JP2003004735A - モルヒネの免疫測定法および測定キット - Google Patents
モルヒネの免疫測定法および測定キットInfo
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- JP2003004735A JP2003004735A JP2001187590A JP2001187590A JP2003004735A JP 2003004735 A JP2003004735 A JP 2003004735A JP 2001187590 A JP2001187590 A JP 2001187590A JP 2001187590 A JP2001187590 A JP 2001187590A JP 2003004735 A JP2003004735 A JP 2003004735A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】麻薬取締法に規制されることのない、モルヒネ
の免疫測定法及び測定キットを提供すること。 【解決手段】ノルモルヒネブチルフタルイミド(NM−
BPI)を標準物質として使用し、全ての抗原抗体反応
を一定の温度条件下で行わせ、且つ、得られる標準曲線
を前記温度条件に特有の補正係数により補正することを
特徴とするモルヒネの免疫測定法および本測定法におい
て使用するモルヒネの免疫測定キット。
の免疫測定法及び測定キットを提供すること。 【解決手段】ノルモルヒネブチルフタルイミド(NM−
BPI)を標準物質として使用し、全ての抗原抗体反応
を一定の温度条件下で行わせ、且つ、得られる標準曲線
を前記温度条件に特有の補正係数により補正することを
特徴とするモルヒネの免疫測定法および本測定法におい
て使用するモルヒネの免疫測定キット。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は麻薬取締法の規制を
受けることのないモルヒネの免疫測定法および免疫測定
キットに関する。
受けることのないモルヒネの免疫測定法および免疫測定
キットに関する。
【0002】
【従来の技術】モルヒネは癌患者等の疼痛の軽減に優れ
た効果を発揮する麻薬性鎮痛薬である。癌医療の場にお
いて、患者の生活の質の向上のためにその処方量は年々
増加している。その一方で、本薬物の副作用として、嘔
吐、便秘および呼吸抑制等が問題となっている。
た効果を発揮する麻薬性鎮痛薬である。癌医療の場にお
いて、患者の生活の質の向上のためにその処方量は年々
増加している。その一方で、本薬物の副作用として、嘔
吐、便秘および呼吸抑制等が問題となっている。
【0003】モルヒネの投与量から、患者の血中モルヒ
ネ濃度を正確に予測することは、薬物の代謝・吸収・排
泄等に個人差があるため困難である。また、鎮痛作用発
現に要する血中濃度は、患者ごとに異なっている。
ネ濃度を正確に予測することは、薬物の代謝・吸収・排
泄等に個人差があるため困難である。また、鎮痛作用発
現に要する血中濃度は、患者ごとに異なっている。
【0004】従って、癌患者の疼痛を充分にコントロー
ルし、副作用を軽減させるためには直接血液中のモルヒ
ネ濃度を測定し、個々の患者に応じて最適の血液濃度を
維持する必要がある。
ルし、副作用を軽減させるためには直接血液中のモルヒ
ネ濃度を測定し、個々の患者に応じて最適の血液濃度を
維持する必要がある。
【0005】一方、モルヒネは麻薬取締法により厳重に
管理・規制された薬物である。このため、標準物質とし
てモルヒネを含むモルヒネの測定キットも本法律の適用
を受けることになり、本キットを扱う臨床の場では厳重
な管理が必要である。また、この様なキットは市場では
規制なく自由に流通させることができない。
管理・規制された薬物である。このため、標準物質とし
てモルヒネを含むモルヒネの測定キットも本法律の適用
を受けることになり、本キットを扱う臨床の場では厳重
な管理が必要である。また、この様なキットは市場では
規制なく自由に流通させることができない。
【0006】例えば、特開平2−193070号公報、
特開平6−7190号公報及び臨床検査機器・試薬 第
18巻 第4号 675−681頁(1995年)に
は、モルヒネの免疫測定法及び測定キットが開示されて
いる。しかしながら、これらの方法及び測定キットは、
標準物質としてモルヒネを使用しているため、麻薬取締
法の規制を受ける。
特開平6−7190号公報及び臨床検査機器・試薬 第
18巻 第4号 675−681頁(1995年)に
は、モルヒネの免疫測定法及び測定キットが開示されて
いる。しかしながら、これらの方法及び測定キットは、
標準物質としてモルヒネを使用しているため、麻薬取締
法の規制を受ける。
【0007】このような状況の下、麻薬取締法に規制さ
れることのない、モルヒネの免疫測定法及び測定キット
の開発が望まれていた。
れることのない、モルヒネの免疫測定法及び測定キット
の開発が望まれていた。
【0008】そこで、非麻薬性物質である下記式[化
1]で表されるノルモルヒネブチルフタルイミド(以
下、NM−BPIという)を標準物質として使用するモ
ルヒネの免疫測定について種々検討した。
1]で表されるノルモルヒネブチルフタルイミド(以
下、NM−BPIという)を標準物質として使用するモ
ルヒネの免疫測定について種々検討した。
【0009】
【化1】
【0010】一般に、免疫測定法において、測定対象と
は異なる物質を標準物質として使用する場合には、両物
質に対する抗体の反応性が異なるために、予め設定して
おいた係数で補正した標準曲線を使用することにより測
定が行われる。
は異なる物質を標準物質として使用する場合には、両物
質に対する抗体の反応性が異なるために、予め設定して
おいた係数で補正した標準曲線を使用することにより測
定が行われる。
【0011】しかしながら、常法に従い補正係数を求
め、NM−BPIで得られた標準曲線を前記補正係数で
補正して、モルヒネの測定を試みたが、測定ごとに測定
値がばらつき、モルヒネ濃度を正確に測定することはで
きなかった。
め、NM−BPIで得られた標準曲線を前記補正係数で
補正して、モルヒネの測定を試みたが、測定ごとに測定
値がばらつき、モルヒネ濃度を正確に測定することはで
きなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このような状況におい
て、本発明の課題は、非麻薬性物質NM−BPIを標準
物質として使用する定量性に優れたモルヒネの免疫測定
法及び測定キットを提供することにある。
て、本発明の課題は、非麻薬性物質NM−BPIを標準
物質として使用する定量性に優れたモルヒネの免疫測定
法及び測定キットを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは、モルヒネの免疫測定においてNM−
BPIを標準物質として使用する場合には、全ての抗原
抗体反応温度を一定温度に制御し、且つ、得られる標準
曲線を前記一定温度に特有の補正係数で補正しなけれ
ば、測定値が測定ごとに大きく変動すること、及び、こ
の変動は、反応温度の変化が、抗モルヒネ抗体に対する
モルヒネ及びNM−BPIの相対的反応性に影響を及ぼ
すことに起因することを見いだし本発明を完成した。
に、本発明者らは、モルヒネの免疫測定においてNM−
BPIを標準物質として使用する場合には、全ての抗原
抗体反応温度を一定温度に制御し、且つ、得られる標準
曲線を前記一定温度に特有の補正係数で補正しなけれ
ば、測定値が測定ごとに大きく変動すること、及び、こ
の変動は、反応温度の変化が、抗モルヒネ抗体に対する
モルヒネ及びNM−BPIの相対的反応性に影響を及ぼ
すことに起因することを見いだし本発明を完成した。
【0014】本発明は、標準物質としてNM−BPIを
使用し、全ての抗原抗体反応を一定の温度条件下で行わ
せ、且つ、得られる標準曲線を前記温度条件に特有の補
正係数により補正することを特徴とするモルヒネの免疫
測定法に関する。
使用し、全ての抗原抗体反応を一定の温度条件下で行わ
せ、且つ、得られる標準曲線を前記温度条件に特有の補
正係数により補正することを特徴とするモルヒネの免疫
測定法に関する。
【0015】また本発明は、上記モルヒネの免疫測定法
において使用するモルヒネの免疫測定キットに関するも
のである。
において使用するモルヒネの免疫測定キットに関するも
のである。
【0016】このような本発明によれば、ヒトから分離
された血液、尿などの体液中のモルヒネ濃度を正確に測
定することができる。
された血液、尿などの体液中のモルヒネ濃度を正確に測
定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の免疫測定法は、抗体の有
する特異性を利用する方法であれば何れでもよく、特に
限定されるものではない。
する特異性を利用する方法であれば何れでもよく、特に
限定されるものではない。
【0018】モルヒネの測定は、例えば、抗モルヒネ抗
体に対して、検体中のモルヒネ及び標識抗原を競合的に
抗原抗体反応せしめた後、前記抗体と結合している標識
抗原と遊離の抗原とを分離(B/F分離)し、そのいず
れかの標識活性を測定することにより実施できる。B/
F分離はマイクロプレートウェル等に結合させた固相化
抗体や抗体作製に使用した動物のイムノグロブリンに対
する抗体(第二抗体)等を用いることにより有利に行う
ことができる。
体に対して、検体中のモルヒネ及び標識抗原を競合的に
抗原抗体反応せしめた後、前記抗体と結合している標識
抗原と遊離の抗原とを分離(B/F分離)し、そのいず
れかの標識活性を測定することにより実施できる。B/
F分離はマイクロプレートウェル等に結合させた固相化
抗体や抗体作製に使用した動物のイムノグロブリンに対
する抗体(第二抗体)等を用いることにより有利に行う
ことができる。
【0019】また、例えば、標識抗モルヒネ抗体に対し
て、検体中のモルヒネ及び抗原を競合的に抗原抗体反応
せしめる方法によってもモルヒネを測定することができ
る。この場合に、抗原として抗モルヒネ抗体の抗イディ
オタイプ抗体を用いるのが好ましい。
て、検体中のモルヒネ及び抗原を競合的に抗原抗体反応
せしめる方法によってもモルヒネを測定することができ
る。この場合に、抗原として抗モルヒネ抗体の抗イディ
オタイプ抗体を用いるのが好ましい。
【0020】このような方法は、用いる標識の種類によ
り、酵素免疫測定法(EIA法)、放射免疫測定法(R
IA法)、蛍光免疫測定法(FIA法)、ルミネッセン
ス免疫測定法又はスピン免疫測定法などに分類され、何
れも使用可能である。そのなかでも、EIA法が操作の
簡便性および迅速性の点において優れている。
り、酵素免疫測定法(EIA法)、放射免疫測定法(R
IA法)、蛍光免疫測定法(FIA法)、ルミネッセン
ス免疫測定法又はスピン免疫測定法などに分類され、何
れも使用可能である。そのなかでも、EIA法が操作の
簡便性および迅速性の点において優れている。
【0021】本発明は、モルヒネの免疫測定法におい
て、標準物質としてNM−BPIを使用し、測定に係わ
る全ての抗原抗体反応を一定の温度条件下で行わせ、且
つ、得られる標準曲線を前記温度条件に特有の補正係数
により補正することを特徴とするものである。
て、標準物質としてNM−BPIを使用し、測定に係わ
る全ての抗原抗体反応を一定の温度条件下で行わせ、且
つ、得られる標準曲線を前記温度条件に特有の補正係数
により補正することを特徴とするものである。
【0022】本発明において標準物質として使用される
NM−BPIは、それ自体既知の化合物であり、例え
ば、特開平11−116575号公報に記載の方法又は
これに準ずる方法により製造することができる。
NM−BPIは、それ自体既知の化合物であり、例え
ば、特開平11−116575号公報に記載の方法又は
これに準ずる方法により製造することができる。
【0023】標準溶液は、NM−BPIを通常の緩衝液
で適宜希釈することにより製造することができる。NM
−BPI標準溶液の濃度(以下、本明細書においてNM
−BPIの濃度に言及する場合にはモルヒネ換算濃度に
よる)は、測定対象の検体中モルヒネ濃度により適宜変
更される。例えば、患者血中のモルヒネ濃度を測定する
場合は、5、10、25、50、100ng/mLとす
ることが推奨される。
で適宜希釈することにより製造することができる。NM
−BPI標準溶液の濃度(以下、本明細書においてNM
−BPIの濃度に言及する場合にはモルヒネ換算濃度に
よる)は、測定対象の検体中モルヒネ濃度により適宜変
更される。例えば、患者血中のモルヒネ濃度を測定する
場合は、5、10、25、50、100ng/mLとす
ることが推奨される。
【0024】本発明方法において、「全ての抗原抗体反
応」とは、(標識)抗モルヒネ抗体が係わる抗原との反
応全てを含むものであり、免疫測定法の種類によって異
なるが、例えば、標準物質NM−BPI、検体中モルヒ
ネまたは抗モルヒネイディオタイプ抗体と(標識)抗モ
ルヒネ抗体との反応などが挙げられる。
応」とは、(標識)抗モルヒネ抗体が係わる抗原との反
応全てを含むものであり、免疫測定法の種類によって異
なるが、例えば、標準物質NM−BPI、検体中モルヒ
ネまたは抗モルヒネイディオタイプ抗体と(標識)抗モ
ルヒネ抗体との反応などが挙げられる。
【0025】一定の温度条件としては任意の温度を選択
することができる。例えば、20℃〜30℃、好ましく
は22.5℃〜27.5℃の範囲内の何れか一点の温
度、その中でも特に、25℃前後の温度条件が好まし
い。温度は、抗原抗体反応期間中をとおして一定に保つ
ことが、モルヒネをより正確に測定できる点において望
ましいが、選択した温度の±2.5℃、好ましくは±
1.0℃、特に好ましくは±0.5℃の範囲で変動して
もよい。
することができる。例えば、20℃〜30℃、好ましく
は22.5℃〜27.5℃の範囲内の何れか一点の温
度、その中でも特に、25℃前後の温度条件が好まし
い。温度は、抗原抗体反応期間中をとおして一定に保つ
ことが、モルヒネをより正確に測定できる点において望
ましいが、選択した温度の±2.5℃、好ましくは±
1.0℃、特に好ましくは±0.5℃の範囲で変動して
もよい。
【0026】このような反応温度の制御は、例えばイン
キュベーター中又は温浴中にマイクロプレートを設置
し、そのウェル中で抗原抗体反応を行わせることにより
実施できる。この場合、通常、反応期間中の温度を、選
択した温度の±0.5℃の範囲内で制御可能であり、モ
ルヒネ量を正確に測定することができる。
キュベーター中又は温浴中にマイクロプレートを設置
し、そのウェル中で抗原抗体反応を行わせることにより
実施できる。この場合、通常、反応期間中の温度を、選
択した温度の±0.5℃の範囲内で制御可能であり、モ
ルヒネ量を正確に測定することができる。
【0027】各温度条件に特有の補正係数は例えば、次
のようにして設定することができる。
のようにして設定することができる。
【0028】標準物質がモルヒネである点を除き、本発
明の測定キットと同一の構成をとるモルヒネの測定キッ
ト(例えば、臨床検査機器・試薬第18巻第4号675
−681頁に記載のキット)を使用して、本発明におけ
る標準物質である各NM−BPI標準溶液のモルヒネ濃
度を、本発明において任意に選択する抗原抗体反応の温
度条件下で測定する。そして、縦軸にその測定値を、横
軸にNM−BPI標準溶液の各濃度をプロットして作成
した回帰直線(図2参照)の傾きの値を、その温度条件
における補正係数として設定することができる。
明の測定キットと同一の構成をとるモルヒネの測定キッ
ト(例えば、臨床検査機器・試薬第18巻第4号675
−681頁に記載のキット)を使用して、本発明におけ
る標準物質である各NM−BPI標準溶液のモルヒネ濃
度を、本発明において任意に選択する抗原抗体反応の温
度条件下で測定する。そして、縦軸にその測定値を、横
軸にNM−BPI標準溶液の各濃度をプロットして作成
した回帰直線(図2参照)の傾きの値を、その温度条件
における補正係数として設定することができる。
【0029】なお、これらの補正係数は特定の温度条件
に唯一のものが決定されるのではなく、測定キットを構
成する試薬の種類などにより変動することもあるので、
試薬の構成などを変えた場合にはその都度新たに設定す
る必要がある。
に唯一のものが決定されるのではなく、測定キットを構
成する試薬の種類などにより変動することもあるので、
試薬の構成などを変えた場合にはその都度新たに設定す
る必要がある。
【0030】このようにして設定された補正係数は、本
発明の測定方法において、NM−BPI標準溶液を用い
て求めた標準曲線を、モルヒネの正確な測定を可能にせ
しめる標準曲線(以下、補正後標準曲線という)(図3
参照)へ変換するために使用される。補正後標準曲線へ
の変換は、NM−BPI標準溶液を用いて求めた標準曲
線における横軸のNM−BPI濃度の値を、次式[数
1]によって得られる補正後NM−BPI濃度へ変換す
ることにより実施することができる。
発明の測定方法において、NM−BPI標準溶液を用い
て求めた標準曲線を、モルヒネの正確な測定を可能にせ
しめる標準曲線(以下、補正後標準曲線という)(図3
参照)へ変換するために使用される。補正後標準曲線へ
の変換は、NM−BPI標準溶液を用いて求めた標準曲
線における横軸のNM−BPI濃度の値を、次式[数
1]によって得られる補正後NM−BPI濃度へ変換す
ることにより実施することができる。
【0031】
【数1】
【0032】なお、キット中に含まれるNM−BPIの
標準溶液の各濃度の表示自体を、補正係数でもってあら
かじめ補正後NM−BPI濃度の表示へ変換しておき、
この表示に基づいて標準曲線を作成することによって
も、補正後標準曲線を得ることができる。
標準溶液の各濃度の表示自体を、補正係数でもってあら
かじめ補正後NM−BPI濃度の表示へ変換しておき、
この表示に基づいて標準曲線を作成することによって
も、補正後標準曲線を得ることができる。
【0033】このようにして作成される補正後標準曲線
を使用して、以下常法に従い検体中のモルヒネ濃度を測
定することができる。
を使用して、以下常法に従い検体中のモルヒネ濃度を測
定することができる。
【0034】本発明のモルヒネの免疫測定キットはNM
−BPI(標準物質)を含むものであるが、抗モルヒネ
抗体または標識抗モルヒネ抗体を含んでいてもよい。
−BPI(標準物質)を含むものであるが、抗モルヒネ
抗体または標識抗モルヒネ抗体を含んでいてもよい。
【0035】抗モルヒネ抗体は、モルヒネ及びNM−B
PIに対して特異的な免疫反応性を有するものであれば
ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の何れでも
よい。特異性および均一性が高いという点でモノクロー
ナル抗体が好ましい。
PIに対して特異的な免疫反応性を有するものであれば
ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体の何れでも
よい。特異性および均一性が高いという点でモノクロー
ナル抗体が好ましい。
【0036】ポリクローナル抗体はモルヒネと例えばウ
シ血清アルブミンやKLH(Keyhole Limpet Hemocyani
n)などの免疫原性蛋白との結合物を適当なアジュバン
トと混合してウサギ、モルモット、羊、山羊等のヒト以
外の動物に、非経口的に投与(免疫)し、血清を採取し
て、公知の処理をなすことによって製造することができ
る。
シ血清アルブミンやKLH(Keyhole Limpet Hemocyani
n)などの免疫原性蛋白との結合物を適当なアジュバン
トと混合してウサギ、モルモット、羊、山羊等のヒト以
外の動物に、非経口的に投与(免疫)し、血清を採取し
て、公知の処理をなすことによって製造することができ
る。
【0037】モノクローナル抗体はこのように免疫され
た動物の抗体産生細胞を脾臓より採取し、以下常法に従
って、ミエローマ細胞との融合、クローン性細胞のスク
リーニングなどの操作をへて製造することができる。
た動物の抗体産生細胞を脾臓より採取し、以下常法に従
って、ミエローマ細胞との融合、クローン性細胞のスク
リーニングなどの操作をへて製造することができる。
【0038】なお、モノクローナル抗体として特開平2
−86794号に記載のMO−5株(微工研条寄191
2号)が産生するモノクローナル抗体を使用することも
できる。
−86794号に記載のMO−5株(微工研条寄191
2号)が産生するモノクローナル抗体を使用することも
できる。
【0039】標識抗モルヒネ抗体は、上記のようにして
製造された抗体と標識物質とを公知の方法に従い結合さ
せることによって製造できる。標識物質としては免疫測
定法の種類によって、酵素、蛍光性物質、放射性物質等
が挙げられる。
製造された抗体と標識物質とを公知の方法に従い結合さ
せることによって製造できる。標識物質としては免疫測
定法の種類によって、酵素、蛍光性物質、放射性物質等
が挙げられる。
【0040】標識酵素としては、パーオキシダーゼ、β
−D−ガラクトシダーゼ、リパーゼ、アルカリホスファ
ターゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナー
ゼ等が挙げられる。この中で好ましいのは、パーオキシ
ダーゼである。
−D−ガラクトシダーゼ、リパーゼ、アルカリホスファ
ターゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナー
ゼ等が挙げられる。この中で好ましいのは、パーオキシ
ダーゼである。
【0041】また、好ましい実施形態としての本発明の
モルヒネ免疫測定キットは、抗モルヒネイディオタイプ
抗体を構成試薬として含むものである。
モルヒネ免疫測定キットは、抗モルヒネイディオタイプ
抗体を構成試薬として含むものである。
【0042】抗モルヒネイディオタイプ抗体は、モルヒ
ネの代わりに抗モルヒネ抗体を使用する以外は前記抗モ
ルヒネ抗体の場合と同様にして製造することができる。
ネの代わりに抗モルヒネ抗体を使用する以外は前記抗モ
ルヒネ抗体の場合と同様にして製造することができる。
【0043】抗モルヒネイディオタイプ抗体は、抗モル
ヒネ抗体の可変部位との免疫反応性を有し、抗モルヒネ
抗体と複合体を形成することができるものである。
ヒネ抗体の可変部位との免疫反応性を有し、抗モルヒネ
抗体と複合体を形成することができるものである。
【0044】なお、抗モルヒネイディオタイプ抗体とし
て特開平6−7190に記載のiMO−3−X1株(微
工研条寄11933号)が産生する抗イディオタイプ抗
体を使用することもできる。
て特開平6−7190に記載のiMO−3−X1株(微
工研条寄11933号)が産生する抗イディオタイプ抗
体を使用することもできる。
【0045】抗モルヒネイディオタイプ抗体は固相化さ
れた形をとるのが、BF分離操作が簡便になる点におい
て、好ましい。抗モルヒネイディオタイプ抗体の固相化
は前述のようにして得られた抗モルヒネイディオタイプ
抗体を固相、例えばマイクロプレートウェルやプラスチ
ックビーズなどに結合させることにより実施することが
できる。
れた形をとるのが、BF分離操作が簡便になる点におい
て、好ましい。抗モルヒネイディオタイプ抗体の固相化
は前述のようにして得られた抗モルヒネイディオタイプ
抗体を固相、例えばマイクロプレートウェルやプラスチ
ックビーズなどに結合させることにより実施することが
できる。
【0046】固相への結合は通常、抗モルヒネイディオ
タイプ抗体をクエン酸緩衝液等の適当な緩衝液に溶解
し、固相表面と抗体溶液を適当な時間(1〜2日)接触
させることにより、行うことができる。そして、牛血清
アルブミン(BSA)のリン酸緩衝溶液を固相と接触さ
せることにより、抗体によってコートされなかった固相
表面部分をBSAでコートすることが一般的に行われ
る。
タイプ抗体をクエン酸緩衝液等の適当な緩衝液に溶解
し、固相表面と抗体溶液を適当な時間(1〜2日)接触
させることにより、行うことができる。そして、牛血清
アルブミン(BSA)のリン酸緩衝溶液を固相と接触さ
せることにより、抗体によってコートされなかった固相
表面部分をBSAでコートすることが一般的に行われ
る。
【0047】EIA法では、これら以外に必要に応じ
て、酵素基質、洗浄液、反応停止液、基質溶解液などが
使用され、これら試薬も本発明のキットを構成するもの
である。
て、酵素基質、洗浄液、反応停止液、基質溶解液などが
使用され、これら試薬も本発明のキットを構成するもの
である。
【0048】
【実施例】以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。
に具体的に説明する。
【0049】参考例:標準物質にモルヒネを使用したモ
ルヒネの測定法
ルヒネの測定法
【0050】参考例1:試薬の作製
【0051】(a)モルヒネ標準試薬の調製
塩酸モルヒネ(大日本製薬社製)を蒸留水で希釈し、モ
ルヒネ濃度が5mg/mLであるモルヒネ標準原液を調
製した。モルヒネ標準原液を、希釈液(1%ゼラチン、
0.9%NaCl、0.1%プロクリン150[防腐
剤;ローム・アンド・ハース社製]、20mmol/L
リン酸ナトリウム、pH7.0)を用いて、順次希釈を
繰り返し、モルヒネ濃度が5、10、25、50および
100ng/mL溶液を調製した。これらは、0.5m
Lずつ2mL容茶バイアルに分注し、凍結乾燥を行っ
た。本標準試薬は4℃に保存し、使用時に0.5mLの
ヒト血清(大日本製薬社製)で再溶解した。
ルヒネ濃度が5mg/mLであるモルヒネ標準原液を調
製した。モルヒネ標準原液を、希釈液(1%ゼラチン、
0.9%NaCl、0.1%プロクリン150[防腐
剤;ローム・アンド・ハース社製]、20mmol/L
リン酸ナトリウム、pH7.0)を用いて、順次希釈を
繰り返し、モルヒネ濃度が5、10、25、50および
100ng/mL溶液を調製した。これらは、0.5m
Lずつ2mL容茶バイアルに分注し、凍結乾燥を行っ
た。本標準試薬は4℃に保存し、使用時に0.5mLの
ヒト血清(大日本製薬社製)で再溶解した。
【0052】(b)酵素標識抗モルヒネ抗体の作製
酵素標識抗モルヒネ抗体はMO−5株(微工研条寄19
12号)が産生した精製抗体MO−5を用いて、次に示
すような過ヨウ素酸酸化法によって作製した。まず、こ
の抗体を20mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液(p
H7.0)で希釈し、10mg/mLのMO−5溶液を
調製した。
12号)が産生した精製抗体MO−5を用いて、次に示
すような過ヨウ素酸酸化法によって作製した。まず、こ
の抗体を20mmol/Lリン酸ナトリウム緩衝液(p
H7.0)で希釈し、10mg/mLのMO−5溶液を
調製した。
【0053】一方、西洋ワサビパーオキシダーゼ4mg
を蒸留水1mLに溶解し、その800μLに0.1mo
l/L過ヨウ素酸ナトリウム溶液200μLを加えて、
室温で10分間撹拌して反応させた。この溶液を1mm
ol/L酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.4)に対して
一夜透析し、過ヨウ素酸酸化パーオキシダーゼ溶液を得
た。
を蒸留水1mLに溶解し、その800μLに0.1mo
l/L過ヨウ素酸ナトリウム溶液200μLを加えて、
室温で10分間撹拌して反応させた。この溶液を1mm
ol/L酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.4)に対して
一夜透析し、過ヨウ素酸酸化パーオキシダーゼ溶液を得
た。
【0054】以上のようにして得られた10mg/mL
のMO−5溶液135μLと過ヨウ素酸酸化パーオキシ
ダーゼ溶液400μLを混合し、さらに1mol/L炭
酸ナトリウム緩衝液15μL(pH9.5)を加え、撹
拌後、室温遮光下で2時間静置して反応させた。この反
応液に、4mg/mL水素化ホウ素ナトリウム溶液40
μLを加え、4℃遮光下で2時間静置して反応させた。
この反応液をオメガセル(分画分子量50kDa;フィ
ルトロン社製)で次に示すように限外濾過を行った。反
応液を全量オメガセルに移し、洗浄液7mL(20mm
ol/Lリン酸緩衝液 pH7.0)加え、約1mLま
で濃縮した。この工程を7回繰り返し、限外濾過を行っ
た。モルヒネを測定する際には、この原液を標識抗体用
希釈液(10%ブロックエース[ブロッキング剤;大日
本製薬社製]、0.5%チラミン塩酸塩および0.1%
プロクリン150を含む溶液)で適当に希釈して用い
た。
のMO−5溶液135μLと過ヨウ素酸酸化パーオキシ
ダーゼ溶液400μLを混合し、さらに1mol/L炭
酸ナトリウム緩衝液15μL(pH9.5)を加え、撹
拌後、室温遮光下で2時間静置して反応させた。この反
応液に、4mg/mL水素化ホウ素ナトリウム溶液40
μLを加え、4℃遮光下で2時間静置して反応させた。
この反応液をオメガセル(分画分子量50kDa;フィ
ルトロン社製)で次に示すように限外濾過を行った。反
応液を全量オメガセルに移し、洗浄液7mL(20mm
ol/Lリン酸緩衝液 pH7.0)加え、約1mLま
で濃縮した。この工程を7回繰り返し、限外濾過を行っ
た。モルヒネを測定する際には、この原液を標識抗体用
希釈液(10%ブロックエース[ブロッキング剤;大日
本製薬社製]、0.5%チラミン塩酸塩および0.1%
プロクリン150を含む溶液)で適当に希釈して用い
た。
【0055】(c)抗モルヒネイディオタイプ抗体固相
化プレートの作製 抗モルヒネイディオタイプ抗体固相化プレートの作製
は、iMO−3−X1株(微工研条寄11933号)が
産生した精製抗体iMO−3−X1を用いて、次に示す
ように行った。この抗体を50mmol/Lクエン酸緩
衝液(pH5.0)で希釈し、20μg/mLのiMO
−3−X1溶液を調製した。この20μg/mLのiM
O−3−X1溶液をマイクロプレート(ブレーカブルコ
ンビプレートEB,RE;ラボシステム社製)の各ウェ
ルに200μLずつ分注し、4℃で72時間静置した。
次に、洗浄液(0.1%ウシ血清アルブミン、0.2%
プロクリン150を含む40mmol/Lリン酸緩衝生
理食塩水)で2回洗浄後、マイクロプレートへの酵素標
識抗モルヒネ抗体の非特異的吸着を防ぐために、洗浄液
を各ウェルに300μLずつ分注し、25℃で3時間静
置した。次に、洗浄液を吸引除去し、一夜真空乾燥を行
った。このようにして作製されたプレートは、乾燥剤と
ともに密封し、使用まで4℃で保存した。
化プレートの作製 抗モルヒネイディオタイプ抗体固相化プレートの作製
は、iMO−3−X1株(微工研条寄11933号)が
産生した精製抗体iMO−3−X1を用いて、次に示す
ように行った。この抗体を50mmol/Lクエン酸緩
衝液(pH5.0)で希釈し、20μg/mLのiMO
−3−X1溶液を調製した。この20μg/mLのiM
O−3−X1溶液をマイクロプレート(ブレーカブルコ
ンビプレートEB,RE;ラボシステム社製)の各ウェ
ルに200μLずつ分注し、4℃で72時間静置した。
次に、洗浄液(0.1%ウシ血清アルブミン、0.2%
プロクリン150を含む40mmol/Lリン酸緩衝生
理食塩水)で2回洗浄後、マイクロプレートへの酵素標
識抗モルヒネ抗体の非特異的吸着を防ぐために、洗浄液
を各ウェルに300μLずつ分注し、25℃で3時間静
置した。次に、洗浄液を吸引除去し、一夜真空乾燥を行
った。このようにして作製されたプレートは、乾燥剤と
ともに密封し、使用まで4℃で保存した。
【0056】参考例2:モルヒネの測定
【0057】抗モルヒネイディオタイプ抗体固相化プレ
ート(c)の各ウェルに20μLずつモルヒネ標準試薬
(a)又は既知濃度のモルヒネ検体(7.5、30、6
0ng/mL)を加え、さらに100μLずつ酵素標識
抗モルヒネ抗体液(b)を入れ、一定温度(20.0±
0.5℃、22.5±0.5℃、25.0±0.5℃、
27.5±0.5℃、30.0±0.5℃)に設定され
たインキュベーター(MIR−153;三洋電機社製)
中で30分間静置した。続いて、各ウェルを洗浄液
(0.15mol/L NaCl、0.05% ポリソ
ルベート80、0.03% Triton(登録商標)
X−405、5mmol/L リン酸ナトリウム、0.
01%プロクリン150、pH7.0)で3回洗浄後、
基質液(50mmol/L クエン酸、0.1mol/
L リン酸ナトリウム pH5.0、0.87mg/m
L o−フェニレンジアミン、0.03% H2O2)を
100μLずつ分注した。さらに、上記インキュベータ
ー中で30分間静置し、100μLの反応停止液(0.
9mol/L H2SO4)を加えマイクロプレート光度
計(マルチスキャンバイクロマティック;大日本製薬社
製)を用いて吸光度(主波長:492nm、副波長:6
20nm)を測定した。得られたモルヒネの標準曲線か
ら、既知濃度のモルヒネ検体の測定値を求めた。
ート(c)の各ウェルに20μLずつモルヒネ標準試薬
(a)又は既知濃度のモルヒネ検体(7.5、30、6
0ng/mL)を加え、さらに100μLずつ酵素標識
抗モルヒネ抗体液(b)を入れ、一定温度(20.0±
0.5℃、22.5±0.5℃、25.0±0.5℃、
27.5±0.5℃、30.0±0.5℃)に設定され
たインキュベーター(MIR−153;三洋電機社製)
中で30分間静置した。続いて、各ウェルを洗浄液
(0.15mol/L NaCl、0.05% ポリソ
ルベート80、0.03% Triton(登録商標)
X−405、5mmol/L リン酸ナトリウム、0.
01%プロクリン150、pH7.0)で3回洗浄後、
基質液(50mmol/L クエン酸、0.1mol/
L リン酸ナトリウム pH5.0、0.87mg/m
L o−フェニレンジアミン、0.03% H2O2)を
100μLずつ分注した。さらに、上記インキュベータ
ー中で30分間静置し、100μLの反応停止液(0.
9mol/L H2SO4)を加えマイクロプレート光度
計(マルチスキャンバイクロマティック;大日本製薬社
製)を用いて吸光度(主波長:492nm、副波長:6
20nm)を測定した。得られたモルヒネの標準曲線か
ら、既知濃度のモルヒネ検体の測定値を求めた。
【0058】図1に一例として25.0±0.5℃にお
ける標準曲線を、また各温度条件における標準曲線から
求めた既知濃度モルヒネ検体の測定値を以下の表1に示
す。
ける標準曲線を、また各温度条件における標準曲線から
求めた既知濃度モルヒネ検体の測定値を以下の表1に示
す。
【0059】
【表1】
【0060】上記表1に示すとおり、モルヒネを標準物
質として使用する本方法では各反応温度条件下で、正確
にモルヒネを測定することができた。
質として使用する本方法では各反応温度条件下で、正確
にモルヒネを測定することができた。
【0061】実施例:標準物質にNM−BPIを使用し
たモルヒネの測定法
たモルヒネの測定法
【0062】実施例1:試薬の作製
【0063】(a’)NM−BPI標準試薬の作製
NM−BPI(分子量:472.34;ウルトラファイ
ンケミカル社製)をジメチルスルホキシド(和光純薬社
製)で希釈し、NM−BPIモル濃度が0.0176m
mol/mLとなるように調製した。モルヒネの分子量
は285.34であるので、この溶液中のNM−BPI
モル数を等モル数のモルヒネに換算した場合、モルヒネ
重量濃度は5mg/mLとなる。この5mg/mLのN
M−BPI溶液をヒト血清(大日本製薬社製)を用いて、
順次希釈を繰り返し、モルヒネ換算濃度で2.5、5、
10、25、50及び100ng/mLの各溶液を調製
した。
ンケミカル社製)をジメチルスルホキシド(和光純薬社
製)で希釈し、NM−BPIモル濃度が0.0176m
mol/mLとなるように調製した。モルヒネの分子量
は285.34であるので、この溶液中のNM−BPI
モル数を等モル数のモルヒネに換算した場合、モルヒネ
重量濃度は5mg/mLとなる。この5mg/mLのN
M−BPI溶液をヒト血清(大日本製薬社製)を用いて、
順次希釈を繰り返し、モルヒネ換算濃度で2.5、5、
10、25、50及び100ng/mLの各溶液を調製
した。
【0064】なお、酵素標識抗モルヒネ抗体、および抗
モルヒネイディオタイプ抗体固相化プレートは参考例1
の(b)および(c)に記載の方法と同様にして作製し
た。
モルヒネイディオタイプ抗体固相化プレートは参考例1
の(b)および(c)に記載の方法と同様にして作製し
た。
【0065】実施例2:モルヒネの測定(温度条件が2
5.0±0.5℃の場合)
5.0±0.5℃の場合)
【0066】2−1:任意の温度における補正係数の設
定
定
【0067】参考例に記載のモルヒネを標準物質として
使用する測定方法と同様にして、実施例1で作製したN
M−BPI標準溶液(2.5、5.0、10、25、5
0ng/mL)中のモルヒネ濃度を測定した。なお、任
意の温度条件として、参考例と同じく、20.0±0.
5℃、22.5±0.5℃、25.0±0.5℃、2
7.5±0.5℃、30.0±0.5℃を選択した。測
定結果を次表2に示す。
使用する測定方法と同様にして、実施例1で作製したN
M−BPI標準溶液(2.5、5.0、10、25、5
0ng/mL)中のモルヒネ濃度を測定した。なお、任
意の温度条件として、参考例と同じく、20.0±0.
5℃、22.5±0.5℃、25.0±0.5℃、2
7.5±0.5℃、30.0±0.5℃を選択した。測
定結果を次表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】上記表2に示すとおり、各温度条件により
NM−BPI標準溶液のモルヒネ測定値は大きく変動す
るものであった。
NM−BPI標準溶液のモルヒネ測定値は大きく変動す
るものであった。
【0070】表2のNM−BPI標準溶液濃度を横軸
に、各測定値を縦軸にプロットして各温度条件における
回帰直線を作成した(図2参照)。
に、各測定値を縦軸にプロットして各温度条件における
回帰直線を作成した(図2参照)。
【0071】図2に示す各直線の回帰式は、次表3のと
おりであり、これらの式における傾き(下線部)を各温
度条件における補正係数として設定した。
おりであり、これらの式における傾き(下線部)を各温
度条件における補正係数として設定した。
【0072】
【表3】
【0073】2−2:モルヒネの測定
【0074】前項2−1で求めた25.0±0.5℃に
おける補正係数1.093をNM−BPI標準溶液の各
濃度に乗じて、補正後NM−BPI濃度表示へと変換し
た。すなわち、NM−BPI標準溶液の2.5、5、1
0、25、50及び100ng/mLの各濃度を補正後
NM−BPI濃度である2.73、5.47、10.9
3、27.33、54.65及び109.3ng/mL
の表示へと変換した。この補正後の濃度表示を、NM−
BPI標準溶液の各濃度として、以降の操作を行った。
おける補正係数1.093をNM−BPI標準溶液の各
濃度に乗じて、補正後NM−BPI濃度表示へと変換し
た。すなわち、NM−BPI標準溶液の2.5、5、1
0、25、50及び100ng/mLの各濃度を補正後
NM−BPI濃度である2.73、5.47、10.9
3、27.33、54.65及び109.3ng/mL
の表示へと変換した。この補正後の濃度表示を、NM−
BPI標準溶液の各濃度として、以降の操作を行った。
【0075】インキュベーターの温度を25.0±0.
