JP3407732B2 - 無機質塗料及び無機質塗膜 - Google Patents

無機質塗料及び無機質塗膜

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JP3407732B2 JP2000370283A JP2000370283A JP3407732B2 JP 3407732 B2 JP3407732 B2 JP 3407732B2 JP 2000370283 A JP2000370283 A JP 2000370283A JP 2000370283 A JP2000370283 A JP 2000370283A JP 3407732 B2 JP3407732 B2 JP 3407732B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水ガラス系などの
無機質塗料及び無機質塗膜に係り、特に耐水性が高く且
つ白華が発生しにくい無機質塗料と、この無機質塗料か
ら形成された無機質塗膜とに関する。
【0002】
【従来の技術】水ガラスを基材に塗布して焼付け処理す
ると、基材表面に美麗なガラス質の塗膜が形成されるこ
とは周知である。
【0003】この水ガラスによって形成された塗膜の耐
水性を高めたり、白華発生を防止するために水ガラス系
塗料に金属リン酸塩や、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムな
どを添加することが公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】金属リン酸塩を添加す
ることにより、塗布された塗料の硬化が促進され、耐水
性が向上するが、この塗料をセメント系基板に塗布した
場合、塗料中のリンが基板中のカルシウムと反応してリ
ン酸カルシウム系の白華が発生する。
【0005】また、酸化亜鉛等を添加することにより硬
化が促進されるが、耐水性や白華防止効果は充分でな
い。
【0006】本発明は、耐水性及び白華防止性に優れた
無機質塗料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の無機質塗料は、
アルカリ金属珪酸塩を含有する無機質塗料において、金
属リン酸塩と、リン吸着剤とを含有することを特徴とす
るものである。
【0008】かかる無機質塗料にあっては、金属リン酸
塩を添加したことにより塗膜の耐水性が高い。また、添
加されたリン吸着剤が金属リン酸塩中のリン成分を吸着
固定することにより、塗膜の白華が防止される。
【0009】本発明の無機質塗膜は、この無機質塗料に
よって形成されたものである。この塗膜にあっては、リ
ン吸着剤を添加したことにより光沢や透明感が低下する
ことがある。その場合には、塗膜の上にアルカリ金属珪
酸塩系無機質塗料を塗布してトップコート層を形成し、
光沢や透明感を高めるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の無機質塗料を構成するア
ルカリ金属珪酸塩は、ナトリウム系、カリウム系、リチ
ウム系などのいずれでもよいが、価格の点からしてナト
リウム系のものが好適であり、水ガラスとして市販され
ているものを用いるのが最も好ましい。
【0011】このアルカリ金属珪酸塩に添加する金属リ
ン酸塩としては、リン酸亜鉛、リン酸カリウム、リン酸
ジルコニウム、メタリン酸アルミニウム、第1リン酸ア
ルミニウムなどが好ましい。
【0012】金属リン酸塩の添加量は、アルカリ金属珪
酸塩固形分量に対し10〜50重量%とくに15〜35
重量%が好ましい。
【0013】リン酸塩吸着剤としては、アロフェン、イ
モゴライト、鹿沼土及びゼオライト(以下ゼオライト等
ということがある。)の1種又は2種以上が好ましい。
この鹿沼土はアロフェンを含有する火山灰土壌である。
【0014】このゼオライト等は、比表面積が500g
/m以上好ましくは500〜1000g/m特に好
ましくは700〜1000g/mの微細なものが好ま
しい。
【0015】このゼオライト等は金属リン酸塩に対し、
40重量%以上特にゼオライトは40〜100重量%の
割合にて添加されることが好ましい。
【0016】本発明の無機質塗料は、必要に応じ金属リ
ン酸塩のほかに、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジ
ルコニウム等の硬化剤を含有してもよい。
【0017】また、珪石などのフィラーを含有してもよ
く、各種の顔料を含有してもよい。
【0018】本発明の無機質塗料は、必要に応じ水が添
加され、塗布し易い粘性とされる。水の添加量は適度な
粘性となるように適宜実験して定めればよい。
【0019】この無機質塗料は、スプレー、はけ塗り、
ロール掛け、浸漬など各種方法によって基材表面に塗布
され、次いで100〜200℃程度で焼付け処理され、
塗膜を形成する。
【0020】塗膜の厚みは任意であるが、建材として用
いる場合には0.1〜0.5mm程度が好適である。
【0021】基材がセメント系、珪酸カルシウム系など
カルシウム成分を含む場合に白華防止効果が奏される。
ただし、本発明の無機質塗料は、金属パネル、樹脂パネ
ル、陶磁器タイルなど各種の基材表面に適用される。
【0022】なお、基材に無機質塗料を塗布する場合
に、基材表面にプライマー処理を施したり、塗膜と基材
とのなじみをよくするための下地層を形成する等の手段
を採用してもよい。
【0023】本発明の無機質塗料を製造するには、水ガ
ラス等のアルカリ金属珪酸塩とゼオライトとを混合すれ
ばよい。
【0024】ゼオライト等については必要に応じ予め所
定粒度以下まで粉砕しておくのが好ましい。
【0025】ゼオライト等以外の添加剤を添加する場
合、ゼオライトの粉砕時に混合粉砕するのが好ましい
が、別々に水ガラスと混合してもよい。
【0026】ゼオライト等を添加することにより塗膜の
透明性や光沢が低下することがあるので、塗膜の上にア
ルカリ金属珪酸塩系のトップコート層を形成してもよ
い。このトップコート層はアルカリ金属珪酸塩に金属リ
ン酸塩を添加したものが好ましい。この金属リン酸塩と
しては、上記のものをトップコート層の光沢や透明性を
損なわない範囲で添加することができる。金属リン酸塩
のリンの少なくとも一部が、下層の塗膜中のリン吸着剤
によって吸着されるので、トップコート層の白華が防止
される。なお、このトップコート層には、金属リン酸塩
のほかに、トップコート層の光沢や透明性を損なわない
範囲で珪酸アルミニウム等が配合されてもよい。
【0027】
【実施例】実施例1〜24、比較例1〜10 表1(実施例1〜24)及び表2(比較例1〜10)に
示した水ガラス以外の調合物をポットミルにて15時間
粉砕し、スラリーとした。このスラリーとナトリウム水
ガラス3号とを等重量ずつ混合攪拌して無機質塗料とし
た。
【0028】用いたゼオライトは市販品であり、銘柄は
ミズカシーブスY−420(水澤化学工業株式会社製)
である。
【0029】基材として、厚さ15mmのセメント系押
出し板を表面温度が80℃となるように予め乾燥機で加
熱しておき、この上に無機質塗料を被覆量が1m当り
200gの割合にてスプレー塗布した後、115℃で4
0分、165℃で2時間加熱硬化させて無機塗膜を形成
した。
【0030】このようにして得られた各試験片につい
て、耐煮沸性(耐沸騰水性)、耐薬品性、耐積層白華
性、温水によるSi,Pイオンの溶出量を調べ、塗膜と
しての性能を調べた。結果を表3に示す。
【0031】なお、耐沸騰水性は試験片を沸騰水中に8
時間浸漬して塗膜のしわ、膨れ、割れ、剥がれ、光沢変
化、白化を観察した。表3中の評価欄において、二重丸
は全く変化の見られないもの、一重丸(○)はわずかに
変化の見られたもの、×はいずれかの変化が顕著に見ら
れたものを示す。
【0032】耐薬品性のうち耐酸性については濃度5%
の硫酸水溶液に24時間浸漬して外観の観察、評価を行
った。耐アルカリ性については濃度5%の水酸化ナトリ
ウム水溶液に24時間浸漬して外観の観察、評価を行っ
た。
【0033】耐積層白華性は、1枚の試験片の塗膜表面
が十分濡れるように水道水を散水し、この上にもう一枚
の試験片を基材の裏面が接するように積み重ね、一昼夜
常温放置して、析出物の有無を調べた。二重丸は析出物
が見られないもの、一重丸(○)はわずかに析出物の見
られるもの、×は顕著に析出物が見られるものを示す。
【0034】Si,Pイオンの溶出量試験は、次に述べ
る方法で行った。即ち開口部の断面積が38cmであ
る樹脂製カップの底に穴をあけ、開口部の縁が塗膜に接
するよう逆さまにシリコンシーリング材で試験片を固着
させる。シーリング材を一晩常温で硬化させた後、底に
あけた穴から蒸留水を150ml注ぎ、80℃の乾燥器
中で8時間放置する。カップから注ぎだした溶出液は最
終的に200mlとなるように蒸留水を足し、ICP発
光分析法で、濃度を測定した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】表3からわかるように、アロフェン、イモ
ゴライト、鹿沼土、ゼオライトを含む塗料では、リンの
溶出量が低く、リンを原因とする白華を防ぐ効果が極め
て高い。これは、上記原料に存在する細孔がリンを効果
的に吸着しているためと考えられる。なお、比較例10
を除く全ての実施例及び比較例において、炭酸化による
エフロレッセンスは認められなかった。
【0039】実施例25,26、比較例11〜13 この実施例25,26はトップコートを塗布し、光沢の
ある無機塗膜を得る実施例である。表4にトップコート
の調合と、これと組み合わせた下塗りの調合名を示す。
下塗り塗布量は実施例1と同じく200g/mとし、
塗布後80℃で5分間乾燥して、トップコートを20g
/m塗布した。硬化条件、評価方法は実施例1と同様
である。評価結果を表5に示す。
【0040】表5からわかるように、トップコートを施
しても塗膜の性能には影響がなく、しかも光沢を持つ表
面が容易に得られる。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、耐水性に
優れ、且つ白華防止性に優れた塗膜と、この塗膜を形成
することができる無機質塗料が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑中 郁則 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株 式会社イナックス内 (72)発明者 三浦 正嗣 愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株 式会社イナックス内 (56)参考文献 特開 昭53−66942(JP,A) 特開 昭56−152869(JP,A) 特開 昭54−116032(JP,A) 特開 昭50−1119(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 1/02 C09D 7/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属珪酸塩を含有する無機質塗
    料において、金属リン酸塩と、リン吸着剤とを含有する
    ことを特徴とする無機質塗料。
  2. 【請求項2】 請求項1において、該リン吸着剤がアロ
    フェン、イモゴライト、鹿沼土又はゼオライトであるこ
    とを特徴とする無機質塗料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の無機質塗料を塗布して
    硬化させた無機質塗膜。
  4. 【請求項4】 請求項3において、アルカリ金属珪酸塩
    系無機質塗料により形成されたトップコート層を有する
    ことを特徴とする無機質塗膜。
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WO2003080744A1 (fr) * 2002-03-27 2003-10-02 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. Film hydrophile, son procede d'obtention et peinture pour la formation d'un film hydrophile
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