩衝液に溶
解し、マイクロプレートウェル(96ウェル)に固相化
し、このウェルをアルミ製の袋に詰めた。
【0071】洗浄原液:1.0 %ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート及び 9.0%NaCl含有0.2mol
/Lリン酸緩衝液(pH7.0)を調製し、その30mLづつを30mL
容プラスチック瓶に詰めた。この洗浄原液は使用時に精
製水にて10倍希釈し洗浄液として使用した。
ルビタンモノラウレート及び 9.0%NaCl含有0.2mol
/Lリン酸緩衝液(pH7.0)を調製し、その30mLづつを30mL
容プラスチック瓶に詰めた。この洗浄原液は使用時に精
製水にて10倍希釈し洗浄液として使用した。
【0072】基質:テトラメチルベンチジン(TMB )
を含む基質溶液(DAKO社製)14mLづつを15mL容遮光プラ
スチック瓶に詰めた。
を含む基質溶液(DAKO社製)14mLづつを15mL容遮光プラ
スチック瓶に詰めた。
【0073】反応停止液:1.6N硫酸液14mLずつを30mL
容プラスチック瓶に詰めた。
容プラスチック瓶に詰めた。
【0074】実施例 6−
EIA法によるスルトプリドの定量用標準曲線の作成
【0075】実施例5で製造した試薬を用い、次の手順
に従ってスルトプリド定量用の標準曲線を作成した。
に従ってスルトプリド定量用の標準曲線を作成した。
【0076】プレプレートに予め検体希釈液()を 1
80μL 分注し、そこに標準溶液()を20μL 分注後1
分間撹拌して10倍希釈した。この標準溶液25μL を第2
抗体結合ウェル()に分注し、次いで標識抗原液
()を50μL 、抗血清液()を50μL 分注した。30
秒間撹拌後、室温下30分間インキュベーションした。そ
の後、洗浄液()で3回洗浄し、基質液()を 100
μL 分注し、室温下30分間インキュベーションした。反
応停止液()を 100μL 分注し、10秒間撹拌後、吸光
度(450nm/620nm) を測定し、標準曲線(図1)を作成し
た。
80μL 分注し、そこに標準溶液()を20μL 分注後1
分間撹拌して10倍希釈した。この標準溶液25μL を第2
抗体結合ウェル()に分注し、次いで標識抗原液
()を50μL 、抗血清液()を50μL 分注した。30
秒間撹拌後、室温下30分間インキュベーションした。そ
の後、洗浄液()で3回洗浄し、基質液()を 100
μL 分注し、室温下30分間インキュベーションした。反
応停止液()を 100μL 分注し、10秒間撹拌後、吸光
度(450nm/620nm) を測定し、標準曲線(図1)を作成し
た。
【0077】実施例 7−
EIA法によるスルトプリドの添加回収試験
【0078】5例のヒト血清(A〜E)に標準スルトプ
リドを濃度620ng/mLになるように添加し、実施例6とほ
ぼ同様に測定して添加回収試験を行った。結果を表1に
示す。平均回収率が101.9 %という良好な成績が得られ
た。
リドを濃度620ng/mLになるように添加し、実施例6とほ
ぼ同様に測定して添加回収試験を行った。結果を表1に
示す。平均回収率が101.9 %という良好な成績が得られ
た。
【0079】
【表1】
【0080】実施例 8−
抗スルトプリド抗体のスルピリド及びオキソスルトプリ
ドとの交差性
ドとの交差性
【0081】検体として種々の濃度のスルトプリド、ス
ルピリド、オキソスルトプリドを用いて、実施例6とほ
ぼ同様にしてEIAを行った。結果を表2に示す。スル
ピリド及びオキソスルトプリドに対して本発明の抗スル
トプリド抗体は交差反応を殆ど示さず、スルトプリドに
対する高い特異性が認められた。
ルピリド、オキソスルトプリドを用いて、実施例6とほ
ぼ同様にしてEIAを行った。結果を表2に示す。スル
ピリド及びオキソスルトプリドに対して本発明の抗スル
トプリド抗体は交差反応を殆ど示さず、スルトプリドに
対する高い特異性が認められた。
【0082】
【表2】
【0083】比較例 1−
HPLC法とEIA法との比較
【0084】塩酸スルトプリドを投与した13例の患者
血清中のスルトプリド濃度を、HPLC法及び実施例6
とほぼ同様に行ったEIA法により測定し。互いの相関
を求めた。その結果、両方法には良好な相関(相関係数
r=0.995 、回帰式Y=1.029 X+6.493 )が認められ
た(図2)。
血清中のスルトプリド濃度を、HPLC法及び実施例6
とほぼ同様に行ったEIA法により測定し。互いの相関
を求めた。その結果、両方法には良好な相関(相関係数
r=0.995 、回帰式Y=1.029 X+6.493 )が認められ
た(図2)。
【0085】
【発明の効果】本発明の標識抗原及び抗スルトプリド抗
体を用いることにより、血清等の生体試料中のスルトプ
リド濃度を、構造類似の化合物及び代謝物と交差するこ
となく、迅速、正確かつ簡便に測定することができる。
また、本発明の免疫原は該抗体を得るために有用であ
る。
体を用いることにより、血清等の生体試料中のスルトプ
リド濃度を、構造類似の化合物及び代謝物と交差するこ
となく、迅速、正確かつ簡便に測定することができる。
また、本発明の免疫原は該抗体を得るために有用であ
る。
【図1】実施例6で得られた標準曲線を示す。
【図2】比較例1で得られたHPLC法とEIA法との
相関性を示す。
相関性を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 白井 晶子
大阪府吹田市千里山西1丁目31番2号
(72)発明者 大軽 靖彦
大阪府泉南郡岬町淡輪3631番24号
(72)発明者 賀登 志朗
大阪府堺市家原寺町2丁6番18号
(72)発明者 石井 泰雄
滋賀県大津市日吉台2丁目24番12号
(56)参考文献 Arch.int.Pharmaco
dyn.,(1981),254,p317−326
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C07D 207/09
C07K 16/44
G01N 33/53
A61K 39/385
CA(STN)
REGISTRY(STN)
Claims (6)
- 【請求項1】 下記式で表されるスルトプリド誘導体: 【化1】 (式中、Xは酵素残基または担体物質残基を意味し、n
は1〜6の整数を意味する)。 - 【請求項2】 nが3である請求項1に記載のスルトプ
リド誘導体。 - 【請求項3】 Xが担体物質残基である請求項1または