5℃に設定し、モルヒネ標準試薬の代わりにNM−BP
I標準試薬を使用する以外は、参考例2と同様の操作を
した。得られた補正後標準曲線を基にして、既知濃度の
モルヒネ検体の濃度を求めた。この場合の補正後標準曲
線を図3に、そして、測定値を次表4に示す。
5℃に設定し、モルヒネ標準試薬の代わりにNM−BP
I標準試薬を使用する以外は、参考例2と同様の操作を
した。得られた補正後標準曲線を基にして、既知濃度の
モルヒネ検体の濃度を求めた。この場合の補正後標準曲
線を図3に、そして、測定値を次表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】表4に示すとおり、既知濃度モルヒネ検体
の濃度と測定値はほぼ一致している。このように、本発
明のモルヒネの免疫測定法によれば、正確にモルヒネを
測定することができた。
の濃度と測定値はほぼ一致している。このように、本発
明のモルヒネの免疫測定法によれば、正確にモルヒネを
測定することができた。
【0078】実施例3〜6:モルヒネの測定(温度条件
が20.0±0.5℃、22.5±0.5℃、27.5
±0.5℃、30.0±0.5℃の場合)
が20.0±0.5℃、22.5±0.5℃、27.5
±0.5℃、30.0±0.5℃の場合)
【0079】実施例2−1において求めた各温度条件に
おける補正係数を使用し、実施例2−2に記載の方法に
準じて既知濃度モルヒネ検体の濃度を測定した。下記表
5に示すとおり、各温度条件下で正確にモルヒネ濃度を
測定することができた。
おける補正係数を使用し、実施例2−2に記載の方法に
準じて既知濃度モルヒネ検体の濃度を測定した。下記表
5に示すとおり、各温度条件下で正確にモルヒネ濃度を
測定することができた。
【0080】
【表5】
【0081】
【発明の効果】本発明により、モルヒネの厳重な管理が
求められる麻薬取締法の規制を受けることなく自由にモ
ルヒネの測定を実施することができ、また、前記測定に
使用する測定キットを本法の非規制下で自由に流通させ
ることを可能にする。さらに、本発明によれば、生物試
料等に存在するモルヒネの濃度を正確に測定することが
できる。
求められる麻薬取締法の規制を受けることなく自由にモ
ルヒネの測定を実施することができ、また、前記測定に
使用する測定キットを本法の非規制下で自由に流通させ
ることを可能にする。さらに、本発明によれば、生物試
料等に存在するモルヒネの濃度を正確に測定することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準物質としてモルヒネを使用し、温度条件が
25.0±0.5℃の場合の標準曲線を表す図である。
25.0±0.5℃の場合の標準曲線を表す図である。
【図2】表2のNM−BPI標準溶液濃度を横軸に、各
モルヒネ測定値を縦軸にプロットして作成した各温度条
件における回帰直線を表す図である。
モルヒネ測定値を縦軸にプロットして作成した各温度条
件における回帰直線を表す図である。
【図3】標準物質としてNM−BPIを使用し、温度条
件が25.0±0.5℃の場合の補正後標準曲線を表す
図である。
件が25.0±0.5℃の場合の補正後標準曲線を表す
図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 モルヒネの免疫測定法において、標準物
質としてノルモルヒネブチルフタルイミド(NM−BP
I)を使用し、全ての抗原抗体反応を一定の温度条件下
で行わせ、且つ、得られる標準曲線を前記温度条件に特
有の補正係数により補正することを特徴とするモルヒネ
の免疫測定法。 - 【請求項2】 一定の温度条件が20℃〜30℃の範囲
中の何れか一点の温度である請求項1記載のモルヒネの
免疫測定法。 - 【請求項3】 一定の温度条件が22.5℃〜27.5
℃の範囲中の何れか一点の温度である請求項2記載のモ
ルヒネの免疫測定法。 - 【請求項4】 一定の温度条件が25℃前後である請求
項3記載のモルヒネの免疫測定法。 - 【請求項5】 抗モルヒネイディオタイプ抗体を使用す
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載
のモルヒネの免疫測定法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載のモ
ルヒネの免疫測定法において使用するモルヒネの免疫測
定キット。 - 【請求項7】 ノルモルヒネブチルフタルイミド(NM
−BPI)を標準物質として含むことを特徴とする請求
項6記載のモルヒネの免疫測定キット。 - 【請求項8】 さらに、抗モルヒネイディオタイプ抗体
を構成試薬として含むことを特徴とする請求項7記載の
モルヒネの免疫測定キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001187590A JP2003004735A (ja) | 2001-06-21 | 2001-06-21 | モルヒネの免疫測定法および測定キット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001187590A JP2003004735A (ja) | 2001-06-21 | 2001-06-21 | モルヒネの免疫測定法および測定キット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003004735A true JP2003004735A (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=19026858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001187590A Pending JP2003004735A (ja) | 2001-06-21 | 2001-06-21 | モルヒネの免疫測定法および測定キット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003004735A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107796805A (zh) * | 2016-09-02 | 2018-03-13 | 江苏达骏生物科技有限公司 | 一种分析检测试纸数据的检测方法及检测装置 |
-
2001
- 2001-06-21 JP JP2001187590A patent/JP2003004735A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107796805A (zh) * | 2016-09-02 | 2018-03-13 | 江苏达骏生物科技有限公司 | 一种分析检测试纸数据的检测方法及检测装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20040506 |