2に記載のスルトプリド誘導体。 - 【請求項4】 請求項3に記載のスルトプリド誘導体で
もってヒト以外の動物を免疫して製造された、スルトプ
リドを認識することができる抗体。 - 【請求項5】 Xが酵素残基である請求項1または2に
記載のスルトプリド誘導体。 - 【請求項6】 少なくとも次の成分から構成されてなる
スルトプリド定量用試薬: 成分 請求項4に記載の抗体、および 成分 請求項5に記載のスルトプリド誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21980798A JP3408158B2 (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | スルトプリド誘導体及び抗スルトプリド抗体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21980798A JP3408158B2 (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | スルトプリド誘導体及び抗スルトプリド抗体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000034278A JP2000034278A (ja) | 2000-02-02 |
JP3408158B2 true JP3408158B2 (ja) | 2003-05-19 |
Family
ID=16741353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21980798A Expired - Fee Related JP3408158B2 (ja) | 1998-07-17 | 1998-07-17 | スルトプリド誘導体及び抗スルトプリド抗体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3408158B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AR030612A1 (es) * | 2000-09-12 | 2003-08-27 | Smithkline Beecham Corp | Procedimiento e intermedios |
CN114436927B (zh) * | 2022-01-28 | 2024-07-19 | 合肥爱索特克医学检验实验室有限公司 | 一种氨磺必利衍生物、均相酶免疫检测试剂及制备方法 |
-
1998
- 1998-07-17 JP JP21980798A patent/JP3408158B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Arch.int.Pharmacodyn.,(1981),254,p317−326 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000034278A (ja) | 2000-02-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20220357331A1 (en) | Levetiracetam Immunoassays | |
JP2726793B2 (ja) | 免疫アッセイ | |
US11402395B2 (en) | Compounds and methods for use in detecting gabapentin | |
US8906633B2 (en) | Detection of synthetic cannabinoids | |
US5952187A (en) | Topiramate immunoassay | |
JPH02231467A (ja) | アンフェタミン類の存在を定量するための組成物および方法 | |
JPH08283258A (ja) | カンナビノイド免疫検定に用いる改良試薬 | |
JP2006282547A (ja) | ニテンピラムのハプテン化合物、抗体、ハイブリドーマ、およびその測定手段、測定用キットまたは測定方法 | |
JP3408158B2 (ja) | スルトプリド誘導体及び抗スルトプリド抗体 | |
JP4183777B2 (ja) | インドキシル硫酸誘導体、抗原、抗体及びそれを用いるインドキシル硫酸の検出方法 | |
JP2968910B2 (ja) | 1α,25(OH)2ビタミンD3に対する抗体及びその用途 | |
JP3065097B2 (ja) | バルビツール酸塩のアッセイ法およびそれに用いる化合物 | |
JPH08245689A (ja) | 新規なベンゾジアゼピン−タンパク質結合体 | |
JP3453522B2 (ja) | ピルメノール誘導体及び抗ピルメノール抗体 | |
Salamone et al. | A non-cannabinoid immunogen used to elicit antibodies with broad cross-reactivity to cannabinoid metabolites | |
JPH07209295A (ja) | 抗体及び酵素標識抗原並びにこれらを用いる酵素免疫測定法及び測定用キット | |
JPH07209296A (ja) | 抗原及び酵素標識抗体並びにこれらを用いる酵素免疫測定法及び測定用キット | |
JPH0782015B2 (ja) | D型バニリルマンデル酸の測定法およびそれに使用する試薬およびキット | |
JPS6141A (ja) | ノルトリプチリン誘導体およびコンジユゲート | |
JP4774513B2 (ja) | 自己免疫疾患の診断剤及び診断方法 | |
JPS62233761A (ja) | カテコ−ルアミン酸性代謝物の酵素標識体 | |
JP2003522537A (ja) | テルビナフィンに対する特異的モノクローナル抗体 | |
JP2003028860A (ja) | チトクロムc測定によるsirsにおける多臓器不全の検査試薬 | |
JPH03289564A (ja) | プラバスタチンの免疫学的測定法 | |
JP2003004735A (ja) | モルヒネの免疫測定法および測定キット |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |